JP2014039613A - カテーテル - Google Patents

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Abstract

【課題】内側に挿通された長尺医療機器を容易且つ迅速に固定することができるカテーテルを提供する。
【解決手段】カテーテル10Aは、シャフト12の基端側でシャフト12の外側に配置され、シャフト12を押圧して変形させることが可能な押圧機構18を備える。シャフト12の内腔12aに長尺医療機器(ガイドワイヤ11)が挿通された状態で、押圧機構18がシャフト12を変形させることにより、シャフト12に対する長尺医療機器の軸線方向の移動が規制される。
【選択図】図2

Description

本発明は、内側に挿通される長尺医療機器の軸線方向の移動を規制する機構を備えたカテーテルに関する。
カテーテルは、血管内や体腔内に挿入してカテーテル先端を目的部位まで到達させ、治療用の薬剤注入や診断用の造影剤注入、あるいは病変部の治療を行うために使用される。従来のカテーテルの一例を開示するものとしては、例えば、下記特許文献1がある。
体内の目的部位までカテーテルの先端を到達させるには、先ずガイドワイヤを血管内に挿入し、次にカテーテルの内腔にガイドワイヤを挿通してカテーテルを血管内に挿入する。そして、カテーテルの先端からガイドワイヤを突出させた状態で、血管内でガイドワイヤに沿ってカテーテルを走行させ、カテーテルの先端を目的部位まで到達させる。この場合、カテーテルとガイドワイヤの位置関係を保持したまま、両者を一体的に血管内で前進させる手技が行われることがある。
米国特許第6068622号明細書
このような手技を行う場合、カテーテルに対してガイドワイヤを軸線方向に動かないように固定することができれば、手技を円滑に遂行することができる。そこで、既存のカテーテルを使用する際に、カテーテルに対してガイドワイヤを軸線方向に固定する手段(固定デバイス)を併用することがある。しかしながら、そのような固定デバイスは、カテーテルとは別体で構成されたものであるため、使用に際して装着や取外しの作業があり、迅速な作業が求められる医療現場では使い勝手が悪い。また、固定デバイスは小型なため紛失する可能性があり、使いたいときに使えない事態が発生するという懸念もある。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、内側に挿通された長尺医療機器を容易且つ迅速に固定することができるカテーテルを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、可撓性を有する長尺な中空状の部材からなり、その内腔に長尺医療機器を挿通することが可能なシャフトと、前記シャフトの基端側で前記シャフトの外側に配置され、前記シャフトを押圧して変形させることが可能な押圧機構と、を備え、前記シャフトの前記内腔に前記長尺医療機器が挿通された状態で、前記押圧機構が前記シャフトを変形させることにより、前記シャフトに対する前記長尺医療機器の軸線方向の移動が規制されることを特徴とする。
上記の構成によれば、押圧機構によりシャフトを変形させ、これによりシャフトに対する長尺医療機器(ガイドワイヤ等)の軸線方向の移動が規制される。従って、カテーテルに対して長尺医療機器を容易且つ迅速に固定することができる。これにより、カテーテルとこれに挿通された長尺医療機器とを相互固定し一体化した状態で、血管内で走行させる手技を容易に遂行することができる。また、押圧機構は、カテーテルと別体に設けられたデバイスではなく、カテーテルの一部として設けられたものであるため、カテーテルの使用中において、カテーテルに対して所定の操作を行うことで、カテーテルと長尺医療機器との相互固定を即座に実行することができ、使い勝手がよい。
上記のカテーテルにおいて、押圧機構は、前記シャフトの外側に配置された複数の押圧部材を有し、相互間隔が小さくなる方向に前記複数の押圧部材の少なくとも一つが変位することにより、前記シャフトを変形させてもよい。この構成によれば、シャフトを効果的に変形させ、シャフト内に挿通された長尺医療機器を確実に固定することができる。
上記のカテーテルにおいて、前記複数の押圧部材の各々は、前記シャフトに向かって突出する押圧突起部を有し、複数の前記押圧突起部は、前記シャフトの軸線方向に関して互いにずれた位置に設けられてもよい。この構成によれば、シャフトを軸線方向の複数個所で屈曲させることによって波形状に変形させるため、シャフトに挿通された長尺医療機器の外側面と、シャフトの内側面との摩擦力を効果的に増大させることができる。従って、カテーテルに対して長尺医療機器を一層好適に固定することができる。
上記のカテーテルにおいて、前記複数の押圧部材の間に、前記複数の押圧部材の間隔を広げる方向に弾発力を作用させる弾性部材が設けられてもよい。この構成によれば、押圧部材をシャフト側に変位させる力が取り除かれると、弾性部材の弾発力により押圧部材の間隔が元の状態まで広げられるため、波形状に変形させられたシャフトを元の直線状に確実に戻すことができる。
上記のカテーテルにおいて、前記押圧機構は、作動状態で、前記シャフトを波形状に屈曲変形させてもよい。この構成によれば、シャフトを波形状に変形させるため、シャフトに挿通された長尺医療機器の外側面と、シャフトの内側面との摩擦力を効果的に増大させることができる。従って、カテーテルに対して長尺医療機器を一層好適に固定することができる。
上記のカテーテルにおいて、前記シャフトの基端に固定されたハブと、前記シャフトの前記ハブへの接続部で前記シャフトの外側に設けられたストレインリリーフと、を備え、前記複数の押圧部材は、前記ストレインリリーフの内側に設けられてもよい。この構成によれば、押圧機構を構成する複数の押圧部材がストレインリリーフの内側に設けられるため、押圧機構を操作し易く、使い勝手が良い。
上記のカテーテルにおいて、前記ストレインリリーフの外側面に対して押圧操作がなされた際に、前記ストレインリリーフの弾性変形に伴って前記複数の押圧部材の間隔が狭まることにより、前記複数の押圧部材が前記シャフトの外側面を押圧して前記シャフトを変形させてもよい。この構成によれば、ストレインリリーフの外側面を押圧している間だけシャフトに対する長尺医療機器の固定がなされるため、操作が容易である。
上記のカテーテルにおいて、前記シャフトを変形させないように前記複数の押圧部材の間隔を広げる解除位置と、前記シャフトを変形させるように前記複数の押圧部材の間隔を狭める固定位置とに変位可能な操作部を備えてもよい。この構成によれば、カテーテルに対する長尺医療機器の固定及びその解除を、操作部の位置を変えるだけで簡単且つ迅速に切り替えることができる。また、固定位置に操作部を変位させた状態で、ストレインリリーフから手を放しても、操作部の位置を固定位置に保持できるため、使い勝手がよい。
本発明のカテーテルによれば、内側に挿通された長尺医療機器を容易且つ迅速に固定することができる。
本発明の第1実施形態に係るカテーテルの一部省略平面図である。 図2Aは、図1に示したカテーテルのストレインリリーフ及びその周辺部位の縦断面図であってガイドワイヤを固定していない状態の図であり、図2Bは、図2Aに示した部位と同じカテーテルの縦断面図であってガイドワイヤを固定した状態の図である。 図3は、カテーテルにおける押圧機構の斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るカテーテルの一部省略斜視図である。 図5Aは、図4に示したカテーテルの非作動状態の押圧機構及びその周辺部位の縦断面図であり、図5Bは、同カテーテルの作動状態の押圧機構及びその周辺部位の縦断面図である。 図6Aは、本発明の第3実施形態に係るカテーテルの非作動状態の押圧機構及びその周辺部位の縦断面図であり、図6Bは、同カテーテルの作動状態の押圧機構及びその周辺部位の縦断面図である。 図7Aは、本発明の第4実施形態に係るカテーテルの非作動状態の押圧機構及びその周辺部位の縦断面図であり、図7Bは、同カテーテルの作動状態の押圧機構及びその周辺部位の縦断面図である。
以下、本発明に係るカテーテルについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るカテーテル10Aの構成を示す一部省略平面図である。カテーテル10Aは、血管等の生体器官内に導入して生体器官内の病変部を検査・処置するために使用される医療用器具であり、例えば、PTCA(経皮的冠動脈形成術)に用いられるガイディングカテーテル、バルーンカテーテル等として構成され得る。図示した構成例のカテーテル10Aは、シャフト12の先端に湾曲形状が付けられたガイディングカテーテルとして構成されている。なお、以下の説明において、カテーテル10Aに関し、ハブ14側を「基端側」と呼び、その反対側を「先端側」と呼ぶ。
カテーテル10Aは、細径で長尺なシャフト12と、シャフト12の基端に連結されたハブ14と、ハブ14の先端に設けられるとともにシャフト12の基端外周を包囲するストレインリリーフ16と、シャフト12の基端側でシャフト12の外側に配置された押圧機構18とを備える。
シャフト12は、中空な円筒状に形成されるとともに、術者がその基端側を把持及び操作しながら血管等の生体器官内へと円滑に挿通させることができるように適度な可撓性と適度な強度を有する樹脂・金属等で構成されている。
シャフト12に用いられる樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール(PA)、ポリアリレート、ポリオキシメチレン(POM)、高張力ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−酢酸ビニルケン化物(EVOH)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素樹脂等の各種可撓性を有する樹脂や、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリスチレンエラストマー、フッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム等の各種エラストマー等の高分子材料、これらのうちのいずれかを含むポリマーアロイ、カーボンファイバー、グラスファイバー等の非金属材料、あるいはこれらのうちの2以上を組み合わせたものを用いてもよい。
またシャフト12に用いられる金属としては、例えば、ステンレス鋼、銅、タングステン、ニッケル、チタン、ピアノ線、Ni−Ti合金、Ni−Ti−Co合金、Ni−Al合金、Cu−Zn合金、Cu−Zn−X合金(例えば、X=Be、Si、Sn、Al、Ga)のような超弾性合金、アモルファス合金等の各種金属材料等が用いられる。
シャフト12には、より大きな補強効果が得られる等の理由から、上述の樹脂や金属を適宜組み合わせて、コイルやブレイド等の形態で補強体として補強が施されていることが好ましい。しかしながら後述する押圧機構18の効果をより高めるため、シャフト12の押圧機構18に対応する位置に補強体を有さない構造とすることができる。
シャフト12の先端部は、図示例のものは、湾曲形状が付けられているが、用途に応じてストレート形状や、僅かに湾曲した形状であってもよい。
シャフト12の長さは、人体の血管への挿入部位(穿刺部位)から目的部位までの長さや操作性を考慮して設定される。シャフト12の内部には、長手方向に沿って延在する内腔12aが貫通形成されており、当該内腔12aには、カテーテル10Aを目的部位へと導くためのガイドワイヤ11(図2A等参照)や、病変部に作用して所定の処置を施す治療用デバイスが挿通される。治療用デバイスとしては、例えば、バルーンカテーテル等が挙げられる。本発明において、カテーテル10Aの内腔12aに挿通して使用されるガイドワイヤ11や治療用デバイスは、「長尺医療機器」に該当する。
ハブ14は、その先端にてシャフト12の基端部を保持する中空状の部材であり、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の硬質の樹脂等により構成され、その中空部をなす内腔14aは、シャフト12の内腔12aと連通している。ハブ14の基端部は、シリンジ等の他の器具を接続するための接続口又は治療用デバイスを挿入するための挿入口として機能する。
ストレインリリーフ16は、シャフト12のハブ14の接続部での屈曲(キンク)を防止するためのものであり、耐キンクプロテクタとも呼ばれる。ストレインリリーフ16は、シャフト12の基端側でシャフト12の軸線に沿って所定範囲でシャフト12を覆うように延在し、例えば先端側が先細りのチューブ状に形成された適度の可撓性(弾性)及び剛性を有する樹脂製の部材である。ストレインリリーフ16は、シャフト12の構成材料と同様の材料で構成され得る。
図2A及び図2Bは、ストレインリリーフ16、押圧機構18及びその周辺部位の縦断面図である。図2Aでは、押圧機構18が非作動状態であり、カテーテル10Aに対してガイドワイヤ11が固定されてない。図2Bでは、押圧機構18が作動状態であり、カテーテル10Aに対してガイドワイヤ11が固定されている。
図2A及び図2Bに示すように、ストレインリリーフ16には、当該ストレインリリーフ16の先端にて開口しシャフト12が挿通された挿通孔21と、この挿通孔21の基端側に設けられ押圧機構18を収容する収容部22とが設けられる。挿通孔21の内径は、シャフト12の外径と略同じか僅かに大きい。
本実施形態において、押圧機構18は、ストレインリリーフ16の内部に配置されている。押圧機構18は、シャフト12を押圧して変形させることが可能に構成されている。シャフト12の内腔12aに長尺医療機器の一例であるガイドワイヤ11が挿通された状態で、押圧機構18がシャフト12を変形させると(図2B参照)、これにより、シャフト12(カテーテル10A)に対するガイドワイヤ11の軸線方向の移動が規制されるようになっている。
図2Aに示すように、押圧機構18は、シャフト12の外側に配置された複数(本実施形態では2つ)の押圧部材20を有する。これらの押圧部材20は、ストレインリリーフ16の内部に設けられた収容部22に、シャフト12を挟むように配置されている。図示例では、2つの押圧部材20が、収容部22において、シャフト12を基準として互いに反対側の位置に配置されている。すなわち、2つの押圧部材20が、収容部22において、シャフト12を中心として互いに対称となる位置に配置されている。これらの押圧機構18は、相互間隔(2つの押圧部材20の間の距離)が小さくなる方向に押圧部材20が変位することにより、シャフト12を波形状に変形させるようになっている。以下、2つの押圧部材20を区別して説明する場合には、一方の押圧部材20を「第1押圧部材20A」と呼び、他方の押圧部材20を「第2押圧部材20B」と呼ぶ。
ここで、図3は、押圧機構18の斜視図である。図2A〜図3に示すように、各押圧部材20は、シャフト12に沿って延在する部材である。複数の押圧部材20の各々は、シャフト12に向かって突出する押圧突起部26a、26bを有する。押圧突起部26a、26bは、互いに軸線方向にずれた位置に設けられる。これにより、第1押圧部材20Aと第2押圧部材20Bが互いに近づいた際に、押圧突起部26a、26bがシャフト12の外側面を押圧し、シャフト12を波形状に変形させることができる。
本実施形態において、具体的には、第1押圧部材20Aは、板状のベース部24と、このベース部24のシャフト12側の面においてベース部24の長手方向に並んで設けられた2つの山状の押圧突起部26aとを有する。押圧突起部26aは、ベース部24の幅方向の中央に設けられる。
第2押圧部材20Bは、板状のベース部28と、このベース部28のシャフト12側の面に設けられた1つの山状の押圧突起部26bとを有する。押圧突起部26bは、ベース部28の幅方向の中央に設けられる。この第2押圧部材20Bに設けられた押圧突起部26bは、第1押圧部材20Aに設けられた2つの押圧突起部26aの間の谷部に対向する。
なお、第2押圧部材20Bにおいて、ベース部28の長手方向に並んで複数の押圧突起部26bが設けられてもよい。押圧突起部26a、26bは、第1押圧部材20Aと第2押圧部材20Bにそれぞれ少なくとも1つずつ設けられればよい。このような構成によっても、第1押圧部材20Aに設けられた押圧突起部26aと、第2押圧部材20Bに設けられた押圧突起部26bとがシャフト12の軸線方向に関して互いにずれた位置にあれば、第1押圧部材20Aと第2押圧部材20Bが互いに近づいた際に、押圧突起部26a、26bがシャフト12の外側面を押圧し、シャフト12を波形状に変形させることができる。
ストレインリリーフ16において、第1押圧部材20Aと第2押圧部材20Bが設けられた側の外側面に、平坦部が形成されると、使用者がストレインリリーフ16の押圧する箇所を容易に認識することができ、好ましい。また、このような平坦部に代えて、押圧箇所を認識できるようなマークを設けてもよい。
第1押圧部材20Aと第2押圧部材20Bの間には、第1押圧部材20Aと第2押圧部材20Bの間隔を広げる方向に弾発力を作用させる弾性部材30が設けられる。図示の構成では、第1押圧部材20Aと第2押圧部材20Bに挟持された状態で、押圧突起部26a、26bの両側に、2つの弾性部材30が設けられる。弾性部材30は、図示例では、コイルスプリングであるが、板バネやトーションスプリングであってもよい。
第1押圧部材20A及び第2押圧部材20Bは、シャフト12を押圧して確実に変形させることができるように、適度の剛性を有するものが好ましく、例えば、硬質樹脂や金属材料等により構成され得る。
本実施形態に係るカテーテル10Aは、基本的には以上のように構成されるものであり、以下、その作用及び効果について説明する。
図2Aにおいて、カテーテル10Aの内腔12aに、長尺医療機器の一例としてのガイドワイヤ11が挿通されている。この状態では、押圧機構18はシャフト12を押圧しておらず、押圧機構18の内側にあるシャフト12は、直線状を呈している。従って、この状態では、シャフト12に挿通されたガイドワイヤ11は、カテーテル10Aに対して軸線方向に移動可能である。以下、この状態を、押圧機構18の「非作動状態」と呼ぶ。
カテーテル10Aとガイドワイヤ11との位置関係を保持したまま、両者を一体的に血管内で前進させる手技を行うために、以下のような固定操作を行い、押圧機構18の作用下に、カテーテル10Aに対するガイドワイヤ11の軸線方向の移動を規制する。この固定操作では、図2Bに示すように、カテーテル10Aの使用者は、ストレインリリーフ16の外側面を手指で内方に押圧する。そうすると、ストレインリリーフ16の押圧された箇所が内方に弾性変形し、それに伴って、ストレインリリーフ16の内部に配置された第1押圧部材20A及び第2押圧部材20Bが互いに近づく方向に変位する。
第1押圧部材20A及び第2押圧部材20Bの変位に伴って、第1押圧部材20A及び第2押圧部材20Bに設けられた押圧突起部26a、26bがシャフト12の外側面を押圧し、これにより、シャフト12を変形させる。この場合、シャフト12は、シャフト12の軸線方向に関して異なる箇所で複数の押圧突起部26a、26bにより押圧されることから、波形状に変形させられる。なお、シャフト12が波形状に変形することに伴い、波形状に変形した部分よりも先端側のシャフト12(挿通孔21に挿通された部分)が、ストレインリリーフ16に対して基端方向に変位するため、シャフト12の変形が阻害されることがない。
この結果、シャフト12の内部では、押圧突起部26a、26bの押圧によって屈曲変形したシャフト12の内側面が、ガイドワイヤ11の外側面に押し付けられ、シャフト12の内側面とガイドワイヤ11の外側面との間の摩擦力により、シャフト12に対してガイドワイヤ11が固定された状態となる。すなわち、カテーテル10Aの内腔12aにガイドワイヤ11が挿通された状態で、カテーテル10Aに対するガイドワイヤ11の軸線方向の移動が規制(阻止)された状態となる。以下、このときの押圧機構18の状態を「作動状態」と呼ぶ。
カテーテル10Aに対するガイドワイヤ11の固定を解除し、カテーテル10Aに対してガイドワイヤ11を軸線方向に移動可能にする、すなわち押圧機構18を再び非作動状態にするには、ストレインリリーフ16に対する押圧を止めればよい。すなわち、ストレインリリーフ16に対する押圧を止めると、弾性部材30の弾発力により、第1押圧部材20Aと第2押圧部材20Bの間隔が押し広げられ、これにより第1押圧部材20Aと第2押圧部材20Bによるシャフト12に対する押圧が解除されるため、シャフト12は自らの弾性復元力により、波形状から元の直線状(図2Aの状態)に戻る。この結果、カテーテル10Aに挿通されたガイドワイヤ11は、カテーテル10Aに対して軸線方向に移動可能となる。
なお、カテーテル10Aの内腔12aに挿通される長尺医療機器は、ガイドワイヤ11に限られず、別のカテーテル、例えば、より細径のカテーテルやバルーンカテーテル等であってもよい。
以上説明したように、本実施形態に係るカテーテル10Aによれば、押圧機構18によりシャフト12を変形させ、これによりシャフト12に対する長尺医療機器(ガイドワイヤ11等)の軸線方向の移動が規制される。従って、カテーテル10Aに対して長尺医療機器を容易且つ迅速に固定することができる。これにより、カテーテル10Aとこれに挿通された長尺医療機器とを相互固定し一体化した状態で、血管内で走行させる手技を容易に遂行することができる。また、押圧機構18は、カテーテル10Aと別体に設けられたデバイスではなく、カテーテル10Aの一部として設けられたものであるため、カテーテル10Aの使用中において、カテーテル10Aに対して所定の操作を行うことで、カテーテル10Aと長尺医療機器との相互固定を即座に実行することができ、使い勝手がよい。
本実施形態の場合、押圧機構18は、シャフト12の外側に配置された複数の押圧部材20を有し、相互間隔が小さくなる方向に複数の押圧部材20が変位することにより、シャフト12を変形させる。この構成によれば、容易にシャフト12を変形させ、シャフト12内に挿通された長尺医療機器を確実に固定することができる。
また、本実施形態の場合、複数の押圧部材20の各々は、シャフト12に向かって突出する押圧突起部26a、26bを有し、複数の押圧突起部26a、26bは、シャフト12の軸線方向に関して互いにずれた位置に設けられる。この構成によれば、シャフト12を軸線方向の複数個所で屈曲させることによって波形状に変形させるため、シャフト12に挿通された長尺医療機器の外側面と、シャフト12の内側面との摩擦力を効果的に増大させることができる。従って、カテーテル10Aに対して長尺医療機器を一層好適に固定することができる。
さらに、本実施形態の場合、複数の押圧部材20の間に、複数の押圧部材20の間隔を広げる方向に弾発力を作用させる弾性部材30が設けられる。この構成によれば、押圧部材20をシャフト12側に変位させる力が取り除かれると、弾性部材30の弾発力により押圧部材20の間隔が元の状態まで広げられるため、波形状に変形させられたシャフト12を元の直線状に確実に戻すことができる。
なお、第1押圧部材20Aと第2押圧部材20Bをストレインリリーフ16の内面に固着しておき、第1押圧部材20Aと第2押圧部材20Bをシャフト12側に変位させる力が取り除かれた際に、ストレインリリーフ16の弾性復元力を利用して、第1押圧部材20Aと第2押圧部材20Bの間隔を元の状態まで広げるように構成してもよい。この場合、弾性部材30はなくしてもよい。
また、第1押圧部材20Aと第2押圧部材20Bとがストレインリリーフ16の内面に固着されていなくても、第1押圧部材20Aと第2押圧部材20Bをシャフト12側に変位させる力が取り除かれた際に、波形状に変形したシャフト12が、シャフト12自体の弾性復元力で十分に直線状に戻ることが可能であれば、弾性部材30はなくてもよい。この点は、後述する第2実施形態においても同様である。
本実施形態の場合、複数の押圧部材20は、ストレインリリーフ16の内側に設けられるため、押圧機構18を操作し易く、使い勝手が良い。
本実施形態の場合、押圧機構18は、ストレインリリーフ16に対して外側から押圧操作がなされた際に複数の押圧部材20の間隔を狭めることによりシャフト12を変形させるように構成されている。この構成によれば、ストレインリリーフ16の外側面を押圧している間だけシャフト12に対する長尺医療機器の固定がなされるため、操作が容易である。
[第2実施形態]
図4は、本発明の第2実施形態に係るカテーテル10Bの一部省略斜視図である。なお、第2実施形態に係るカテーテル10Bにおいて、第1実施形態に係るカテーテル10Aと同一又は同様な機能及び効果を奏する要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
上述したカテーテル10Aでは、ストレインリリーフ16の外側面を内方に押圧することで押圧機構18を作動状態とする構成であるが、本実施形態に係るカテーテル10Bは、押圧機構36と操作部38とを備え、操作部38を変位させることにより、押圧機構36の非作動状態と作動状態とを切り換えるように構成されている。
図5A及び図5Bは、押圧機構36及びその周辺部位の縦断面図である。図5Aにおいて、押圧機構36は非作動状態であり、図5Bにおいて、押圧機構36は作動状態である。
押圧機構36は、ストレインリリーフ34の内部においてシャフト12を基準として互いに反対側に配置された第1押圧部材20C及び第2押圧部材20Bと、第1押圧部材20Cと第2押圧部材20Bとの間に配置された弾性部材30とを有する。押圧機構36は第1押圧部材20Cの構成において、第1実施形態における押圧機構18と異なる。第1押圧部材20Cのベース部40の外側面(シャフト12と反対側の面)は、シャフト12の軸線に対して傾斜したテーパ部41が設けられている。本実施形態では、テーパ部41は、基端方向に向かうに従って外方に寄るように傾斜している。
ストレインリリーフ34には、ストレインリリーフ34の内外を半径方向に貫通する側孔44が設けられ、この側孔44を介して第1押圧部材20Cが露出している。この側孔44は、ストレインリリーフ34の長手方向(シャフト12の軸線方向)に沿って延在する。ストレインリリーフ34には、シャフト12と平行に延在する2つのガイド孔46が設けられる。2つのガイド孔46は、側孔44の内側面にて開口している。
側孔44の内側には、円筒形のローラの形態をした操作部38が配置されている。操作部38の両側からは軸部38aが突出し、ガイド孔46に軸部38aが挿入されている。これにより、操作部38は、軸部38aを中心として回転可能であり且つシャフト12の軸線方向に移動可能な状態で、ストレインリリーフ34に支持されている。操作部38の外周面は、第1押圧部材20Cの外側面と接触している。
操作部38は、シャフト12を変形させないように第1押圧部材20Cと第2押圧部材20Bの間隔を広げる「解除位置」(図5A参照)と、シャフト12を変形させるように第1押圧部材20Cと第2押圧部材20Bの間隔を狭める「固定位置」(図5B参照)とに変位可能である。本実施形態では、操作部38は、可動範囲の先端側の位置が、解除位置であり、可動範囲の基端側の位置が、固定位置となっている。
次に、第2実施形態に係るカテーテル10Bの作用及び効果を説明する。図5Aにおいて、カテーテル10Bの内腔12aに、長尺医療機器の一例としてのガイドワイヤ11が挿通されている。この状態では、操作部38は可動範囲の先端側、つまり解除位置にあり、押圧機構36はシャフト12を押圧しておらず、押圧機構36の内側にあるシャフト12は、直線状を呈している。従って、この状態では、シャフト12に挿通されたガイドワイヤ11は、カテーテル10Bに対して軸線方向に移動可能である。
カテーテル10Bとガイドワイヤ11との位置関係を保持したまま、両者を一体的に血管内で前進させる手技を行うためには、以下のような固定操作を行い、押圧機構36の作用下に、カテーテル10Bに対するガイドワイヤ11の軸線方向の移動を規制する。この固定操作では、図5Bに示すように、カテーテル10Bの使用者は、操作部38を回転させながら固定位置へ移動させる。そうすると、第1押圧部材20Cにテーパ部41が設けられていることにより、操作部38の基端方向への移動に伴って、操作部38によって第1押圧部材20Cがシャフト12側に押圧され、第1押圧部材20Cが第2押圧部材20Bに近づく方向に変位する。
第1押圧部材20Cの変位に伴って、第1押圧部材20C及び第2押圧部材20Bに設けられた押圧突起部26a、26bがシャフト12の外側面を押圧し、これにより、第1実施形態における押圧機構18(図2B)と同様に、シャフト12を波形状に変形させる。この結果、カテーテル10Bにガイドワイヤ11が挿通された状態で、カテーテル10Bに対するガイドワイヤ11の軸線方向の移動が規制(阻止)された状態となる。なお、シャフト12が波形状に変形することに伴い、波形状に変形した部分よりも先端側のシャフト12(挿通孔21に挿通された部分)が、ストレインリリーフ34に対して基端方向に変位するため、シャフト12の変形が阻害されることがない。
カテーテル10Bに対するガイドワイヤ11の固定を解除し、カテーテル10Bに対してガイドワイヤ11を軸線方向に移動可能にする、すなわち押圧機構36を非作動状態にするには、操作部38を解除位置に移動させればよい。すなわち、操作部38を先端方向に移動させて解除位置に戻すと、弾性部材30の弾発力により、第1押圧部材20Cと第2押圧部材20Bの間隔が押し広げられる。これにより第1押圧部材20Cと第2押圧部材20Bによるシャフト12に対する押圧が解除されるため、シャフト12は自らの弾性復元力により、波形状から元の直線状(図5Aの状態)に戻る。この結果、カテーテル10Bに挿通されたガイドワイヤ11は、カテーテル10Bに対して軸線方向に移動可能となる。
このように、本実施形態に係るカテーテル10Bによれば、第1実施形態に係るカテーテル10Aと同様に、カテーテル10Bに対して長尺医療機器を容易且つ迅速に固定することができる。
本実施形態の場合、解除位置と固定位置とに変位可能な操作部38を備えるため、カテーテル10Bに対する長尺医療機器の固定及びその解除を、操作部38の位置を変えるだけで簡単且つ迅速に切り替えることができる。また、固定位置に操作部38を変位させた状態で、ストレインリリーフ34から手を放しても、操作部38の位置を固定位置に保持できるため、使い勝手がよい。特に、本実施形態の場合、操作部38は、ローラの形態であるため、片手で操作することができ、操作性に優れる。
なお、第2実施形態において、第1実施形態と共通する各構成部分については、第1実施形態における当該共通の各構成部分がもたらす作用及び効果と同一又は同様の作用及び効果が得られることは勿論である。
[第3実施形態]
図6A及び図6Bは、本発明の第3実施形態に係るカテーテル10Cにおける押圧機構64及びその周辺部位の縦断面図である。図6Aにおいて、押圧機構64はガイドワイヤ11を固定しない非作動状態であり、図6Bにおいて、押圧機構64はガイドワイヤ11を固定する作動状態である。なお、第3実施形態に係るカテーテル10Cにおいて、第1実施形態に係るカテーテル10Aと同一又は同様な機能及び効果を奏する要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態に係るカテーテル10Cは、ストレインリリーフ50及び押圧機構64の構成において、上述した第1実施形態に係るカテーテル10Aと異なる。ストレインリリーフ50は、ハブ14の先端に固定された基部52と、この基部52の先端側に基部52に対して軸線方向に変位可能に設けられた操作部54とを有する。基部52には、先端方向に開口する第1収容凹部53が設けられる。
操作部54には、シャフト12が軸線方向に挿通されシャフト12の外径と略同じか僅かに大きい内径をもち操作部54の先端にて開口する挿通孔54aと、この挿通孔54aの基端側に連通し基端方向に開口する第2収容凹部55とが設けられる。
操作部54は、基部52の第1収容凹部53に先端側から挿入される。第1収容凹部53と第2収容凹部55により、押圧機構64を収容する収容部56が構成される。操作部54の基端には外方に突出する係合突起部58が設けられる。図示した構成例では、周方向に複数の係合突起部58が設けられるが、周方向に一つだけ係合突起部58が設けられてもよい。また、係合突起部58が操作部54の外周上に外側に突出した状態で環状に連続して設けられてもよい。
基部52の内側面には、係合突起部58が係合可能な第1係合凹部60及び第2係合凹部61が、軸線方向に間隔をおいて設けられる。図示した構成例では、第1係合凹部60及び第2係合凹部61は、係合突起部58の個数に対応して、周方向に間隔をおいて複数個ずつ設けられるが、係合突起部58が1つだけ設けられる場合は、それぞれ周方向に1つずつ設けられればよい。また、係合突起部58が操作部54の外周上に外側に突出した状態で環状に連続して設けられている場合は、第1係合凹部60及び第2係合凹部61も基部52の内面全周に環状に設けられていてもよい。
操作部54は、シャフト12を変形させないように押圧機構64の複数の押圧部材20の間隔を広げる「解除位置」(図6A参照)と、シャフト12を変形させるように複数の押圧部材20の間隔を狭める「固定位置」(図6B参照)とに変位可能である。本実施形態では、係合突起部58と第1係合凹部60とが係合する状態での操作部54の位置が、解除位置であり、係合突起部58と第2係合凹部61とが係合する状態での操作部54の位置が、固定位置である。
押圧機構64は、シャフト12の外側に配置された複数(本実施形態では2つ)の押圧部材20と、複数の押圧部材20の間に配置された弾性部材30とを有し、相互間隔が小さくなる方向に複数の押圧部材20が変位することにより、シャフト12を波形状に変形させるように構成されている。以下、本実施形態では、2つの押圧部材20を区別する場合には、一方の押圧部材20を「第1押圧部材20D」と呼び、他方の押圧部材20を「第2押圧部材20E」と呼ぶ。第1押圧部材20D及び第2押圧部材20Eは、第1実施形態における第1押圧部材20A及び第2押圧部材20Bと同様に、シャフト12に向かって突出する複数の押圧突起部26a、26bを有する。
第1押圧部材20Dのベース部66の外側面(シャフト12と反対側の面)は、シャフト12の軸線に対して基端方向に向かうに従って外方に寄るように傾斜したテーパ部67が設けられている。また、第2押圧部材20Eのベース部68の外側面(シャフト12と反対側の面)は、シャフト12の軸線に対して基端方向に向かうに従って外方に寄るように傾斜したテーパ部69が設けられている。操作部54の基端内周縁は、第1押圧部材20D及び第2押圧部材20Eのテーパ部67、69と接触している。
次に、第3実施形態に係るカテーテル10Cの作用及び効果を説明する。図6Aにおいて、カテーテル10Cの内腔12aに、長尺医療機器の一例としてのガイドワイヤ11が挿通されている。この状態では、操作部54は、係合突起部58と第1係合凹部60とが係合する位置、つまり解除位置にあり、押圧機構64はシャフト12を押圧しておらず、押圧機構64の内側にあるシャフト12は、直線状を呈している。従って、この状態では、シャフト12に挿通されたガイドワイヤ11は、カテーテル10Cに対して軸線方向に移動可能である。
カテーテル10Cとガイドワイヤ11との位置関係を保持したまま、両者を一体的に血管内で前進させる手技を行うためには、以下のような固定操作を行い、押圧機構64の作用下に、カテーテル10Cに対するガイドワイヤ11の軸線方向の移動を規制する。この固定操作では、カテーテル10Cの使用者は、基部52に対して操作部54を基端方向に引っ張って(基部52に対して操作部54を押し込んで)、係合突起部58と第2係合凹部61とが係合する位置(固定位置)に操作部54を移動させる。
本実施形態の場合、操作部54に作用する基端方向への力が、係合突起部58と第1係合凹部60との係合力を上回ると、操作部54の基端が内側に弾性変形することにより、係合突起部58と第1係合凹部60との係合が外れ、操作部54が基端方向に移動可能となる。第1係合凹部60と第2係合凹部61の距離だけ、操作部54を基端方向に移動させると、係合突起部58と第2係合凹部61とが係合する。係合突起部58と第2係合凹部61との係合力により、操作部54は、固定位置に一時的に保持される。
一方、操作部54が基部52に対して基端方向に移動する過程で、操作部54の基端内周縁がテーパ部67、69を内側に押すことにより、第1押圧部材20D及び第2押圧部材20Eがシャフト12側に押圧される。すなわち、第1押圧部材20Dと第2押圧部材20Eとが互いに近づく方向に変位する。第1押圧部材20Dと第2押圧部材20Eの変位に伴って、第1押圧部材20D及び第2押圧部材20Eに設けられた押圧突起部26a、26bがシャフト12の外側面を押圧する。これにより、第1実施形態における押圧機構18(図2B)と同様に、押圧機構64がシャフト12を波形状に変形させる(図6B参照)。この結果、カテーテル10Cにガイドワイヤ11が挿通された状態で、カテーテル10Cに対するガイドワイヤ11の軸線方向の移動が規制(阻止)されるに至る。
なお、シャフト12が波形状に変形することに伴い、波形状に変形した部分よりも先端側のシャフト12(挿通孔54aに挿通された部分)が、操作部54に対して基端方向に変位するため、シャフト12の変形が阻害されることがない。
カテーテル10Cに対するガイドワイヤ11の固定を解除し、カテーテル10Cに対してガイドワイヤ11を軸線方向に移動可能にする、すなわち押圧機構64を非作動状態にするには、操作部54を解除位置に移動させればよい。すなわち、操作部54を先端方向に移動させて解除位置に戻すと、弾性部材30の弾発力により、第1押圧部材20Dと第2押圧部材20Eの間隔が押し広げられる。これにより第1押圧部材20Dと第2押圧部材20Eによるシャフト12に対する押圧が解除されるため、シャフト12は自らの弾性復元力により、波形状から元の直線状(図6Aの状態)に戻る。この結果、カテーテル10Cに挿通されたガイドワイヤ11は、カテーテル10Cに対して軸線方向に移動可能となる。
なお、第1押圧部材20Dと第2押圧部材20Eをシャフト12側に変位させる力が取り除かれた際に、波形状に変形したシャフト12が、シャフト12自体の弾性復元力で十分に直線状に戻ることが可能であれば、弾性部材30はなくてもよい。この点は、後述する第4実施形態においても同様である。
このように、本実施形態に係るカテーテル10Cによれば、第1実施形態に係るカテーテル10Aと同様に、カテーテル10Cに対して長尺医療機器を容易且つ迅速に固定することができる。
本実施形態の場合、解除位置と固定位置とに変位可能な操作部54を備えるため、カテーテル10Cに対する長尺医療機器の固定及びその解除を、操作部54の位置を変えるだけで簡単且つ迅速に切り替えることができる。また、固定位置に操作部54を変位させた状態で、ストレインリリーフ50から手を放しても、操作部54の位置を固定位置に保持できるため、使い勝手がよい。
なお、第3実施形態において、第1実施形態と共通する各構成部分については、第1実施形態における当該共通の各構成部分がもたらす作用及び効果と同一又は同様の作用及び効果が得られることは勿論である。
[第4実施形態]
図7A及び図7Bは、本発明の第4実施形態に係るカテーテル10Dにおける押圧機構64及びその周辺部位の縦断面図である。図7Aにおいて、押圧機構64はガイドワイヤ11を固定しない非作動状態であり、図7Bにおいて、押圧機構64はガイドワイヤ11を固定する作動状態である。なお、第4実施形態に係るカテーテル10Dにおいて、第1実施形態及び第3実施形態に係るカテーテル10A、10Cと同一又は同様な機能及び効果を奏する要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態に係るカテーテル10Dは、上述した第3実施形態に係るカテーテル10Cに対する変形例に相当するものであり、より具体的には、ストレインリリーフ70の構成に関して、第3実施形態に係るカテーテル10Cと異なる。
第3実施形態に係るカテーテル10Cでは、ストレインリリーフ50を構成する基部52と操作部54とが、係合突起部58と第1係合凹部60又は第2係合凹部61との係合により相互連結される構造が採用されている。これに対し、第4実施形態に係るカテーテル10Dでは、ストレインリリーフ70を構成する基部52と操作部54とが、ネジ嵌合により相互連結される構造が採用されている。
ストレインリリーフ70において、基部52の先端側内周面には、雌ネジ72が設けられ、操作部54の基端側外周面には、雄ネジ74が設けられ、雌ネジ72と雄ネジ74とが螺合することにより、基部52と操作部54が相互連結されている。操作部54は、基部52に対して周方向に回転することにより、基部52に対して軸線方向に変位可能である。
具体的には、操作部54は、シャフト12を変形させないように押圧機構64の第1押圧部材20Dと第2押圧部材20Eの間隔を広げる「解除位置」(図7A参照)と、シャフト12を変形させるように第1押圧部材20Dと第2押圧部材20Eの間隔を狭める「固定位置」(図7B参照)とに変位可能である。本実施形態では、基部52に対して比較的浅く螺合する状態での操作部54の位置が、解除位置であり、基部52に対して比較的深く螺合する状態での操作部54の位置が、固定位置である。
次に、第4実施形態に係るカテーテル10Dの作用及び効果を説明する。図7Aにおいて、カテーテル10Dの内腔12aに、長尺医療機器の一例としてのガイドワイヤ11が挿通されている。この状態では、操作部54は、基部52との螺合が比較的浅い位置、つまり解除位置にあり、押圧機構64はシャフト12を押圧しておらず、押圧機構64の内側にあるシャフト12は、直線状を呈している。従って、この状態では、シャフト12に挿通されたガイドワイヤ11は、カテーテル10Dに対して軸線方向に移動可能である。
カテーテル10Dとガイドワイヤ11との位置関係を保持したまま、両者を一体的に血管内で前進させる手技を行うためには、以下のような固定操作を行い、押圧機構64の作用下に、カテーテル10Dに対するガイドワイヤ11の軸線方向の移動を規制する。この固定操作では、カテーテル10Dの使用者は、基部52に対して操作部54を周方向に回転させて基端方向に移動させることにより、操作部54を固定位置に移動させる。
一方、操作部54が基部52に対して基端方向に移動する過程で、操作部54の基端内周縁がテーパ部67、69を内側に押すことにより、第1押圧部材20D及び第2押圧部材20Eがシャフト12側に押圧される。すなわち、第1押圧部材20Dと第2押圧部材20Eとが互いに近づく方向に変位する。第1押圧部材20Dと第2押圧部材20Eの変位に伴って、第1押圧部材20D及び第2押圧部材20Eに設けられた押圧突起部26a、26bがシャフト12の外側面を押圧する。これにより、第1実施形態における押圧機構18(図2B)と同様に、押圧機構64がシャフト12を波形状に変形させる(図7B参照)。この結果、カテーテル10Dにガイドワイヤ11が挿通された状態で、カテーテル10Dに対するガイドワイヤ11の軸線方向の移動が規制(阻止)されるに至る。
カテーテル10Dに対するガイドワイヤ11の固定を解除し、カテーテル10Dに対してガイドワイヤ11を軸線方向に移動可能にする、すなわち押圧機構64を非作動状態にするには、操作部54を解除位置に移動させればよい。すなわち、固定操作を行う場合とは逆方向に、操作部54を基部52に対して周方向に回転させることにより、操作部54を解除位置に戻すと、弾性部材30の弾発力により、第1押圧部材20Dと第2押圧部材20Eの間隔が押し広げられる。これにより第1押圧部材20Dと第2押圧部材20Eによるシャフト12に対する押圧が解除されるため、シャフト12は自らの弾性復元力により、波形状から元の直線状(図7Aの状態)に戻る。この結果、カテーテル10Dに挿通されたガイドワイヤ11は、カテーテル10Dに対して軸線方向に移動可能となる。
このように、本実施形態に係るカテーテル10Dによれば、第1実施形態に係るカテーテル10Aと同様に、カテーテル10Dに対して長尺医療機器を容易且つ迅速に固定することができる。
本実施形態の場合、解除位置と固定位置とに変位可能な操作部54を備えるため、カテーテル10Dに対する長尺医療機器の固定及びその解除を、操作部54に対する回転操作によってその位置を変えるだけで簡単且つ迅速に切り替えることができる。また、固定位置に操作部54を変位させた状態で、ストレインリリーフ70から手を放しても、操作部54の位置を固定位置に保持できるため、使い勝手がよい。
なお、第4実施形態において、第1実施形態と共通する各構成部分については、第1実施形態における当該共通の各構成部分がもたらす作用及び効果と同一又は同様の作用及び効果が得られることは勿論である。
[他の変形例]
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。例えば、以下のような変形例を採用してもよい。
上述した各実施形態では、シャフト12を基準として互いに反対側に2つの押圧部材20が設けられ、2つの押圧部材20による押圧によりシャフト12が押圧されると、2次元的に波形状に変形させられたが、このような構成に代えて、シャフト12を基準として周方向に間隔をおいて3つ以上の押圧部材20が設けられてもよい。この場合、3つ以上の押圧部材20によりシャフト12が押圧されると、シャフト12は3次元的に波形状に変形させられる。
上述した各実施形態では、複数の押圧部材20において、軸線方向の位置が互いに異なる複数の押圧突起部26a、26bが設けられることにより、複数の押圧突起部26a、26bがシャフト12の外側面を押圧した際に、シャフト12を波形状に変形させる構成が採用されたが、このような構成に代えて、同一の軸線方向の位置でシャフト12の外側面を押圧する複数の押圧部材が採用されてもよい。この場合、当該複数の押圧部材は、シャフト12に対する押圧箇所を扁平形状に変形させることにより、シャフト12に挿通された長尺医療機器のシャフト12に対する軸線方向の移動を阻止する。
10A〜10D…カテーテル 11…ガイドワイヤ
12…シャフト 14…ハブ
16、34、50、70…ストレインリリーフ
18、36、64…押圧機構 20、20A〜20E…押圧部材
26a、26b…押圧突起部 38、54…操作部

Claims (8)

  1. 可撓性を有する長尺な中空状の部材からなり、その内腔に長尺医療機器を挿通することが可能なシャフトと、
    前記シャフトの基端側で前記シャフトの外側に配置され、前記シャフトを押圧して変形させることが可能な押圧機構と、を備え、
    前記シャフトの前記内腔に前記長尺医療機器が挿通された状態で、前記押圧機構が前記シャフトを変形させることにより、前記シャフトに対する前記長尺医療機器の軸線方向の移動が規制される、
    ことを特徴とするカテーテル。
  2. 請求項1記載のカテーテルにおいて、
    押圧機構は、前記シャフトの外側に配置された複数の押圧部材を有し、相互間隔が小さくなる方向に前記複数の押圧部材の少なくとも一つが変位することにより、前記シャフトを変形させる、
    ことを特徴とするカテーテル。
  3. 請求項2記載のカテーテルにおいて、
    前記複数の押圧部材の各々は、前記シャフトに向かって突出する押圧突起部を有し、
    複数の前記押圧突起部は、前記シャフトの軸線方向に関して互いにずれた位置に設けられる、
    ことを特徴とするカテーテル。
  4. 請求項2又は3記載のカテーテルにおいて、
    前記複数の押圧部材の間に、前記複数の押圧部材の間隔を広げる方向に弾発力を作用させる弾性部材が設けられる、
    ことを特徴とするカテーテル。
  5. 請求項1記載のカテーテルにおいて、
    前記押圧機構は、作動状態で、前記シャフトを波形状に屈曲変形させる、
    ことを特徴とするカテーテル。
  6. 請求項2〜4のいずれか1項に記載のカテーテルにおいて、
    前記シャフトの基端に固定されたハブと、
    前記シャフトの前記ハブへの接続部で前記シャフトの外側に設けられたストレインリリーフと、を備え、
    前記複数の押圧部材は、前記ストレインリリーフの内側に設けられる、
    ことを特徴とするカテーテル。
  7. 請求項6記載のカテーテルにおいて、
    前記ストレインリリーフの外側面に対して押圧操作がなされた際に、前記ストレインリリーフの弾性変形に伴って前記複数の押圧部材の間隔が狭まることにより、前記複数の押圧部材が前記シャフトの外側面を押圧して前記シャフトを変形させる、
    ことを特徴とするカテーテル。
  8. 請求項6記載のカテーテルにおいて、
    前記シャフトを変形させないように前記複数の押圧部材の間隔を広げる解除位置と、前記シャフトを変形させるように前記複数の押圧部材の間隔を狭める固定位置とに変位可能な操作部を備える、
    ことを特徴とするカテーテル。
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