JP2017059760A - 検査装置及び半導体試料の個体識別方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】直接加工等せずに半導体試料を個体識別する技術を提供する。
【解決手段】太陽電池9からルミネッセンス光を放射させ(ステップS103)、当該放射されたルミネッセンス光の強度をイメージセンサ53で検出する(ステップS104)。そして、ルミネッセンス光の強度に基づいて、太陽電池9のルミネッセンス画像LI1を生成し(ステップS105)、該ルミネッセンス画像LI1からサムネイルTcを生成する(ステップS106)。続いて、生成されたサムネイルTcを、予め記憶部に保存された照合用サムネイルデータD1の各照合用サムネイルと照合する(ステップS107)。
【選択図】図5

Description

この発明は、半導体試料について個体識別する技術に関する。
例えば、複数の太陽電池を検査する際、各個体を識別するために、太陽電池本体にペンなどで管理番号を記入したり、あるいは、シールを貼ったりする場合がある。
また、特許文献1には、検査装置にマーキング装置が搭載されており、該マーキング装置がレーザを照射することによって、検査時に見つかった欠陥情報を太陽電池にマーキングすることが記載されている。
また、特許文献2には、太陽電池製造時に、個体識別情報として、金属不純物をシリコン基板に拡散させる。そして、電界励起発光(EL)法によって、個体識別情報を暗部として観察することが記載されている。
特開2010−135446号公報 特開2013−229466号公報
しかしながら、ペンで管理番号を記入したり、シールを貼付したりする場合、人手が介在するため、記入ミスや記入した管理番号の消失するおそれがある。
また、特許文献1に記載の技術のように、太陽電池の表面に傷をつけると、発生キャリアの再結合が起こりやすくなり、性能が劣化するおそれがある。さらにまた、特許文献2に記載の技術の場合、太陽電池の製造時に個体識別情報を形成する必要がある。このため、適用可能な範囲が限定されている。
そこで、本発明は、直接加工等せずに半導体試料を個体識別する技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、第1の態様は、半導体試料を検査する検査装置であって、半導体試料から電磁波を放射させる電磁波放射誘起部と、前記半導体試料から放射された前記電磁波の強度を検出する電磁波強度検出部と、前記電磁波強度検出部で検出された前記電磁波の強度に基づいて、前記半導体試料の電磁波強度画像を生成する画像生成部と、前記画像生成部によって生成された前記電磁波強度画像に基づく個体識別情報を記憶する記憶部と、識別対象である前記半導体試料の前記個体識別情報を、前記記憶部に予め保存された複数の前記半導体試料についての前記個体識別情報と照合する照合部とを備える。
また、第2の態様は、第1の態様に係る検査装置であって、前記画像生成部によって生成された前記電磁波強度画像から、サムネイルを生成するサムネイル生成部、をさらに備え、前記照合部は、前記サムネイル生成部が生成したサムネイルを前記個体識別情報とする。
また、第3の態様は、第2の態様に係る検査装置であって、前記サムネイル生成部は、前記電磁波強度画像を複数のブロック画像に分割し、前記ブロック画像に含まれる各画素が持つ画素値に基づいて、前記ブロック画像毎の代表値を決定し、前記複数のブロック画像のそれぞれを、前記代表値に基づいて決定された画素値を持つ画素に圧縮して、1つの前記サムネイルを生成する。
また、第4の態様は、第3の態様に係る検査装置であって、前記サムネイル生成部は、前記ブロック画像に含まれる各画素が持つ画素値の標準偏差を前記代表値とし、前記複数のブロック画像毎に、前記代表値を所定の画素値範囲に正規化して得られる画素値を持つ画素に圧縮して、1つの前記サムネイルを生成する。
また、第5の態様は、第1から第4の態様のいずれか1つに係る検査装置であって、前記電磁波放射誘起部は、前記半導体試料において、フォトルミネッセンスを誘起する励起光を前記半導体試料に照射する励起光照射部を有し、前記電磁波強度検出部は、前記半導体試料で発生した光を検出する光強度検出部を有する。
また、第6の態様は、第1から第4の態様のいずれか1つに係る検査装置であって、前記電磁波放射誘起部は、前記半導体試料において、エレクトロルミネッセンスを誘起する電圧を印加する電圧印加部を有し、前記電磁波強度検出部は、前記半導体試料で発生した光を検出する光強度検出部を有する。
また、第7の態様は、半導体試料の個体識別方法であって、(a)半導体試料から電磁波を放射させる電磁波放射工程と、(b)前記電磁波放射工程にて前記半導体試料から放射された前記電磁波の強度を検出する電磁波強度検出工程と、(c)前記電磁波強度検出工程にて検出された前記電磁波の強度に基づいて、前記半導体試料の電磁波強度画像を生成する電磁波強度画像生成工程と、(d)前記電磁波強度画像生成工程にて生成された、識別対象である前記半導体試料の前記電磁波強度画像が示す個体識別情報を、予め記憶部に記憶された複数の前記半導体試料についての前記個体識別情報と照合する照合工程とを有する。
また、第8の態様は、第7の態様に係る半導体試料の個体識別方法であって、(e)前記電磁波強度画像生成工程で生成された前記電磁波強度画像から、サムネイルを生成するサムネイル生成工程、をさらに有し、前記照合工程において、前記個体識別情報が前記サムネイル生成工程で生成された前記サムネイルとされる。
第1の態様に係る検査装置によると、固有性の高い電磁波強度画像に基づいて半導体試料の個体識別を行うため、半導体試料に直接加工等することなく、半導体試料の個体識別を高精度に行うことができる。
第2の態様に係る検査装置によると、電磁波強度画像をサムネイルにすることで、データ量を減らすことができる。これによって、照合処理の演算量を軽減できる。
また、第3の態様に係る検査装置によると、分割して得られた各ブロック画像毎に画素値に基づいた代表値を決定することで、元の電磁波強度画像の特徴を有するサムネイルを適切に生成できるという効果を奏する。
また、第4の態様に係る検査装置によると、標準偏差を代表値とすることによって、各画素ブロックの特性を好適に表した代表値を得ることができる。
また、第5の態様に係る検査装置によると、フォトルミネッセンスを誘起することによって、半導体試料の特性に応じた光を発生させることができる。このため、半導体試料毎に固有性の高いサムネイルを生成できるため、識別精度を高めることができる。
また、第6の態様に係る検査装置によると、エレクトロルミネッセンスを誘起することによって、半導体試料の特性に応じた光を発生させることができる。このため、半導体試料毎に、固有性の高いサムネイルを生成できるため、識別精度を高めることができる。
また、第7の態様に係る半導体試料の個体識別方法によると、固有性の高い電磁波強度画像に基づいて個体識別を行うため、半導体試料に直接加工等することなく、半導体試料の個体識別を高精度に行うことができる。
また、第8の態様に係る半導体試料の個体識別方法によると、電磁波強度画像をサムネイルにすることで、データ量を減らすことができる。これによって、照合処理の演算量を軽減できる。
実施形態に係る検査装置の概略側面図である。 実施形態に係るテラヘルツ波測定系の概略構成図である。 実施形態に係る検査装置における、制御部と他の要素との電気的な接続を示すブロック図である。 実施形態に係る制御部の機能的要素をデータフローとともに示すブロック図である。 実施形態に係る検査装置において実行される検査の流れを示す図である。 サムネイルの生成過程を概念的に示す図である。 PL測定によって得られた複数のPL画像と、各PL画像を改変した複数の改変PL画像とを示す図である。 図7に示す各PL画像及び各改変PL画像から生成されたサムネイルを示す図である。 図8に示すサムネイル同士の類似度を総当たりで求めた結果を示す図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
<1. 実施形態>
<検査装置の構成>
図1は、実施形態に係る検査装置100の概略側面図である。検査装置100は、装置架台1、テラヘルツ波測定系2、移動ステージ3、試料台4、ルミネッセンス測定系5、カメラ6及び制御部7を備えている。検査装置100は、各種の刺激(ここでは、光の照射及び電圧の印加)に応じて半導体試料から放射される放射電磁波を検出し、その放射電磁波の強度分布を画像化するように構成されている。具体的に、放射電磁波は、EL(エレクトロルミネッセンス)によって発生するEL光、PL(フォトルミネッセンス)によって発生するPL光、及び、テラヘルツ波を含む。
図1及び以降の各図にはそれらの方向関係を明確にするためZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とする右手系のXYZ直交座標系を適宜付している。ここでは、移動ステージ3の表面に平行な面を水平面(XY平面)とし、それに垂直な上下方向を鉛直方向(Z軸方向)としている。また、ルミネッセンス測定系5から見て、テラヘルツ波測定系2が配置されている側を+Y側とし、その反対側を−Y側としている。さらにまた、ルミネッセンス測定系5の側からテラヘルツ波測定系2の側を見たとき、右手側は+X側とし、左手側は−X側としている。また、Z軸方向の上側を+Z側とし、下側を−Z側としている。
<テラヘルツ波測定系2>
テラヘルツ波測定系2は、半導体試料に対して検査光(後述する検査光LP11)を照射し、該検査光の照射に応じて放射されるテラヘルツ波を検出する。また、検査装置100は、検出されたテラヘルツ波(0.1THz〜30THzの電磁波)の強度を画像化する。テラヘルツ波測定系2の構成については、後に詳述する。
ここで、半導体試料とは、半導体によりトランジスタ、集積回路(ICやLSI)、抵抗またはコンデンサなどにより構成される電子デバイス(半導体デバイス)の他、フォトダイオード、CMOSセンサ若しくはCCDセンサなどのイメージセンサ、太陽電池またはLED等、半導体の光電効果を利用する電子デバイス(フォトデバイス)を含む。半導体試料の表面は、平面状に形成されているものとするが、曲面状などに形成されていてもよい。
本実施形態では、半導体試料として太陽電池9を検査する場合について説明するが、その他の半導体試料についても、同様に検査可能である。
<移動ステージ3>
移動ステージ3は、ステージ駆動機構31によって、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の各方向に移動する。ステージ駆動機構31は、移動ステージ3をX軸方向に移動させるX軸方向移動機構、移動ステージ3をY軸方向に移動するY軸方向移動機構、移動ステージ3をZ軸方向に昇降させる昇降機構を備えている。さらに、ステージ駆動機構31は、Z軸周りの回転方向(θ軸方向)に移動させる回転機構を備えている。
<試料台4>
試料台4は、移動ステージ3の上面に取り付けられている。試料台4は、電圧印加テーブル41と、電極ピンユニット43を備えている。
電圧印加テーブル41は、例えば銅などの電気伝導性の高い素材で構成されており、さらにその表面が金メッキされている。また、電圧印加テーブル41の表面には、複数の吸着孔が形成されている。吸着孔は吸引ポンプに接続されており、当該吸引ポンプを駆動することによって、太陽電池9の裏面が電圧印加テーブル41に吸着される。これによって、太陽電池9が試料台4に固定される。なお、電圧印加テーブル41の表面に、複数の吸着溝を設け、当該各吸着溝内に、上記複数の吸着孔を形成してもよい。この場合、複数の吸着溝に沿って太陽電池9が吸着されるため、太陽電池9を強固に固定できる。試料台4の電圧印加テーブル41は、保持部の一例である。
移動ステージ3がX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動することよって、移動ステージ3上の試料台4に保持された太陽電池9が、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のそれぞれに移動する。
図1に示すように、ステージ駆動機構31のY軸方向移動機構は、移動ステージ3を位置L1,L2,L3のそれぞれに移動させる。位置L1は、太陽電池9を電圧印加テーブル41に設置するための位置である。位置L2は、位置L1より+Y側の位置であって、ルミネッセンス測定系5(第一検査部)において太陽電池9のEL測定またはPL測定を行う位置である。さらに、位置L3は、位置L2より+Y側の位置であって、太陽電池9のテラヘルツ波測定を行う位置である。
電極ピンユニット43は、導電性の複数の電極ピン431と、当該複数の電極ピン431を支持する導電性の電極バー432を備えている。
電極バー432は、複数の棒状の電極ピン431を、Y軸方向に所定の間隔をあけて、かつ、各々がZ方向に沿って起立するように保持する。本実施形態では、電極バー432は、試料台4に保持された太陽電池9の表面側電極(不図示)に沿うように複数の電極ピン431を保持している。
試料台4は、電圧印加テーブル41を太陽電池9の裏面側電極(不図示)に接触させ、かつ、複数の電極ピン431を、太陽電池9の表面側電極に接触させる。電圧印加テーブル41及び電極ピンユニット43は、電気的に接続されており、太陽電池9の表面側電極及び裏面側電極の間で電圧を印加する。
<ルミネッセンス測定系5>
ルミネッセンス測定系5は、EL測定またはPL測定を行う。以下の説明では、EL測定及びPL測定のそれぞれを、特に区別しない場合には、単に「ルミネッセンス測定」と称する場合がある。ルミネッセンス測定系5では、カバー部材51によって太陽電池9が覆われ、その状態でルミネッセンス測定が行われる。
より具体的には、ルミネッセンス測定系5は、EL測定を行うためのイメージセンサ53を備えている。EL測定を行う場合には、ルミネッセンス測定系5において、電圧印加テーブル41及び電極ピンユニット43を介して、太陽電池9に順方向バイアスの電圧が印加される。これによって、ルミネッセンス測定系5は、太陽電池9をEL発光させ、当該EL発光をイメージセンサ53によって検出する。このように、電圧印加テーブル41及び電極ピンユニット43は、太陽電池9からEL光(電磁波)を放射させる電磁波放射誘起部の一例である。また、イメージセンサ53は、太陽電池9から放射されたEL光の強度を検出する電磁波強度検出部の一例である。イメージセンサ53から出力された信号は、制御部7のルミネッセンス画像生成部711(図4参照)に送られ、EL光の強度を画像化したEL画像が生成される。イメージセンサ53は、例えば波長が約800nm〜1600nmの光を検出可能であることが好ましく、波長が約1000nm〜1400nmの光を検出可能であることがより好ましい。
また、ルミネッセンス測定系5は、PL検査光源55を備えている。ルミネッセンス測定系5は、PL検査光源55から照射されたPL検査光によって、太陽電池9をPL発光させ、当該PL発光をイメージセンサ53によって検出する。PL検査光源55は、太陽電池9にPL光(電磁波)を放射させる電磁波放射誘起部の一例である。また、イメージセンサ53は、太陽電池9から放射されたPL光の強度(電磁波強度)を検出する電磁波強度検出部の一例である。なお、PL検査光とPL光とは、互いに波長が異なっている。イメージセンサ53から出力された信号は、制御部7のルミネッセンス画像生成部711に送られ、PL光の強度を画像化したPL画像が生成される。
以下の説明では、EL画像及びPL画像のそれぞれを、特に区別しない場合には、単に「ルミネッセンス画像」と称する場合がある。
なお、ルミネッセンス測定系5において、EL測定の構成及びPL測定の構成が、1つのカバー部材51内に収納されている。しかしながら、カバー部材51を2つ設けて、EL測定の構成及びPL測定の構成のそれぞれを、各カバー部材51に個別に収容してもよい。また、検査装置100がEL測定の構成及びPL測定の構成の双方を備えていることは必須ではなく、どちらか一方のみの構成を備えていてもよい。また、検査装置100がテラヘルツ波測定系2及びルミネッセンス測定系5の双方を備えていることは必須ではなく、どちらか一方が省略されていてもよい。
図2は、実施形態に係るテラヘルツ波測定系2の概略構成図である。テラヘルツ波測定系2は、検査光照射部22、テラヘルツ波検出部23及び遅延部24を備えている。
検査光照射部22は、フェムト秒レーザ221を備えている。フェムト秒レーザ221は、例えば、360nm(ナノメートル)以上1.5μm(マイクロメートル)以下の可視光領域を含む波長のパルス光(パルス光LP1)を放射する。具体例としては、中心波長が800nm付近であり、周期が数kHz〜数百MHz、パルス幅が10〜150フェムト秒程度の直線偏光のパルス光が、フェムト秒レーザ221から放射される。もちろん、その他の波長領域(例えば、青色波長(450〜495nm)、緑色波長(495〜570nm)などの可視光波長)のパルス光が出射されるようにしてもよい。
フェムト秒レーザ221から出射されたパルス光LP1は、ビームスプリッタBE1により2つに分割される。分割された一方のパルス光(検査光LP11)は、太陽電池9に照射される。このとき、検査光照射部22は、検査光LP11の照射を、受光面91側から行う。また、検査光LP11の光軸が、太陽電池9の受光面91に対して斜めに入射するように、検査光LP11が太陽電池9に対して照射される。本実施形態では、入射角度が45度となるように照射角度が設定されている。ただし、入射角度はこのような角度に限定されるものではなく、0度から90度の範囲内で適宜変更することができる。
なお、検査装置100は、結晶シリコン系以外の太陽電池(アモルファスシリコン系など)の検査に適用されてもよい。アモルファスシリコン系太陽電池の場合、一般的に、エネルギーギャップが1.75eV〜1.8eVといったように、結晶シリコン系太陽電池のエネルギーギャップ1.2eVに比べて大きい。このような場合、フェムト秒レーザ221の波長を、例えば700μm以下とすることで、アモルファスシリコン系太陽電池において、テラヘルツ波を良好に発生させることができる。同様の考え方で、他の半導体太陽電池(CIGS系、GaAS系など)にも適用可能である。
太陽電池9の内部電界が存在する部位に、禁制帯幅を超えるエネルギーを持つ検査光LP11が照射されると、光キャリア(自由電子及び正孔)が発生し、内部電界によって加速される。これにより、パルス状の電流が発生することとなり、それに応じて電磁波が発生することとなる。内部電界は、例えばpn接合部やショットキー接合部などに発生していることが知られている。
マクスウェルの方程式によると、電流に変化が生じたとき、その電流の時間微分に比例した強度の電磁波が発生する。すなわち、空乏層などの光励起キャリア発生領域にパルス光が照射されることで、瞬間的に光電流の発生及び消滅が起こる。この瞬間的に発生する光電流の時間微分に比例して、電磁波パルス(テラヘルツ波LT1)が発生する。
図2に示すように、ビームスプリッタBE1によって分割された他方のパルス光は、検出光LP12として遅延部24を経由し、テラヘルツ波検出部23のテラヘルツ波検出器231に入射する。また、検査光LP11の照射に応じて発生したテラヘルツ波LT1は、放物面鏡などによって適宜集光され、テラヘルツ波検出器231に入射する。
なお、図1に示すように、検査光LP11は、Y軸方向沿って(図1の例では、+Y側から−Y側に向けて)太陽電池9に照射される。また、Y軸方向に沿って(図1の例では、+Y側から−Y側に向けて)放射されるテラヘルツ波LT1が、テラヘルツ波検出器231によって検出される。このように、本実施形態では、検査光LP11の照射方向、及び、検出されるテラヘルツ波LT1の放射方向が、複数の電極ピン431が所定間隔をあけて配列される方向(すなわち、Y軸方向)に一致している。このため、複数の電極ピン431によって、検査光である検査光LP11が遮られたり、あるいは、発生したテラヘルツ波LT1が複数の電極ピン431によって遮られたりすることを抑制できる。
テラヘルツ波検出器231は、電磁波検出素子として、例えば、光伝導スイッチ(光伝導アンテナ)を備えている。テラヘルツ波LT1がテラヘルツ波検出器231に入射する状態で、検出光LP12がテラヘルツ波検出器231に照射されると、光伝導スイッチに瞬間的にテラヘルツ波LT1の電界強度に応じた電流が発生する。この電界強度に応じた電流は、不図示のロックインアンプ、I/V変換回路、A/D変換回路などを介してデジタル量に変換される。このようにして、テラヘルツ波検出部23は、検出光LP12の照射に応じて、太陽電池9を透過したテラヘルツ波LT1の電界強度を検出する。なお、光伝導スイッチとは異なる他の素子、例えばショットキーバリアダイオードまたは非線形光学結晶が、検出素子として採用されてもよい。
遅延部24は、検出光LP12のテラヘルツ波検出器231への到達時間を連続的に変更する光学装置である。遅延部24は、検出光LP12の入射方向に沿って直線移動する遅延ステージ241と遅延ステージ241を移動させる遅延ステージ駆動機構242とを備えている。遅延ステージ241は、検出光LP12をその入射方向に折り返させる折り返しミラー10Mを備えている。また、遅延ステージ駆動機構242は、制御部7の制御に基づいて、検出光LP12の入射方向に沿って遅延ステージ241を平行移動させる。遅延ステージ241が平行移動することによって、ビームスプリッタBE1からテラヘルツ波検出器231までの検出光LP12の光路長が連続的に変更される。
遅延ステージ241は、テラヘルツ波LT1がテラヘルツ波検出器231に到達する時間と、検出光LP12がテラヘルツ波検出器231へ到達する時間との差(位相差)を変更する。具体的には、遅延ステージ241によって、検出光LP12の光路長を変化することによって、テラヘルツ波検出器231においてテラヘルツ波LT1の電界強度を検出するタイミング(検出タイミングまたはサンプリングタイミング)が遅延される。
なお、遅延ステージ241とは異なる構成によって、検出光LP12のテラヘルツ波検出器231への到達時間を変更することも可能である。具体的には、電気光学効果を利用することが考えられる。すなわち、印加する電圧を変化させることで屈折率が変化する電気光学素子を、遅延素子として用いてもよい。
また、検出光LP12の光路長を変更する代わりに、太陽電池9に向かう検査光LP11の光路長、もしくは、太陽電池9から放射されたテラヘルツ波LT1の光路長を変更してもよい。いずれの場合においても、テラヘルツ波検出器231に検出光LP12が到達する時間に対して、テラヘルツ波検出器231にテラヘルツ波LT1が到達する時間をずらすことができる。つまり、テラヘルツ波検出器231におけるテラヘルツ波LT1の検出タイミングを遅延させることができる。
ステージ駆動機構31は、移動ステージ3に取り付けられた試料台4に保持されている太陽電池9を、検査光照射部22に対して、XY平面内で相対的に移動させる。つまり、検査装置100は、太陽電池9の受光面91を検査光LP11で走査可能に構成されている。したがって、本実施形態では、ステージ駆動機構31は、走査機構を構成している。ただし、太陽電池9を移動させる代わりに、または、太陽電池9を移動させると共に、検査光照射部22及びテラヘルツ波検出部23をXY平面内で移動させる移動手段を設けてもよい。
また、検査光LP11自体の光路を変更する走査機構を採用してもよい。具体的には、往復揺動するガルバノミラーによって、検査光LP11の光路を、太陽電池9の受光面91に平行なXY平面に沿って変更することが考えられる。また、ガルバノミラーの代わりに、ポリゴンミラー、ピエゾミラーまたは音響光学素子などを採用してもよい。
太陽電池9について、テラヘルツ波測定を行う場合には、試料台4の電圧印加テーブル41及び電極ピンユニット43を介して、太陽電池9に逆バイアス電圧を印加してもよい。これによって、太陽電池9から放射されるテラヘルツ波LT1の強度を高めることができる。また、電圧印加テーブル41及び電極バー432間を短絡接続して、太陽電池9の表面側電極と裏面側電極とを短絡することも考えられる。この場合においても、太陽電池9から放射されるテラヘルツ波LT1の強度を高めることができる。
図3は、実施形態に係る検査装置100における、制御部7と他の要素との電気的な接続を示すブロック図である。制御部7は、CPU71、ROM72、RAM73及び不揮発性の記録媒体である記憶部74を備えており、一般的なコンピュータとして構成されている。
ROM72は、基本プログラムなどを格納している。RAM73は、CPU71が所定の処理を行う際の作業領域として供される。記憶部74は、フラッシュメモリ、あるいは、ハードディスク装置などの不揮発性の記憶装置によって構成されている。記憶部74にはプログラムPG1がインストールされている。該プログラムPG1に記述された手順に従って、主制御部としてのCPU71が演算処理を行うことによって、各種機能(例えば、ルミネッセンス画像生成部711、サムネイル生成部712、照合部713)が実現される。
プログラムPG1は、通常、予め記憶部74などのメモリに格納されて使用されるものであるが、CD−ROMあるいはDVD−ROM、外部のフラッシュメモリなどの記録媒体に記録された形態(プログラムプロダクト)で提供され(あるいは、ネットワークを介した外部サーバからのダウンロードなどにより提供され)、追加的または交換的に記憶部74などのメモリに格納されるものであってもよい。なお、制御部7において実現される一部あるいは全部の機能は、専用の論理回路などでハードウェア的に実現されてもよい。
また、制御部7は、表示部61、操作部62、ステージ駆動機構31、遅延ステージ駆動機構242、ルミネッセンス測定系5、イメージセンサ53及びカメラ6といった検査装置100の各要素とバス配線、ネットワーク回線またはシリアル通信回線などを介して接続されている。制御部7は、これらの要素の動作制御を行ったり、これらの要素からデータを受け取ったりする。
表示部61は、液晶ディスプレイなどの画像を表示する表示装置を構成する。表示部61は、例えば、ルミネッセンス画像生成部711が生成したルミネッセンス画像や、サムネイル生成部712が生成したサムネイル、あるいは、照合部713による照合結果を表示する出力装置である。なお、出力装置として、紙等の印刷媒体に印刷する印刷装置が設けられていてもよい。
操作部62は、例えば、キーボード及びマウスによって構成される入力デバイスであり、オペレータからの各種の操作(コマンドや各種データの入力といった操作)を受け付ける。なお、操作部62は、各種スイッチ、タッチパネルなどにより構成されてもよい。
図4は、実施形態に係る制御部7の機能的要素をデータフローとともに示すブロック図である。ルミネッセンス画像生成部711は、ルミネッセンス測定系5のイメージセンサ53によって検出された、太陽電池9から発せられたルミネッセンス光の光強度に基づき、ルミネッセンス画像を生成する。ルミネッセンス画像LI1は、各画素の画素値が多階調である多階調画像データである。ルミネッセンス画像LI1は、太陽電池9における位置を示す情報と光強度を示す情報(階調値)とが対応づけされて記録されたデータである。
サムネイル生成部712は、ルミネッセンス画像生成部711が生成したルミネッセンス画像LI1から、サムネイルTc(縮小画像)を生成する。サムネイルTcの作成の詳細については、後述する。
照合部713は、サムネイル生成部712が生成した識別対象である太陽電池9のサムネイルTc(識別対象サムネイル)を、予め記憶部74に保存された照合用サムネイルデータD1と照合する。照合用サムネイルデータは、予め、ルミネッセンス測定系5で測定された複数の太陽電池9毎のルミネッセンス画像LI1から、サムネイル生成部712が生成したn個の照合用サムネイルT1,T2,...,Tnの集合である。
また、照合部713は、識別対象のサムネイルTcと照合用サムネイルデータD1とを照合した結果を、表示部61に表示する。具体的には、照合部713は、識別子であるサムネイルTcに類似すると判定された照合用サムネイルTi,Tj,...,Tmを列挙し、表示部61に表示する。なお、類似する照合用サムネイルが無い場合には、照合部713はその旨を表示部61に表示する。
さらにまた、照合部713は、類似する照合用サムネイルが無かった場合には、そのサムネイルTcを照合用サムネイルデータD1に追加する命令を受け付ける。具体的には、オペレータが、操作部62を操作することで、サムネイルTcを照合用サムネイルデータD1に登録する旨の命令が照合部713に送られる。
<検査の流れ>
図5は、実施形態に係る検査装置100において実行される検査の流れを示す図である。
まず、移動ステージ3が位置L1に配された状態で、検査対象である太陽電池9が設置される(ステップS101)。ここでは、この太陽電池9に行う検査が、テラヘルツ波測定であるものとしている。ただし、太陽電池9に対する検査が、ルミネッセンス測定(PL測定またはEL測定)のみによるものとしてもよい。
太陽電池9が移動ステージ3に設置されると、移動ステージ3が位置L2に移動することで、太陽電池9がルミネッセンス測定系5まで搬送される(ステップS102)。
続いて、太陽電池9に所定の刺激を与えることによって、太陽電池9からルミネッセンス光を放射させる(ステップS103:電磁波放射工程)。具体的に、太陽電池9からEL光を放射させる場合には、電圧印加テーブル41及び電極ピンユニット43を用いて、太陽電池9に所定の電圧が印加される。また、太陽電池9からPL光を放射させる場合には、太陽電池9にPL検査光源55からのPL検査光が照射される。
続いて、ステップS103にて太陽電池9から放射されたルミネッセンス光の強度が、イメージセンサ53で検出される(ステップS104:電磁波強度検出工程)。イメージセンサ53が、検出信号を制御部7のルミネッセンス画像生成部711に送る。そして、ルミネッセンス画像生成部711は、受信した検出信号に基づいて、ルミネッセンス画像LI1を生成する(ステップS105:電磁波強度画像生成工程)。
続いて、サムネイル生成部712が、ルミネッセンス画像LI1から、サムネイルTcを生成する(ステップS106:サムネイル生成工程)。ここで、サムネイルTcの作成例を説明する。
図6は、サムネイルTcの生成過程を概念的に示す図である。ここでは、ステップS102にて生成されたルミネッセンス画像LI1は、垂直方向及び水平方向のピクセル数が1024×1024であるものとする。まず、サムネイル生成部712は、ルミネッセンス画像LI1を、複数のブロック画像BI1に分割する(ステップS21:分割工程)。ここでは、ルミネッセンス画像LI1を、垂直方向及び水平方向に関して32分割することで、1024個のブロック画像BI1が生成される。また、1つのブロック画像BI1の垂直方向及び水平方向の画素数は32×32とされている。
続いて、サムネイル生成部712は、ブロック画像BI1毎に、各ブロック画像BI1に含まれる複数の画素の画素値に基づいて、代表値RVを決定する(ステップS22:代表値決定工程)。この代表値は、例えば全画素値の平均値、中央値、標準偏差あるいは分散とすることが考えられる。
続いて、サムネイル生成部712は、ステップS22にて決定した代表値RVに基づいて決定された画素値を持つ1画素に圧縮する(ステップS23:圧縮工程)。具体的に、ステップS22において、代表値を全画素値の平均値または中央値とした場合には、サムネイル生成部712は、各ブロック画像BI1を、その代表値の画素値を持つ1画素に圧縮する。また、ステップS22において、代表値を全画素値の標準偏差とした場合には、サムネイル生成部712は、全ブロック画像BI1の代表値を所定の階調数(例えば、256階調)に正規化することで、各代表値を特定の階調値に変換する。サムネイル生成部712は、各ブロック画像BI1を、決定された階調値を持つ1画素に圧縮する。
続いて、サムネイル生成部712は、各ブロック画像BI1を1画素に圧縮したものを、元のルミネッセンス画像LI1における各ブロック画像BI1の位置に配列することで、1つのサムネイルTcを生成する(ステップS24:サムネイル生成工程)。図示の例では、ステップS21において、ルミネッセンス画像LI1を32分割しているため、垂直方向及び水平方向の画素数が32×32のサムネイルTcが生成されることとなる。以上のようにして、ルミネッセンス画像(電磁波強度画像)から、サムネイルTcが生成される。
図5に戻って、ステップS106において、サムネイルTcが生成されると、照合部713が、サムネイルTcを照合用サムネイルデータD1と照合する(ステップS107:サムネイル照合工程)。具体的には、サムネイルTcと、照合用サムネイルデータD1の各照合用サムネイルとを比較することによって、検査対象の太陽電池9についての、個体識別が行われる。
サムネイルTcと各照合用サムネイルの照合は、画素値の比較に基づいた類似度DSを指標とすることができる。類似度DSは、例えば、サムネイルTc及び各照合用サムネイルTkを想定したとき、同位置の画素間の画素値の差を2乗したものの総和とすることができる(式(1)参照)。
なお、式(1)において、Tc[i][j]は、サムネイルTcにおける画素位置(i,j)の画素値であり、Tk[i][j]は、照合用サムネイルTkにおける画素位置(i,j)の画素値である。
この類似度DSの値が大きくなるほど、類似性が小さくなる。そこで、類似度DSが所定の閾値Thを越える場合には、類似しないと判定し、類似度DSが所定の閾値Thを越えない場合には、類似すると判定するように、照合部713を構成すればよい。このように、類似性を判定するための閾値Thを適切に設定することで、両者のサムネイルが類似するかどうかを適切に判定できる。
なお、例えば、既に照合用サムネイルが登録された太陽電池9が再検査された場合、太陽電池9を上下反転して移動ステージ3に設置されることもあり得る。この場合、サムネイルTcが上下反転して生成されることになるため、このサムネイルTcを予め登録された照合用サムネイルと適切に照合できるように、サムネイルTcを180度回転させて、照合処理を追加的に行うようにしてもよい。もちろん、180度以外の所定角度(0度以上360度未満)でサムネイルTcを回転させて、照合処理が行われてもよい。
また、例えば、生成されたサムネイルTcを垂直方向又は水平方向に所定の画素数分だけ相対的にずらして、照合用サムネイルと比較する処理(揺すらせ処理)が、追加的に行われるようにしてもよい。これによって、サムネイルTcの太陽電池9における位置が、各照合用サムネイルのものと位置がずれていた場合にも、照合処理を適切に行うことができる。
図5に戻って、照合処理が完了すると、照合部713は、照合結果をオペレータに通知する(ステップS108)。具体的には、ステップS107にて照合部713がサムネイルTcと類似するとした照合用サムネイルの情報が、表示部61に表示される。この照合用サムネイルの情報は、照合用サムネイル自体が表示されるようにしてもよいし、あるいは、類似するとされた照合用サムネイルのリストが表示されるようにしてもよい。また、上述したように、サムネイルTcを回転させたり、あるいは、所定の画素数分だけずらしたりすることで、類似する照合用サムネイルが検出された場合には、その回転量やずれ量を表示部61に表示するとよい。これによって、オペレータは、設置した太陽電池9の置き方が適当かどうかを容易に判断できる。また、サムネイルTcに類似する照合用サムネイルが無い場合には、その旨がオペレータに通知されるとよい。
続いて、照合部713が、サムネイルTcを照合用サムネイルデータD1に追加するか判定する(ステップS109)。この判定は、オペレータからサムネイルTcを照合用サムネイルデータD1に追加する命令を受けつけたか否かに基づいて行われる。このケースに該当する例として、例えば、サムネイルTcに類似する照合用サムネイルが無かった場合が想定される。あるいは、サムネイルTcに類似する照合用サムネイルが1以上存在した場合であっても、オペレータがサムネイルTcがいずれの照合用サムネイルにも一致しないと判断することもあり得る。いずれの場合においても、オペレータが所定の操作入力を行うことで、照合部713がサムネイルTcを照合用サムネイルデータD1に追加する。このことによって、次回から、追加したサムネイルTcに対応する太陽電池9の個体識別が可能となる。もちろん、サムネイルTcに類似する照合用サムネイルが無かった場合に、照合部713が、サムネイルTcを自動で照合用サムネイルデータD1に追加するようにしてもよい。
オペレータから追加の指示があった場合(ステップS109においてYES)、照合部713は、サムネイルTcを照合用サムネイルデータD1に追加する(ステップS110)。また、照合部713が、追加したサムネイルTcに対応する太陽電池9の専用のデータフォルダを生成するようにしてもよい。このデータフォルダには、測定データ(ルミネッセンス測定の結果を示すデータまたはテラヘルツ波測定の結果を示すデータ)を保存するのに使用される。このとき、データフォルダの名称には、当該太陽電池9に固有の情報(例えば、測定日付、測定時刻または連番等)が自動で付けられるとよい。
また、図示を省略するが、ステップS108において、類似する照合用サムネイルが複数ある場合に、照合部713は、オペレータから真に一致する照合用サムネイルを選択する入力命令を受付けるようにしてもよい。このとき、オペレータに選択された照合用サムネイルに対応する太陽電池9の測定結果を保存したデータフォルダを、照合部713が自動で開く等することで、オペレータが過去の測定データにアクセスし易くなるようにしてもよい。
以上のようにして、個体識別処理が完了すると、テラヘルツ波測定が行われる(ステップS111)。このテラヘルツ波測定は、太陽電池9の特定地点のみについて行う一点測定であってもよいし、太陽電池9上の特定範囲内を行うエリア測定であってもよい。また、一点測定またはエリア測定の場合には、例えば、ステップS105で取得されたルミネッセンス画像(EL画像またはPL画像)を表示部61に表示することで、そのルミネッセンス測定に基づいて、オペレータがテラヘルツ波測定を行う地点(または領域)を決定できるようにしてもよい。
以上のように、本実施形態に係る検査装置100では、太陽電池9の個体識別を、固有性の高いルミネッセンス画像LI1に基づいたサムネイルTcに基づいて行われる。これによって、太陽電池9の個体識別を、太陽電池に加工等することなく、高精度に行うことができる。
また、本実施形態では、ルミネッセンス画像LI1を圧縮したサムネイルTcに基づいて、個体識別が行われる。このため、ルミネッセンス画像LI1をそのまま照合処理に仕様する場合に比べて、照合処理に係る演算量を軽減できる。このため、照合処理の高速化及び照合処理に係るリソースの軽減を図ることができる。
また、図6で説明したように、サムネイルTcを生成する際、各ブロック画像BI1を圧縮した1画素の画素値が、ブロック画像BI1毎の画素値の標準偏差を正規化することで決定される。このため、比較的コントラストが低くなりやすいルミネッセンス画像LI1であっても、高コントラストのサムネイルTcを得ることができる。このため、個体識別を良好に行うことが可能なサムネイルTc(個体識別情報)を得ることができる。また、ブロック画像BI1の画素値を決定する代表値RVを、画素値の標準偏差とすることで、ルミネッセンス測定時の測定条件(イメージセンサ53における露光時間、PL測定の場合のPL検査光の強度等)の依存度が低いサムネイルTcを得ることができる。このため、個体識別をより良好に行うことができる。
<個体識別の有効性について>
図7は、PL測定によって得られた複数のPL画像P11,P12,P13,P21,P22,P31,P41と、各PL画像を改変した複数の改変PL画像P12a,P13a,P31a,P41aとを示す図である。各画像の詳細については以下の通りである。
(1)PL画像P11,12,13は同一の試料(太陽電池9)について、移動ステージ3における置き位置を変更してPL測定したものである。
(2)改変PL画像P12aは、画像処理によって、PL画像P12を所定方向に1mmシフトさせるとともに、明度を変更したものである。
(3)改変PL画像P13aは、画像処理によって、PL画像PL13を中心周りに1度回転させ、明度を改変したものである。
(4)PL画像P21,P22は、同一の試料を同一の測定条件でPL測定を2回行って得たものである。
(5)改変PL画像P31aは、画像処理によって、PL画像P31を所定方向に1mmシフトさせるとともに、明度を変更したものである。
(6)改変PL画像P41aは、画像処理によってPL画像P41を所定方向に1mmシフトさせ、中心周りに0.5度回転させ、さらに明度を変更したものである。
図8は、図7に示す各PL画像及び各改変PL画像から生成されたサムネイルを示す図である。なお、サムネイルT11,T12,T13,T21,T22,T31,T41は、それぞれ、PL画像P11,P12,P13,P21,P22,P31,P41に対応する。また、サムネイルT12a,T13a,T31a,T41aは、それぞれ、改変PL画像P12a,P13a,P31a,P41aに対応する。なお、図8に示す各サムネイルは、代表値RVを標準偏差として、画素値を決定したものである。
図9は、図8に示すサムネイル同士の類似度DSを総当たりで求めた結果を示す図である。図9においては、縦横にサムネイルの符号を付している。図9に示すように、同一のサムネイル同士の比較では、当然ながら類似度DSが「0」となっている。また、元が同一の試料から生成されたサムネイル同士の類似度DSは、異なる試料から生成されたサムネイル同士の類似度DSに比べて、桁数が1桁〜2桁ほど異なっている。本例では、太字で示すように、類似度DSの閾値を200000とすることによって、照合部713が、同一の試料から生成されたサムネイル同士を類似するものと判定することが可能となる。
<2. 変形例>
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、図5で説明した照合処理工程(ステップS107)において、サムネイルTcと比較する対象は、照合用サムネイルデータD1に登録された全ての照合用サムネイルT1,T2,...,Tnとしてもよいが、その一部としてもよい。例えば、太陽電池9の場合、ルミネッセンス測定で得られるルミネッセンス画像においては、表面電極(バスバー電極や、フィンガー電極)の部分はルミネッセンス光が発生しないため、暗くなる。このことを利用して、例えば、全ての照合用サムネイルT1,T2,...,Tnのうち、所定の明るさ以上となる領域の面積(画素数)がサムネイルTcのものと略等しい照合用サムネイルを、照合部713が抽出するようにしてもよい。そして、照合部713が、サムネイルTcと抽出された照合用サムネイルのみとを比較するようにしてもよい。これによって、演算量を軽減できるため、照合処理の高速化及び照合処理に係るリソースの軽減を図ることができる。
また、上記実施形態では、電磁波強度画像がルミネッセンス画像LI1であり、個体識別情報がルミネッセンス画像LI1のサムネイルTcしている。しかしながら、ルミネッセンス画像LI1自体あるいはその一部分を、個体識別情報とすることも考えられる。
さらにまた、電磁波強度画像は、ルミネッセンス画像LI1に限定されるものではない。例えば、太陽電池から放射されるテラヘルツ波の強度に基づくテラヘルツ波強度画像を電磁波強度画像としてもよい。テラヘルツ波強度画像は、テラヘルツ波測定で得られたテラヘルツ波強度の分布を画像化することで得ることができる。また、ラマン分光法によって、太陽電池から放射されるラマン光強度の分布を画像化したものを電磁波強度画像としてもよい。
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。また、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
100 検査装置
2 テラヘルツ波測定系
22 検査光照射部(電磁波放射誘起部)
23 テラヘルツ波検出部(電磁波強度検出部)
3 移動ステージ
4 試料台
41 電圧印加テーブル(電磁波放射誘起部)
43 電極ピンユニット(電磁波放射誘起部)
5 ルミネッセンス測定系
53 イメージセンサ(電磁波強度検出部)
55 PL検査光源(電磁波放射誘起部)
7 制御部
711 ルミネッセンス画像生成部
712 サムネイル生成部
713 照合部
74 記憶部
9 太陽電池(半導体試料)
61 表示部
62 操作部
BI1 ブロック画像
D1 照合用サムネイルデータ
LI1 ルミネッセンス画像
T1〜Tn 照合用サムネイル
Tc サムネイル

Claims (8)

  1. 半導体試料を検査する検査装置であって、
    半導体試料から電磁波を放射させる電磁波放射誘起部と、
    前記半導体試料から放射された前記電磁波の強度を検出する電磁波強度検出部と、
    前記電磁波強度検出部で検出された前記電磁波の強度に基づいて、前記半導体試料の電磁波強度画像を生成する画像生成部と、
    前記画像生成部によって生成された前記電磁波強度画像に基づく個体識別情報を記憶する記憶部と、
    識別対象である前記半導体試料の前記個体識別情報を、前記記憶部に予め保存された複数の前記半導体試料についての前記個体識別情報と照合する照合部と、
    を備える、検査装置。
  2. 請求項1に記載の検査装置であって、
    前記画像生成部によって生成された前記電磁波強度画像から、サムネイルを生成するサムネイル生成部、
    をさらに備え、
    前記照合部は、前記サムネイル生成部が生成したサムネイルを前記個体識別情報とする、検査装置。
  3. 請求項2に記載の検査装置であって、
    前記サムネイル生成部は、
    前記電磁波強度画像を複数のブロック画像に分割し、
    前記ブロック画像に含まれる各画素が持つ画素値に基づいて、前記ブロック画像毎の代表値を決定し、
    前記複数のブロック画像のそれぞれを、前記代表値に基づいて決定された画素値を持つ画素に圧縮して、1つの前記サムネイルを生成する、検査装置。
  4. 請求項3に記載の検査装置であって、
    前記サムネイル生成部は、
    前記ブロック画像に含まれる各画素が持つ画素値の標準偏差を前記代表値とし、
    前記複数のブロック画像毎に、前記代表値を所定の画素値範囲に正規化して得られる画素値を持つ画素に圧縮して、1つの前記サムネイルを生成する、検査装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の検査装置であって、
    前記電磁波放射誘起部は、
    前記半導体試料において、フォトルミネッセンスを誘起する励起光を前記半導体試料に照射する励起光照射部を有し、
    前記電磁波強度検出部は、
    前記半導体試料で発生した光を検出する光強度検出部を有する、検査装置。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の検査装置であって、
    前記電磁波放射誘起部は、
    前記半導体試料において、エレクトロルミネッセンスを誘起する電圧を印加する電圧印加部を有し、
    前記電磁波強度検出部は、
    前記半導体試料で発生した光を検出する光強度検出部を有する、検査装置。
  7. 半導体試料の個体識別方法であって、
    (a) 半導体試料から電磁波を放射させる電磁波放射工程と、
    (b) 前記電磁波放射工程にて前記半導体試料から放射された前記電磁波の強度を検出する電磁波強度検出工程と、
    (c) 前記電磁波強度検出工程にて検出された前記電磁波の強度に基づいて、前記半導体試料の電磁波強度画像を生成する電磁波強度画像生成工程と、
    (d) 前記電磁波強度画像生成工程にて生成された、識別対象である前記半導体試料の前記電磁波強度画像が示す個体識別情報を、予め記憶部に記憶された複数の前記半導体試料についての前記個体識別情報と照合する照合工程と、
    を有する、半導体試料の個体識別方法。
  8. 請求項7に記載の半導体試料の個体識別方法であって、
    (e) 前記電磁波強度画像生成工程で生成された前記電磁波強度画像から、サムネイルを生成するサムネイル生成工程、
    をさらに有し、
    前記照合工程において、前記個体識別情報が前記サムネイル生成工程で生成された前記サムネイルとされる、半導体試料の個体識別方法。
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