JP6078869B2 - 検査装置および検査方法 - Google Patents

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Description

この発明は、フォトデバイスを検査する技術に関し、特に、その周囲に放物面状の反射鏡が配置されているフォトデバイスを検査する技術に関する。
近年、フォトデバイスにおいて、光検出感度を向上させたり、あるいは、光電変換効率を向上させたりするため、フォトデバイスの周囲に反射鏡(光反射部)が設置することが提案されている(例えば、特許文献1)。
具体的に、特許文献1には、複数の球状の光電変換素子の各々が、放物面状の反射鏡で囲われた太陽電池が開示されている。このような集光型太陽電池によると、従来の平面状の太陽電池に比べて、様々なメリットがあるとされている。例えば、反射鏡により効率的に集光されるため、1つの光電変換素子の出力を高めることができる。また、光電変換素子を球状とすることにより、光電変換部の厚みを薄くできるため、シリコンの使用量を軽減できる。
ところで、太陽電池の製造工程においては、いわゆる4端子測定法により、太陽電池の電気特性を測定する検査装置が用いられている(例えば、特許文献2)。具体的には、太陽電池の受光面と裏面に設けられた集電電極に、電流測定用のプローブピンと電圧測定用のプローブピンとが当てられる。この状態で、疑似太陽光が照射されながら、太陽電池に印加する電圧を変化させて電流電圧の関係を測定する。これにより、太陽電池のI−V特性が測定される。
特開2010−199238号公報 特開2010−182969号公報 特開2009−175127号公報
しかしながら、上記検査方法の場合、多数のプローブピンを太陽電池に接触させる必要があった。このため、太陽電池が測定中に損傷するおそれがあった。また、電極が細い場合には、プローブを接触させることが困難となる。このため、太陽電池をなるべく非接触状態で検査する技術が要求されている。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、周囲に光反射部が設けられているフォトデバイスを、できる限り非接触で検査する技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、第1の態様は、反射面によって集光する光反射部がその周囲に配置されているフォトデバイスを検査する検査装置であって、前記光反射部にパルス光を局所に限定して照射する照射部と、前記パルス光の照射に応じて前記フォトデバイスから放射される電磁波パルスを検出する検出部とを備え、前記検出部は、前記パルス光の光源から出射されるプローブ光の照射に応じて、前記電磁波パルスの電場強度を検出する検出器と、前記電磁波パルスが前記検出器へ到達する時間と、前記プローブ光が前記検出器へ到達する時間との時間差を変更することによって、前記検出器による前記電磁波パルスの検出タイミングを遅延させる遅延部と、を含み、前記検査装置は、複数の前記検出タイミングで前記検出器にて検出される電磁波パルスの電場強度から、前記電磁波パルスの時間波形を復元する時間波形復元部と、前記時間波形復元部により復元された時間波形のうち、最初に発生した電磁波パルスに相当する時間波形を抽出する時間波形抽出部と、をさらに備えている。
また、第2の態様は、第1の態様に係る検査装置において、前記時間波形抽出部は、前記電磁波パルスの前記時間波形において、基準となる基準電場強度よりも大きい電場強度を正の電場強度とし、前記基準電場強度よりも小さい電場強度を負の電場強度としたとき、前記パルス光の照射に応じて発生した光電流が消失する過程で発生する、前記電場強度の負のピークに基づき、前記電磁波パルスの時間波形を検出する。
また、第3の態様は、第1または第2の態様に係る検査装置において、前記電磁波パルスの前記時間波形において、基準となる基準電場強度よりも大きい電場強度を正の電場強度とし、前記基準電場強度よも小さい電場強度を負の電場強度としたとき、前記電場強度が正となるときの前記時間波形の波形面積、または、前記電場強度が負となるときの前記時間波形の波形面積を取得する、波形面積取得部、をさらに備えている。
また、第4の態様は、第1から第3までの態様のいずれか1態様に係る検査装置において、前記フォトデバイスが、太陽電池を構成する。
また、第の態様は、反射面によって集光する光反射部がその周囲に配置されているフォトデバイスを検査する検査方法であって、(a)前記光反射部にパルス光を局所に限定して照射する工程と、(b)前記(a)工程における、前記パルス光の照射に応じて、前記フォトデバイスから放射される電磁波パルスを、前記パルス光の光源から出射されるプローブ光の照射に応じて前記電磁波パルスの電場強度を検出する検出器で検出する工程と、(c)前記(b)工程において、前記電磁波パルスが前記検出器へ到達する時間と、前記プローブ光が前記検出器へ到達する時間との時間差を変更することによって、前記検出器による前記電磁波パルスの検出タイミングを遅延させる工程と、(d)複数の前記検出タイミングで前記検出器にて検出される電磁波パルスの電場強度から、前記電磁波パルスの時間波形を復元する工程と、前記(d)工程により復元された時間波形のうち、最初に発生した電磁波パルスに相当する時間波形を抽出する工程とを含む。
第1から第5までの態様によると、パルス光をフォトデバイスに照射することにより、電磁波パルスを放射させることができる。この電磁波パルスは、空乏層などの光キャリア発生領域において生じた光電流の時間微分に比例するものである。このため、電磁波パルスを解析することにより、非接触もしくは非接触に近い状態で、フォトデバイスの特性を検査することができる。したがって、フォトデバイスが損傷することを抑制することができる。
また、電磁波を検出するタイミングを変更することができる。フォトデバイスまでのパルス光の光路長は、照射位置毎に異なる。このため、光路長に応じて、電磁波パルスが放射されるタイミングも変化する。したがって、遅延部により検出タイミングを変更することで、パルス光の光路長に応じて放射される電磁波パルスに合わせて、電場強度を検出することができる。
また、1次反射のパルス光が、フォトデバイスの局所に入射することで放射される電磁波パルスを抽出することができる。このため、パルス光の照射位置を調整することによって、フォトデバイスのあらゆる箇所の特性を、局所的に検査することができる。また、光反射部の反射特性を、局所毎に解析することも可能である。
また、第2の態様によると、1次反射のパルス光によって放射される電磁波パルスの時間波形を精度良く抽出することができる。
また、第3の態様によると、パルス光の照射により放射される電磁波パルスは、フォトデバイスにて生じた光電流の時間微分に比例する。このため、電磁波パルスの時間波形の波形面積を取得することにより、パルス光により発生した光電流の大きさ、すなわち、発電量に関する検査を行うことができる。
また、第4の態様によると、太陽電池を構成するフォトデバイスを非接触もしくは非接触に近い状態で検査することができる。
実施形態に係る検査装置の概略構成図である。 図1に示される照射部と検出部の概略構成図である。 太陽電池一部分を示す概略斜視図である。 太陽電池素子の概略縦断面図である。 太陽電池素子に対して直接パルス光を照射したときに放射される電磁波パルスLT1の時間波形の一例を示す図である。 光反射部に対してパルス光を照射したときに放射される電磁波パルスの時間波形の一例を示す図である。 第2検査の流れ図である。 太陽電池素子の概略縦断面図である。 光路長が相互に異なるパルス光によって放射される2つの電磁波パルスの時間波形を示す図である。 電磁波強度分布を表すイメージング画像の模式図である。 その他の電磁波強度分布を表すイメージング画像の模式図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。また、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張または簡略化されて図示されている場合がある。
<1. 実施形態>
<1.1. 検査装置の構成および機能>
図1は、実施形態に係る検査装置100の概略構成図である。また、図2は、図1に示される照射部12と検出部13の概略構成図である。検査装置100は、フォトデバイスが形成された基板の一種である太陽電池90の空乏層の特性を検査するのに適した構成を備えている。
太陽電池などフォトデバイスは、例えば、p型とn型の半導体が接合されたpn接合部を有している。このpn接合部付近では電子と正孔とが互いに拡散して結びつく拡散電流が生じることによって、pn接合部付近に電子と正孔とがほとんど存在しない空乏層が形成されている。この領域では、電子と正孔をそれぞれn型、p型領域に引き戻す力が生じるため、フォトデバイスの内部に電場(内部電場)が生じている。
ここで、禁制帯幅を超えるエネルギーを持つ光がpn接合部に照射された場合、pn接合部において発生した自由電子および自由正孔が、内部電場によって、自由電子がn型半導体側へ、取り残された自由正孔がp型半導体側へ移動する。フォトデバイスでは、この電流がn型半導体およびp型半導体のそれぞれに取り付けられた電極を介して、外部に取り出される。例えば太陽電池の場合、pn接合部の空乏層に光が照射されたときに生じる自由電子と自由正孔の移動が、直流電流として利用される。
発明者らは、フォトデバイスに所定波長のパルス光を照射したとき、特定波長の電磁波パルスが発生することを見出した。マクスウェル方程式によると、電流に変化が生じたとき、その電流の時間微分に比例した強度の電磁波が発生する。すなわち、空乏層などの光励起キャリア発生領域にパルス光が照射されることで、瞬間的に光電流の発生および消滅が起こる。この瞬間的に発生する光電流の時間微分に比例して、電磁波パルスが発生するものと考えられる。
ここで、光電流の発生は、空乏層などの光励起キャリア発生領域の特性を反映したものである。したがって、発生した電磁波パルスを解析することによって、空乏層などの光励起キャリア発生領域の特性を検査することができる。このような原理に基づき、検査装置100は、太陽電池90に向けて所定波長のパルス光を照射したときに発生する電磁波パルスを検出するように構成されている。
図1に示されるように、検査装置100は、ステージ11、照射部12、検出部13、可視カメラ14、モーター15、制御部16、モニター17および操作入力部18を備えている。
ステージ11は、図示を省略する固定手段によって、太陽電池90をステージ11上に固定する。固定手段としては、基板を挟持する挟持具を利用したもの、粘着性シート、または、ステージ11の表面に形成される吸着孔などが想定される。ただし、太陽電池90を固定できるのであれば、これら以外の固定手段を採用されてもよい。本実施形態では、ステージ11は、太陽電池90の受光面91S側に照射部12および検出部13が配置されるよう、太陽電池90を保持する。
図2に示されるように、照射部12は、フェムト秒レーザ121を備えている。フェムト秒レーザ121は、例えば、360nm(ナノメートル)以上1μm(マイクロメートル)以下の可視光領域を含む波長のパルス光(パルス光LP1)を放射する。具体例としては、中心波長が800nm付近であり、周期が数kHz〜数百MHz、パルス幅が10〜150フェムト秒程度の直線偏光のパルス光が、フェムト秒レーザから放射される。もちろん、その他の波長領域(例えば、青色波長(450〜495nm)、緑色波長(495〜570nm)などの可視光波長)のパルス光が出射されるようにしてもよい。
フェムト秒レーザ121から出射されたパルス光LP1は、ビームスプリッタB1により2つに分割される。分割された一方のパルス光(パルス光LP11)は、太陽電池90に照射される。このとき、照射部12は、パルス光LP11の照射を、受光面91S側から行う。また、パルス光LP11の光軸が、太陽電池90の受光面91Sに対して斜めに入射するように、パルス光LP11が太陽電池90に対して照射される。本実施形態では、入射角度が45度となるように照射角度が設定されている。ただし、入射角度はこのような角度に限定されるものではなく、0度から90度の範囲で適宜変更することができる。
図3は、太陽電池90の一部分を示す概略斜視図である。また、図4は、太陽電池素子31の概略縦断面図である。太陽電池90は、フォトデバイスである太陽電池素子31(光電変換素子)が光反射部30によって囲まれている、いわゆる集光型太陽電池として構成されている。太陽電池素子31は、略球体状に形成されている。光反射部30は、例えばアルミニウム製の第2導電部材32によって形成された複数の凹部33となっている。太陽電池素子31は、この凹部の底部に、それぞれ1つずつ固定されている。
上方から見た光反射部30の開口端は、正六角形を呈している。そして、複数の光反射部30がハニカム状に相互に連なることにより、1つの太陽電池90が形成されている。光反射部30の底部の貫通孔から下部に突出している部分において、太陽電池素子31の第2半導体層36(n型半導体)、および、その上に形成された不図示の導電性反射防止膜は、エッチングなどで選択的に除去されている。そのため、この部分において、第1半導体37(p型半導体)の一部が露出されている。その第1半導体37の露出部には、電極層38が形成されている。
光反射部30の内面39は放物面状を呈している。この内面39の焦点は太陽電池素子31の中心とほぼ同位置とされている。凹部33の内面39を含む第2導電部材32の受光面側には、銀メッキ層42が形成されている。
第2導電部材32の凹部33の底部における、上記貫通孔の開口部の周縁部は、太陽電池素子31の第2半導体層36に対し、不図示の導電性接着剤によって、通電可能に固定されている。また、第2導電部材32の裏面には、電気絶縁層43が接着されている。電気絶縁層43の電極層38周辺には、透孔が形成されている。また、電気絶縁層43の裏側にはアルミニウム製の第1導電部材44が接着され、第1導電部材44のうち、電気絶縁層43の透孔に対向する部分には、透孔が形成されている。これらの透孔によって連通孔が形成されている。電極層38および第1導電部材44は、上記連通孔を満たすように充填されている導電性ペースト45を介して、電気的に接続されている。
なお、太陽電池素子31が光反射部30に接続された状態で、凹部33の空間に、例えば、透光性を有する樹脂材(ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂、またはエポキシ樹脂もしくはシリコン樹脂などの熱硬化性樹脂など)などが充填されてもよい。これにより、太陽電池素子31を光反射部30に対して、より強固に固定することができる。
第2導電部材32の一端は、太陽電池90の一方の端子を構成し、これに対向する端部の裏側から突出させた第1導電部材44の一端が他方の端子を構成する。
このような構造を有する光反射部30に対して、パルス光LP11が照射されると、光反射部30の内面39(反射面)にてパルス光LP11が反射して、太陽電池素子31に集光される。太陽電池素子31に、パルス光LP11が入射すると、第1半導体37(p型半導体)および第2半導体層36(n型半導体)の接合部分において発生した自由電子(および自由正孔)が、内部電場により加速されることで、光電流が生じる。この光電流は、瞬時電流であり、その電流量の時間微分に比例する電磁波パルスLT1が放射される。より具体的に、検出部13において検出される電磁波パルスLT1は、主に周波数0.01THz〜10THzの電磁波パルス(以下、テラヘルツ波パルスとも称する。)が観測される。
図2に戻って、ビームスプリッタB1によって分割された他方のパルス光は、プローブ光LP12として遅延部131およびミラーなどを経由して、検出器132に入射する。また、パルス光LP11の照射に応じて太陽電池90から放射される電磁波パルスLT1は、放物面鏡M1,M2において集光され、検出器132に入射する。
検出器132は、電磁波検出素子として、例えば、光伝導スイッチを備えている。電磁波パルスが検出器132に入射する状態で、プローブ光LP12が検出器132に照射されると、この光伝導スイッチに瞬間的に電磁波パルスLT1の電場強度に応じた電流が発生する。この電場強度に応じた電流は、I/V変換回路、A/D変換回路などを介してデジタル量に変換される。このようにして、検出部13は、プローブ光LP12の照射に応じて、太陽電池90を透過した電磁波パルスLT1の電場強度を検出する。検出器132に、その他の素子、例えば非線形光学結晶を適用することも考えられる。また、ショットキーバリアダイオードを用いて、電磁波パルスLT1の電場強度を検出することも考えられる。また、複数の光伝導スイッチを平面状に並べたものを検出器132として用いることも考えられる。この場合、より広範囲で電磁波パルスLT1を検出することができる。
遅延部131は、ビームスプリッタB1から検出器132までのプローブ光LP12の到達時間を連続的に変更するための光学素子である。遅延部131は、プローブ光LP12の入射方向に移動する移動ステージ(図示せず)に固定されている。また、遅延部131は、プローブ光LP12を入射方向に折り返させる折り返しミラー10Mを備えている。
遅延部131は、制御部16の制御に基づいて移動ステージを駆動して折り返しミラー10Mを移動させることにより、プローブ光LP12の光路長を精密に変更する。これにより、遅延部131は、電磁波パルスLT1が検出部13に到達する時間と、プローブ光LP12が検出部13へ到達する時間との時間差を変更する。したがって、遅延部131により、プローブ光LP12の光路長を変化させることによって、検出部13(検出器132)において電磁波パルスLT1の電場強度を検出するタイミング(検出タイミングまたはサンプリングタイミング)を遅延させることができる。
なお、その他の態様でプローブ光LP12の検出部13への到達時間を変更することも考えられる。具体的には、電気光学効果を利用すればよい。すなわち、印加する電圧を変化させることで屈折率が変化する電気光学素子を、遅延素子として用いてもよい。具体的には、特許文献3(特開2009−175127号公報)に開示されている電気光学素子を利用することができる。
また、プローブ光LP11(ポンプ光)の光路の光路長、もしくは、太陽電池90から放射された電磁波パルスLT1の光路を変更できるようにしてもよい。この場合においても、検出器132に電磁波パルスLT1が到達する時間と、検出器132にプローブ光LP12が到達する時間を相対的にずらすことができる。これにより、検出器132における電磁波パルスLT1の電場強度の検出タイミングを遅延させることができる。
また、太陽電池90には、検査時に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス電圧印加回路99が接続される。逆バイアス電圧印加回路99は、上述した一方の端子(第2導電部材32の一端)と、他方の端子(第1導電部材44の一端)とに接続される。逆バイアス電圧が電極間に印加されることによって、第1半導体37および第2半導体層36の接合部分の空乏層を拡大することができる。これにより、検出器132において検出される電磁波パルスLT1の電場強度を大きくすることができるため、検出部13における電磁波パルスLT1の検出感度を向上することができる。なお、この逆バイアス電圧印加回路99は省略することも可能である。
図1に戻って、可視カメラ14は、CCDカメラで構成されており、撮影用の光源としてLEDやレーザを備えている。可視カメラ14は、太陽電池90の全体を撮影したり、パルス光LP11が照射される位置を撮影したりするのに用いられる。可視カメラ14によって取得された画像データは、制御部16へ送信され、モニター17などに表示される。
モーター15は、ステージ11を二次元平面内で移動させる不図示のX−Yテーブルを駆動する。モーター15は、このX−Yテーブルを駆動することによって、ステージ11に保持された太陽電池90を、照射部12に対して相対的に移動させる。検査装置100は、モーター15により、太陽電池90を2次元平面内で任意の位置に移動させることができる。検査装置100は、モーター15により、太陽電池90の広い範囲(検査対象領域)にパルス光LP11を照射して検査することができる。
なお、太陽電池90を移動させる代わりに、または、太陽電池90を移動させると共に、照射部12を、検出部13を2次元平面内で移動させる移動手段を設けてもよい。これらの場合においても、太陽電池90の各領域について、電磁波パルスLT1を検出することができる。また、モーター15を省略して、ステージ11をオペレータによって手動で移動させるようにしてもよい。
制御部16は、図示を省略するCPU、ROM、RAMおよび補助記憶部(例えばハードディスク)などを備えた一般的なコンピュータとしての構成を備えている。制御部16は、照射部12のフェムト秒レーザ121、検出部13の遅延部131および検出器132、並びにモーター15に接続されており、これらの動作を制御したり、これらからデータを受け取ったりする。
より具体的に、制御部16は、検出器132から電磁波パルスLT1の電場強度に関するデータを受け取る。また、制御部16は、遅延部131を移動させる移動ステージ(図示せず。)の移動を制御したり、該移動ステージに設けられたリニアスケールなどから折り返しミラー10Mの移動距離などの遅延部131の位置に関連するデータを受け取ったりする。
また、制御部16は、時間波形復元部21、時間波形解析部23および画像生成部25を備えており、これらの処理部に各種演算処理を実行させる。これらの処理部はCPUがプログラムにしたがって動作することにより実現される機能である。なお、これらの処理部の機能の一部または全部は、他のコンピュータが備えるCPUによって実現されていてもよいし、専用の演算回路によってハードウェア的に実現されていてもよい。
時間波形復元部21は、太陽電池90において発生した電磁波パルスLT1について、検出部13(検出器132)にて検出される電場強度を元に、電磁波パルスLT1の時間波形を構築する。具体的には、遅延部131の折り返しミラー10Mを移動させることによって、プローブ光LP12の光路長(第1光路の光路長)を変更することによって、プローブ光が検出器132に到達する時間を変更する。これにより、検出器132において電磁波パルスLT1の電場強度を検出するタイミングを変更される。これにより、時間波形復元部21は、異なる位相での、電磁波パルスLT1の電場強度を検出して、時間軸上にプロットすることにより、電磁波パルスLT1の時間波形を復元する。
時間波形解析部23は、時間波形復元部21により復元された時間波形を解析する。詳細は後述するが、時間波形解析部23は、本発明の時間波形抽出部および波形面積取得部として機能する。
画像生成部25は、太陽電池90の検査対象領域(太陽電池90の一部または全部)に関して、パルス光LP11を照射したときに放射される電磁波パルスLT1の電場強度の分布を視覚化した画像を生成する。具体的には、画像生成部25は、測定位置毎に、電場強度の相違が色または模様などで表現された電場強度分布画像を生成する。
制御部16には、モニター17および操作入力部18が接続されている。モニター17は、液晶ディスプレイなどの表示装置であり、オペレータに対して各種画像情報を表示する。モニター17には、可視カメラ14で撮影された太陽電池90の受光面91Sの画像、時間波形復元部21によって復元された電磁波パルスLT1の時間波形、時間波形解析部23による解析結果、または画像生成部25が生成した電場強度分布画像などが表示される。また、モニター17には、検査の条件設定などをするために必要なGUI(Graphical User Interface)画面を表示する。
操作入力部18は、マウスおよびキーボードなどの各種入力デバイスで構成されている。オペレータは操作入力部18を介して所定の操作入力を行うことができる。なお、モニター17がタッチパネルとして構成されることにより、モニター17が操作入力部18として機能するようにしてもよい。
以上が、検査装置100の構成についての説明である。次に、検査装置100を用いて行われる、太陽電池90の検査を具体的に説明する。
<1.2. 太陽電池の検査>
本実施形態に係る検査装置100は、大きく分けて2種類の検査を行うことができるように構成されている。まず第1の検査は、(1)電磁波パルスLT1の時間波形に基づく検査(以下、第1検査とも称する。)である。この第1検査では、特定の領域(検査位置)にパルス光LP11が照射したときに発生する電磁波パルスLT1の時間波形が復元される。そして、この復元された時間波形に基づき、太陽電池素子31、または、光反射部30が局所毎に検査される。
これに対して、第2の検査は、(2)電磁波パルスLT1の電場強度分布に基づいた検査(以下、第2検査とも称する。)である。この第2検査においては、比較的広範囲に渡ってパルス光LP11を照射することで、照射位置毎に放射された電磁波パルスLT1の電場強度が測定される。以下においては、第1検査および第2検査について、順番に説明する。
<1.2.1 第1検査>
上述したように、第1検査では、パルス光LP11の照射が局所に限定して行われる。具体的には、太陽電池素子31にパルス光LP11を直接照射したときに放射される電磁波パルスLT1が検出されたり(図5参照)、もしくは、光反射部30にパルス光LP11を照射して、そこで反射したパルス光LP11が太陽電池素子31に入射することで放射される電磁波パルスLT1が検出されたりする(図6参照)。
図5は、太陽電池素子31に対して直接パルス光LP11を照射したときに放射される電磁波パルスLT1の時間波形51の一例を示す図である。また、図6は、光反射部30に対してパルス光LP11を照射したときに放射された電磁波パルスLT1の時間波形53の一例を示す図である。図5および図6に示されるグラフにおいて、横軸は時間軸を示し、縦軸は電場強度を示している。また、図5および図6に示されるベースラインBL1は、電場強度が発生していない平常状態のときの電場強度(以下、「基準電場強度」とも称する。)を示している。また、以下の説明においては、この基準電場強度よりも大きい電場強度を正の電場強度とし、基準電場強度よりも小さい電場強度を負の電場強度とする。
図4に示されるように、太陽電池素子31の一部(図4に示される例では、頂点部)のみにパルス光LP11が直接照射されると、時間波形復元部21によって、図5に示される時間波形51が復元される。上述したように、電磁波パルスLT1は、パルス光LP11の照射により生じた光電流の発生と消失により生じる。このため、図5に示されるように、時間波形51は、光電流の発生する過程で発生する電場強度の正のピークP11と、光電流が消失する過程で発生する電場強度の負のピークP12とを持つこととなる。
太陽電池素子31に直接パルス光LP11が照射された場合、パルス光LP11が、太陽電池素子31および光反射部30を反射して、再び太陽電池素子31に入射するパルス光LP11はほとんど生じない。したがって、この場合に復元される時間波形は、図5に示される時間波形51のように、太陽電池素子31にパルス光LP11が直接照射されたときに放射される電磁波パルスLT1に由来するものとなる。
時間波形解析部23は、このような時間波形を解析する場合、電場強度が正となるときの時間波形の波形面積、電場強度が負となるときの時間波形の波形面積、または、これらの波形面積の和(もしくは、平均)を取得する。上述したように、放射される電磁波パルスLT1は、太陽電池素子31において発生した光電流の時間微分に比例するものである。このため、電磁波パルスLT1の時間波形の波形面積を取得することによって、パルス光LP11の照射により発生した光電流の大きさ、すなわち、発電量に関する検査を行うことができる。
また、時間波形をフーリエ変換することで、周波数スペクトル解析を行うことも可能である。例えば、不純物が混入している場合、特定の周波数で吸収が起こっている場合が考えられる。そこで、周波数スペクトル解析を行うことで、吸収が起こっている周波数を検出することにより、混入した不純物の検出またはその種類の特定などが可能となる。
また、太陽電池素子31に直接ではなく、光反射部30にパルス光LP11が照射された場合、図4に示されるように、光反射部30にて反射した後、太陽電池素子31に入射することになる。しかしながら、この場合、パルス光LP11の照射位置によっては、その一部が光反射部30(または太陽電池素子31)を複数回反射した後に、太陽電池素子31に入射する可能性がある。したがって、図6に示されるように、復元された時間波形53において、正の電場強度のピーク(例えば、ピークP21,P31・・・)、および、負の電場強度のピーク(ピークP22,P32・・・)が、交互に出現する場合がある。これは、パルス光LP11が、太陽電池素子31に対して、時間差をおいて複数回入射することで、その都度、太陽電池素子31から電磁波パルスLT1が放射されるためである。
より具体的に、時間波形53のうち、最初に現れる正のピークP21および負のピークP22を含む期間TR1の部分は、パルス光LP11の照射により最初に放射された電磁波パルスLT1の時間波形(第1時間波形)に相当する。これに対して、時間波形53のうち、二番目に現れる正のピークP31および負のピークP32を含む期間TR2の部分は、最初に放射された電磁波パルスLT1の時間波形のみならず、二番目に放射された電磁波パルスLT1の時間波形(第2時間波形)を含むものとなっている。この二番目に放射された電磁波パルスLT1は、換言すると、2次反射のパルス光LP11の入射により放射されたものである。
この時間波形53についても、例えば、太陽電池素子31の発電量に関する検査を行う場合には、時間波形51の解析時と同様に、時間波形53が正のときの波形面積、時間波形53が負の時の波形面積、または、これらの波形面積の和(もしくは平均)を取得するようにすればよい。なるべく光の反射が多く起こる光反射部30の部分に、パルス光LP11を照射することで、太陽電池素子31の多くの部分に、パルス光LP11が入射しやすくなる。
一方、時間波形53のように、複数の電磁波パルスLT1が重なっているような場合、そのままでは、太陽電池素子31の局所部分のみの特性を検査することは困難である。そこで、時間波形解析部23は、時間波形53のうち、最初に発生する電磁波パルスLT1に相当する時間波形を抽出する。詳細には、時間波形解析部23は、時間波形53のうち、期間TR1の時間波形を抽出する。
なお、上記期間TR1は、電場強度が基準電場強度から変化し始めるタイミングT1を始点とし、正のピークP21のタイミングT2および負のピークP22のタイミングT3を経て、再び基準電場強度となるタイミングT4を終点としている。しかしながら、期間TR1の間に、最初に発生した電磁波パルスLT1以外の時間波形が含まないように、期間TR1の終点を決定すればよい。このため、期間TR1の終点を、例えば、電場強度が負のピークP22となるタイミングT3などとしてもよい。いずれの場合においても、負のピークP22を基準にして、期間TR1を確定することにより、時間波形解析部23が最初に発生する単一の電磁波パルスLT1を精度良く抽出することができる。
以上のように、第1検査では、光反射部30または太陽電池素子31に局所的にパルス光LP11を照射して、発生する電磁波パルスLT1の時間波形を解析する。この時間波形を解析することにより、例えば、波形面積から太陽電池素子31の発電に関する情報を局所毎に取得することができる。
また、最初に発生する電磁波パルスLT1は、光反射部30に対して1回だけ反射したパルス光LP11(つまり、1次反射のパルス光LP11)が、太陽電池素子31の局所に入射することで放射される電磁波パルスである。このため、パルス光LP11の照射位置を調整することによって、太陽電池素子31のあらゆる箇所の特性を、局所的に解析することができる。また、第1検査によると、光反射部30の反射特性を局所的に解析することを目的とすることもできる。以上が第1検査についての説明である。
<1.2.2 第2検査>
図7は、第2検査の流れ図である。なお、図7に示される流れ図は、第2検査の一例であり、矛盾が生じない限りにおいて、各工程の実行順序が適宜変更されてもよい。
上記第1検査では、太陽電池90の局所に限定してパルス光LP11が照射される。これに対して、本第2検査では、太陽電池90の全面など、比較的広範囲に渡ってパルス光LP11が照射される。なお、第2検査における検査対象領域は、太陽電池90の全部とされてもよいし、または、その一部とされてもよい。
第2検査では、まず、太陽電池90がステージ11に固定される(図7:ステップS11)。このとき、搬送ロボットなどの搬送手段を用いて太陽電池90がステージ11に搬送されてもよいし、オペレータ自身が搬送するようにしてもよい。そして、太陽電池90の各端子に逆バイアス電圧印加回路99が接続され、逆バイアス電圧が印加される(図7:ステップS12)。なお、このステップS12は、省略することも可能である。
次に、検出部による検出タイミングが設定される(図7:ステップS13)。具体的には、制御部16が遅延部131を調整して、プローブ光LP12が検出器132に到達するタイミングが固定されるように、折り返しミラー10Mの位置が固定される。
なお、太陽電池素子31から放射される電磁波パルスLT1を、なるべく高い強度で検出するためには、発生した電磁波パルスLT1が最大となるときに検出することが望ましい。例えば、図5に示される電磁波パルスLT1の時間波形51の場合、電場強度が正のピークP11のタイミングで、検出することが望ましい。
しかしながら、パルス光LP11を照射する位置によって、パルス光LP11の光路長(具体的には、ビームスプリッタB1から太陽電池素子31までの光学的距離)が変化する。光路長が異なる場合、発生した電磁波パルスLT1が検出器132に到達するタイミングも変わる。したがって、パルス光LP11を2次元走査させて、照射位置を変更させた場合、太陽電池素子31から放射される電磁波パルスを、常に最大強度となるタイミングで検出することはできない。この点について、具体的に、図8および図9を参照しつつ説明する。
図8は、太陽電池素子31の概略縦断面図である。第2検査において、検査装置100は、太陽電池90に対して常に一定の角度(45度)でパルス光LP11を入射させ、太陽電池90を照射部12に対して相対的に2次元的に移動させる。また、太陽電池素子31は、略球体である。したがって、太陽電池素子31の頂点部にパルス光LP11(図8に示されるパルス光LP11a)が入射するとき、パルス光LP11の光路長が最小となる。一方、光反射部30の開口端付近にパルス光LP11(図8に示される、パルス光LP11b)が照射されるとき、パルス光LP11の光路長が最大となる。
図9は、光路長が相互に異なるパルス光LP11によって放射される2つの電磁波パルスLT1の時間波形55,57を示す図である。図9に示されるグラフにおいて、横軸は時間を示し、縦軸は電場強度を示している。また、図9に示される時間波形55は、図8に示されるパルス光LP11aによって放射される電磁波パルスLT1に対応している。また、図9に示される時間波形57は、図8に示されるパルス光LP11bによって放射される電磁波パルスLT1に対応している。
パルス光LP11の光路長が延びると、電磁波パルスLT1が検出器132に到達するタイミングが遅延する。このため、図9に示されるように、時間波形55と時間波形57とでは、電場強度が最大となるタイミングが異なっている。具体的に、時間波形55の電場強度が正のピークP41となるタイミングT5は、時間波形57の電場強度が正のピークP51となるタイミングT6よりも早いタイミングとなっている。
以上のように、パルス光LP11の照射位置が変更されると、パルス光LP11の光路長に応じて、電磁波パルスLT1が放射されるタイミングも変化する。このため、電磁波パルスLT1の電場強度が最大となるタイミングも変化することとなる。
そこで、図7に示されるステップS13において、検出タイミングを設定する際、その設定例として、(A)太陽電池素子31までのパルス光LP11の光路長が、最小となるときに太陽電池素子31から放射される電磁波パルスLT1が、最大強度となるときの第1検出タイミング(すなわち、図9に示されるタイミングT5)を、検出タイミングに設定することが考えられる。
また、(B)太陽電池素子31までのパルス光LP11の光路長が、最大となるときに、太陽電池素子31から放射される電磁波パルスLT1の電場強度が最大となるときの第2検出タイミング(すなわち、図9に示されるタイミングT6)を、検出タイミングに設定することも考えられる。
もちろん、検出タイミングが上記(A),(B)以外のタイミングに設定されて、第2検査が行われてもよいことはいうまでもない。
ステップS13において、検出タイミングが設定されると、モーター15が駆動されることにより、太陽電池90を2次元平面内で移動させる(図7:ステップS14)。このとき、パルス光LP11が太陽電池90に向けて照射され、放射される電磁波パルスLT1の電場強度が測定される。これにより、太陽電池90の検査対象領域についての電場強度分布が取得される。
なお、ステップS14における、太陽電池90の移動例として、例えば、太陽電池90を所定の第一方向(主走査方向)に移動させることで、この、検査対象領域の端部から端部までパルス光LP11を走査させる。その後、太陽電池90を、この第一方向に直交する第二方向(副走査方向)に所要距離分移動させて(ずらして)、再び上記第一方向に沿って太陽電池90を移動させる。これを繰り返し行うことにより、太陽電池90の検査対象領域について、パルス光LP11を走査させることができる。
ステップS14において、電磁波パルスLT1の電界強度が取得されると、画像生成部25により、電界強度分布を示す画像(イメージング画像)が作成され、モニター17に表示される(図7:ステップS15)。また、検出タイミングを変更するかどうか、判定される(図7:ステップS16)。検出タイミングを変更する場合は(ステップS16においてNO)、ステップS13に戻って、検出タイミングの設定が行われる。検出タイミングを変更しない場合は(ステップS16においてYES)、第2検査が完了することとなる。
なお、複数の検出タイミングステップS16における判定に基づいて、検出タイミングを変更するのではなく、例えば、ステップS14の測定中、遅延部132を制御することで、2(もしくは3以上)の検出タイミングで切り替えながら、パルス光LP11の照射を行うようにすることも考えられる。
図10は、電磁波強度分布を表すイメージング画像61の模式図である。また図11は、その他の電磁波強度分布を表すイメージング画像63の模式図である。図10に示されるイメージング画像61は、ステップS13において、検出タイミングが第1検出タイミング(図9に示される、タイミングT5)に設定されたときの、電磁波パルスLT1の検出結果に対応している。また、図11に示されるイメージング画像63は、ステップS13において、検出タイミングが第2検出タイミング(図9に示されるタイミングT6)に設定されたときの、電磁波パルスLT1の検出結果に対応している。また、イメージング画像61,63においては、説明の都合上、電場強度の大きさが3段階で示されているが、より多くの階級で示されていてもよい。
例えば、イメージング画像61では、電場強度が比較的強い領域が、光路長が比較的短くなる太陽電池素子31の頂点部周辺となっている。一方、イメージング画像63では、電場強度が比較的強い領域が、太陽電池素子31の頂点部周辺ではなく、その周辺部、特に、光反射部30の右側開口端付近となっている。
このようなイメージング画像61(またはイメージング画像63)を、例えば、良品を検査したときに取得されるイメージング画像と比較することで、異常箇所もしくは欠陥箇所などを容易に特定することができる。また、光反射部30の形状を様々に変更して、その都度、イメージング画像を取得し、それらを比較することもできる。このような検査により、例えば、太陽電池素子31に対して効率的に集光する光反射部30の構造決定を行う上で、有用な情報を得ることが期待される。
以上のように、第2検査の場合、第1検査に比べて、一度に広範囲を検査することができる。しかも、第2検査では、検出タイミングが固定される。このため、第2検査は、比較的短時間で行うことができる。
<1.3. 効果>
以上のように、本実施形態に係る検査装置100によると、太陽電池90にパルス光LP11が照射されることにより放射される電磁波パルスLT1を検出することで、光励起キャリア発生領域(例えば空乏層)の特性を検査することができる。したがって、従来の検査方法(多数のプローブピンを太陽電池90に当接させて検査する、いわゆる4端子測定法)に比べて、非接触もしくは非接触に近い状態で、太陽電池90の検査を行うことが可能である。したがって、太陽電池90の故障、不良判定の効率化や、接触などによる損傷事故の防止を図ることができる。
また、従来の検査方法では、太陽電池90に対して、疑似太陽光を定常的に照射して検査を行うことになる。このため、集光型の太陽電池90の場合、光反射部30において、反射を繰り返した疑似太陽光が、太陽電池素子31に入射する場合の測定結果しか得ることができない。これに対して、検査装置100の場合、パルス光LP11を用いるため、最初に発生した電磁波パルスLT1の測定結果のみを抽出することができる。したがって、検査装置100によると、太陽電池素子31を局所毎に検査することが可能となっている。また、光反射部30の局所的な解析する際にも有効である。このような局所的な検査を行うことにより、太陽電池素子31、または、光反射部30の構造の最適化、あるいは、材料の最適化を局所毎に図ることができる。
<2. 変形例>
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記実施形態に係る検査装置100において、検査対象物は、太陽電池90に限定されるものではない。可視光を含む光を電流に変換するフォトデバイス(光電変換素子)を含むものであれば、検査装置100の検査対象物となり得る。太陽電池以外のフォトデバイスとしては、具体的には、フォトダイオードやCMOSセンサやCCDセンサなどのイメージセンサが想定される。なお、イメージセンサの中には、使用状態においてフォトデバイスが形成された基板の裏面側となる部分に受光素子が形成されているものが知られている。このような基板であっても、使用状態において受光する側の主面を受光面として検査装置100に設置すれば、良好にテラヘルツ波パルスを検出することができる。
また、上記実施形態では、太陽電池素子31が略球体に形成されているが、その他の形状のもの(板状体、直方体、円柱体、円錐体、角錐体など)であってもよい。また、上記実施形態では、光反射部30の内面39は、放物面を呈するものとしているが、平滑面を呈していてもよい。つまり、太陽電池素子31に集光できるのであれば、光反射部はどのように構成されていてもよい。
さらに、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
100 検査装置
10M ミラー
12 照射部
121 フェムト秒レーザ
13 検出部
131 遅延部
132 検出器
15 モーター
16 制御部
21 時間波形復元部
23 時間波形解析部(時間波形抽出部、波形面積取得部)
25 画像生成部
30 光反射部
31 太陽電池素子
36 第2半導体層
37 第1半導体
39 内面(反射面)
42 銀メッキ層
51,53,55,57 時間波形
61,63 イメージング画像
90 太陽電池
BL1 ベースライン
LP1,LP11,LP11a,LP11b パルス光
LP12 プローブ光
LT1 電磁波パルス
P11,P21,P31,P41,P51 正のピーク
P12,P22,P32 負のピーク
T1〜T6 タイミング
TR1,TR2 期間

Claims (5)

  1. 反射面によって集光する光反射部がその周囲に配置されているフォトデバイスを検査する検査装置であって、
    前記光反射部にパルス光を局所に限定して照射する照射部と、
    前記パルス光の照射に応じて前記フォトデバイスから放射される電磁波パルスを検出する検出部と、
    を備え、
    前記検出部は、前記パルス光の光源から出射されるプローブ光の照射に応じて、前記電磁波パルスの電場強度を検出する検出器と、
    前記電磁波パルスが前記検出器へ到達する時間と、前記プローブ光が前記検出器へ到達する時間との時間差を変更することによって、前記検出器による前記電磁波パルスの検出タイミングを遅延させる遅延部と、
    を含み、
    前記検査装置は、
    複数の前記検出タイミングで前記検出器にて検出される電磁波パルスの電場強度から、前記電磁波パルスの時間波形を復元する時間波形復元部と、
    前記時間波形復元部により復元された時間波形のうち、最初に発生した電磁波パルスに相当する時間波形を抽出する時間波形抽出部と、
    をさらに備えている、検査装置。
  2. 請求項1に記載の検査装置において、
    前記時間波形抽出部は、
    前記電磁波パルスの前記時間波形において、基準となる基準電場強度よりも大きい電場強度を正の電場強度とし、前記基準電場強度よりも小さい電場強度を負の電場強度としたとき、前記パルス光の照射に応じて発生した光電流が消失する過程で発生する、前記電場強度の負のピークに基づき、前記電磁波パルスの時間波形を検出する、検査装置。
  3. 請求項1または2に記載の検査装置において、
    前記電磁波パルスの前記時間波形において、基準となる基準電場強度よりも大きい電場強度を正の電場強度とし、前記基準電場強度よりも小さい電場強度を負の電場強度としたとき、前記電場強度が正となるときの前記時間波形の波形面積、または、前記電場強度が負となるときの前記時間波形の波形面積を取得する、波形面積取得部、
    をさらに備えている、検査装置。
  4. 請求項1からまでのいずれか1項に記載の検査装置において、
    前記フォトデバイスが、太陽電池を構成する、検査装置。
  5. 反射面によって集光する光反射部がその周囲に配置されているフォトデバイスを検査する検査方法であって、
    (a) 前記光反射部にパルス光を局所に限定して照射する工程と、
    (b) 前記(a)工程における、前記パルス光の照射に応じて、前記フォトデバイスから放射される電磁波パルスを、前記パルス光の光源から出射されるプローブ光の照射に応じて前記電磁波パルスの電場強度を検出する検出器で検出する工程と、
    (c) 前記(b)工程において、前記電磁波パルスが前記検出器へ到達する時間と、前記プローブ光が前記検出器へ到達する時間との時間差を変更することによって、前記検出器による前記電磁波パルスの検出タイミングを遅延させる工程と、
    (d) 複数の前記検出タイミングで前記検出器にて検出される電磁波パルスの電場強度から、前記電磁波パルスの時間波形を復元する工程と、
    (e) 前記(d)工程により復元された時間波形のうち、最初に発生した電磁波パルスに相当する時間波形を抽出する工程と、
    を含む、検査方法。
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