JP2008010622A - 光電変換装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 半導体の使用量を少なくして軽量化および低コスト化を達成したうえで、結晶半導体粒子に十分に集光することができる光電変換装置を提供すること。
【解決手段】 光電変換装置は、導電性基板1上に、表層に第2導電型の半導体部3が形成されるとともに半導体部3上部の反射防止膜11を覆う第1の透光性導電層5が形成された球状の第1導電型の結晶半導体粒子2の多数個が互いに間隔をあけて接合されており、結晶半導体粒子2間の導電性基板1上に絶縁層4が形成され、絶縁層4上に第1の透光性導電層5に導通する集電層が形成されており、集電層は、導電性電極層10と、第1の透光性導電層5に導通する第2の透光性導電層5’とが順次積層されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 光電変換装置は、導電性基板1上に、表層に第2導電型の半導体部3が形成されるとともに半導体部3上部の反射防止膜11を覆う第1の透光性導電層5が形成された球状の第1導電型の結晶半導体粒子2の多数個が互いに間隔をあけて接合されており、結晶半導体粒子2間の導電性基板1上に絶縁層4が形成され、絶縁層4上に第1の透光性導電層5に導通する集電層が形成されており、集電層は、導電性電極層10と、第1の透光性導電層5に導通する第2の透光性導電層5’とが順次積層されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、太陽光発電等に使用される光電変換装置に関し、特に結晶シリコン粒子等の結晶半導体粒子を用いた光電変換装置、およびその製造方法に関するものである。
従来の集光型の光電変換装置、特に太陽電池としては、結晶シリコン板等の結晶半導体板から成る光電変換素子を切断して小面積の光電変換素子を作製し、それらの光電変換素子を間隔を置いて配置し、各光電変換素子上に集光レンズを設けた構成のものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、従来の結晶半導体粒子を用いた光電変換装置は、第1のアルミニウム箔に開口を形成し、その開口に、p型中心核の上にn型外殻を持つシリコン球を挿入し、シリコン球の裏側のn型外殻を除去し、第1のアルミニウム箔及びn型外殻を除去したシリコン球の表面に、絶縁層を形成し、シリコン球の裏側頂上部の絶縁層を除去した後に、シリコン球と第2のアルミニウム箔とを、金属接合部を介して接合して成るものである。なお、この光電変換装置は、シリコン球上に集光させるための球状レンズを有している。この光電変換装置のように結晶半導体粒子を用いた場合、結晶半導体粒子間に隙間が生じてしまい、結果として光電変換ロスとなるため、結晶半導体粒子間の隙間に入射した光エネルギーを隙間に隣接する結晶半導体粒子の側に入力させるために、結晶半導体粒子上に結晶半導体粒子のその曲面に平行に球状レンズを形成している。
また、従来の光電変換装置は、凹面鏡に形成された基板によって光を反射させてシリコン球に集光させる構成が知られている。
特開平8−330619号公報
しかしながら、特許文献1に示された光電変換装置は、結晶シリコン板等からなる結晶半導体板を切断して小面積の光電変換素子を作製し、光電変換素子同士の間を接続タブ等で接続していく必要があり、製造工程数が多くなり製造が煩雑になるという問題点があった。
また、結晶半導体粒子の曲面に平行に形成された球状レンズを用いた光電変換装置は、その球状レンズを用いて光電変換効率の光の入射角依存性を小さくしようとすると、結晶半導体粒子間の距離を結晶半導体粒子の直径の1/10程度までしか広げることができない。その結果、光電変換装置における半導体の使用量が低減されず、軽量化、低コスト化に不利である。
また、凹面鏡に形成された基板によって光を反射させてシリコン球に集光させる構成を有する光電変換装置は、基板を凹面鏡の形状に変形させて形成するが、基板の形状を維持するための保持構造等が必要であり、また隣接する凹面鏡同士の間の境界部が平坦となり鋭角に形成されないために、平坦な境界部での光の反射が無視できないものとなり、光電変換のロスが発生する傾向があった。
このように、結晶半導体粒子への集光化、軽量化および低コスト化を満足する光電変換装置は従来得られていなかった。
従って、本発明は上記従来の技術における問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、結晶半導体板を切断することなく簡易な製造工程によって光電変換装置を作製でき、また結晶半導体粒子間の距離を大きく広げたとしても光電変換効率の光の入射角依存性を小さくすることができ、さらに基板を変形させることなく集光構造を形成することができ、その結果、半導体の使用量を少なくして軽量化および低コスト化を達成したうえで、結晶半導体粒子に十分に集光することができる光電変換装置を提供することである。
本発明の光電変換装置は、導電性基板と、表層に第2導電型の半導体部と、反射防止膜と、第1の透光性導電層と、が順次形成され、前記導電性基板上に互いに間隔をあけて多数個接合された球状の第1導電型の結晶半導体粒子と、前記導電性基板上であって、前記結晶半導体粒子間に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された、導電性電極層と前記第1の透光性導電層に導通する第2の透光性導電層とが順次積層されてなる集電層と、を含むものである。
前記導電性電極層は、金属により形成されてなることが好ましい。
前記光電変換装置は、前記集電層上に集光体をさらに有することが好ましい。
前記光電変換装置は、前記導電性基板と前記絶縁層との間に耐酸性を有する酸化防止膜をさらに有することが好ましい。
また、本発明の光電変換装置の製造方法は、(1)導電性基板上に、表層に第2導電型の半導体部が形成された球状の第1導電型の結晶半導体粒子の多数個を互いに間隔をあけて接合し、前記結晶半導体粒子の上部に反射防止膜を形成する工程と、(2)前記反射防止膜上に形成された前記第1の透光性導電層と前記結晶半導体粒子の側部の前記半導体部とが接触するように前記反射防止膜上に第1の透光性導電層を形成する工程と、(3)前記結晶半導体粒子上に形成された前記第1の透光性導電層を残した状態で、前記結晶半導体粒子の下部において露出した半導体部を除去して前記導電性基板とこの半導体部とを電気的に切り離す工程と、(4)前記結晶半導体粒子間の導電性基板上に絶縁層を形成する工程と、(5)前記絶縁層上に、導電性電極層と前記第1の透光性導電層に導通する第2の透光性導電層とを順次積層させて集電層を形成する工程と、を含むものである。
前記光電変換装置の製造方法は、前記工程(2)において、前記結晶半導体粒子間における前記導電性基板上に、第1の透光性導電層を同時に形成させ、
前記工程(2)において、前記結晶半導体粒子間における前記導電性基板上に、第1の透光性導電層を同時に形成させ、前記工程(3)において、前記結晶半導体粒子間における前記導電性基板上に形成された前記第1の透光性導電層の少なくとも一部を残すようにすることが好ましい。
前記工程(2)において、前記結晶半導体粒子間における前記導電性基板上に、第1の透光性導電層を同時に形成させ、前記工程(3)において、前記結晶半導体粒子間における前記導電性基板上に形成された前記第1の透光性導電層の少なくとも一部を残すようにすることが好ましい。
本発明の光電変換装置によれば、導電性基板と、表層に第2導電型の半導体部と、反射防止膜と、前記半導体部と電気的に接続した第1の透光性導電層と、が順次形成され、前記導電性基板上に互いに間隔をあけて多数個接合された球状の第1導電型の結晶半導体粒子と、前記導電性基板上であって、前記結晶半導体粒子間に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された、導電性電極層と前記第1の透光性導電層に導通する第2の透光性導電層とが順次積層されてなる集電層と、を含むことで、結晶半導体粒子同士の間に間隔をあけ、その間隔のあいた部位に導電性電極層を内包する集電層を設けることにより、導電性電極層を第2の透光性導電層上に設ける場合と比較して、集電層の上面を平坦面とすることができる。その結果、光電変換装置の使用に際して結晶半導体粒子を覆うように充填される透明樹脂の充填時に、集電層の上面に段差がないため、透明樹脂の回り込みが悪い段差の部位に透明樹脂と屈折率が異なる気泡が発生するのを抑制して、気泡による光の屈折や散乱を防ぐことができる。なお、導電性電極層を第2の透光性導電層上に設けた場合、導電性電極層の周縁に段差が生じ、その段差の部位に透明樹脂と屈折率が異なる気泡が発生し易くなる。
導電性電極層を有することにより、結晶半導体粒子の上部に電極を設けた従来の構造の場合よりも、結晶半導体粒子で発電された光電流の抵抗損失を極めて小さくして光電変換装置から取り出すことができる。
導電性電極層を有することにより集電層の剛性が高まるため、集電層の上に光反射部材等の集光構造体を安定的に設置することができる。
結晶半導体粒子同士の間に導電性電極層の幅よりも大きな間隔があるために、半導体の使用量を少なくすることができ、軽量化および低コスト化を達成できる光電変換装置を提供することができる。
また、前記光電変換装置における前記導電性電極層が金属により形成されてなることにより、該金属面による光反射効果が得られ、結晶半導体粒子への集光性を向上させることができる。
また、前記光電変換装置が、前記集電層上に、前記結晶半導体粒子へ光を集光させる集光体をさらに有していることにより、結晶半導体粒子において発生する光電流が大きくなるとともに、開放電圧も大きくなるため、より光電変換効率を得ることができる。
また、前記光電変換装置が、前記導電性基板と前記絶縁層との間に耐酸性を有する酸化物層をさらに有することにより、結晶半導体粒子のpn界面に金属が析出して生じるリークの発生を防止することができる。
本発明の光電変換装置の製造方法によれば、(1)導電性基板上に、表層に第2導電型の半導体部が形成された球状の第1導電型の結晶半導体粒子の多数個を互いに間隔をあけて接合し、前記結晶半導体粒子の上部に反射防止膜を形成する工程と、(2)前記反射防止膜上に形成された前記第1の透光性導電層と前記結晶半導体粒子の側部の前記半導体部とが接触するように前記反射防止膜上に第1の透光性導電層を形成する工程と、(3)前記結晶半導体粒子上に形成された前記第1の透光性導電層を残した状態で、前記結晶半導体粒子の下部において露出した半導体部を除去して前記導電性基板とこの半導体部とを電気的に切り離す工程と、(4)前記結晶半導体粒子間の導電性基板上に絶縁層を形成する工程と、(5)前記絶縁層上に、導電性電極層と前記第1の透光性導電層に導通する第2の透光性導電層とを順次積層させて集電層を形成する工程と、
を含むことから、絶縁層上に位置し導電性電極層を内包する集電層を有する光電変換装置を製造することができる。
を含むことから、絶縁層上に位置し導電性電極層を内包する集電層を有する光電変換装置を製造することができる。
前記工程(2)において、前記結晶半導体粒子間における前記導電性基板上に、第1の透光性導電層を同時に形成させ、前記工程(3)において、前記結晶半導体粒子間における前記導電性基板上に形成された前記第1の透光性導電層の少なくとも一部を残すようにすることにより、結晶半導体粒子のpn界面に金属が析出して生じるリークの発生を防止するはたらきを有する酸化物層を作製することができる。
以下、本発明の光電変換装置について詳細に説明する。なお、以下の説明において、本発明の光電変換装置を示す図1、および本発明の光電変換装置の製造方法を示す図2を随時用いるが、図1および図2はあくまで実施の形態の一例に過ぎず、本発明の光電変換装置およびその製造方法は、図1および図2に限定されるものではない。
図1および図2において、1は導電性基板、2は粒状光電変換体を構成する結晶半導体粒子、3は粒状光電変換体を構成する半導体部(半導体層)、4は絶縁層、5は第1の透光性導電層、5’は第2の透光性導電層、6は導電性基板1を成すもの(例えばアルミニウム)と結晶半導体粒子2を成すもの(例えばシリコン)との共晶層、7は透明樹脂等からなり凹部の内面が光反射面とされている凹面鏡構造の光反射部材、8は光反射部材7の光反射面に形成された光反射層、9は絶縁スペーサとしての絶縁体粒子、10は上部電極としての導電性電極層、11は反射防止膜、12はレジスト膜を示している。
本発明の光電変換装置は、導電性基板1と、表層に第2導電型の半導体部3と、反射防止膜11と、前記半導体部3と電気的に接続した第1の透光性導電層5と、が順次形成され、前記導電性基板1上に互いに間隔をあけて多数個接合された球状の第1導電型の結晶半導体粒子2と、前記導電性基板1上であって、前記結晶半導体粒子2間に形成された絶縁層4と、前記絶縁層4上に形成された、導電性電極層10と前記第1の透光性導電層5に導通する第2の透光性導電層5’とが順次積層されてなる集電層と、を含む構成である。
以下に、本発明の光電変換装置を構成するそれぞれの部位について説明する。
<導電性基板>
本発明における導電性基板1は、アルミニウム基板、アルミニウムの融点以上の融点を有する金属基板、表面に導電層が形成されたセラミック基板等から成ればよく、例えば、アルミニウム,アルミニウム合金,鉄,ステンレススチール,ニッケル合金,アルミナセラミックス等から成る基板が用いられる。導電性基板1の材料がアルミニウム以外のものを用いた場合、アルミニウム以外の材料からなる基板上にアルミニウムから成る導電層を形成してもよい。
本発明における導電性基板1は、アルミニウム基板、アルミニウムの融点以上の融点を有する金属基板、表面に導電層が形成されたセラミック基板等から成ればよく、例えば、アルミニウム,アルミニウム合金,鉄,ステンレススチール,ニッケル合金,アルミナセラミックス等から成る基板が用いられる。導電性基板1の材料がアルミニウム以外のものを用いた場合、アルミニウム以外の材料からなる基板上にアルミニウムから成る導電層を形成してもよい。
<球状の第1導電型の結晶半導体粒子>
(結晶半導体粒子)
本発明における結晶半導体粒子2の形状は球状である。結晶半導体粒子2が球状であることで、この結晶半導体粒子が凸曲面を有することにより、入射光の光線角度の依存性を小さくできる。球状としては特に真球状が好ましく、その場合、入射光の光線角度の依存性をより小さくでき、また導電性基板1に対する結晶半導体粒子2の接合性を向上させるとともに各結晶半導体粒子2の接合力を均一化することができるという効果が得られる。
(結晶半導体粒子)
本発明における結晶半導体粒子2の形状は球状である。結晶半導体粒子2が球状であることで、この結晶半導体粒子が凸曲面を有することにより、入射光の光線角度の依存性を小さくできる。球状としては特に真球状が好ましく、その場合、入射光の光線角度の依存性をより小さくでき、また導電性基板1に対する結晶半導体粒子2の接合性を向上させるとともに各結晶半導体粒子2の接合力を均一化することができるという効果が得られる。
また、結晶半導体粒子2の表面を粗面にすることにより結晶半導体粒子2の表面での光反射率を低減し、結晶半導体粒子2における光の吸収性を向上させることができる。この粗面を形成するには、結晶半導体粒子2をアルカリ液中に浸漬し、結晶半導体粒子2の表面をエッチングしても良いし、RIE装置等を用いて結晶半導体粒子2の表面を微細加工しても良い。
結晶半導体粒子2の粒子径は、0.2〜0.8mmが好ましく、特に、半導体(シリコン等)の使用量を少なくするうえで0.2〜0.6mmがより好ましい。粒子径が0.2mm未満では、導電性基板1への結晶半導体粒子2のアッセンブルが困難となる傾向がある。また、粒子径が0.8mmを超えると、シリコン等から成る結晶半導体母板(ウエハ)から切り出して製造する従来の結晶半導体板タイプの光電変換装置における切削部も含めた半導体の使用量と変わらなくなり、結晶半導体粒子2を用いるメリットがなくなる傾向がある。
なお、結晶半導体粒子2の粒子径とは、平均粒子径であって、導電性基板1に接合する前の平均粒子径であり、かつ、反射防止膜11および第1の透光性導電層5の形成前における結晶半導体粒子2の平均粒子径である。この平均粒子径は、レーザ光による粒度分布測定装置等によって測定できる。
結晶半導体粒子2は第1導電型(例えばp型)を示すものであり、p型の場合、B,Al,Ga等のドーパントを、結晶半導体粒子2をジェット法(溶融落下法)等により製造する際に原料中に含有させること等により得られる。
結晶半導体粒子2は、半導体の単結晶または多結晶から成るが、特に、光電流を効率的に取り出せることから、単結晶であることが好ましい。多結晶の場合、結晶粒界において電子と空孔の再結合が生じ、結果として光電流の出力が低下する。
結晶半導体粒子2は、例えばジェット法等により粒状に形成され、リメルト(再溶融)法等の方法により単結晶化される。また、製造条件によってはジェット法のみにより、粒界の少ないほぼ単結晶化された結晶半導体粒子2を得ることもでき、それをそのまま光電変換装置に使用してもよい。
結晶半導体粒子2の表層には、第2導電型(例えばn型)の半導体部3が形成されている。第2導電型の半導体部3は、例えば、熱拡散法、気相成長法等により形成される。
熱拡散法においては、例えば、オキシ塩化リン等のリン系化合物を拡散剤として、高温の石英管内に一定時間、結晶半導体粒子2を挿入することにより、半導体部3がn型であれば結晶半導体粒子2の表面にn型の半導体部3を形成できる。一例として、900℃の石英管内に30分間、結晶半導体粒子2を挿入することにより、その表面に1μm厚みのn型の半導体部3を形成できる。ただしこの場合、図1に示すように、半導体部3と共晶層6とを電気的に分離するために、共晶層6の近傍を除いて半導体部3の表面を耐酸レジスト等で被覆し、非被覆部分の半導体部3をエッチング液で除去することにより、取り除くことが必要である。
熱拡散法の場合、結晶半導体粒子2と導電性基板1との接合前に行うことができる。
また、気相成長法等では、例えば、シラン化合物の気相に、n型のドーパントとなるリン系化合物の気相を微量導入して、n型の半導体部3を形成することができる。
半導体部(半導体層)3の膜質としては、結晶質、非晶質、結晶質と非晶質とが混在するもののいずれでもよいが、光線透過率を考慮すると、結晶質または結晶質と非晶質とが混在するものがよい。
半導体部3中の微量元素の濃度は、例えば1×1016〜1×1021原子/cm3が好ましい。さらに、半導体部3は、結晶半導体粒子2の表面の凸形曲面に沿って形成されることが好ましい。結晶半導体粒子2の凸形曲面の表面に沿って形成されることによって、pn接合の面積を広く稼ぐことができ、結晶半導体粒子2の内部で生成したキャリアを効率よく収集することが可能となる。
(反射防止膜)
結晶半導体粒子2は、第2導電型の半導体部3の上に反射防止膜11を有する。反射防止膜11としては、一酸化シリコンを昇華させて形成した膜、プラズマCVD法によって形成される窒化シリコン膜等が用いられる。特に窒化シリコン膜は、多結晶の結晶半導体粒子2中に存在する結晶粒界を不活性化して光電変換特性を向上させる効果があるため好ましい。結晶半導体粒子2は、大半は単結晶であるが、一部に結晶粒界を含む多結晶のものがあることもあり、窒化シリコン膜の形成により結晶粒界の活性度が低下する効果が好適に得られる。
結晶半導体粒子2は、第2導電型の半導体部3の上に反射防止膜11を有する。反射防止膜11としては、一酸化シリコンを昇華させて形成した膜、プラズマCVD法によって形成される窒化シリコン膜等が用いられる。特に窒化シリコン膜は、多結晶の結晶半導体粒子2中に存在する結晶粒界を不活性化して光電変換特性を向上させる効果があるため好ましい。結晶半導体粒子2は、大半は単結晶であるが、一部に結晶粒界を含む多結晶のものがあることもあり、窒化シリコン膜の形成により結晶粒界の活性度が低下する効果が好適に得られる。
反射防止膜11の膜厚は、70〜120nmが好ましく、85nm程度と小さくしたものであることが特に好ましい。反射防止膜11を球状である結晶半導体粒子2上に形成することにより、球状の結晶半導体粒子2の側部や下部では反射防止膜11の膜厚が薄くなり、次工程でのエッチングプロセス(半導体部3の除去工程)において好ましいためである。
(第1の透光性導電層)
反射防止膜11を覆うように第1の透光性導電層5が形成されている。この第1の透光性導電層5は、前記した第2の半導体部3と接触し、電気的に接続しているため、半導体部結晶半導体粒子2で発電された光電流を集電し外部に取り出す機能を有する。第1の透光性導電層5は、SnO2,In2O3,ITO,ZnO,TiO2等から選ばれる1種または複数種の透光性を有する酸化物系膜等から成り、スパッタリング法、CVD法等の気相成長法、あるいは塗布焼成法等の方法により形成される。
反射防止膜11を覆うように第1の透光性導電層5が形成されている。この第1の透光性導電層5は、前記した第2の半導体部3と接触し、電気的に接続しているため、半導体部結晶半導体粒子2で発電された光電流を集電し外部に取り出す機能を有する。第1の透光性導電層5は、SnO2,In2O3,ITO,ZnO,TiO2等から選ばれる1種または複数種の透光性を有する酸化物系膜等から成り、スパッタリング法、CVD法等の気相成長法、あるいは塗布焼成法等の方法により形成される。
第1の透光性導電層5は、反射防止膜11の表面に沿って形成され、結晶半導体粒子2の凸形曲面に沿って形成されることが好ましい(図1参照)。図1の場合、第1の透光性導電層5は、半導体部3と結晶半導体粒子2の側面側とで接触しているため、結晶半導体粒子2の内部で生成したキャリアは半導体部3を通り、第1の透光性導電層5に効率よく収集されることとなる。
第1の透光性導電層5の厚さは50〜150nmが好ましい。厚さが50nm未満では、シート抵抗が高くなり、結晶半導体粒子2で生成された電流を損失する傾向があり、150nmを超えると、薄膜の多重反射による反射防止効果が低減する傾向がある。
(導電性基板上への結晶半導体粒子の接合)
結晶半導体粒子2は、その多数個(数1000個〜数100000個程度)が互いに間隔をあけて導電性基板1上に接合されている。結晶半導体粒子2同士の間の間隔は、結晶半導体粒子2の使用量を少なくするために広い方がよく、結晶半導体粒子2の平均粒子径の0.5倍以上の間隔とすることが好ましく、そうすることで、結晶半導体粒子2を最密充填した場合と比較して、結晶半導体粒子2の個数を1/2以下とすることができる。また、上記間隔は、結晶半導体粒子2の平均粒子径の2倍以下の間隔とすることが好ましい。2倍をこえると、光利用率が減少してくる傾向がある。
結晶半導体粒子2は、その多数個(数1000個〜数100000個程度)が互いに間隔をあけて導電性基板1上に接合されている。結晶半導体粒子2同士の間の間隔は、結晶半導体粒子2の使用量を少なくするために広い方がよく、結晶半導体粒子2の平均粒子径の0.5倍以上の間隔とすることが好ましく、そうすることで、結晶半導体粒子2を最密充填した場合と比較して、結晶半導体粒子2の個数を1/2以下とすることができる。また、上記間隔は、結晶半導体粒子2の平均粒子径の2倍以下の間隔とすることが好ましい。2倍をこえると、光利用率が減少してくる傾向がある。
導電性基板1上への結晶半導体粒子2の接合は、具体的には、ホウ素等を多量に含有した導電性基板1の材料(例えばアルミニウム)と結晶半導体粒子2の材料(例えばシリコン)との過共晶の共晶ペーストを、結晶半導体粒子2が接合される導電性基板1の主面における少なくとも各結晶半導体粒子2が配置される部位にそれぞれ塗布し、その塗布部に結晶半導体粒子2を配設した後、結晶半導体粒子2に上方から一定の加重をかけて、共晶温度以上に加熱することにより、導電性基板1と結晶半導体粒子2との共晶層(合金層)6を形成し、その共晶層6を介して結晶半導体粒子2を導電性基板1に接合させる方法等によって行われる。
例えば、図1の場合、導電性基板1の材質がアルミニウムであり、結晶半導体粒子2の材質がシリコンであるとき、アルミニウムとシリコンの共晶温度(577℃)以上に加熱することによって、導電性基板1と結晶半導体粒子2の共晶層6を形成する。さらに、過共晶の共晶ペーストを用いることによって、共晶層6と結晶半導体粒子2との界面にホウ素等を多く含むシリコン層が析出し、そのシリコン層及び共晶層6を介して結晶半導体粒子2が導電性基板1に接合される。ホウ素を多量に含むシリコン層をp+層とすることにより、BSF(Back Surface Field)効果を得ることができる。
本発明では、このように、結晶半導体粒子2は導電性基板1上に配設されているため、結晶半導体粒子2で発生した熱は容易に導電性基板1に放熱され、温度の上昇は抑制される。また、結晶半導体粒子2は、粒径が1mm以下と小さく、かつ導電性基板1の主面に等間隔で配列されているため、導電性基板1の熱分布は均一に近いものになり、結晶半導体粒子2の温度上昇を小さくすることができる。従って、光電変換装置は、導電性基板1の水冷等は不要であり、なおかつシステムが安定で故障の少ないものとなる。
<絶縁層>
結晶半導体粒子2間の導電性基板1上に形成された絶縁層4は、正極と負極の分離を行うための絶縁材料から成る。即ち、絶縁層4は、その上面側に配設される集電層と下面側の導電性基板1とが接触しないように設けられるものである。絶縁層4を成す絶縁材料としては、SiO2,B2O3,Al2O3,CaO,MgO,P2O5,Li2O,SnO,ZnO,BaO,TiO2等を任意成分とする材料からなる低温焼成用ガラス(ガラスフリット)材料、上記材料の1種または複数種から成るフィラーを含有したガラス組成物、ポリイミド或いはシリコーン樹脂等の有機系の材料等が挙げられる。
結晶半導体粒子2間の導電性基板1上に形成された絶縁層4は、正極と負極の分離を行うための絶縁材料から成る。即ち、絶縁層4は、その上面側に配設される集電層と下面側の導電性基板1とが接触しないように設けられるものである。絶縁層4を成す絶縁材料としては、SiO2,B2O3,Al2O3,CaO,MgO,P2O5,Li2O,SnO,ZnO,BaO,TiO2等を任意成分とする材料からなる低温焼成用ガラス(ガラスフリット)材料、上記材料の1種または複数種から成るフィラーを含有したガラス組成物、ポリイミド或いはシリコーン樹脂等の有機系の材料等が挙げられる。
絶縁層4は、さらに球状の絶縁体粒子9を含有することが好ましい。絶縁層4に絶縁体粒子9が含まれることによって、集電層と導電性基板1との電気的絶縁を確実にとることができ、さらに、導電性電極層10の下面と導電性基板1の上面とを平行に保持することができる。絶縁体粒子9は、ガラス,セラミックス,樹脂等の絶縁物質から成る。また、絶縁体粒子9の平均粒子径は4〜20μmであることが好ましく、絶縁体粒子9の平均粒子径がその範囲内にあることにより、絶縁体粒子9を絶縁層4中に十分に分散させることができる。なお、絶縁体粒子9の平均粒子径は、レーザ光による粒度分布測定装置等によって測定できる。
<酸化物層>
耐酸性を有する酸化物層13は、導電性基板1と絶縁層4との間に介在していることが好ましい。前記酸化物層としては、耐酸性を有していればよい。耐酸性レジストとして第1の透光性導電層5が導電性基板1上を一部覆うことで、エッチング時において、混酸中にアルミニウムが溶解し、結晶半導体粒子2のpn界面に析出して、リークが生ずることを防止するという効果が得られる。
耐酸性を有する酸化物層13は、導電性基板1と絶縁層4との間に介在していることが好ましい。前記酸化物層としては、耐酸性を有していればよい。耐酸性レジストとして第1の透光性導電層5が導電性基板1上を一部覆うことで、エッチング時において、混酸中にアルミニウムが溶解し、結晶半導体粒子2のpn界面に析出して、リークが生ずることを防止するという効果が得られる。
耐酸性を有する酸化物層13として、第1の透光性導電層5を用いてもよい。この場合、例えば、SnO2,In2O3,ITO,ZnO,TiO2等から選ばれる1種または複数種の酸化物から好適に構成される。
<集電層>
本発明において集電層は、結晶半導体粒子2で発電された光電流の抵抗損失を小さくして、光電変換装置から光電流を集める部位である。図1においては、第2の透光性導電層5’と導電性電極層10とから構成される部位である。
本発明において集電層は、結晶半導体粒子2で発電された光電流の抵抗損失を小さくして、光電変換装置から光電流を集める部位である。図1においては、第2の透光性導電層5’と導電性電極層10とから構成される部位である。
集電層は、絶縁層4上において導電性電極層10と第2の透光性導電層5’とが順次積層されてなる。ここで、順次積層されてなるとは、絶縁層4上において、まず導電性電極層10が積層され、その上に第2の透光性導電層5’が順に積層されていることをいう。
以下に集電極を構成する第2の透光性導電層5’および導電性電極層10について説明する。
(第2の透光性導電層)
集電層を構成する第2の透光性導電層5’は、結晶半導体粒子2ごとに形成されている上部電極としての第1の透光性導電層5をつなぎ合わせて、発生した光電流を取り出す役割を果たすものである。即ち、この第2の透光性導電層5’は第1の透光性導電層5と同様のはたらきを示すものである。
集電層を構成する第2の透光性導電層5’は、結晶半導体粒子2ごとに形成されている上部電極としての第1の透光性導電層5をつなぎ合わせて、発生した光電流を取り出す役割を果たすものである。即ち、この第2の透光性導電層5’は第1の透光性導電層5と同様のはたらきを示すものである。
第2の透光性導電層5’は、SnO2,In2O3,ITO,ZnO,TiO2等から選ばれる1種以上の透光性を有する酸化物系膜等から成ることが好ましい。
また、第2の透光性導電層5’は、スパッタリング法、CVD法等の気相成長法、あるいは塗布焼成法等の方法により形成される。
(導電性電極層)
導電性電極層10は、結晶半導体粒子2間の集電極を構成するものであり、さらには、絶縁層4上に設置され、第2の透光性導電層5’の下に埋設されたものである。
導電性電極層10は、結晶半導体粒子2間の集電極を構成するものであり、さらには、絶縁層4上に設置され、第2の透光性導電層5’の下に埋設されたものである。
本発明の光電変換装置は好ましくは、その使用に際して、耐候性や耐久性を考慮して全ての結晶半導体粒子2を透明樹脂で覆って使用することとなる。従って、結晶半導体粒子2間の部位、即ち集電層を透明樹脂で覆うこととなる。図1でいえば、第2の透光性導電層5’の上側であり、第1の透光性導電層5の横側である。そのように透明樹脂で埋める理由は、結晶半導体粒子2が露出したままで光電変換装置を使用すると、結晶半導体粒子2が機械的に損傷したり、風雨によって劣化したり、太陽光による熱で劣化するのが早まるのを抑制して、製品としての寿命を長寿命化するためである。
上記のように透明樹脂で埋める場合に、集電層において、導電性電極層10が第2の透光性導電層5’の上に位置する、あるいは、導電性電極層10が第2の透光性導電層5’の下にあっても板状(平坦)でなければ、結晶半導体粒子2間の集電層上を透明樹脂で覆った場合、集電層の表面が平坦でなくなるため、透明樹脂の充填時にその回り込みが悪くなり、集電層の表面や段差の部位に気泡が生じやすくなる。その結果、透明樹脂内に屈折率が異なる気泡が多く存在し、透明樹脂の屈折率の均一性が悪化して、結晶半導体粒子2への集光性が低下することになる。
また、導電性電極層10は、金属により形成されてなることが好ましい。具体的には、Al,Cu,Ni,Cr,Ag等の金属、前記金属の合金、または前記金属の層の積層体が好ましい。金属により形成されてなる導電性電極層10は、光を反射させるはたらきを有しており、導電性電極層10を有する集電層が結晶半導体粒子2間に位置することで、結晶導体粒子2に入射せずに結晶半導体粒子2間に入射した光を導電性電極層10が反射して、反射光の一部が再度結晶半導体粒子2に入射することになる。通常、バスバー電極等の表面電極は、一般的に結晶半導体粒子2上の反射防止膜11上に形成された構造をとっているため、本発明のような導電性電極層10による反射効果は得られない。
よって導電性電極層10は、結晶半導体粒子2で発電された光電流の抵抗損失を極めて小さくして光電変換装置から取り出すはたらきを有するとともに、結晶半導体粒子2への集光性を高める効果を有するものである。そのためには、導電性電極層10は、板状(平坦)であること、第2の透光性導電層5’の下に内包されて位置すること、および結晶半導体粒子2間に位置することを満足する必要がある。
導電性基板1の主面に対して導電性電極層10の主面は、平行になっているか、または5°以下の角度を有していることが好ましく、導電性基板1の主面と導電性電極層10の主面とが平行であることが特に好ましい。より平行に近いことにより、導電性電極層10上の第2の透光性導電層5’の表面を平坦に維持することが容易となる。
導電性電極層10の主面と導電性基板1の主面とをより平行にするためには、絶縁層4中に絶縁体粒子9を有していることが好ましく、特に絶縁体粒子9が図1に示すように導電性基板1の面方向に並んでいること、また厚み方向には1個のみ存在することが好ましい。
導電性電極層10は、1枚の金属板に各結晶半導体粒子2に相当する部位に開口を形成した構成のものが好ましい。そうすることにより、導電性電極層10は1枚の連続的な導電板(導電箔)として機能するため、集電層の抵抗損失が極めて小さくなり、集電効率が大幅に向上する。また、導電性電極層10の剛性が高まるため、導電性電極層10の主面と導電性基板1の主面とが平行になり易く、集電層の上に光反射部材等を安定的に設置することができる。
導電性電極層10の開口径は、結晶半導体粒子2の直径(200〜800μm程度)よりも大きく、結晶半導体粒子2間で幅が小さくなって抵抗損失が大きくなることを満足するような大きさ以下であることがよい。具体的には粒子の直径よりも30〜100μm大きいことが好ましい。導電性電極層10の開口径が粒子の直径よりも30μm未満しか大きくなければ、結晶半導体粒子2の位置精度によるズレのため、開口に入らず、導電性電極層10を結晶半導体粒子2間に設けることができない傾向がある。また、導電性電極層10の開口径が粒子の直径よりも100μmを超えて大きい場合、結晶半導体粒子2と導電性電極層10とを電気的に接続する第1の透光性導電層の抵抗が大きくなって抵抗のロスが発生し、また、結晶半導体粒子2間で導電性電極層10の幅が小さくなって抵抗損失が大きくなる傾向がある。
導電性電極層10の厚さは、20〜200μmであることが好ましく、50〜150μmであることがより好ましい。導電性電極層10の厚さが20μm未満では、導電性電極層10が薄いために抵抗損失が増大する傾向がある。また、導電性電極層10の厚さが200μmをこえると、接合した結晶半導体粒子2の高さに近づくために斜めからの太陽光の入射時に影を形成してしまい、発電効率を低下させる傾向がある。
<集光体>
本発明の光電変換装置は、導電性基板1、結晶半導体粒子2、絶縁層4および集電層の他に、結晶半導体粒子2へ光を集光させる集光体を有することが好ましい。この集光体としては、凹面鏡構造の光反射部材、透明樹脂製の凸レンズ部材等があげられる。光反射部材は、受けた光を結晶半導体粒子2側へ反射させて集光させるものであり、結晶半導体粒子2に集光させるための光反射面を有していればよい。
本発明の光電変換装置は、導電性基板1、結晶半導体粒子2、絶縁層4および集電層の他に、結晶半導体粒子2へ光を集光させる集光体を有することが好ましい。この集光体としては、凹面鏡構造の光反射部材、透明樹脂製の凸レンズ部材等があげられる。光反射部材は、受けた光を結晶半導体粒子2側へ反射させて集光させるものであり、結晶半導体粒子2に集光させるための光反射面を有していればよい。
光反射部材の一例として、図2(e)の符号7に示す凹面鏡構造のものがあげられる。光反射部材7は、集光性を向上させる点で、図2(e)に示すもののように、光反射面が球面や回転楕円体面等の曲面の部分曲面から成る凹面鏡構造であることが好ましい。
光反射部材7は、光反射面である曲面形状を形成、そして維持できる、ポリカーボネート,アクリル樹脂,フッ素樹脂,オレフィン樹脂等の樹脂、金属、セラミックス、ガラス等の材料で形成されることが好ましい。光反射部材7が樹脂から成る場合、金型を用いた成型法によって種々の形状の光反射部材7を簡易に作製することができる。
光反射部材7は、光反射面に光反射層8を有することが好ましい。これにより、光反射部材7本体が光非反射性で軽量な樹脂等から成る場合に、光反射面に光反射性の金属層等を形成することにより、光反射層8を有する軽量な光反射部材7を作製することができる。
光反射層8は、Ag,Al,Au,Cu,Pt,Zn,Ni,Cr等の高反射率を有する金属層により形成されることが好ましい。この場合、光反射層8を、真空蒸着法、スパッタリング法、無電解メッキ法、電解メッキ法等の方法により、均一な厚みで薄く形成することができる。
光反射部材7による集光率は、光学的な設計を行うことにより、光反射部材7がない場合に対して2〜30倍が可能である。集光率が高い方が結晶半導体粒子2で発生する光電流が大きくなると共に、開放電圧も大きくなるため、より高い光電変換効率を得ることができる。
一般的に、集光することにより発生する熱のために結晶半導体粒子2が高温となり、出力を低下させてしまうことが考えられるため、集光による光電変換効率の向上と、熱の発生による光電変換効率の低下とのバランスをとるように集光率は決定される。
光反射部材7は、例えば、図2(e)の場合、光反射部材7の凹面鏡の底部の開口を通して結晶半導体粒子2が露出するようにして光反射部材7を集電層上に載置し、そのまま接着するか、または結晶半導体粒子2及び光反射部材7の上に透明樹脂等から成る充填剤、保護材を順次積層して、真空加熱装置等を用いて封止することにより、光反射部材7を有する光電変換装置を作製することができる。
凹面鏡構造の光反射部材7の底部には結晶半導体粒子2が入る程度の開口が設けてあり、さらに光反射部材7の凹面鏡の内面(光反射面)には光反射層8が設けてある。
光反射部材7の形成方法としては、光反射部材7のネガ形状(相補形状)を多数有する金型(上金型、下金型)を作製し、樹脂、金属等の材料を用いて成型する方法がある。
光反射層8としては、例えば従来では、上部電極を兼ねるアルミニウム箔を利用しているが、本発明では樹脂製の凹面鏡構造体の光反射面に形成された金属層を用いることによって、より好ましい反射率を得ることができる。真空蒸着法等の薄膜形成法によって形成されたアルミニウム薄膜等から成る金属層の反射率と、金属固体の表面の反射率とを比較した場合、金属層がより高い反射率を有しているためである。
また、光反射部材7に代えて凸レンズ部材を用いても良く、この凸レンズ部材は透明樹脂等から成り、各結晶半導体粒子2の上に凸レンズ状を成して覆うように、軟化した樹脂の塗布法、金型を用いた成型法等によって形成される。
光反射部材7と凸レンズ部材とを比較すると、製造及び組み付けの容易さ、光が樹脂本体部に直射しないために劣化が少ないこと等の点から、光反射部材7が好ましい。
<光電変換装置の作製方法>
本発明の光電変換装置の製造方法は、導電性基板1上に、表層に第2導電型の半導体部3が形成された球状の第1導電型の結晶半導体粒子2の多数個を互いに間隔をあけて接合し、前記結晶半導体粒子2の上部に反射防止膜11を形成する工程(以下、工程1とする)と、前記反射防止膜11上に形成された前記第1の透光性導電層と前記結晶半導体粒子2の側部の前記半導体部とが接触するように前記反射防止膜上に第1の透光性導電層5を形成する工程(以下、工程2とする)と、前記結晶半導体粒子2上に形成された前記第1の透光性導電層5を残した状態で、前記結晶半導体粒子の下部において露出した半導体部を除去して前記導電性基板1とこの半導体部とを電気的に切り離す工程(以下、工程3とする)と、前記結晶半導体粒子2間の導電性基板1上に絶縁層4を形成する工程(以下、工程4とする)と、前記絶縁層4上に、導電性電極層10と前記第1の透光性導電層5に導通する第2の透光性導電層5’とを順次積層させて集電層を形成する工程(以下、工程5とする)と、を備えている構成である。以下、各工程について説明する。
本発明の光電変換装置の製造方法は、導電性基板1上に、表層に第2導電型の半導体部3が形成された球状の第1導電型の結晶半導体粒子2の多数個を互いに間隔をあけて接合し、前記結晶半導体粒子2の上部に反射防止膜11を形成する工程(以下、工程1とする)と、前記反射防止膜11上に形成された前記第1の透光性導電層と前記結晶半導体粒子2の側部の前記半導体部とが接触するように前記反射防止膜上に第1の透光性導電層5を形成する工程(以下、工程2とする)と、前記結晶半導体粒子2上に形成された前記第1の透光性導電層5を残した状態で、前記結晶半導体粒子の下部において露出した半導体部を除去して前記導電性基板1とこの半導体部とを電気的に切り離す工程(以下、工程3とする)と、前記結晶半導体粒子2間の導電性基板1上に絶縁層4を形成する工程(以下、工程4とする)と、前記絶縁層4上に、導電性電極層10と前記第1の透光性導電層5に導通する第2の透光性導電層5’とを順次積層させて集電層を形成する工程(以下、工程5とする)と、を備えている構成である。以下、各工程について説明する。
(工程1)
工程1は、導電性基板1上に、表層に第2導電型の半導体部3が形成された球状の第1導電型の結晶半導体粒子2の多数個を互いに間隔をあけて接合し、前記結晶半導体粒子の上部に反射防止膜11を形成する工程である。
工程1は、導電性基板1上に、表層に第2導電型の半導体部3が形成された球状の第1導電型の結晶半導体粒子2の多数個を互いに間隔をあけて接合し、前記結晶半導体粒子の上部に反射防止膜11を形成する工程である。
導電性基板1と結晶半導体粒子2との接合方法としては、導電性基板1上に結晶半導体粒子2を配置し、押圧しつつ加熱する方法によってそれらの界面に共晶層6を形成し、その共晶層6を介して接合させる方法などがあげられる。
導電性基板1と結晶半導体粒子2との間に共晶層6を形成してそれらを接合するには、導電性基板1の材料であるアルミニウム等と結晶半導体粒子2の材料であるシリコン等との共晶温度(577℃)以上に加熱して接合することが好ましい。
反射防止膜11は、結晶半導体粒子2の上部に形成されるものであり、導電性基板1全体に反射防止膜11が形成されてもよい。その形成方法としては、プラズマCVD法等が好適に使用される。また、反射防止膜11としては、その作製工程上、結晶半導体粒子2表面に水素ラジカルが形成され、結晶半導体粒子2に存在する粒界や欠陥を不活性にするために、光電変換特性が改善されるという利点があるため、特に窒化シリコン膜であることが好ましい。
工程1は、接合工程の前に、球状の第1導電型の結晶半導体粒子2の表層に第2導電型の半導体部3を形成する工程を含むことが好ましい。その工程としては、具体的には、熱拡散法や気相成長法等の工程をいう。
熱拡散法においては、例えば、オキシ塩化リン等のリン系化合物を拡散剤として、高温の石英管内に一定時間、結晶半導体粒子2を挿入することにより、半導体部3がn型であれば結晶半導体粒子2の表面にn型の半導体部3を形成できる。一例として、900℃の石英管内に30分間、結晶半導体粒子2を挿入することにより、その表面に1μm厚みのn型の半導体部3を形成できる。ただしこの場合、図1に示すように、半導体部3と共晶層6とを電気的に分離するために、共晶層6の近傍を除いて半導体部3の表面を耐酸レジスト等で被覆し、非被覆部分の半導体部3をエッチング液で除去することにより、取り除くことが必要である。
熱拡散法の場合、結晶半導体粒子2と導電性基板1との接合前に行うことができる。
また、気相成長法等では、例えば、シラン化合物の気相に、n型のドーパントとなるリン系化合物の気相を微量導入して、n型の半導体部3を形成することができる。
(工程2)
工程2は、前記反射防止膜11上に形成された前記第1の透光性導電層と前記結晶半導体粒子2の側部の前記半導体部とが接触するように前記反射防止膜上に第1の透光性導電層5を形成する工程である。
工程2は、前記反射防止膜11上に形成された前記第1の透光性導電層と前記結晶半導体粒子2の側部の前記半導体部とが接触するように前記反射防止膜上に第1の透光性導電層5を形成する工程である。
前記反射防止膜11上への第1の透光性導電層5の形成は、SnO2,In2O3,ITO,ZnO,TiO2等から選ばれる1種または複数種の透光性を有する酸化物系膜等から成る第1の透光性導電層5を、スパッタリング法、CVD法等の気相成長法、あるいは塗布焼成法等により形成することにより行われる。前記形成法により、第1の透光性導電層5は、反射防止膜11の表面に沿って形成され、結晶半導体粒子2の凸形曲面に沿って形成される。また、前記形成法を使用すると、第1の透光性導電層5は半導体粒子の下部への形成が困難であるため、半導体粒子の下部は、半導体部3が露出することになる。
また、工程2により、前記反射防止膜11上に形成された前記第1の透光性導電層5と前記結晶半導体粒子2の側部の前記半導体部3とを接触させて、結晶半導体粒子2の内部で生成したキャリアを半導体部3から通して、第1の透光性導電層5に効率よく収集させることができる。
前記のように、透光性導電層5と前記結晶半導体粒子2の側部の前記半導体部3とを接触させるためには、例えば、工程2の前工程として、それらの接触を阻害する反射防止膜11を除去する工程を含むことが好ましい。
前記反射防止膜11の除去方法としては、工程1で形成された反射防止膜のうち、結晶半導体粒子2の上部などに形成される、前記接触を阻害しない反射防止膜上に対してレジスト膜12を形成し、その他の前記接触を阻害する反射防止膜をエッチングにより除去することが好ましい。
レジスト膜12の形成法としては、平版転写法やロール転写法が挙げられる。レジスト膜12で覆われていない結晶半導体粒子2の側部は、結晶半導体粒子2を接合した導電性基板1をフッ酸液中に浸漬することにより、露出した反射防止膜12は除去される。また、露出した箇所は膜厚も薄いところであるので、短時間に除去することができる。
また、レジスト膜12を形成せずに、薄いフッ酸液中に浸漬することによっても、前記接触を阻害する結晶半導体粒子2の側部及び下部などの反射防止膜11が先に溶けるので、結晶半導体粒子2の上部など前記接触を阻害しない反射防止膜11を残すことができる。
工程2においては、前記反射防止膜上に第1の透光性導電層5を形成すると同時に、前記結晶半導体粒子2間における前記導電性基板1上にも第1の透光性導電層5を形成することができる(図2(b)参照)。
(工程3)
工程3は、前記結晶半導体粒子2上に形成された前記第1の透光性導電層5を残した状態で、前記結晶半導体粒子の下部において露出した半導体部を除去して前記導電性基板1とこの半導体部とを電気的に切り離す工程である。
工程3は、前記結晶半導体粒子2上に形成された前記第1の透光性導電層5を残した状態で、前記結晶半導体粒子の下部において露出した半導体部を除去して前記導電性基板1とこの半導体部とを電気的に切り離す工程である。
具体的には、結晶半導体粒子2の上部および側部を覆う第1の透光性導電層5上にレジスト膜12を形成した後、レジスト膜12が覆われていない結晶半導体粒子2の下部における半導体部3の除去を行い、導電性基板1と結晶半導体粒子2とを電気的に切り離すことが好適におこなわれる(例えば、図2(b),(c))。
結晶半導体粒子2の下部はレジスト膜12に覆われていないので、結晶半導体粒子2が接合された導電性基板1を、例えば、フッ硝酸液(フッ酸と硝酸との容量比がフッ酸:硝酸=1:100である混酸)中に約30秒浸漬することにより、第1の透光性導電層5及び半導体部3の露出した箇所を除去する。また、これらの露出した箇所は厚みも薄いので、短時間で除去することができる。このように、導電性基板1と半導体部3は、図2(c)に示すように、導電性基板1と分離される。
なお、レジスト膜12の形成法としては、柔らかいロールを用いた転写法が挙げられる。
工程3では、前記結晶半導体粒子間における前記導電性基板上に形成された前記第1の透光性導電層の少なくとも一部を残すようにすることが好ましい。それにより形成された前記第1の透光性導電層は、耐酸性レジストとして導電性基板1上を一部覆うことで、混酸中にアルミニウムが溶解しそれが結晶半導体粒子2のpn界面に析出して、リークが発生することを防止することができる。
前記第1の透光性導電層の少なくとも一部を残すためには、残すべき箇所にレジスト膜を設け、エッチング時に除去されないように保護をおこなう。
工程3では、前記第1の透光性導電層の中心側を残し、端部側を除去することが好ましい。
(工程4)
工程4は、結晶半導体粒子2間の導電性基板1上に絶縁層4を形成する工程である。
工程4は、結晶半導体粒子2間の導電性基板1上に絶縁層4を形成する工程である。
結晶半導体粒子2間の導電性基板1上に形成された絶縁層4は、上述したように、正極と負極の分離を行うための絶縁材料から成る。
工程4としては、その絶縁材料を加熱等して軟化させることにより、結晶半導体粒子2間に充填させる。この場合、加熱温度は、導電性基板1と結晶半導体粒子2との共晶温度より低いことが好ましい。そうすることにより、工程1で形成された共晶層6が溶融することを防止できる。
絶縁層4が絶縁体粒子9を含有する場合、予め絶縁体粒子9を絶縁層4となる軟化した絶縁材料中に含ませたり、絶縁体粒子9を結晶半導体粒子2間の導電性基板1上に配置した後に軟化した絶縁材料を結晶半導体粒子2間に充填することにより、絶縁層4中に含ませることができる。
また、図2(d)に示すように、絶縁体粒子9を導電性基板1の面方向に整列させるためには、篩を用いて散布することにより結晶半導体粒子2間に整列させる、あるいは溶剤に混入して噴霧中に乾燥させることで散布する等の操作を行えばよい。
(工程5)
工程5は、絶縁層4上に、導電性電極層10と第1の透光性導電層5に導通する第2の透光性導電層5’とを順次積層させて集電層を形成する工程である。
工程5は、絶縁層4上に、導電性電極層10と第1の透光性導電層5に導通する第2の透光性導電層5’とを順次積層させて集電層を形成する工程である。
工程5においては、まず絶縁層4上に導電性電極層10を設置する。
特に、導電性電極層10を導電性基板1に対して、より平行に近くなるように設置するには、絶縁層4中に含まれる絶縁体粒子9を面方向に並列させることが好ましい。
工程5においては、絶縁層4上に導電性電極層10を設置し、さらに導電性電極層10を覆う第2の透光性導電層5’を形成するが、この場合、例えばスパッタリング法、CVD法等の気相成長法、塗布焼成法等によって第2の透光性導電層5’を形成することができる。
(工程6)
本発明の光電変換装置の製造方法は、工程5の次に工程6として、集光体を集電層上に形成する工程を含むことが好ましい。
本発明の光電変換装置の製造方法は、工程5の次に工程6として、集光体を集電層上に形成する工程を含むことが好ましい。
集光体の一例である光反射部材7は、上述したように、ポリカーボネート,アクリル樹脂,フッ素樹脂,オレフィン等の樹脂等の材料により形成される。光反射部材7は、前記材料を用いた、金型を用いた真空成型法、インジェクション(注入)成型法等により作製される。光反射部材7がさらに光反射層8を有する場合、上述したように、光反射層8は高反射率を有する金属層から成り、真空蒸着法、スパッタリング法、無電解メッキ法、電解メッキ法等の方法により形成される。
また、集光体の一例である凸レンズ部材は、透明樹脂,ゾルゲルガラス等の材料により形成される。
本発明の光電変換装置は、光電変換素子(1個の結晶半導体粒子2を有する光電変換の単位体)の複数を接続(直列、並列または直並列に接続)したものである。さらに、光電変換装置を1つ設けるか、または複数を接続(直列、並列または直並列に接続)したモジュールを発電手段として用い、この発電手段から直接直流負荷へ発電電力を供給するようにしてもよい。また、その発電手段をインバータ等の電力変換手段を介して発電電力を適当な交流電力に変換した後、この発電電力を商用電源系統や各種の電気機器等の交流負荷に供給することが可能な発電装置としてもよい。さらに、このような発電装置を日当たりのよい建物の屋根や壁面に設置する等して、各種態様の太陽光発電システム等の光発電装置として利用することも可能である。
以下、実施例にもとづいて本発明を詳細に説明するが、本発明は上記の実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことができる。
(実施例1)
結晶半導体粒子2である直径0.3mm(300μm)のp型の結晶シリコン粒子2に対してリン熱拡散処理を施すことにより、結晶シリコン粒子2の外郭(表層)をn+層としてn型の半導体部3を形成し、結晶シリコン粒子2の表面にpn接合部を形成した。
結晶半導体粒子2である直径0.3mm(300μm)のp型の結晶シリコン粒子2に対してリン熱拡散処理を施すことにより、結晶シリコン粒子2の外郭(表層)をn+層としてn型の半導体部3を形成し、結晶シリコン粒子2の表面にpn接合部を形成した。
次に、図2(a)に示すように、アルミニウム製の導電性基板1の主面上の結晶シリコン粒子2が配置される各部位にアルミニウム−シリコン過共晶ペーストを塗布し、その塗布部上に結晶シリコン粒子2を、その直径の3倍の間隔(0.9mm)を空けてそれぞれ配置し、アルミニウムとシリコンとの共晶温度である577℃以上の温度(630℃)で約10分加熱して、多数の結晶シリコン粒子2を導電性基板1上に接合した。
次に、CVD法(Chemical Vapor Deposition法)を用いて、結晶シリコン粒子2が接合された導電性基板1の結晶シリコン粒子2が接合された主面に、窒化シリコン膜(厚さ85nm)を反射防止膜11として形成した。そして、硬質のロールにレジストを塗布し、そのロールによって、結晶シリコン粒子2上の窒化シリコン膜上に、レジスト膜12を形成した。このとき、窒化シリコン膜及びレジスト膜12は結晶シリコン粒子2の上部のみを被覆するようにし、結晶シリコン粒子2の下部において窒化シリコン膜の一部及び半導体部3の一部が露出するようにした。
次に、結晶シリコン粒子2が接合された導電性基板1を、フッ酸と水との容量比が1:10のフッ酸希釈液に浸漬して、露出した窒化シリコン膜を除去した。その後、レジスト膜12を薄いアルカリ溶液(水酸化ナトリウム水溶液、濃度30%)で除去した。
次に、スパッタリング法を用いて、第1の透光性導電層5として厚さ50nmのITO膜(酸化インジウム・スズ膜)を形成した。
次に、図2(b)に示すように、軟質のロールにレジストを塗布し、そのロールによって、結晶シリコン粒子2の上部および側部に位置するITO膜と、結晶シリコン粒子間における導電性基板上のITO膜の中心部と、をレジスト膜12で被覆した。この状態の導電性基板1を、フッ酸と水との容量比が1:20のフッ酸液に3分間浸漬して、露出したITO膜と半導体部3とをエッチングして除去した。この後、レジスト膜12を薄いアルカリ溶液(水酸化ナトリウム水溶液、濃度0.4%)で除去した。これにより、図2(c)に示すように、半導体部3と導電性基板1とを電気的に分離させた。
次に、図2(d)に示すように、結晶シリコン粒子2間の導電性基板1上に、絶縁体粒子9として5μmφ(直径)の酸化シリコン球が混入したポリイミドを滴下して、絶縁層4となるポリイミド塗布層を形成した。
次に、導電性電極層10として各結晶シリコン粒子2に相当する部位に開口(直径350μm)が形成された薄い銅箔(厚み50μm)を、ポリイミド塗布層上に配置した。ポリイミド塗布層を乾燥させ硬化させて絶縁層4を形成するとともに銅箔を絶縁層4に接着した後、結晶シリコン粒子2の上部の表面を希フッ酸で洗浄し、第2の透光性導電層5’としてITO膜を80nmの厚みで形成した。
次に、図2(e)に示す光反射部材7を以下のようにして作製した。結晶シリコン粒子2の直径の3倍以上の最大直径を有する凹面鏡となる縦長の半回転楕円体形状が成型面に多数配列された金型を用いて、真空成型法によって、ポリカーボネートフィルムに多数の凹面鏡構造を形成した。その凹面鏡構造の内面(光反射面)の下端には、結晶シリコン粒子2の直径よりも小さい200μmφの開口が形成されるようにした。次に、真空蒸着法により凹面鏡構造の内面に光反射層8としてのAl層を成膜した。
そして、結晶シリコン粒子2が光反射部材7の開口から突出するようにして光反射部材7を集光層上に載置し接着することにより、光電変換装置を作製した。
(実施例2)
図2(c)に示す半導体部3と導電性基板1との電気的分離の工程までは実施例1と同様に作製した。
図2(c)に示す半導体部3と導電性基板1との電気的分離の工程までは実施例1と同様に作製した。
次に、図2(d)に示すように、絶縁体粒子9として5μmφ(直径)の酸化シリコン球を散布した。導電性電極層10として各結晶シリコン粒子2に相当する部位に開口(直径350μm)が形成された薄いニッケルメッキ銅箔(厚み50μm)を結晶シリコン粒子2間の導電性基板1上に設置した。このとき、導電性電極層10の上面側には撥液剤を塗布しておいた。
次に、酸化シリコン球を混入したポリイミドを滴下し、結晶半導体粒子2と導電性電極層10の開口部と導電性電極層10と導電性基板1との間にポリイミド塗布層を浸透させた。ポリイミド塗布層を乾燥させ硬化させた後、結晶シリコン粒子2の上部の表面を希フッ酸で洗浄し、第2の透光性導電層5’としてITO膜を85nmの厚みで形成した。
次に、EVA樹脂とポリカーボネートフィルムを成形したレンズ状のカバーフィルムを載置し接着することにより、光電変換装置を作製した。
(実施例3)
結晶シリコン粒子2として直径0.3mmのp型の結晶シリコン粒子2の多数個にリン熱拡散処理を施すことにより、結晶シリコン粒子2の外郭をn+層とすることでpn接合部を形成した。アルミニウム製の導電性基板1の主面上に、結晶シリコン粒子2の多数個を0.32mmの間隔に配置し、アルミニウムとシリコンの共晶温度である577℃以上の温度(630℃)で約10分加熱して、多数個の結晶シリコン粒子2を導電性基板1上に接合した。
結晶シリコン粒子2として直径0.3mmのp型の結晶シリコン粒子2の多数個にリン熱拡散処理を施すことにより、結晶シリコン粒子2の外郭をn+層とすることでpn接合部を形成した。アルミニウム製の導電性基板1の主面上に、結晶シリコン粒子2の多数個を0.32mmの間隔に配置し、アルミニウムとシリコンの共晶温度である577℃以上の温度(630℃)で約10分加熱して、多数個の結晶シリコン粒子2を導電性基板1上に接合した。
結晶シリコン粒子2の下端部をエッチングして半導体部3を除去してpn分離を行った後、導電性基板1上の多数の結晶シリコン粒子2の間にポリイミドからなる絶縁層4を形成した。その後、結晶シリコン粒子2の上部の表面を洗浄し、結晶シリコン粒子2の上部に第2の透光性導電層5としてのITO膜を80nmの厚みで形成した。さらに、集電極として、結晶シリコン粒子2の隙間に配置されるようにエッチングで開孔を形成した銅箔を貼り付けて、図2(a)〜(d)のように光電変換装置を作製した。
(比較例)
以下のようにして比較例の光電変換装置を作製した。実施例と同様にして、結晶半導体粒子2として直径0.3mmのp型の結晶シリコン粒子2の多数個にリン熱拡散処理を施すことにより、結晶シリコン粒子2の外郭をn+層とすることでpn接合部を形成した。
以下のようにして比較例の光電変換装置を作製した。実施例と同様にして、結晶半導体粒子2として直径0.3mmのp型の結晶シリコン粒子2の多数個にリン熱拡散処理を施すことにより、結晶シリコン粒子2の外郭をn+層とすることでpn接合部を形成した。
次に、アルミニウム製の導電性基板1の主面上に、結晶シリコン粒子2の多数個を最密充填して配置し、アルミニウムとシリコンの共晶温度である577℃以上の温度(630℃)で約10分加熱して、多数個の結晶シリコン粒子2を導電性基板1上に接合した。
結晶シリコン粒子2の下端部をエッチングして半導体部3を除去してpn分離を行った後、導電性基板1上の多数の結晶シリコン粒子2の間にポリイミドからなる絶縁層4を形成した。その後、結晶シリコン粒子2の上部の表面を洗浄し、結晶シリコン粒子2の上部に第2の透光性導電層5としてのITO膜を80nmの厚みで形成した。さらに、集電極として熱硬化型のAgペーストからなるフィンガー電極を、一部の結晶シリコン粒子2上に形成し、光電変換装置を作製した。
比較例の光電変換装置における結晶シリコン粒子2の実施例の光電変換装置の結晶シリコン粒子2に対する使用数量比は、実施例1および2の約9倍となった。
また、実施例1および2の光電変換装置の短絡電流は、比較例の光電変換装置の短絡電流の1.2倍となった。
さらに、実施例1および2の光電変換装置は比較例のものよりも開放電圧が上昇したため、実施例1の光電変換効率は14.1%、実施例2の光電変換効率は13.9%、比較例の光電変換効率は11.1%であり、実施例1および2の光電変換効率はそれぞれ、比較例の光電変換効率の1.27倍および1.25倍となった。
また、実施例3の光電変換装置の変換効率は11.7%であり、これは比較例の1.05倍となった。さらに、実施例3では、比較例に対して結晶シリコン粒子2の使用量を減らすことができた。
以上のように、本発明の光電変換装置は、半導体の使用量を大きく削減し、光電変換効率を向上させ得ることが確認された。
1 導電性基板
2 結晶半導体粒子
3 半導体部
4 絶縁層
5 第1の透光性導電層
5’ 第2の透光性導電層
6 共晶層
7 光反射部材
8 光反射層
9 絶縁体粒子
10 導電性電極層
11 反射防止膜
12 レジスト膜
13 耐酸性を有する酸化物層
2 結晶半導体粒子
3 半導体部
4 絶縁層
5 第1の透光性導電層
5’ 第2の透光性導電層
6 共晶層
7 光反射部材
8 光反射層
9 絶縁体粒子
10 導電性電極層
11 反射防止膜
12 レジスト膜
13 耐酸性を有する酸化物層
Claims (6)
- 導電性基板と、
表層に第2導電型の半導体部と、反射防止膜と、前記半導体部と電気的に接続した第1の透光性導電層と、が順次形成され、前記導電性基板上に互いに間隔をあけて多数個接合された球状の第1導電型の結晶半導体粒子と、
前記導電性基板上であって、前記結晶半導体粒子間に形成された絶縁層と、
前記絶縁層上に形成された、導電性電極層と前記第1の透光性導電層に導通する第2の透光性導電層とが順次積層されてなる集電層と、
を含む光電変換装置。 - 前記導電性電極層が、金属により形成されてなる請求項1記載の光電変換装置。
- 前記集電層上に、前記結晶半導体粒子へ光を集光させる集光体をさらに有する請求項1または2記載の光電変換装置。
- 前記導電性基板と前記絶縁層との間に耐酸性を有する酸化物層をさらに有する請求項1乃至3のいずれかに記載の光電変換装置。
- (1)導電性基板上に、表層に第2導電型の半導体部が形成された球状の第1導電型の結晶半導体粒子の多数個を互いに間隔をあけて接合し、前記結晶半導体粒子の上部に反射防止膜を形成する工程と、
(2)前記反射防止膜上に形成された前記第1の透光性導電層と前記結晶半導体粒子の側部の前記半導体部とが接触するように前記反射防止膜上に第1の透光性導電層を形成する工程と、
(3)前記結晶半導体粒子上に形成された前記第1の透光性導電層を残した状態で、前記結晶半導体粒子の下部において露出した半導体部を除去して前記導電性基板とこの半導体部とを電気的に切り離す工程と、
(4)前記結晶半導体粒子間の導電性基板上に絶縁層を形成する工程と、
(5)前記絶縁層上に、導電性電極層と前記第1の透光性導電層に導通する第2の透光性導電層とを順次積層させて集電層を形成する工程と、
を含む光電変換装置の製造方法。 - 前記工程(2)において、前記結晶半導体粒子間における前記導電性基板上に、第1の透光性導電層を同時に形成させ、
前記工程(3)において、前記結晶半導体粒子間における前記導電性基板上に形成された前記第1の透光性導電層の少なくとも一部を残すようにした請求項5記載の光電変換装置の製造方法。
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JP2006179254A JP2008010622A (ja) | 2006-06-29 | 2006-06-29 | 光電変換装置およびその製造方法 |
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JP2010199238A (ja) * | 2009-02-24 | 2010-09-09 | Clean Venture 21 Corp | 集光型太陽電池およびこれを用いた追尾型太陽電池装置 |
-
2006
- 2006-06-29 JP JP2006179254A patent/JP2008010622A/ja active Pending
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