JP2017159137A - 医療機器の基端側構造体 - Google Patents
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同様に、特許文献3のカテーテルの操作部は、躯体(ハウジング)と、躯体に対して回転可能な環状ハンドルと、を備えて構成され、環状ハンドルの環状の外周面には、手が滑らないようにするための凸部が設けられている。
なお、一般的には、ドレープと呼ばれるシートが患者の体を覆った状態で施術が行われるため、操作部は、ドレープ上に載置される。この場合、載置面はドレープの表面であり、操作部の躯体の底面は、ドレープの表面に接触する。
特に、大腿などのように平らな面積が狭い部位の上に操作部が載置された場合や、血液や生理食塩水などで濡れた載置面に操作部が載置された場合は、操作部が滑り落ちやすい。
前記本体部の基端部に設けられた基端側構造体と、
を有し、
前記基端側構造体の少なくとも躯体底面に滑り止め部が形成されていることを特徴とする医療機器を提供する。
前記基端側構造体の少なくとも躯体底面に滑り止め部が形成されていることを特徴とする医療機器の基端側構造体を提供する。
図1は第1の実施形態に係る医療機器としてのカテーテル10(図2)の基端側構造体を示す模式図であり、このうち(a)は平面図、(b)は下面図、(c)は側面図である。
図2は第1の実施形態に係るカテーテル10を示す模式図であり、このうち(a)は自然状態を、(b)は遠位端部15を一方に屈曲させた状態を、(c)は遠位端部15を他方に屈曲させた状態を、それぞれ示す。
なお、図1及び図2において、網掛けで示されている部位は、滑り止め部810の形成箇所を示している。
図3は第1の実施形態に係るカテーテル10の一例を示す縦断面図であり、カテーテル10の先端部のみを示している。
図4は図3のII-II断面図である。
図5は操作部70内における操作線40の経路を示す模式的な平面図である。
図6はシース16からの中空管32の分岐部近傍を示す断面図である。
また、本実施形態に係る基端側構造体800(図1)は、長尺で可撓性の本体部(シース16)を有する医療機器(例えば、カテーテル10)の本体部の基端部に設けられる基端側構造体800であって、当該基端側構造体800の少なくとも躯体底面に滑り止め部810が形成されている。
なお、本明細書では、カテーテル10(並びにシース16)の遠位端(先端)DEを含む所定の長さ領域のことを、カテーテル10(並びにシース16)の遠位端部15という。同様に、カテーテル10(並びにシース16)の近位端(基端)(図示略)を含む所定の長さ領域のことを、カテーテル10(並びにシース16)の近位端部(基端部)17という。
一本の撚り線を構成する細線の本数は特に限定されないが、3本以上であることが好ましい。細線の本数の好適な例は、3本又は7本である。細線の本数が3本の場合、横断面において3本の細線が点対称に配置される。細線の本数が7本の場合、横断面において7本の細線が点対称にハニカム状に配置される。
内層21をこのようなフッ素系樹脂により構成することによって、メインルーメン20を通じて造影剤や薬液などを患部に供給する際のデリバリー性が良好となる。
コート層64は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドンなどの親水性の樹脂材料で成形することによって、親水性となっている。なお、コート層64は、外層60の外表面に潤滑処理を施して少なくとも外層60の外表面を親水性とすることによって形成されていても良い。
サブルーメン30は、外層60の内部において、コイル50の外側に形成されている。
メインルーメン20の半径は200〜300μm程度、内層21の厚さは10〜30μm程度、外層60の厚さは50〜150μm程度、コイル50の外径は直径500〜860μm、コイル50の内径は直径420〜660μmとすることができる。
カテーテル10の軸心からサブルーメン30の中心までの半径(距離)は300〜450μm程度、サブルーメン30の内径(直径)は40〜100μmとする。そして、操作線40の太さは30〜60μm程度とする。
カテーテル10の最外径(半径)は350〜490μm程度、すなわち外径が直径1mm未満である。これにより、本実施形態のカテーテル10は腹腔動脈などの血管に挿通可能である。
ただし、これら方向の規定は、説明の便宜のために規定に過ぎず、操作部70の使用状態での方向を規定するものではない。
以下、本体ケース700において、回転部730が設けられている部分を中部702と称する。また、本体ケース700において、中部702よりも前側の部分を前部701、中部702よりも後側の部分を後部703と称する。
更に、各操作線40は、中空管32の基端32aから後方に突出(露出)している。操作線40において、中空管32から露出している部位が、巻取リール740の連結部43a、43b(図5)に連結されている。
更に、操作線40の牽引量を調節することにより、カテーテル10の遠位端DEの屈曲量を調節することができる。
このため、本実施形態のカテーテル10は、たとえば分岐する血管等の体腔に対して、所望の方向に進入させることが可能である。
後者の場合の一例として、回転部730は、操作線40の張力が所定範囲内の状態においてのみホイール操作部760から巻取リール740へ回転駆動力を伝達するリミッター機構(図示略)を有していることが挙げられる。
更に具体的には、滑り止め部810は、例えば、ホイール操作部760の上面の周縁部に沿った環状又は弧状の領域と、ホイール操作部760の下面の周縁部に沿った環状又は弧状の領域と、ホイール操作部760の側周面の全体又は該側周面に沿った弧状の領域と、にそれぞれ形成されている。
また、ハブ790を構成する硬質樹脂材料としては、例えば、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ABS、アクリル、ポリ塩化ビニル(PVC)等が挙げられる。
具体的には、例えば、滑り止め部810は、その全体が軟質樹脂により構成されている。
一般的には、ドレープにより患者の体を覆った状態で施術が行われるため、基端側構造体800は、ドレープ上に載置される。この場合、載置面はドレープの表面であり、基端側構造体800の躯体の底面(例えば、本体ケース700の下面又は上面)は、ドレープの表面に接触する。
ドレープの表面は、実質的に血液などの液体を吸わず、滑りが良い。
特に、ホイール操作部760の側周面だけでなく、円板面である上面及び下面にも、滑り止め部810が形成されているため、上面又は下面を指で操作することによっても、容易に、ホイール操作部760を回転させることができる。
このため、基端側構造体800を軸回転させて行うトルク操作が容易となる。すなわち、例えば、一部の指で(例えば、親指及び人差し指などで)ホイール操作部760又は中部702を軸周りに回転させてトルク操作を行うときに、残りの指と手の平で(例えば、小指、薬指及び中指などと手の平で)後部703を保持しておく。これにより、当該残りの指と手の平の中で後部703を軸周りに摺動させながら容易に軸回転させることができる。
すなわち、載置面上に多量の液体が存在する場合において、基端側構造体800がこの液体に浮かんでしまい、基端側構造体800と載置面とが十分な摩擦で直接接することなく、基端側構造体800が載置面上から滑り落ちてしまうことを、より確実に抑制することができる。
具体的には、例えば、基端側構造体800が(例えばドレープを介して)患者の体の上などに置かれたときに、該基端側構造体800が患者の体の上から滑り落ちてしまうことを抑制することができる。よって、基端側構造体800の重みによって、シース16が患者の体腔から抜け落ちてしまうことも抑制することができる。
例えば、特許文献1のサムホイールや特許文献3の環状ハンドルには、それらの環状の外周面に凹凸が形成されているため、操作部の載置の仕方によっては、その凹凸が載置面に接触するかも知れない。しかし、そのような単なる凹凸が載置面に接触するだけでは、操作部が載置面から滑り落ちてしまうことを抑制することは困難である。
そして、操作部70に滑り止め部810が形成されている。よって、操作部70と載置面とが高摩擦となるため、操作部70が載置面上から滑り落ちてしまうことを抑制することができる。
特に、本体ケース700より左右両側方に張り出したホイール操作部760の周縁部(上面の周縁部、下面の周縁部、及び側周面)にも、滑り止め部810が形成されているため、基端側構造体800が載置面から滑り落ちてしまうことを、一層好適に抑制することができる。
図7は第2の実施形態に係るカテーテルの基端側構造体800を示す模式図であり、このうち(a)は平面図、(b)は下面図、(c)は側面図である。図7において、網掛けで示されている部位は、滑り止め部810の形成箇所を示している。
図8は第3の実施形態に係るカテーテル310の基端側構造体800を示す上面側の斜視図であり、図9は基端側構造体800の下面側の斜視図である。図8及び図9において、網掛けで示されている部位は、滑り止め部810の形成箇所を示している。
これにより、本実施形態の場合、上記の各実施形態よりもホイール操作部760の操作性が向上する。
すなわち、ホイール操作部760の回転中心の周囲のどの部分においても、ホイール操作部760に指を掛けて、該ホイール操作部760を回転操作することができる。このため、ホイール操作部760の操作性が向上する。
図10は第4の実施形態に係るカテーテル410(図10)の基端側構造体800としてのハブ790を示す模式図であり、このうち(a)は平面図、(b)は下面図、(c)は側面図である。図11は第4の実施形態に係るカテーテル410を示す模式図である。なお、図10及び図11において、網掛けで示されている部位は、滑り止め部810の形成箇所を示している。
本実施形態の場合、ハブ790の全体を基端側構造体800の躯体と捉えることができる。なお、ハブ790の本体部791のみを基端側構造体800の躯体と捉えても良い。基端側構造体800(ハブ790)の底面は、基端側構造体800が載置面に載置される際に下側となる面である。
したがって、本実施形態の場合、シース16の遠位端部15を屈曲させる操作を能動的に行うことはできない。例えば、術者がハブ790を保持して押し込み操作することによってシース16を体腔内に押し込んだときに、シース16が体腔の屈曲形状に沿って屈曲しながら、体腔内に進入する。
例えば、前部794aは、その横断面の外形形状が矩形状で、且つ、平面形状及び側面形状が矩形状の管状に形成されている。
後部794bは、その横断面の外形形状が矩形状で且つ後方に向けて徐々に拡大するテーパー状の管状に形成されている。後部794bの平面形状及び側面形状は、前方に向けて徐々に窄まる錐台形状となっている。
本実施形態の場合、例えば、後部795には、滑り止め部810が形成されていない。なお、後部795に滑り止め部810を形成しても良い。
本実施形態によれば、ハブ790と載置面とが高摩擦となるため、ハブ790が載置面上から滑り落ちてしまうことを抑制することができる。
図12は第5の実施形態に係るカテーテルの基端側構造体としてのハブ790を示す模式図であり、このうち(a)は平面図、(b)は下面図、(c)は側面図である。なお、図12において、網掛けで示されている部位は、滑り止め部810の形成箇所を示している。
また、凹部は、基端側構造体800を載置するときに、その自重による荷重がかかる部分に形成することが好ましい一例である。この場合にも、凹部の周囲(凹部の非形成箇所)により多く荷重が加わるようになることから、載置面上に多量の液体が存在していたとしても、この液体を押し退けて、基端側構造体800が載置面に対して容易に直接的に接し、載置面から基端側構造体800が滑り落ちてしまうことをより確実に抑制することができる。
ここで、粗面化処理の一例としては、例えば、本体ケース700又はハブ790の成形に用いられる金型の内面に微小な凹凸を形成しておき、成形後の本体ケース700又はハブ790の少なくとも底面に微小な凹凸を形成することによって、該底面に粗面部を形成することが挙げられる。
滑り止め部810が多孔質材を含む場合、多孔質材が液体を吸収することができるため、載置面上に多量の液体が存在する場合にも、滑り止め部810と載置面とを直接的に接触させて、これら滑り止め部810と載置面とを高摩擦にし、載置面から基端側構造体800が滑り落ちてしまうことをより確実に抑制することができる。
他に、基端側構造体800を乾いた載置面上に載置しているときに、後からその載置面が液体で濡れた場合に、多孔質材がその液体を吸収することによって、滑り止め部810と載置面とを接触状態に維持する動作が考えられる。
例えば、シース16を体腔内に挿入された状態で、基端側構造体800の前部が宙に浮いて、後部が載置面に接するような場合、後部に滑り止め部810を形成することが好ましい。すなわち、上記の第1乃至第3の実施形態のように基端側構造体800が操作部70とハブ790とを有する場合に、ハブ790に滑り止め部810を形成することも好ましい。
15 遠位端部
16 シース
17 近位端部
20 メインルーメン
21 内層
30 サブルーメン
32 中空管
32a 基端
40、40a、40b 操作線
41 先端部
43a、43b 連結部
50 コイル
52 線材
60 外層
64 コート層
66 マーカー
70 操作部
310 カテーテル
410 カテーテル
700 本体ケース
701 前部
702 中部
702a 膨出部
703 後部
730 回転部
740 巻取リール
760 ホイール操作部(屈曲操作部)
783 ガイド
790 ハブ
791 本体部
792 翼形状部
793 前部
794 中部
794a 前部
794b 後部
795 後部
800 基端側構造体
810 滑り止め部
820 突起
DE 遠位端
Claims (19)
- 長尺で可撓性の本体部と、
前記本体部の基端部に設けられた基端側構造体と、
を有し、
前記基端側構造体の少なくとも躯体底面に滑り止め部が形成されていることを特徴とする医療機器。 - 前記滑り止め部は、軟質樹脂を含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の医療機器。
- 前記軟質樹脂により構成された前記滑り止め部が少なくとも前記躯体底面に被着されていることを特徴とする請求項2に記載の医療機器。
- 前記滑り止め部は、前記躯体底面に形成された突起又は凹部を含んで構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の医療機器。
- 前記滑り止め部は、多孔質材を含んで構成されている請求項1乃至4の何れか一項に記載の医療機器。
- 前記滑り止め部は、多孔質の前記軟質樹脂を含んで構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の医療機器。
- 前記滑り止め部は、前記突起を含んで構成され、
前記突起は、多孔質の軟質樹脂により構成されていることを特徴とする請求項4に記載の医療機器。 - 前記滑り止め部は、前記躯体底面に粗面化処理を施すことにより形成された粗面部を含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の医療機器。
- 当該医療機器は、前記本体部に埋設され、且つ、先端が前記本体部の先端部に固定された操作線を更に有し、
前記基端側構造体は、前記操作線の基端部が連結され、前記操作線を牽引することにより前記本体部を屈曲させる操作を行うための操作部を含んで構成され、
前記操作部に前記滑り止め部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の医療機器。 - 前記操作部は、
本体ケースと、
前記本体ケースに設けられ、操作者により操作される屈曲操作部と、
を有し、
前記本体ケースの底面に前記滑り止め部が形成されていることを特徴とする請求項9に記載の医療機器。 - 前記操作部は、
本体ケースと、
前記本体ケースに設けられ、操作者により操作される屈曲操作部と、
を有し、
前記屈曲操作部に前記滑り止め部が形成されていることを特徴とする請求項9又は10に記載の医療機器。 - 前記屈曲操作部は、円板状に形成され、且つ、前記本体ケースに対して軸周りに回転可能に前記本体ケースに設けられた、ホイール操作部であり、
前記ホイール操作部の円板面上に前記滑り止め部が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の医療機器。 - 前記本体ケースの基端部は、前記本体部の基端部と同軸に延在する長尺な柱状体であり、
前記柱状体の外表面は、前記滑り止め部よりも摩擦係数が小さいことを特徴とする請求項10乃至12の何れか一項に記載の医療機器。 - 前記基端側構造体は、注入器が差し込まれるハブを含んで構成され、
前記ハブの底面に前記滑り止め部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載の医療機器。 - 前記基端側構造体の重量が、当該医療機器の重量の50%を越えることを特徴とする請求項1乃至14の何れか一項に記載の医療機器。
- 当該医療機器はカテーテルであることを特徴とする請求項1乃至15の何れか一項に記載の医療機器。
- 長尺で可撓性の本体部を有する医療機器の前記本体部の基端部に設けられる基端側構造体であって、
前記基端側構造体の少なくとも躯体底面に滑り止め部が形成されていることを特徴とする医療機器の基端側構造体。 - 前記医療機器は、前記本体部に埋設され、且つ、先端が前記本体部の先端部に固定された操作線を更に有し、
当該基端側構造体は、前記操作線の基端部が連結され、前記操作線を牽引することにより前記本体部を屈曲させる操作を行うための操作部を含んで構成され、
前記操作部に前記滑り止め部が形成されていることを特徴とする請求項17に記載の医療機器の基端側構造体。 - 前記基端側構造体は、注入器が差し込まれるハブを含んで構成され、
前記ハブの底面に前記滑り止め部が形成されていることを特徴とする請求項17又は18に記載の医療機器の基端側構造体。
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