JP2017160077A - 水硬性組成物用強度向上剤、水硬性組成物用添加剤、およびコンクリート組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
水硬性セメントを含有する水硬性組成物の強度向上剤であって、
炭素数3以下のオキシカルボン酸(塩)を含む。
水硬性セメントを含有する水硬性組成物の添加剤であって、
スルホン酸系分散剤、ポリカルボン酸系共重合体から選ばれる少なくとも1種を含む水硬性材料分散剤と、
炭素数3以下のオキシカルボン酸(塩)を含む水硬性組成物用強度向上剤と、
を含む。
YO−(R7O)n−R8 (3)
(一般式(3)中、Yは炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、R7Oは、同一または異なって、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表し、nはR7Oで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、nは1〜500であり、R8は水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)
本発明の水硬性組成物用強度向上剤は、炭素数3以下のオキシカルボン酸(塩)を含む。
本発明の水硬性組成物用添加剤は、スルホン酸系分散剤、ポリカルボン酸系共重合体から選ばれる少なくとも1種を含む水硬性材料分散剤と、炭素数3以下のオキシカルボン酸(塩)を含む水硬性組成物用強度向上剤と、を含む。本発明の水硬性組成物用添加剤は、スルホン酸系分散剤、ポリカルボン酸系共重合体から選ばれる少なくとも1種を含む水硬性材料分散剤と、炭素数3以下のオキシカルボン酸(塩)を含む水硬性組成物用強度向上剤と、を含むことにより、水硬性セメントを含有する水硬性組成物の長期硬化性向上効果を十分に発現することができる。
スルホン酸系分散剤としては、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等の、ポリアルキルアリールスルホン酸塩系スルホン酸系分散剤;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等の、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系スルホン酸系分散剤;アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の、芳香族アミノスルホン酸塩系スルホン酸系分散剤;リグニンスルホン酸塩、変性リグニンスルホン酸塩等のリグニンスルホン酸塩系スルホン酸系分散剤;ポリスチレンスルホン酸塩系スルホン酸系分散剤;などが挙げられる。
ポリカルボン酸系共重合体は、好ましくは、一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)由来の構造単位(I)と一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)由来の構造単位(II)とを含む。
YO−(R7O)n−R8 (3)
本発明のコンクリート組成物は、水硬性セメントを含有する水硬性組成物と、本発明の水硬性組成物用強度向上剤または本発明の水硬性組成物用添加剤とを含む。
質量平均分子量は、以下の測定条件により測定した。
装置:Waters Alliance(2695)
解析ソフト:Waters社製、Empower2プロフェッショナル+GPCオプション
使用カラム:東ソー(株)製、TSKguardcolumnsSWXL(内径:6.0mm×40mm)+TSKgel G4000SWXL(内径:7.8mm×300mm)+G3000SWXL(内径:7.8mm×300mm)+G2000SWXL(内径:7.8mm×300mm)
検出器:示差屈折率計(RI)検出器(Waters 2414)
溶離液:イオン交換水10999gとアセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶解し、さらに酢酸でpH6.0に調整したもの。
流量:1mL/分
カラム温度:40℃
測定時間:45分
試料液注入量:100μL(重合体濃度0.5質量%の溶離液溶液)
GPC標準サンプル:東ソー(株)製のポリエチレングリコール、Mp=300000、200000、107000、44900、30000、20000、11840、6450、4020、1470
検量線:上記ポリエチレングリコールのMp値を用いて3次式で作成した。
20℃雰囲気において、モルタルミキサーに、表1に示す配合割合に従って、セメント(普通ポルトランドセメント、太平洋セメント製)、フライアッシュ(フライアッシュII種、中部電力製)、砂(大井川産陸砂、表乾比重=2.62g/cm3)、所定量のポリカルボン酸系共重合体を溶解させた水、消泡剤(アデカノールLG−299、アデカ製)を投入し、JIS−R−5201に準拠してモルタルを作成した。空気量は、2.0%以下となるように消泡剤量を調整した。
JIS−R−5201に準拠して、0打フロー値を測定した。フロー値は、200±20mmの範囲内の数値になるように、ポリカルボン酸系共重合体の添加量を調整した。
得られたモルタルを直径50mm、高さ100mmの円筒型に充填し、30℃で24時間放置した後に脱型し、30℃の水中で28日間養生させた。
養生後の供試体を、土木学会基準JSCE−G 505−1999に準じて、圧縮試験機を用いて圧縮強度を測定した。
同一のモルタル配合において、本発明の強度向上剤を添加していない供試体の圧縮強度を基準とし、本発明の強度向上剤を添加した場合の強度向上率を下記式により求めた。
強度向上率(%)=[(強度向上剤を添加した供試体の圧縮強度)/(強度向上剤を添加していない供試体の圧縮強度)]×100−100
温度計、撹拌機、滴下装置、窒素導入管、還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、水231.5g、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド50モル付加体552.9g、アクリル酸4.7gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃に昇温した後、2%過酸化水素水44.6gを投入した。温度が58℃で安定した後、アクリル酸42.4gを水17.5gに溶解させた水溶液を3時間かけて滴下した。アクリル酸水溶液を滴下し始めると同時に、L−アスコルビン酸1.2g、2−メルカプトプロピオン酸2.0gを水93.3gに溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続き58℃を維持し、重合反応を完結させた。冷却後、30%NaOH水溶液でpHを6まで中和した。
得られたポリカルボン酸系共重合体(1)のGPC測定を行ったところ、質量平均分子量は35000であった。
温度計、撹拌機、滴下装置、窒素導入管、還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、水231.5g、2−メチル−2−プロペン−1−オールのエチレンオキシド100モル付加体575.0g、アクリル酸2.5gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃に昇温した後、2%過酸化水素水44.6gを投入した。温度が58℃で安定した後、アクリル酸22.5gを水17.5gに溶解させた水溶液を3時間かけて滴下した。アクリル酸水溶液を滴下し始めると同時に、L−アスコルビン酸1.2g、2−メルカプトプロピオン酸3.0gを水93.3gに溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続き58℃を維持し、重合反応を完結させた。冷却後、30%NaOH水溶液でpHを6まで中和した。
得られたポリカルボン酸系共重合体(2)のGPC測定を行ったところ、質量平均分子量は47000であった。
温度計、撹拌機、滴下装置、窒素導入管、還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水300gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃に昇温した。
次にメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(NKエステルM−450G、新中村化学工業社製)295g、メタクリル酸26g、3−メルカプトプロピオン酸0.66gを水75gに溶解させた。
得られたモノマー水溶液を4時間かけて滴下した。モノマー水溶液を滴下し始めると同時に、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩 1.2gを水98.8gに溶解させた水溶液を5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続き80℃を維持し、重合反応を完結させた。冷却後、30%NaOH水溶液でpHを6まで中和した。
得られたポリカルボン酸系共重合体(3)のGPC測定を行ったところ、質量平均分子量は42000であった。
表2に示すように、製造例1で得られたポリカルボン酸系共重合体(1)とグリコール酸ナトリウムとを配合し、水硬性組成物用添加剤(1)を得た。
水硬性組成物用添加剤(1)を用いて、各種評価を行った。結果を表2に示した。
表2に示すように、製造例1で得られたポリカルボン酸系共重合体(1)とグリコール酸ナトリウムとを配合し、水硬性組成物用添加剤(2)を得た。
水硬性組成物用添加剤(2)を用いて、各種評価を行った。結果を表2に示した。
表2に示すように、製造例1で得られたポリカルボン酸系共重合体(1)とグリコール酸ナトリウムとを配合し、水硬性組成物用添加剤(3)を得た。
水硬性組成物用添加剤(3)を用いて、各種評価を行った。結果を表2に示した。
表2に示すように、製造例1で得られたポリカルボン酸系共重合体(1)とグリコール酸ナトリウムとを配合し、水硬性組成物用添加剤(4)を得た。
水硬性組成物用添加剤(4)を用いて、各種評価を行った。結果を表2に示した。
表2に示すように、製造例1で得られたポリカルボン酸系共重合体(1)とグリセリン酸ナトリウムとを配合し、水硬性組成物用添加剤(5)を得た。
水硬性組成物用添加剤(5)を用いて、各種評価を行った。結果を表2に示した。
表2に示すように、強度向上剤を用いず、製造例1で得られたポリカルボン酸系共重合体(1)のみを水硬性組成物用添加剤(C1)とした。
水硬性組成物用添加剤(C1)を用いて、各種評価を行った。結果を表2に示した。
表2に示すように、製造例1で得られたポリカルボン酸系共重合体(1)と亜硝酸カルシウムとを配合し、水硬性組成物用添加剤(C2)を得た。
水硬性組成物用添加剤(C2)を用いて、各種評価を行った。結果を表2に示した。
表2に示すように、製造例1で得られたポリカルボン酸系共重合体(1)とトリエタノールアミンとを配合し、水硬性組成物用添加剤(C3)を得た。
水硬性組成物用添加剤(C3)を用いて、各種評価を行った。結果を表2に示した。
表2に示すように、製造例1で得られたポリカルボン酸系共重合体(1)とグルコン酸ナトリウムとを配合し、水硬性組成物用添加剤(C4)を得た。
水硬性組成物用添加剤(C4)を用いて、各種評価を行った。結果を表2に示した。
表2に示すように、製造例1で得られたポリカルボン酸系共重合体(1)とクエン酸ナトリウムとを配合し、水硬性組成物用添加剤(C5)を得た。
水硬性組成物用添加剤(C5)を用いて、各種評価を行った。結果を表2に示した。
表3に示すように、製造例2で得られたポリカルボン酸系共重合体(2)とグリコール酸ナトリウムとを配合し、水硬性組成物用添加剤(6)を得た。
水硬性組成物用添加剤(6)を用いて、各種評価を行った。結果を表3に示した。
表3に示すように、製造例2で得られたポリカルボン酸系共重合体(2)とグリコール酸ナトリウムとを配合し、水硬性組成物用添加剤(7)を得た。
水硬性組成物用添加剤(7)を用いて、各種評価を行った。結果を表3に示した。
表3に示すように、強度向上剤を用いず、製造例2で得られたポリカルボン酸系共重合体(2)のみを水硬性組成物用添加剤(C6)とした。
水硬性組成物用添加剤(C6)を用いて、各種評価を行った。結果を表3に示した。
表4に示すように、製造例3で得られたポリカルボン酸系共重合体(3)とグリコール酸ナトリウムとを配合し、水硬性組成物用添加剤(8)を得た。
水硬性組成物用添加剤(8)を用いて、各種評価を行った。結果を表4に示した。
表4に示すように、製造例3で得られたポリカルボン酸系共重合体(3)とグリコール酸ナトリウムとを配合し、水硬性組成物用添加剤(9)を得た。
水硬性組成物用添加剤(9)を用いて、各種評価を行った。結果を表4に示した。
表4に示すように、強度向上剤を用いず、製造例3で得られたポリカルボン酸系共重合体(3)のみを水硬性組成物用添加剤(C7)とした。
水硬性組成物用添加剤(C7)を用いて、各種評価を行った。結果を表4に示した。
表5に示すように、スルホン酸系分散剤としてナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物であるマイティ150(花王製)とグリコール酸ナトリウムとを配合し、水硬性組成物用添加剤(10)を得た。
水硬性組成物用添加剤(10)を用いて、各種評価を行った。結果を表5に示した。
表8に示すように、スルホン酸系分散剤であるマイティ150(花王製)を水硬性組成物用添加剤(C8)とした。
水硬性組成物用添加剤(C8)を用いて、各種評価を行った。結果を表5に示した。
表6に示すように、スルホン酸系分散剤としてリグニンスルホン酸であるマスターポゾリスNo.8(BASFジャパン製)とグリコール酸ナトリウムとを配合し、水硬性組成物用添加剤(11)を得た。
水硬性組成物用添加剤(11)を用いて、各種評価を行った。結果を表6に示した。
表6に示すように、スルホン酸系分散剤であるマスターポゾリスNo.8(BASFジャパン製)のみを水硬性組成物用添加剤(C9)とした。
水硬性組成物用添加剤(C9)を用いて、各種評価を行った。結果を表6に示した。
Claims (19)
- 水硬性セメントを含有する水硬性組成物の強度向上剤であって、
炭素数3以下のオキシカルボン酸(塩)を含む、
水硬性組成物用強度向上剤。 - 前記水硬性組成物がポゾラン性物質を含む、請求項1に記載の水硬性組成物用強度向上剤。
- 前記水硬性組成物中、前記水硬性セメントと前記ポゾラン性物質の合計量に対する、該ポゾラン性物質の含有割合が、30質量%より大きい、請求項2に記載の水硬性組成物用強度向上剤。
- 前記ポゾラン性物質がフライアッシュを含む、請求項2または3に記載の水硬性組成物用強度向上剤。
- 水硬性セメントを含有する水硬性組成物の添加剤であって、
スルホン酸系分散剤、ポリカルボン酸系共重合体から選ばれる少なくとも1種を含む水硬性材料分散剤と、
炭素数3以下のオキシカルボン酸(塩)を含む水硬性組成物用強度向上剤と、
を含む、
水硬性組成物用添加剤。 - 前記水硬性材料分散剤が、一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)由来の構造単位(I)と一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)由来の構造単位(II)とを含むポリカルボン酸系共重合体である、請求項5に記載の水硬性組成物用添加剤。
- 前記一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)が、一般式(3)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(c)である、請求項6に記載の水硬性組成物用添加剤。
YO−(R7O)n−R8 (3)
(一般式(3)中、Yは炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、R7Oは、同一または異なって、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表し、nはR7Oで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、nは1〜500であり、R8は水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。) - 前記一般式(3)中のYが、2−メチル−2−プロペニル基、3−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基のいずれかである、請求項7に記載の水硬性組成物用添加剤。
- 前記水硬性組成物がポゾラン性物質を含む、請求項5から8までのいずれかに記載の水硬性組成物用添加剤。
- 前記水硬性組成物中、前記水硬性セメントと前記ポゾラン性物質の合計量に対する、該ポゾラン性物質の含有割合が、30質量%より大きい、請求項9に記載の水硬性組成物用添加剤。
- 前記ポゾラン性物質がフライアッシュを含む、請求項9または10に記載の水硬性組成物用添加剤。
- 水硬性セメントを含有する水硬性組成物と、請求項1から4までのいずれかに記載の水硬性組成物用強度向上剤とを含む、コンクリート組成物。
- 前記水硬性組成物がポゾラン性物質を含む、請求項12に記載のコンクリート組成物。
- 前記水硬性組成物中、前記水硬性セメントと前記ポゾラン性物質の合計量に対する、該ポゾラン性物質の含有割合が、30質量%より大きい、請求項13に記載のコンクリート組成物。
- 前記ポゾラン性物質がフライアッシュを含む、請求項13または14に記載のコンクリート組成物。
- 水硬性セメントを含有する水硬性組成物と、請求項5から11までのいずれかに記載の水硬性組成物用添加剤とを含む、コンクリート組成物。
- 前記水硬性組成物がポゾラン性物質を含む、請求項16に記載のコンクリート組成物。
- 前記水硬性組成物中、前記水硬性セメントと前記ポゾラン性物質の合計量に対する、該ポゾラン性物質の含有割合が、30質量%より大きい、請求項17に記載のコンクリート組成物。
- 前記ポゾラン性物質がフライアッシュを含む、請求項17または18に記載のコンクリート組成物。
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