JP2013135170A - 太陽電池のライフタイム画像の画像取得システム及び画像取得方法 - Google Patents

太陽電池のライフタイム画像の画像取得システム及び画像取得方法 Download PDF

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Abstract

【課題】精度の高いライフタイム画像を比較的短時間で取得できる太陽電池のライフタイム画像の取得システムを提供すること。
【解決手段】画像取得システム1は、太陽電池Sのフォトルミネッセンス画像を取得するPL画像取得装置2及びPL画像取得部41と、太陽電池Sの所定の計測位置におけるライフタイムを計測するライフタイム計測装置3及びライフタイム計測部42と、所定の計測位置におけるフォトルミネッセンス強度及びライフタイムに基づいて、補正係数を算出する補正係数算出部43と、補正係数及びフォトルミネッセンス画像に基づいて、太陽電池Sのライフタイム画像を作成するライフタイム画像作成部44とを備えている。ライフタイム計測部42は、所定の計測位置をフォトルミネッセンス画像におけるフォトルミネッセンス強度に基づいて設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池のライフタイム画像の画像取得システム及び画像取得方法に関する。
太陽電池は、入射した太陽光によって生じる電子−正孔の対が、電子はプラス側に引かれ、正孔はマイナス側に引かれることによって電流が流れ、発電する構成となっている。このような太陽電池の評価方法の1つとして、太陽電池のライフタイム計測がある。ライフタイムとは、生じた電子−正孔の対が再結合するまでの時間であり、この時間が長いと発電に寄与する電子−正孔の対が多いことになり、発電効率の高い太陽電池ということになる。そこで、ライフタイムを全体画像としてマッピングすることが望まれており、マッピングされたライフタイム画像を作成する装置が各社から提供されている。
ところで、特許文献1や非特許文献1,2に記載の方法によれば、太陽電池に光を照射し、再結合によって生じた光(フォトルミネッセンス(以下「PL」と記す場合もある))が太陽電池のライフタイムに相関を持つことが指摘されており、特許文献1や非特許文献1に記載の方法では、この相関を利用してPL強度比からライフタイム画像を作成する方法等が例えば開示されている。
国際公開第2011/009159号
T. Trupke, B. Mitchell, J.W.Weber, J. Nyhus著、"BULK MINOROTY CARRIER LIFETIME FROM LUMINESCENCE INTENSITYRATIOS MEASURED ON SILICON BRICKS"、"EU PVSEC 2010"、2010年 Johannes A. Giesecke, Manuel The,Martin Kasemann, Wilhem Warta著、"Spatially Resolved Characterization of SiliconAs-Cut Wafer with Photoluminescence Imaging"、"Prog.Photovol,: Res. Appl 2009; 17:217-225"、2008年11月25日
ところで、太陽電池のライフタイムを直接測定してマッピングする装置では、例えば160mm×160mmの太陽電池のライフタイムのイメージを作成するために、1つの計測位置が4mm×4mmのイメージを、39×39(=1521個)の計測位置で測定してマッピングする必要がある。しかしながら、1つの測定位置での計測に1秒程度の計測時間がかかるため、1521個すべてのライフタイムデータを得るためには、40分程度の時間がかかってしまい、より早く、より高い位置分解能で計測することが求められている。
これに対し、特許文献1や非特許文献1に記載の方法では、PL強度比等を用いてライフタイム画像を作成しているが、ライフタイムを直接求める方法ではないため、作成されたライフタイム画像の精度が悪い場合もあり、更なる精度の向上が求められている。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、より精度の高いライフタイム画像を比較的短時間で取得することができる太陽電池のライフタイム画像の画像取得システム及び画像取得方法を提供することを目的とする。
本発明に係る画像取得システムは、太陽電池のライフタイム画像を取得する画像取得システムである。この画像取得システムは、太陽電池のフォトルミネッセンス画像を取得する画像取得手段と、太陽電池の所定の計測位置におけるライフタイムを計測する計測手段と、所定の計測位置におけるフォトルミネッセンス強度及びライフタイムに基づいて、補正係数を算出する算出手段と、補正係数及びフォトルミネッセンス画像に基づいて、太陽電池のライフタイム画像を作成する画像作成手段とを備えている。この画像取得システムでは、計測手段が、所定の計測位置をフォトルミネッセンス画像におけるフォトルミネッセンス強度に基づいて設定することを特徴としている。
また、本発明に係る画像取得方法は、太陽電池のライフタイム画像を取得する画像取得方法であり、画像取得手段が、太陽電池のフォトルミネッセンス画像を取得する画像取得ステップと、計測手段が、太陽電池の所定の計測位置におけるライフタイムを計測する計測ステップと、算出手段が、所定の計測位置におけるフォトルミネッセンス強度及びライフタイムに基づいて、補正係数を算出する算出ステップと、画像作成手段が、補正係数及びフォトルミネッセンス画像に基づいて、太陽電池のライフタイム画像を作成する画像作成ステップとを備えている。この画像取得方法の計測ステップでは、所定の計測位置をフォトルミネッセンス画像におけるフォトルミネッセンス強度に基づいて設定することを特徴としている。
上記の画像取得システム及び画像取得方法によれば、ライフタイム画像を作成するための補正係数を算出する際にライフタイム等を計測する所定の計測位置を、フォトルミネッセンス画像におけるフォトルミネッセンス強度に基づいて設定するようになっている。この場合、フォトルミネッセンス強度に基づいて計測位置を設定しているため、より精度の高い補正係数を得ることができ、高精度で算出された補正係数とフォトルミネッセンス画像とに基づいて、太陽電池のライフタイム画像を作成することができる。その結果、本発明によれば、より精度の高いライフタイム画像を取得することができる。また、上記の画像取得システム及び画像取得方法によれば、太陽電池のライフタイム画像を直接求めるのではなく、フォトルミネッセンス画像及び補正係数に基づいてライフタイム画像を取得している。このため、比較的短時間で、ライフタイム画像を取得することができる。
上記の画像取得システム及び画像取得方法において、計測手段は、フォトルミネッセンス画像におけるフォトルミネッセンス強度に対応する画素数の分布データを求め、当該分布データにおいて画素数が最も多いピーク値を基準とした所定の範囲にあるフォトルミネッセンス強度の領域を計測位置設定範囲として設定し、計測位置設定範囲に含まれる何れかの画素を所定の計測位置と認定することが好ましい。また、計測手段が、計測位置設定範囲を各幅が等しくなるように分割し、各分割領域からそれぞれ画素を抽出して所定の計測位置と認定することがより一層好ましい。この場合、ライフタイム画像を更に精度よく取得することができる。
本発明によれば、より精度の高いライフタイム画像を比較的短時間で取得することができる。
本実施形態に係る画像取得システムの概要を示す装置構成図である。 太陽電池のPL画像を取得し、シェーディング補正を行った画像を示す図である。 図2に示すPL画像の解像度を、ライフタイム計測装置の解像度にあわせた画像を示す図である。 図3に示したPL画像の頻度分布(ヒストグラム)を求めた際の表示画面を示す図である。 図4に示した頻度分布から計測位置設定範囲を特定した状態を示す図である。 PL画像の露光時間、再結合速度、太陽電池の厚み等を入力する入力画面とPL画像とを示す図である。 図1に示す画像取得システムで取得されたライフタイム画像を示す図である。 ライフタイムとPL強度との関係を示す図である。 図1に示す画像取得システムによって行われるライフタイム画像の取得方法を示すフローチャートである。 実施例に係る太陽電池のPL強度の頻度分布の一例を示す図である。 比較基準となる補正係数Kを算出するための計測データを示す図である。 本発明に係る一手法で補正係数Kを算出するための計測データを示す図である。 本発明と異なる手法で補正係数Kを算出するための計測データを示す図である。 本発明に係る別の手法で補正係数Kを算出するための計測データを示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
画像取得システム1は、太陽電池のPL画像(フォトルミネッセンス画像)を利用して、太陽電池のライフタイム画像を算出・取得するシステムである。画像取得システム1は、図1に示されるように、太陽電池SのPL画像を取得するPL画像取得装置2と、太陽電池Sのライフタイム画像を取得可能なライフタイム計測装置3と、PL画像取得装置2及びライフタイム計測装置3を制御する制御コンピュータ4と、制御コンピュータ4に接続されるディスプレイ5と、太陽電池Sを図示右側に移動させるベルトコンベア6とを備えている。フォトルミネッセンスとは、例えば太陽電池Sに光を照射して生じた電子−正孔の対が再結合する際に生じる光であり、ライフタイムとは、例えば太陽電池に光を照射して生じた電子−正孔の対が再結合するまでの時間(μs)である。
PL画像取得装置2は、太陽電池SのPL画像を取得する装置であり、励起光源21、光学系22、フィルタ23、光学系24、カメラ25及びカメラコントロールユニット26を含んで構成される。励起光源21は、例えば、レーザダイオードなどから構成されており、制御コンピュータ4からの制御信号を受け付けると、励起光を発生させる。光学系22は、この励起光源21に光学的に接続されており、レーザダイオードなどの励起光源21からの励起光(レーザ光)を太陽電池Sの略全面に照射させる。
フィルタ23は、例えばバンドパスフィルタから構成されており、太陽電池Sからの被測定光のうちで、所定の波長範囲の光成分(例えば、励起光照射による太陽電池SからのPL発光を含む光成分)を、光学系24を通じて、カメラ25へと選択的に通過させる。フィルタ23は、カメラ25の前面側(太陽電池S側)に固定されている。カメラ25は、カメラコントロールユニット26の制御に基づいて、太陽電池SのPL発光の画像(PL画像)を撮像する。カメラ25は、撮像して取得した太陽電池SのPL画像の画像データを、カメラコントロールユニット26を介して、制御コンピュータ4に出力する。
ライフタイム計測装置3は、レーザとマイクロ波を利用したμPCD法(MicrowavePhoto Conductivity Decay)を用いて太陽電池Sのライフタイムを計測する装置であり、レーザ31、μPCDヘッド32及びμPCDコントローラ33を含んで構成される。レーザ31は、μPCDヘッド32を介して、例えば波長904nmのパルスレーザ光を太陽電池Sの表面の所定の箇所に順に照射する。μPCDヘッド32は、このレーザ光の照射によって生成された光をマイクロ波で減衰曲線を検出することで小数キャリアのライフタイムを計測する。レーザ31がパルスレーザ光を照射する範囲は、例えば太陽電池Sの表面において、4mm×4mmの範囲を1つの照射範囲として照射し、μPCDヘッド32で、この4mm×4mmの範囲を1つの測定範囲として計測を行い、所定の範囲毎のライフタイムを取得する。なお、ライフタイム計測装置3は、μPCD法の他に、QSSPC法(Quasi-steady-statemicrowave detected photo photo conductance)やTR−PL法(Time resolved photoluminescence)などを用いることもできる。
μPCDコントローラ33は、このように所定の測定範囲毎にライフタイムを計測するためにμPCDヘッド32等の動きを制御する。ライフタイム計測装置3は、所定の範囲毎にライフタイムの計測を繰り返すことで、例えば太陽電池Sの表面全体のライフタイムを計測することができる。ただし、ライフタイム計測装置3によって、表面全体のライフタイムを直接計測していると計測時間が長くかかってしまうため、本実施形態では、所定の計測範囲のみのライフタイムを測定するように制御される。なお、このようなライフタイム計測装置3としては、Semilab社やKobelco社から販売されているライフタイム測定装置を用いることができ、本実施形態では、Kobelco社のライフタイム測定装置を用いている。
上述したような構成を備えるライフタイム計測装置3は、制御コンピュータ4からの指示を受けた所定の計測位置にパルスレーザ光を照射し、その計測位置のライフタイムを取得する。そして、ライフタイム計測装置3は、取得したライフタイムを計測位置情報と紐付けて制御コンピュータ4に出力する。
制御コンピュータ4は、PL画像取得部41、ライフタイム計測部42、補正係数算出部43(算出手段)、及び、ライフタイム画像作成部44(画像作成手段)を機能的に含んで構成される。PL画像取得部41で取得したPL画像や制御コンピュータ4で算出されるライフタイム画像等は、制御コンピュータ4内の記憶装置にデータとして記録されてもよいし、及び又は、ディスプレイ5に表示されてもよい。
PL画像取得部41は、PL画像取得装置2によって取得された太陽電池SのPL画像の画像データを取得する部分である。PL画像取得部41は、取得したPL画像を例えばディスプレイ5に表示等させる。PL画像取得装置2及びPL画像取得部41によってPL画像取得手段が構成される。
ライフタイム計測部42は、太陽電池Sの所定の計測位置におけるライフタイムを取得するための制御信号をライフタイム計測装置3に出力し、ライフタイム計測装置3から当該計測位置におけるライフタイムのデータを取得する部分である。ライフタイム計測装置3及びライフタイム計測部42によってライフタイム計測手段が構成される。
ライフタイム計測部42は、まず、PL画像取得部41で取得されたPL画像におけるPL強度(フォトルミネッセンス強度)に基づいて、太陽電池Sにおいてライフタイムを取得する所定の計測位置を設定する処理を行う。具体的には、ライフタイム計測部42は、図2に示されるように、取得したPL画像に対してシェーディング補正を行い、その後、図3に示されるように、シェーディング補正が行われたPL画像の解像度を、ライフタイム計測装置3で取得するライフタイムの解像度に合わせる画像処理を行う。この画像処理により、PL画像の画素とライフタイムの画素とが互いに対応する。
ライフタイム計測部42は、PL画像の解像度がライフタイムの解像度に一致するように処理された後、図4及び図5に示されるように、そのPL画像における頻度分布(ヒストグラム)Hを求める。この頻度分布Hは、図5に示されるように、横軸がPL強度を示し、縦軸が各PL強度の画像数を示している。ライフタイム計測部42は、頻度分布Hのデータを取得すると、画素数が最も多いピークのPL強度値を設定し、そのPL強度値を中心としてその前後の所定の範囲を計測位置設定範囲Rと設定する。
ライフタイム計測部42は、計測位置設定範囲Rを設定すると、計測位置設定範囲Rを各幅が等しくなるように均等に分割し、各分割領域からそれぞれの1の画素を抽出して、各画素を特定する。分割するための幅は適宜設定することができ、特定される画素数は、例えば全部で5個程度である(図6の「計測位置」参照)。そして、ライフタイム計測部42は、この特定した複数の計測位置におけるライフタイムを計測するように、ライフタイム計測装置3を制御し、所望のライフタイムを取得する。
補正係数算出部43は、ライフタイム計測部42によって特定された複数の計測位置におけるPL強度及びライフタイムに基づいて、補正係数を算出する部分である。補正係数算出部43は、まず図6に示されるように、PL画像の露光時間(撮像時間)、再結合速度、太陽電池Sの厚み等をパラメータとして入力し、所定の計測位置で測定されたライフタイム、及びこれら露光時間、再結合速度、太陽電池Sの厚み等を用い、非特許文献2に記載の以下の式(1)及び(2)に基づいて、複数の計測位置における理論光強度を算出する。


PL:PL理論強度
τbulk:Siバルク中でのライフタイム
λ:波長
h:プランク定数
c:光速度
k:ボルツマン定数
T:温度
α(λ):吸収係数
ηcam(λ):カメラの量子効率
filter(λ):フィルタでの分光透過率
d:サンプルの厚さ
Δn(z, τbulk):過剰キャリア密度
:ドーピング密度
なお、太陽電池Sの製造プロセスに対する再結合速度及び太陽電池Sの厚みのテーブルを記憶していて、そのテーブルを参照して入力してもよい。また、再結合速度については、実測光強度に対するテーブルとしてもよい。
補正係数算出部43は、複数の計測位置における理論光強度を算出すると、以下の式(3)により、複数の計測位置に対応する、撮像したPL画像の実測光強度と算出した理論光強度とから補正係数Kを算出する。
補正係数K=理論光強度/実測光強度・・・(3)
これにより、複数の計測位置毎の補正係数K(例えば図6に示されるように5個の補正係数K)が算出されるので、補正係数算出部43は、その平均値を補正係数Kとして設定する。
ライフタイム画像作成部44は、補正係数算出部43で算出設定された補正係数K及びPL画像取得部41で取得されたPL画像に基づいて、太陽電池Sのライフタイム画像を作成する部分である。ライフタイム画像作成部44は、PL画像を構成する各画素Ireal(x,y)に対して、以下の式(4)により、理論光強度Iteory(x,y)を算出する。
teory(x,y)=補正係数K×Ireal(x,y)・・・(4)
ライフタイム画像作成部44は、上記式(4)で算出した理論光強度Iteory(x,y)と、PL画像の露光時間、再結合速度及び太陽電池Sの厚みとから、ある位置におけるライフタイムLT(x,y)を算出する。そして、ライフタイム画像作成部44は、このライフタイムLT(x,y)の算出をすべての位置で行うことで、図7に示されるように、ライフタイムLTの画像を作成する。なお、非特許文献2のFig.10に記載のように、理論光強度とライフタイムとの間には所定の相関がある(図8参照)。なお、Fig.10における「S」は再結合速度を示す。
続いて、図1に示された画像取得システム1を用いて、太陽電池Sのライフタイム画像を取得する方法を、図9を参照しながら説明する。
まず、PL画像取得部41及びPL画像取得装置2によって、太陽電池SのPL画像の画像データが取得される(ステップS1)。PL画像が取得されると、図1の矢印で示されるように、太陽電池Sは、ベルトコンベア6によって、ライフタイム計測装置3が太陽電池Sのライフタイムを計測できる位置に移動させられる。
続いて、ライフタイム計測部42によって、PL画像取得部41等で取得されたPL画像におけるPL強度に基づいて、太陽電池Sにおいてライフタイムを取得する所定の計測位置を設定する処理が行われる。具体的には、ライフタイム計測部42によって、PL画像に対してシェーディング補正が行われ、シェーディング補正が行われたPL画像の解像度を、ライフタイム計測装置3によって取得されるライフタイムの解像度に合わせる画像処理が行われる(図2及び図3参照)。
続いて、図4及び図5に示されるように、ライフタイム計測部42によって、そのPL画像における頻度分布Hが求められる。そして、頻度分布Hにおいて、画素数が最も多いピークのPL強度値がライフタイム計測部42によって設定され、そのPL強度値を中心としてその前後の所定の範囲が計測位置設定範囲Rと設定される。
続いて、計測位置設定範囲Rが設定されると、ライフタイム計測部42によって計測位置設定範囲Rを各幅が等しくなるように均等に分割し、各分割領域からそれぞれの1の画素を抽出し、これにより、各画素が特定される。そして、この特定した複数の計測位置におけるライフタイムが計測されるように、ライフタイム計測部42によってライフタイム計測装置3が制御され、所望のライフタイムが取得される(ステップS2)。
続いて、図6に示されるように、PL画像の露光時間、再結合速度、太陽電池Sの厚みがパラメータとして入力され、補正係数算出部43によって、所定の計測位置で測定されたライフタイム、及びこれら露光時間、再結合速度、太陽電池Sの厚み等を用い、以下の式(1)及び(2)に基づいて、複数の計測位置における理論光強度が算出される。

続いて、複数の計測位置における理論光強度が算出されると、式(3)により、補正係数算出部43によって、複数の計測位置に対応する、撮像したPL画像の実測光強度と算出した理論光強度とから補正係数Kが算出される。
補正係数K=理論光強度/実測光強度・・・(3)
これにより、複数の計測位置毎の補正係数Kが算出されるので、補正係数算出部43によって、その平均値が補正係数Kとして設定される(ステップS3)。
続いて、補正係数Kが算出されると、ライフタイム画像作成部44によって、PL画像を構成する各画素Ireal(x,y)に対して、以下の式(4)により、理論光強度Iteory(x,y)が算出される。
teory(x,y)=補正係数K×Ireal(x,y)・・・(4)
そして、ライフタイム画像作成部44により、上記式(4)で算出された理論光強度Iteory(x,y)と、PL画像の露光時間、再結合速度及び太陽電池Sの厚みとから、ある位置におけるライフタイムLT(x,y)が算出される。その後、ライフタイム画像作成部44によって、このライフタイムLT(x,y)の算出をすべての位置で行わせることで、図7に示されるようなライフタイムLTの画像が作成される(ステップS4)。
以上、本実施形態に係る画像取得システム1によれば、ライフタイム画像LTを作成するための補正係数Kを算出する際にライフタイム等を計測する所定の計測位置を、PL画像におけるPL強度に基づいて設定するようになっている。このようにPL強度に基づいて補正係数Kを算出するための計測位置を設定しているため、より精度のよい補正係数Kを得ることができ、精度よい補正係数KとPL画像とに基づいて、太陽電池のライフタイム画像LTを作成することができる。その結果、画像取得システム1によれば、より精度のよいライフタイム画像LTを取得することができる。
また、本実施形態に係る画像取得システム1によれば、太陽電池のライフタイム画像を直接求めるのではなく、PL画像及び補正係数Kに基づいてライフタイム画像を取得している。このため、例えば、上述したシステム1を用いた作成時間が実質的に2秒程度であるように(440×440画素)、比較的短時間でライフタイム画像を取得することができる。
また、ライフタイム計測部42は、PL画像におけるPL強度に対応する画素数の頻度分布データを求め、当該分布データにおいて画素数が最も多いピーク値を基準とした所定の範囲にあるPL強度の領域を計測位置設定範囲Rとして設定し、計測位置設定範囲Rに含まれる何れかの画素を所定の計測位置と認定するようにしており、特に、計測位置設定範囲Rを各幅が等しくなるように分割し、各分割領域からそれぞれ画素を抽出して所定の計測位置と認定するようになっている。このため、本実施形態のシステム1によれば、ライフタイム画像を更に精度よく取得することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例)
上記実施形態によって算出されるライフタイム画像の精度を比較するために、図10に示される頻度分布を有する太陽電池Sを用いて、画像取得システム1で算出される補正係数Kの値が理想値(基準値)にどれだけ近いかを、以下のように検討した。
まず、画像取得システム1と同様の装置を用い、ライフタイム画像とPL画像とを見比べて両者が類似していそうな画素11箇所を、図11に示されるように、計測位置No.1〜No.11として、それぞれの補正係数Kを算出した。この算出にあたり、μPCDとPL像の見た目の傾向が似ている箇所(ピクセル)を類似している画素とした。算出の条件として、再結合速度S=10000cm/s、太陽電池Sの厚みを300μm(厚さが100〜400μmの範囲にあるサンプルを用いてもよい。)、露光時間5s、GND(ベース輝度)=750とした。なお、PL像の取得は、周辺からの光の反射を阻止するために、太陽電池Sを無反射板の上に乗せて行い、無反射板でのPL強度をGND(ベース輝度)とした。そして、以下の式(5)により、それぞれの補正係数Kを算出した。
補正係数K=理論光強度(Ipl)/{(実測光強度−GND)/5}・・・(5)
そして、算出された11個の補正係数Kの平均値を算出すると、3.3604E+10となった。補正係数の平均値と標準偏差の小ささから、PL輝度1400〜1870までに対応する補正係数K(図11のNo.4〜No.11に対応)の平均値Core Averageを求め、基準となる補正係数K=3.3516E+10(比較基準値)とした。なお、補正係数Kの算出方法や算出条件等は、以下の算出でも同様である。
続いて、上述した画像取得システム1を用い、ヒストグラムHの盛り上がるPL輝度1450〜1850の範囲を計測位置設定範囲Rに設定し、図12に示されるように、その計測位置設定範囲R内をPL輝度値25〜30おきとなるようにランダムにデータを取得し、取得されたNo.1〜No.18の計測位置における補正係数Kをそれぞれ算出した。そして、これら補正係数Kの平均値を求めると、補正係数K=3.3261E+10となった。また、同様に、PL輝度1450〜1850を計測位置設定範囲Rに設定し、その計測位置設定範囲R内をPL輝度値50おきとなるようにランダムにデータを取得して、その平均値を求めると、補正係数K=3.3876E+10となった。
上記のように画像取得システム1を用いて算出した補正係数Kの平均値3.3261E+10及び3.3876E+10(図12参照)は、比較基準値となる補正係数K=3.3516E+10(図11参照)にかなり近い値になった。なお、これら補正係数Kの標準偏差も0.8〜−1.1%と小さかった。
続いて、ヒストグラムHの盛り上がりとは関係なく、図13に示されるように、PL輝度900〜1800内でPL輝度値が100おきとなるようにランダムにデータを取得し、取得されたNo.1〜No.11の計測位置における補正係数Kをそれぞれ算出した。つまり、光強度に関係なく計測位置を設定した。この算出方法で取得された補正係数Kは、2.9382E+10であった。また、中心となるNo.7〜No.10に対応する補正係数Kの平均値を算出すると、補正係数K=2.8721E+10であった。
このように光強度に関係なく計測位置を設定して補正係数Kを算出すると、比較基準となる補正係数K=3.3516E+10(図11参照)に対して、かなり外れた補正係数となってしまった。また、光強度に関係なく計測位置を設定して補正係数Kを算出した場合、標準偏差も大きくなってしまい、No.1〜No.11に対応する補正係数Kでは12.3%、No.7〜No.10に対応する補正係数Kでは14.3%であった。
また、別の算出方法として、上述した画像取得システム1を用い、ヒストグラムHの盛り上がるPL輝度1450〜1850を計測位置設定範囲Rに設定し、図14に示されるように、その計測位置設定範囲R内をPL輝度値50おきとなるように、また、その他の範囲ではPL輝度値200おきとなるようにランダムにデータを取得し、取得されたNo.1〜No.11の計測位置における補正係数Kをそれぞれ算出した。そして、これら補正係数Kの平均値を求めると、補正係数K=3.1684E+10となった。また、同様に、中心となるNo.4〜No.10に対応する補正係数Kの平均値を求めると、補正係数K=3.3282E+10となった。
このように画像取得システム1を用いて算出した補正係数Kの平均値3.1684E+10及び3.3282E+10(図14参照)は、基準となる補正係数K=3.3516E+10(図11参照)に対してかなり近い値になった。なお、これら補正係数の標準偏差も5.5〜0.7%と小さかった。
このように、ライフタイム等を計測する所定の計測位置を光強度に基づいて設定することにより、理想値に近い補正係数Kを算出することができた。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、頻度分布のピーク値を基準として計測位置設定範囲Rを設け、その中から複数の計測位置を認定するようにしていたが、補正係数Kを精度よく算出できるのであれば、他の手法を用いて計測位置を認定するようにしてもよい。例えば、PL画像を等分(5×5)に分割して、等分された各画像の画像輝度の中心値(輝度値が高い方から13番目)を、上述したヒストグラムのピーク値と同視して、補正係数Kを算出するようにしてもよい。
1…画像取得システム、2…PL画像取得装置、3…ライフタイム計測装置、4…制御コンピュータ、41…PL画像取得部、42…ライフタイム計測部、43…補正係数算出部、44…ライフタイム画像作成部、H…頻度分布、S…太陽電池、R…計測位置設定範囲。

Claims (4)

  1. 太陽電池のライフタイム画像を取得する画像取得システムであって、
    前記太陽電池のフォトルミネッセンス画像を取得する画像取得手段と、
    前記太陽電池の所定の計測位置におけるライフタイムを計測する計測手段と、
    前記所定の計測位置におけるフォトルミネッセンス強度及びライフタイムに基づいて、補正係数を算出する算出手段と、
    前記補正係数及び前記フォトルミネッセンス画像に基づいて、前記太陽電池のライフタイム画像を作成する画像作成手段と、を備え、
    前記計測手段は、前記所定の計測位置を前記フォトルミネッセンス画像におけるフォトルミネッセンス強度に基づいて設定することを特徴とする画像取得システム。
  2. 前記計測手段は、前記フォトルミネッセンス画像における前記フォトルミネッセンス強度に対応する画素数の分布データを求め、当該分布データにおいて画素数が最も多いピーク値を基準とした所定の範囲にあるフォトルミネッセンス強度の領域を計測位置設定範囲として設定し、前記計測位置設定範囲に含まれる何れかの画素を前記所定の計測位置と認定することを特徴とする請求項1に記載の画像取得システム。
  3. 前記計測手段は、前記計測位置設定範囲を各幅が等しくなるように分割し、各分割領域からそれぞれ画素を抽出して前記所定の計測位置と認定することを特徴とする請求項2に記載の画像取得システム。
  4. 太陽電池のライフタイム画像を取得する画像取得方法であって、
    画像取得手段が、前記太陽電池のフォトルミネッセンス画像を取得する画像取得ステップと、
    計測手段が、前記太陽電池の所定の計測位置におけるライフタイムを計測する計測ステップと、
    算出手段が、前記所定の計測位置におけるフォトルミネッセンス強度及びライフタイムに基づいて、補正係数を算出する算出ステップと、
    画像作成手段が、前記補正係数及び前記フォトルミネッセンス画像に基づいて、前記太陽電池のライフタイム画像を作成する画像作成ステップと、を備え、
    前記計測ステップでは、前記所定の計測位置を前記フォトルミネッセンス画像におけるフォトルミネッセンス強度に基づいて設定することを特徴とする画像取得方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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