JP4061486B2 - シリコーン積層体及びその製造方法 - Google Patents

シリコーン積層体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコーン積層体及びその製造方法に関し、更に詳述すると、プライマー処理や接着剤を用いなくても良好に接着した付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化物と付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化物とのシリコーン積層体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、衣類やバッグ、シューズ及びそれらの用途に限定されない装飾用の意匠物(ワッペン・マーク・ロゴ等)として硬化性シリコーン組成物が使用されており、そのシリコーン硬化物の表面には硬化性シリコーンインキによるマーキングや立体ロゴなどが成型されている。このような硬化性シリコーン組成物としては、例えば特公昭52−14642号公報や特開2001−214101号公報などに提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特公昭52−14642号公報
【特許文献2】
特開2001−214101号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの組成物では、先に硬化したシリコーン硬化物に対する接着性がまだ十分ではなく、また接着性を向上させるために各種接着促進剤と呼ばれる有機化合物や有機過酸化物を用いる必要があり、これらの成分を添加することで未硬化状態での保存性の低下やコストが高くなる等の問題がある。またこれらの有機化合物を用いない場合には、先に硬化させるべきシリコーン組成物の加硫を途中で止め、半加硫の状態のままでもう一方のシリコーン組成物と一緒に加硫を行い、一体成型するなどの方法を採ることも可能であるが、加硫温度や加硫時間等の条件の見極めなど、作業工程が煩雑・複雑化する問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、接着させる界面にプライマー処理や接着剤を使用しなくても、また使用するシリコーン組成物に特殊な接着促進剤を添加しなくても良好に接着し、更に加工条件の特別な見極めなどを必要としなくても良好に接着するシリコーン積層体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため種々検討を行った結果、下記(A)〜(C)を含有する付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物(I)の硬化物と、下記(D)〜(F)を含有する付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物(II)の硬化物との積層体において、(A)成分中の総脂肪族不飽和基に対する(B)成分中のケイ素原子結合水素原子(SiH基)のモル比pと、(D)成分中の総脂肪族不飽和基に対する(E)成分中のケイ素原子結合水素原子(SiH基)のモル比qを、p<qとすることにより、接着させる界面にプライマー処理や接着剤を使用しなくても、また使用する組成物に特殊な接着促進剤を添加しなくても良好に接着し、更に加工条件の特別な見極めなどを必要としなくても良好に接着するシリコーン積層体が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
【0007】
従って、本発明は、下記シリコーン積層体及びその製造方法を提供する。
](A)(A−1)ケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を1分子中に2個以上含有するオルガノポリシロキサン: 80〜100重量部
(A−2)ケイ素原子に結合した水素原子とヒドロシリル化反応可能な脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上含有する有機化合物: 0〜20重量部
(A−1)成分+(A−2)成分の合計が100重量部となる量
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A−1)及び(A−2)成分中の脂肪族不飽和基の総モル数(a)に対する本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子のモル数(b)の比率(b)/(a)をpとした場合、0.5≦p≦1.5となる量
(C)白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒から選ばれるヒドロシリル化反応用触媒: 有効量
を含有するオルガノポリシロキサン組成物(I)の硬化物と、
(D)(D−1)ケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を1分子中に2個以上含有するオルガノポリシロキサン: 80〜100重量部
(D−2)ケイ素原子に結合した水素原子とヒドロシリル化反応可能な脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上含有する有機化合物: 0〜20重量部
(D−1)成分+(D−2)成分の合計が100重量部となる量
(E)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(D−1)及び(D−2)成分中の脂肪族不飽和基の総モル数(d)に対する本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子のモル数(e)の比率(e)/(d)をqとした場合、0.5<q≦20となる量
(F)白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒から選ばれるヒドロシリル化反応用触媒: 有効量
を含有するオルガノポリシロキサン組成物(II)の硬化物との積層体であって、上記モル比p,qが、q/p≧2であることを特徴とするシリコーン積層体。
II]シリコーン積層体において、オルガノポリシロキサン組成物(I)又は(II)のいずれか一方の組成物を硬化させた後、その上に他方の組成物を積層し、硬化させて、シリコーン積層体を形成することを特徴とするシリコーン積層体の製造方法。
III]シリコーン積層体において、オルガノポリシロキサン組成物(I)又は(II)のいずれか一方の組成物の上に他方の組成物を積層し、これら組成物(I)及び(II)を同時に硬化させてシリコーン積層体を製造することを特徴とするシリコーン積層体の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のシリコーン積層体の一層を構成するオルガノポリシロキサン組成物(I)は、
(A)(A−1)ケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を1分子中に2個以上含有するオルガノポリシロキサン: 80〜100重量部
(A−2)ケイ素原子に結合した水素原子とヒドロシリル化反応可能な脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上含有する有機化合物: 0〜20重量部
(A−1)成分+(A−2)成分の合計が100重量部となる量
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A−1)及び(A−2)成分中の脂肪族不飽和基の総モル数(a)に対する本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)のモル数(b)の比率(b)/(a)をpとした場合、0.5≦p≦1.5となる量
(C)ヒドロシリル化反応用触媒: 有効量
を含有するものである。
【0009】
[(A)成分]
[(A−1)成分]
(A−1)成分のオルガノポリシロキサンは、この組成物の主剤であり、1分子中に2個以上の脂肪族不飽和基を含有する。該脂肪族不飽和基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等の、炭素原子数が、通常2〜8、好ましくは2〜4程度のアルケニル基が挙げられ、特にビニル基であることが好ましい。(A)成分中におけるケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基は、例えば、分子鎖末端基(ジオルガノアルケニルシロキシ基、オルガノジアルケニルシロキシ基、トリアルケニルシロキシ基等のアルケニル基含有トリオルガノシロキシ基などの形で)及び/又は分子鎖側基(オルガノアルケニルシロキサン単位やジアルケニルシロキサン単位等のアルケニル基含有ジオルガノロキサン単位などの形で)として含まれる。
【0010】
(A−1)成分中のアルケニル基等の脂肪族不飽和基以外のケイ素原子に結合する有機基としては、例えば、アルキル基、特にメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基等の炭素原子数1〜10のアルキル基;アリール基、特にフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の炭素原子数6〜14のアリール基;アラルキル基、特にベンジル基、フェネチル基等の炭素原子数7〜14のアラルキル基;ハロゲン化アルキル基、特にクロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等の炭素原子数1〜3のハロゲン化アルキル基などの、非置換又はハロゲン置換1価炭化水素基が挙げられ、特にメチル基、フェニル基であることが好ましい。
【0011】
このような(A−1)成分の分子構造としては、例えば、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、環状、分岐状等が挙げられるが、硬化後にシリコーンゴムとなるものが好ましく、主鎖が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された、直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
【0012】
(A−1)成分の23℃における粘度は、得られるシリコーンゴムの物理的特性が良好であり、また、組成物の取扱作業性が良好であることから、100〜500,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に300〜100,000mPa・s、更に1,000〜50,000mPa・sの範囲内であることが好ましい。また(A−1)成分の重合度(又は分子中のケイ素原子の数)は、好ましくは50〜5,000、より好ましくは100〜2,000、特に好ましくは200〜1,200程度である。
【0013】
このような(A−1)成分のオルガノポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジビニルメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、式:R1 3SiO0.5(R1は後述のとおりである)で示されるシロキサン単位と式:R1 22SiO0.5(R2は後述のとおりである)で示されるシロキサン単位と式:R1 2SiOで示されるシロキサン単位と少量の式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R1 3SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 22SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R1 22SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 2SiOで示されるシロキサン単位と少量の式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R12SiOで示されるシロキサン単位と少量の式:R1SiO1.5で示されるシロキサン単位もしくは式:R2SiO1.5で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
【0014】
上記式中のR1はアルケニル基以外の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基などが挙げられる。また、上記式中のR2はアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、へプテニル基などが挙げられる。
【0015】
[(A−2)成分]
(A−2)成分のケイ素原子に結合した水素原子とヒドロシリル化反応可能な脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上含有する有機化合物において、ケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)とヒドロシリル化反応可能な脂肪族不飽和基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等のアルケニル基や、アクリロキシ基、メタクリロキシ基等が挙げられ、(A−2)成分の具体例としては、例えば、α−メチルスチレン、ジアリルフタレート等のアルケニル基含有芳香族化合物、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のアルケニル基含有エーテル化合物、トリアリルイソシアヌレート等のアルケニル基含有複素環状化合物、(メタ)アクリル酸及びそのエステル、酸無水物等の誘導体などの、分子中にケイ素原子を含まない脂肪族不飽和基含有炭化水素系化合物や上記脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上有する、好ましくは23℃における粘度が100mPa・s未満、通常0.01〜50mPa・s、より好ましくは0.01〜30mPa・s、更に好ましくは0.1〜10mPa・s程度のオルガノシラン、オルガノ(ポリ)シロキサン(シロキサンオリゴマー)などの有機ケイ素化合物を挙げることができる。このオルガノ(ポリ)シロキサン(シロキサンオリゴマー)の重合度又は分子中のケイ素原子の数は、通常2〜20、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜8程度のものが好適に使用される。この有機ケイ素化合物として、具体的には、トリメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、メトキシジメチルビニルシラン、ジビニルジメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ジメチルジビニルシラン、メチルトリビニルシラン、ジアリルジメチルシラン等のアルケニル基を1個以上有するオルガノアルケニルシランや、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,4−ビス(ジメチルビニルシロキシ)ベンゼン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン等のアルケニル基を1個以上有するオルガノ(ポリ)シロキサン(又はシロキサンオリゴマー)などが挙げられる。
【0016】
また、(A−1)成分と(A−2)成分の配合割合としては、80重量部:20重量部〜100重量部:0重量部、好ましくは90重量部:10重量部〜100重量部:0重量部、更に好ましくは95重量部:5重量部〜100重量部:0重量部である。これは(A−1)成分の配合量が80重量部より少ないと、シリコーン硬化物として必要とされる耐環境特性やゴム強度特性が維持されないためである。
【0017】
[(B)成分]
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A−1)成分及び(A−2)成分と反応し、架橋剤として作用するものであり、その分子構造に特に制限はなく、従来製造されている例えば直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造(樹脂状)等各種のものが使用可能であるが、1分子中に2個以上、好ましくは3個以上のケイ素原子に結合した水素原子(SiHで表されるヒドロシリル基)を有する必要があり、通常3〜500個、好ましくは3〜200個、より好ましくは3〜100個程度のSiH基を有することが望ましい。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記平均組成式(1)で示されるものが用いられる。
【0018】
3 mnSiO(4-m-n)/2 (1)
上記式(1)中、R3は、脂肪族不飽和結合を除く、通常は炭素原子数1〜14、好ましくは炭素原子数1〜10のケイ素原子に結合した非置換又は置換の1価炭化水素基であり、このR3における非置換又は置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などや、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子で置換したもの、例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等が挙げられる。R3の非置換又は置換の1価炭化水素基として、好ましくはアルキル基、アリール基であり、より好ましくはメチル基、フェニル基である。また、mは0.7〜2.1、nは0.001〜1.0で、かつm+nが0.8〜3.0を満足する正数であり、好ましくは、mは1.0〜2.0、nは0.01〜1.0、m+nが1.5〜2.5を満足する正数である。
【0019】
1分子中に2個以上、好ましくは3個以上含有されるSiH基は、分子鎖末端、分子鎖途中のいずれに位置していてもよく、またこの両方に位置するものであってもよい。また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造等のいずれであってもよいが、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は、通常2〜1,000、好ましくは3〜300、より好ましくは4〜150程度のものが望ましく、25℃における粘度が、通常0.1〜5,000mPa・s、好ましくは0.5〜1,000mPa・s、より好ましくは5〜500mPa・s程度の、室温(25℃)で液状のものが使用される。
【0020】
(B)成分は、公知の製法によって得ることが可能である。一般的な製造方法を挙げると、例えば、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラハイドロシクロテトラシロキサン(場合によっては、該シクロテトラシロキサンとオクタメチルシクロテトラシロキサンとの混合物)とヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジハイドロ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン等の末端基源となるシロキサン化合物とを、あるいはオクタメチルシクロテトラシロキサンと1,3−ジハイドロ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンとを、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在下に−10〜+40℃程度の温度で平衡化させることによって容易に得ることができる。
【0021】
このような(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、式:R3 3SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R3 2HSiO0.5で示されるシロキサン単位と少量の式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R3 2HSiO0.5で示されるシロキサン単位と少量の式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R3HSiOで示されるシロキサン単位と少量の式:R3SiO1.5で示されるシロキサン単位もしくは式:HSiO1.5で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
【0022】
上記式中のR3はアルケニル基以外の1価炭化水素基であり、前記(A)成分に関して規定したものと同様の基が例示される。
【0023】
(B)成分の配合量は、(A−1)成分中のケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基及び(A−2)成分中のヒドロシリル化反応可能な脂肪族不飽和基の総モル数(a)に対する(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)のモル数(b)の比p[(b)/(a)]が、0.5〜1.5、好ましくは0.7〜1.1、更に好ましくは0.8〜1.0の範囲内となる量である。(B)成分の配合量あるいは上記pの値が少なすぎると組成物が十分に硬化しない場合があり、逆に多すぎると得られる組成物の硬化物同士の接着性が極端に劣る場合がある。
【0024】
[(C)成分]
(C)成分のヒドロシリル化反応用触媒は、(A)成分中の脂肪族不飽和基と、(B)成分中のSiH基との付加反応を促進するものであれば、いかなる触媒を使用してもよい。
【0025】
例えば、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサンもしくはアセチレン化合物との配位化合物等の白金系触媒、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等のパラジウム系触媒、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等のロジウム系触媒が使用されるが、特に好ましくは白金系化合物である。
【0026】
(C)成分の使用量は、有効量であれば、特に制限されないが、通常、(A)成分及び(B)成分の合計量に対して、触媒金属元素の重量として、0.1〜1,000ppm、好ましくは1〜500ppmの割合で配合され、より好ましくは10〜100ppmの範囲で用いられる。配合量が少なすぎると付加反応が著しく遅くなるか、もしくは硬化しなくなるおそれがあり、逆に多すぎるとコスト的に不利になる場合がある。
【0027】
次に、もう一方の層を構成するオルガノポリシロキサン組成物(II)は、
(D)(D−1)ケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を1分子中に2個以上含有するオルガノポリシロキサン: 80〜100重量部
(D−2)ケイ素原子に結合した水素原子とヒドロシリル化反応可能な脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上含有する有機化合物: 0〜20重量部
(D−1)成分+(D−2)成分の合計が100重量部となる量
(E)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(D−1)及び(D−2)成分中の脂肪族不飽和基の総モル数(d)に対する本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)のモル数(e)の比率(e)/(d)をqとした場合、0.5<q≦20となる量
(F)ヒドロシリル化反応用触媒: 有効量
を含有するものである。
【0028】
[(D)成分]
[(D−1)成分]
(D−1)成分のオルガノポリシロキサンは、(A−1)成分と同様のものを例示することができる。この場合、(D−1)成分と(A−1)成分とは、同一のものでも、異なったものでもよい。
【0029】
[(D−2)成分]
(D−2)成分のオルガノポリシロキサンは、(A−2)成分と同様のものを例示することができる。この場合も、(D−2)成分と(A−2)成分とは、同一のものでも、異なったものでもよい。
【0030】
また、(D−1)成分と(D−2)成分の配合割合としては、80重量部:20重量部〜100重量部:0重量部、好ましくは90重量部:10重量部〜100重量部:0重量部、更に好ましくは95重量部:5重量部〜100重量部:0重量部である。これは(D−1)成分の配合量が80重量部より少ないと、シリコーン硬化物として必要とされる耐環境特性やゴム強度特性が維持されないためである。
【0031】
[(E)成分]
(E)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(B)成分と同様のものが例示されるが、(D−1)成分と非相溶な構造を持つオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含むことが好ましい。ここで、非相溶な構造を持つオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、ケイ素原子に結合する1価の置換基として3,3,3−トリフルオロプロピル基、フェニル基、γ−(メタ)アクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基等を有するトリオルガノシロキシ基、ジオルガノシロキサン単位等を分子内に有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンなどが例示される。
【0032】
この場合、(D−1)成分に相溶な構造を持つオルガノハイドロジェンポリシロキサン(i)と、非相溶な構造を持つオルガノハイドロジェンポリシロキサン(ii)の割合としては、各々のケイ素原子結合水素原子(SiH基)のモル数の比率〔(i)/(ii)〕として10:0〜0:10であることが好ましく、より好ましくは9:1〜2:8である。(D−1)成分に非相溶な構造を持つオルガノハイドロジェンポリシロキサン量が多すぎると、保存中にシロキサンマトリックス中から分離してしまう場合がある。
【0033】
(E)成分の配合量は、(D−1)成分中のケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基及び(D−2)成分中のヒドロシリル化反応可能な脂肪族不飽和基の総モル数(d)に対するオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)のモル数(e)の比率をq[(e)/(d)]とした場合、0.5<q≦20、好ましくは0.6≦q≦10、より好ましくは0.8≦q≦5となる量である。(E)成分の配合量あるいは上記qの値が少なすぎると架橋が不足し、十分なゴム強度が得られなかったり、組成物の硬化物同士の接着性が極端に劣る場合があり、逆に多すぎるとコスト的に不利になる場合がある。
【0034】
なお、本発明のシリコーン積層体においては、上述したオルガノポリシロキサン組成物(I)における(B)成分中のケイ素原子結合水素原子(SiH基)に対する(A)成分中の総脂肪族不飽和基のモル比pと、オルガノポリシロキサン組成物(II)における(E)成分中のケイ素原子結合水素原子(SiH基)に対する(D)成分中の総脂肪族不飽和基のモル比qとを、p<q、好ましくはq/p≧1.2とするものであり、これにより、オルガノポリシロキサン組成物(I)の硬化物と、オルガノポリシロキサン組成物(II)の硬化物とを、その界面においてよく接着させることができる。この場合、より好ましくはq/p≧1.5、特にq/p≧2である。また、q/pの上限は特に制限されないが、通常q/p≦40、特にq/p≦10である。
【0035】
(F)成分のヒドロシリル化反応用触媒は、(C)成分と同様のものを例示することができる。この場合も、(F)成分と(C)成分とは、同一のものでも、異なったものでもよい。
【0036】
(F)成分の使用量は、有効量であれば、特に制限されないが、通常、(D)成分及び(E)成分の合計量に対して、触媒金属元素の重量として、0.1〜1,000ppm、好ましくは1〜500ppmの割合で配合され、より好ましくは10〜100ppmの範囲で用いられる。配合量が少なすぎると付加反応が著しく遅くなるか、もしくは硬化しなくなるおそれがあり、逆に多すぎるとコスト的に不利になる場合がある。
【0037】
また、本発明のオルガノポリシロキサン組成物(I)及び(II)において、意匠性の観点から着色剤を使用することも可能であり、着色剤の配合量としては、オルガノポリシロキサン組成物(I)又はオルガノポリシロキサン組成物(II)100重量部に対して0〜50重量部、特に0.1〜5重量部が物性上好ましい。
【0038】
かかる着色剤としては、例えばウルトラマリン、酸化鉄、酸化チタン、チタンイエロー、カーボンブラック、ジンクホワイト、クロームグリーン等の無機顔料、アントラキノンバイオレット、アントラキノンブルー、インダスレンブルー、アリザニングリーン、ペリソンレッド等の有機顔料、アルミニウム粉、銅粉、ブロンズ粉、錫粉等の金属粉顔料や蓄光顔料、蛍光顔料また硬化阻害を与えない染料などを挙げることができ、色調や彩度等を考慮して適宜選択される。
【0039】
[その他の成分]
本発明のオルガノポリシロキサン組成物(I)及び(II)において、上記成分以外の任意の成分として、付加反応触媒に対して硬化抑制効果を持つ化合物とされている従来公知の制御剤化合物はすべて使用することができる。このような化合物としては、トリフェニルホスフィンなどのリン含有化合物、トリブチルアミンやテトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾールなどの窒素含有化合物、硫黄含有化合物、1−エチニル−1−ヘキサノールなどのアセチレン系化合物、トリアリルイソシアヌレートなどのアルケニル基を2個以上含む化合物、ハイドロパーオキシ化合物、マレイン酸誘導体などが例示される。制御剤化合物による硬化遅延効果の度合は、制御剤化合物の化学構造によって大きく異なる。従って、制御剤化合物の添加量は、使用する制御剤化合物の個々について最適な量に調整すべきであるが、一般には、その添加量が少なすぎると室温での長期貯蔵安定性が得られず、逆に多すぎるとかえって硬化が阻害される。
【0040】
その他の任意の成分としては、例えば、ヒュームドシリカ、結晶性シリカ、沈降性シリカ、中空フィラー、シルセスキオキサン、ヒュームド二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、層状マイカ、カーボンブラック、ケイ藻土、ガラス繊維等の無機質充填剤、及びこれらの充填剤をオルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物により表面処理した充填剤が挙げられる。また、充填剤としては、シリコーンゴムパウダー、シリコーンレジンパウダーなども挙げられる。
【0041】
また更に、オルガノポリシロキサン組成物(I)及び(II)には、本発明の目的を損なわない範囲において、その他の任意の成分として、例えば、ケイ素原子結合水素原子及びアルケニル基を含有しないオルガノポリシロキサン、有機溶剤、クリープハードニング防止剤、耐熱性付与剤、難燃性付与剤、可塑剤、チクソ性付与剤、顔料、染料、防かび剤等を配合することは任意である。
【0042】
本発明のオルガノポリシロキサン組成物(I)及び(II)は、それぞれ上記成分を公知の方法により混合することで製造することができ、このようにして得られた組成物は、必要に応じてトルエン、キシレン、ベンゼン、環状シロキサン等の有機溶剤で希釈し、使用することができる。
【0043】
これらオルガノポリシロキサン組成物(I)及び(II)を用いた積層体の製造方法については、射出成型、金型成型やスクリーン印刷による成型方法などが挙げられ、また組成物(I)、(II)のどちらか一方を先に硬化させた後、もう一方を硬化させて積層体を形成しても構わず、硬化順序に対する組成物の優先性はない。更にこれらの組成物を同時に硬化させて積層体を形成しても構わない。また、積層体は組成物(I)、(II)の順番で交互に積層されていれば、2層以上でも構わない。
【0044】
ここで、オルガノポリシロキサン組成物(I)及び(II)の硬化条件としては、特に限定されるものではなく、付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化条件として公知の条件により硬化することができるが、好ましくは、80〜160℃、特に120〜150℃で0.1〜4時間、特に1〜2時間程度の条件で硬化することができる。
【0045】
本発明のシリコーン積層体は、プライマー処理をしなくても、付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化物同士が接着し、一体成型のシリコーン積層体を形成することができる。従って、意匠物用、特にシリコーンゴム製キートップ、衣類・シューズ用などの装飾用マークやロゴに用いられるシリコーン樹脂製下地材に対するマーキングインク材、立体ロゴ材として有用である。
【0046】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、Meはメチル基、Phはフェニル基、Viはビニル基を表す。
【0047】
[実施例1]
分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖された23℃における粘度が10,000mPa・sであり、Vi基含有量0.14重量%であるジメチルポリシロキサン(重合度:約510)84重量部、表面処理によりシリカ表面のシラノール基がトリメチルシリル基で封鎖された比表面積が130m2/gの疎水性シリカ30重量部をニーダー中に投入し、よく撹拌しながらヘキサメチレンジシラザン5重量部と水1.5重量部を添加し、無加熱で均一になるまで混合を行った。この温度を170℃に昇温し、引き続き4時間の混合を行い、その後、室温まで降温した。このようにして得られた混合物60重量部に分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖されたVi基含有量0.14重量%である上記のジメチルポリシロキサン39.5重量部を加えたベース99.5重量部に、トリアリルイソシアヌレートを0.5重量部、塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンの錯体を分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖された23℃での粘度が約600mPa・sのジメチルポリシロキサンで希釈した白金触媒溶液(Vi基含有量0.4重量%、白金原子含有量1重量%)として0.2重量部、制御剤として1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルテトラシロキサン0.3重量部を加え、均一に混合し、調製液を調合した。次いでこの調合液に下記の平均分子式を持つメチルハイドロジェンポリシロキサンを1.3重量部、また接着状態を目視で確認できるようにベンガラを0.5重量部加え、均一に混合し、シリコーン樹脂組成物(I)を調製した。
Me2HSiO(MeHSiO)5.7(Me2SiO)12.3SiHMe2
この組成物(I)のケイ素原子に結合したビニル基に対するケイ素原子に結合した水素原子のモル比(SiH/SiVi)は約0.7であった。
【0048】
次に上記調製液に下記の平均分子量を持つハイドロジェンポリシロキサンを1.9重量部と接着状態を目視で確認できるように酸化チタンを0.5重量部加え、均一に混合し、シリコーン樹脂組成物(II)を調製した。
Me3SiO(MeHSiO)20(Me2SiO)18SiMe3
この組成物(II)のケイ素原子に結合したビニル基に対するケイ素原子に結合した水素原子のモル比(SiH/SiVi)は約1.5であった。
【0049】
上記組成物(I)を深さ約2mmのプレス用金属枠に流し込み、150℃/10分の加熱を行い、硬化シートを作製した。次にこのシートを室温放冷し、深さ約4mmのプレス用金属枠に移し、組成物(II)の流し込みを行い、150℃/10分の加熱硬化により積層体を作製した。但し、後に接着強度測定を行う際の測定治具(チャック)を取り付ける部分は、テフロンライナーで保護し、二層に分離できるようにした。
次にこの積層体を短冊形にカットし、JIS K−6256に準じた方法によりピール接着強度の測定を行った。ピール接着強度の測定結果を表1に示した。
【0050】
[実施例2]
下記の平均分子式を持つメチルハイドロジェンポリシロキサンの添加量を0.6重量部に変更し、トリアリルイソシアヌレートを添加しなかった以外は実施例1と同様にして組成物(I)を調製した。
Me2HSiO(MeHSiO)5.7(Me2SiO)12.3SiHMe2
この組成物(I)のケイ素原子に結合したビニル基に対するケイ素原子に結合した水素原子のモル比(SiH/SiVi)は約0.7であった。
【0051】
また下記の平均分子式を持つメチルハイドロジェンポリシロキサンの添加量を0.9重量部に変更し、トリアリルイソシアヌレートを添加しなかった以外は実施例1と同様にして組成物(II)を調製した。
Me3SiO(MeHSiO)20(Me2SiO)18SiMe3
この組成物(II)のケイ素原子に結合したビニル基に対するケイ素原子に結合した水素原子のモル比(SiH/SiVi)は約1.5であった。ピール接着強度の測定結果を表1に示した。
【0052】
[実施例3]
メチルハイドロジェンポリシロキサンを下記の平均分子式を持つメチルハイドロジェンポリシロキサン1.0重量部に変更した以外は実施例2と同様にして組成物(I)を調製した。
Me2HSiO(MeHSiO)5.7(Me2SiO)12.3SiHMe2
この組成物(I)のケイ素原子に結合したビニル基に対するケイ素原子に結合した水素原子のモル比(SiH/SiVi)は約1.3であった。
【0053】
またメチルハイドロジェンポリシロキサンを下記の平均分子式を持つメチルハイドロジェンポリシロキサン1.7重量部に変更した以外は実施例2と同様にして組成物(II)を調製した。
Me3SiO(MeHSiO)8SiMe3
この組成物(II)のケイ素原子に結合したビニル基に対するケイ素原子に結合した水素原子のモル比(SiH/SiVi)は約5.0であった。ピール接着強度の測定結果を表1に示した。
【0054】
[実施例4]
メチルハイドロジェンポリシロキサンを下記の平均分子式を持つメチルハイドロジェンポリシロキサン0.6重量部に変更した以外は実施例2と同様にして組成物(I)を調製した。
Me3SiO(MeHSiO)20(Me2SiO)18SiMe3
この組成物(I)のケイ素原子に結合したビニル基に対するケイ素原子に結合した水素原子のモル比(SiH/SiVi)は約1.0であった。
【0055】
またメチルハイドロジェンポリシロキサンを下記の平均分子式を持つフェニル基及びメチル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン0.6重量部に変更した以外は実施例2と同様にして組成物(II)を調製した。
Me3SiO(MeHSiO)8(Ph2SiO)(Me2SiO)SiMe3
この組成物(II)のケイ素原子に結合したビニル基に対するケイ素原子に結合した水素原子のモル比(SiH/SiVi)は約1.2であった。ピール接着強度の測定結果を表1に示した。
【0056】
[比較例1]
下記の平均分子式を持つメチルハイドロジェンポリシロキサンの添加量を0.78重量部に変更した以外は実施例2と同様にして組成物(I)を調製した。
Me2HSiO(MeHSiO)5.7(Me2SiO)12.3SiHMe2
この組成物(I)のケイ素原子に結合したビニル基に対するケイ素原子に結合した水素原子のモル比(SiH/SiVi)は約1.0であった。
【0057】
また下記の平均分子式を持つメチルハイドロジェンポリシロキサンの添加量を0.58重量部に変更した以外は実施例2と同様にして組成物(II)を調製した。
Me3SiO(MeHSiO)20(Me2SiO)18SiMe3
この組成物(II)のケイ素原子に結合したビニル基に対するケイ素原子に結合した水素原子のモル比(SiH/SiVi)は約1.0であった。ピール接着強度の測定結果を表1に示した。
【0058】
[比較例2]
メチルハイドロジェンポリシロキサンを下記の平均分子式を持つメチルハイドロジェンポリシロキサン0.58重量部に変更した以外は実施例2と同様にして組成物(I)を調製した。
Me3SiO(MeHSiO)20(Me2SiO)18SiMe3
この組成物(I)のケイ素原子に結合したビニル基に対するケイ素原子に結合した水素原子のモル比(SiH/SiVi)は約1.0であった。
【0059】
またメチルハイドロジェンポリシロキサンを下記の平均分子式を持つフェニル基及びメチル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン0.58重量部に変更した以外は実施例2と同様にして組成物(II)を調製した。
Me3SiO(MeHSiO)8(Ph2SiO)2SiMe3
この組成物(II)のケイ素原子に結合したビニル基に対するケイ素原子に結合した水素原子のモル比(SiH/SiVi)は約1.0であった。ピール接着強度の測定結果を表1に示した。
【0060】
【表1】
Figure 0004061486
【0061】
【発明の効果】
本発明のシリコーン積層体は、プライマー処理をしなくても、付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化物同士が接着し、一体成型のシリコーン積層体を形成することができる。従って、意匠物用、特にシリコーンゴム製キートップ、衣類・シューズ用などの装飾用マークやロゴに用いられるシリコーン樹脂製下地材に対するマーキングインク材、立体ロゴ材として有用である。

Claims (12)

  1. (A)(A−1)ケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を1分子中に2個以上含有するオルガノポリシロキサン: 80〜100重量部
    (A−2)ケイ素原子に結合した水素原子とヒドロシリル化反応可能な脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上含有する有機化合物: 0〜20重量部
    (A−1)成分+(A−2)成分の合計が100重量部となる量
    (B)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A−1)及び(A−2)成分中の脂肪族不飽和基の総モル数(a)に対する本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子のモル数(b)の比率(b)/(a)をpとした場合、0.5≦p≦1.5となる量
    (C)白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒から選ばれるヒドロシリル化反応用触媒: 有効量
    を含有するオルガノポリシロキサン組成物(I)の硬化物と、
    (D)(D−1)ケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を1分子中に2個以上含有するオルガノポリシロキサン: 80〜100重量部
    (D−2)ケイ素原子に結合した水素原子とヒドロシリル化反応可能な脂肪族不飽和基を1分子中に1個以上含有する有機化合物: 0〜20重量部
    (D−1)成分+(D−2)成分の合計が100重量部となる量
    (E)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(D−1)及び(D−2)成分中の脂肪族不飽和基の総モル数(d)に対する本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子のモル数(e)の比率(e)/(d)をqとした場合、0.5<q≦20となる量
    (F)白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒から選ばれるヒドロシリル化反応用触媒: 有効量
    を含有するオルガノポリシロキサン組成物(II)の硬化物との積層体であって、上記モル比p,qが、q/p≧2であることを特徴とするシリコーン積層体。
  2. (A−2)成分及び/又は(D−2)成分がオルガノシラン及び/又はケイ素原子数が2〜20のオルガノ(ポリ)シロキサンであることを特徴とする請求項記載のシリコーン積層体。
  3. オルガノポリシロキサン組成物(I)の(A−1)成分において、脂肪族不飽和基以外のケイ素原子に結合する有機基がアルキル基である請求項1又は2記載のシリコーン積層体。
  4. (A−1)成分及び/又は(D−1)成分が、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジビニルメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンから選ばれる1種又は2種以上である請求項1乃至のいずれか1項記載のシリコーン積層体。
  5. (E)成分が、(D−1)成分に対し非相溶な分子構造を持つオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載のシリコーン積層体。
  6. オルガノポリシロキサン組成物(I)及び/又はオルガノポリシロキサン組成物(II)が、着色剤を含有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載のシリコーン積層体。
  7. シリコーンゴム製キートップ用である請求項1乃至のいずれか1項記載のシリコーン積層体。
  8. シリコーン樹脂製下地材に対するマーキングインク材用である請求項1乃至のいずれか1項記載のシリコーン積層体。
  9. 立体ロゴ材用である請求項1乃至のいずれか1項記載のシリコーン積層体。
  10. 請求項1乃至のいずれか1項記載のシリコーン積層体において、オルガノポリシロキサン組成物(I)又は(II)のいずれか一方の組成物を硬化させた後、その上に他方の組成物を積層し、硬化させて、シリコーン積層体を形成することを特徴とするシリコーン積層体の製造方法。
  11. 請求項1乃至のいずれか1項記載のシリコーン積層体において、オルガノポリシロキサン組成物(I)又は(II)のいずれか一方の組成物の上に他方の組成物を積層し、これら組成物(I)及び(II)を同時に硬化させてシリコーン積層体を製造することを特徴とするシリコーン積層体の製造方法。
  12. 成型が射出成型、金型成型又はスクリーン印刷により行われる請求項10又は11記載のシリコーン積層体の製造方法。
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