JP6589701B2 - 難燃性太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、難燃性を有する難燃性太陽電池モジュールの製造方法に関する。
一般的に太陽電池モジュールは、受光面側にガラスやポリカーボネートなどの光透過性基板、最背面側に受光面側同様の光透過性基板もしくはPETフィルム等の裏面保護材を有し、その間に存在する封止材としてはEVA(エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン、アイオノマー等)が使われている。
これらの封止材は、可燃性樹脂であることから、燃焼性の低減が課題である。特に住宅屋根に使用される場合は、飛び火による火炎で、受光面側の光透過性基板、例えばガラスなどは割れが生じ、EVA等の封止材に引火することで、太陽電池モジュールが燃え続ける現象が生じる。
また、太陽電池モジュールが燃え続けた場合、バックシートは主にPETを主剤としているため、燃焼を止めることができず、バックシートに燃焼穴が生じ、ガラスやセルの破片が下部に落下することがある。
太陽電池モジュールを住宅の屋根上に設置する場合、防火に関する法規制に基づく試験に合格することが必要となり、上記飛び火による火炎で、太陽電池モジュールが延焼により貫通し、燃焼物やガラス、発電素子の破片等が下部に落下することは、当試験の合格に達しない場合がある。
また、フレキシブル薄膜太陽電池に見られるような、受光面側、背面側に光透過性のフィルムが使用されている場合、飛び火による火炎で、光透過性フィルムが延焼し、かつ燃焼穴が生じた場合、EVA等の封止材に引火することで、太陽電池モジュールが燃え続け、最終的に燃焼物が下部に落下する現象が生じる。
このような問題を改善するための策として、太陽電池のセル裏面側封止材に塩素系や赤りん系の難燃材を添加する方法がある(特許文献1)。
また、断熱で燃焼を抑制するイントメッセント系のリン酸アンモニウムなどの難燃材を封止材に添加する方法(特許文献2)、もしくは封止材にナノクレイ、含水珪酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどのナノ粒子を添加する方法などが公開されている(特許文献3)。
特許文献1にある塩素系や赤りんを封止材に添加する方法は、燃焼時にダイオキシン類が発生することがあり、好ましくない。
特許文献2にあるイントメッセント系のリン酸アンモニウムなどの難燃材を封止材に添加する方法は、イントメッセント系の材料は、粒子径が大きく、封止材に添加したときに透過率を低下させてしまうという欠点がある。
特許文献3にあるナノクレイ、含水珪酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどのナノ粒子を添加する方法は、粒子の分散状態を適正にコントロールしないと、封止材の透過率を損ねる可能性がある。
特開平9−27633号公報 特開2007−335853号公報 特開2011−134986号公報
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、太陽電池モジュール工程が容易で、かつ良好なラミネート封止が得られ、難燃性に優れる難燃性太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、太陽電池モジュールの受光面側に配置される光透過性基板もしくは光透過性フィルムの光入射面側にシリコーン層を積層させることが有効であることを知見したものである。
従って、本発明は、下記難燃性太陽電池モジュールの製造方法を提供する。

受光面側に光透過性基板もしくは光透過性フィルムを有する太陽電池モジュールであって、該受光面側の光透過性基板もしくは光透過性フィルムの光入射面側にシリコーン層が形成されている構造を有する難燃性太陽電池モジュールの製造方法において、
該シリコーン層が、
(A)下記平均組成式(I)
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ 20〜150質量部、
(C)硬化剤 (A)成分を硬化させる有効量
を含むシリコーン組成物であって、
未加硫状態のシート状のシリコーン組成物と、光透過性基板片面もしくは光透過性フィルム片面とを予め密着させて積層する工程と
シリコーン組成物が積層されていない面に、封止材、太陽電池素子ストリングス、裏面側光透過性基板もしくは裏面側光透過性フィルム又は裏面保護材を積層した積層体を設置する工程と
得られた積層体を、真空ラミネーターを用いて真空下加熱押圧を行い、上記未加硫状態のシリコーン組成物を硬化させて、受光面側の光透過性基板もしくは光透過性フィルムの片面にシリコーン層を形成すると同時に、太陽電子素子マトリックスを封止材にて封止する工程
を含むことを特徴とする難燃性太陽電池モジュールの製造方法。

受光面側に光透過性基板もしくは光透過性フィルムを有する太陽電池モジュールであって、該受光面側の光透過性基板もしくは光透過性フィルムの光入射面側にシリコーン層が形成されている構造を有する難燃性太陽電池モジュールの製造方法において、
受光面側の光透過性基板もしくは光透過性フィルムと裏面側の光透過性基板もしくは光透過性フィルム又は裏面保護材との間に太陽電池素子ストリングスが封止されてなる太陽電池モジュールの上記受光面側の光透過性基板もしくは光透過性フィルムの光入射面に、(A)下記平均組成式(I)
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ 20〜150質量部、
(C)硬化剤 (A)成分を硬化させる有効量
を含むシリコーン組成物の未加硫状態のシート状のシリコーン層を密着させて積層する工程と
加熱プレートを用いて上記シリコーン組成物を加熱硬化し、シリコーン層を形成する工程
を含むことを特徴とする難燃性太陽電池モジュールの製造方法。

難燃性太陽電池モジュールのシリコーン層の厚みが、0.5〜30mmであることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の難燃性太陽電池モジュール製造方法

難燃性太陽電池モジュールのシリコーン層の透過率が、350〜1,100nmの波長域で、80%以上であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の難燃性太陽電池モジュール製造方法

難燃性太陽電池モジュールのシリコーン層の屈折率が、1.40〜1.48であることを特徴とする〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の難燃性太陽電池モジュール製造方法
本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール構造として大幅な変更がなく、太陽電池モジュールの出力特性を損なわずに、かつ難燃性が向上し、飛び火試験等に適合する太陽電池モジュールを提供することができる。また、既に形成完了している太陽電池モジュールにシリコーン層を後設置することで、太陽電池モジュールの難燃性が向上し、飛び火試験等に適合する特長を付加させることもできる。
本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール製造工程において大幅な変更がなく、真空ラミネーターを用いて容易に作製でき、かつ難燃性が向上し、飛び火試験等に適合する太陽電池モジュール製造工程を提供することができるものである。
本発明の第1の実施例に係る太陽電池モジュールの断面図である。 比較例1の太陽電池モジュールの断面図である。
本発明に係る太陽電池モジュールは、受光面側に光透過性基板もしくは光透過性フィルムを有する太陽電池モジュールであって、発電素子として半導体基板からなる結晶型太陽電池素子もしくは薄膜太陽電池素子が配設される構造において適用可能であり、全てにおいて効果を発現する。
本発明に係る太陽電池モジュールの受光面側の光透過性基板としては、白板ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂板等が用いられ、光透過性フィルムとしてはETFE等のフッ素樹脂等が用いられる。
本発明に係る太陽電池モジュールの封止材としては、可燃であるEVA、ポリオレフィン、アイオノマー等の封止材を使用することができ、またこれらの封止材にシリコーンを少なくとも一部複合積層させた構造のものを使用することができる。なお、封止材としてシリコーンを単体で用いても構わない。
本発明に係る太陽電池モジュールにおいて、裏面側は光透過性基板、光透過性フィルム、又は裏面保護材にて構成される。この場合、裏面側の光透過性基板、光透過性フィルムとしては、受光面側の光透過性基板やフィルムと同様である。
本発明に係る裏面保護材としては、TPT「PVF(ポリフッ化ビニル)/接着剤/PET(ポリエチレンテレフタレート)/接着剤/PVF」や、TPE「PVF/接着剤/PET/接着剤/EVA」、或いは特に「PVF/接着剤/PET」に示される積層体のフィルムなどが使用される。
本発明は、太陽電池モジュールの受光面側に用いられる光透過性基板もしくは光透過性フィルムの光入射最上面に、シリコーン層を積層させるものである。
図1は、このような太陽電池モジュールの構造態様の一例を示す。図1は本発明の第1の実施の形態に係わる太陽電池モジュール100で、太陽光入射方向より、シリコーン層101、光透過性基板102として白板ガラス、封止材EVA層103、太陽電池素子の一例として結晶シリコン太陽電池素子ストリングス104、封止材EVA層103、裏面保護材105の順で構成されている。これらの積層体は、真空ラミネーターで真空下加熱押圧され、架橋、かつ一体化される。このようにして形成された太陽電池モジュール100は、図示はしていないが、外周部をアルミニウムのフレームで囲われ、背面側に電極取り出しの端子ボックスが取り付けられて完成形となる。
図2は、本発明の比較例である太陽電池モジュール200で、太陽光入射方向より、光透過性基板102として白板ガラス、封止材EVA層103、結晶シリコン太陽電池素子ストリングス104、封止材EVA層103、裏面保護材105の順で構成されている。
ここで、光透過性基板もしくは光透過性フィルム上の載置されるシリコーン層の厚みは0.5〜30mm、特に1〜10mmが好ましい。シリコーン層が厚くなることに対して、難燃性の観点では問題はないが、コストの問題が生じる。
また、シリコーン層の透過率は、350〜1,100nmの波長域で、80%以上、特に85%以上であることが好ましい。なお、透過率の測定は、3.2mm白板ガラスに0.5mm厚シリコーン層を積層し、ガラスに接着およびシリコーンを硬化させた状態で、白板ガラス面から光入射を行った。
更に、シリコーン層の屈折率は、白板ガラスの屈折率が1.5程度であることから、1.40〜1.50、特に1.40〜1.48であることが好ましい。なお、屈折率の測定は、He−Neレーザーを光源とし、波長が632nmであるエリプソメーターにて測定し屈折率の同定を行った。
このようなシリコーン層を形成するためのシリコーン組成物は液状であっても構わない。
しかし、光透過性基板もしくは光透過性フィルム上に均一な膜厚で形成するのは難しい。
そこで、本発明において、シリコーン層は下記(A)〜(C)成分を含むシリコーン組成物を硬化することより得ることが好ましい。
(A)下記平均組成式(I)
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ 20〜150質量部、
(C)硬化剤 (A)成分を硬化させる有効量。
更に詳述すると、前記(A)成分は下記平均組成式(I)で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサンである。
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
上記平均組成式(I)中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、通常、炭素数1〜12、特に炭素数1〜8のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、或いはこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子又はシアノ基等で置換した基が挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基が好ましい。
具体的には、該オルガノポリシロキサンの主鎖がジメチルシロキサン単位の繰り返しからなるもの、又はこの主鎖を構成するジメチルシロキサン単位の繰り返しからなるジメチルポリシロキサン構造の一部にフェニル基、ビニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等を有するジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位等を導入したもの等が好適である。
特に、オルガノポリシロキサンは、1分子中に2個以上のアルケニル基、シクロアルケニル基等の脂肪族不飽和基を有するものが好ましく、特にビニル基であることが好ましい。この場合、全R1中0.01〜20モル%、特に0.02〜10モル%が脂肪族不飽和基であることが好ましい。なお、この脂肪族不飽和基は、分子鎖末端でケイ素原子に結合していても、分子鎖の途中のケイ素原子に結合していても、その両方であってもよいが、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。また、aは1.95〜2.05、好ましくは1.98〜2.02、より好ましくは1.99〜2.01の正数である。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、分子鎖末端がトリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ジメチルヒドロキシシロキシ基、ジメチルビニルシロキシ基、メチルジビニルシロキシ基、トリビニルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基で封鎖されたものを好ましく挙げることができる。特に好ましいものとしては、メチルビニルポリシロキサン、メチルフェニルビニルポリシロキサン、メチルトリフルオロプロピルビニルポリシロキサン等を挙げることができる。
このようなオルガノポリシロキサンは、例えばオルガノハロゲノシランの1種又は2種以上を(共)加水分解縮合することにより、或いは環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体、4量体等)をアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合することによって得ることができる。これらは基本的に直鎖状のジオルガノポリシロキサンであるが、(A)成分としては、分子量(重合度)や分子構造の異なる2種又は3種以上の混合物であってもよい。
なお、上記オルガノポリシロキサンの重合度は100以上、好ましくは100〜100,000、特に好ましくは3,000〜20,000である。なお、この重合度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析によるポリスチレン換算の重量平均重合度として測定することができる。
(B)成分のBET比表面積50m2/g以上の補強性シリカは、硬化前後の機械的強度の優れた組成物を得るために添加されるものである。この場合、シリコーン封止材料の透明性向上のためには、BET比表面積が200m2/gを超えることが好ましく、より好ましくは250m2/g以上である。BET比表面積が200m2/g以上だと、硬化物の透明性が高くなりやすい。なお、その上限は特に制限されないが、通常500m2/g以下である。
このような(B)成分の補強性シリカとしては、煙霧質シリカ(乾式シリカ又はヒュームドシリカ)、沈降シリカ(湿式シリカ)等が挙げられる。また、これらの表面をクロロシラン、アルコキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等で疎水化処理したものも好適に用いられる。特にヘキサメチルジシラザンによる処理が、透明性が高くなり、好ましい。透明性を高めるには、補強性シリカとして煙霧質シリカの使用が好ましい。補強性シリカは、1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
(B)成分の補強性シリカとしては、市販品を用いることができ、例えば、アエロジル130、アエロジル200、アエロジル300、アエロジルR−812、アエロジルR−972、アエロジルR−974などのアエロジルシリーズ(日本アエロジル(株)製)、Cabosil MS−5、MS−7(キャボット社製)、レオロシールQS−102、103、MT−10((株)トクヤマ製)等の表面未処理又は表面疎水化処理された(即ち、親水性又は疎水性の)ヒュームドシリカや、トクシールUS−F((株)トクヤマ製)、NIPSIL−SS、NIPSIL−LP(日本シリカ工業(株)製)等の表面未処理又は表面疎水化処理された沈降シリカ等が挙げられる。
(B)成分の補強性シリカの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して20〜150質量部であり、好ましくは30〜90質量部であり、更に好ましくは50〜90質量部である。(B)成分の配合量が20質量部以上であると硬化前後の補強効果が得易く、またシリコーン封止材料の硬化後の透明性が低下しない。150質量部以下であると、シリコーン封止材料中へのシリカの分散が良好であると同時にシート状への加工性もよい。
(C)成分の硬化剤としては、(A)成分を硬化させ得るものであれば特に限定されないが、広くシリコーン組成物の硬化剤として公知の(a)付加反応(ヒドロシリル化反応)型硬化剤、即ちオルガノハイドロジェンポリシロキサン(架橋剤)とヒドロシリル化反応触媒との組み合わせ、又は(b)有機過酸化物が好ましい。
上記(a)付加反応(ヒドロシリル化反応)における架橋剤としてのオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合した水素原子(SiH基)を含有するもので、下記平均組成式(II)
2 bcSiO(4-b-c)/2 (II)
(式中、R2は炭素数1〜6の非置換又は置換の1価炭化水素基で、好ましくは脂肪族不飽和結合を有さないものである。具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、フェニル基等の非置換の1価炭化水素基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基等の上記1価炭化水素基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子やシアノ基で置換された置換アルキル基等の置換の1価炭化水素基である。bは0.7〜2.1、cは0.01〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0、好ましくはbが0.8〜2.0、cが0.2〜1.0、かつb+cが1.0〜2.5を満足する正数である。)
で示される従来から公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが適用可能である。また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。この場合、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は2〜300個、特に4〜200個程度の室温で液状のものが好適に用いられる。なお、ケイ素原子に結合する水素原子(SiH基)は分子鎖末端にあっても側鎖にあっても、その両方にあってもよく、1分子中に少なくとも2個(通常2〜300個)、好ましくは3個以上(例えば3〜200個)、より好ましくは4〜150個程度含有するものが使用される。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、具体的には、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体等や、上記各例示化合物において、メチル基の一部又は全部がエチル基、プロピル基等の他のアルキル基やフェニル基等のアリール基で置換されたものなどが挙げられる。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜30質量部、より好ましくは0.1〜10質量部、更に好ましくは0.3〜10質量部とすることが好ましい。
また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基に対する(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)のモル比が0.5〜5モル/モル、好ましくは0.8〜4モル/モル、より好ましくは1〜3モル/モルとなる量で配合することが好ましい。
また、上記(a)付加反応(ヒドロシリル化反応)の架橋反応に使用されるヒドロシリル化反応触媒は、公知のものが適用可能で、例えば、白金黒、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等が挙げられる。なお、このヒドロシリル化反応触媒の配合量は触媒量とすることができ、通常、白金族金属質量に換算して、(A)、(B)成分とオルガノハイドロジェンポリシロキサンの合計質量に対し、1〜1,000ppmが好ましく、更には5〜100ppmの範囲が好ましい。1ppm未満であると付加反応が十分に進まず硬化不十分となるおそれがあり、1,000ppmを超える量添加するのは不経済である。
また、上記の反応触媒のほかに、硬化速度或いはポットライフを調整する目的で、付加反応制御剤を使用してもよい。具体的にはエチニルシクロヘキサノールやテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
一方、(b)有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−t−ブチルパーオキシカーボネート等が挙げられる。
この(b)有機過酸化物の添加量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜15質量部、特に0.2〜10質量部が好ましい。添加量が0.1質量部以上であると架橋反応が十分に進行し、硬度低下や強度不足が生じにくく、15質量部以内であるとコスト的に好ましく、硬化剤の分解物が多く発生せず、シートの変色を増大し難い。
本発明に係るシリコーン組成物は、上述した成分の所定量を2本ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等で混練りすることによって得ることができる。
このように調製されたシリコーン組成物の硬化前の可塑度は、150〜1,000、好ましくは200〜800、より好ましくは250〜600となる。可塑度が150より大きいと未硬化シートの形状維持が容易であり、タックが強くなりすぎず使い易い。また、1,000以下であるとまとまりがよく、シート化工程が容易となる。なお、可塑度はJIS K6249に準じて測定できる。
本発明に係る未加硫状態のシリコーン組成物をシート状に成形する場合、成形方法としては、特に限定されないが、押し出し成形、カレンダー成形等が用いられる。
本発明に係る未加硫状態のシリコーン組成物は、例えば光透過性フィルムを基材とし、シリコーン組成物の一方の面と光透過性フィルムを貼り合わせながら成形加工することができる。
例えば、未加硫状態のシリコーン組成物と光透過性フィルムの積層方法としては、予め積層したシートを同時にロールで押圧成形するか、シリコーン単層でロールにて押圧成形したのち、巻き取り過程において、光透過性フィルムと同時に積層しながら貼り付け成形する方法などがある。
なお、前記シリコーン組成物の硬化は、120〜150℃において20〜60分加熱することによって行うことができる。
ここで、本発明の太陽電池モジュールの製造方法の一方法につき説明すると、前記太陽電池モジュールは、例えば受光面側に光透過性基板又はフィルムを有する太陽電池モジュールである場合、未加硫状態のシリコーン組成物を光透過性基板又はフィルムに載置させ、予め密着貼付を行う。シリコーン組成物を貼り付けていない面に、封止材EVA、太陽電池素子ストリングスを載置し、太陽電池素子ストリングス背面上に封止材EVAを載置し、最背面側に裏面側光透過性基板もしくはシート又は裏面保護材を積層した後、真空ラミネーターを用いて真空下加熱押圧を行う。このようにすることで未加硫状態のシリコーン組成物を光透過性基板、光透過性フィルムに架橋させると同時に太陽電池モジュールが形成できる。
次に、既に形成完了している太陽電池モジュールに前記シリコーン組成物を載置・接着させる方法について説明する。例えば、受光面側に光透過性基板を有する太陽電池モジュールである場合、光透過性基板の光入射面に、前記未加硫状態のシリコーン組成物を貼り付けた後、加熱プレート上にテフロン(登録商標)含浸のガラスクロスを敷いて、太陽電池モジュールの受光面を加熱プレート側に向けて設置する。このときに、太陽電池モジュールの背面上に、太陽電池モジュールとほぼ同面積の重量板(5kg/m2程度)を載せ、圧着加熱させる。封止材の流出が生じないよう加熱は80℃以下で仮圧着し、その後は80℃以下でオーブンにて追加加熱する。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、配合量の単位の部は質量部である。また、重量平均分子量、重量平均重合度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算値である。
[実施例]
まず、実施例で用いたシリコーン組成物について説明する。
<シリコーン組成物の調製>
ジメチルシロキサン単位99.85モル%、メチルビニルシロキサン単位0.025モル%、ジメチルビニルシロキサン単位0.125モル%からなり、平均重合度が約6,000であるオルガノポリシロキサン100部、BET比表面積300m2/gのシリカ(商品名アエロジル300、日本アエロジル(株)製)70部、分散剤としてヘキサメチルジシラザン16部、水4部を添加し、ニーダーにて混練りし、170℃にて2時間加熱処理してコンパウンドを調製した。
上記コンパウンドを100部に対し、付加架橋硬化剤としてC−25A(白金触媒)/C−25B(オルガノハイドロジェンポリシロキサン)(共に、信越化学工業(株)製)をそれぞれ0.5部/2.0部を、2本ロールで均一混合した後、カレンダーロールにより未加硫状態のシリコーン組成物のシートを作製した。得られたシリコーン組成物のシートを140℃,30minの条件で加熱硬化したシリコーンシートの透過率は、700μm厚のシリコーンシートを3.2mm白板ガラスに貼りあわせた状態で、450〜500nmの波長域で、およそ90%であり、シリコーンシートの屈折率は、1.41〜1.42であった。
光透過性基板として、中島硝子工業株式会社白板ガラス(3.2mm厚、片面エンボス形状付)を使用した。封止材はサンビック株式会社太陽電池用EVAシート(ファストキュアタイプ:0.45mm厚)を使用し、裏面保護材として株式会社エムエーパッケージングのTPT(Tedlar−PET−Tedlar:PTD250)を使用した。
実施例に示す太陽電池モジュール100(図1)は、未加硫シリコーン組成物のシートを白板ガラス102に予め貼り付け密着させたのち、シリコーン組成物のシートを貼り付けていない面に、封止材EVA層103、太陽電池素子ストリングス104、封止材EVA層103、裏面保護材TPT105を積層させ、真空ラミネーターで加熱圧着形成した。
また、硬化シリコーン層の厚みは、1.0mmとした。
比較例に示す太陽電池モジュール200(図2)は、未加硫シリコーン組成物のシートを貼り付けず、白板ガラス102の上に封止材EVA層103、太陽電池素子ストリングス104、封止材EVA層103、裏面保護材TPT105を積層させ、真空ラミネーターで140℃にて真空5分、真空圧着25分で、加熱圧着形成させたものである。
次に各太陽電池モジュールの製造における各工程について説明する。
[太陽電池モジュールの作製]
[1]未加硫シリコーン組成物のシートの作製と、光透過性基板への貼り付け
上記シリコーン組成物101をカレンダー加工によりシート形成させた。このとき、未加硫状態のシリコーン組成物の厚みが0.1mm、0.5mm、1.0mm、5.0mm、10mm、30mm厚になるよう調製した。未加硫シリコーン組成物のシートは、白板ガラス102の光入射面に貼り付け、密着させた。
[2]太陽電池素子(セル)の構成
太陽電池素子は、156mm四方の太陽電池用p型単結晶セルを使用した。
[3]太陽電池素子(セル)ストリングスの作製
太陽電池セルストリングス104は、60直サイズ(6×10列)に配列され、接続配線を、それぞれ直列に接続し、形成させた。
[4]太陽電池モジュールの形成
太陽電池モジュール100を例に説明する。
シリコーン組成物のシートを貼り付けた白板ガラス(光透過性基板102)の反対面に、封止材EVA層103を載せ、太陽電池セルストリングス104を載置し、その上面に封止材EVA層103を載せた後、裏面保護材TPT105を載置した。
このようにして得られた積層体を、真空ラミネーターで、140℃で真空5分、真空圧着25分、真空下加熱押圧して太陽電池モジュールを形成した。このときに、真空ラミネーターのヒーター面にシリコーン組成物のシートが貼り付かないよう、テフロン(登録商標)含浸クロスシートをヒーター面上に使用した。
上記工程を経て作製した太陽電池モジュールは、周囲にアルミニウム合金からなるフレームを取り付け、シリコーン等のエッジシール材を封入し、最終フレーム隅部をねじ止め固定することにより、最終太陽電池モジュールが完成した。
次に、既に形成完了している太陽電池モジュールにシリコーン組成物を載置させた太陽電池モジュールの形成方法について説明する。
既に形成完了している太陽電池モジュールは、1m×1mのサイズであり、発電素子は結晶シリコンセルで、36直サイズ(6×6列)である。白板ガラス102(3.2mm厚)と裏面保護材であるTPT105との間に封止材EVA層103にて太陽電池素子104が封止されている。
既に形成完了した太陽電池モジュール(結晶系)の白板ガラス102の上に厚み1.0mmのシリコーン組成物のシートを貼り付け、80℃の加熱プレート上で、40分加熱した。その際、太陽電池モジュールは、加熱ヒータープレートとシリコーンが接するように置き、太陽電池モジュールの背面上に、太陽電池モジュールと同サイズの重量物(5kg/m2)を載置した。このとき、加熱プレート上にシリコーン組成物のシートが貼り付かないように、テフロン(登録商標)含浸ガラスクロスを加熱プレート上に敷いた。
加熱後は、大気雰囲気下、オーブンで70℃の雰囲気で2時間加熱した。
次に飛び火試験の実施例及び比較例を示す。
[飛び火試験]
建築基準法第63条に基づき実施した。
ブランドは、大きさ80mm×80mm×60mm、重さ155gの木製ブランドを1試験体あたり2個用意し、温度23±2℃、相対湿度50±5%で24時間以上予め養生させた。
送風は、吹き出し口高さ250mm、幅1,000mm以上、かつ、吹き出しノズルの長さが1,200mm以上確保した。
バーナー温度はバーナー上端より60mmの位置で900±50℃になるように設置し、ブランドは、240秒間火炎に曝した。
上記のようにして作製した太陽電池モジュールは、受光面側ガラスが上になるように傾斜角30°に設置した。
ブランドは、建築基準法第63条に規定された通り、太陽電池モジュール上面指定箇所に2個載置した。ブランドの燃焼が完全に消えるまで試験を続行し、燃焼後の太陽電池モジュールの状態を観察した。
まず、シリコーン層101が1.0mm厚で形成した太陽電池モジュールの飛び火試験結果を表1に示す。
Figure 0006589701
表1に実施例1に示すように、表1にある太陽電池モジュール(新規)は、飛び火試験後の太陽電池モジュールの状態において、全て、燃焼貫通孔が発生せず合格であった。
また、表1の比較例1に示すように、太陽電池モジュール200は、飛び火試験後の太陽電池モジュールの状態において、燃焼貫通孔が発生し、ブランドが裏面に落下した。貫通孔は200×200mmであり、不合格となった。
この結果は、光透過性基板上にシリコーン層が存在すれば、飛び火試験に合格することを示している。
また、太陽電池モジュール100において、シリコーン層の厚みを変更させた評価結果を表2に示す。シリコーンの厚みは、0.5mm、1.0mm、5.0mm、10mm、30mmとした。
Figure 0006589701
表2に示すように、シリコーン層の厚み0.5mm、1.0mm、5.0mm、10mm、30mmでは、燃焼貫通孔が発生せず合格であった。
また、合格判定であるいずれにおいても、太陽電池モジュール裏面で火炎を伴う燃焼は見られなかった。
更に、試験体の燃焼による火炎の先端が左右600mmの位置に達することはなかった。
一方、シリコーンの厚みが0.1mmとした場合の評価結果を表3に示す。表3に示すように、シリコーン層の厚みが0.1mmの条件では、飛び火試験において、燃焼貫通孔が180×180mm生じ、ブランドの一部が裏面に落下したため、不合格となった。従って、シリコーン層の厚みは、0.5mm以上であることが望ましい。
Figure 0006589701
続いて、既に形成完了している太陽電池モジュールと、同モジュールにシリコーン層を載置した太陽電池モジュールでの飛び火試験結果を表4に示す。
Figure 0006589701
表4に示すように、シリコーン層を載置追加工した太陽電池モジュール(実施例6)では、飛び火試験において、燃焼貫通孔が生じず合格であった。
一方、シリコーン層の載置追加工を施さなかったそのままのモジュール(比較例3)では、220×180mmの燃焼貫通孔が生じ、ブランドの一部が裏面に落下したため、不合格となった。
以上のように、本発明に係わる太陽電池モジュールは、光透過性基板並びに光透過性フィルム上にシリコーン層を光入射面に積層させると、難燃性を高めることができ、飛び火試験に適合する太陽電池モジュールを提供することが可能である。
100 太陽電池モジュール
101 シリコーン層
102 光透過性基板
103 封止材EVA層
104 太陽電池素子ストリングス
105 裏面保護材

Claims (5)

  1. 受光面側に光透過性基板もしくは光透過性フィルムを有する太陽電池モジュールであって、該受光面側の光透過性基板もしくは光透過性フィルムの光入射面側にシリコーン層が形成されている構造を有する難燃性太陽電池モジュールの製造方法において、
    該シリコーン層が、
    (A)下記平均組成式(I)
    1 aSiO(4-a)/2 (I)
    (式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
    で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
    (B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ 20〜150質量部、
    (C)硬化剤 (A)成分を硬化させる有効量
    を含むシリコーン組成物であって、
    未加硫状態のシート状のシリコーン組成物と、光透過性基板片面もしくは光透過性フィルム片面とを予め密着させて積層する工程と
    シリコーン組成物が積層されていない面に、封止材、太陽電池素子ストリングス、裏面側光透過性基板もしくは裏面側光透過性フィルム又は裏面保護材を積層した積層体を設置する工程と
    得られた積層体を、真空ラミネーターを用いて真空下加熱押圧を行い、上記未加硫状態のシリコーン組成物を硬化させて、受光面側の光透過性基板もしくは光透過性フィルムの片面にシリコーン層を形成すると同時に、太陽電子素子マトリックスを封止材にて封止する工程
    を含むことを特徴とする難燃性太陽電池モジュールの製造方法。
  2. 受光面側に光透過性基板もしくは光透過性フィルムを有する太陽電池モジュールであって、該受光面側の光透過性基板もしくは光透過性フィルムの光入射面側にシリコーン層が形成されている構造を有する難燃性太陽電池モジュールの製造方法において、
    受光面側の光透過性基板もしくは光透過性フィルムと裏面側の光透過性基板もしくは光透過性フィルム又は裏面保護材との間に太陽電池素子ストリングスが封止されてなる太陽電池モジュールの上記受光面側の光透過性基板もしくは光透過性フィルムの光入射面に、(A)下記平均組成式(I)
    1 aSiO(4-a)/2 (I)
    (式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
    で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
    (B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ 20〜150質量部、
    (C)硬化剤 (A)成分を硬化させる有効量
    を含むシリコーン組成物の未加硫状態のシート状のシリコーン層を密着させて積層する工程と
    加熱プレートを用いて上記シリコーン組成物を加熱硬化し、シリコーン層を形成する工程
    を含むことを特徴とする難燃性太陽電池モジュールの製造方法。
  3. 難燃性太陽電池モジュールのシリコーン層の厚みが、0.5〜30mmであることを特徴とする請求項1又は2記載の難燃性太陽電池モジュール製造方法
  4. 難燃性太陽電池モジュールのシリコーン層の透過率が、350〜1,100nmの波長域で、80%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の難燃性太陽電池モジュール製造方法
  5. 難燃性太陽電池モジュールのシリコーン層の屈折率が、1.40〜1.48であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の難燃性太陽電池モジュール製造方法
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