JP5493075B2 - 集光型太陽電池およびこれを用いた追尾型太陽電池装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の球状光電変換素子を個々に分離して支持する支持体を具備し、この支持体が各光電変換素子の側面を囲む反射鏡を備えた低集光型太陽電池に関するものである。
近年、球状の半導体素子を、光電変換素子や、ダイオード、水分解による水素発生用の素子などに使用することが検討されている。特に、球状のp型半導体基体の表面に沿ってn型半導体層を形成した光電変換素子が、安価で、高出力を期待できる太陽電池用素子として注目されている。球状の光電変換素子を用いることにより、太陽電池の光電変換部の平均厚みを薄くし、シリコンの使用量を軽減することが期待されている。例えば、第1導電型半導体(以下、第1半導体で表す)としての球状シリコンに第2導電型半導体層(以下、第2半導体層で表す)を被覆した球状素子をアルミニウム箔に形成した孔に埋込み、その裏面から第2半導体層をエッチングして内部の第1半導体を露出させ、その露出面を他のアルミニウム箔に接続して構成したソーラ・アレー(特許文献1参照)、および類似の球状太陽電池(例えば、特許文献2および3参照)が提案されている。
上記の球状太陽電池は反射光を十分には活用できない方式なので、モジュールの受光面当たりの十分な変換効率を確保することが困難であり、原価を低減させる効果が少ない。この問題を解決するため、支持体に多数の凹部を設け、各凹部に単体の球状素子を収容する方式の低集光型球状太陽電池(例えば、特許文献4〜6参照)が提案されている。これらの太陽電池は、凹部内面を反射鏡として作用させ、集光率を高めることで球状素子一個当りの出力を高め、シリコンの消費量低減を図るものである。この太陽電池はマイクロ集光型球状太陽電池とも呼ばれる。
低集光型球状太陽電池用の支持体は、受光面への照射光のできるだけ多くを凹部内に入射させるために、隣接する凹部の開口部間の隙間ができるだけ小さく設計されていることが好ましく、例えば、凹部の開口端が正六角形で、隣接する凹部の開口端が連続して形成された支持体が提案されている(特許文献6参照)。この支持体は複数の凹部の開口部間の隙間が殆どないので、太陽電池の上部から照射される光の大部分を凹部内に照射させることが可能となり、単位面積当たりの出力を効果的に高めることができる。
しかし、上記の各事例においては、斜め方向から照射される光の入射角度が大きくなるにつれて、照射光が凹部間の壁に遮られる率が大きくなる。この問題を緩和する手段として、隣接する凹部を区画する壁を極力薄くした上で、この壁の稜線が、凹部の正六角形の頂点で最も高く、中央で最も低い曲線を描くよう設計することにより、支持体の斜め方向から照射される光が凹部間の壁に遮られることを抑制し、凹部内に多くの光を入射させようとするものである(特許文献7参照)。しかしながら、斜め方向から照射される光が凹部間の壁に遮られることは低集光型太陽電池の構造上の基本的な問題なので、ある程度の改善はできても本質的な限界がある。
さらに、低集光型太陽電池においては、凹部内の球状素子に直接照射される光に加えて、凹部内面(光反射面)からの反射光を有効に球状素子に照射させることによって、反射光の多くが球状素子に照射されるように設計し、単位面積当たりの出力を高めることが肝要である。そのための重要課題の一つは、光反射面の形状と球状素子の大きさや収容位置の関係などを最適化することである考えられるが、従来の光反射面は主として半球面状であり、球状素子との配置などにも検討の余地を残している。
また、特に、斜め方向から照射される光を受光することが比較的不得手な低集光型太陽電池においては、季節、時刻、天候あるいは設置場所などによって太陽光の照射角度が様々に変化することに対応して、太陽の方向を追尾しながら発電する方式の発電装置用を指向した検討もまた重要課題である。これらの課題を解決することで、所定性能の光電変換素子一個当たりから得られる出力を増大し、シリコンなどの高価な原材料の使用量を大幅に低減することが期待される。
特公平7−54855号公報 国際公開公報WO98/15983 特開2001−339086号公報 特開平11−031837号公報 特開2002−050780号公報 特開2002−164554号公報 特開2005−317667号公報
本発明は、上記の重要課題を解決し、受光面への照射光を有効に活用して球状光電変換素子一個当たりの出力を効果的に高めることにより、特に追尾型太陽電池装置用として適した、低コストの集光型太陽電池を提供すること目的とする。
本発明の集光型太陽電池は、球状の第1半導体およびその表面に形成された第2半導体層を有する複数のほぼ球状の光電変換素子、並びに、前記光電変換素子を個々に分離して支持する支持体を具備し、前記支持体が、上部を開口し前記各光電変換素子の側面を囲む反射鏡を有する光反射部材、前記第1半導体と電気的に接続された第1導電部材、および前記第2半導体層と電気的に接続された第2導電部材を含み、前記反射鏡の前記光電変換素子に面する内面が放物面状を呈し、前記放物面の焦点が前記光電変換素子の内部に位置するように、前記光電変換素子が配置されおり、前記光電変換素子の径が0.2〜4mmであり、前記光電変換素子の横断面積に対する前記反射鏡の開口部の面積の比率である集光倍率が4倍以上であることを特徴とするものである。
上記の本発明による代表的形態の集光型太陽電池は、前記光電変換素子の第2半導体層は、第1半導体の一部を露出させる開口部を有し、前記第2導電部材が、前記光電変換素子を収容し、かつ底部の孔から前記光電変換素子の第1半導体の露出部を当該第2導電部材の裏面側に臨ませる凹部を有し、前記第1半導体の露出部が前記第1導電部材に電気的に接続され、前記凹部の内面が前記反射鏡を構成することにより、前記第2導電部材が前記光反射部材を兼ねているものである。集光倍率は8倍以下であるのが好ましい。
球状の光電変換素子(以下、球状素子で表す)を用いた低集光型太陽電池では、受光面への照射光のうち、球状素子に直接に照射される光以外の反射光を球状素子に照射させることが、光電変換効率の向上に重要である。本発明では、反射鏡の内面が放物面状の曲面を有するので、上方から垂直に反射鏡の内面に照射された光は全て前記の放物面の焦点に向けて反射する。上記の放物面の焦点がその内部に位置するように球状素子が配置されているので、垂直方向に反射鏡に入射した光のうち、直接に球状素子に照射された光に加えて、反射鏡の内面から球状素子の内部に向けて反射した光の殆んど全てが球状素子の表面に照射される。これにより、球状素子一個当たりの出力を大幅に向上させることができる。
上記の本発明の集光型太陽電池においては、反射鏡の内面の放物面の焦点が球状素子の中心部に位置するように、前記光電変換素子が配置されていることがさらに好ましい。
本発明において、球状素子一個当たりの出力を一層向上させるためには、球状素子の表面に照射される上記の反射光を出来るだけ多く球状素子に吸収させることが肝要である。そのためには、反射光を球状素子の中心に向けて反射させて球状素子の表面に垂直方向に照射されるように、放物面の焦点に球状素子の中心を出来るだけ近づければよい。このように、反射光を反射鏡の内面に囲まれた光電変換素子の表面に垂直方向に照射することにより、上方から凹部内に照射された光の多くを一層効果的に球状素子に吸収させることができ、出力当たりの光電変換素子の原材料コストを一層大幅に削減することができる。
上記の本発明の集光型太陽電池の特徴を最大限に活用するためには、特に、太陽光を常に垂直方向から受光できるように追尾する方式の太陽電池装置(追尾型太陽電池装置)の発電要素として用いることが好ましい。
本発明の集光型太陽電池では、上方から反射鏡の開口部に入射した光が反射鏡内の球状素子に直接に照射される以外に、反射鏡の内面に照射された光の反射光の殆んど全てが球状素子の表面に照射される。好ましい形態では上記の反射光は球状素子の表面に垂直方向に照射される。これにより、球状素子一個当たりの出力を大幅に向上させることができ、出力当たりの球状素子の原材料コストを大幅に削減することができる。
本発明の集光型太陽電池は、特に、追尾式太陽電池に適用することにより、極めて大きな効果が得られる。
本発明は、球状の第1半導体およびその表面に形成された第2半導体層を有する複数のほぼ球状の球状素子、並びに、これら球状素子を個々に分離して支持する支持体を具備する集光型太陽電池に関するものであって、この支持体が、上部開口し各球状素子の側面を囲む反射鏡を有する光反射部材、第1半導体と電気的に接続された第1導電部材、および第2半導体層と電気的に接続された第2導電部材を含み、前記反射鏡の球状素子に面する内面が放物面状を呈し、その放物面の焦点が球状素子の内部に位置するように、球状素子が配置されていることを特徴とするものである。
上記の本発明による代表的形態の集光型太陽電池においては、球状素子の第2半導体層は、第1半導体の一部を露出させる開口部を有し、第2導電部材が、球状素子を収容し、かつ底部の孔から第1半導体の露出部を第2導電部材の裏面側に臨ませる凹部を有し、第1半導体の露出部が第1導電部材に電気的に接続されており、凹部の内面が反射鏡を兼ねている。
反射鏡の開口部から入射した光は、反射鏡内の球状素子に直接に照射され、あるいは、反射鏡に照射された光の反射光として球状素子に照射される。これら球状素子に照射された光は球状素子に吸収され、一部は球状素子から反射し、さらにその一部は反射鏡面で再び反射する。球状素子の出力を高めるには、反射鏡の開口部から入射した光あるいはその反射光を効率的に球状素子に吸収させることが肝要である。
本発明の集光型太陽電池においては、光反射部材の凹部の開口部から垂直方向に入射し、放物面状の反射鏡面に照射された殆んど全ての光は、該放物面の焦点の方向、すなわち凹部内の球状素子の内部の方向に反射して球状素子の表面に照射される。特に、反射鏡面の放物面の焦点が球状素子の中心に近くなるように、両者の位置関係を調整するにつれて、反射光が、球状素子の表面に垂直に近い角度で照射されるので、極めて効率的に球状素子に吸収され、球状素子の光吸収量が一層多くなり、効果的に出力を高めることができる。
また、球状素子の横断面積に対する反射鏡の開口部の面積の比率(集光倍率)を大きくすることにより、球状素子に吸収される上記の反射光の量が多くなり、これに対応して球状素子一個当たりの発電量を一層大きくすることができる。これらの効果により、一定の発電能力を備えた太陽電池を構成する場合の球状素子の数を大幅に少なく、あるいはその大きさを大幅に小さくすることができるので、シリコンなどの高価な球状素子の材料を効果的に削減することができる。本発明の集光型太陽電池は、上記のように、受光面に垂直方向から照射される光を極めて有効に活用できるので、追尾式太陽電池装置用として使用するのが最も効果的である。
次に、反射鏡の開口部から垂直方向に入射して反射鏡面で反射した光が、反射鏡の内面に囲まれた球状素子の表面に照射される状況を、図1〜3のモデル図により説明する。図1には反射鏡面が放物面状を呈し、その放物面の焦点がその中心に位置するように球状素子が配置されている場合、図2には反射鏡内面の放物面の焦点が球状素子の内部にはあるが、中心よりも上部にずれた位置にある場合、図3には反射鏡の内面が半球面状を呈している従来の反射鏡の内部に球状素子が配置されている場合、のそれぞれの状況を示している。
説明を容易にするために、一部を除いて、反射鏡面で一次反射した光線のみを図示し、二次反射以降の光線および球状素子に直接照射される光については省略し、反射鏡の開口部は円形とした。また、本発明の集光型太陽電池が特に追尾式太陽電池に適用する場合に顕著な効果が得られることから、これに適した比較的高い25という集光倍率に統一し、球状素子の直径と凹部の底部の孔の直径との比は、1:0.7に統一してそれぞれのモデル図を作成した。上記のように球状素子と凹部の孔の大きさ、および集光倍率を統一することにより、図1、図2、図3の順に凹部の深さは浅くなる。
図1の場合には、開口部1aから垂直方向に反射鏡の内部2aに入射した光3aは、反射鏡の内面4aから放物面の焦点5a(即ち球状素子6aの中心7a)に向って反射するので、反射光8aの全てが球状素子6aの表面に垂直に照射されている。図2の場合には、反射鏡の開口部1bから垂直方向に内部2bに入射した光3bは、反射鏡の内面4bから球状素子6bの内部に位置する放物面の焦点5bに向って反射するので、反射光8bの全てが球状素子6bの表面に照射されている。しかし、放物面の焦点5bは球状素子の中心7bから離れた位置にあるので、反射光8bの照射角度は反射位置によって様々である。図3の場合には、開口部1cから垂直方向に反射鏡の内部2cに入射した光3cの反射鏡の内面4cからの一部の反射光8cは球状素子6cの表面に何らかの角度で照射されるが、多くの反射光9cは球状素子6cに照射されない。5cは反射鏡面4cの球状曲面の中心点である。図3における上記の傾向は集光倍率が小さくなると緩和されるが、反射鏡面が球面の一部である限り、全ての反射光を球状素子に照射させる条件を見出すことは困難である。
図2の場合は、放物面の焦点5bは球状素子6bの中心7bから上方に向けて、球状素子の半径の25%分の距離だけずれた位置にあるが、反射光の照射率は、図1の場合の約98%という高率なので、反射光の活用と言う観点から両者の間には殆ど差が無いと見做してもよい。ここに、照射率は、球状素子の表面に様々の角度で照射される反射光を、球状素子の表面に垂直方向に照射される光成分と、球状素子の表面に照射されない水平方向の光成分に分割し、前者の光成分の積算値を、図1のように放物面の焦点が球状素子の中心に位置している場合の積算値に対する百分率で表したものである。
本発明の代表的形態の集光型太陽電池における光反射部材を兼ねる第2導電部材は、少なくともその受光面側が導電性の金属からなり、この金属が球状素子の第2半導体層と電気的に接続されている。第2導電部材の凹部内の球状素子の第2半導体層を凹部内面(反射鏡面)の導電性の金属に電気的に接続することにより、第2導電部材と第2半導体層を容易に電気的に接続することができる。この導電性の金属は、第2導電部材に支持された複数の球状素子の第2半導体層を相互に並列に接続する集電体として機能する。
また、第2導電部材の凹部の底部の貫通孔から突出している部分の第2半導体層を除去して開口部を形成し、その開口部内に露出している第1半導体もしくはその上に形成された電極層と、第1導電部材とを電気的に接続する。この第1導電部材は、支持体に支持された複数の球状素子の第1半導体を相互に並列に接続する集電体として機能する。
次に、上記の本発明による代表的形態の集光型太陽電池について、その一例を図4および図5により説明する。図4は本実施形態の集光型太陽電池の発電部の要部の縦断面図であり、図5はその集光型太陽電池の平面図である。直径約1mmの球状素子11が、アルミニウム製の第2導電部材12に設けられた436個の凹部13のそれぞれに1個ずつ固定されて、発電部14が形成されている。受光面は長さ約15cm、幅が約5cmの大きさで、集光倍率は約20である。上方から見た凹部13の開口端は正六角形で相互に連なっている。この第2導電部材12の構造については、後に図6〜8により詳しく説明する。凹部13の底部の貫通孔から下部に突出している部分の球状素子の第2半導体層16およびその上に形成された導電性の反射防止膜(図示せず)は、エッチングなどで選択的に除去されて第1半導体17の一部が露出している。その露出部には電極層18が形成されている。凹部の内面19は放物面状を呈し、放物面の焦点20は球状素子11の中心21とほぼ同位置にある。凹部の内面(反射鏡面)19を含む第2導電部材12の受光面側(表側)には光反射性の優れた銀メッキ層22が形成されている。
第2導電部材12の凹部13の底部の貫通孔の開口部の周縁端部と、球状素子11の第2半導体層16とは、導電性接着剤(図示せず)によって電気的、機械的に接続されている。第2導電部材12の裏面には電気絶縁層23が接着され、電極層18に対向する部位の電気絶縁層23には透孔が設けられている。電気絶縁層23の裏側にはアルミニウム製の第1導電部材24が接着され、電気絶縁層23の透孔に対向する部位の第1導電部材24には透孔が設けられており、これらの透孔によって連通孔が形成されている。球状素子11の第1半導体17の露出部に形成された電極層18と第1導電部材24とは、上記の連通孔を満たすように導電性ペースト25が充填されて、電気的に接続されている。球状素子が接続された第2導電部材12の凹部13の空間には、球状素子を第2導電部材により強固に固定するために、必要に応じて、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)などの透光性の樹脂(図示せず)を充填してもよい。
第2導電部材12の一端は集光型太陽電池の一方の端子27を構成し、これに対向する端部の裏側から突出させた第1導電部材24の一端が他方の端子26を構成している。
この集光型太陽電池の出力は一個当り約1Wであるが、任意の数を電気溶接などにより直列、並列、または直並列に電気的に接続することによって、希望する仕様の電力を出力する光電変換装置の光電変換部を構成することができる。
本発明の集光型太陽電池における光反射部材は様々な形態を採ることができるが、何れの場合も、反射鏡の内面は充分な光反射性を有することが必要である。本発明における反射鏡の開口端は、円形であってもよいが、受光面に照射された光を最大限に反射鏡内に入射させるためには、上方から見て、相互に連続した多角形の開口端が形成されていることが好ましく、特に、ほぼ正六角形であることが好ましい。
次に、反射鏡の開口端が、上方から見て連続した多角形を呈している光反射部材の代表例を図6〜8により説明する。この光反射部材は第2導電部材を兼ねた部材であり、図6には該部材の平面図、図7には図6のA−B線の断面図、図8には図6のC−D線の断面図をそれぞれ示す。この部材の表側(受光面側)には、複数の凹部30が千鳥状に形成されており、反射鏡(凹部)の開口端31が、上方から見てほぼ正六角形であり、その正六角形の各一辺が隣接する凹部30、32を区画する稜線34を構成し、その稜線が、前記の正六角形の頂点33で最も高く、中央36で最も低い曲線状を呈している。
上記のように、各稜線34は何れも凹部30の底部に向けて湾曲しており、凹部30の断面積は上部から底部にかけて小さく、底部に孔35が設けられている。この孔35は、凹部30に収容される球状素子の第1半導体と、この第2導電部材の背面に配置される第1導電部材とを電気的に接続するために必要な連絡孔である。凹部の内面(反射鏡面)37は放物面状を呈し、その焦点38が、凹部内に配置される球状素子の内部に位置するように設計される。
上記の部材においては、隣接する凹部間の壁は前記の正六角形の頂点部において最も高く、稜線の中央部において最も低くなるように湾曲しているので、凹部間の壁は、凹部の上部では部分的にしか存在しない。しかも、受光面には凹部の開口端が密に形成されているので、受光面に照射された光は無駄なく凹部内に照射される。これにより、凹部の内面(反射鏡面)が放物面状を呈するので上方からの照射光が有効に活用されるという効果に加えて、斜め方向から照射される光が凹部間の壁に遮られることが抑制される効果が加わるため、受光面に照射された光を一層効果的に球状素子の出力増大に結びつけることができる。
光反射部材の基材が、図6〜8のように導電性の金属からなる場合、あるいは受光面側の導電性の金属と裏側のポリカーボネイトなどの樹脂との複合体からなる場合には、少なくとも反射鏡内面の金属の表面に銀を含む導電性の膜が形成されていることが好ましい。基材が導電性の金属からなる部材は、例えば、図4のような実施形態の集光型太陽電池に使用すれば、光反射部材を兼ねた第2導電部材とすることができる。また、導電性の金属と樹脂との複合体を基材とする部材は、受光面側の金属に、第2導電部材および光反射部材を兼ねさせ、その裏側の樹脂の部分を、第1導電部材と第2導電部材の間の電気絶縁層とすることができる。
図9および10に、導電性の金属と樹脂との複合体を基材とする光反射部材、電気絶縁層および第2導電部材を兼ねた部材の一例を示す。図9はこの部材の平面図、図10は縦断面図である。この部材はシート状のアルミニウムとポリカーボネイトを張り合わせたシートをプレス加工して作製したものであって、受光面側(表側)は第2導電部材40としてのアルミニウムシートからなり、上方から見て円形の開口部42を有する複数の凹部43が相互に密接して形成されている。反射鏡面となる凹部内面44は放物面状であり、放物面の焦点45は凹部の下部の中心軸上にある。受光面のうちの少なくとも凹部内面44には、光反射性が優れた導電性の膜46を形成するのが好ましい。受光面の裏側には、ポリカーボネイトシートからなる電気絶縁層47がアルミニウムシートからなる第2導電部材40の裏側に密着して形成されている。凹部の底部には、第2導電部材40および電気絶縁層47を貫通する孔48が形成されている。
第2導電部材の基材となる導電性の金属としては、コスト、耐食性、機械加工性などから、アルミニウム、アルミニウム合金を用いることが好ましいが、これら以外に、ニッケル、銅、クロム、鉄、亜鉛、および銀、あるいはそれらを主成分とする合金などを使用できる。また、上記の導電性の膜は、反射鏡面の光反射性を高めるとともに、第2半導体層との電気的接続を容易にするために基材金属の表面に形成されるものであり、少なくともその表面層に銀を含むものが好ましい。この膜は、電解メッキ、無電解メッキ、真空蒸着、CVD、スパッタリングなどにより形成することができる。これにより、球状素子の第2半導体層との良好な電気的接続が得られると共に、反射鏡の光反射能を効果的に向上させることができる。導電性の膜は、上記以外に、ニッケル、銅、クロム、鉄、および亜鉛などを含む光沢に富む導電層であってもよい。
反射鏡の光反射能を向上させる他の方法として、凹部内面のアルミニウムなどの金属基材の表面に、例えば極細粒研磨剤により鏡面加工を施してもよい。
上記の受光面側の基材を導電性の金属とするもの以外に、ポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、フッ素樹脂、オレフィン樹脂などの樹脂を用いて基体とすることもできる。この場合には、少なくとも受光面側は導電性の膜が形成され、特に、反射鏡となる凹部の内面は、上記と同様の銀を含む導電性の膜で構成されていることが好ましい。図11にこの部材の縦断面を示す。基体50はポリカーボネイトなどの樹脂を切削加工して作製されている。図10の部材と同様に開口部52が円形の多数の凹部53が相互に密接して形成され、その内面54は放物面状であり、放物面の焦点55は凹部の中心軸上にある。凹部の内面54には、図10と同様の光反射性に優れた導電性の膜56が形成されており、凹部の底部には孔58が設けられている。この部材は、導電性の膜が光反射部材と第2導電部材の機能を果たし、基体の樹脂部が第1導電部材と第2導電部材間の電気絶縁層の機能を有する多機能の部材として用いることもできる。
上記の各形態の光反射部材は、いずれも、主として第2導電部材などを兼ねた多機能部材として説明したが、使用方法によっては、図12に示す実施形態の集光型太陽電池のように、光反射部材としての単独の用途に用いることもできる。図12において、第1導電部材60はアルミニウムの薄板からなり、その上に複数の球状素子61が互いに間隔を置いて所定のパターンで配列して合金層62によって固定されている。この合金層62は、球状素子61を第1導電部材60に押圧しながら約600℃で加熱することによって両者の接合部に形成されるものであって、これにより両者が電気的、機械的に接続されている。
第1導電部材60に接続されている部位よりもやや上部の球状素子61は、その第2半導体層がエッチングによりリング状に除去されて第1半導体64と第2半導体層63が分離されている。第2半導体層が除去された部位を含めた球状素子61の相互の間には電気絶縁層66が形成されている。球状素子の第2半導体層63および電気絶縁層66の表面に跨って透光性の導電膜67が形成され、この膜67は、例えば、In23、ITO(In23−SnO2)、TiO2などから選ばれる1種以上の酸化物膜からなり、反射防止膜の機能も有している。電気絶縁層66上に形成された部位の導電膜67の上にはアルミニウムの薄板を加工した第2導電部材68が導電性接着剤(図示せず)によって接着されている。第2導電部材68には、球状素子61の配列パターンに対応して、球状素子よりやや大きい複数の孔が形成されている。
第2導電部材68は、球状素子61を前記の孔に通して導電膜67上に配設されている。第2導電部材68の上には光反射部材が接着剤(図示せず)により固定されている。この光反射部材は、図11に示した部材に準じた構造であって、基材69は樹脂からなり、放物面状の反射鏡面70には銀メッキ層71が形成されており、凹部の底部には球状素子よりやや大きい孔が設けられている。反射鏡面70の放物面の焦点は球状素子61の中心72に位置している。
本発明の集光型太陽電池に用いる球状素子は、比較的容易に低コストで製造することができることから、シリコンを主成分とするものが好ましく、単結晶または多結晶の材料から成ってもよい。また、シリコン以外に、化合物半導体などの材料から成ってもよい。球状素子は、真球でなくても、ほぼ球状であればよい。第1半導体は、中実のほぼ球状に形成されたもの以外に、芯体の外周面に第1半導体層が被覆して形成されたものや、中心付近に空胴を有するほぼ球状の第1半導体であってもよい。
球状の第1半導体の代表的な製造方法の一つに溶融滴下法がある。これは、例えば、所定量のホウ素などのドーパントがドープされたシリコン材料を坩堝に入れて加熱溶融させ、その融液を不活性ガスで加圧して、坩堝底部に設けられたノズル孔から連続的に滴下させ、液滴が冷却塔中を落下する間に凝固させることによって、球状の第1半導体粒子を製造するという方法である。
球状の第1半導体の他の代表的製造方法として粉末溶融法がある。この方法は、例えば、山状またはパイル状をしたシリコン粉末の小塊を多数形成し、これらを支持板上に配列する。これを熱処理炉で加熱し溶融させて多数の球状の溶融体を形成し、これらを冷却して凝固させてシリコン球を得るという方法である。あらかじめドーパントをドープしていないシリコン粉末を原料として用いる場合には、得られたシリコン球にドーパントをドープすることにより、球状の第1半導体粒子を製造することができる。
上記の方法で得られた第1半導体粒子を、必要に応じて、微量の酸素を含む不活性ガス雰囲気中で、シリコンの融点よりやや高い温度で加熱して再溶融させた後に徐冷する。これにより、第1半導体粒子の単結晶化が進み、粒子の真球度合も高められる。さらに、必要に応じて、半導体粒子を研磨するなどしてその真球度を高め、球径を揃える。以上の製造方法により、シリコンを主成分とするほぼ球状の第1半導体を量産することができる。
図13に示すように、球状の第1半導体81に、たとえばリンを拡散させて、表面に沿って第2半導体層82を形成することによって、pn接合を備えた球状素子83が得られる。この第2半導体層は、たとえば、p型シリコン粒子にPOCl3の溶液のミストを吹き付けて、均一に付着させてから、約900℃の温度で熱処理することにより形成される。
本発明における球状素子は、図14に示すような、図13の球状素子83の第2半導体層82の表面に反射防止膜84が形成された球状素子85であることが好ましい。反射防止膜としては、例えば、溶液析出法、霧化法またはスプレー法などで形成したZnO、SnO2またはITOなどを主体とする薄膜を適用することができる。球状素子の表面に形成された反射防止膜84は、例えば図4に示した形態の集光型太陽電池のように、第2半導体層と第2導電部材とを反射防止膜を介して電気的に接続する場合には、導電性を有することが好ましい。酸化チタンなどの非導電性反射防止膜を用いる場合には、第2導電部材と接する部分の反射防止膜を除去して第2半導体層と第2導電部材とを電気的接続を行う必要がある。
導電性を有する反射防止膜としては、特に、フッ素およびアンチモンの少なくとも一方をドープした、厚さ50〜100nmの導電性のSnO2膜が好ましい。例えば、第2半導体層を形成した多数の球状素子を加熱板上において回転させながら400〜600℃に加熱し、フッ化アンモニウム、フッ酸、五塩化アンチモンまたは三塩化アンチモンなどのドープ材料および四塩化錫、二塩化ジメチル錫またはトリメチル塩化錫などの錫化合物の溶液の微粒子を、球状素子に吹きつけることにより、その表面にほぼ一定厚みの導電性SnO2膜が形成される。
本発明の集光型太陽電池に用いる球状素子は、上記のように、照射光の吸収性を高めるために反射防止膜が形成されていることが好ましいが、必ずしも反射防止膜は必要としない。図13または図14に示す球状素子83または85を、例えば、図4のような集光型太陽電池に組み込む場合には、集光型太陽電池の組み立て工程中に、第2導電部材の裏側に露出している反射防止膜および第2半導体層または第2半導体層をエッチングなどにより除去して開口部を形成して第1半導体の一部を露出させている。その露出部に形成された電極層と第1導電部材とが電気的に接続されている。集光型太陽電池の形態によっては、図15または図16に示すように、球状素子83または85の一部を予め削り取って第1半導体81を露出させ、その露出部86に電極層87を形成した素子を組み込んでもよい。電極層は、例えば、第1半導体の露出部に塗布された導電性ペーストをレーザ光により熱処理することにより形成される。
本発明における反射鏡に上方から垂直に入射した光のうち、反射鏡面からの反射光が球状素子に照射される量は、集光倍率に比例して多くなる。本発明における反射鏡の集光倍率は、一般的には4以上が好ましいが、集光倍率の上限は、光反射部材の作製や反射鏡の内部に球状素子を固定する作業の難易性、集光型太陽電池として許容される厚さなどによって制約を受ける。また、追尾型太陽電池に用いる場合と固定型太陽電池に用いる場合とでは適切な集光倍率が異なり、一般的には前者の場合に比較的高い集光倍率が好ましく、後者の場合には比較的低い集光倍率であることが好ましい。
表1に、凹部内面に反射鏡面を有し、凹部の底部に0.7mmの孔が設けられ、直径1.05mmの球状素子を収容する一定サイズ(受光面が15cm×5cm)の図6〜8の構造の光反射部材について、反射鏡の集光倍率を変化させた場合の設計値、および、それらに収容される球状素子の数と重量、ならびに、これらの光反射部材を用いた各集光型太陽電池の光電変換性能に関する実験値を示す。反射鏡面が放物面の場合は焦点が球状素子の中心に位置するように設計されている。
Figure 0005493075
表1における光反射部材当たりの短絡電流(A/光反射部材)は、表1のそれぞれの光反射部材を用いて試作した図4および図5に示す構造の集光型太陽電池について、光源に500Wキセノンランプ(放射強度100mW/cm2、AM1.5)を用いたソーラーシミュレータにより、受光面に垂直方向に光照射を行って測定した値である。
球状素子当たりの短絡電流(mA/素子)は上記の光反射部材当たりの短絡電流値から算出した平均値である。素子間隔は隣接する球状素子の中心間の距離である。従来例として検討した反射鏡面が半球面の光反射部材は、半球面反射鏡としてはほぼ最適の条件で設計されたもので、球面の曲率半径は約2.7mmである。本発明の各実施形態A〜Fのそれぞれの反射鏡の放物面の焦点は、底部に孔を形成する前の放物面の最下点から上方に0.45〜0.46mmの点、即ち球状素子の中心に位置するように設計されている。
試作実験には、直径が1.05±0.1mmの範囲内の球状素子を用いた。また、放物面の焦点が球状素子の中心に位置するように設計されているが、上記の球状素子の直径や真球度、放物面や孔の加工精度、および組立作業などのバラツキによって、実際には、球状素子の中心が±0.3mm程度の範囲内でずれた点に放物面の焦点が位置している。ここでは、この程度のずれの範囲が満たされれば、実質的に放物面の焦点が球状素子の中心部に位置しているものと看做して試作実験を行った。
表1から明らかなように、集光倍率が高くなるにつれて光反射部材当たりの凹部の数、すなわち球状素子の数およびシリコンの使用量が減少している。ここに、シリコンの使用量は球状素子当たりの重量が1.41mgとして算出したものである。球状素子当たりの短絡電流は、集光倍率にほぼ比例して増大しており、本発明による反射鏡の反射光が効果的に球状素子に照射され、吸収されていることがわかる。
また、半球面状の反射鏡面を有する従来例と、これと同一の集光倍率を有する反射鏡を用いた本発明の実施形態の場合との球状素子当りの短絡電流を比較すると、集光倍率が20.4の場合は、従来例Hに比べて実施形態Dの球状素子当りの短絡電流は約9倍と著しく増大している。このことから、本発明により顕著な効果が得られることがわかる。また光反射部材当たり(受光面積当たり)の短絡電流値については、本発明の各実施形態A〜Fにおいて、集光倍率が大きくなると若干小さくなるように見受けられるが、顕著な差は見られない。
これらのことから、本発明の各実施形態において、受光面積当たり同一の出力を得るための球状素子の数およびシリコンの使用量は大幅に削減され、特に集光倍率が大きくなるにつれて顕著な効果が得られることがわかる。また、球状素子の中心が実際には±0.3mm程度の範囲内でずれた点に放物面の焦点が位置している試作実験によって、設計から期待される通りの優れた効果が確認されたことから、この程度のずれの範囲(球状素子の直径の±30%以内)が満たされれば、実質的に、球状素子の中心が放物面の焦点に位置しているものと同等の効果が得られることが確認された。
表2に、反射鏡の放物面の焦点が球状素子の中心から離れた点に位置するよう設計された場合の設計例を、反射鏡の放物面の焦点と球状素子の中心の位置が一致している比較例とともに示す。各光反射部材は表1の場合と同様に、凹部の底部の孔の直径が0.7mm、収容する球状素子の直径が1.05mm、受光面のサイズが15cm×5cmに統一して設計した。
Figure 0005493075
表2において、焦点位置(mm)は、放物面の焦点が、球状素子の中心に位置する場合は「0」、球状素子の中心軸上にあって中心から上方に位置する場合は「正の値」、下方に位置する場合は「負の値」で示している。照射率は、先述のように、反射鏡の開口部に上方から垂直に入射した光が反射鏡から反射して、球状素子の表面に垂直方向に照射される光成分を積算した値の百分率であって、焦点位置が「0」の場合の照射率を100%としたものである。本構造の光反射部材を使用した場合、集光倍率の値と球状素子の性能とが同一であれば、上記の照射率にほぼ比例した出力が得られることが予め実験的に確認されている。
表2において、放物面の焦点が球状素子の中心から±0.2mmずれている実施形態LおよびOでは94%という極めて高率の照射率を示し、±0.3mmずれている実施形態J、M、P,およびRの各試料においても、85〜〜93%という高率の照射率を示していることから、これらの実施形態によって、焦点が球状素子の中心に位置する比較例I、K、およびQのそれぞれと比較して、遜色のない高出力が得られることが推測できる。
一方、放物面の焦点が球状素子の中心より0.5mm上方、即ち球状素子の上部の表面より僅かに内側に位置する実施形態Nの場合には、上記の実施形態L、O、J、M、P,およびRよりも低い50%という照射率を示している。しかし、表1において集光倍率が20.4%の実施形態(照射率の設計値100%)において、従来例Hの約9倍の球状素子当たりの短絡電流が得られたこと、および、照射率にほぼ比例した出力が得られるという経験則から、照射率が50%の実施形態Nの場合でも、反射面が半球面状の従来例Hの4〜5倍程度の素子当たりの短絡電流が得られるものと推定できる。
また、表から分かるように、放物面の焦点が球状素子の中心から上方に位置するように設計された実施形態J、L、M、NおよびRの反射鏡の凹部の深さは、同一集光倍率で放物面の焦点が球状素子の中心と重なるように設計された比較例I、KおよびQの反射鏡のそれより、それぞれ浅くなっている。光反射部材の加工および球状素子を凹部の底部に固定する作業などの容易性を考慮すれば、一般的に、凹部の深さが浅いのが好都合なので、このような事由を重視する場合には、放物面の焦点を球状素子の中心から若干ずらせた設計を行うこともできる。
表1および2から、本発明においては、反射鏡の内面の放物面の焦点が球状素子の内部に位置するように球状素子が配置されていれば、反射鏡からの反射光を効果的に球状素子の出力向上に寄与させることができること、および、放物面の焦点が球状素子の中心から球状素子の直径の30%以内の距離に位置することがさらに好ましいことがわかる。
本発明では、上記のように「放物面の焦点が球状素子の中心から球状素子の直径の30%以内の距離に位置する」ことを、「放物面の焦点が球状素子の中心部に位置する」という表現で表している。
周知のように、太陽は時刻、季節、および場所によって、様々な軌跡を描きながら移動しているので、これに対応して、地上に照射される太陽光の入射角度は様々に変化する。太陽電池装置には、受光面を所定の方向に向けて固定して設置される固定型と、受光面が時々刻々変化する太陽の方向に常に垂直に向くように制御しながら発電する追尾型太陽電池装置とがある。
本発明の集光型太陽電池は、集光倍率が大きいほど、垂直方向に受光面に照射される光による球状素子一個当たりの出力は顕著に増大する。一方、斜め方向から入射しようとする光は、集光倍率が大きいほど反射鏡の凹部の壁に遮られて反射鏡面あるいはこれに囲まれた球状素子の表面に照射され難い傾向がある。本発明の集光型太陽電池は、特に、受光面に垂直方向に照射される光を有効に活用するために最適の太陽電池であることから、追尾型太陽電池装置の発電要素として用いるのが最も効果的である。追尾型太陽電池装置に組み込む場合は、相対的に集光倍率が大きいものが適しており、一般的には、10以上の集光倍率が適している。固定型太陽電池装置に組み込む場合には、相対的に集光倍率が小さいものがよく、一般的には、4〜8程度の集光倍率が適している。
本発明における球状素子は、一般的には、直径が0.2〜4mm程度のものを用いることができる。集光型太陽電池の構造や製造方法および集光倍率などによって、球状素子の適切な大きさを選択すればよい。通常は、小さい球状素子を用いるとシリコンの使用量の削減効果が大きいが、集光型太陽電池を構成する際の作業性が悪くなり、大きい球状素子は量産が困難で、シリコンの使用量の削減効果も抑制されるので0.3〜1.5mm程度の球状素子が好ましい。
本発明の追尾型太陽電池装置は、本発明の集光型太陽電池の上記の特徴を効果的に活用した装置であって、本発明の集光型太陽電池を含む太陽電池パネル、前記太陽電池パネルの受光面が太陽の方向に向くように発電部を可動させる可動装置、および、前記可動装置を制御する制御装置を備えたことを特徴とするものである。これにより、球状素子一個当たりの出力は集光倍率にほぼ比例して増大し得るので、出力当たりのシリコンの使用量を極めて効果的に削減することができ、低コストの太陽電池装置の製作が可能になる。
上記の太陽電池パネルは、本発明の集光型太陽電池の所定数を直列、並列もしくは直並列に接続して構成された所定の出力仕様の光電変換部、およびこの光電変換部を搭載する支持板などを含む。可動装置は、例えば、光電変換部の受光面が太陽の方向に向くように支持板を回動させるための回転軸および回転軸を駆動させるモータなどを備えている。制御装置には、例えば、太陽の動きに合わせて予め計算しておいた追尾速度などにより定められたプログラムに基づいて可動装置の駆動を制御するものがある。他の、制御方法として、センサにより太陽の位置を検出し、そのフィードバック信号により追尾動作を制御するものもある。
本発明の追尾型太陽電池装置においては、光電変換部の受光面が常に太陽にほぼ垂直の方向に対向しているように可動装置を制御することが好ましいが、適宜な間隔をおいて可動装置を可動させて、受光面の方向を間歇的に修正しながら稼動させてもよい。
本発明による集光型太陽電池は、垂直方向から受光面に照射された光を最大限に光電変換に活用できることから、特に、追尾型太陽電池装置の光電変換部を構成する発電要素として有用である。
反射鏡の内面の放物面の焦点が光電変換素子の中心に位置する本発明の実施形態を示すモデル図である。 反射鏡の内面の放物面の焦点が光電変換素子の内部に位置する本発明の実施形態を示すモデル図である。 内面が半円状を呈する反射鏡の内部に光電変換素子が収容された従来の実施形態を示すモデル図である。 本発明による集光型太陽電池の代表的実施形態の要部の縦断面図である。 本発明による集光型太陽電池の代表的実施形態の平面図である。 本発明における光反射部材の第1の実施形態の平面図である。 図7のA−B線断面図である。 図7のC−D線断面図である。 本発明における光反射部材の第2の実施形態の平面図である。 図9の光反射部材の縦断面図である。 本発明における光反射部材の第3の実施形態の縦断面図である。 本発明による集光型太陽電池の他の実施形態の縦断面図である。 本発明による集光型太陽電池に組み込まれる光電変換素子の第1の実施形態の縦断面図である。 同上の第2の実施形態の縦断面図である。 同上の第3の実施形態の縦断面図である。 同上の第4の実施形態の縦断面図である。
1a、1b、1c 反射鏡の開口部
2a、2b、2c、13、30、32、53、70 反射鏡の内部(第2導電部材の凹部)
3a、3b、3c 反射鏡への入射光
4a、4b、4c、19、44 反射鏡の内面(凹部の内面)
5a、5b、20、45、55 放物面の焦点
6a、6b、6c、11、61、83、85 光電変換素子
7a、7b、7c、21、72 光電変換素子の中心
8a、8b、8c 光電変換素子に照射される反射光
9c 光電変換素子に照射されない反射光
12、40、68 第2導電部材
16、63、82 第2半導体層
17、64、81 第1半導体
22、46、56、71 銀を含む導電性の膜(銀メッキ層)
23、47、66 電気絶縁層
24、60 第1導電部材
31 凹部(反射鏡)の開口端
33 正六角形の頂点
34 凹部間の稜線
35、48、58 孔
36 稜線の中央部
42、52 凹部の開口部
43 凹部
50 樹脂製基体
67 透光性導電膜
84 反射防止膜
86 第1半導体の露出部

Claims (10)

  1. 太陽電池パネル、前記太陽電池パネルの受光面が太陽の方向に向くように前記太陽電池パネルを可動させる可動装置、および、前記可動装置を制御する制御装置を備え、
    前記太陽電池パネルは、集光型太陽電池を含んでおり、
    前記集光型太陽電池は、
    球状の第1半導体およびその表面に形成された第2半導体層を有する複数のほぼ球状の光電変換素子、並びに、前記光電変換素子を個々に分離して支持する支持体を具備し、
    前記支持体が、上部を開口し前記各光電変換素子の側面を囲む反射鏡を有する光反射部材、前記第1半導体と電気的に接続された第1導電部材、および前記第2半導体層と電気的に接続された第2導電部材を含み、
    前記反射鏡の前記光電変換素子に面する内面が放物面状を呈し、前記放物面の焦点が前記光電変換素子の内部に位置するように、前記光電変換素子が配置されており、
    前記光電変換素子の径が0.2〜4mmであり、
    前記光電変換素子の横断面積に対する前記反射鏡の開口部の面積の比率である集光倍率が10倍以上であることを特徴とする集光型太陽電池装置
  2. 前記光電変換素子の第2半導体層は、第1半導体の一部を露出させる開口部を有し、
    前記第2導電部材が、前記光電変換素子を収容し、かつ底部の孔から前記光電変換素子の第1半導体の露出部を当該第2導電部材の裏面側に臨ませる凹部を有し、
    前記第1半導体の露出部が前記第1導電部材に電気的に接続され、
    前記凹部の内面が前記反射鏡を構成することにより、前記第2導電部材が前記光反射部材を兼ねている
    請求項1記載の集光型太陽電池装置
  3. 前記放物面の焦点が前記光電変換素子の中心部に位置するように、前記光電変換素子が配置されている請求項1または2に記載の集光型太陽電池装置
  4. 前記第2導電部材の少なくとも受光面側が導電性の金属からなり、前記金属が前記光電変換素子の第2半導体層と電気的に接続されている請求項2または3に記載の集光型太陽電池装置
  5. 前記第1導電部材が、前記第2導電部材の凹部の底部の孔を通して、前記光電変換素子の第1半導体と電気的に接続された請求項2〜4のいずれかに記載の集光型太陽電池装置
  6. 前記反射鏡の開口端は、上方から見てほぼ正六角形を呈し、前記正六角形の各一辺は、相互に異なる、隣接する凹部を区画する稜線を構成し、前記稜線は、前記正六角形の頂点で最も高く、中央で最も低い曲線である請求項1〜5のいずれかに記載の集光型太陽電池装置
  7. 前記反射鏡の内面が、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に形成された銀を含む導電性の膜である請求項1〜6のいずれかに記載の集光型太陽電池装置
  8. 前記反射鏡の内面が、樹脂の表面に形成された銀を含む導電性の膜である請求項1〜6のいずれかに記載の集光型太陽電池装置
  9. 前記光電変換素子がシリコンを主成分とする請求項1〜8のいずれかに記載の集光型太陽電池装置
  10. 前記光電変換素子の第2半導体層の表面の少なくとも一部に、反射防止膜が形成されている請求項1〜9のいずれかに記載の集光型太陽電池装置
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