JP2008270577A - 太陽電池を利用した太陽光発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】光/電変換効率の高い集光型太陽光発電装置を提供する。
【解決手段】焦点を有する樋形状の保持体12と、この保持体の内面上に保持されるフィルム状の第1の太陽電池11とから成る2次元反射鏡10と、この2次元反射鏡の光軸を太陽の方向に向ける太陽追尾機構と、この2次元反射鏡の焦点に配置される熱の良導体のパイプ20と、このパイプの外壁面に保持される第2の太陽電池21と、このパイプの内部に冷却用の流体を流動させ、この流体が得た熱を発電機、暖房機、給湯機その他の熱利用装置に供給する給熱機構とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、集光型太陽光発電装置に関するものであり、特に、入射太陽光の反射損失を減らすことにより、総合的な光/電変換効率の向上を図った集光型太陽光発電装置に関するものである。
近年、地球温暖化の進行に伴って、人類はもはや、人工的な温室効果ガスとしての二酸化炭素をまったく排出できないという危機的な状況に近づきつある。地球の温暖化がこのまま進行すると、温室効果ガスが、従来の限られた量の人工的な二酸化炭素から、自然界に無尽蔵に存在する水蒸気へと引き継がれ、地球の灼熱化に到る熱暴走が開始され、温暖化の速度がこれまでの数百倍も加速されるおそれがあるからである。
天体物理学者のジョン・グリビンは、この水蒸気を温室効果ガスとする危険な温室効果を、湿った温室効果と呼んだ(非特許文献1)。彼は、この湿った温室効果による熱暴走こそが、太古の金星を今日の表面温度が480 ℃の灼熱の惑星に変えてしまった原因であったと分析した。彼は、地球がこの湿った温室効果による熱暴走を免れたのは、太陽から受けるエネルギー密度が金星の半分ほどにすぎなかったせいであり、これがあと10%ほど大きかったら、地球でもこの湿った温室効果による熱暴走が起こったはずであるとも分析した。彼は、地球の現在の軌道があと5%ほど小さかったら、湿った温室効果による熱暴走が起きたはずだとするカスティング、トゥーン、ポーラックの計算結果についても言及した。
北海道大学の石渡正樹らは、簡単な水分過程を含んだ大気大循環モデル(GCM)を用いて、3次元灰色大気で暴走温室状態が発生する太陽定数の決定と、暴走温室状態の数値計算を行った。この暴走温室状態は、ジョン・グリビンの言う湿った温室効果による熱暴走に該当する。石渡らが得た結果によれば、地球の太陽定数が1600W/m2 を超えると、大気は熱的な暴走を始めた(非特許文献2)。この石渡らが得た熱暴走開始の臨界値は、今日の地球の太陽定数よりも16%ほど大きな値であった。
この湿った温室効果による熱暴走は、正帰還 ( Positive-feedback )の過程を経て進行し、地球の灼熱化によって終焉する。つまり、この熱暴走が開始されると、人類は、破滅を免れるため、地球を去って火星などの他の惑星に移住するしかない。ジョン・グリビンや、石渡らの見積もりによれば、地球が湿った温室効果による熱暴走の危機に直面するまで、まだ10%〜16%の太陽定数の安全率が保障されているように考えられる。しかし、この人類の運命を左右する重要な見積もりや、シミュレーションの精度が十分に信頼できるか否かという懸念も、当然残されている。
地球などの天体に実質的に入射する太陽の入射エネルギーは、天体の反射率(アルベド) をγとすると、反射成分を差し引いた実際の入射量の(1−γ)倍に減少する。今日の地球では、γは 0.3ほどであり、そのうちの2/3 は雲による反射率が占めるものと、見積もられている。雲量や、極北地帯の氷雪面の減少など、何らかの原因で、地球の反射率γが現状の0.3 ほどから0.2 前後に低下すると、反射成分を除外した実質的な太陽定数は、直ぐにでも、ジョン・グリビンが見積もった湿った温室効果による熱暴走の開始の臨界値に達する恐れがある。
本発明者は、現在の太陽定数のもとでも、単に地球が温暖化するだけで、この湿った温室効果による熱暴走の引金となり兼ねない危険な自然現象が存在することに気付いた。この危険な自然現象は、まず、二酸化炭素を温室効果ガスとする地球の温暖化が進行して、赤道付近の海面水温が上昇することによって開始される。この海面水温の上昇に伴い、この海面と接する低空の大気が高温多湿となり、その密度が増加する。すると、海面上空の大気の対流が弱まる。大気の対流が弱まると、大気の断熱冷却機能が弱まる。大気の断熱冷却機能が弱まると、高空の気温が上昇し、高空の大気の高温多湿化が進行する。
高空の大気の高温多湿化が進行すると、海洋上空に形成される水蒸気の層の厚みが上空に向けて拡大し、水蒸気を温室効果ガスとする湿った温室効果が強まる。同時に、高空に高温多湿の大気が停滞するため、低空の高温多湿の大気との密度差が減少し、対流の弱まりが一そう促進される。この結果、赤外線や遠赤外線の輻射による海面から大気圏外への放熱機能が弱まり、海面水温の上昇が一そう促進される。このような一連の正帰還の過程を経て、湿った温室効果による熱暴走が開始される臨界状態へと接近してゆく。これが、今回、本発明者が見い出した危険な自然現象である。以下、この自然現象について、少しだけ詳しく説明する。
〔高温多湿の空気の対流の弱まり〕
まず、海面水温が上昇すると、その上空に存在する高温多湿の空気の対流が弱まるという現象について説明する。図4の点線は、湿度0%の乾燥空気の密度と、気温との関係を示す曲線である。横軸は気温(℃)、縦軸は1m3 の体積の空気の重量、あるいは、乾燥空気の密度(Kg/m3 )である。乾燥空気は、気温の上昇につれて膨張する。その結果、この乾燥空気の密度は、図4中に点線で示すように、気温の上昇と共にほぼ直線的に低下してゆく。
次に、図4に示す実線は、湿度100 %の湿った空気の密度と、気温との関係を示す曲線である。この曲線は、図4の下方に点線で示した乾燥空気の密度に、各気温における周知の飽和水蒸気量を加算することによって得られる。この飽和水蒸気量(Kg/m3 )は、水面と接する体積1m3 の空気が含むことのできる水蒸気の、各気温における最大量(Kg)である。空気自体の密度は、図4の点線で示した乾燥空気によって示されるように、気温の上昇につれて直線的に減少する。しかしながら, 水面から蒸発してこれと接する空気中に含まれ得る飽和水蒸気の密度が、気温の上昇につれて急激に増えはじめる。このため、気温の上昇に伴う空気の密度の減少分が、水蒸気の密度の増加分によって打ち消されてしまう。このため、気温の上昇に伴う湿った空気の密度の減少の仕方は、気温の上昇につれて次第に鈍ってゆく。そして、臨界値の46℃を超えると、高温多湿の空気の密度は気温の上昇と共に、逆に増加し始める。これは、水蒸気の密度の増加の速さが、空気の密度の減少の速さを上回るためである。
地球の内陸部の砂漠地帯など、水蒸気を供給可能な水面に乏しい場所では、空気の密度は、図4中の湿度0%の乾燥空気の状態に近い。これに対して、海洋の上空など、水蒸気を無制限に供給できる場所では、空気の密度は、図4中の実線のように、湿度100 %の高温多湿の状態に近い。海洋の面積は、地球の表面積の3/4 を占める。また、湿った空気では、水の持つ大きな潜熱(気化熱、凝結熱、凝固熱)のため、対流による放熱の効果が乾燥空気よりも格段に強まる。このため、対流による地球表面からの放熱量のうち、海洋の上空において高温多湿の空気が引き起こす分が、内陸部や砂漠の上空で乾いた空気が引き起こす分に比べて、格段に大きい。そんな訳で、以下では、海面上の湿った空気の対流による海面からの放熱に着目する。
気象学の分野では、高度とともに気温が低下するという現象が知られている。この高度の増加に対する気温の低下の割合はほぼ一定で、これは気温減率と呼ばれている。通常、高度が1000メートル増すごとに、気温がほぼ6℃ずつ低下する。この関係は、高度11000 メートルの大気圏のほぼ最上部までの広い範囲にわたって成り立つ。まず、海面上や、海抜ゼロメートルの地面上に、Pという仮想的な点を想定し、この点の気温が図4中に示すpであったとする。次に、このP点の上空1000メートルにQという点を想定する。すると、このQ点の気温は、pよりも図1の実線や点線に沿って6℃だけ低い気温qとなる。
2点P,Q間の空気の密度の差は、図4中の2点p,q間の密度の差を縦軸から読み取った値Δρとなる。この高さ方向に生じる空気の密度の差Δρは、空気の対流の原動力である。つまり、この高さ方向に生じる空気の密度の差Δρが大きければ大きいほど、強い対流が引き起こされる。図4に例示した35℃前後の気温の範囲では、高温多湿の空気の対流の強さが、乾いた空気のそれの1/3 ほどに低下している。一般的には、任意の気温で、実線や点線に引いた接線の勾配が、湿った空気や乾いた空気の対流の強さを示す指標となる。このことは、高度と気温とが比例の関係を保つため、図4において、気温を示す横軸を、左側に向けて増加する高度を示す軸に置き換えることによっても、説明できる。海面上の高温多湿の空気では、気温が30℃を超える辺りから対流が急激に弱まり始め、臨界値の46℃でゼロとなる。これ以上の高温になると、低空と上空とで、高温多湿の空気の密度差が逆転するため、対流は完全に停止する。
〔対流の弱まりに伴う断熱冷却機能の弱まり〕
気温現率に関して前述したように、大気中では、高空ほど気温が低下する。この気象現象は、空気の断熱冷却に負うところが大きい。すなわち、正常な大気では、温まって軽くなった低空の空気が、強い上昇気流となって、短時間で高空に達する。上空に向かう空気は、高空ほど気圧が低下するため、膨張する。この膨張が、強い対流によって急激に行われると、膨張に必要な運動エネルギーを外部から奪う時間的な暇がない。このため、勢い良く上昇する空気は、自身の持つ熱エネルギーを、膨張に必要な運動エネルギーとして消費する。この結果、膨張後の気温は低下する。これは、気体の断熱膨張に伴う断熱冷却の現象として周知であり、これが冷房装置の動作原理であることも周知である。
上述の断熱膨張と断熱冷却の現象は、従来の正常な大気中で起こる現象である。ところが、低空の空気が高温多湿になり、対流が相当に弱まると、上述した断熱膨張に伴う断熱冷却の効果が急激に弱まり始める。何故ならば、低空の高温多湿の空気が、短時間では高空に到達しなくなり、典型的には、半日、一昼夜、あるいは何昼夜もかけてゆっくりと上昇して行くからである。この上昇の途中で、昼間の太陽光で温められた海面から昼夜を分かたずに放射され続ける赤外線や遠赤外線、あるいは、昼間の太陽光線に含まれる赤外線等によって上空から供給される熱エネルギーを受け取り続ける。
つまり、弱まった対流によってゆっくりと上昇して行く高温多湿の空気は、高度のゆるやかな増加に伴って気圧が緩慢に低下して行くと、ゆっくりと膨張し続ける。しかし、この膨張に必要な運動エネルギーを、上述のようにして、外部から受け取り続ける。この結果、断熱膨張も断熱冷却も起こらない。つまり、低空の温かい空気が、断熱冷却によって冷やされることなく、温いまま高空に到達する。図4を参照すると、実線と点線の間隔で示される大量の水蒸気が、実線の傾斜で示される弱まった対流によって、ゆっくりと上空に輸送されることになる。この高空に達した温かい空気は、大量の水蒸気を含むことができる。その結果、数キロメートル、あるいはそれ以上の高空まで、水蒸気が上昇する。
従来の正常な大気では、水蒸気は、低空の温かい空気中にだけ含まれることができる。このため、分厚い大気圏の底付近の高温の部分にだけ、薄い水蒸気の層が形成される。これとは対象的なのが、二酸化炭素である。この二酸化炭素は、温暖な低空の空気から寒冷な高空の空気にまで、気温に関係なく満遍なく空気中に含まれる。このため、空気中の含有量が0.035 %という微小量でありながら、これまで、温室効果ガスとして水蒸気よりも大きな注意を引きつけて来た。従来、水蒸気が温室効果ガスとして、ほとんど注目されて来なかったのは、水蒸気が寒冷の上空まで達し得ないという点のほか、これが空気の対流による放熱の効果を格段に強めて温暖化を防ぐという善玉の機能が脚光を浴びてきたせいでもある。
〔水蒸気の層の厚みの拡大〕
ところが、上述したように、高温多湿の空気の対流が弱まって断熱冷却の作用が失われると、水蒸気の層は温まった高空に向けて拡がり始め、その厚みが増大し始める。その結果、水蒸気による温室効果が一そう強まり、海面水温は一そう上昇する。と同時に、高温多湿の軽い空気が上空に停滞し始めるため、低空の高温多湿の空気との密度差が減少し、大気の対流は一そう弱まる。このように、水蒸気を媒介とする海面からの放熱機能が対流と共に弱まる。と同時に、水蒸気の温室効果が強められて海面からの輻射による放熱機能が急激に弱まる。これら放熱機構の双方の弱体化が、それぞれ正帰還の過程を経て同時に際限なく進行し続けることにより、水蒸気の層の厚みが増加し続ける。この水蒸気の分厚い層を形成するのに必要な熱エネルギーは、放熱機能の弱まりに伴って大気圏外に閉じ込められる入射太陽エネルギーが充当される。
従来の正常な大気では、高空に達した湿った空気が、断熱冷却によって冷える。この冷えた空気中に含まれることのできなくなった水蒸気が、水滴として析出し、さらには、凝固熱を放出しながら氷粒となり、水滴や氷粒が集合して雲を形成する。この時、高空で放出される大量の凝結熱や凝固熱(潜熱)が、希薄な大気中に含まれる僅少の二酸化炭素に吸収されることなく、赤外線や遠赤外線として大気圏外に放出される。このようにして、高空において大気圏外に排出される大量の潜熱は、海面から蒸発した水蒸気が潜熱(気化熱)として高空に運んで来たものである。つまり、従来の正常な大気では、多量の水蒸気を含む湿った空気は、大気の対流による海面からの放熱効果を一段と強める。この水蒸気が海面から上空に運ぶ大量の潜熱は、対流の弱まりを補って余りあった。さらに、凝結熱の大気圏外への放出の結果として高空に形成される雲は、入射太陽光線を反射することで地球の反射率を高め、実質的な太陽定数を減少させた。さらに、水蒸気によって海面から上空に運ばれる大量の潜熱は、巨大な台風やハリケーンやサイクロンなどの運動エネルギーとなる。これらは、地上に破壊をもらすが、その反面、地球の放熱機構を活性化し、温暖化を防ぐという役目も果たしてきた。
ところが、図4に示すように、海面水温が30℃を超え、海面と接する低空の高温多湿の空気による対流が急激に弱まりはじめると、この放熱のシナリオが根底から崩れ始める。急激に弱まった対流によって、高温多湿の空気が何昼夜もかけてゆっくりと上昇して行く。その中に含まれる水蒸気は、夜間には、海面から放射される赤外線や遠赤外線による加熱を受けながらゆっくりと冷えていき、微小な水滴となる。この比較的低空でゆっくりと形成される水滴は、微小になればなるほど落下の速度が低下し、滞空時間が長くなる。この比較的低空における水滴の形成時に放出される凝結熱は、周囲に大量に存在する他の水滴に吸収され、これを水蒸気に戻すための気化熱の一部として消費される。
このように、水蒸気と水滴が、凝結熱と気化熱を授受しながら、気相と液相との間の相変態を繰り返す。大量の水滴が漂う低空で赤外線や遠赤外線として放射された凝結熱は、周囲の水滴に吸収されるため、大気圏外にはほとんど放出されない。最大の加熱源の太陽光が消滅する夜間には、水滴の比率が増えてゆく。この微小な水滴は、昼間には強い太陽光線を吸収して水蒸気に戻り、太陽光線の短い波長成分を海面まで通過させると共に、海面から放射される長い波長の赤外線や遠赤外線を大気中に閉じ込める温室効果の機能を発揮する。
低空の高温多湿の空気の温度が46℃に達して対流が完全に停止しても、水蒸気の上空への移動は続けられる。つまり、水蒸気の熱拡散と呼ばれる現象によって、低空の高密度の水蒸気が上空の低密度の領域に移動し続ける。この物質の熱運動に基づく熱拡散と呼ばれる現象は、半導体内部で荷電粒子の流れを生じさせたり、アルミニウムなどの不純物原子を半導体結晶の内部にドーピングする技術として周知である。この物質の熱拡散によれば、物質の空間的な濃度勾配に拡散定数Dを乗算した量の物質の移動が、単位時間内に生じる。この熱拡散の現象は、海面に近い低空から遠い高空へと水蒸気の濃度勾配が存在する限り、進行し続ける。
このような分厚い水蒸気の層の形成は、時として発生する台風やハリケーンやサイクロンなどによって妨げられる。従って、そのような水蒸気の層の形成は、北東貿易風と南東貿易風など互いに逆向きに吹く風の衝突によって渦などが発生し難く、コリオリの力も弱いため、台風等が発生しにくいとされてきた、赤道を中心とする北緯5度と南緯5度の間の海域において、真っ先に開始されることになろう。ジョン・グリビンが太古の金星について語った分析結果を当てはめると、この湿った温室効果による熱暴走は、地球が金星のように灼熱化して、高空に達した水分子が紫外線などの高エネルギーの光線によって分解され、軽い水素原子が地球外に飛び去ることで、地球に一滴の水も存在しなくなるまで続くことになろう。
上述したような、湿った温室効果による地球の熱暴走の危険性を考慮すると、人為的な二酸化炭素の排出をこれ以上続けることは、人類の破滅を招き兼ねない。人類は、この危険性を回避するため、化石燃料の消費を全面的に禁止するという大英断を下さなければならない時期にきている。煙突の内部で、排気から二酸化炭素を分離し、これを炭鉱の廃坑などに高圧状態で閉じ込めるという対策を、最近、ヨーッパ諸国が試み始めたようである。しかし、この対策よりは、エネルギー源の転換という対策の方が、コスト的に有利であるかもしれない。
その結果、火力発電所の運転や、車両の内燃機関の使用を禁止することも必要になるかだろう。残された主要なエネルギー供給源は、原子力発電と、自然エネルギーを利用した諸々の発電によって得た電力と、これら電力を利用して製造した蓄電池ということになろう。原子力発電にはある程度の危険が伴うが、地球の灼熱化の危険に比べれば、その比ではない。自然エネルギーの利用も、火力発電よりも発電コストはだいぶ高くつくが、地球の灼熱化の危険性には変えられない。自然エネルギーを利用する発電方式としては、太陽光発電、水力発電、風力発電、波浪・潮力発電、海水や湖水の温度差発電などが考えられる。
これら自然エネルギー利用の各種の発電方式のうち、太陽光発電は、長年にわたって地道な改良が熱心に続けられて来た。また、最近のアモルファス・シリコンの太陽電池などに見られるように、電池の製造費用の低廉化も進んでいる。これらの点で、太陽光発電は火力発電に変わるものとして有望である。中でも、集光型のものが太陽電池の表面積が少なくて済むという点で、有望である( 特許文献1,2)。
" HOTHOUS EARTH : THE GREENHOUS EFFECT & GAIA " John Gribbin, BANTAM PRESS ,London・NEW YORK・TORONTO ・SYDNEY・AUCKLAND(日本語訳「地球 が熱くなる─人為的温室効果の脅威」地人書館 1992 年6月20日発行) "3次元灰色大気構造の暴走温室状態"と題する科学文献(http://w ww.nagare.or.jp/mm/98/ishiwata/index_ja.htm 特開2005−217224 特開2006−313810
しかしながら、この太陽光発電装置については、反射光成分によって生ずる光/電変換効率の低下の防止などの解決課題がまだ残されている。今後、太陽光発電への依存度が強まり、人口密集地帯の家庭や、公共の空間、工場など限られた広さの空間で最大限の電力を得ることが必要になる。そのため、光/電変換効率の向上は、単に発電コストの点だけでなく、空間の有効利用の点からも重要な課題となろう。従って、本発明の解決課題は、集光型太陽光発電装置の反射成分による損失を防止して、光/電変換効率の改良を図ることにある。
上記従来技術の課題を解決する本発明の集光型太陽光発電装置は、焦点を有する樋形状の保持体と、この保持体の内面上に保持されるフィルム状の第1の太陽電池とから成る2次元反射鏡と、この2次元反射鏡の光軸を太陽の方向に向ける太陽追尾機構と、この2次元反射鏡の焦点に配置される熱の良導体のパイプと、この熱の良導体のパイプの外壁面に保持される第2の太陽電池と、この熱の良導体のパイプの内部に冷却用の流体を流動させ、流体が得た熱を発電機、暖房機、給湯器その他の熱利用装置に伝達する熱交換機構とを備えている。
本発明の集光型太陽光発電装置によれば、反射鏡を構成するフィルム状の第1の太陽電池に入射して吸収された入射太陽光の成分は、この第1の太陽電池によって電気エネルギーに変換される。これに対して、この第1の太陽電池の表面で反射された反射光成分は、反射鏡の焦点に配置された金属などの熱の良導体のパイプの外壁面に保持された第2の太陽電池に入射し、吸収されて電力に変換される。反射鏡で反射されて第2の太陽電池に入射する太陽光線は、熱の良導体のパイプの中心に向う。さらに、この第2の太陽電池がこのパイプの外周面に沿って平行に配置されている。このため、この第2の太陽電池に入射する太陽光線はその受光面に対してほぼ垂直に入射し、反射成分を減少させる。
この第2の太陽電池の表面で発生したわずかな反射成分は、元の経路を逆向きにたどって再度、第1の太陽電池に入射し、ここに吸収される機会を発生させる。つまり、この集光型太陽光発電装置に入射した太陽光線は、第1,第2の太陽電池に吸収される機会がつごう3度にわたって与えられる。3度とも反射されたわずかな成分のみが、この集光型太陽光発電装置の外部に飛び去り、わずかな反射損失となる。
この太陽電池は、金属など熱の良導体のパイプの内部を流動せしめられる流体によって冷却され、この流体が得た熱エネルギーは、熱交換機構を介して発電機や暖房機や給湯機などの熱利用装置に供給される。このように、第1の太陽電池による光/電変換に利用されなかった反射光は、このパイプの外周面に保持された第2の太陽電池によって電力に変換され、さらに、この太陽電池の冷却に使用された流体の熱は、他の発電機や暖房機などの熱利用装置で利用される構成であるから、反射光による変換効率の低下を有効に回避することができる。
図1は、本発明の集光型太陽光発電装置の一実施例の構成を示す断面図である。この太陽光発電装置は、樹脂などを素材とする樋形状の保持体12と、この保持体の内面上に保持されるフィルム状の第1の太陽電池11とで構成される2次元反射鏡10を備えている。さらに、この集光型太陽光発電装置は、2次元反射鏡10の光軸を太陽の東西方向の方角に向ける太陽追尾機構(図示せず)と、この2次元反射鏡10の焦点に配置される金属パイプ20と、この金属パイプ20の外壁面に、受光面を外側に向けて保持される第2の太陽電池21と、金属パイプ20の内部に冷却用の流体を流動させ、流体が得た熱を発電機、暖房機、給湯機などの熱利用装置に供給する給熱機構(図示せず)とを備えている。図中の直線Lは、入射太陽光線である。
2次元反射鏡10は、紙面と垂直な長手方向に同一の断面形状を保ちながら所定の長さにわたって延長された樋形状を呈している。この2次元反射鏡10の表面の上記長手方向に垂直な面で切断した断面形状は、放物線など、焦点を有する滑らかな曲線状を呈している。この反2次元射鏡10の焦点に、保持脚23を介して金属パイプ20が保持されている。この金属パイプ20の外壁面には、第2の太陽電池21が保持されている。図示しない太陽追尾機構は、太陽の東西方向を検出し、2次元反射鏡10の光軸をこの検出した太陽の東西方向に向ける。
図2は、フィルム状の太陽電池11の一部分をその厚み方向に切断して示す部分断面図である。樹脂製の保護膜11eの上に、下部金属電極層11cが形成され、その上に、アモルファス・シリコン層の内部にPN接合が形成された半導体・光/電変換膜11aが保持されている。この半導体・光/電変換膜11aの表面には、透明電極層11bが形成され、この透明電極層の表面は、樹脂製の透明保護膜11dによって被覆されている。この半導体・光/電変換膜11aの内部で発生した光起電力は、適宜な間隔で形成されている出力電極(図示省略)を通して、この半導体光/電変換膜11の外部に、光起電力として出力される。
フィルム状の第1の太陽電池11に吸収されることなく、その透明保護膜11dや、透明電極層11bや、半導体光/電変換膜11aの表面で正規反射された反射光成分は、2次元反射鏡10の焦点に配置された金属パイプ20の外壁面上に保持された第2の太陽電池21の受光面に入射し、そこに吸収される。この第2の太陽電池21は、ガリウム砒素等のIII −V族半導体や、シリコンカーバイド(SiC)など広エネルギーギップの半導体材料で構成されている。
特に、シリコンカーバイドは、シリコンに比べて、熱伝導率が3倍、絶縁破壊電圧が10倍、電子の飽和速度が2倍と大きく、高温の動作環境下で高電圧・大電力を出力できる半導体材料として好適である。この第2の太陽電池21は、フィルム状の、あるいは、円周方向に分割された複数の細長板状の形状を呈しており、反射防止膜を兼ねた透明保護膜で被覆されたその受光面を外側に向けた状態で、金属パイプ20の外壁面上に接着などによって保持されている。
反射鏡10の表面で反射され、第2の太陽電池21に入射する太陽光線は、金属パイプ20の中心に向う。さらに、この第2の太陽電池21がこの金属パイプ20の外周面に沿って平行に配置されている。このため、この第2の太陽電池21に入射する太陽光線はその受光面に対してほぼ垂直に入射し、反射成分を減少させる。さらに、この第2の太陽電池21の表面で発生した反射光成分は、元の入射経路を逆向きにたどって再度フィルム状の第1の太陽電池11の受光面に入射し、ここに吸収される機会を生じさせる。つまり、反射鏡10に入射した太陽光線のうち、第1,第2の太陽電池11,21の表面で連続3度にわたって反射されたわずかな成分のみが、この太陽光発電装置の外部に飛び去り、わずかな反射損失となる。金属パイプ20の代わりに、熱の良導体の薄いセラミックのパイプなどを使用することもできる。
図3は、本発明の他の実施例の集光型太陽光発電装置の構成を示す断面図である。本図中、図1と同一の参照符号を付した構成要素は、図1に関して既に説明した構成要素と同一のものであり、それらについては重複する説明を省略する。この実施例の集光型太陽光発電装置が、図1の集光型太陽光発電装置と異なる点は、反射鏡10の焦点に、金属などの熱の良導体のパイプを20を配置する代わりに、透明パイプ22を配置し、その内壁面上に、反射防止膜で覆われた受光面を外側に向けて、第2の太陽電池21が保持された点である。給熱機構(図示せず)は、透明パイプ22の内部に冷却用の流体を流動させ、流体が得た熱を発電機、暖房機、給湯機などの熱利用装置に供給する。
本発明の一実施例の集光型太陽光発電装置の一実施例の構成を示す断面ずである。 上記実施例のフィルム状の第1の太陽電池の構成を示す部分断面図である。 本発明の他の実施例の集光型太陽光発電装置の一実施例の構成を示す断面ずである。 太陽光発電装置の改良が必要な理由を説明するための概念図である。
符号の説明
10 反射鏡
11 フィルム状の第1の太陽電池
11a 半導体・光/電変換膜
11b 透明電極
11c 金属電極
11d 樹脂製の透明保護膜
12 保持体
20 金属パイプ
21 第2の太陽電池
22 透明パイプ
23 保持脚

Claims (2)

  1. 焦点を有する樋形状の保持体と、
    この保持体の内面上に保持されるフィルム状の第1の太陽電池とから成る2次元反射鏡と、
    この2次元反射鏡の光軸を太陽の方向に向ける太陽追尾機構と、
    この2次元反射鏡の焦点に配置される熱の良導体のパイプと、
    この金属パイプの外壁面に保持される第2の太陽電池と、
    この金属パイプの内部に冷却用の流体を流動させ、流体が得た熱を発電機、暖房機、給湯器その他の熱利用装置に供給する給熱機構とを備えたことを特徴とする集光型太陽光発電装置。
  2. 焦点を有する樋形状の保持体と、
    この保持体の内面上に保持されるフィルム状の第1の太陽電池とから成る2次元反射鏡と、
    この2次元反射鏡の光軸を太陽の方向に向ける太陽追尾機構と、
    この2次元反射鏡の焦点に配置される透明パイプと、
    この透明パイプの内壁面に受光面を外向きにして保持される第2の太陽電池と、
    この透明パイプの内部に冷却用の流体を流動させ、流体が得た熱を発電機、暖房機、給湯器その他の熱利用装置に供給する給熱機構とを備えたことを特徴とする集光型太陽光発電装置。
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