JP2017161649A - 像ブレ補正装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体 - Google Patents

像ブレ補正装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】撮影前には被写体を追う動作を安定化させるとともに、撮影時には適切な流し撮りのアシストを行う像ブレ補正装置を提供する。
【解決手段】撮像装置の角速度を算出する第1の算出部と、被写体の動きベクトルを算出する第2の算出部と、撮像装置の像ブレ補正部の現在位置を算出する第3の算出部と、第1乃至第3の算出部の出力に基づいて、被写体の角速度を算出する第4の算出部と、撮像装置がレリーズされる前は、第1の算出部の出力に基づいて像ブレを補正し、撮像装置がレリーズされた後の所定のタイミングで像ブレ補正部の位置を移動させるとともに、その移動量に基づいて画像の出力位置を移動させ、撮像部の露光が開始された後に、第1の算出部により算出された撮像装置の角速度と、第4の算出部により算出された被写体の角速度とに基づいて像ブレを補正するように、像ブレ補正部を制御する制御部とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、撮影者の手振れ等に起因する像ブレを補正する像ブレ補正装置を用いて、流し撮りのアシストをする技術に関するものである。
カメラによる流し撮りは、被写体(動体)を撮影するときに、被写体を追いながら通常よりも遅いシャッター速度で撮影する手法である。この方法によれば、背景が流れ、被写体が静止している画像が得られる。撮影者は、流し撮りにより、スピード感あふれる写真を撮影することができる。しかし、露光時間の比較的長い撮影が行われるので、露光期間中に被写体のスピードとカメラを振る速度とを合わせることが難しく、熟練を要する撮影技術のひとつとなっている。
流し撮りを簡単に実現するために、特許文献1には被写体の速度と、カメラを振る速度との差分を検出し、当該差分に相当するズレ量を、手ブレ補正機能を用いて補正する方法が開示されている。撮影直前には、カメラ内の角速度センサにより、被写体を追っているカメラのパンニングの角速度が検出される。同時に主被写体像の撮像面上での移動量が検出される。検出したパンニング角速度と被写体像の撮像面上での移動量とから被写体の角速度が算出される。そして露光中には、算出した主被写体の角速度と、カメラ内の角速度センサ出力との差分量に従って像振れ補正動作が行われる。これにより、主被写体とカメラのパンニング速度の差、および手振れ量が補正されるので、流し撮り対象である主被写体の像ブレを抑制することができる。
特開2006−317848号公報
しかしながら、上述の特許文献1に開示された従来技術では、撮影前の段階で被写体を追う場合に、被写体像の像面上の移動量を正確に検出するために、手ブレ補正機能を停止させている。そのため、特に焦点距離が長いレンズでは、手ブレの影響により主被写体を画角内に安定的に保持することが難しく、その結果、シャッターチャンスを逃してしまうといった問題が発生する。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、撮影前には被写体を追う動作を安定化させることができるとともに、撮影時には適切な流し撮りのアシストを行うことができる像ブレ補正装置を提供することである。
本発明に係わる像ブレ補正装置は、撮像装置の動きの角速度を算出する第1の算出手段と、前記撮像装置の撮像手段により撮像された複数の画像から、被写体の動きベクトルを算出する第2の算出手段と、前記撮像装置の動きに起因する像ブレを補正する像ブレ補正手段の現在位置を算出する第3の算出手段と、前記第1乃至第3の算出手段の出力に基づいて、被写体の動きの角速度を算出する第4の算出手段と、前記撮像装置がレリーズされる前は、前記第1の算出手段の出力に基づいて前記像ブレ補正手段が像ブレを補正し、前記撮像装置がレリーズされた後の所定のタイミングで前記像ブレ補正手段の位置を移動させるとともに、該移動の移動量に基づいて前記撮像手段からの画像の出力位置を移動させ、前記撮像手段の露光が開始された後に、前記第1の算出手段により算出された前記撮像装置の動きの角速度と、前記第4の算出手段により算出された被写体の動きの角速度とに基づいて、前記像ブレ補正手段が像ブレを補正するように、前記像ブレ補正手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、撮影前には被写体を追う動作を安定化させることができるとともに、撮影時には適切な流し撮りのアシストを行うことができる像ブレ補正装置を提供することである。
本発明の第1の実施形態に係わる撮像装置の構成を示すブロック図。 第1の実施形態における流し撮りアシストの流れを示したフローチャート。 第1の実施形態における流し撮りアシストの動作の流れを示した図。 第1の実施形態における被写体角速度の算出方法を説明する図。 第1の実施形態における被写体角速度の算出方法を示すフローチャート。 シフトレンズの移動先の算出を示すフローチャート。 第2の実施形態における流し撮りアシストの流れを示したフローチャート。 シフトレンズの移動先の算出を示すフローチャート。 第2の実施形態における流し撮りアシストの動作の流れを示した図。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる像ブレ補正装置を搭載した撮像装置100の基本構成を示すブロック図である。撮像装置100は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラのようなカメラはもとより、カメラ機能付き携帯電話、カメラ付きコンピュータなど、カメラ機能を備える任意の電子機器であっても良い。
図1において、光学系101は、レンズ、シャッター、絞りから構成されており、CPU103の制御によって被写体からの光を撮像素子102に結像させる。CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサなどからなる撮像素子102は、光学系101を通って結像した光を画像信号に変換する。ジャイロセンサなどの角速度センサ105は、撮像装置100の移動量を表す角速度を検出し、電気信号に変換してCPU103へ伝達する。
CPU103は、入力された信号や予め記憶されたプログラムに従い、撮像装置100を構成する各部を制御することで、撮像装置100の機能を実現させる。一次記憶装置104は、例えばRAMのような揮発性装置であり、一時的にデータを記憶するとともに、CPU103の作業領域として使われる。また、一次記憶装置104に記憶されている情報は、画像処理装置106で利用されたり、記録媒体107へ記録されたりもする。二次記憶装置108は例えばEEPROMのような不揮発性メモリであり、撮像装置100を制御するためのプログラム(ファームウェア)や各種の設定情報を記憶し、CPU103によって利用される。
記録媒体107は、一次記憶装置104に記憶されている、撮影により得られた画像のデータなどを記録する。なお、記録媒体107は例えば半導体メモリカードなどで、撮像装置100から取り外し可能であり、パーソナルコンピュータなどに装着することにより記録されたデータを読み出すことが可能である。つまり、撮像装置100は、記録媒体107の着脱機構及び読み書き機能を有する。表示部109は、撮影時のビューファインダー画像の表示、撮影した画像の表示、対話的な操作のためのGUI画像などの表示を行う。
操作部110は、ユーザの操作を受け付けてCPU103へ入力情報を伝達する入力デバイス群であり、例えばボタン、レバー、タッチパネル等はもちろん、音声や視線などを用いた入力機器であっても良い。なお、本実施形態の撮像装置100では、画像処理装置106が撮像画像に適用する画像処理のパターンを複数有し、そのパターンを撮像モードとして操作部110から設定可能である。画像処理装置106は、いわゆる現像処理と呼ばれる画像処理をはじめ、撮影モードに応じた色調の調整なども行う。なお、画像処理装置106の機能の少なくとも一部は、CPU103がソフトウェア的に実現しても良い。
図2は、本実施形態における流し撮り撮影をアシストする動作の流れを示したフローチャートである。まずS201において、CPU103は、画像出力領域を流し撮りアシストモード用に設定された画像中央部に制限して、表示部110に表示する。S202において、CPU103は、シャッターボタン(操作部111のレリーズボタン)の半押し(以降、スイッチSW1のON)がなされたか否かの判定を行う。スイッチSW1がONされない場合、CPU103は、スイッチSW1がONされるまで待機する。そして、スイッチSW1がONされた場合、S203以降の処理に進む。なお、スイッチSW1のONを起点として以降の処理に進むのは一例であり、流し撮りアシストモードに入ることを起点として、常にS203以降の処理を行うようにしてもよい。
S203において、CPU103は、角速度センサ105で検出された撮像装置100の角速度を取得する。S204において、CPU103は、S203で取得した撮像装置100の角速度にハイパスフィルタ―(HPF)をかける(フィルタ処理)ことで、手振れ等に起因する像ブレを補正するためのシフトレンズの移動量である像ブレ補正量を算出する。S205において、CPU103は、S204で算出した像ブレ補正量に基づいて、光学系101に含まれるシフトレンズ306(図3参照)を移動させ、像ブレを補正する。
ここで、図2のS203〜S205における処理について、図3を用いて具体的に説明する。図3は、本実施形態における流し撮りアシストモードの動作の流れを示した図である。図3aは従来の流し撮りアシストモードの流れを示し、図3bは本実施形態の流し撮りアシストモードの流れを示している。図3の301は、実際に撮影を行う前の、ユーザが撮像装置をパンニングさせて被写体を追いかけている予備動作中の期間を示しており、図2のS203〜S208の処理は、この予備動作期間301の中で、撮像装置のライブビュー動作における1フレーム周期で行われる。
まず、図3aを用いて、従来の流し撮りアシストモードの流れについて説明する。図3a-vに示す315を撮影したい画像の画角とすると、ユーザは、撮影前の準備動作として図3a-iに305で示す画角となるように撮像装置100をパンニングさせる。図3a-iにおいてシフトレンズ306の動ける範囲を可動範囲307とする。従来の流し撮りアシストモードでは、露光期間303での像ブレ補正量を確保するために、シフトレンズ306の位置を可動範囲307の中心位置に固定していた。そのため、手振れ309の影響により、308で示すように、被写体が画角内で移動してしまい、被写体を追うことが難しかった。
次に、図3bを用いて、本実施形態における流し撮りアシストモードの流れについて説明する。本実施形態では、図2のS203でも示している通り、手振れ309を補正するために、画像の出力領域を、撮像面全体領域(全画像領域)316から制限領域317の範囲に制限している。したがって、撮影したい画像の画角を、図3b-vに示すように出力領域を制限した画角326とする。そして、撮影前の準備動作(予備動作期間301)中には、図2のS204で算出した像ブレ補正量に基づいて、シフトレンズ306を図3b-iiに319で示すように移動させ、像ブレ補正を行う。これにより、予備動作期間301の中での像ブレ補正を実現する。
図2のS206において、CPU103は、S205で移動させたシフトレンズ306(光学系101)の現在位置(以降、実位置)を取得する。そして、取得されたシフトレンズ306の位置の変位量を撮像面上の移動量l[mm]に換算する。S207において、CPU103は、撮像素子102で連続して取得された画像を複数のブロック領域に分割した後、画像処理装置106を用いて、2枚以上の画像間における動きベクトルを検出する。そして、検出された動きベクトルを撮像面上の移動量v[mm]に換算する。
S208において、CPU103は、S203で取得した撮像装置100の角速度と、S206で取得したシフトレンズ306の実位置と、S207で撮像面上の移動量に変換された動きベクトルとを用いて、被写体角速度を算出する。なお、撮像装置100の角速度ω[rad/sec]は、焦点距離をf[mm]、画像を取得する間隔(以降、フレームレート)をfps[frame/sec]としたとき、式(1)を用いて、画像間における撮像面上の移動量a[mm]に変換される。
a=f・tan(ω/fps) …(1)
ここで、図4、図5を用いて、本実施形態における被写体角速度の算出方法について説明する。図4は、本実施形態における被写体角速度の算出方法を示した図であり、縦軸を動きベクトルを検出したブロック数、横軸をベクトルの大きさとしたヒストグラムである。図4a、図4bは、連続して取得された異なる画像であり、S207で検出した動きベクトル(撮像面上の移動量v[mm])を401、S206で取得したシフトレンズ位置の変位量(撮像面上の移動量l[mm])を402、S203で検出した撮像装置100の角速度(撮像面上の移動量a[mm])を403とする。
図5は、本実施形態における被写体の角速度を算出する方法を示すフローチャートである。S501において、像ブレ補正により、本来の画像ズレ量よりも動きベクトル401の値が小さくなっているため、CPU103は、動きベクトル401に、シフトレンズ位置の変位量402を加味することで、像ブレ補正量も含めた動きベクトル404を算出する。
S501では、撮像装置100のパンニングで追い切れていない被写体の動きが、像ブレ補正量も含めた動きベクトル404として検出される。そのため、S502において、CPU103は、撮像装置100の角速度403から、像ブレ補正量も含めた動きベクトル404の成分を取り除くことで、被写体の移動量405を算出する。
なお、406は背景の移動量を表しており、被写体の移動量405と背景の移動量406は、撮像装置100を被写体に合わせてパンニングしていることを用いて判別することができる。例えば、「撮像装置100の角速度403」と出力が近い「像ブレ補正量も含めた動きベクトル404」が背景の移動量406であると判別したり、「像ブレ補正量も含めた動きベクトル404」の中で、ベクトルの大きさが小さいものが被写体の移動量405であると判別することができる。
S503において、CPU103は、被写体の移動量405をo[mm]としたときの被写体角速度ωo[rad/sec]を式(4)を用いて算出する。
ωo=fps・tan-1(o/f) …(4)
以上により、撮影前の被写体を撮像装置のパンニングで追いかける動作において、シフトレンズ306を動かして像ブレ補正を行ったとしても、被写体角速度を算出することが可能となる。
図2の説明に戻って、図2のS209において、CPU103は、露光を開始する動作に移行するか否かの判定を行う。なお、ここではシャッターボタン(操作部111)の全押し(以降、スイッチSW2のON)がなされたか否かの判定を行う。スイッチSW2がONされていない場合、CPU103は、S203からS208までの動作を繰り返し行うが、スイッチSW2がONされた場合、S210へ進む。
S210、S211は、露光開始前の処理である。S210において、CPU103は、画像処理装置106を用いて、S208で算出した被写体角速度の時系列的な変化に基づいて、流し撮りアシストとして補正量が十分取れるシフトレンズ306の移動先を算出する。
図6を用いて、本実施形態におけるシフトレンズの移動先の算出方法について説明する。図6は、本実施形態におけるシフトレンズの移動先の算出方法を示すフローチャートである。なお、図6の被写体角速度2、撮像装置の角速度2は、スイッチSW1のONのタイミングで初期化されるものとする。
S601において、CPU103は、被写体が一定の速度で移動しているか否かを判定するために、現フレームの被写体角速度と前フレームの被写体角速度(被写体角速度2)の差分値が所定の閾値以内であるかを判定する。この差分値が閾値よりも大きい場合、被写体の動きが不安定であるため、露光直前の被写体の動きの変化に対応するため、S602に進み、シフトレンズの移動先を可動範囲の中央位置に設定する。また上記の差分値が閾値以内の場合、すなわち、被写体の動きが安定している場合は、S603に進む。
S603において、CPU103は、パンニング速度が安定しているか否かを判定するために、現フレームの撮像装置の角速度と前フレームの撮像装置の角速度(撮像装置の角速度2)の差分値が閾値以内であるか否かを判定する。この差分値が閾値よりも大きい場合、パンニングが安定していないため、安定したアシスト効果を保障するために、S602に進み、シフトレンズの移動先を可動範囲の中央位置に設定する。また上記の差分値が閾値以内の場合、すなわち、パンニングが安定している場合は、S604に進む。
S604において、CPU103は、ユーザが被写体を十分に追えているか否かを判定するために、撮像装置の角速度と被写体角速度の差分値が閾値よりも小さいか否かを判定する。この差分値が閾値よりも小さい場合、ユーザは被写体を十分に追えており、シフトレンズ位置が中央位置からでも十分に補正できることが分かる。従って、安定したアシスト効果を保障するために、S602に進み、シフトレンズの移動先を可動範囲の中央位置に設定する。また上記の差分値が閾値以上の場合、すなわち、被写体を追えていない場合は、S605に進む。
S605において、CPU103は、S601、S603、S604の判定から、被写体角速度、パンニング角速度ともに安定していると判断できるため、シフトレンズを流し撮りアシストの補正方向と逆側に設定する。これにより、流し撮りアシストの補正効果を大きく確保できるようにする。
S606において、CPU103は、被写体角速度2と撮像装置の角速度2を更新することで、次フレーム以降の処理に備える。図6では、分かりやすくするために2フレーム間での変化の判定としたが、これに限定されるものではなく、過去複数フレームにまたがって変化の判定を行っても良い。以上により、適切な流し撮りアシストの補正効果を確保したシフトレンズの移動が可能となる。
図2のS211において、CPU103は、S210で算出した位置までシフトレンズ306を移動する。なお、S210、S211の処理は、スイッチSW2がONされてから露光開始前までに完了するものとする。
S212の処理は、露光中に行われる処理である。S212において、CPU103は、S203で取得した撮像装置100の角速度と、S208で算出した被写体角速度の差分に基づいて、シフトレンズ306を動かす。すなわち、被写体角速度と撮像装置のパンニング角速度のズレを補正することで、流し撮りにおいて被写体ブレを抑えるようにシフトレンズ306を動かす。以上により、流し撮り撮影をアシストすることが可能となる。
S213の処理は、露光終了後に行われる処理である。S213において、CPU103は、S211でシフトレンズ306を移動させたことにより発生する画像位置のズレを、画像出力位置の中心を移動させることで吸収する。そして、S201で制限した画像出力領域と同じ範囲を画像として保存することで、表示部110で表示される領域と同等の画角で画像を保存できる。
図2のS210〜S213の処理について、図3を用いて具体的に説明する。なお、以下の動作が第1の実施形態の特徴的な動作である。図3において、302は、スイッチSW2がONされた後から露光開始直前までの期間を示しており、図2のS210、S211の処理は、このスイッチSW2がONされた後から露光開始直前までの期間302に行われる。
図3の303は露光期間を示しており、図2のS212の処理は、この露光期間303の間に行われる。図3の304は露光終了後を示しており、図2のS213は、この露光期間終了後の期間304に行われる。
まず、図3aを用いて、従来の流し撮りアシストモードの流れについて説明する。既に説明したように、従来では、露光前のユーザがカメラのパンニングにより被写体を追いかける動作(予備動作期間301)において、シフトレンズを固定しているため、手振れ309の影響で被写体の位置が安定しない。そのため、図3a-iiiに示すスイッチSW2がONされた時の画角310がベースとなって流し撮りアシストの補正が行われる。
露光期間303において、被写体の角速度と撮像装置100のパンニング角速度が合っていないと、図3a-ivの312で示すように被写体がブレてしまう。そのため、図3a-ivの313で示すようにシフトレンズ306を移動することで、この被写体ブレを抑制する。なお、露光期間303の間は、シフトレンズ306が動くため、図3a-ivの311の実線で示すように、被写体の位置は安定する。最終的には予備動作期間301の間での手振れ309の影響が残った画像となるため、目標である目標画像315とは、異なった画角となってしまう。
上記の問題を受け、図3bを用いて、本実施形態における流し撮りアシストモードの流れについて説明する。本実施形態では、露光前のユーザがカメラのパンニングにより被写体を追いかける動作(予備動作期間301)において、シフトレンズ306を動かすことで、手振れ309の影響を抑制している。しかし、このままのシフトレンズ306の位置では、図3b-iiに示すようにシフトレンズ306が可動範囲の端まで移動してしまい、十分な流し撮りアシストの効果を保障できない場合がある。そのため、図3b-iiiに示すように、シフトレンズ306を最適な位置321に移動させる必要がある。このシフトレンズ306の移動により、図3b-iiiに示すように撮像面上の被写体の位置が移動してしまうため、320で示すように撮像面上で画像出力領域を変更する。
その後、露光期間303において、被写体の角速度と撮像装置100のパンニング角速度が合っていないと、図3b-ivの323で示すように被写体がブレてしまう。そのため、図3b-ivの324で示すようにシフトレンズ306を移動することで、この被写体ブレを抑制する。なお、露光期間303の間は、シフトレンズ306が動くため、図3b-ivの322の実線で示すように、被写体の位置は安定する。
最終的には画像出力領域320を移動させたことで、予備動作期間301の間の手振れ309の影響を抑制し、目標画像である326と近い画角の画像325を得ることができる。なお、図3b-iに示す画像出力領域317の大きさにより、予備動作期間301の間でのシフトレンズ306の可動範囲307を制限することで、一定の画角でのアシスト効果も実現できる。
以上の動作により、流し撮りアシストとしてシフトレンズの必要な補正量を確保した上で、予備動作中の像ブレ補正が可能となる。また、像ブレ補正効果を画像出力領域の範囲内で制限するようにフィルタの特性を設定することで、撮像面内で出力画像の位置を移動させることができるため、予備動作中の表示画像と、最終的な出力画像の画角を揃えることも可能となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態の撮像装置について説明する。この第2の実施形態の撮像装置の構成は、図1に示した第1の実施形態の撮像装置の構成と同様であるので、説明を省略する。
図7は、本実施形態における流し撮りアシストモードの動作を示すフローチャートである。まずS701において、CPU103は、流し撮りアシストモードでシフトレンズ306を動かしても、必ず画角内に収まる領域を表示部110に表示する。上記の表示領域の設定が第2の実施形態のポイントである。具体的な動作については後述する。S202〜S209に関しては、図2で説明した第1の実施形態の動作と同様であるので、説明を省略する。
S702において、CPU103は、画像処理装置106を用いて、S208で算出した被写体角速度の時系列的な変化に基づいて、流し撮りアシストとして補正量が十分取れるシフトレンズ306の位置を算出する。
図8を用いて、本実施形態におけるシフトレンズの移動先の算出方法について説明する。図8は、本実施形態におけるシフトレンズの移動先の算出方法を示すフローチャートである。なお、図8の像ブレ補正量も含めた動きベクトル2、被写体ベクトル2は、スイッチSW1のONのタイミングで初期化されるものとする。
S901において、CPU103は、現フレームにおいて、ユーザが被写体を追えているか否かを判定するために、現フレームの像ブレ補正量も含めた動きベクトルが閾値以上であるか否かを判定する。この動きベクトルの値が閾値よりも小さい場合、現在ユーザは被写体を追えており、シフトレンズ位置が中央位置からでも十分に補正できると判断される。したがって、安定したアシスト効果を保障するために、S902に進み、シフトレンズの移動先を可動範囲の中央位置に設定する。上記の動きベクトルの値が閾値以上の場合、すなわち、被写体を追えていない場合は、S903に進む。
S903において、CPU103は、現フレームと前フレームで被写体の追従可否が変化していないかを判定する。前フレームの像ブレ補正量も含めた動きベクトル(動きベクトル2)が閾値よりも小さい場合は、前フレームで追えていた被写体が現フレームで追えなくなったと判断できる。そのため、安定したアシスト効果を保障するために、S902に進み、シフトレンズの移動先を可動範囲の中央位置に設定する。前フレームの像ブレ補正量も含めた動きベクトル(動きベクトル2)が閾値以上の場合、現フレームでも前フレームでも被写体を追えていないと判断できるため、S904に進む。
S904において、CPU103は、被写体が一定の速度で移動しているかを判定するために、現フレームの被写体ベクトルと前フレームの被写体ベクトル(被写体ベクトル2)の差分値が閾値以内であるか否かを判定する。この差分値が閾値よりも大きい場合、すなわち、被写体が一定の速度で移動していない場合は、安定したアシスト効果を保障するために、S902に進み、シフトレンズの移動先を可動範囲の中央位置に設定する。上記の差分値が閾値以内の場合、すなわち、被写体が一定の速度で移動している場合は、S905に進む。
S905において、CPU103は、S901、S903、S904の判定から、被写体角速度は安定しているが、被写体を追えていないと判断できるため、シフトレンズを流し撮りアシストの補正方向と逆側に設定する。これにより、流し撮りアシストの補正効果を大きく確保できるようにする。
S906において、CPU103は、像ブレ補正量も含めた動きベクトル2と被写体ベクトル2を更新することで、次フレーム以降の処理に備える。図8では、分かりやすくするために2フレーム間での変化の判定としたが、これに限定されるものではなく、過去複数フレームにまたがって変化の判定を行っても良い。以上により、適切な流し撮りアシストの効果を確保したシフトレンズの移動が可能となる。S211、S212に関しては、第1の実施形態の図2と同様であるため、説明を省略する。
以下、図9を用いて、第2の実施形態における動作のポイントについて説明する。図9は、本実施形態における流し撮りアシストモードの流れを示した図である。図9aは従来の流し撮りアシストモードの流れを示し、図9bは本実施形態の流し撮りアシストモードの流れを示している。301〜324に関しては、第1の実施形態を示す図3と同様であるため、説明を省略する。
図7のS701において、画像の出力領域を図9b-iに示す領域317に制限している。そのため、シフトレンズ306を図9b-iiiに321で示すように移動させることで撮像面上の位置は移動してしまうが、目標としている画角802を確実に含んだ画像801を出力することができる。
以上により、流し撮りアシストとして必要なシフトレンズの補正量を確保した上で、予備動作中の像ブレ補正が可能となる。また、流し撮りアシストモードでシフトレンズを動かしても、必ず画角内に収まる領域を表示することで、撮影後の画像で利用可能な領域を増やし、後工程の編集の幅を広げることができる。
なお、上記の第1及び第2の実施形態においては、シフトレンズにより被写体の像ブレを補正し、流し撮りアシストも行う例について説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば撮像素子102自体をシフトさせるなどといった形態でも実現することが可能である。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100:撮像装置、101:光学系、102:撮像素子、103:CPU、104:一次記憶装置、105:角速度センサ、106:画像処理装置、107:記録媒体、108:二次記憶装置、109:表示部、110:操作部

Claims (15)

  1. 撮像装置の動きの角速度を算出する第1の算出手段と、
    前記撮像装置の撮像手段により撮像された複数の画像から、被写体の動きベクトルを算出する第2の算出手段と、
    前記撮像装置の動きに起因する像ブレを補正する像ブレ補正手段の現在位置を算出する第3の算出手段と、
    前記第1乃至第3の算出手段の出力に基づいて、被写体の動きの角速度を算出する第4の算出手段と、
    前記撮像装置がレリーズされる前は、前記第1の算出手段の出力に基づいて前記像ブレ補正手段が像ブレを補正し、前記撮像装置がレリーズされた後の所定のタイミングで前記像ブレ補正手段の位置を移動させるとともに、該移動の移動量に基づいて前記撮像手段からの画像の出力位置を移動させ、前記撮像手段の露光が開始された後に、前記第1の算出手段により算出された前記撮像装置の動きの角速度と、前記第4の算出手段により算出された被写体の動きの角速度とに基づいて、前記像ブレ補正手段が像ブレを補正するように、前記像ブレ補正手段を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする像ブレ補正装置。
  2. 前記制御手段は、前記撮像手段の露光が開始された後に、前記第1の算出手段により算出された前記撮像装置の動きの角速度と、前記第4の算出手段により算出された被写体の動きの角速度との差分に基づいて、前記像ブレ補正手段が像ブレを補正するように制御することを特徴とする請求項1に記載の像ブレ補正装置。
  3. 前記第3の算出手段は、フレームを取得する周期に合わせて、前記像ブレ補正手段の現在位置を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の像ブレ補正装置。
  4. 前記第2の算出手段は、2枚以上の画像から、被写体の動きベクトルを算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置。
  5. 前記所定のタイミングとは、前記撮像装置がレリーズされてから前記撮像手段の露光開始までの間のタイミングであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置。
  6. 前記制御手段は、前記所定のタイミングで、前記像ブレ補正手段を、該像ブレ補正手段の可動範囲の中央位置、または、前記撮像装置がレリーズされた後に前記像ブレ補正手段が動く動き量を確保できる位置に移動させることを特徴とする請求項5に記載の像ブレ補正装置。
  7. 前記制御手段は、前記第1の算出手段により算出された前記撮像装置の動きの角速度と、前記第4の算出手段により算出された被写体の動きの角速度とに基づいて、前記像ブレ補正手段を動かす位置を、該像ブレ補正手段の可動範囲の中央位置、または、前記撮像装置がレリーズされた後に前記像ブレ補正手段が動く動き量を確保できる位置に切り替えることを特徴とする請求項6に記載の像ブレ補正装置。
  8. 前記制御手段は、前記第2の算出手段により算出された動きベクトルの変化に基づいて、前記像ブレ補正手段を動かす位置を、該像ブレ補正手段の可動範囲の中央位置、または、前記撮像装置がレリーズされた後に前記像ブレ補正手段が動く動き量を確保できる位置のいずれかに切り替えることを特徴とする請求項6に記載の像ブレ補正装置。
  9. 前記制御手段は、前記撮像手段からの画像の出力位置を移動させる場合に、前記撮像手段の全画像領域から必要な領域を切り出すことにより、画像の出力位置を移動させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置。
  10. 前記第1の算出手段の出力に対して、所定のフィルタ処理を行うことにより、前記像ブレ補正手段を移動させる量を算出する第5の算出手段をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の像ブレ補正装置。
  11. 前記所定のフィルタ処理では、前記像ブレ補正手段を移動させる量が、前記撮像手段の全画像領域から切り出す領域に収まるように、フィルタの特性を変更することを特徴とする請求項10に記載の像ブレ補正装置。
  12. 前記制御手段は、前記必要な領域のみを切り出して表示装置に表示させることを特徴とする請求項9に記載の像ブレ補正装置。
  13. 撮像装置の動きの角速度を算出する第1の算出工程と、
    前記撮像装置の撮像手段により撮像された複数の画像から、被写体の動きベクトルを算出する第2の算出工程と、
    前記撮像装置の動きに起因する像ブレを補正する像ブレ補正手段の現在位置を算出する第3の算出工程と、
    前記第1乃至第3の算出工程での出力に基づいて、被写体の動きの角速度を算出する第4の算出工程と、
    前記撮像装置がレリーズされる前は、前記第1の算出工程での出力に基づいて前記像ブレ補正手段が像ブレを補正し、前記撮像装置がレリーズされた後の所定のタイミングで前記像ブレ補正手段の位置を移動させるとともに、該移動の移動量に基づいて前記撮像手段からの画像の出力位置を移動させ、前記撮像手段の露光が開始された後に、前記第1の算出工程により算出された前記撮像装置の動きの角速度と、前記第4の算出工程により算出された被写体の動きの角速度とに基づいて、前記像ブレ補正手段が像ブレを補正するように、前記像ブレ補正手段を制御する制御工程と、
    を有することを特徴とする像ブレ補正装置の制御方法。
  14. 請求項13に記載の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  15. 請求項13に記載の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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