JP6592335B2 - 像ブレ補正装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、像ブレ補正装置及び方法に関する。
振れを検出して、検出した振れに起因する像ブレを補正するように移動可能なレンズ、または撮像素子を駆動するブレ補正装置を備えた撮像装置や交換レンズが知られている。このような方式の手ブレ補正機能を光学式手ブレ補正という。また近年では、動画において、振れをキャンセルする方向にフレーム画像を切り出して出力する手ブレ補正機能もあり、小型・軽量の撮像装置や撮像装置付き携帯電話などに用いられている。このような方式の手ブレ補正を電子式手ブレ補正という。
ブレを検出する方式としては、角速度センサ(ジャイロセンサ)が一般的であり、検出した角速度をもとにブレをキャンセルする方向にレンズまたは撮像素子を駆動することでブレを補正する。特許文献1では、動きベクトルから算出される角速度センサのオフセットをリアルタイムにブレ補正駆動量にフィードバックして、角速度センサのオフセットを修正しながら推定していくことが開示されている。
また近年では、撮像装置のフレームレートの高速化と画像処理の高度化により、フレーム間の画像のブレを解析し、動きベクトルを求めることでブレを検出する技術も知られている。
一方、高度な撮影方法として、被写体が近距離であるマクロ撮影や、流し撮り撮影がある。マクロ撮影とは、被写体が近距離にある場合であり、その場合、通常の角度ブレに加えて撮像装置のシフトブレ成分が無視できなくなるため、通常の撮影より手ブレが大きく、手ブレ補正の必要性が高い。そのため、シフトブレを加速度センサを用いて検出し、角度ブレとは別にシフトブレ成分を算出することで、ブレ補正量の精度を上げる技術がある。また加速度センサを有さない場合、像ブレ補正装置の駆動量と位置信号から撮像装置に加わる加速度成分を推定し、推定した加速度からシフトブレ成分を算出することでマクロ撮影時のブレ補正効果を高める技術もある。
流し撮り撮影とは、動く被写体に合わせて撮像装置をパンニングもしくはチルティングしながら撮影することである。この撮影方法では、意図的に動く被写体の背景を流れさせ、動く被写体はブレさせずに撮影することで、被写体を際立たせて、かつ被写体に動きを持たせる。この撮影方法は高度なテクニックを要するため、ブレ補正装置を駆動させることで被写体ブレを補正し、アシストする技術もある。
特許文献2では、流し撮りのアシスト方法で、角速度センサの角速度検出信号と動きベクトルとから、パンニング量を算出し、そのパンニング量と角速度検出信号の差分を用いてブレ補正を実行することが開示されている。これにより、流し撮りのアシスト機能におけるブレ補正による悪影響を軽減させている。
また、動きベクトルによるブレ検出において、画像を小さなブロックに分割し、そのブロックごとにローカル動きベクトルを算出し、その複数個のローカル動きベクトルから、全体のグローバル動きベクトルを算出する技術が特許文献3に開示されている。これにより、画像ノイズによる動きベクトル誤算出や被写体ブレによる手ブレ以外の要素を除去することができる。
特開2005−43780号公報 特開2014−211531号公報 特開2008−192060号公報
しかしながら、角速度センサを用いたブレ補正装置では、以下の2つの理由により、手ブレ補正の性能を十分にあげることができなかった。
1つ目は、角速度センサのオフセット算出誤差である。角速度センサは固有のオフセットノイズや温度変動による低域ノイズを含むため、ブレ補正値を算出する際の積分処理では完全積分を施すことができない。積分処理をローパスフィルタ(LPF)で疑似積分することで、超低域成分の性能を犠牲にせざるを得ない。
2つ目は、角速度センサの感度バラツキである。感度バラツキを低減させるため、出荷時に撮像装置を各々調整するが、必ず調整誤差成分が残り、必ずしも100%の防振効果が得られるわけではなかった。
また、加速度センサを用いてマクロ撮影時のブレ補正効果を高める場合、加速度センサを搭載するためにコストが高くなってしまう。一方、像ブレ補正装置の駆動量と位置信号から撮像装置に加わる加速度を推定する場合、ブレが微小ブレの場合、推定精度が悪いという課題がある。
また、特許文献1では、角速度センサのオフセットをフィードバック制御でリアルタイムに更新しているため、推定途中(静止画待機中)では防振性能が劣化する場合がある。フィードバック制御のフィードバックゲインの設計によるが、フィードバックゲインを大きくすると、推定の収束は速いが、防振性能の劣化の課題が残る。またフィードバックゲインを小さくすると、推定中の防振性能の劣化の程度は小さくなるが、収束するスピードが遅くなる。
また、特許文献2では角速度センサの出力と動きベクトルの差分からパンニング量の算出とパンニング判定を行っているが、角速度センサの固有ノイズであるオフセット成分や感度バラツキが考慮されていない。そのため、算出結果に誤差が残ってしまい、十分な流し撮りの判定精度やアシスト精度を得られないことがあった。
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、角速度センサを用いた像ブレ補正処理における補正効果を高めることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の像ブレ補正装置は、ブレ検出手段から出力される角速度信号と、撮像素子から出力された画像のフレーム間の差分から算出される動きベクトルと、ブレを光学的に補正する補正手段の位置を示す位置信号とに基づいて、カルマンフィルタまたは逐次最小二乗法を用いて前記ブレ検出手段の出力バラツキを同定すると共に、同定結果の誤差分散を演算する同定手段と、前記角速度信号を前記同定手段により同定した前記出力バラツキに基づいて補正し、ブレ補正量信号に変換する変換手段とを有る。
本発明によれば、角速度センサを用いた像ブレ補正処理における補正効果を高めることができる。
本発明の実施の形態に係る撮像装置の機能構成を示すブロック図。 第1の実施形態に係る像ブレ補正制御部の構成を示すブロック図。 角速度信号と位置信号と動きベクトルから、角速度センサのオフセットと感度を同定する方法を説明するための図。 第1の実施形態に係るブレ信号システム同定部の構成を示すブロック図。 第1の実施形態に係るブレ信号システム同定処理のフローチャート。 一般的な1次のIIRフィルタの構成を示すブロック図。 第1の実施形態の変形例に係るブレ信号システム同定処理のフローチャート。 第2の実施形態に係る像ブレ補正制御部の構成を示すブロック図。 第2の実施形態に係る像ブレ補正ユニットの説明図 第3の実施形態に係る被写体と、動きベクトルを検出するためのブロックの配置例を示す図。 第3の実施形態に係る動きベクトルのヒストグラムを示す図。 第3の実施形態に係る流し撮りアシスト制御部の構成を示すブロック図。 第3の実施形態に係るブレ信号修正部と、被写体・背景ベクトル算出部の詳細構成を示したブロック図。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る像ブレ補正装置を含む撮像装置の機能構成を示すブロック図であり、ここでは、静止画像と動画像の撮影を行うためのデジタルカメラである。
図1において、光学系は、変倍を行うズームレンズを含むズームユニット101、絞り・シャッタユニット103、像ブレ補正ユニット105、焦点調節を行うレンズを含むフォーカスユニット107を含んで構成される。ズームユニット101は、ズーム駆動制御部102により駆動制御され、絞り・シャッタユニット103は、絞り・シャッタ駆動制御部104により駆動制御される。また、像ブレ補正ユニット105は、像ブレ補正制御部106により駆動制御され、フォーカスユニット107は、フォーカス駆動制御部108により駆動制御される。
撮像部109は、上述した光学系を通過した光像を電気信号に光電変換する。撮像部109から出力された電気信号は、撮像信号処理部110により映像信号に変換処理され、更に、用途に応じて映像信号処理部111により加工される。表示部112は、映像信号処理部111から出力された信号に基づいて、必要に応じて画像表示を行う。
電源部113は、撮像装置全体に用途に応じて電源を供給する。外部入出力端子部114は、不図示の外部装置との間で、通信信号及び映像信号を入出力する。
操作部115はシステムを操作するために用いられ、防振ON/OFFスイッチ、シャッタレリーズボタン、動画記録スイッチ、再生モード選択スイッチ、変倍スイッチを含む。
防振ON/OFFスイッチは、手ブレ補正ON/OFFを選択可能にし、防振ON/OFFスイッチにより手ブレ補正ONが選択されると、カメラシステム制御部118が像ブレ補正制御部106に防振動作を指示する。そして、これを受けた像ブレ補正制御部106は、防振OFFの指示がなされるまで防振動作を行う。
シャッタレリーズボタンは、押し込み量に応じて第1スイッチ(SW1)および第2スイッチ(SW2)が順にオンするように、2段階の操作が可能に構成されている。シャッタレリーズボタンが約半分押し込まれたとき(第1段階目)に第1スイッチSW1がオンし、シャッタレリーズボタンが最後まで押し込まれたとき(第2段階目)に第2スイッチSW2がオンする構造となっている。第1スイッチSW1がオンされると、フォーカス駆動制御部108がフォーカスレンズを含むフォーカスユニット107を駆動して焦点調節を行うとともに、絞り・シャッタ駆動制御部104が絞り・シャッタユニット103を駆動して適正な露光量に設定する。第2スイッチSW2がオンされると、撮像部109に露光された光像から得られた画像データが記憶部116に記憶される。
動画記録スイッチは、スイッチ押下により動画撮影が開始され、記録中に再度スイッチが押下されると記録を終了する。動画撮影中に第1スイッチSW1および第2スイッチSW2を押すことで、動画記録中の静止画撮影にも対応できる。
再生モード選択スイッチが押下されると、再生モードが選択される。なお、再生モード時には防振動作を停止する。
変倍スイッチは、ズーム変倍の指示を行うためのスイッチである。変倍スイッチによりズーム変倍の指示が行われると、カメラシステム制御部118を介して指示を受けたズーム駆動制御部102がズームユニット101を駆動して、指示されたズーム位置にズームユニット101を移動させる。それとともに、撮像部109から送られた撮像信号処理部110、映像信号処理部111にて処理された画像情報に基づいて、フォーカス駆動制御部108がフォーカスユニット107を駆動して焦点調節を行う。
記憶部116は映像情報など様々なデータを記憶する。手ブレ検出部117は、ジャイロセンサ等のセンサを用いて、カメラに加わる手ブレ量を角速度として検出し、電圧に変換したブレ信号(角速度信号)を出力する角速度センサである。カメラシステム制御部118は、撮像装置全体を制御する。動きベクトル検出部119は、撮像信号処理部110から出力された映像信号のフレーム画像間のブレを解析して、動きベクトルを検出する。
図2は、第1の実施形態における像ブレ補正制御部106の構成を示すブロック図である。なお、像ブレ補正軸として、Pitch方向およびYaw方向で同じ構成となるため、片軸のみで説明を行う。
図2において、AD変換部201は、手ブレ検出部117が出力したアナログの角速度信号をデジタルの角速度信号に変換する。
ハイパスフィルタ(HPF)202は、AD変換部201により変換された角速度信号から、手ブレ検出部117のオフセット成分や、温度ドリフト成分を除去する。積分部203は、主にローパスフィルタ(LPF)による疑似積分により、HPF202から出力された角速度信号を積分して角度データに変換する。乗算部204は、積分部203により得られた角度データを、像ブレ補正ユニット105に含まれる補正レンズの駆動量に変換する。乗算部204の敏感度は焦点距離毎に異なった値をしており、焦点距離が変わる度に敏感度も変更される。また、手ブレ検出部117の角速度センサの感度調整による補正量も反映され、感度バラツキを吸収している。以降、この信号出力を第1のブレ補正量と呼ぶ。
一方、積分部206は、主にローパスフィルタによる疑似積分により、後述するブレ信号システム同定部214により同定されたオフセット値が除去された角速度信号を積分し、角度データに変換する。乗算部207は、乗算部204と同様の構成を有し、積分部206により得られた角度データを、補正レンズの駆動量に変換する。以降、この信号の信号出力を第2のブレ補正量とする。この第2のブレ補正量は、第1のブレ補正量と比べてHPFを介さないため、第1のブレ補正量よりも低帯域のブレを含むのブレ補償が可能となる。
信号選択部208は、第1のブレ補正量と、第2のブレ補正量のいずれか一方を選択する。例えば、静止画撮影前やパンニング動作のような大きなカメラワークを有する動画撮影中は、映像の見えを良くするため、帯域の狭い第1のブレ補正量を選択する。一方、静止画露光中やパンニング動作を有さない動画撮影中などは、防振効果を上げるため、広帯域の信号である第2のブレ補正量を選択する。
位置検出部212は、補正レンズの位置を検出して電圧として出力し、AD変換部213は、補正レンズの位置であるアナログの電圧(位置信号)をデジタルの位置信号に変換する。
リミッタ部209は、信号選択部208により選択された、第1または第2のブレ補正量を、補正レンズを含む像ブレ補正ユニット105の可動範囲でクランプする。PID制御部210は、リミッタ部209によりクランプされたブレ補正量から、AD変換部213から出力された補正レンズの位置を示す位置信号を差分した信号を入力し、入力した差分信号に基づいて、補正レンズの位置を制御するための制御信号を出力する。ドライバ部211は、制御信号を電圧に変換し、像ブレ補正ユニット105を駆動するための電流を供給する。
ブレ信号システム同定部214には、AD変換部201から出力された角速度信号と、AD変換部213から出力された補正レンズ位置を示す位置信号と、動きベクトル検出部119から出力された動きベクトルの3つの信号が入力される。ブレ信号システム同定部214は、入力された3つのデータから、角速度センサのオフセット及び感度と、それぞれの誤差分散値の計4つを算出する。そして、算出した結果に応じて、角速度信号から差分するオフセット値と、積分部206における積分フィルタ特性と、乗算部207における補正レンズのシフト量への変換ゲインとを変更する。
次に、角速度信号と位置信号と動きベクトルとから、角速度センサのオフセットと感度を同時に同定する原理について、図3を用いて説明する。
撮像装置に角速度Wが加わった場合、撮像装置に搭載された角速度センサにおいて、その角速度Wを角速度信号に変換する際に感度ばらつきAが乗算されると共に、角速度センサの個体ばらつき成分であるオフセットノイズBが加わる。更に、その出力に対し、LPF402により高周波がカットされて、観測値(角速度信号)Gが検出される。ここで、LPF402の特性をL(s)として表し、sはラプラス変換で用いる複素数である。なお、図3においては、LPF402が角速度センサの内部にあるように示されているが、角速度センサの外部にあっても同様である。
角速度信号Gは、像ブレ補正制御部106で補正レンズの駆動量に変換される。ここで、像ブレ補正制御部106の変換特性をI(s)として表す。この駆動量は、位置検出部212により検出される位置信号Hとして観測されることになる。
一方、撮像装置に加わった角速度Wは、単純に積分することで(404)撮像装置全体の真のブレ角度となるが、この信号を観測することはできない。この撮像装置全体のブレ角度から位置信号Hを減算するとブレ残り角度となり、そのブレ残り角度のフレーム間差分(405)が、動きベクトル検出部119により動きベクトルVとして求められる。
図3の角速度Wから動きベクトルVまでの伝達特性は、以下の式(1)により表すことができる。
V = W − sH …(1)
また、図3の角速度Wから角速度信号Gまでの伝達特性は、以下の式(2)により表すことができる。
G = L(s)(AW + B) …(2)
上記式(1)、(2)から、観測できない実際の角速度Wを消去すると、以下の式(3)となる。
G = AL(s)(sH + V) + L(s)B …(3)
また手ブレの周波数帯は、通常20Hz以下であり、角速度センサのLPF402の遮断周波数は数100Hzのものが主流なため、ここではL(s)≒1と近似することができる。その場合、式(3)は以下の式(4)となる。
G = A(sH + V) + B …(4)
ここまでは連続系の説明をしたが、次に、離散系の説明をする。
角速度信号G(k)をy(k)(式(4)の左辺G)、ΔH(k)+V(k)をx(k)(式(4)右辺のsH+V)、同定パラメータをθ(k)T=(A(k),B(k))とする。A(k)は角速度センサの感度、B(k)は角速度センサのオフセット、kは離散時間である。
Figure 0006592335
また新たな変数z(k)を以下のように定義する。
Figure 0006592335
式(4)、(5)、(6)から以下の状態方程式を導くことができる。
θ(k+1) = θ(k)+ε
y(k) = θ(k)T z(k)+ ω …(7)
ただしεは同定パラメータの変動成分を表すシステムノイズパラメータであり、ωは観測ノイズパラメータである。
式(7)から分かるように、状態変数として表すことのできた同定パラメータである角速度センサの感度とオフセットは、観測量である角速度信号G(k)、位置信号H(k)、動きベクトルV(k)の3つのデータから同定することができる。またシステムノイズパラメータであるεを適切に設計することで、角速度センサの感度と角速度センサのオフセットの温度変動成分も含めて同定することができる。
また、カルマンフィルタを用いて式(7)のθを同定するフィルタリングステップは、以下のとおりである。
(ステップ1)カルマンゲイン算出
Figure 0006592335
(ステップ2)同定パラメータ算出
Figure 0006592335
(ステップ3)同定誤差分散算出
Figure 0006592335
ただし、kは離散時間(フィルタリングステップ数)、Kはカルマンゲイン(1行×2列)、Pは同定誤差共分散行列(2行×2列)、σωは角速度信号の観測ノイズ分散パラメータ(スカラー量)である。また、Rεは同定パラメータの温度変動を考慮したシステムパラメータ(2行×2列)である。同定誤差分散行列Pの初期値は適当な大きな値を設計値として与えておく。ただしあまりにも大きな値を設定すると、同定結果が発散してしまうので、観測ノイズに応じてチューニングが必要なパラメータとなる。
またσωは角速度信号の観測ノイズ実測値を用いても良いが、このパラメータは式(8)及び(10)から分かる通り、大きいほど同定の収束が遅く、小さいほど収束が早くなる。一方、大きいほどフィルタが安定し、小さいほど同定結果が発散してしまうリスクがある。そのためフィルタの収束スピードを決定するためのチューニング用パラメータとしても考えられる。
一方、カルマンフィルタではステップ3(式(10))において同定誤差分散も同時に計算される。これはある時刻jにおける同定結果θ(j)がk=0からk=jまででどれだけばらついているかを示す指標となる値であり、その時刻jにおける同定パラメータθの信頼度に相当する値となると考えられる。
以上説明した通り、時々刻々と同定パラメータθは収束し信頼性が上がるが、カルマンフィルタではなく、逐次最小二乗法を用いても同様である。ただし逐次最小二乗法は、観測ノイズやシステムノイズ(同定パラメータ変動成分)を考慮しないため、フィルタリングのロバスト性は低く、またパラメータの温度変動には適応せず、同定値はある一定値に収束してしまう。そのため、実際の設計においてはカルマンフィルタを用いることが望ましい。
以上が角速度センサの感度ばらつきAと角速度センサのオフセットBを同定する方法の詳細な説明であるが、簡便に説明すると以下の通りである。
式(4)より、観測値である角速度信号Gをyとし、ブレ補正角速度と動きベクトルの和であるsH+Vをxとすると、式(4)はy=Ax+Bと単純な線形モデルとなり、観測値から、その直線y=Ax+Bの傾きAとy切片Bを決定すればよい。傾きが角速度センサの感度でy切片が角速度センサのオフセットとなる。
なお、上述した方法で求めた角速度センサの感度は被写体距離が無限大相当の場合は、純粋な角速度センサの感度となるが、被写体距離が近距離の場合はその限りでは無い。撮像装置のブレの種類には2種類あり、角度ブレとシフトブレである。式(11)は、像面上のブレ量を表す。
δ = (1+β)fθ(t) + βy(t) …(11)
ただし、δは像面上のブレ量[mm]、βは撮像倍率、fは焦点距離[mm]、θ(t)はブレ角度[deg]、y(t)は駆動量[mm]である。(11)式の右辺の(1+β)fθ(t)は角度ブレ成分であり、右辺βy(t)はシフトブレ成分である。
式(11)から分かるように、被写体距離が近い場合、すなわちマクロ撮影をする場合は撮像倍率βが大きくなるため、シフトブレ成分を無視できない。この場合、多くの先行例ではそのシフトブレ成分の要素である駆動量y(t)を加速度センサで検知し、シフトブレ補正量を別途演算し、角速度信号で求めた角度ブレ成分と合成することで、両ブレ成分を補正している。しかし本発明の同定法では、被写体距離が近い場合はシフトブレ残りが動きベクトルとして検出されるため、シフトブレ成分を含めた補正感度を同定していることになる。つまり上述の同定法を用いることで加速度センサを用いずに角度ブレ、シフトブレの両ブレ成分トータルのゲインを同定し、ブレを打ち消すことが可能となる。
ただし、シフトブレ成分を考慮した感度変動を計算する場合は、システム変動成分パラメータであるRεを適切に設計しなければならない。また、被写体距離が所定値以上変動した場合は、その後の同定パラメータの収束スピードを上げるため、同定誤差分散を初期値にリセットする、もしくはシステムノイズ項であるRεを大きくする必要がある。
次に、図4を用いてブレ信号システム同定部214の構成について説明する。ブレ信号システム同定処理のサンプリングは、観測データの中で一番サンプリングの遅い動きベクトルのサンプリングである30Hzもしくは60Hzとする。角速度信号や位置信号はAD変換部201、213において数kHzでサンプリングされているが、動きベクトルと同期を取るため、撮像の露光重心タイミング信号を用いる。これにより、平均値算出部501では角速度信号の露光重心間のフレーム間平均値を算出し、差分算出部502では位置信号の露光重心間の差分からフレーム間ブレ補正角速度を算出する。また、動きベクトルは、変換部503において、角速度単位の動きベクトルに変換されて、フレーム間ブレ補正角速度と加算される。それぞれの信号をLPF504、505に入力することで、エイリアシングを軽減させる。そしてカルマンフィルタ506に入力することで、角速度センサの感度とオフセットが同定される。また同時に同定結果の信頼性を示す同定誤差分散も出力される。
次に、ブレ信号システム同定処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
まず、S101において、動きベクトル、角速度信号、ブレ補正角速度の3つの観測データを取得する。なお、角速度信号は露光重心間平均値であり、ブレ補正角速度は位置信号の露光重心間のブレ補正角度の差分値である。また、この段階で3つの観測データの単位系をそろえる。S102では、アンチエイリアシングのためのローパスフィルタ処理をLPF504,505により行う。
次にS103において、撮像装置の動きを判定する。振動として小さい場合、すなわち撮像装置が三脚に取り付けられている場合や、振動の無い台の上に置かれて静止状態である場合等では、3つの観測データはほぼ一定値となる。そのような場合、上述したカルマンフィルタのステップを実行すると、観測参照点が一定のため、正確な同定ができない。むしろ観測データのノイズに左右されて同定結果の精度が下がる。これは、S/N比が悪くなるためである。また逆に振動が大きい場合、すなわち撮像装置を素早くパンニングさせる場合や、撮像装置を持ちながら歩いたり走ったりしている場合等では、動きベクトルの精度が下がる。一般的に動きベクトルの検出レンジは角速度センサよりも狭く、大きな角速度は検出できない。また大きな振動においては撮像がキャプチャした画像自体がブレていて、正確な動きベクトルが検出できない場合も考えられる。
さらに、大きな振動においては以下の2つの要因で動きベクトルが歪む可能性がある。一つ目は、振動成分の内の一つである撮像装置のRoll方向のブレが、Pitch方向やYaw方向の動きベクトルにノイズとして重畳され、Pitch/Yaw方向の動きベクトル検出結果が歪む場合である。歩き撮りや走り撮りなどをする場合に顕著に表れる。二つ目は、撮像装置がローリングシャッタである場合、それによる歪み成分がPitch/Yaw方向の動きベクトルに加わる。光学的な像ブレ補正装置の補正限界を超えるほどのブレの場合、顕著に表れる。
これらの要因により、S103では観測されたブレ量が、予め決められた所定値δ1より大きく、予め決められた所定値δ2より小さい場合(予め決められた範囲内)の時のみ、S104へ進み、それ以外の時はS101に戻る。なお、ブレ量とは、角速度信号そのものでもよいし、動きベクトルと位置信号との和(モデル角速度)でもよい。S104、S105、S106はカルマンフィルタによるフィルタリングステップであり、それぞれ上述した式(8)、式(9)、式(10)に相当する処理を行う。
S107以降は、カルマンフィルタの演算結果であるパラメータ同定値がどの程度収束したか判定をする。S107では、同定誤差分散P(k)が所定値T1とT2の間(予め決められた範囲内)にあるかどうか判断し、間にある場合は同定パラメータを像ブレ補正制御部106に反映(S108)する。さらに、積分部206のLPFのフィルタ特性を特性の良い方向に変更(S109)した後、S101に戻る。
S107で、同定誤差分散P(k)が所定値T1とT2の間に無い場合は、S110で同定誤差分散P(k)が所定値T2以下(範囲以下)かどうかを判定する。所定値T2以下の場合は同定パラメータを像ブレ補正制御部106に反映し(S111)、さらに積分部206のLPFのフィルタ特性をS109よりも特性の良い方向(遮断周波数が低い方向)に変更する(S112)。なお、この図5に示す処理では、紙面の都合上、同定結果の信頼性の判定は2パターンのみ記載しているが、それ以上の複数パターン用意してもよい。その場合、同定誤差分散P(k)が所定値よりも低い方が、より特性の良い方向(遮断周波数が低い方向)にフィルタ特性を変更する。
上記の通り第1の実施形態によれば、角速度センサの感度及びオフセットを精度よく同定することができる共に、ブレ補正量に反映させることができるため、像ブレ補正効果を高めることができる。
なお、S109、S112でフィルタ特性を変更する際、疑似積分を行うLPFをIIR型のフィルタで設計している場合、撮像装置の起動からフィルタ特性の変更タイミングまでの時間に応じて、その中間変数であるZも同時に変更することが望ましい。一般的に、逐次演算のフィルタ処理をCPUで行う場合は、処理負荷上IIR型のフィルタを用いることが多いと考えられる。
次に、中間変数Zについて図6を用いて説明する。図6は一般的な1次のIIRフィルタ(LPF)のブロック図である。図6において、信号入力部301から入力INが入力され、信号出力部306から、フィルタ処理された出力OUTが出力される。係数乗算部302の係数K1によりLPFの遮断周波数、すなわち、LPFの帯域が決まる。また、係数乗算部303,304の係数K2,K3はLPFの出力のゲインを決定する係数であり、LPFの場合、K2=K3である。疑似積分では出力ゲインである積分ゲインは一定であり、特性を変えても変化しない。特性を変える場合は係数K1を大きくしていくことで、積分特性の低域成分の特性を良くする。それに対して、フィルタの中間変数Z(305)は、以下の式(12)により表すことができる。なお、式(12)において、nはステップ数である。
Z(n+1)=K1×Zn+IN …(12)
中間変数Zは係数K1に大きく依存し、またその値により信号出力部306からの出力が決定されるため、像ブレ補正の性能に大きく影響する。
中間変数Zはステップ数nにも依存するため、撮像装置の起動からフィルタ特性変更までの時間を計測し、それに応じて中間変数Zを精度よく計算し変更することが求められる。ただし、ステップ数nが十分に大きい場合は、中間変数Zはステップ数nに依存しないと近似されるため、その限りではない。
しかしながら、CPUの処理能力によっては、中間変数Zを期待する時間内に精度よく求められない場合も考えられる。精度が良くない場合、その変更において信号の不連続性が発生し、撮像装置の画角が急峻に動くことが考えられるため、図2の信号選択部208が、第2のブレ補正量(乗算部207の出力)を選択している場合は、中間変数Zを変更しない。フィルタの特性変更の収束には時間がかかるが、急峻な画角の変動は起きない。主に動画撮影中エイミングをしている場合で、パンニングなどをせずに動画のブレ補正性能を上げている場合である。
一方、信号選択部208が第1のブレ補正量(乗算部204の出力)を選択している場合は、精度が良くなくても中間変数Zの変更を同時に行い、積分部206のフィルタ特性を瞬間的に切り替える。第1のブレ補正量によりブレ補正が実行されている最中のため、第2のブレ補正量の不連続性は画像には表れない。こちらは静止画撮影前で、本発明の目的とする状況である。
<変形例>
上述した第1の実施形態では、動きベクトルが正常に検出できている場合の説明であり、実際の環境やカメラの使用状況を考えると、動きベクトルを検出できない、または、検出できるが信頼性が低い場合が考えられる。検出できない場合とは、例えば、カメラを再生モードで使用し、過去に撮影した画像を閲覧している等で撮像素子が起動していない場合等である。また、動きベクトルの信頼性が低い場合とは、例えば、カメラが捉えた被写体が低コントラストである時や、繰り返し模様などの場合等である。動きベクトルを検出できない場合は、必然的に同定処理が実行できない。一方、動きベクトルの信頼性が低い場合は、動きベクトルの値によって同定精度が低下する恐れがあるため、同定処理を実行しないことが望ましい。
しかしながら、同定処理が実行されない時間がある一定時間以上続いてしまった場合、その期間において同定する角速度信号の出力バラツキ自体が変動してしまう。変動した出力バラツキを反映したまま像ブレ補正を実行すると、像ブレ補正の性能を悪化させてしまう。そのため、上述した状態が発生した場合は、積分部206のフィルタ特性を元に戻し(帯域を狭くする)、同定誤差分散値を初期値にリセットする。これにより像ブレ補正の性能の悪化を防ぐことができる。また、動きベクトルが検出でき、信頼性の高い状態に戻った際に、同定誤差分散の値が大きいため、変動してしまった角速度信号の出力バラツキ分を急速に再同定することができる。
以上の処理について、図7のフローチャートを使って説明する。なお、図5と同様の処理については、同じステップ番号を付して説明を割愛する。図5との違いは、まず、S203において、ブレ量と共に、動きベクトルの信頼性を更に判定する点である。この判定において、同定処理を実行しないと判定された場合は、S214に遷移する。S214では同定処理が実行されていない期間をカウントする。S215ではそのカウント値が所定値Rより大きいか判定する。所定値R以下である場合は、S101に戻る。一方、所定値Rより大きい場合は、同定処理が実行されない期間が所定時間継続されたと判断し、S216でその時の同定誤差分散を初期値P0にリセットする。更に、S217において、積分部206のフィルタ特性を初期値(S109、S112で設定されたフィルタ特性よりも帯域が狭い)に戻す。その後、S101に戻る。なお、S214でカウントされる値は、同定処理が1回でも実行されると、S213においてリセットされる。
次に焦点距離を変更可能なズームレンズを有する撮像装置を想定する。焦点距離が短い場合は画角が広いため、1画素あたりの角度も大きくなり、動きベクトルの検出分解能は低くなる。逆に焦点距離が長い場合は画角が狭いため、1画素あたりの角度は小さくなり、動きベクトルの検出分解能は高くなる。つまり焦点距離に応じて、検出される動きベクトルのバラツキが変動してしまう。このため、同定処理におけるカルマンフィルタのパラメータを一定とすると、焦点距離に応じて同定精度にバラツキが生じてしまう。
これを鑑み、式(8)のパラメータである観測ノイズ分散パラメータσωを変更することで、同定収束スピードは変わるが、同定精度が悪化することを防ぐ。具体的には焦点距離が短い場合はσωを大きくすることで、収束スピードは遅くなるが、同定精度が悪くならないよう保つ。逆に焦点距離が長い場合は、σωを小さくすることで、収束スピードは速く、且つ、同定精度も高く保つことができる。
また外乱による影響を考慮する。撮像装置を大きく振ったときの外乱要因は前述した通りであり、大きく振られたときは同定処理シーケンスに入らないと記した。逆に外乱要因が少ないと考えられる状況は、ユーザーが被写体を捉え、SW1を保持しているときであり、その場合は大きく振られていない可能性が高い。また、オートフォーカス後で合焦後であれば、低コントラストなどで信頼性の低い動きベクトルが検出されている可能性も低い。この場合は相対的に同定収束速度を上げることで、同定精度が上がることが考えられる。
具体的にはSW1保持中でフォーカス合焦後は、式(8)の観測ノイズ分散パラメータσωを相対的に小さくすることでカルマンゲインを大きくし、同定収束スピードを上げる。または単純に撮像素子のフレームレートを上げることで同定収束スピードを上げる。これにより外乱要因を軽減した高速同定処理で同定精度をさらに上げることができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態では、像ブレ補正ユニット105の補正レンズが位置検出部212により位置検出可能な場合を説明したが、第2の実施形態では、位置検出部212が存在せず、オープン制御でブレ補正している場合について説明する。なお、第2の実施形態における撮像装置の構成は、第1の実施形態において図1を参照して説明したものと同様であるため、説明を省略する。
図8は、第2の実施形態におけるオープン制御の場合の像ブレ補正制御部106の構成を示すブロック図である。なお、図2を参照して第1の実施形態で説明した構成と同様の構成には同じ参照番号を付し、適宜説明を省略する。
オープン制御では位置信号が存在しないため、第2の実施形態では角速度信号から位置信号を推定する。像ブレ補正ユニットモデル部813は、像ブレ補正制御部106のメカモデルを定義し、その入力(入力[N])に対する出力(位置[m])を推定するための処理を行う。像ブレ補正ユニットモデル部813により推定された位置信号を用いて、第1の実施形態と同様に、角速度信号と、動きベクトルと共に、ブレ信号システム同定部214において角速度信号の出力バラツキを同定する。
次に、像ブレ補正ユニットモデル部813について説明する。図9は像ブレ補正ユニットモデル部813を2次系のバネマスダンパモデルで簡易的に表した図である。像ブレ補正ユニット105の可動部である補正レンズの重量をM[kg]、バネ定数をk[N/m]、減衰係数をD[N・s/m]、レンズ駆動変位量をx(t)[m]、レンズに加わる力をu(t)[N]とする。この場合、運動方程式より以下の式(13)が成り立つ。
Figure 0006592335
上記方程式をラプラス変換し、制御対象を伝達関数で表現すると、以下の式(14)になる。ただしH(s)は制御対象である像ブレ補正ユニット105の数理モデルの伝達関数とする。
Figure 0006592335
これにより、手ブレ補正レンズは2次系の制御対象として近似され、伝達特性を表す。
ここでのレンズに加わる力u(t)は、ドライバ部211から出力されるレンズ駆動指令信号r(t)[N]と、加速度外乱などによる力d[N]の合成であり、以下の式(15)となる。
u(t)=r(t)+d(t) …(15
外乱d[N]は加速度センサを用いることで補償してもよい。
以上により位置信号を推定し、第1の実施形態と同様に、推定した位置信号と、角速度信号と動きベクトルとをブレ信号システム同定部214に入力することで、角速度センサのオフセットと感度を同定することができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、動く被写体を追いながら撮影をする流し撮り撮影のアシスト機能について説明する。
一般的に、流し撮り撮影では背景を流すためにシャッタ速度Tvの設定を遅く設定するが、遅くするほど実際の被写体の移動と撮像装置のパンニング速度とのズレが被写体のブレとして残ってしまう。そのため、実際の被写体の移動速度と撮像装置の速度との差分の速度でブレ補正手段を駆動することで、被写体のブレをキャンセルさせる機能が流し撮りアシスト機能である。
そのためには、動きベクトルを用いて被写体の速度を検出する必要がある。動きベクトルは画面内の小さなブロックごとにローカル動きベクトルを生成しており、その個々のローカル動きベクトルは、被写体ベクトル以外にパンニングによる背景ベクトルが含まれる。このように、2種類の動きベクトルが存在するため、被写体ベクトルと背景ベクトルを分離する処理が必要となる。
図10(a)は、画面1101に対して動く被写体1102がある場合を示す図である。また、図10(b)はローカル動きベクトルを検出するための領域(ブロック)が配置されている図であり、一例として、縦5個×横5個のブロックを示している。また被写体は右方向に移動しているものとし、被写体を追いかけるようにパンニング方向も右方向と仮定する。
この場合、動く被写体の存在するブロック(斜線ブロック1104)からは、ある程度小さなブレ量が動きベクトルとして検出される。一方、それ以外の背景ブロック(斜線の無いブロック1103)からは、パンニングに合わせた大きな動きベクトルが検出される。後者のパンニング速度は、角速度センサにより検出されるブレ量を示す角速度信号から換算される画像のブレピクセル量と一致するため、そのブレピクセル量近傍の動きベクトルは背景ベクトルであり、それ以外の動きベクトルを被写体ベクトルとして分離する。
図11は、5×5個の各領域毎に求められたローカル動きベクトルを、動きベクトルの大きさを横軸、度数を縦軸にとって表したヒストグラムである。点線は角速度センサの出力を画像のブレピクセルに換算した時の値である。上述したとおり、角速度センサの出力と背景ベクトルは一致するはずであり、被写体ベクトルはそれから離れたブレピクセルとしてピークが存在するのが理想的である。
しかし実際は、角速度センサは固有のオフセットノイズや温度による変動が存在し、また感度バラツキや温度による感度変動が存在するため、図11の点線は、そのノイズによって左右に変動する。そのため、ノイズが大きいほど背景ベクトルと被写体ベクトルの分離は難しくなり、流し撮りのアシスト精度にも影響する。
そこで、第3の実施形態では、角速度センサの出力と動きベクトルとを用いて、角速度センサの出力バラツキを同定し、その同定結果を角速度センサの出力に反映した信号と動きベクトルとを比較することで、被写体ベクトルと背景ベクトルの分離を行う。
図12は、第3の実施形態における流し撮りアシスト制御部1200の構成を示すブロック図である。流し撮りアシスト制御部1200は、像ブレ補正制御部106に代えて構成されるが、像ブレ補正制御部106の一部構成を利用して構成しても良い。第3の実施形態における撮像装置の構成は、流し撮りアシスト制御部1200を除いて、第1の実施形態において図1を参照して説明したものと同様であるため、説明を省略する。また、図12において、第1の実施形態において図2を参照して説明したものと同様の機能を有する構成には同じ参照番号を付し、説明を省略する。
1301はブレ信号修正部であり、その入力として、背景ベクトル、手ブレ検出部117からの角速度信号、AD変換部213からの位置信号の3つの観測値が入力される。1302は被写体・背景ベクトル算出部であり、複数の動きベクトルと、ブレ信号修正部1301により修正されたブレ信号を用いて、被写体ベクトルと背景ベクトルを算出する。
図13は、図12に示すブレ信号修正部1301と、被写体・背景ベクトル算出部1302の詳細構成を示したブロック図である。AD変換部213からの位置信号と、AD変換部1401によりAD変換された手ブレ検出部117からの角速度信号と、背景ベクトルが、ブレ信号システム同定部1402に入力される。入力された3つの信号により、第1の実施形態と同様にして、角速度センサのオフセットと感度が同定される。同定されたオフセットはオフセット減算部1404において角速度信号から減算され、同定された感度はゲイン乗算部1405において乗算に反映される。
一方、動きベクトル検出部119で各領域毎に検出された動きベクトルに基づいて、ヒストグラム処理部1406でヒストグラムが生成される。一方、ブレ信号修正部1301により出力バラツキを修正された角速度信号は、被写体・背景ベクトル分離部1407に入力され、動きベクトルと比較されて、上述したように被写体ベクトルと背景ベクトルの分離処理が行われる。被写体ベクトル生成部1408は、被写体ベクトルと判定された動きベクトル群を平均化処理することで、1つの被写体ベクトルを生成する。背景ベクトル生成部1411は、背景ベクトルと判定された動きベクトル群を平均化処理することで、1つの背景ベクトルを生成する。
また、図1に示すズーム駆動制御部102から、現在の焦点距離情報を入力する。被写体ベクトル角速度換算部1410は、焦点距離情報を用いて被写体ベクトルを画像の画素換算値から角速度換算値に変換する。背景ベクトル角速度換算部1412は、焦点距離情報を用いて背景ベクトルを画像の画素換算値から角速度換算値に変換する。
この一連の処理を毎フレーム行うことで同定精度は上がり、分離した被写体ベクトルの精度も上がる。そして静止画露光直前の精度の高い同定オフセットと同定ゲインを反映して分離した精度の高い被写体ベクトルを用いて静止画露光中にブレ補正制御することで、露光中の動く被写体のブレを補正する。
このように、本第3の実施形態によれば、背景ベクトルと被写体ベクトルの分離を精度良く行うことができるため、流し撮りのアシスト精度を向上させることができる。
なお、上述した実施形態では、像ブレ補正ユニット105に含まれる補正レンズを駆動することにより光学的にブレ補正を行う場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、撮像部109を駆動する構成であっても、補正レンズと撮像部109を共に駆動する構成であってもよい。
101:ズームユニット、102:ズーム駆動制御部、105:像ブレ補正ユニット、106:像ブレ補正制御部、117:手ブレ検出部、118:カメラシステム制御部、119:動きベクトル検出部、206:積分部、207:乗算部、212:位置検出部、214:ブレ信号システム同定部、1200:流し撮りアシスト制御部、1301:ブレ信号補正部、1302:被写体・背景ベクトル算出部

Claims (25)

  1. ブレ検出手段から出力される角速度信号と、撮像素子から出力された画像のフレーム間の差分から算出される動きベクトルと、ブレを光学的に補正する補正手段の位置を示す位置信号とに基づいて、カルマンフィルタまたは逐次最小二乗法を用いて前記ブレ検出手段の出力バラツキを同定すると共に、同定結果の誤差分散を演算する同定手段と、
    前記角速度信号を前記同定手段により同定した前記出力バラツキに基づいて補正し、ブレ補正量信号に変換する変換手段と
    を有することを特徴とする像ブレ補正装置。
  2. 前記誤差分散が予め決められた範囲以下の場合、前記範囲内にある場合よりも、前記変換手段は、処理する周波数の帯域を広くすることを特徴とする請求項に記載の像ブレ補正装置。
  3. 被写体までの距離を検出する手段を更に有し、
    前記同定手段は、前記被写体までの距離が所定値以上変動した場合、前記誤差分散を大きな値に変更することを特徴とする請求項またはに記載の像ブレ補正装置。
  4. 焦点距離を変更するズームレンズを駆動する手段を有し、
    前記同定手段は、前記焦点距離が予め決められた第1の焦点距離の場合に、前記第1の焦点距離より長い第2の焦点距離の場合よりも、前記同定の収束スピードが遅くなるように、前記同定に用いる係数を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置。
  5. 押し込み量に応じて2段階の操作が可能なシャッタレリーズ手段を有し、
    前記同定手段は、前記シャッタレリーズ手段の第1段階目の操作がされている時間において、それ以外の時間よりも前記同定の収束スピードが速くなるように、前記同定に用いる係数を設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置。
  6. 押し込み量に応じて2段階の操作が可能なシャッタレリーズ手段を有し、
    前記シャッタレリーズ手段の第1段階目の操作がされている時間のフレームレートは、それ以外の時間よりも高いことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置。
  7. フォーカスレンズを駆動する駆動手段を有し、
    前記シャッタレリーズ手段の第1段階目の操作がされている時間は、前記駆動手段による合焦後から静止画撮影前までの期間であることを特徴とする請求項またはに記載の像ブレ補正装置。
  8. ブレ検出手段から出力される角速度信号と、撮像素子から出力された画像のフレーム間の差分から算出される動きベクトルと、ブレを光学的に補正する補正手段の位置を示す位置信号とに基づいて、前記ブレ検出手段の出力バラツキを同定する同定手段と、
    前記角速度信号を前記同定手段により同定した前記出力バラツキに基づいて補正し、ブレ補正量信号に変換する変換手段と、
    前記ブレ検出手段から出力された角速度信号のうち、前記変換手段による前記ブレ補正量信号への変換に用いた周波数の帯域よりも狭い周波数の帯域の角速度信号に基づいて、第2のブレ補正量信号を求める第2の変換手段と、
    前記変換手段により求められた前記ブレ補正量信号と、前記第2の変換手段により求められた第2のブレ補正量信号のいずれかを選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択されたブレ補正量信号に基づいて、前記補正手段を駆動する駆動手段と
    有することを特徴とする像ブレ補正装置。
  9. 前記変換手段は、IIRフィルタを含み、
    前記選択手段が前記第2のブレ補正量信号を選択している場合、前記変換手段は、前記IIRフィルタの帯域を変更するのと同時に中間変数を変更し、前記選択手段が前記変換手段により求められた前記ブレ補正量信号を選択している場合は、前記中間変数を変更しないことを特徴とする請求項に記載の像ブレ補正装置。
  10. ブレ検出手段から出力される角速度信号と、撮像素子から出力された画像のフレーム間の差分から算出される動きベクトルと、ブレを光学的に補正する補正手段の位置を示す位置信号とに基づいて、前記ブレ検出手段の出力バラツキを同定する同定手段と、
    前記角速度信号を前記同定手段により同定した前記出力バラツキに基づいて補正し、ブレ補正量信号に変換する変換手段と、
    前記動きベクトルの信頼性を判定する判定手段と、を有し、
    前記動きベクトルの信頼性が予め決められた信頼性よりも低い場合に、前記同定手段は、前記同定を行わないことを特徴とする像ブレ補正装置。
  11. ブレ検出手段から出力される角速度信号と、撮像素子から出力された画像のフレーム間の差分から算出される動きベクトルと、ブレを光学的に補正する補正手段の位置を示す位置信号とに基づいて、前記ブレ検出手段の出力バラツキを同定する同定手段と、
    前記角速度信号を前記同定手段により同定した前記出力バラツキに基づいて補正し、ブレ補正量信号に変換する変換手段と、を有し、
    前記角速度信号が予め決められた範囲内に無い場合に、前記同定手段は、前記同定を行わないことを特徴とする像ブレ補正装置。
  12. ブレ検出手段から出力される角速度信号と、撮像素子から出力された画像のフレーム間の差分から算出される動きベクトルと、ブレを光学的に補正する補正手段の位置を示す位置信号とに基づいて、前記ブレ検出手段の出力バラツキを同定する同定手段と、
    前記角速度信号を前記同定手段により同定した前記出力バラツキに基づいて補正し、ブレ補正量信号に変換する変換手段と、を有し、
    前記動きベクトルと前記位置信号の和が予め決められた範囲内に無い場合に、前記同定手段は、前記同定を行わないことを特徴とする像ブレ補正装置。
  13. 前記変換手段は、IIRフィルタを含み、
    前記同定手段による前記同定を行わない期間が、予め決められた所定時間継続された場合に、前記変換手段は、前記IIRフィルタの帯域を狭くすることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置。
  14. 前記出力バラツキは、前記ブレ検出手段の感度のバラツキ及びオフセットであって、
    前記変換手段は、前記角速度信号を前記ブレ検出手段の感度バラツキ及びオフセットを用いて修正することで、前記角速度信号を前記ブレ補正量信号に変換することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置。
  15. 前記位置信号は、前記補正手段の位置を検出して得られることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置。
  16. 前記位置信号は、前記角速度信号から前記補正手段の位置を推定して得られることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置。
  17. 前記変換手段は、前記出力バラツキに基づいて、前記変換に用いる係数を変更することを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置。
  18. 同定手段が、ブレ検出手段から出力される角速度信号と、撮像素子から出力された画像のフレーム間の差分から算出される動きベクトルと、ブレを光学的に補正する補正手段の位置を示す位置信号とに基づいて、カルマンフィルタまたは逐次最小二乗法を用いて前記ブレ検出手段の出力バラツキを同定すると共に、同定結果の誤差分散を演算する同定工程と、
    変換手段が、前記角速度信号を前記同定手段により同定した前記出力バラツキに基づいて補正し、ブレ補正量信号に変換する変換工程と、
    前記補正手段が、前記ブレ補正量信号に基づいて、前記ブレを補正する補正工程
    を有することを特徴とする像ブレ補正方法。
  19. 同定手段が、ブレ検出手段から出力される角速度信号と、撮像素子から出力された画像のフレーム間の差分から算出される動きベクトルと、ブレを光学的に補正する補正手段の位置を示す位置信号とに基づいて、前記ブレ検出手段の出力バラツキを同定する同定工程と、
    変換手段が、前記角速度信号を前記同定手段により同定した前記出力バラツキに基づいて補正し、ブレ補正量信号に変換する変換工程と、
    第2の変換手段が、前記ブレ検出手段から出力された角速度信号のうち、前記変換工程において前記ブレ補正量信号への変換に用いた周波数の帯域よりも狭い周波数の帯域の角速度信号に基づいて、第2のブレ補正量信号を求める第2の変換工程と、
    選択手段が、前記変換工程で求められた前記ブレ補正量信号と、前記第2の変換工程で求められた第2のブレ補正量信号のいずれかを選択する選択工程と、
    前記補正手段が、前記選択工程で選択されたブレ補正量信号に基づいて、前記ブレを補正する補正工程と
    を有することを特徴とする像ブレ補正方法。
  20. 同定手段が、ブレ検出手段から出力される角速度信号と、撮像素子から出力された画像のフレーム間の差分から算出される動きベクトルと、ブレを光学的に補正する補正手段の位置を示す位置信号とに基づいて、前記ブレ検出手段の出力バラツキを同定する同定工程と、
    変換手段が、前記角速度信号を前記同定手段により同定した前記出力バラツキに基づいて補正し、ブレ補正量信号に変換する変換工程と、
    判定手段が、前記動きベクトルの信頼性を判定する判定工程と、
    前記補正手段が、前記ブレ補正量信号に基づいて、前記ブレを補正する補正工程と、を有し、
    前記動きベクトルの信頼性が予め決められた信頼性よりも低い場合に、前記同定工程では、前記同定を行わないことを特徴とする像ブレ補正方法。
  21. 同定手段が、ブレ検出手段から出力される角速度信号と、撮像素子から出力された画像のフレーム間の差分から算出される動きベクトルと、ブレを光学的に補正する補正手段の位置を示す位置信号とに基づいて、前記ブレ検出手段の出力バラツキを同定する同定工程と、
    変換手段が、前記角速度信号を前記同定手段により同定した前記出力バラツキに基づいて補正し、ブレ補正量信号に変換する変換工程と、
    前記補正手段が、前記ブレ補正量信号に基づいて、前記ブレを補正する補正工程と、を有し、
    前記角速度信号が予め決められた範囲内に無い場合に、前記同定工程では、前記同定を行わないことを特徴とする像ブレ補正方法。
  22. 同定手段が、ブレ検出手段から出力される角速度信号と、撮像素子から出力された画像のフレーム間の差分から算出される動きベクトルと、ブレを光学的に補正する補正手段の位置を示す位置信号とに基づいて、前記ブレ検出手段の出力バラツキを同定する同定工程と、
    変換手段が、前記角速度信号を前記同定手段により同定した前記出力バラツキに基づいて補正し、ブレ補正量信号に変換する変換工程と、
    前記補正手段が、前記ブレ補正量信号に基づいて、前記ブレを補正する補正工程と、を有し、
    前記動きベクトルと前記位置信号の和が予め決められた範囲内に無い場合に、前記同定工程では、前記同定を行わないことを特徴とする像ブレ補正方法。
  23. 前記出力バラツキは、前記ブレ検出手段の感度のバラツキ及びオフセットであって、
    前記変換工程では、前記角速度信号を前記ブレ検出手段の感度バラツキ及びオフセットを用いて修正することで、前記角速度信号を前記ブレ補正量信号に変換することを特徴とする請求項18乃至22のいずれか1項に記載の像ブレ補正方法。
  24. 前記位置信号は、前記補正手段の位置を検出して得られることを特徴とする請求項18乃至23のいずれか1項に記載の像ブレ補正方法。
  25. 前記位置信号は、前記角速度信号から前記補正手段の位置を推定して得られることを特徴とする請求項24に記載の像ブレ補正方法。
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