JP2017157692A - 検査装置及び検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光ビームに対する半導体試料の好適な位置を低コストで決定する技術を提供する。【解決手段】太陽電池が、試料台に保持されるS10。そして、太陽電池の主面を撮影して取得された主面画像に基づいて、太陽電池の厚さ方向における仮検査用位置が決定されるS20。続いて、太陽電池を仮検査用位置及び仮検査用位置とはZ軸方向に異なる鉛直位置に配された太陽電池にパルス光を照射することで放射されるテラヘルツ波各々の強度に基づいて、検査用位置が決定されるS30。そして、検査用位置に配された太陽電池にパルス光が配された状態で、太陽電池の検査が行われるS40。【選択図】図5

Description

この発明は、半導体試料を検査する技術に関する。
半導体試料に対して、所定波長の光ビームを照射し、それによって半導体試料から放射されるテラヘルツ波を検出することによって、当該半導体試料を検査する技術が知られている(例えば、特許文献1等)。
特開2013−19861号公報
ところで、平行光でない光ビームを光学系で集光して半導体試料に照射する場合、半導体試料の厚さ方向の位置に応じて、半導体試料から放射されるテラヘルツ波の強度が変化する場合がある。これは、光ビームに対する半導体試料の位置が変わることで、光ビームの照射状態が変化するためである。半導体試料を良好に検査するためには、半導体試料から高強度のテラヘルツ波を放射させる必要があり、そのためには、光ビームの光路に対して半導体試料を最適な位置に配する必要がある。
例えば、太陽電池を検査する場合、一般的には太陽電池セルの表面付近に光ビームを集光させることによって、高強度のテラヘルツ波を放射させることが可能である。そこで、従来は、光ビームの集光位置を太陽電池の表面付近に合わせるために、測長器を用いて表面位置が高精度に特定されている。しかしながら、測長器が比較的高価であることから、低コストで半導体試料の好適な位置を決定する技術が望まれている。
また、ワンセルモジュールと呼ばれる製品モジュールに近い状態では、太陽電池セルがエチレン酢酸ビニル(EVA)に封止され、さらに並板ガラス等が重ねられる場合がある。このようなワンセルモジュールの場合、太陽電池セルの表面の位置を測長器で正確に特定することが困難であるため、高強度のテラヘルツ波を発生させることが困難であった。
本発明は、光ビームに対する半導体試料の好適な位置を低コストで決定する技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、第1の態様は、光ビームの照射に応じて半導体試料から放射されるテラヘルツ波を検出する検査装置であって、前記半導体試料を保持する保持部と、前記半導体試料からテラヘルツ波を放射させる光ビームを、光学系で集光して、前記保持部に保持されている前記半導体試料の主面に照射する光ビーム照射部と、前記保持部に保持されている前記半導体試料から放射される前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、前記光ビームの光路に対して、前記保持部を前記主面に交差する厚さ方向に移動させる第一移動機構と、前記主面の外観像を得る外観像取得部と、前記外観像に基づき、前記光路に対して前記半導体試料が配される前記厚さ方向の第一位置を決定する第一位置決定部と、前記第一位置及び前記第一位置とは前記厚さ方向に異なる位置に配された前記半導体試料に前記光ビームを照射することで放射される前記テラヘルツ波各々の強度に基づいて、前記光路に対して前記半導体試料が配される前記厚さ方向の第二位置を決定する第二位置決定部とを備える。
また、第2の態様は、第1の態様に係る検査装置であって、前記外観像取得部は、前記主面を撮影することによって主面画像を取得する撮影部を含み、前記第一位置決定部は、前記主面画像において、前記主面に形成されている表面構造物のエッジを抽出することによって、前記第一位置を決定する。
また、第3の態様は、第1の態様に係る検査装置であって、前記外観像取得部は、前記主面を撮影することによって主面画像を取得する撮影部を含み、前記第一位置決定部は、前記主面画像において、前記主面に前記光ビームが照射されることで形成されるスポットの大きさに基づいて、前記第一位置を決定する。
また、第4の態様は、第3の態様に係る検査装置であって、前記第一位置決定部は、前記主面に形成された表面構造物の表面に前記光ビームが照射されることで形成される前記スポットの大きさに基づいて、前記第一位置を決定する。
また、第5の態様は、第4の態様に係る検査装置であって、前記表面構造物が、非透明性の電極である。
また、第6の態様は、第3から第5の態様のいずれか1つに係る検査装置であって、前記光ビーム照射部は、前記光ビームが前記主面に平行な第一方向に沿って、前記主面に斜めに入射するように前記光ビームを照射し、前記第一位置決定部は、前記スポットの、前記第一方向に直交する第二方向の幅が最も小さくなるときの前記半導体試料の位置に基づいて、前記第一位置を決定する。
また、第7の態様は、第3から第6の態様のいずれか1つに係る検査装置において、前記光路に対して、前記保持部を前記主面に平行な方向に移動させる第二移動機構、をさらに備え、前記第二移動機構は、前記光ビームの前記スポットが前記電極上の位置と、前記電極上外れる位置との間で移動するように、前記光路に対して前記保持部を移動させる。
また、第8の態様は、第1から第7の態様のいずれか1つに係る検査装置であって、前記光ビームはパルス状のレーザ光であり、前記テラヘルツ波検出部は、前記光ビームを分割して得られる検出用光ビームを受けて、前記テラヘルツ波の強度を検出する検出器と、前記テラヘルツ波に対して前記検出用光ビームに時間遅延を与える遅延部とを備える。
また、第9の態様は、第8の態様に係る検査装置であって、前記第二位置決定部は、前記第一位置に配されている前記半導体試料から放射される前記テラヘルツ波がピークを取るピーク遅延時間を特定し、前記遅延部が前記ピーク遅延時間を含む範囲内の複数の遅延時間を前記検出用光ビームに与えることで検出される前記テラヘルツ波の電界強度に基づき、前記第二位置決定部が前記第二位置を決定する。
また、第10の態様は、光ビームの照射に応じて半導体試料から放射されるテラヘルツ波を検出する検査方法であって、(a)半導体試料を保持する保持工程と、(b)前記半導体試料の主面の外観像に基づいて、前記半導体試料が配される前記主面に交差する厚さ方向における第一位置を決定する第一位置決定工程と、(c)前記第一位置及び前記第一位置とは前記厚さ方向に異なる位置に配された前記半導体試料に前記光ビームを照射することで放射される前記テラヘルツ波各々の強度に基づいて、前記光ビームの光路に対して前記半導体試料が配される前記厚さ方向の第二位置を決定する第二位置決定工程とを含む。
また、第11の態様は、第10の態様に係る検査方法であって、前記第一位置決定工程は、(b-1)前記主面を撮影することによって主面画像を取得する工程と、(b-2)前記主面画像において、前記主面に形成されている表面構造物のエッジを抽出することによって、前記第一位置を決定する工程とを含む。
また、第12の態様は、第10の態様に係る検査方法であって、前記第一位置決定工程は、(b-3)前記主面に前記光ビームを照射してスポットを形成する工程と、(b-4)前記外観像における前記スポットの大きさに基づいて、前記第一位置を決定する工程とを含む。
第1の態様に係る検査装置によると、半導体試料の主面の外観像に基づき、半導体試料がテラヘルツ波を放射可能な第一位置が決定される。続いて、光ビームの光路に対して、半導体試料を第一位置から厚さ方向に移動させて、各位置で計測されるテラヘルツ波強度を計測することによって、高強度のテラヘルツ波が放射される第二位置を決定できる。これによって、検査に適した、半導体試料の第二位置を、低コストかつ高精度に決定できる。
また、第2の態様に係る検査装置によると、主面画像から抽出される表面構造物のエッジに基づき、表面構造物の位置を特定できる。これによって、半導体試料がテラヘルツ波を放射できる第一位置を好適に決定できる。
また、第3の態様に係る検査装置によると、光ビームのスポットの大きさを計測することによって、光ビームの集光位置を半導体試料の主面に合わせることができる。これによって、半導体試料がテラヘルツ波を放射可能な第一位置を好適に決定できる。
また、第4の態様に係る検査装置によると、主面のうち、表面構造物の表面に光ビームのスポットを良好に形成できるため、第一位置を好適に決定できる。
また、第5の態様に係る検査装置によると、非透明性の電極の表面に光ビームのスポットを良好に形成できるため、第一位置を好適に決定できる。
また、第6の態様に係る検査装置によると、入射方向に直交する方向の幅を基準とすることによって、スポットの大きさを精度よく測ることができる。このため、第一位置を好適に決定できる。
また、第7の態様に係る検査装置によると、電極上に光ビームを当てることで第一位置を決定した後、光ビームのスポットの位置を電極上から外れた位置に移動させて光ビームを照射することによって、テラヘルツ波を良好に放射させることが可能となる。これによって、第二位置を適切に決定できる。
また、第8の態様に係る検査装置によると、遅延部によって検出用光ビームに時間遅延を与えることによって、テラヘルツ波を異なる位相各々で検出できる。これによって、テラヘルツ波の時間波形を復元できるため、測定に好適な第二位置を好適に決定できる。
また、第9の態様に係る検査装置によると、半導体試料が第一位置から移動させることで光路長が変化することによって、テラヘルツ波、ピークを取る遅延時間が変動する。そこで、第一位置でのテラヘルツ波のピーク遅延時間を特定し、その他の位置でのテラヘルツ波を、前記ピーク遅延時間を含む範囲内の遅延時間で検出することで、放射されるテラヘルツ波各々のピークを検出することが容易となる。
第10の態様に係る検査方法によると、半導体試料の主面の外観像に基づき、半導体試料がテラヘルツ波を放射可能な第一位置が決定される。続いて、光ビームの光路に対して、半導体試料を第一位置から厚さ方向に異なる位置に移動させて、各位置で計測されるテラヘルツ波強度を計測することによって、高強度のテラヘルツ波が放射される第二位置を決定できる。これによって、検査に適した、半導体試料の第二位置を、低コストかつ高精度に決定できる。
また、第11の態様に係る検査方法によると、主面画像から抽出される表面構造物のエッジに基づき、表面構造物の位置を特定できる。これによって、半導体試料がテラヘルツ波を放射できる第一位置を好適に決定できる。
また、第12の態様に係る検査方法によると、光ビームのスポットの大きさを計測することによって、光ビームの集光位置を半導体試料の主面に合わせることができる。これによって、半導体試料がテラヘルツ波を放射可能な第一位置を好適に決定できる。
第1実施形態に係る検査装置の概略側面図である。 第1実施形態に係るテラヘルツ波測定系の概略構成図である。 第1実施形態に係る検査装置における、制御部と他の要素との電気的な接続を示すブロック図である。 第1実施形態に係る制御部の機能モジュールを示すブロック図である。 第1実施形態に係る検査装置の動作を示す流れ図である。 仮検査用位置(第一位置)の決定処理の詳細を示す流れ図である。 主面画像の一例を示す図である。 検査用位置(第二位置)の決定処理の詳細を示す流れ図である。 復元されたテラヘルツ波LT1の時間波形を示す図である。 太陽電池の主面とパルス光の光路との位置関係を示す概略側面図である。 異なる鉛直位置に配された太陽電池から放射されるテラヘルツ波の時間波形を示す図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
<1. 第1実施形態>
<検査装置の構成>
図1は、第1実施形態に係る検査装置100の概略側面図である。検査装置100は、装置架台1、テラヘルツ波測定系2、移動ステージ3、試料台4、ルミネッセンス測定系5、カメラ6及び制御部7を備えている。検査装置100は、各種の刺激(ここでは、光の照射及び電圧の印加)に応じて半導体試料から放射される放射電磁波を検出し、その放射電磁波の強度分布を画像化するように構成されている。具体的に、放射電磁波は、EL(エレクトロルミネッセンス)によって発生するEL光、PL(フォトルミネッセンス)によって発生するPL光、及び、テラヘルツ波を含む。
図1及び以降の各図にはそれらの方向関係を明確にするためZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とする右手系のXYZ直交座標系を適宜付している。ここでは、移動ステージ3の表面に平行な面を水平面(XY平面)とし、それに垂直な上下方向を鉛直方向(Z軸方向)としている。また、ルミネッセンス測定系5から見て、テラヘルツ波測定系2が配置されている側を+Y側とし、その反対側を−Y側としている。さらにまた、ルミネッセンス測定系5の側からテラヘルツ波測定系2の側を見たとき、右手側は+X側とし、左手側は−X側としている。また、Z軸方向の上側を+Z側とし、下側を−Z側としている。
<テラヘルツ波測定系2>
テラヘルツ波測定系2は、半導体試料に対して光ビーム(後述するパルス光LP11)を照射し、該光ビームの照射に応じて放射されるテラヘルツ波を検出する。また、検査装置100は、検出されたテラヘルツ波(0.1THz〜30THzの電磁波)の強度を画像化する。テラヘルツ波測定系2の構成については、後に詳述する。
ここで、半導体試料とは、半導体によりトランジスタ、集積回路(ICやLSI)、抵抗またはコンデンサなどにより構成される電子デバイス(半導体デバイス)の他、フォトダイオード、CMOSセンサ若しくはCCDセンサなどのイメージセンサ、太陽電池またはLED等、半導体の光電効果を利用する電子デバイス(フォトデバイス)を含む。半導体試料の表面は、平面状に形成されているものとするが、曲面状などに形成されていてもよい。
本実施形態では、半導体試料が太陽電池9であるものとして説明する。太陽電池9は、太陽電池セル単独のものであってもよいし、ワンセルモジュールの太陽電池(太陽電池セルをEVA等の樹脂で封止し、並板ガラスで覆ったもの)であってもよく、また製品モジュールであってもよい。なお、検査装置100によれば、太陽電池9以外の半導体試料についても、太陽電池9と同様に検査できる。
<移動ステージ3>
移動ステージ3は、ステージ駆動機構31によって、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の各方向に移動する。ステージ駆動機構31は、移動ステージ3をX軸方向に移動させるX軸方向移動機構、移動ステージ3をY軸方向に移動するY軸方向移動機構、移動ステージ3をZ軸方向に昇降させる昇降機構を備えている。さらに、ステージ駆動機構31は、Z軸周りの回転方向(θ軸方向)に移動させる回転機構を備えている。
<試料台4>
試料台4は、移動ステージ3の上面に取り付けられている。試料台4は、電圧印加テーブル41と、電極ピンユニット43を備えている。
電圧印加テーブル41は、例えば銅などの電気伝導性の高い素材で構成されており、さらにその表面が金メッキされている。また、電圧印加テーブル41の表面には、複数の吸着孔が形成されている。吸着孔は吸引ポンプに接続されており、当該吸引ポンプを駆動することによって、太陽電池9の裏面が電圧印加テーブル41に吸着される。これによって、太陽電池9が試料台4に固定される。なお、電圧印加テーブル41の表面に、複数の吸着溝を設け、当該各吸着溝内に、上記複数の吸着孔を形成してもよい。この場合、複数の吸着溝に沿って太陽電池9が吸着されるため、太陽電池9を強固に固定できる。試料台4の電圧印加テーブル41は、保持部の一例である。
移動ステージ3がX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動することよって、移動ステージ3上の試料台4に保持された太陽電池9が、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のそれぞれに移動する。
試料台4は、太陽電池9を、その主面9SがX軸方向及びY軸方向に平行となる姿勢で支持する。試料台4に支持された太陽電池9の厚さ方向は、Z軸方向すなわち鉛直方向に一致する。以下の説明では、太陽電池9の、厚さ方向における位置を「鉛直位置」と称する。ステージ駆動機構31が移動ステージ3及び試料台4をZ軸方向に昇降させることによって、太陽電池9の鉛直位置が変更される。Z軸方向は、第一方向に相当する。
また、ステージ駆動機構31が移動ステージ3及び試料台4をX軸方向またはY軸方向に移動させることによって、太陽電池9の位置(水平方向の位置)が変更される。X軸方向、Y軸方向、または、これらの合成方向は、第二方向に相当する。
図1が示すように、ステージ駆動機構31のY軸方向移動機構は、移動ステージ3を位置L1,L2,L3のそれぞれに移動させる。位置L1は、太陽電池9を電圧印加テーブル41に設置するための位置である。位置L2は、位置L1より+Y側の位置であって、ルミネッセンス測定系5(第一検査部)において太陽電池9のEL測定またはPL測定を行う位置である。さらに、位置L3は、位置L2より+Y側の位置であって、太陽電池9のテラヘルツ波測定を行う位置である。
電極ピンユニット43は、導電性の複数の電極ピン431と、当該複数の電極ピン431を支持する導電性の電極バー432を備えている。
電極バー432は、複数の棒状の電極ピン431を、Y軸方向に所定の間隔をあけて、かつ、各々がZ方向に沿って起立するように保持する。本実施形態では、電極バー432は、試料台4に保持された太陽電池9の表面側電極(不図示)に沿うように複数の電極ピン431を保持している。
試料台4は、電圧印加テーブル41を太陽電池9の裏面側電極(不図示)に接触させ、かつ、複数の電極ピン431を、太陽電池9の表面側電極に接触させる。電圧印加テーブル41及び電極ピンユニット43は、電気的に接続されており、太陽電池9の表面側電極及び裏面側電極の間で電圧を印加する。
<ルミネッセンス測定系5>
ルミネッセンス測定系5は、EL測定またはPL測定を行う。以下の説明では、EL測定及びPL測定のそれぞれを、特に区別しない場合には、単に「ルミネッセンス測定」と称する場合がある。ルミネッセンス測定系5では、カバー部材51によって太陽電池9が覆われ、その状態でルミネッセンス測定が行われる。
より具体的には、ルミネッセンス測定系5は、EL測定を行うためのイメージセンサ53を備えている。EL測定を行う場合には、ルミネッセンス測定系5において、電圧印加テーブル41及び電極ピンユニット43を介して、太陽電池9に順方向バイアスの電圧が印加される。これによって、ルミネッセンス測定系5は、太陽電池9をEL発光させ、当該EL発光をイメージセンサ53によって検出する。このように、電圧印加テーブル41及び電極ピンユニット43は、太陽電池9からEL光(電磁波)を放射させる電磁波放射誘起部の一例である。また、イメージセンサ53は、太陽電池9から放射されたEL光の強度を検出する電磁波強度検出部の一例である。イメージセンサ53から出力された信号は、制御部7に送られ、EL光の強度を画像化したEL画像が生成される。イメージセンサ53は、例えば波長が約800nm〜1600nmの光を検出可能であることが好ましく、波長が約1000nm〜1400nmの光を検出可能であることがより好ましい。
また、ルミネッセンス測定系5は、PL光ビーム源55を備えている。ルミネッセンス測定系5は、PL光ビーム源55から照射されたPL光ビームによって、太陽電池9をPL発光させ、当該PL発光をイメージセンサ53によって検出する。PL光ビーム源55は、太陽電池9にPL光(電磁波)を放射させる電磁波放射誘起部の一例である。また、イメージセンサ53は、太陽電池9から放射されたPL光の強度(電磁波強度)を検出する電磁波強度検出部の一例である。なお、PL光ビームとPL光とは、互いに波長が異なっている。イメージセンサ53から出力された信号は、制御部7に送られ、PL光の強度を画像化したPL画像が生成される。
以下の説明では、EL画像及びPL画像のそれぞれを、特に区別しない場合には、単に「ルミネッセンス画像」と称する場合がある。
ルミネッセンス測定系5において、EL測定の構成及びPL測定の構成が、1つのカバー部材51内に収納されている。ただし、カバー部材51を2つ設けて、EL測定の構成及びPL測定の構成のそれぞれを、各カバー部材51に個別に収容してもよい。また、検査装置100がEL測定の構成及びPL測定の構成の双方を備えていることは必須ではなく、どちらか一方のみの構成を備えていてもよい。また、検査装置100がテラヘルツ波測定系2及びルミネッセンス測定系5の双方を備えていることは必須ではなく、どちらか一方が省略されていてもよい。
図2は、第1実施形態に係るテラヘルツ波測定系2の概略構成図である。テラヘルツ波測定系2は、光ビーム照射部22、テラヘルツ波検出部23及び遅延部24を備えている。
光ビーム照射部22は、フェムト秒レーザ221を備えている。フェムト秒レーザ221は、例えば、360nm(ナノメートル)以上1.5μm(マイクロメートル)以下の可視光領域を含む波長のパルス状の光ビーム(パルス光LP1)を放射する。具体例としては、中心波長が800nm付近であり、周期が数kHz〜数百MHz、パルス幅が10〜150フェムト秒程度の直線偏光のパルス光が、フェムト秒レーザ221から放射される。もちろん、その他の波長領域(例えば、青色波長(450〜495nm)、緑色波長(495〜570nm)などの可視光波長)のパルス光が出射されるようにしてもよい。
フェムト秒レーザ221から出射されたパルス光LP1は、ビームスプリッタBE1により2つに分割される。分割された一方のパルス光LP11(光ビーム)は、光学系222で集光され、太陽電池9に照射される。このとき、光ビーム照射部22は、パルス光LP11の照射を、太陽光を受光する受光面92側から行う。また、パルス光LP11の光軸が、太陽電池9の受光面92に対して斜めとなるように、パルス光LP11が太陽電池9に対して入射する。具体的には、パルス光LP11の入射角度が45度とされている。ただし、パルス光LP11の入射角度は、0度から90度の範囲内で適宜変更することができる。
なお、検査装置100は、結晶シリコン系以外の太陽電池(アモルファスシリコン系など)の検査にも適用可能である。アモルファスシリコン系太陽電池の場合、一般的に、エネルギーギャップが1.75eV〜1.8eVといったように、結晶シリコン系太陽電池のエネルギーギャップ1.2eVに比べて大きい。このような場合、フェムト秒レーザ221の波長を、例えば700μm以下とすることで、アモルファスシリコン系太陽電池において、テラヘルツ波を良好に発生させることができる。同様の考え方に基づいて、他の半導体太陽電池(CIGS系、GaAS系など)にも適用可能である。
太陽電池9の内部電界が存在する部位に、禁制帯幅を超えるエネルギーを持つパルス光LP11が照射されると、光キャリア(自由電子及び正孔)が発生し、内部電界によって加速される。これにより、パルス状の電流が発生することとなり、それに応じて電磁波が発生することとなる。内部電界は、例えばpn接合部やショットキー接合部などに発生していることが知られている。
マクスウェルの方程式によると、電流に変化が生じたとき、その電流の時間微分に比例した強度の電磁波が発生する。すなわち、空乏層などの光励起キャリア発生領域にパルス光が照射されることで、瞬間的に光電流の発生及び消滅が起こる。この瞬間的に発生する光電流の時間微分に比例して、電磁波パルス(テラヘルツ波LT1)が発生する。
図2が示すように、ビームスプリッタBE1によって分割された他方のパルス光は、検出用光LP12として遅延部24を経由し、テラヘルツ波検出部23のテラヘルツ波検出器231に入射する。また、パルス光LP11の照射に応じて発生したテラヘルツ波LT1は、放物面鏡などによって適宜集光され、テラヘルツ波検出器231に入射する。
なお、図1が示すように、パルス光LP11は、Y軸方向沿って(図1の例では、+Y側から−Y側に向けて)太陽電池9に照射される。また、Y軸方向に沿って(図1の例では、+Y側から−Y側に向けて)放射されるテラヘルツ波LT1が、テラヘルツ波検出器231によって検出される。このように、本実施形態では、パルス光LP11の照射方向、及び、検出されるテラヘルツ波LT1の放射方向が、複数の電極ピン431が所定間隔をあけて配列される方向(すなわち、Y軸方向)に一致している。このため、複数の電極ピン431によって、光ビームであるパルス光LP11が遮られたり、あるいは、発生したテラヘルツ波LT1が複数の電極ピン431によって遮られたりすることを抑制できる。
テラヘルツ波検出器231は、電磁波検出素子として、例えば、光伝導スイッチ(光伝導アンテナ)を備えている。テラヘルツ波LT1がテラヘルツ波検出器231に入射する状態で、検出用光LP12がテラヘルツ波検出器231に照射されると、光伝導スイッチに瞬間的にテラヘルツ波LT1の電界強度に応じた電流が発生する。この電界強度に応じた電流は、不図示のロックインアンプ、I/V変換回路、A/D変換回路などを介してデジタル量に変換される。このようにして、テラヘルツ波検出部23は、検出用光LP12の照射に応じて、太陽電池9を透過したテラヘルツ波LT1の電界強度を検出する。なお、光伝導スイッチとは異なる他の素子、例えばショットキーバリアダイオードまたは非線形光学結晶が、テラヘルツ波LT1の検出素子として採用されてもよい。
遅延部24は、検出用光LP12のテラヘルツ波検出器231への到達時間を連続的に変更する光学装置である。遅延部24は、検出用光LP12の入射方向に沿って直線移動する遅延ステージ241と遅延ステージ241を移動させる遅延ステージ駆動機構242とを備えている。遅延ステージ241は、検出用光LP12をその入射方向に折り返させる折り返しミラー10Mを備えている。また、遅延ステージ駆動機構242は、制御部7の制御に基づいて、検出用光LP12の入射方向に沿って遅延ステージ241を平行移動させる。遅延ステージ241が平行移動することによって、ビームスプリッタBE1からテラヘルツ波検出器231までの検出用光LP12の光路長が連続的に変更される。
遅延ステージ241は、テラヘルツ波LT1がテラヘルツ波検出器231に到達する時間と、検出用光LP12がテラヘルツ波検出器231へ到達する時間との差(位相差)を変更する。具体的には、遅延ステージ241によって、検出用光LP12の光路長を変化することによって、テラヘルツ波検出器231においてテラヘルツ波LT1の電界強度を検出するタイミング(検出タイミングまたはサンプリングタイミング)が遅延される。このように、遅延部24は、パルス光LP11に対して、検出用光LP12に遅延を与える。
なお、遅延ステージ241とは異なる構成によって、検出用光LP12のテラヘルツ波検出器231への到達時間を変更することも可能である。具体的には、電気光学効果を利用することが考えられる。すなわち、印加する電圧を変化させることで屈折率が変化する電気光学素子を、遅延素子として用いてもよい。
また、検出用光LP12の光路長を変更する代わりに、太陽電池9に向かうパルス光LP11の光路長、もしくは、太陽電池9から放射されたテラヘルツ波LT1の光路長を変更してもよい。いずれの場合においても、テラヘルツ波検出器231に検出用光LP12が到達する時間に対して、テラヘルツ波検出器231にテラヘルツ波LT1が到達する時間をずらすことができる。つまり、テラヘルツ波検出器231におけるテラヘルツ波LT1の検出タイミングを遅延させることができる。
ステージ駆動機構31は、移動ステージ3に取付けられた試料台4を、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の各々に移動させる。ステージ駆動機構31は、ボールネジ式の電動アクチュエータ、リニアモータ式の電動アクチュエータ、またはこれらの組合せ等で構成される。
ステージ駆動機構31は、移動ステージ3に取り付けられた試料台4に保持されている太陽電池9を、光ビーム照射部22に対して、XY平面内で相対的に移動させる。つまり、検査装置100は、太陽電池9の主面9Sをパルス光LP11で走査可能に構成されている。したがって、本実施形態では、ステージ駆動機構31は、走査機構を構成している。ただし、太陽電池9を移動させる代わりに、または、太陽電池9を移動させると共に、光ビーム照射部22及びテラヘルツ波検出部23をXY平面内で移動させる移動手段を設けてもよい。例えば、光ビーム照射部22及びテラヘルツ波検出部23を1つの筐体(不図示)内に収納しておき、当該筐体をXY平面内で移動させてもよい。
また、パルス光LP11の光路自体を変更する走査機構(光路変更手段)を採用してもよい。具体的には、往復揺動するガルバノミラーによって、パルス光LP11の光路を、太陽電池9の主面9Sに平行なXY平面に沿って変更することが考えられる。また、ガルバノミラーの代わりに、ポリゴンミラー、ピエゾミラーまたは音響光学素子などを採用してもよい。
太陽電池9について、テラヘルツ波測定を行う場合には、試料台4の電圧印加テーブル41及び電極ピンユニット43を介して、太陽電池9に逆バイアス電圧を印加してもよい。これによって、太陽電池9から放射されるテラヘルツ波LT1の強度を高めることができる。また、電圧印加テーブル41及び電極バー432間を短絡接続して、太陽電池9の表面側電極と裏面側電極とを短絡することも考えられる。この場合においても、太陽電池9から放射されるテラヘルツ波LT1の強度を高めることができる。
図3は、第1実施形態に係る検査装置100における、制御部7と他の要素との電気的な接続を示すブロック図である。図4は、第1実施形態に係る制御部7の機能モジュールを示すブロック図である。
制御部7は、CPU71、ROM72、RAM73及び不揮発性の記録媒体である記憶部74を備えており、一般的なコンピュータとして構成されている。ROM72は、基本プログラムなどを格納している。RAM73は、CPU71が所定の処理を行う際の作業領域として供される。記憶部74は、フラッシュメモリ、あるいは、ハードディスク装置などの不揮発性の記憶装置によって構成されている。記憶部74にはプログラムPG1がインストールされている。該プログラムPG1に記述された手順に従って、主制御部としてのCPU71が演算処理を行う。これによって、図4が示すように、制御部7は、仮検査用位置決定部711及び検査用位置決定部712として機能する。
仮検査用位置決定部711は、太陽電池9の鉛直位置である仮検査用位置TP1(第一位置)を決定する。検査用位置決定部712は、パルス光LP11に対する太陽電池9の相対的な鉛直位置である検査用位置TP2(第二位置)を決定する。仮検査用位置TP1及び検査用位置TP2の各々は、太陽電池9がテラヘルツ波LT1を放射可能な位置である。仮検査用位置TP1は、テラヘルツ波LT1を放射可能な検査用位置TP2を特定するために、検査用位置TP2よりも先に決定される。検査用位置TP2に配された太陽電池9は、通常、仮検査用位置TP1に配されたときよりも高強度のテラヘルツ波LT1を放射する。
プログラムPG1は、通常、予め記憶部74などのメモリに格納されて使用されるものであるが、CD−ROMあるいはDVD−ROM、外部のフラッシュメモリなどの記録媒体に記録された形態(プログラムプロダクト)で提供され(あるいは、ネットワークを介した外部サーバからのダウンロードなどにより提供され)、追加的または交換的に記憶部74などのメモリに保存されてもよい。制御部7において実現される一部あるいは全部の機能は、専用の論理回路などでハードウェア的に実現されてもよい。
図3が示すように、制御部7は、表示部61、操作部62、ステージ駆動機構31、遅延ステージ駆動機構242、ルミネッセンス測定系5、イメージセンサ53及びカメラ6といった検査装置100の各要素とバス配線、ネットワーク回線またはシリアル通信回線などを介して接続されている。制御部7は、これらの要素の動作制御を行ったり、これらの要素からデータを受け取ったりする。
表示部61は、液晶ディスプレイなどの画像を表示する表示装置を構成する。操作部62は、例えば、キーボード及びマウスによって構成される入力デバイスであり、オペレータからの各種の操作(コマンドや各種データの入力といった操作)を受け付ける。なお、操作部62は、各種スイッチ、タッチパネルなどにより構成されてもよい。
<検査装置の動作>
図5は、第1実施形態に係る検査装置100の動作を示す流れ図である。上述したように、検査装置100は、光ビーム(パルス光LP11)を光学系222で集光して半導体試料(太陽電池9)に照射し、それによって半導体試料から放射されるテラヘルツ波LT1を検出する。パルス光LP11の光路に対して、太陽電池9の相対的な位置(特に、厚さ方向(鉛直方向)に関する位置)が変わると、太陽電池9から放射されるテラヘルツ波LT1の電界強度が変わる。これは、太陽電池9におけるテラヘルツ波LT1を放射させる部位(以下、「テラヘルツ波放射部位」と称する。)に対する、パルス光LP11の照射状態が変化するためである。検査装置100では、太陽電池9の検査(ステップS40)に先だち、テラヘルツ波LT1を放射可能な太陽電池9の鉛直位置(仮検査用位置TP1)が決定される(ステップS20)。そして、より高強度のテラヘルツ波LT1を放射可能な太陽電池9の鉛直位置(検査用位置TP2)が決定される。
まず、検査対象の太陽電池9が、検査装置100の試料台4(詳細には、電圧印加テーブル41)に吸着保持される(ステップS10)。
続いて、仮検査用位置決定部711が、仮検査用位置TP1(第一位置)を決定する(ステップS20)。そして、検査用位置決定部712が、検査用位置TP2を決定する(ステップS30)。これらの工程各々の詳細は、後述する。
検査用位置TP2が決定されると、太陽電池9についての検査が行われる。この検査では、検査用位置TP2に配された太陽電池9の主面9S(図7参照)に対して、任意の箇所にパルス光LP11が照射される。そして、パルス光LP11の照射に応じて太陽電池9から放射されたテラヘルツ波LT1の電界強度に基づいて、太陽電池9の欠陥や各種特性等が評価される。
<仮検査用位置(第一位置)の決定処理>
図6は、仮検査用位置TP1(第一位置)の決定処理の詳細を示す流れ図である。仮検査用位置TP1の決定処理(ステップS20)が開始されると、太陽電池9の主面9Sに形成されている表面構造物の位置(主面9S上における位置)を特定する(ステップS200)。表面構造物は、主面9Sのうち、他の部分よりも光(具体的には、パルス光LP11)の反射率が高い表面を有する構造物とされる。ここでは、太陽電池9の主面9Sに形成されている電極90が表面構造物とされる。電極90は、具体的には、フィンガー電極またはバスバー電極等の電極である。フィンガー電極及びバスバー電極は、太陽電池セルの太陽光を受光する受光面92を横断するように設けられる構造物である。バスバー電極は比較的太い電極であり、フィンガー電極はバスバー電極から延びる比較的細い線状の電極である。
ステップS200では、例えば、ルミネッセンス測定系5によって取得されたルミネッセンス画像から、電極90の位置が特定される。ルミネッセンス画像上では、電極90は発光していないため、その位置を容易に特定できる。あるいは、カメラ6が主面9Sを撮影することで取得される主面画像(可視光画像)から、電極90の位置が特定されてもよい。
続いて、太陽電池9の主面9Sに形成された電極90に、パルス光LP11が照射される(ステップS201)。そして、太陽電池9の主面9Sにおける、電極90がカメラ6で撮影される(ステップS202)。より詳細には、電極90のパルス光LP11が照射されている部分がカメラ6で撮影される。カメラ6は、太陽電池9の主面9Sが写った主面画像(すなわち、主面9Sの外観像)を取得する外観像取得部の一例である。
図7は、主面画像の一例を示す図である。図7が示すように、ステップS202では、カメラ6の視野内に、電極90のうちパルス光LP11が照射されている部分が含められて、撮影が行われる。このため、ステップS202で取得される主面画像には、パルス光LP11が電極90上に照射されることによって形成されるスポットSP1の像が含まれる。
図6に戻って、ステップS202で取得された主面画像において、スポットSP1の短径が計測される(ステップS203)。スポットSP1の短径SL1が計測されると、太陽電池9の鉛直位置が、所定の大きさ(変更量H1)だけ変更される(ステップS204)。そして、ステップS202と同様に、表面構造物を写した主面画像がカメラ6で撮影され(ステップS205)、取得された主面画像からスポットSP1の短径SL1が計測される(ステップS206)。
続いて、ステップS206で計測された最新の短径SL1が、前回計測された短径SL1から増大したかどうかが判定される(ステップS207)。短径SL1が減少した場合(ステップS207でNo)、ステップS204〜ステップS207が再び実行される。このように、最新の計測で得られた短径SL1が前回計測された値から増大するまで、ステップS204〜ステップS207が繰り返し行われる。これによって、短径SL1が最小となる、すなわち、スポットSP1が最小となるときの鉛直位置を特定できる。
短径SL1が前回計測時のものよりも増大した場合(ステップS207でYes)、前回計測時の短径SL1が最小値となる(すなわち、スポットSP1が最小である)。そして、このスポットSP1が最小となるときの太陽電池9の鉛直位置(装置的には、移動ステージ3の昇降機構のエンコーダが示す、試料台4の鉛直位置)が、仮検査用位置TP1(第一位置)に決定される(ステップS208)。
このようにステップS20では、スポットSP1が最小となる太陽電池9の鉛直位置が探索されることによって、電極90の表面付近にパルス光LP1の集光位置(焦点)が合う鉛直位置が決定される。
本実施形態では、パルス光LP11が、Y軸方向(第一方向)に沿って、主面9Sに対し斜めに入射する。このため、図7が示すように、スポットSP1は、Y軸方向に延びた長円状となる。より詳細には、パルス光LP11の進行方向側(−Y側)で延びが発生し、明度が低下する。特に、太陽電池9がワンセルモジュールである場合、パルス光LP11が斜めに入射することで、その進行方向において封止材、ガラス等の屈折率の影響を大きく受ける。このため、スポットSP1のY軸方向の両端の位置を正確に特定することは困難である。これに対して、Y軸方向に直交するX軸方向については、延びの影響が小さいため、X軸方向の両端を正確に特定することができる。したがって、スポットSP1のX軸方向の長さ(短径SL1)を測定することによって、スポットSP1の大きさを精度良く測定できる。
電極90が十分に薄い場合、電極90の表面と電極90以外の部分の表面(太陽光を受ける受光面92、図7参照)との高低差がほとんど無視できる。すなわち、パルス光LP11の集光位置FP1を電極90の表面付近に合う仮検査用位置TP1に太陽電池9を配することで、集光位置FP1をテラヘルツ波放射部位である受光面92の高さに合わせることができる。これによって、太陽電池9からテラヘルツ波LT1を良好に放射させることができる。
ステップS208にて、スポットSP1が最小となる鉛直位置を仮検査用位置TP1とすることは必須ではない。例えば、電極90の厚さが既知である場合、スポットSP1が最小となる鉛直位置から、電極90の厚さ分だけ+Z方向にシフトした鉛直位置を、仮検査用位置TP1としてもよい。これによって、スポットSP1の集光位置を、受光面92の鉛直位置に合わせてもよい。
<検査用位置(第二位置)の決定処理>
図8は、検査用位置TP2(第二位置)の決定処理の詳細を示す流れ図である。検査用位置TP2の決定処理(ステップS30)では、まず、パルス光LP11の入射位置を変更するかどうかが判断される(ステップS301)。この判断は、オペレータからの指示入力に基づいて行われる。具体的には、入射位置の変更が必要かどうかを問いかけて、操作入力を促す画像を表示部61に表示し、それに従って、オペレータが操作部62を介して所定の操作入力を行うことが考えられる。
ステップS20が完了した時点では、主面9Sに対するパルス光LP11の入射位置は、太陽電池9の主面9Sのうち、表面構造物である電極90上に設定されている。電極90がパルス光LP11を略透過しない非透明性の素材(アルミ等)で構成されている場合、そのままの入射位置ではテラヘルツ波LT1を発生させることが困難である。この場合は、ステップS301にて入射位置の変更が必要と判断され、入射位置が変更される(ステップS302)。具体的には、電極90の端部から数百μm以上(好ましくは200μm以上、より好ましくは300μm以上)離れた位置に、パルス光LP11の入射位置が変更される。ステージ駆動機構31が試料台4を水平方向に移動させることによって、パルス光LP11の入射位置が変更される。なお、ガルバノミラー等の光路変更手段によって、入射位置を変更してもよい。
電極90が透明電極(例えば、酸化インジウムスズ(ITO)電極)の場合、パルス光LP11の入射位置を変えずとも、テラヘルツ波LT1を発生させることが可能である。この場合は、ステップS301にて入射位置の変更は不要と判断され、ステップS302はスキップされる。
続いて、テラヘルツ波LT1の計測が行われる(ステップS303)。ここでは、仮検査用位置TP1に配された太陽電池9にパルス光LP11が照射され、太陽電池9から放射されるテラヘルツ波LT1の電界強度がテラヘルツ波検出部23によって検出される。その際、遅延部24が、パルス光LP11に対して検出用光LP12に時間遅延を与えることによって、テラヘルツ波検出部23にてテラヘルツ波LT1の異なる位相毎の電界強度が検出される。これによって、テラヘルツ波LT1の時間波形が復元される。
図9は、復元されたテラヘルツ波LT1の時間波形80を示す図である。図9が示すように、ステップS303では、仮検査用位置TP1に配された太陽電池9から放射されたテラヘルツ波LT1の時間波形80が復元される。図9が示す例では、t10〜t20までの範囲内の複数の遅延時間の各々が検出用光LP12に与えられることで、1パルス分のテラヘルツ波LT1が復元される。
図8に戻って、時間波形が復元されると、ピーク遅延時間が特定される(ステップS304)。ピーク遅延時間とは、太陽電池9から放射されるテラヘルツ波LT1がピーク値(最大値)を取るときに、検出用光LP12に与えられている遅延時間である。本例では、ピーク遅延時間の特定は、仮検査用位置TP1(第一位置)に配された太陽電池9から放射されたテラヘルツ波LT1を復元した際に行われる。図9が示す時間波形80の場合、電界強度が最大(ピーク値PV1)となる時間(t1)が、ピーク遅延時間として特定される。
続いて、太陽電池9の鉛直位置が、所定の大きさ(変更量H2)だけ変更される(ステップS305)。そして、鉛直位置変更後の太陽電池9について、テラヘルツ波計測が行われる(ステップS306)。続いて、ステップS306で計測されたテラヘルツ波強度が、前回の計測によるテラヘルツ波強度から減少したかどうかが判定される(ステップS307)。テラヘルツ波強度が増加した場合(ステップS307においてNo)、ステップS305〜S307が再び実行される。すなわち、太陽電池9の鉛直位置が変更されて、テラヘルツ波計測が行われる。
ステップS305において、太陽電池9の鉛直位置を変更する際の移動方向は、太陽電池9がパルス光LP11の光路に接近する方向(太陽電池9が光学系222に接近する方向、+Z方向)とされる場合もあれば、太陽電池9がパルス光LP1の光路から離隔する方向(太陽電池9が光学系222から離隔する方向、−Z方向)とされる場合もあり得る。
図10は、太陽電池9の主面9Sとパルス光LP11の光路との位置関係を示す概略側面図である。図10が示すように、太陽電池9が仮検査用位置TP1に配されたときに、パルス光LP11の集光位置FP1が太陽電池9の主面9S(特に、受光面92)に極めて近くなる場合、ステップS305にて太陽電池9をパルス光LP11に接近させることが考えられる。これによって、パルス光LP11の集光位置FP1を太陽電池9の主面9Sよりも深い位置に設定して、テラヘルツ波計測を行うことができる。したがって、太陽電池9がより高強度のテラヘルツ波LT1を放射する鉛直位置を特定できる可能性がある。
一方、太陽電池9が仮検査用位置TP1に配されたときに、パルス光LP11の集光位置FP1が主面9Sよりも比較的深くなる場合、ステップS305では太陽電池9をパルス光LP11の光路から離隔させることが考えられる。これによって、パルス光LP11の集光位置FP1を太陽電池9の主面9Sに近づけて、テラヘルツ波計測を行うことができる。したがって、太陽電池9がより高強度のテラヘルツ波LT1を放射する鉛直位置を特定できる可能性がある。
図11は、異なる鉛直位置に配された太陽電池9から放射されるテラヘルツ波LT1の時間波形80,81,82を示す図である。時間波形80はステップS303のテラヘルツ波計測で復元される時間波形に対応する。時間波形81,82は、ステップS306のテラヘルツ波計測で復元される時間波形に対応する。
ステップS306のテラヘルツ波計測にて検出用光LP12に与えられる遅延時間の範囲(t2〜t3)は、ステップS303のテラヘルツ波計測にて検出用光LP12に与えられる遅延時間の範囲(t10〜t20)よりも狭い範囲である。また、遅延時間の範囲(t2〜t3)は、ピーク遅延時間であるt1を含む範囲である(t2<t1<t3)。このように、ステップS306のテラヘルツ波計測(2回目以降の計測)では、ステップS303のテラヘルツ波計測(初回の計測)で特定されたピーク遅延時間t1を含む範囲(t2〜t3)の遅延時間が検出用光LP12に与えられる。これによって、ステップS306では、テラヘルツ波LT1の時間波形全体ではなく、部分的に復元されるため、テラヘルツ波計測に係る時間を短縮できる。
また、図11が示す例では、時間波形81,82は、時間波形80に対して、時間軸の負側にシフトしている。これは、太陽電池9が+Z方向に移動することで、パルス光LP11及びテラヘルツ波LT1の光路長が短縮されるためである。本例では、時間波形81,82については、仮検査用位置TP1で特定されたピーク遅延時間t1を含む遅延時間の範囲(t2〜t3)について復元される。このため、時間波形81,82各々が時間軸に関してシフトしても、それぞれのピーク値を特定することが可能とされている。したがって、ステップS307にてテラヘルツ波強度を比較する際に、ピーク値同士での比較が可能とされている。なお、ステップS307にてテラヘルツ波強度を比較する際、ピーク値同士ではなく、所定の時間範囲(例えば、t2〜t3)の積分値同士を比較するようにしてもよい。
なお、ステップS306のテラヘルツ波計測の際、ステップS303のテラヘルツ波計測のときと同じ範囲の遅延時間(t10〜t20)を検出用光LP12に与え、同じ時間範囲の時間波形が復元されてもよい。この場合、ステップS304のピーク遅延時間の特定は省略できる。
図8に戻って、ステップS307にてテラヘルツ波強度が減少した場合(ステップS307でYes)、前回計測時のテラヘルツ波強度が最大となる。そこで、前回計測時の太陽電池9の鉛直位置(装置的には、移動ステージ3の昇降機構のエンコーダが示す試料台4の鉛直位置)が、検査用位置TP2(第二位置)に決定される(ステップS308)。
このようにして決定された検査用位置TP2は、太陽電池9が高強度のテラヘルツ波LT1を放射することが可能な、パルス光LP11の光路に対する相対的な鉛直位置である。ステップS40にて太陽電池9を検査する際に、太陽電池9を検査用位置TP2に配することによって、テラヘルツ波のS/N比を向上させることができる。したがって、太陽電池9の検査を好適に行うことができる。
検査用位置TP2を決定する際の太陽電池9の変更量H2は、仮検査用位置TP1を決定する際の太陽電池9の変更量H1よりも小さいことが望ましい。検査用位置TP2を決定する際に、太陽電池9の鉛直位置を細かく変更することによって、高強度のテラヘルツ波LT1を放射できる鉛直位置を精密に特定できる。これによって、検査に最適な検査用位置TP2を決定できる。
本実施形態に係る検査装置100によれば、太陽電池9が高強度のテラヘルツ波LT1を発生させるときの鉛直位置(検査用位置TP2)を、高価な測長器を用いることなく低コストでかつ精密に特定できる。また、太陽電池9がワンセルモジュールの太陽電池であったとき、太陽電池セルが樹脂等で覆われているため、測長器で太陽電池セルの表面位置を特定することが困難な場合がある。これに対して、本実施形態に係る検査装置100によれば、ワンセルモジュールの太陽電池であっても、検査に最適な鉛直位置を低コストでかつ精密に特定できる。
<第1実施形態の変形例>
上記実施形態では、仮検査用位置TP1を決定する際、スポットSP1の短径SL1を計測して最小となる鉛直位置が特定されている。しかしながら、スポットSP1の長径(パルス光LP11の照射方向に沿うY軸方向の長さ)を計測したり、あるいは、スポットSP1の面積を画像解析等で求めたりすることによって、スポットSP1が最小となる鉛直位置が決定されてもよい。
また、本実施形態では、ステップS306において、遅延部24が検出用光LP12に遅延時間を与えることで、テラヘルツ波LT1各々の時間波形を復元している。しかしながら、ステップS306では、遅延時間を特定値(例えば、ピーク遅延時間t1)に固定して、テラヘルツ波LT1の電界強度を取得するようにしてもよい。以下、このようなテラヘルツ波計測を「1点計測」と称する。1点計測の場合、テラヘルツ波LT1の測定時間を大幅に短縮できるため、検査用位置TP2を高速に決定できる。
図11が示すように、太陽電池9が鉛直方向に移動することで、テラヘルツ波LT1の時間波形がシフトする。すると、1点計測の場合、シフトによって、見かけ上テラヘルツ波強度が低下する場合がある。例えば、図11が示す時間波形81のピーク値を「p81」とし遅延時間がt1のときの強度値を「p81a」とすると、遅延時間をt1に固定した1点測定の場合、時間波形81の強度値(p81a)は、真のピーク値(p81)よりも小さくなる。しかしながら、鉛直位置の変更によるテラヘルツ波強度の上昇が、シフトによる見かけ上の低下よりも十分に大きければ、1点計測でも検査用位置TP2を良好に決定することが可能である。
また、ステップS20において、電極90にパルス光LP11を照射してスポットSP1を形成し、その大きさに基づいて仮検査用位置TP1を特定している。しかしながら、電極90以外の表面構造物にパルス光LP11を照射するようにしてもよい。例えば、任意の形状(角形や円形等)のパルス光LP11を反射する表面構造物を太陽電池9の所定箇所に形成しておき、当該表面構造物にパルス光LP11が照射されるようにしてもよい。
太陽電池9の場合、受光面92がパルス光LP11の反射率が低いため、より反射率の高い表面構造物(電極90)にパルス光LP11を照射してスポットSP1を形成している。しかしながら、パルス光LP11を必ずしも表面構造物に照射することは必須ではなく、反射率が高い部分に照射されればよい。
ステップS20において、仮検査用位置決定部711が、主面画像に対して画像処理を行うことによって仮検査用位置TP1を決定している。しかしながら、この決定処理をオペレータが行うようにしてもよい。例えば、オペレータが、ステージ駆動機構31に指示を与えることで太陽電池9の鉛直位置に移動させていく。そして、オペレータが、カメラ6で取得される主面画像上で、スポットSP1が最も小さくなる鉛直位置を特定してもよい。また、仮検査用位置決定部711によって、オペレータが特定した鉛直位置が仮検査用位置TP1に決定(設定)されるようにしてもよい。
カメラ6の代わりに、オペレータが主面9Sを観察するための観察手段(例えば、顕微鏡)を外観像取得部として設けて、主面9Sの外観像が取得されるようにしてもよい。例えば、電極90に形成されたスポットSP1を観察手段の視野内に含めた状態で、オペレータがスポットSP1を観察して、当該スポットSP1が最小となるときの鉛直位置を特定してもよい。また、観察手段は省略してもよく、この場合、オペレータが、主面9Sに形成されたスポットSP1を直接肉眼で観察してもよい。
<2. 第2実施形態>
上記実施形態では、表面構造物(例えば、電極90)に形成されるスポットSP1を指標にして、仮検査用位置TP1が決定される。しかしながら、スポットSP1以外を指標としてもよい。例えば、表面構造物自体を指標とすることも考えられる。
具体的には、太陽電池9の鉛直位置を所定の変更量H1で変更する度に取得される主面画像において、表面構造物のエッジ抽出を行えばよい。表面構造物(電極90等)のエッジの太さ(エッジ幅)が最も小さくなるとき、カメラ6の既知の焦点位置に表面構造物の表面が位置することとなる。これに基づいて、パルス光LP11の既知の集光位置FP1に表面構造物の表面が合うときの、太陽電池9の鉛直位置を特定できる。そして、この特定された鉛直位置を仮検査用位置TP1とすればよい。また、特定された鉛直位置から、表面構造物の厚さ分だけシフトさせた鉛直位置を、仮検査用位置TP1としてもよい。
また、半導体試料の主面において、適当な表面構造物が存在しない場合には、半導体試料自体の端部を抽出することによって、仮検査用位置TP1が決定されてもよい。
<3. 変形例>
上記実施形態では、フェムト秒レーザ221から出射されたパルス光LP11(パルス状の光ビーム)を半導体試料に照射してテラヘルツ波LT1を発生させている。しかしながら、フェムト秒レーザ221の代わりに、発振周波数がわずかに相違する2つの連続光を出射する2つの光源を利用することも可能である(特開2013−170864号公報参照)。具体的には、2つの連続光を、光導波路である光ファイバなどで形成されたカプラによって重ね合わせることで、差周波に対応する光ビート信号を生成する。そして、この光ビート信号を、半導体試料に照射することによって、その光ビート信号の周波数に応じた電磁波(テラヘルツ波)を放射させることができる。
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。また、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
100 検査装置
2 テラヘルツ波測定系
22 光ビーム照射部
221 フェムト秒レーザ
222 光学系
23 テラヘルツ波検出部
231 テラヘルツ波検出器
24 遅延部
3 移動ステージ
31 ステージ駆動機構
4 試料台
5 ルミネッセンス測定系
6 カメラ
7 制御部
711 仮検査用位置決定部(第一位置決定部)
712 検査用位置決定部(第二位置決定部)
80,81,82 時間波形
9 太陽電池(半導体試料)
9S 主面
90 電極
92 受光面
BE1 ビームスプリッタ
FP1 集光位置
LP11 パルス光(光ビーム)
LP12 検出用光
LT1 テラヘルツ波
SP1 スポット
TP1 仮検査用位置(第一位置)
TP2 検査用位置(第二位置)
t1 ピーク遅延時間

Claims (12)

  1. 光ビームの照射に応じて半導体試料から放射されるテラヘルツ波を検出する検査装置であって、
    前記半導体試料を保持する保持部と、
    前記半導体試料からテラヘルツ波を放射させる光ビームを、光学系で集光して、前記保持部に保持されている前記半導体試料の主面に照射する光ビーム照射部と、
    前記保持部に保持されている前記半導体試料から放射される前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、
    前記光ビームの光路に対して、前記保持部を前記主面に交差する厚さ方向に移動させる第一移動機構と、
    前記主面の外観像を得る外観像取得部と、
    前記外観像に基づき、前記光路に対して前記半導体試料が配される前記厚さ方向の第一位置を決定する第一位置決定部と、
    前記第一位置及び前記第一位置とは前記厚さ方向に異なる位置に配された前記半導体試料に前記光ビームを照射することで放射される前記テラヘルツ波各々の強度に基づいて、前記光路に対して前記半導体試料が配される前記厚さ方向の第二位置を決定する第二位置決定部と、
    を備える、検査装置。
  2. 請求項1に記載の検査装置であって、
    前記外観像取得部は、前記主面を撮影することによって主面画像を取得する撮影部を含み、
    前記第一位置決定部は、前記主面画像において、前記主面に形成されている表面構造物のエッジを抽出することによって、前記第一位置を決定する、検査装置。
  3. 請求項1に記載の検査装置であって、
    前記外観像取得部は、前記主面を撮影することによって主面画像を取得する撮影部を含み、
    前記第一位置決定部は、前記主面画像において、前記主面に前記光ビームが照射されることで形成されるスポットの大きさに基づいて、前記第一位置を決定する、検査装置。
  4. 請求項3に記載の検査装置であって、
    前記第一位置決定部は、前記主面に形成された表面構造物の表面に前記光ビームが照射されることで形成される前記スポットの大きさに基づいて、前記第一位置を決定する、検査装置。
  5. 請求項4に記載の検査装置であって、
    前記表面構造物が、非透明性の電極である、検査装置。
  6. 請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の検査装置であって、
    前記光ビーム照射部は、前記光ビームが前記主面に平行な第一方向に沿って、前記主面に斜めに入射するように前記光ビームを照射し、
    前記第一位置決定部は、
    前記スポットの、前記第一方向に直交する第二方向の幅が最も小さくなるときの前記半導体試料の位置に基づいて、前記第一位置を決定する、検査装置。
  7. 請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の検査装置において、
    前記光路に対して、前記保持部を前記主面に平行な方向に移動させる第二移動機構、
    をさらに備え、
    前記第二移動機構は、前記光ビームの前記スポットが前記電極上の位置と、前記電極上外れる位置との間で移動するように、前記光路に対して前記保持部を移動させる、検査装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の検査装置であって、
    前記光ビームはパルス状のレーザ光であり、
    前記テラヘルツ波検出部は、
    前記光ビームを分割して得られる検出用光ビームを受けて、前記テラヘルツ波の強度を検出する検出器と、
    前記テラヘルツ波に対して前記検出用光ビームに時間遅延を与える遅延部と、
    を備える、検査装置。
  9. 請求項8に記載の検査装置であって、
    前記第二位置決定部は、前記第一位置に配されている前記半導体試料から放射される前記テラヘルツ波がピークを取るピーク遅延時間を特定し、
    前記遅延部が前記ピーク遅延時間を含む範囲内の複数の遅延時間を前記検出用光ビームに与えることで検出される前記テラヘルツ波の電界強度に基づき、前記第二位置決定部が前記第二位置を決定する、検査装置。
  10. 光ビームの照射に応じて半導体試料から放射されるテラヘルツ波を検出する検査方法であって、
    (a) 半導体試料を保持する保持工程と、
    (b) 前記半導体試料の主面の外観像に基づいて、前記半導体試料が配される前記主面に交差する厚さ方向における第一位置を決定する第一位置決定工程と、
    (c) 前記第一位置及び前記第一位置とは前記厚さ方向に異なる位置に配された前記半導体試料に前記光ビームを照射することで放射される前記テラヘルツ波各々の強度に基づいて、前記光ビームの光路に対して前記半導体試料が配される前記厚さ方向の第二位置を決定する第二位置決定工程と、
    を含む、検査方法。
  11. 請求項10に記載の検査方法であって、
    前記第一位置決定工程は、
    (b-1) 前記主面を撮影することによって主面画像を取得する工程と、
    (b-2) 前記主面画像において、前記主面に形成されている表面構造物のエッジを抽出することによって、前記第一位置を決定する工程と、
    を含む、検査方法。
  12. 請求項10に記載の検査方法であって、
    前記第一位置決定工程は、
    (b-3) 前記主面に前記光ビームを照射してスポットを形成する工程と、
    (b-4) 前記外観像における前記スポットの大きさに基づいて、前記第一位置を決定する工程と、
    を含む、検査方法。
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