JP2017159291A - 原油含有廃液の処理方法及び原油含有廃液の処理設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】原油含有廃液の原油と水とを効率よく、短時間で、確実に分離、回収ができる原油含有廃液の処理方法及びその処理設備の提供。
【解決手段】原油を含有する廃液の処理方法であって、該廃液に凝集剤を添加する添加工程と、該凝集剤を添加する前、添加時及び添加後の少なくともいずれかの時に該廃液を加温する加温工程と、該凝集剤が添加された廃液を遠心分離することによって油分と水と固形物の三成分に分離する遠心分離工程と、を有する原油含有廃液の処理方法。回収された油の含水率を低減するために、遠心分離工程を行う前にエマルジョンブレーカーを添加することが好ましく、また、凝集剤としては、ポリアミン系凝集剤が含まれていることが好ましい原油含有廃液の処理方法。
【選択図】図1
【解決手段】原油を含有する廃液の処理方法であって、該廃液に凝集剤を添加する添加工程と、該凝集剤を添加する前、添加時及び添加後の少なくともいずれかの時に該廃液を加温する加温工程と、該凝集剤が添加された廃液を遠心分離することによって油分と水と固形物の三成分に分離する遠心分離工程と、を有する原油含有廃液の処理方法。回収された油の含水率を低減するために、遠心分離工程を行う前にエマルジョンブレーカーを添加することが好ましく、また、凝集剤としては、ポリアミン系凝集剤が含まれていることが好ましい原油含有廃液の処理方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、原油含有廃液の処理方法及びそれに用いる処理設備に関し、原油貯留槽の洗浄工程から排出される廃液の処理に用いて好適である。
海外から輸入された原油は、一旦、原油タンクで貯留され、必要に応じて精製工程に送られる。貯留に用いるタンクは定期的に点検する必要があり、その際には貯蔵されていた原油が全量引抜かれ、タンク内が洗浄される。タンクの洗浄方法としては、加温した原油でタンク内に蓄積したスラッジを洗い流すCrude Oil Washing法(以下「COW」という)が広く適用されている。COW実施後、温水洗浄を行うことでスラッジと水が原油に混ざった「温水洗浄SLOP」と呼ばれる洗浄廃液が排出される。
温水洗浄SLOPには原油タンクに蓄積したスラッジや原油に含まれるワックスやアスファルテン等の高沸点の炭化水素類が含まれている。また、温水洗浄SLOPにはタンクに残留したスラッジ類も含まれているため、これを処理するためには適切な処理でこれらを分離・処理することが望ましい。
一方、温水洗浄SLOPに含まれる油は原油由来であるため、資源の有効利用のためにこれを回収し、精製することが望ましい。しかし、水分やスラッジを含んだ油はそのままでは原油精製工程に供給することができないことから、回収油のスラッジや含水率はできる限り低いことが望ましい。
温水洗浄SLOPには原油タンクに蓄積したスラッジや原油に含まれるワックスやアスファルテン等の高沸点の炭化水素類が含まれている。また、温水洗浄SLOPにはタンクに残留したスラッジ類も含まれているため、これを処理するためには適切な処理でこれらを分離・処理することが望ましい。
一方、温水洗浄SLOPに含まれる油は原油由来であるため、資源の有効利用のためにこれを回収し、精製することが望ましい。しかし、水分やスラッジを含んだ油はそのままでは原油精製工程に供給することができないことから、回収油のスラッジや含水率はできる限り低いことが望ましい。
原油精製工程は、本来、大量の水分を含んだ原油を処理することを想定しておらず、温水洗浄SLOPのようなスラッジと水が原油に混合した含水率が高い原油含有廃液を大量に処理しようとした場合、温水洗浄SLOPに含まれる水や塩類などの影響により、精製設備の腐食などの問題が生ずるおそれがある。このため、温水洗浄SLOPは少量ずつ処理されており、未処理の温水洗浄SLOPを長期間にわたって貯留タンクに保管しておかなければならないという課題があった。このため、温水洗浄SLOPを多量に処理できる設備の開発が求められていた。
こうした要望に応えるべく、従来から様々な油水分離方法が提案されている。例えば、水と油の比重差を利用し、一定の滞留時間を持つ水槽に油含有廃水を供給し、油を浮上させるAPIや、傾斜板を利用したCPIと呼ばれる油水分離装置が実用化されている。
しかし、このような比重差を利用した油水分離装置では、分離のために装置内で長時間廃水を滞留させる必要があり、装置が大型化するとともに、処理時間が長いという問題があった。また、温水洗浄SLOPに含まれる油と水はワックスや原油中の界面活性作用を持つ成分、浮遊物質の存在のため、水中では油滴、油中では水滴がそれぞれエマルジョン化して安定して存在する場合がある。このような状態では比重差を用いた分離方法では油と水を十分に分離することが困難である課題があった。
この点、遠心分離機を用いれば、短時間で油水分離を行うことが可能となる。例えば、特許文献1では、水を含んだ油を遠心分離機に供給し、短時間で水と油を分離する方法が開示されている。
また、特許文献2においても、遠心分離により水分を含む油から水とスラッジを分離する方法が開示されている。こうした遠心分離機を利用した油水分離方法は、比重差による油水分離よりも、比較的短時間で行うことができるという長所がある。
さらに、特許文献3ではアニオン性界面活性剤と無機凝集剤を油含有排水に添加し、予め油のフロックを形成してから非イオン性界面活性剤を添加し遠心分離することで油から水とスラッジを分離する方法が提案されている。
また、特許文献4では遠心分離による油水分離技術が背景技術として記載されているが、この技術で回収される油の含水率が高いことが課題として指摘されている。
さらに、特許文献5では、固形分や塩分を含む原油から固形分や塩分を除去する方法が開示されている。すなわち、原油に加温した水を添加し、さらにエマルジョンブレーカーを添加後、撹拌機でこれらをよく混合する。その後、混合液を静置型分離槽で脱塩された油分と水や固形分が分離される。しかし、静置型分離槽は処理対象の混合液を静置し、油と水や固形物の比重差を利用して分離するため処理時間がかかることや、処理量が多い場合、分離槽の容量や水面積を大きくする必要がある
この点、遠心分離機を用いれば、短時間で油水分離を行うことが可能となる。例えば、特許文献1では、水を含んだ油を遠心分離機に供給し、短時間で水と油を分離する方法が開示されている。
また、特許文献2においても、遠心分離により水分を含む油から水とスラッジを分離する方法が開示されている。こうした遠心分離機を利用した油水分離方法は、比重差による油水分離よりも、比較的短時間で行うことができるという長所がある。
さらに、特許文献3ではアニオン性界面活性剤と無機凝集剤を油含有排水に添加し、予め油のフロックを形成してから非イオン性界面活性剤を添加し遠心分離することで油から水とスラッジを分離する方法が提案されている。
また、特許文献4では遠心分離による油水分離技術が背景技術として記載されているが、この技術で回収される油の含水率が高いことが課題として指摘されている。
さらに、特許文献5では、固形分や塩分を含む原油から固形分や塩分を除去する方法が開示されている。すなわち、原油に加温した水を添加し、さらにエマルジョンブレーカーを添加後、撹拌機でこれらをよく混合する。その後、混合液を静置型分離槽で脱塩された油分と水や固形分が分離される。しかし、静置型分離槽は処理対象の混合液を静置し、油と水や固形物の比重差を利用して分離するため処理時間がかかることや、処理量が多い場合、分離槽の容量や水面積を大きくする必要がある
しかし、温水洗浄SLOP中で原油がエマルジョンを形成すると、遠心分離機による分離方法では水と油を分離し難い場合があった。本発明者らが行った試験においても、前述した特許文献の方法によって温水洗浄SLOPを単純に遠心分離しても、水と油が分離しない場合があり、短時間で油水分離が完了する遠心分離の特徴を生かしたより確実な原油含有廃液の油水分離処理方法が求められていた。
また、遠心分離を利用して水と油を分離する方法は様々な手法が提案されているものの、回収油の含水率は未だに高く、さらなる低減が望まれていた。このため、遠心分離機を利用して温水洗浄SLOPから油を分離・精製して利用する場合、含水率のさらなる低減が望まれていた。
また、遠心分離を利用して水と油を分離する方法は様々な手法が提案されているものの、回収油の含水率は未だに高く、さらなる低減が望まれていた。このため、遠心分離機を利用して温水洗浄SLOPから油を分離・精製して利用する場合、含水率のさらなる低減が望まれていた。
本発明は、上記従来の課題に鑑み成されたものであり、その目的は、温水洗浄SLOPのような原油含有廃液から油と水とを効率よく、短時間で、確実に分離、回収することができる原油含有廃液の処理方法及びその処理設備を提供することにある。
本発明に係る原油含有廃液の処理方法は、原油を含有する廃液に凝集剤を添加する添加工程と、該凝集剤を添加する前、添加時及び添加後の少なくともいずれかの時に該廃液を加温する加温工程と、該凝集剤が添加された廃液を遠心分離することによって油分と水と固形物の三成分に分離する遠心分離工程と、を有することを特徴とする。
更に、本発明に係る原油含有廃液の処理設備は、原油を含有する廃液に凝集剤を添加するための添加設備と、該廃液を加温する加温設備と、該凝集剤が添加され、加温された廃液を油分と水と固形物に分離するための遠心分離機と、を備えたことを特徴とする。
また更に、本発明の別の原油含有廃液の処理設備は、原油を含有する廃液の処理設備であって、該廃液に凝集剤及びエマルジョンブレーカーを添加するための添加設備と、該廃液を加温する加温設備と、該凝集剤及び該エマルジョンブレーカーが添加され、加温された廃液を油分と水と固形物に分離するための遠心分離機とを備えたことを特徴とする。
更に、本発明に係る原油含有廃液の処理設備は、原油を含有する廃液に凝集剤を添加するための添加設備と、該廃液を加温する加温設備と、該凝集剤が添加され、加温された廃液を油分と水と固形物に分離するための遠心分離機と、を備えたことを特徴とする。
また更に、本発明の別の原油含有廃液の処理設備は、原油を含有する廃液の処理設備であって、該廃液に凝集剤及びエマルジョンブレーカーを添加するための添加設備と、該廃液を加温する加温設備と、該凝集剤及び該エマルジョンブレーカーが添加され、加温された廃液を油分と水と固形物に分離するための遠心分離機とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、原油含有廃液中の原油と水、固形物とを短時間で効率よく確実に分離することが可能となる。また、原油と水、固形物とを分離することにより、従来、再利用が困難であった原油含有廃液中の原油を回収し、資源として利用することができる。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、原油含有廃液を遠心分離機によって油水分離する前に、廃液中に凝集剤を添加しておけば、油水分離が短時間で効率よく確実に行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の廃液原油含有廃液の処理方法は、原油を含有する廃液に凝集剤を添加する添加工程と、該凝集剤を添加する前、添加時及び添加後の少なくともいずれかの時に該廃液を加温する加温工程と、該凝集剤が添加された廃液を遠心分離することによって油分と水と固形物の三成分に分離する遠心分離工程と、を有することを特徴とする。
すなわち、本発明の廃液原油含有廃液の処理方法は、原油を含有する廃液に凝集剤を添加する添加工程と、該凝集剤を添加する前、添加時及び添加後の少なくともいずれかの時に該廃液を加温する加温工程と、該凝集剤が添加された廃液を遠心分離することによって油分と水と固形物の三成分に分離する遠心分離工程と、を有することを特徴とする。
ここで、凝集剤とは原油含有廃液中の粒子や油滴を凝集させるために添加される添加物をいい、例えば、高分子凝集剤や無機塩類からなる凝集剤が挙げられる。高分子凝集剤としては、原油含有廃液中の粒子の表面電荷等を考慮し、カチオン系高分子凝集剤、アニオン系高分子凝集剤、及びノニオン系高分子凝集剤のいずれか又は複数を適宜選択すればよい。また、無機塩類から成る凝集剤としては、硫酸アルミニウム(硫酸ばん土)やポリ塩化アルミニウム、塩化鉄、ポリ硫酸鉄などが適用可能である。
カチオン系高分子凝集剤としては、例えば、ポリアミン系、ポリイミン系、ポリジアリルジアルキルアンモニウムクロライド、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物等が挙げられる。特に好ましいのは、ポリアミン系凝集剤である。本発明者らは、凝集剤としてポリアミン系凝集剤を用いることにより、遠心分離による油水分離を、短時間で効率よく確実に行うことができることを確認している。ポリアミン系凝集剤としては、例えば、ポリアミン系縮合物が挙げられる。
また、アニオン系高分子凝集剤としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸及びその塩等が挙げられる。
また、ノニオン系高分子凝集剤としては、例えば、ポリ(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
また、アニオン系高分子凝集剤としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸及びその塩等が挙げられる。
また、ノニオン系高分子凝集剤としては、例えば、ポリ(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
また、本発明の別の形態によれば、原油含有廃液に対し前記遠心分離処理を行う前にエマルジョンブレーカーを添加することが好ましい。例えば本発明を温水洗浄SLOPの油水分離に適用する場合、温水洗浄SLOP中には原油由来のワックス成分や界面活性を持つ成分が含まれる。このような廃液は水と油の界面にワックス成分や界面活性を持つ成分が集まり、水と油が直接接触しにくい状態を形成する。この状態では水中に微小な油滴が安定して存在するO/W型エマルジョンもしくは油中に微小な水滴が安定して存在するW/O型エマルジョンの状態となる。
エマルジョン中の油滴(W/O型エマルジョンの場合は水滴)は安定化しており、単純な比重差による分離が困難なため、このような廃液は遠心分離を用いて比重差による分離を促進することが好ましい。
ところで、エマルジョン化した油滴(もしくは水滴)にエマルジョンブレーカーを作用させるとより短時間で、効率よく、確実に油水分離を行うことができる。エマルジョンブレーカーとしては、原油含有廃液中のエマルジョンを破壊するものであれば特に限定はなく、カチオン性のエマルジョンブレーカーやアニオン性のエマルジョンブレーカーやノニオン性のエマルジョンブレーカー等が挙げられる。これらを複数添加してもよい。
エマルジョン中の油滴(W/O型エマルジョンの場合は水滴)は安定化しており、単純な比重差による分離が困難なため、このような廃液は遠心分離を用いて比重差による分離を促進することが好ましい。
ところで、エマルジョン化した油滴(もしくは水滴)にエマルジョンブレーカーを作用させるとより短時間で、効率よく、確実に油水分離を行うことができる。エマルジョンブレーカーとしては、原油含有廃液中のエマルジョンを破壊するものであれば特に限定はなく、カチオン性のエマルジョンブレーカーやアニオン性のエマルジョンブレーカーやノニオン性のエマルジョンブレーカー等が挙げられる。これらを複数添加してもよい。
アニオン性のエマルジョンブレーカーとしては、硫酸エステル型及びスルホン酸型のアニオン性エマルジョンブレーカー等が挙げられる。硫酸エステル型及びスルホン酸型のアニオン性エマルジョンブレーカーとしては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩(好適にはポリオキシアルキレンが、平均付加モル数1〜5のオキシエチレン)、アルキルエーテル硫酸エステル塩(好適にはアルキル基の炭素数8〜22)、ジアルキルスルホサクシネート塩、石油スルホン酸塩及びアルキルナフタレンスルホン酸塩(好適にはアルキル基が炭素数0〜5)等が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上のものである。これらの塩でもよく、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)塩、及びアルカリ土類金属(カルシウム、バリウム等)塩、第3級アミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)等が挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン及びポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
また、ノニオン性のエマルジョンブレーカーとしては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物・ホルマリン縮合物、ポリアルキレングリコール共重合物、アルキルアミンのアルキレンオキシド付加物、ポリエーテルポリオール系ウレタン樹脂が挙げられる。カチオン性のエマルジョンブレーカーとしては、ポリアミン化合物例えばN−ポリオキシエチレンポリアルキレンポリアミン等が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上のものを用いることができる。
また、エマルジョンブレーカーを廃液に添加する場合においては、アルキルフェノール縮合物が含まれていることが好ましい。本発明者らは、エマルジョンブレーカーとしてアルキルフェノール縮合物を用いることにより、遠心分離による油水分離を、より効果的に行うことができることを確認した。アルキルフェノール縮合物としては、例えば、アルキルフェノール縮合物のアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。
一方、エマルジョン化した廃液を油水分離するために加温することも有効である。ここで、原油含有廃液を例にとると、ワックス類は上述したように油滴(または水滴)の周りを覆うことで、油滴が周りの水と直接接することを防ぎ、エマルジョンを安定化する。ところでワックス類は加温すると油側に溶解するため、廃液を加温するとワックス類が溶解し、油滴が周りの水と直接接し、界面が不安定化するため、油滴同士が会合し粗大化することで油水分離が促進される。
また、温水洗浄SLOPのような原油含有廃液に含まれる浮遊物質は、ワックス類と共に油滴(または水滴)の周りを覆うことで、エマルジョンを安定化する役割を持つが、加温することで浮遊物質に付着したワックス類も油に溶解・除去されることでエマルジョンが不安定化する。浮遊物質は遠心分離工程でスラッジとして回収されるが、加温により浮遊物質からワックス類が除去されることで、スラッジ中の油分が低下する効果も期待できる。
加温することは原油含有廃液の粘度を低下させる役割も持つ。粘度が低下すると上述したエマルジョンブレーカーや凝集剤などの薬品類が混合しやすくなる効果が期待できる。エマルジョンブレーカーは油滴(または水滴)の表面の界面活性剤層に入り込み、界面活性剤層を乱れやすくする効果を持つ。このため、油滴同士が衝突する際に合一しやすくなり、結果として油滴が粗大化し分離が促進される。加温はエマルジョンブレーカーの分散や界面活性剤層そのもの流動性を増す効果があるため、油水分離を促進する効果が期待できる。
以上の理由から、廃液の温度を45℃以上となるように加温することが好ましい。廃液の温度が45℃未満となると、廃液のエマルジョンを安定化しているワックス類が溶解しないおそれがあるため、ワックス類の溶解によるエマルジョンの破壊がし難くなり、油水分離が困難となるおそれがある。また、廃液の温度が45℃未満となると、廃液の粘度がそれほど低下しないため、エマルジョンブレーカーや凝集剤などの薬品類が混合しやすくなる効果が発揮され難くなり、やはり油水分離が困難となるおそれがある。
一方、原油含有廃液の温度が上がると原油中の油成分の揮発が促進される。このため、廃液の温度は65℃以下とすることが好ましい。特に、廃液の温度が60℃を超えると一般に引火しにくいとされる重油の引火点をも超えるため、さらに好ましいのは、原油含有廃液の加温を55℃以下とすることである。さらに、揮散した油成分が設備の周りに滞留しないよう、各設備を密閉し、可燃性ガスが漏えいしにくい構造とすることが望ましい。もしくは各設備から揮散したガスを吸引し、安全な場所で揮散させるような構造とすることが望ましい。
以上の理由から、廃液の加温は45℃以上65℃以下の範囲が好ましく、さらに好ましいのは45℃以上55℃以下の範囲である。
本発明の原油含有廃液の処理設備は、原油を含有する廃液の処理設備であって、該廃液に凝集剤を添加する添加設備と、該廃液を加温する加温設備と、該凝集剤が添加され、加温された廃液を油分と水と固形物に分離するための遠心分離機と、を備えたことを特徴とする。
また更に、本発明の別の原油含有廃液の処理設備は、原油を含有する廃液の処理設備であって、該廃液を加温する加温設備と、該加温される前後の該廃液に凝集剤及びエマルジョンブレーカーを添加するための添加設備と、前記加温され、該エマルジョンブレーカーが添加された廃液を油分と水と固形物に分離するための遠心分離機と、を備えたことを特徴とする。
この場合において、加温設備は前記廃液の温度を45℃以上65℃以下の所定の温度に制御可能とされていることが好ましい。廃液の温度が45℃未満となると、廃液のエマルジョンを安定化しているワックス類が溶解しないおそれがあるため、ワックス類の溶解によるエマルジョンの破壊がし難くなり、油水分離が困難となるおそれがある。また、廃液の温度が45℃未満となると、廃液の粘度がそれほど低下しないため、エマルジョンブレーカーや凝集剤などの薬品類が混合しやすくなる効果が発揮され難くなり、やはり油水分離が困難となるおそれがある。一方、原油中の油成分の揮発による散逸をなるべく防止するという観点から、廃液の温度は65℃以下とすることが好ましい。特に、廃液の温度が60℃を超えると一般に引火しにくいとされる重油の引火点をも超えるため、さらに好ましいのは、原油含有廃液の加温を55℃以下とすることである。
この場合において、加温設備は前記廃液の温度を45℃以上65℃以下の所定の温度に制御可能とされていることが好ましい。廃液の温度が45℃未満となると、廃液のエマルジョンを安定化しているワックス類が溶解しないおそれがあるため、ワックス類の溶解によるエマルジョンの破壊がし難くなり、油水分離が困難となるおそれがある。また、廃液の温度が45℃未満となると、廃液の粘度がそれほど低下しないため、エマルジョンブレーカーや凝集剤などの薬品類が混合しやすくなる効果が発揮され難くなり、やはり油水分離が困難となるおそれがある。一方、原油中の油成分の揮発による散逸をなるべく防止するという観点から、廃液の温度は65℃以下とすることが好ましい。特に、廃液の温度が60℃を超えると一般に引火しにくいとされる重油の引火点をも超えるため、さらに好ましいのは、原油含有廃液の加温を55℃以下とすることである。
さらに、本発明の原油含有廃液の処理設備においては、前記遠心分離機から分離された水に含まれる油分を除去するための油水分離設備と、該油水分離設備で分離された油分を廃液の貯留槽に返送し、再び遠心分離機にて処理するための返送設備とを備えることが好ましい。ここで遠心分離機から分離された水に含まれる油分を除去する油水分離設備とは、加圧浮上方式や膜分離方式、比重差を利用したAPIやCPIなどが油を分離する設備が挙げられる。
<実施形態の説明>
(実施形態1)
実施形態1の処理設備は、原油含有廃液、例えば原油貯留タンクの洗浄廃液である温水洗浄SLOPを処理するための施設であり、図1に示すように、原油含有廃液に凝集剤及びエマルジョンブレーカーを添加するための混合タンク1と、混合タンクから流出する廃液を加温するための熱交換器2と、熱交換器2から流出する加温された廃液を遠心分離するための遠心分離機3を備えている。混合タンク1には薬注ポンプ4を介して図示しない凝集剤貯留槽に接続されているとともに、薬注ポンプ5を介して図示しないエマルジョンブレーカー貯留槽に接続されている。また、熱交換器2は蒸気配管6を介して図示しない蒸気発生ボイラーに接続されている。さらに熱交換器2から流出する加温廃液を混合タンク1にフィードバックするための循環配管7が設けられており、循環配管7の途中には循環ポンプ8が設けられている。
(実施形態1)
実施形態1の処理設備は、原油含有廃液、例えば原油貯留タンクの洗浄廃液である温水洗浄SLOPを処理するための施設であり、図1に示すように、原油含有廃液に凝集剤及びエマルジョンブレーカーを添加するための混合タンク1と、混合タンクから流出する廃液を加温するための熱交換器2と、熱交換器2から流出する加温された廃液を遠心分離するための遠心分離機3を備えている。混合タンク1には薬注ポンプ4を介して図示しない凝集剤貯留槽に接続されているとともに、薬注ポンプ5を介して図示しないエマルジョンブレーカー貯留槽に接続されている。また、熱交換器2は蒸気配管6を介して図示しない蒸気発生ボイラーに接続されている。さらに熱交換器2から流出する加温廃液を混合タンク1にフィードバックするための循環配管7が設けられており、循環配管7の途中には循環ポンプ8が設けられている。
以上のように構成された実施形態1の処理設備では、まず原油含有廃液が混合タンク1に供給され、薬注ポンプ4、5によって凝集剤とエマルジョンブレーカーとが添加され、図示しない撹拌機等によって撹拌混合される。そして、混合タンク1から流出する廃液は熱交換器2に入り、蒸気配管6から供給される蒸気によって加温され、遠心分離機3に送られる。さらに遠心分離機3で遠心分離され、油を主成分とする軽液と、水を主成分とする重液と、スラッジとに分別されて排出される。なお、熱交換器2へ供給される熱源は温水も利用できる。さらに蒸気配管6から熱交換器2へ供給した蒸気の凝縮水は高温の温水となるため、原油含有廃液を昇温するための補助熱源として利用することも可能である。
以上のように、実施形態1の処理設備では、原油含有廃液を遠心分離機3で軽液、重液、及びスラッジに分離する前に、混合タンク1において凝集剤およびエマルジョンブレーカーが添加・混合される。このため、原油含有廃液の油と水、固形物を効率よく、短時間で、確実に分離、回収することができる。更には、循環配管7及び循環ポンプ8を用いて熱交換器2から混合タンク1へ廃水をフィードバックしているため、原油含有廃液を均一に加温することができる。このため、廃液のエマルジョンを安定化しているワックス類が溶解してエマルジョンの破壊が起こり、油水分離が容易となる
以上のように、実施形態1の処理設備では、原油含有廃液を遠心分離機3で軽液、重液、及びスラッジに分離する前に、混合タンク1において凝集剤およびエマルジョンブレーカーが添加・混合される。このため、原油含有廃液の油と水、固形物を効率よく、短時間で、確実に分離、回収することができる。更には、循環配管7及び循環ポンプ8を用いて熱交換器2から混合タンク1へ廃水をフィードバックしているため、原油含有廃液を均一に加温することができる。このため、廃液のエマルジョンを安定化しているワックス類が溶解してエマルジョンの破壊が起こり、油水分離が容易となる
(実施形態2)
図2に示すように、実施形態2の処理設備は、熱交換器12が混合タンク11の上流側に設けられている。その他の構成は図1に示す実施形態1の処理設備と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図2に示すように、実施形態2の処理設備は、熱交換器12が混合タンク11の上流側に設けられている。その他の構成は図1に示す実施形態1の処理設備と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
実施形態2の処理設備では、凝集剤やエマルジョンブレーカーを添加・混合する前に、廃液を熱交換器12で加温しているため、凝集剤やエマルジョンブレーカーを添加する前において廃液中の油分の粘度が下がり、混合タンク11での薬剤の混合・分散をより円滑に短時間で行うことができるという利点がある。その他の作用・効果は実施形態1の処理設備と同様である。
(実施形態3)
図3に示す実施形態3の処理設備では、遠心分離機3から排出される軽液を回収するための回収油タンク21、遠心分離機3から排出される重液中の油分を分離するための油水分離槽22、及び油水分離槽22で分離された油を混合タンク1や循環配管7に返送するための回収油返送配管23が設けられている。その他の構成は図1に示す実施形態1の処理設備と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図3に示す実施形態3の処理設備では、遠心分離機3から排出される軽液を回収するための回収油タンク21、遠心分離機3から排出される重液中の油分を分離するための油水分離槽22、及び油水分離槽22で分離された油を混合タンク1や循環配管7に返送するための回収油返送配管23が設けられている。その他の構成は図1に示す実施形態1の処理設備と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
実施形態3の処理設備においては、軽液は水分やスラッジが分離された後に残る油で構成されるが、排出した軽液は回収油タンク21を経て回収油として再度、石油精製工程に返送されることになる。また、重液の主成分は水であるが、分離しきれなかった油やスラッジの一部が残留する場合があるため、遠心分離機3から排出後、一旦、油水分離槽22に供給し、油やスラッジを除去した後、処理水として排出される。ここで、油水分離槽22では水から油やスラッジを分離除去するため、比重差を利用した分離装置であるAPIやCPIを適用することが可能であるが、これに替えて、例えば、図示しない精密ろ過膜を用いた膜ろ過装置や加圧浮上装置を油水分離槽22の代わりに設置してもよい。また、濃縮した油やスラッジから、さらに油を回収するため、回収油返送配管23を通じて原油含有廃液に返送するのが好ましい。これは、油水分離後の水槽に油が残留している場合、これを前段の混合タンク1の入り口や、熱交換器2から混合タンク1にフィードバックする循環配管7に設置した循環ポンプ8のサクション側に戻して油の回収率向上させるために必要に応じて返送を行うものである。また、油水分離槽22で分離した水には凝集したフロックが含まれていることから、これを原油含有廃液に返送することで凝集効果を高めることも可能である。
その他の作用・効果は実施形態1の処理設備と同様である。
その他の作用・効果は実施形態1の処理設備と同様である。
(実施形態4)
実施形態4の処理設備は、図4に示すように、温水洗浄SLOPなどの原油含有廃液を混合タンク31と熱交換器32の間で循環させる構造とされている。混合タンク31から排出された原油含有廃水はエマルジョンブレーカーと凝集剤とが図示しない薬剤供給タンクから供給された後、遠心分離機33に送られる構造とされている。遠心分離機33によって原油含有廃水は原油を多く含む軽液と、水を多く含む重液と、スラッジとに分離され、軽液は軽液タンク34に、重液は重液タンク35に貯留されるようになっている。混合タンク31、軽液タンク33及び重液タンク34は密閉構造とされており、発生したガスを排除するための配管36が接続されており、配管36の他端は臭突37に接続されている。
実施形態4の処理設備は、図4に示すように、温水洗浄SLOPなどの原油含有廃液を混合タンク31と熱交換器32の間で循環させる構造とされている。混合タンク31から排出された原油含有廃水はエマルジョンブレーカーと凝集剤とが図示しない薬剤供給タンクから供給された後、遠心分離機33に送られる構造とされている。遠心分離機33によって原油含有廃水は原油を多く含む軽液と、水を多く含む重液と、スラッジとに分離され、軽液は軽液タンク34に、重液は重液タンク35に貯留されるようになっている。混合タンク31、軽液タンク33及び重液タンク34は密閉構造とされており、発生したガスを排除するための配管36が接続されており、配管36の他端は臭突37に接続されている。
以上のように構成された実施形態4の処理設備では、原油含有廃水は遠心分離機33に送られる前に熱交換器32によって加温されているため、凝集剤やエマルジョンブレーカーを添加する前において廃液中の油分の粘度が下がり、凝集剤及びエマルジョンブレーカーの混合が容易になるとともに、エマルジョンの油水分離が促進される。加温は、原油中の成分の揮散を抑えるため、60℃程度にとどめることが望ましい。なお、凝集剤やエマルジョンブレーカーを添加後にラインミキサーや撹拌槽などの混合設備を設置することも可能である。 また、遠心分離機までは温度を維持するため、加温後の配管や遠心分離機を断熱構造とすることが好ましい。
また、実施形態4では、温水洗浄SLOPからの揮発成分の除去するため、混合タンク31や軽液タンク34や重液タンク35等が密閉構造とされており、発生したガスを排除する配管36を介して臭突37に導かれているため、揮発成分を大気中に安全に拡散させることができる。なお、揮発成分の濃度によっては揮発成分が爆発下限値を超えることも考えられるため、必要に応じて臭突や配管に逆火防止装置を設けることが望ましい。
(実施形態5)
図5に示す実施形態5では、エマルジョンブレーカーのための薬剤供給タンクが設置されていないこと、及び発生したガスを排除する配管36及び臭突37が設置されていないことを除き、実施形態4の処理設備と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
実施形態5の処理設備によれば、廃液を混合タンク31と熱交換器32の間で循環させつつ加温し、次に凝集剤を添加する。すなわち、凝集剤は加温されて油分の粘度が下がった廃液中に添加されるため、凝集剤との混合・分散がより円滑に短時間で行うことができるという利点がある。その他の作用・効果は実施形態1の処理設備と同様である。実施形態5ではエマルジョンブレーカーを添加することなく、凝集剤のみを添加して遠心分離を行っているが、処理対象の原油含有廃液の性状によっては凝集剤の添加のみでも油と水が分離する効果が得られる場合がある。このため、事前にラボスケールでの処理試験を実施し、適切な薬品の選定と注入率を決めることが望ましい。
図5に示す実施形態5では、エマルジョンブレーカーのための薬剤供給タンクが設置されていないこと、及び発生したガスを排除する配管36及び臭突37が設置されていないことを除き、実施形態4の処理設備と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
実施形態5の処理設備によれば、廃液を混合タンク31と熱交換器32の間で循環させつつ加温し、次に凝集剤を添加する。すなわち、凝集剤は加温されて油分の粘度が下がった廃液中に添加されるため、凝集剤との混合・分散がより円滑に短時間で行うことができるという利点がある。その他の作用・効果は実施形態1の処理設備と同様である。実施形態5ではエマルジョンブレーカーを添加することなく、凝集剤のみを添加して遠心分離を行っているが、処理対象の原油含有廃液の性状によっては凝集剤の添加のみでも油と水が分離する効果が得られる場合がある。このため、事前にラボスケールでの処理試験を実施し、適切な薬品の選定と注入率を決めることが望ましい。
上記実施形態1〜5の処理設備において用いられる凝集剤とは、原油含有廃液中の粒子を凝集させるために添加される添加物をいい、例えば、高分子凝集剤や無機塩類からなる凝集剤が挙げられる。高分子凝集剤としては、原油含有廃液中の粒子の表面電荷等を考慮し、カチオン系高分子凝集剤、アニオン系高分子凝集剤、及びノニオン系高分子凝集剤のいずれか又は複数を適宜選択すればよい。凝集剤は、例えば伯東製ハクトロンB−733のようなポリアミン型の凝集剤が適している。
また、上記実施形態1〜5の処理設備において用いられるエマルジョンブレーカーは、エマルジョン状態の液体を水相と油相に分離しやすくする薬剤であり、伯東製ハクトールE−523のようなノニオン型のアルキルフェノール縮合物や伯東製EW−01のようなノニオン型のポリエーテルポリオール系ウレタン樹脂、伯東製EW−02のようなアニオン型のジアルキルスルホサクシネート塩を含むものが適している。
これらの各薬品の注入量は、事前に小スケールで油水分離の試験を行い、適宜、最適な添加量を決定すればよい。
なお、実施形態1において混合タンク1で凝集剤やエマルジョンブレーカーが添加・混合された廃液が熱交換器2で加温される場合や、実施形態2において、熱交換器12で加温された廃液に混合タンク11で凝集剤やエマルジョンブレーカーが添加・混合される場合、廃水中の油分の粘度が低下し、これにより、遠心分離が適切に行われる。発明者らの試験結果によれば、油水分離を適切に処理するためには40℃以上に加温することが望ましい。ただし、含まれる油中の成分によっては、低沸点の油分が存在する場合もあり、温度が高すぎるとこのような揮発成分の蒸発量が多くなるため、適切な温度制御が重要となる。また、低沸点の成分が蒸発・気化して大気中に拡散し、臭気の原因となるおそれもあるため、混合タンク1や後段の遠心分離機3や油水分離槽22は密閉構造として、発生したガスを別途、処理設備に吸引させたり、臭突に導き拡散させたりすることが望ましい。また、軽液や回収油は静電気で引火することもあるので、遠心分離機や軽液、回収油が流れる配管は接地することが望ましい。また、構成するタンクや遠心分離機を密閉し、窒素ガスで置換し、引火しにくい環境に維持することも好ましい。
また、上記実施形態1〜5の処理設備において用いられるエマルジョンブレーカーは、エマルジョン状態の液体を水相と油相に分離しやすくする薬剤であり、伯東製ハクトールE−523のようなノニオン型のアルキルフェノール縮合物や伯東製EW−01のようなノニオン型のポリエーテルポリオール系ウレタン樹脂、伯東製EW−02のようなアニオン型のジアルキルスルホサクシネート塩を含むものが適している。
これらの各薬品の注入量は、事前に小スケールで油水分離の試験を行い、適宜、最適な添加量を決定すればよい。
なお、実施形態1において混合タンク1で凝集剤やエマルジョンブレーカーが添加・混合された廃液が熱交換器2で加温される場合や、実施形態2において、熱交換器12で加温された廃液に混合タンク11で凝集剤やエマルジョンブレーカーが添加・混合される場合、廃水中の油分の粘度が低下し、これにより、遠心分離が適切に行われる。発明者らの試験結果によれば、油水分離を適切に処理するためには40℃以上に加温することが望ましい。ただし、含まれる油中の成分によっては、低沸点の油分が存在する場合もあり、温度が高すぎるとこのような揮発成分の蒸発量が多くなるため、適切な温度制御が重要となる。また、低沸点の成分が蒸発・気化して大気中に拡散し、臭気の原因となるおそれもあるため、混合タンク1や後段の遠心分離機3や油水分離槽22は密閉構造として、発生したガスを別途、処理設備に吸引させたり、臭突に導き拡散させたりすることが望ましい。また、軽液や回収油は静電気で引火することもあるので、遠心分離機や軽液、回収油が流れる配管は接地することが望ましい。また、構成するタンクや遠心分離機を密閉し、窒素ガスで置換し、引火しにくい環境に維持することも好ましい。
加温された原油含有廃液は遠心分離機3に供給される。本発明に用いる遠心分離機には、三相分離型の遠心分離機を用いることが望ましい。一般に温水洗浄SLOPのような原油含有廃液では油と水のほかに固形物であるスラッジが含まれる場合が多い。三相分離型の遠心分離機では1工程で油と水、スラッジを分離することが可能である。
原油含有廃液では、遠心分離機より排出された軽液と重液の水の分配状況を確認しながら、遠心分離機への油含有廃水の供給量を決定することが望ましい。
原油含有廃液では、遠心分離機より排出された軽液と重液の水の分配状況を確認しながら、遠心分離機への油含有廃水の供給量を決定することが望ましい。
本発明の原油含有廃液の処理方法の実施例について、比較例と比較しつつ詳述する。
(実施例1)
実施例1では三相遠心分離機を用いた温水洗浄SLOPの油水分離を検討するため、実験室レベルでの評価を実施した。
原油貯蔵タンクから排出された温水洗浄SLOP(水分含有量18.8質量%)を試験用の廃液とした。この試験用廃液をウォーターバスで50℃に加温した後、アルキルフェノール縮合物を含むエマルジョンブレーカー(ハクトールE−523)を被処理原油あたり10mg/kgの割合で添加し、よく撹拌した。次に、ポリアミン系の凝集剤(ハクトロンB−733)を500mg/kgの割合で添加した後、更に撹拌を行った。こうして得られた混合液を遠心分離機に供給して遠心分離し、軽液、重液、及びスラッジの三相に分離した。各相の容積比率は15:23:2の割合であった。軽液は粘度を持った褐色の液体であり、含水率を測定した所0.8質量%であり、軽液はほぼ油であると考えられた。また、重液はやや褐色を帯びた透明な液体であった。重液のCOD、ヘキサン抽出物の量、全窒素、全リン、各種重金属濃度を測定した。その結果、表1に示すように、ノルマルヘキサン抽出物濃度は1.4mg/Lであり、重液はほぼ水からなると考えられた。また、その他の成分については、鉄濃度がやや高いものの、窒素やリン、重金属類の濃度は低く、良好な水質という結果が得られた。
(実施例1)
実施例1では三相遠心分離機を用いた温水洗浄SLOPの油水分離を検討するため、実験室レベルでの評価を実施した。
原油貯蔵タンクから排出された温水洗浄SLOP(水分含有量18.8質量%)を試験用の廃液とした。この試験用廃液をウォーターバスで50℃に加温した後、アルキルフェノール縮合物を含むエマルジョンブレーカー(ハクトールE−523)を被処理原油あたり10mg/kgの割合で添加し、よく撹拌した。次に、ポリアミン系の凝集剤(ハクトロンB−733)を500mg/kgの割合で添加した後、更に撹拌を行った。こうして得られた混合液を遠心分離機に供給して遠心分離し、軽液、重液、及びスラッジの三相に分離した。各相の容積比率は15:23:2の割合であった。軽液は粘度を持った褐色の液体であり、含水率を測定した所0.8質量%であり、軽液はほぼ油であると考えられた。また、重液はやや褐色を帯びた透明な液体であった。重液のCOD、ヘキサン抽出物の量、全窒素、全リン、各種重金属濃度を測定した。その結果、表1に示すように、ノルマルヘキサン抽出物濃度は1.4mg/Lであり、重液はほぼ水からなると考えられた。また、その他の成分については、鉄濃度がやや高いものの、窒素やリン、重金属類の濃度は低く、良好な水質という結果が得られた。
(実施例2)
実施例2では、原油貯蔵タンクから排出された温水洗浄SLOP(水分含有率=82%)を試験に供した。凝集剤としてハクトロンB−733を500mg/kgとなるように供試油に添加、撹拌し、エマルジョンブレーカーは加えなかった。その他については実施例1と同様の方法により処理を行った。
実施例2では、原油貯蔵タンクから排出された温水洗浄SLOP(水分含有率=82%)を試験に供した。凝集剤としてハクトロンB−733を500mg/kgとなるように供試油に添加、撹拌し、エマルジョンブレーカーは加えなかった。その他については実施例1と同様の方法により処理を行った。
(実施例3)
実施例3では、実施例2と同じ温水洗浄SLOPにエマルジョンブレーカーとしてハクトールE−523を10mg/kgとなるように供試油に添加、撹拌した後、凝集剤としてハクトロンB−733を500mg/kgとなるように供試油に添加、撹拌を行った。その他については実施例1と同様の処理を行った。
実施例3では、実施例2と同じ温水洗浄SLOPにエマルジョンブレーカーとしてハクトールE−523を10mg/kgとなるように供試油に添加、撹拌した後、凝集剤としてハクトロンB−733を500mg/kgとなるように供試油に添加、撹拌を行った。その他については実施例1と同様の処理を行った。
(比較例1)
比較例1では、実施例2と同じ温水洗浄SLOPに凝集剤もエマルジョンブレーカーも添加することなかった。その他については実施例1と同様の処理を行った。
比較例1では、実施例2と同じ温水洗浄SLOPに凝集剤もエマルジョンブレーカーも添加することなかった。その他については実施例1と同様の処理を行った。
(比較例2)
比較例2では、実施例2と同じ温水洗浄SLOPに凝集剤を添加することなく、エマルジョンブレーカーとしてハクトールE−523を10mg/kgとなるように供試油に添加し、撹拌を行った。その他については実施例1と同様の処理を行った。
比較例2では、実施例2と同じ温水洗浄SLOPに凝集剤を添加することなく、エマルジョンブレーカーとしてハクトールE−523を10mg/kgとなるように供試油に添加し、撹拌を行った。その他については実施例1と同様の処理を行った。
<結 果>
処理の結果を図6に示す。エマルジョンブレーカーも凝集剤も添加しなかった比較例1では遠心分離後も油と水とが分離することはなかった。また、エマルジョンブレーカーのみを添加した比較例2においても同様の結果となった。
これに対して、凝集剤のみを添加、撹拌した実施例2、並びにエマルジョンブレーカー及び凝集剤をともに添加、撹拌した実施例3では、油と水とスラッジの三相に分離した。以上のことから、温水洗浄SLOPの水と油とスラッジとを分離するためには、凝集剤の添加が必須であることが明らかとなった。
処理の結果を図6に示す。エマルジョンブレーカーも凝集剤も添加しなかった比較例1では遠心分離後も油と水とが分離することはなかった。また、エマルジョンブレーカーのみを添加した比較例2においても同様の結果となった。
これに対して、凝集剤のみを添加、撹拌した実施例2、並びにエマルジョンブレーカー及び凝集剤をともに添加、撹拌した実施例3では、油と水とスラッジの三相に分離した。以上のことから、温水洗浄SLOPの水と油とスラッジとを分離するためには、凝集剤の添加が必須であることが明らかとなった。
(実施例4)
実施例4では、図4に示す設備を用い、原油タンクの洗浄から発生した温水洗浄SLOPの処理を試みた。試験に供した温水洗浄SLOPの含水率は26〜35%、トルエン不溶解分は約1%であった。
処理試験では原水となる温水洗浄SLOPを所定温度まで加温した。次いで、エマルジョンブレーカーとしてハクトールE−523、凝集剤としてハクトロンB−733を添加した後、三相分離型の遠心分離機に供給した。
温水洗浄SLOPを400L/hrで遠心分離機に供給し、E−523添加率を0〜40mg/Lの割合で添加した場合の回収油(軽液)の含水率を図7に示す。なお、温水洗浄SLOPの液温は52℃、B−733添加率は300mg/Lに設定した。
その結果、図7に示すように、E−523の添加率の増加に従い回収油の含水率が低下する傾向が認められ、添加率40mg/Lの条件では約1.1%まで含水率が低下した。この結果より、凝集剤を添加しつつ、エマルジョンブレーカーの添加率を増加することは回収油の含水率低減に有効であることが示された。なお、一般にエマルジョンブレーカーは界面活性剤の一種であり、添加率が過剰になると再び乳化が促進されることが知られているため、本実施例では最大のエマルジョンブレーカー添加率を40mg/Lとした。
実施例4では、図4に示す設備を用い、原油タンクの洗浄から発生した温水洗浄SLOPの処理を試みた。試験に供した温水洗浄SLOPの含水率は26〜35%、トルエン不溶解分は約1%であった。
処理試験では原水となる温水洗浄SLOPを所定温度まで加温した。次いで、エマルジョンブレーカーとしてハクトールE−523、凝集剤としてハクトロンB−733を添加した後、三相分離型の遠心分離機に供給した。
温水洗浄SLOPを400L/hrで遠心分離機に供給し、E−523添加率を0〜40mg/Lの割合で添加した場合の回収油(軽液)の含水率を図7に示す。なお、温水洗浄SLOPの液温は52℃、B−733添加率は300mg/Lに設定した。
その結果、図7に示すように、E−523の添加率の増加に従い回収油の含水率が低下する傾向が認められ、添加率40mg/Lの条件では約1.1%まで含水率が低下した。この結果より、凝集剤を添加しつつ、エマルジョンブレーカーの添加率を増加することは回収油の含水率低減に有効であることが示された。なお、一般にエマルジョンブレーカーは界面活性剤の一種であり、添加率が過剰になると再び乳化が促進されることが知られているため、本実施例では最大のエマルジョンブレーカー添加率を40mg/Lとした。
(実施例5)
実施例5では、凝集剤添加の効果を評価するため、温水洗浄SLOPを加温した後、E−523を20mg/LとB−733を500mg/Lの割合で添加し、三相分離型の遠心分離機に供給した試験を実施した。
その結果、得られた重液の浮遊物質濃度は1000mg/L、CODは670mg/Lであった。
実施例5では、凝集剤添加の効果を評価するため、温水洗浄SLOPを加温した後、E−523を20mg/LとB−733を500mg/Lの割合で添加し、三相分離型の遠心分離機に供給した試験を実施した。
その結果、得られた重液の浮遊物質濃度は1000mg/L、CODは670mg/Lであった。
(比較例3)
比較例3では、実施例5の場合と同じ温水洗浄SLOPを加温した後、E−523を20mg/Lのみ添加し、三相分離型の遠心分離機に供給した試験を実施した。
その結果、得られた分離水(重液)には黒色の浮遊物質が含まれており、比較例2の場合と同様に、重液中の浮遊物質は沈殿せずにそのまま残留し、見かけは黒色の懸濁液であった。この結果より、重液の水質改善のためには、実施例2や実施例3の場合と同様に、凝集剤を添加し、浮遊物質を凝集しやすくすることが有効と考えられた。なお、回収された重液の性状は浮遊物質濃度3400mg/L、化学的酸素要求量(COD)は1800mg/Lであった。
実施例5と比較例3の比較より、凝集剤は遠心分離前の添加する方式とすることで重液性状の改善に効果があることが確認された。
比較例3では、実施例5の場合と同じ温水洗浄SLOPを加温した後、E−523を20mg/Lのみ添加し、三相分離型の遠心分離機に供給した試験を実施した。
その結果、得られた分離水(重液)には黒色の浮遊物質が含まれており、比較例2の場合と同様に、重液中の浮遊物質は沈殿せずにそのまま残留し、見かけは黒色の懸濁液であった。この結果より、重液の水質改善のためには、実施例2や実施例3の場合と同様に、凝集剤を添加し、浮遊物質を凝集しやすくすることが有効と考えられた。なお、回収された重液の性状は浮遊物質濃度3400mg/L、化学的酸素要求量(COD)は1800mg/Lであった。
実施例5と比較例3の比較より、凝集剤は遠心分離前の添加する方式とすることで重液性状の改善に効果があることが確認された。
(実施例6)
実施例6では温水洗浄SLOPの温度と油含水率の関係を調査した。ここでは遠心分離機への温水洗浄SLOPの供給量が250L/hrと500L/hrに設定した。結果を図8に示す。なお、ここでは遠心分離機から排出される回収油(軽液)の温度が設定値となるように温水洗浄SLOPの温度を調整した。
全般的な傾向として、温度が高くなるにつれて回収油の含水率は低下する傾向が認められ、また、同じ温度であれば遠心分離機への温水洗浄SLOP供給量が低いと含水率が低下する傾向が認められた。
250L/hrの条件では50℃以上で含水率が2%未満に低下し、55℃では含水率が0.9%まで低下した。また、温水洗浄SLOP供給量が500L/hrの条件では、55℃を超えると含水率が2%未満になり、66℃では含水率が1.4%まで低下したが、この温度は重油の引火点を超えており、回収油に引火しないように対策が必要であるため、実施例4では軽液は密閉できる容器に回収する必要があった。
実施例6では温水洗浄SLOPの温度と油含水率の関係を調査した。ここでは遠心分離機への温水洗浄SLOPの供給量が250L/hrと500L/hrに設定した。結果を図8に示す。なお、ここでは遠心分離機から排出される回収油(軽液)の温度が設定値となるように温水洗浄SLOPの温度を調整した。
全般的な傾向として、温度が高くなるにつれて回収油の含水率は低下する傾向が認められ、また、同じ温度であれば遠心分離機への温水洗浄SLOP供給量が低いと含水率が低下する傾向が認められた。
250L/hrの条件では50℃以上で含水率が2%未満に低下し、55℃では含水率が0.9%まで低下した。また、温水洗浄SLOP供給量が500L/hrの条件では、55℃を超えると含水率が2%未満になり、66℃では含水率が1.4%まで低下したが、この温度は重油の引火点を超えており、回収油に引火しないように対策が必要であるため、実施例4では軽液は密閉できる容器に回収する必要があった。
(実施例7)
実施例7では実施例4と同じ処理設備で温水洗浄SLOPを処理した。温水洗浄SLOPは50℃まで加温した。次いで、EW−01を200mg/LとEW−02を20mg/L(いずれも伯東株式会社)をエマルジョンブレーカーとしてそれぞれ添加し、凝集剤としてハクトロンB−733を300mg/Lを添加した後、三相分離型の遠心分離機に供給した。
遠心分離機への供給量を400L/hrに設定し、回収油(軽液)と分離水(重液)、スラッジを回収した。回収油の含水率は0.6%であり、実施例4の各試験で得られた回収油の含水率よりやや低下した。
実施例7では実施例4と同じ処理設備で温水洗浄SLOPを処理した。温水洗浄SLOPは50℃まで加温した。次いで、EW−01を200mg/LとEW−02を20mg/L(いずれも伯東株式会社)をエマルジョンブレーカーとしてそれぞれ添加し、凝集剤としてハクトロンB−733を300mg/Lを添加した後、三相分離型の遠心分離機に供給した。
遠心分離機への供給量を400L/hrに設定し、回収油(軽液)と分離水(重液)、スラッジを回収した。回収油の含水率は0.6%であり、実施例4の各試験で得られた回収油の含水率よりやや低下した。
この発明は上記発明の実施の態様及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本発明は原油を含有する廃液の処理に利用可能である。
Claims (8)
- 原油を含有する廃液の処理方法であって、
該廃液に凝集剤を添加する添加工程と、
該凝集剤を添加する前、添加時及び添加後の少なくともいずれかの時に該廃液を加温する加温工程と、
該凝集剤が添加された廃液を遠心分離することによって油分と水と固形物の三成分に分離する遠心分離工程と、
を有することを特徴とする原油含有廃液の処理方法。 - 前記遠心分離工程を行う前にエマルジョンブレーカーを添加することを特徴とする請求項1に記載の原油含有廃液の処理方法。
- 前記エマルジョンブレーカーにはアルキルフェノール縮合物が含まれていることを特徴とする請求項2に記載の原油含有廃液の処理方法。
- 前記遠心分離工程の前に原油を含有する廃液を45℃以上65℃以下の範囲内の温度で加温することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項の原油含有廃液の処理方法。
- 前記凝集剤にはポリアミン系凝集剤が含まれていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の原油含有廃液の処理方法。
- 原油を含有する廃液の処理設備であって、
該廃液に凝集剤を添加するための添加設備と、
該廃液を加温する加温設備と、
該凝集剤が添加され、加温された廃液を油分と水と固形物に分離するための遠心分離機と、
を備えたことを特徴とする原油含有廃液の処理設備。 - 原油を含有する廃液の処理設備であって、
該廃液に凝集剤及びエマルジョンブレーカーを添加するための添加設備と、
該廃液を加温する加温設備と、
該凝集剤及び該エマルジョンブレーカーが添加され、加温された廃液を油分と水と固形物に分離するための遠心分離機と、
を備えたことを特徴とする原油含有廃液の処理設備。 - 前記加温設備は前記廃液の温度を45℃以上65℃以下に制御することを特徴とする請求項6又は7に記載の原油含有廃液の処理設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017173595A JP6905430B2 (ja) | 2016-03-07 | 2017-09-10 | 原油含有廃液の処理方法及び原油含有廃液の処理設備 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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