JP2018069449A - 未加硫シリコーンゴム積層体 - Google Patents

未加硫シリコーンゴム積層体 Download PDF

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智欣 降籏
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Hiroto Owada
寛人 大和田
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Abstract

【課題】ミラブルタイプの付加硬化型シリコーンゴム組成物からなる未加硫シリコーンゴムシートを封止材として用いて太陽電池素子等の電子デバイスを封止する際に、未加硫シリコーンゴムシートの硬化特性を維持でき、容易に離型シートを剥離できる作業性が良好な未加硫シリコーンゴム積層体の提供。
【解決手段】(A)1分子中にアルケニル基を2個以上有する重合度100以上のオルガノポリシロキサン、(B)比表面積50m2/g以上の補強性シリカ、(C)付加反応型硬化剤を含む付加硬化型シリコーンゴム組成物からなる未加硫シリコーンゴムシート1の両面に、それぞれ剥離力が異なる1層以上の樹脂フィルムが積層された未加硫シリコーンゴム積層体において、各樹脂フィルムにおける少なくとも未加硫シリコーンゴムシート1に接する層が、窒素、リン或いは硫黄元素を含む有機化合物を含まない未加硫シリコーンゴム積層体。
【選択図】図1

Description

本発明は、特に太陽電池素子を樹脂封止する際などに使用する未加硫シリコーンゴム積層体、及び太陽電池素子の封止材料に関する。
太陽電池モジュールの高効率化及び20年から30年超の長期信頼性を確保するための方策として、封止材の主流であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと略す)に替えてシリコーン材料を用いる検討がなされてきた。
しかしながら、シリコーン材料は一般的にシート表面に粘着性があることが知られており、特に未加硫のシリコーンゴム材料は粘着性が強いため、封止工程時に隙間残りが発生するなどの問題があった。
この対策のため、ミラブル型の未硬化のシリコーンゴム材料を封止材に用いる方法として、特開平10−321888号公報(特許文献1)では、未硬化のシリコーンゴム表面の粘着性を改善するために、シリコーンゴムシートの片面又は両面に有機微粉末を塗布する方法が提案されている。また、特開2010−158897号公報(特許文献2)では、接着促進剤を配合した付加硬化型シリコーン組成物を硬化して得られたシリコーン層の一方の上に、同じく接着促進剤を含有する付加硬化型シリコーン組成物を塗布し、当該組成物を硬化させる方法が提案されている。
一方、シリコーンゴムシートの構成に着目すると、特開2005−187686号公報(特許文献3)では、導電性能又は補強性能をもつ1層以上のメッシュ状シート部材を、未硬化のシリコーン接着剤の内部若しくは表面に積層、被覆させて、使用時には圧接や押圧力でシリコーン接着性成分がメッシュ状シート部材と一体化するものや、特開2000−294977号公報(特許文献4)では、フッ化シリコーン系離型剤等で剥離処理した樹脂フィルム上に、液状シリコーンゴム原料を塗工して乾燥させた積層体が提案されている。
しかし、これらいずれの方法においても、粘着性のあるシリコーン表面を露出したままの状態では作業性にも悪影響を及ぼす可能性があり、また酸化防止剤などの添加剤を含有した樹脂フィルムで粘着面を覆うことにより、次工程で未加硫シリコーンの付加硬化反応を阻害し、硬化しない、又は硬化遅延現象等が発生する可能性がある。
特開平10−321888号公報 特開2010−158897号公報 特開2005−187686号公報 特開2000−294977号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ミラブルタイプの付加硬化型シリコーンゴム組成物からなる未加硫シリコーンゴムシートを封止材料として用いて太陽電池素子をはじめとする電子デバイスを封止する際に、未加硫シリコーンゴムシートの硬化特性を維持することができ、かつ容易に離型シートを剥離できる、作業性が良好な未加硫シリコーンゴム積層体、及び太陽電池素子の封止材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、下記の付加硬化型シリコーンゴム組成物からなる未加硫シリコーンゴムシートの両面に、それぞれ剥離力が異なる1層又は更にその上に1層以上の樹脂フィルムが積層された未加硫シリコーンゴム積層体において、各樹脂フィルムにおける少なくとも前記未加硫シリコーンゴムシートに接する層が、窒素、リン及び硫黄の少なくとも1種の元素を含む有機化合物を含まない樹脂フィルムにて積層された未加硫シリコーンゴム積層体が、太陽電池素子をはじめとする電子デバイスの封止材料として用いた際に、未加硫シリコーンゴムシートの硬化特性を維持することができ、かつ容易に離型シート(樹脂フィルム)を剥離でき、作業性が良好であることを見出し、本発明をなすに至った。
なお、本発明においては、未加硫シリコーンゴムシートから剥離して使用する軽剥離側の樹脂フィルム又は重剥離側の樹脂フィルムを離型シートと記載し、また未加硫シリコーンゴムシートから剥離せずに積層したまま使用する重剥離側の樹脂フィルムを保護シートと記載する。
従って、本発明は、下記の未加硫シリコーンゴム積層体、及び太陽電池素子の封止材料を提供する。
[1]
下記(A)〜(C)成分
(A)下記平均組成式(I)で表される1分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する重合度が100以上のオルガノポリシロキサン;100質量部、
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ;10〜150質量部、
(C)付加反応型硬化剤;(A)成分を硬化させる有効量
を含む付加硬化型シリコーンゴム組成物からなる未加硫シリコーンゴムシートの両面に、それぞれ剥離力が異なる1層又は更にその上に1層以上の樹脂フィルムが積層された未加硫シリコーンゴム積層体において、各樹脂フィルムにおける少なくとも前記未加硫シリコーンゴムシートに接する層が、窒素、リン及び硫黄の少なくとも1種の元素を含む有機化合物を含まないことを特徴とする未加硫シリコーンゴム積層体。
[2]
前記未加硫シリコーンゴムシートの両面に積層された樹脂フィルムにおいて、それぞれの樹脂フィルムの未加硫シリコーンゴムシートに対するJIS K 6854−2:1999に記載の180°剥離力に差があり、重剥離側の樹脂フィルムの該剥離力と軽剥離側の樹脂フィルムの該剥離力との差が0.05N/25mm以上である[1]記載の未加硫シリコーンゴム積層体。
[3]
軽剥離側の樹脂フィルムが、エンボス加工付樹脂フィルムである[1]又は[2]記載の未加硫シリコーンゴム積層体。
[4]
重剥離側の樹脂フィルムが、フッ素樹脂系フィルム及び金属層含有多層樹脂フィルムから選ばれるものである[1]〜[3]のいずれかに記載の未加硫シリコーンゴム積層体。
[5]
太陽電池素子の封止材料として用いられる[1]〜[4]のいずれかに記載の未加硫シリコーンゴム積層体。
[6]
[5]記載のシリコーンゴム積層体において、該積層体の未加硫シリコーンゴムシートが太陽電池素子の封止層であり、かつ重剥離側の樹脂フィルムが保護シートである太陽電池素子の封止材料。
本発明の未加硫シリコーンゴム積層体によれば、粘着性のある未加硫シリコーンゴムシートを封止材料として用いる際において、未加硫シリコーンゴムシートの加硫特性が経時で変化することを抑制でき、かつ容易に離型シート(樹脂フィルム)を剥離することができ、作業性が良好となる。
本発明に係る未加硫シリコーンゴムシートの両面に剥離力の異なる添加剤非含有のポリエチレンフィルムを積層した未加硫シリコーンゴム積層体の例を示す。 本発明に係る未加硫シリコーンゴムシートの片面に添加剤非含有のポリエチレンフィルムを積層し、もう一方の面に添加剤非含有のフッ素樹脂系フィルムを積層した未加硫シリコーンゴム積層体の例を示す。
本発明の未加硫シリコーンゴム積層体は、付加硬化型シリコーンゴム組成物からなる未加硫シリコーンゴムシートの両面に、それぞれ剥離力が異なる1層又は更にその上に1層以上の樹脂フィルムが積層され、各樹脂フィルムにおける少なくとも前記シリコーンゴムシートの両面に接する層が、付加反応阻害物質である窒素、リン及び硫黄の少なくとも1種の元素を含む有機化合物を含まないものであることを特徴とするものである。
ここで、未加硫シリコーンゴムシートは、下記(A)〜(C)成分
(A)下記平均組成式(I)で表される1分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する重合度が100以上のオルガノポリシロキサン、
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ、及び
(C)付加反応型硬化剤
を含む付加硬化型シリコーンゴム組成物をシート状に形成したものである。
以下、各成分について詳述する。
(A)成分は、下記平均組成式(I)で表される1分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する重合度が100以上のオルガノポリシロキサンである。
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
上記平均組成式(I)中、R1は同一又は異種の1価炭化水素基を示し、通常、炭素数1〜12、特に炭素数1〜8の非置換もしくは置換の1価炭化水素基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子などで置換した、例えばクロロメチル基、トリフルオロプロピル基等が挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基が好ましい。また、全R1中90モル%以上、好ましくは95モル%以上、更に好ましくはアルケニル基を除く全てのR1がアルキル基、特にはメチル基であることが望ましい。
特に、(A)成分のオルガノポリシロキサンは、1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を有することが必要であり、通常、2〜50個、特に2〜20個程度のアルケニル基を有するものが好ましく、特にビニル基を有するものであることが好ましい。この場合、全R1中0.01〜20モル%、特に0.02〜10モル%がアルケニル基であることが好ましい。なお、このアルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中(分子鎖非末端)のケイ素原子に結合していても、その両方に結合していてもよいが、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
また、aは1.95〜2.05、好ましくは1.98〜2.02、より好ましくは1.99〜2.01の正数である。
(A)成分のオルガノポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、又は一部分岐構造を有する直鎖状であることが好ましい。具体的には、該オルガノポリシロキサンの主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2、R1は上記と同じ、以下同様)の繰り返し構造がジメチルシロキサン単位のみの繰り返しからなるもの、又はこの主鎖を構成するジメチルシロキサン単位の繰り返しからなるジメチルポリシロキサン構造の一部として、フェニル基、ビニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等を置換基として有するジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位等のジオルガノシロキサン単位を導入したものなどが好適である。
なお、分子鎖両末端は、例えば、トリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、ジビニルメチルシロキシ基、トリビニルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)や、ヒドロキシジメチルシロキシ基等のヒドロキシジオルガノシロキシ基(R1 2(HO)SiO1/2)などで封鎖されていることが好ましい。これらの中でも特にトリビニルシロキシ基は反応性が高く、好ましい。
このようなオルガノポリシロキサンは、例えば、オルガノハロゲノシランの1種又は2種以上を(共)加水分解縮合することにより、あるいは環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体、4量体など)をアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合することによって得ることができる。
なお、上記オルガノポリシロキサンの重合度は100以上(通常、100〜100,000)であり、好ましくは2,000〜50,000、より好ましくは3,000〜20,000であり、室温(25℃)において自己流動性のない、いわゆる生ゴム状(非液状)であることが好ましい。重合度が小さすぎるとコンパウンドとした際に、ロール粘着などの問題が生じ、ロール作業性が低下する。なお、この重合度は、通常、トルエンを展開溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析による標準ポリスチレン換算の質量平均重合度として測定することができる(以下同じ)。
(A)成分は、基本的に直鎖状のジオルガノポリシロキサンであるが、分子量(重合度)や分子構造の異なる2種又は3種以上の混合物であってもよい。
(B)成分の補強性シリカは、機械的強度に優れ、かつ透明性に優れたシリコーンゴム組成物を得るために添加されるものである。
優れた機械的強度を持たせるためには、比表面積(BET吸着法)が50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは100〜450m2/g、より好ましくは100〜300m2/gである。比表面積が50m2/g未満だと、硬化物の機械的強度が低くなってしまう。また、特に硬化後のシリコーンゴムとして波長300nm以下での優れた透明性を持たせるためには、比表面積が200m2/g以上であることが好ましい。これにより、例えば上記シリコーンゴム組成物の厚さ2mmの硬化物シートのスガ試験機(株)製直読ヘイズコンピューターHGM−2による測定値で全光線透過率が90%以上、かつヘイズ値が10以下となる。
このような補強性シリカとしては、例えば、煙霧質シリカ(乾式シリカ又はヒュームドシリカ)、沈降シリカ(湿式シリカ)等が挙げられ、またこれらの表面をオルガノアルコキシシラン化合物、クロロシランなどのオルガノクロロシラン化合物、ヘキサメチルジシラザンなどのオルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等で疎水化処理したものも好適に用いられる。これらの中でも動的疲労特性に優れる煙霧質シリカが好ましい。
(B)成分は、1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
(B)成分の補強性シリカとしては、市販品を用いることができ、例えば、アエロジル130、アエロジル200、アエロジル300、アエロジルR−812、アエロジルR−972、アエロジルR−974などのアエロジルシリーズ(日本アエロジル(株)製)、Cabosil MS−5、MS−7(キャボット社製)、レオロシールQS−102、103、MT−10((株)トクヤマ製)等の表面未処理又は表面疎水化処理された(即ち、親水性又は疎水性の)ヒュームドシリカや、トクシールUS−F((株)トクヤマ製)、NIPSIL−SS、NIPSIL−LP(日本シリカ(株)製)等の表面未処理又は表面疎水化処理された沈降シリカ等が挙げられる。
(B)成分の補強性シリカの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して10〜150質量部であり、好ましくは50〜120質量部であり、更に好ましくは70〜100質量部である。(B)成分の配合量が少なすぎる場合には補強効果が得られず、またシリコーンゴム組成物の硬化後の透明性が低下する。多すぎる場合にはシリコーンポリマー中へのシリカの分散が困難になると同時に加工性が悪くなり、また機械的強度も低下する。
(C)成分の付加反応型硬化剤としては、上記(A)成分を付加反応(ヒドロシリル化反応)によって硬化させ得るものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(架橋剤)とヒドロシリル化反応触媒との組み合わせが好ましい。
上記付加反応(ヒドロシリル化反応)における架橋剤としてのオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合した水素原子(SiH基)を含有するもので、下記平均組成式(II)で示される従来から公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが適用可能である。
2 bcSiO(4-b-c)/2 (II)
(式中、R2は同一又は異種の1価炭化水素基を示し、bは0.7〜2.1、cは0.01〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0の正数である。)
ここで、R2は1価炭化水素基で、好ましくは脂肪族不飽和結合を有さない非置換もしくは置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基である。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基、及びこれらの炭化水素基の水素原子の少なくとも一部がフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子などで置換された基、例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。
bは0.7〜2.1、cは0.01〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0、好ましくは、bは0.8〜2.0、cは0.1〜1.0、より好ましくは0.18〜1.0、更に好ましくは0.2〜1.0、かつb+cは1.0〜2.5を満足する正数で示される。
また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状のいずれの構造であってもよい。この場合、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は2〜300個、特に4〜200個程度の室温(25℃)で液状のものが好適に用いられる。なお、ケイ素原子に結合する水素原子(SiH基)は分子鎖末端にあっても側鎖(分子鎖途中)にあっても、その両方にあってもよく、1分子中に少なくとも2個(通常2〜300個)、好ましくは3個以上(例えば3〜200個)、より好ましくは4〜150個程度含有するものが使用される。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体等や、上記各例示化合物において、メチル基の一部又は全部がエチル基、プロピル基等の他のアルキル基やフェニル基等のアリール基で置換されたもの等が挙げられる。
また、このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、具体的に、下記構造式の化合物を例示することができる。
Figure 2018069449
(式中、kは2〜10の整数、s及びtはそれぞれ0〜10の整数である。)
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、25℃における粘度が0.5〜10,000mPa・s、特に1〜300mPa・sであることが好ましい。粘度は、JIS Z 8803:2011記載の方法で、回転粘度計により測定することができる。
また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基等の脂肪族不飽和基に対するオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)のモル比(SiH基/脂肪族不飽和基)が0.5〜10モル/モル、好ましくは0.8〜6モル/モル、より好ましくは1〜5モル/モルとなる量で配合することが望ましい。0.5モル/モル未満だと架橋が十分でなく、十分な機械的強度が得られない場合があり、また10モル/モルを超えると硬化後の物理特性が低下し、特に耐熱性と耐圧縮永久歪性が著しく劣化する場合がある。
また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサンを硬化させる有効量であり、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部であり、更に好ましくは0.3〜10質量部である。
また、上記付加反応(ヒドロシリル化反応)による架橋反応に用いられるヒドロシリル化反応触媒は、(A)成分中の脂肪族不飽和基(例えばアルケニル基等)と、架橋剤としての上記オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子結合水素原子(SiH基)を付加反応させる触媒である。ヒドロシリル化反応触媒としては、白金族金属系触媒が挙げられ、白金族の金属単体とその化合物があり、これには従来、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の触媒として公知のものが使用できる。例えば、シリカ、アルミナ又はシリカゲルのような担体に吸着させた微粒子状白金金属、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸6水塩のアルコール溶液、パラジウム触媒、ロジウム触媒等が挙げられるが、白金又は白金化合物が好ましい。
ヒドロシリル化反応触媒の添加量は、付加反応を促進できる、いわゆる触媒量であればよく、通常、(A)成分に対して白金系金属質量に換算して1ppm〜1質量%の範囲で使用されるが、10〜500ppmの範囲が好ましい。添加量が1ppm未満だと、付加反応が十分促進されず、硬化が不十分である場合があり、一方、1質量%を超えると、これより多く加えても、反応性に対する影響も少なく、不経済となる場合がある。
また、上記の触媒のほかに硬化速度を調整する目的で、付加架橋制御剤を使用してもよい。具体的には、エチニルシクロヘキサノールやテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
更に、その他の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲において添加してもよい。その他の成分は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記(A)、(B)及び(C)成分の所定量を、2本ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等で混練りすることによって未加硫の付加硬化型シリコーンゴム組成物を得ることができる。
このようにして調製された未加硫の付加硬化型シリコーンゴム組成物の可塑度は、JIS K 6249:2003に記載の方法で測定した値が、150以上800以下、好ましくは200以上600以下、更に好ましくは250以上500以下である。可塑度が150より小さいとシートの粘着性が増大し、作業性に劣る。一方、可塑度が800を超えると、シート自体が脆くなる可能性がある。
更に、上記未加硫の付加硬化型シリコーンゴム組成物は、カレンダー成形法、インジェクション法、プレス法などの常法によりシート化することができる。この際、シリコーンゴムシートの厚さは0.1〜0.8mmの厚さで成形するのが好ましく、0.2〜0.7mmがより好ましい。0.1mmより薄いとシートが柔らかいために傷付く可能性があり、0.8mmより厚いと特にカレンダー成形法では気泡なく成形することが困難となる可能性がある。以上のようにして、未加硫シリコーンゴムシートを得る。
上記未加硫シリコーンゴムシートの両面に、それぞれ剥離力が異なる1層又は更にその上に1層以上の樹脂フィルムを積層する。本発明においては、上記未加硫シリコーンゴムシートの両面に接する、それぞれ剥離力が異なる樹脂フィルムの層、好ましくは樹脂フィルムを構成する全ての層が、付加反応阻害物質である窒素、リン及び硫黄の少なくとも1種の元素を含む有機化合物を含まないことを特徴とするものである。
ここで、上記有機化合物を含まない樹脂フィルムとしては、添加剤非含有の樹脂フィルムを用いることができる。この場合の添加剤とは、通常、樹脂フィルム成型品に含まれている酸化防止剤(AO剤)、滑剤(SL剤)又はアンチブロッキング剤(AB剤)などを指す。酸化防止剤の例でいえば、特にチオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチルなどの硫黄系酸化防止剤、又は亜リン酸トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニルなどのリン酸系酸化防止剤が挙げられる。滑剤の例でいえば、ステアリン酸などの脂肪酸系滑剤や、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの脂肪族アミド系滑剤が挙げられる。またアンチブロッキング剤の例でいえば、合成シリカやシリカなどが挙げられる。
このうち特に、上記添加剤中に窒素、リン及び硫黄の少なくとも1種の元素を含む有機化合物である添加剤が含有されている樹脂フィルムと未加硫シリコーンゴムシートが積層されていると、経時でこれらの元素を含む成分が未加硫シリコーンゴムシートに移行し、結果として未加硫シリコーンゴムシートの硬化(加硫)反応を阻害又は硬化(加硫)遅延現象を誘発又は加速することになり、未加硫シリコーンゴムシートが本来有している硬化特性を維持できなくなる。
また、本発明においては、上記添加剤非含有の樹脂フィルムを用いて、粘着性のある未加硫シリコーンゴムシートに積層すると、上記硬化阻害又は硬化遅延現象を抑制できるだけでなく、次工程で樹脂フィルムを剥離して太陽電池素子などの電子デバイスを封止する際に、経時においても軽剥離性能を維持し、未加硫シリコーンゴムシートから離型シートが剥離しやすくなる。
なお、本発明に用いる樹脂フィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などが好適に用いられるが、コスト面からもポリエチレンフィルムがより好適に用いられる。
また、本発明に用いる樹脂フィルムの厚さとしては80〜300μmであることが好ましく、100〜200μmであることがより好ましい。80μmより薄いと、樹脂フィルムを未加硫シリコーンゴムシートに積層する際に樹脂フィルムが破れてしまう可能性があり、300μmより厚いとコスト高になってしまう。
このような本発明の未加硫シリコーンゴム積層体の好適な態様について、図面を参照しながら説明すると、例えば、図1に示すように、上記で得られた未加硫シリコーンゴムシート1の両面に、剥離力の異なる添加剤非含有のポリエチレンフィルム2、2’を積層する。ここで、添加剤非含有のポリエチレンフィルム2、2’は、後述するように剥離力がそれぞれ異なるものを使用する。
更に、例えば図2に示すように、未加硫シリコーンゴムシート1の片面には添加剤非含有のポリエチレンフィルム2を、もう一方の面には添加剤非含有のフッ素樹脂系フィルム3で積層することもできる。
例えば、サブストレート構造の太陽電池モジュールにおける受光面側の保護シートをフッ素樹脂系フィルム(重剥離側の樹脂フィルム)とする場合、予め未加硫シリコーンゴムシートと添加剤非含有のフッ素樹脂系フィルムとを積層しておくことにより、次工程での未加硫シリコーンゴムシートと添加剤非含有のフッ素樹脂系フィルムとの積層工程をなくすことができ、工程の短縮を図ることができる。
この際に用いる添加剤非含有のフッ素樹脂系フィルムの厚さは200μm以下であることが好ましく、より好ましくは10〜150μmであり、更に好ましくは20〜100μmである。200μmより厚いと、コストが高くなったり、受光面側の保護シートとして用いる際に全光線透過率が減少したりする可能性がある。また10μmより薄いと、フィルム自体が脆弱となり未加硫シリコーンゴムシートに積層しにくくなる可能性がある。
また、未加硫シリコーンゴムシートを太陽電池モジュールのスーパーストレート構造におけるバックシート側の封止材料として用いる場合、添加剤非含有のフッ素樹脂系フィルムで代表されるバックシート(重剥離側の樹脂フィルム)に予め積層しておくことにより、次工程の太陽電池セルストリングス封止工程時には、離型シート(軽剥離側の樹脂フィルム)としての添加剤非含有のポリエチレンフィルムのみを剥離するだけで、太陽電池素子を封止することができる。
この際に用いる添加剤非含有のフッ素樹脂系フィルムの厚さは500μm以下であることが好ましく、より好ましくは50〜400μmであり、更に好ましくは100〜350μmである。500μmより厚いと、コストが高くなったり、ラミネート作業性が悪化する場合がある。また50μmより薄いと、フィルム自体が脆弱となり未加硫シリコーンゴムシートに積層しにくくなる場合がある。
但し、この際用いるフッ素樹脂系フィルムは、保護シートやバックシートとして用いられるフッ素樹脂系フィルムなら何でもよいわけではなく、上記添加剤非含有のポリエチレンフィルムと同様に、積層した際に経時で未加硫シリコーンゴムシートの硬化反応を阻害する物質を含まないフッ素樹脂系フィルムでなければならない。
このような添加剤非含有のフッ素樹脂系フィルムの例としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体などが挙げられる。
なお、本発明に用いる樹脂フィルムとしては、2層以上の積層フィルムを用いてもよい。その場合は、少なくとも未加硫シリコーンゴムシートと接する面が添加剤非含有の樹脂フィルムであればよく、それ以外の層に関しては、添加剤の有無を問わずポリエチレン、ポリプロピレン、又はPETなどの有機樹脂フィルムや、アルミニウム膜などの金属膜が積層されていてもよい。
また、上記未加硫シリコーンゴムシートの両面に積層されたそれぞれの樹脂フィルムは、未加硫シリコーンゴムシートに対する剥離力に差があるものであり、該未加硫シリコーンゴムシートに対する樹脂フィルムのJIS K 6854−2:1999に記載の180°剥離力において、両面の樹脂フィルムにおける剥離力との差(重剥離側の樹脂フィルムの該剥離力と軽剥離側の樹脂フィルムの該剥離力との差)が25mm幅での測定において0.05N以上であることが好ましい。これは、太陽電池セルストリングスの封止工程において、未加硫シリコーンゴムシートを離型シート(樹脂フィルム)から引き剥がす際に、両面の離型シート(樹脂フィルム)の剥離力の差が0.05Nより小さいと、片面ずつきれいに剥離できず作業性が悪化するためである。なお、両面の樹脂フィルムにおける上記剥離力においては25mm幅での測定において0.1N以上あることがより好ましい。
更に、この際に用いる樹脂フィルムは、エンボス加工処理されていてもよい。例えば、エンボス加工処理された樹脂フィルムを軽剥離側の樹脂フィルムとして片面に用いることにより、上記180°剥離力の差をコントロールすることができ、また一方では特に太陽電池素子などのデバイスを真空ラミネート法により封止する際に、該デバイスとの間の空気を抜きやすくすることができ、封止残りの発生を大きく低減できる可能性がある。
なお、重剥離側の樹脂フィルムとしては、上述したフッ素樹脂系フィルム及び金属層含有多層樹脂フィルムから選ばれるものが好ましい。
未加硫シリコーンゴムシートに添加剤非含有の樹脂フィルムを積層する方法としては、ロール・ツウ・ロール法や真空ラミネート法など常法により積層することができる。また、特に未加硫シリコーンゴムシートをカレンダー成形法にてシート化する際には、上記添加剤非含有の樹脂フィルムを未加硫シリコーンゴムシートの基材としてカレンダーロールに挿入し、カレンダーロールから、未加硫シリコーンゴムシートを添加剤非含有の樹脂フィルムに転写して積層することができる。
このようにして得られた添加剤非含有の樹脂フィルム層で挟んだ未加硫シリコーンゴム積層体は、粘着性のある未加硫シリコーンゴムシートを、太陽電池素子などのデバイス用封止材料として用いる際において作業性良くハンドリングすることができ、かつ未加硫シリコーンゴムシートが経時で硬化することを抑制でき、更に添加剤非含有の重剥離側の樹脂フィルムを保護シートとして積層したまま、添加剤非含有の軽剥離側の樹脂フィルムを離型シートとして未加硫シリコーンゴムシートから容易に剥離することができる。
以下、調製例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例で部は質量部を示す。また、室温は25℃を示す。また、質量平均重合度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算値であり、可塑度は、JIS K 6249:2003に記載の方法で測定した値である。また、無添加ポリエチレンフィルム、無添加ポリエチレンエンボスシート、無添加エチレン−テトラフロオロエチレン共重合体シートの「無添加」とは、酸化防止剤(AO剤)、滑剤(SL剤)又はアンチブロッキング剤(AB剤)などの添加剤を含有しないことを示し、窒素、リン及び硫黄の少なくとも1種の元素を含む有機化合物を含まないものである。
[調製例1]
以下の条件で未加硫シリコーンゴムシートを作製した。
まず、ジメチルシロキサン単位99.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.15モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、質量平均重合度が約8,000であるオルガノポリシロキサン100部、BET比表面積200m2/gの乾式シリカ(アエロジル(Arosil)200、日本アエロジル(株)製)80部、該シリカの表面処理剤として両末端にシラノール基を有し、JIS Z 8803:2011記載の回転粘度計で測定した25℃における粘度が29mPa・sのジメチルポリシロキサン5部をニーダーで配合し、180℃で2時間熱処理し、ベースゴムコンパウンドを作製した。このベースゴムコンパウンドの可塑度を測定した結果350であった。
次いで、付加硬化剤としてC−25A(白金触媒、白金系金属質量換算で0.1質量%含有)0.5部及びC−25B(オルガノハイドロジェンポリシロキサン、含有量42質量%)2.0部(ともに信越化学工業(株)製)を2本ロールミルにて添加混合し、5mm厚の付加硬化型シリコーンゴム組成物からなる未加硫シリコーンゴムシートを作製した。次に、得られた5mm厚の未加硫シリコーンゴムシートを室温にて日本ロール製造(株)製カレンダー成形機にて0.7mm厚の未加硫シリコーンゴムシートに成形し、フィルム積層前の未加硫シリコーンゴムシートとした。
[実施例1]
調製例1で作製したフィルム積層前の未加硫シリコーンゴムシートの片面に、室温にて無添加ポリエチレンフィルムとして直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(タマポリ(株)製、AJ−1、厚さ100μm)をロール・ツウ・ロール法にて押し付けて貼り(重剥離側樹脂フィルム)、もう一方の面に、室温にて無添加ポリエチレンエンボスシート(石島化学工業(株)製、白色麻布模様エンボスシート、厚さ100μm)を同様にロール・ツウ・ロール法にて押し付けて貼り(軽剥離側樹脂フィルム)、積層体1を得た(図1に示す状態)。
[実施例2]
調製例1で作製したフィルム積層前の未加硫シリコーンゴムシートの片面に、室温にて無添加ポリエチレンフィルムとして直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(タマポリ(株)製、AJ−1、厚さ100μm)をロール・ツウ・ロール法にて押し付けて貼り(軽剥離側樹脂フィルム)、もう一方の面に、室温にて無添加エチレン−テトラフロオロエチレン共重合体シート(旭硝子製、厚さ100μm)を同様にロール・ツウ・ロール法にて押し付けて貼り(重剥離側樹脂フィルム)、積層体2を得た(図2に示す状態)。
[比較例1]
調製例1で作製したフィルム積層前の未加硫シリコーンゴムシートの片面に、室温にて無添加ポリエチレンフィルムとして直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(タマポリ(株)製、AJ−1、厚さ100μm)をロール・ツウ・ロール法にて押し付けて貼り(軽剥離側樹脂フィルム)、もう一方の面に、室温にて脂肪酸アミドを滑剤として添加したエチレン/メタクリル酸共重合樹脂フィルム(厚さ60μm)を同様にロール・ツウ・ロール法にて押し付けて貼り(重剥離側樹脂フィルム)、積層体3を得た。
[加硫特性の評価]
上記実施例及び比較例で得られた積層体1〜3について、加硫特性の評価を行った。まず、調製例1で作製した未加硫シリコーンゴムシートを以下の条件でトルク値(kg−cm)と加硫時間(分)を測定した。結果を表1に示す。
測定装置:アルファテクノロジー社製レオメータ:MDR2000
測定温度:130℃(一定)
測定時間:15分間
なお、トルク値のMLとは試験の間に測定される最小トルク値を示し、MHとはMLの後に達成される最大値を指す。また、加硫時間のt10、t50、及びt90とは、最大トルク値MHを100%加硫、最小トルク値を0%加硫とした場合の、10%加硫、50%加硫、及び90%加硫に達成した時間を指す。
次いで、上記実施例及び比較例で得られた積層体1〜3を5±2℃以下で2週間冷蔵保管した後、室温まで戻してから、積層体よりフィルムあるいはシートを剥がして未加硫シリコーンゴムシートのみとし、この加硫特性を上記と同様の方法で測定した。結果を表1に示す。
[剥離性能の評価]
上記実施例及び比較例で得られた積層体1〜3について、剥離性能の評価を行った。
評価方法としては、オートグラフによりJIS K 6854−2:1999に記載の180°剥離法により行った。結果を表1に示す。
Figure 2018069449
上記の結果から、比較例1では実施例1や2に比べて、加硫特性においても硬化遅延現象が確認されたが、剥離性能も実施例に比べて重剥離であり重剥離側の離型シートをきれいに剥がすことができなかった。
1 未加硫シリコーンゴムシート
2,2’ 無添加(添加剤非含有の)ポリエチレンフィルム
3 無添加(添加剤非含有の)フッ素樹脂系フィルム

Claims (6)

  1. 下記(A)〜(C)成分
    (A)下記平均組成式(I)で表される1分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する重合度が100以上のオルガノポリシロキサン;100質量部、
    1 aSiO(4-a)/2 (I)
    (式中、R1は同一又は異種の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
    (B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ;10〜150質量部、
    (C)付加反応型硬化剤;(A)成分を硬化させる有効量
    を含む付加硬化型シリコーンゴム組成物からなる未加硫シリコーンゴムシートの両面に、それぞれ剥離力が異なる1層又は更にその上に1層以上の樹脂フィルムが積層された未加硫シリコーンゴム積層体において、各樹脂フィルムにおける少なくとも前記未加硫シリコーンゴムシートに接する層が、窒素、リン及び硫黄の少なくとも1種の元素を含む有機化合物を含まないことを特徴とする未加硫シリコーンゴム積層体。
  2. 前記未加硫シリコーンゴムシートの両面に積層された樹脂フィルムにおいて、それぞれの樹脂フィルムの未加硫シリコーンゴムシートに対するJIS K 6854−2:1999に記載の180°剥離力に差があり、重剥離側の樹脂フィルムの該剥離力と軽剥離側の樹脂フィルムの該剥離力との差が0.05N/25mm以上である請求項1記載の未加硫シリコーンゴム積層体。
  3. 軽剥離側の樹脂フィルムが、エンボス加工付樹脂フィルムである請求項1又は2記載の未加硫シリコーンゴム積層体。
  4. 重剥離側の樹脂フィルムが、フッ素樹脂系フィルム及び金属層含有多層樹脂フィルムから選ばれるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の未加硫シリコーンゴム積層体。
  5. 太陽電池素子の封止材料として用いられる請求項1〜4のいずれか1項に記載の未加硫シリコーンゴム積層体。
  6. 請求項5記載のシリコーンゴム積層体において、該積層体の未加硫シリコーンゴムシートが太陽電池素子の封止層であり、かつ重剥離側の樹脂フィルムが保護シートである太陽電池素子の封止材料。
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