JP2017155328A - Ni含有鋼の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産障害として製造現場で問題となる鋼板表面手入れ工程の負荷を軽減し、圧延条件の厳密な管理や分塊圧延をすることなく、鋼板の表面疵を防止することができるNi含有鋼の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】質量%でNiを1.0〜10.0%含有する鋼の連続鋳造スラブを1100〜1250℃で1〜24h加熱し、次いで前記連続鋳造スラブの表面を600℃以下まで冷却後、前記連続鋳造スラブの表面を0.5〜10mm除去した後、熱間圧延することを特徴とするNi含有鋼の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、Niを1.0〜10.0%含有するNi含有鋼の製造方法に関し、圧延表面疵を防止することができるNi含有鋼の製造方法に関する。
従来から、Ni含有鋼は低温靭性に優れるため、液化天然ガス等の圧力容器用の溶接構造用鋼として広く利用されている。一方で、Ni含有鋼は鋳片表面割れや、加熱、圧延時のスケール押し込み疵等が発生しやすく、これが圧延後の鋼板表面疵となることがよく知られている。圧力容器では厳格な安全性が要求されるため、圧延後の厳格な鋼板表面検査や表面手入れといった鋼板表面手入れ工程が必要である。しかしながら、このような工程は生産障害となり、検査や手入れの増大は歩留まり低下の要因ともなる。
特許文献1には、圧延前の鋳片あるいは分塊圧延した鋼片の表面を機械的に研削して表面の粒界酸化部および割れ部を除去した後、研削後の表面の凹部に酸化防止剤を所定量塗布し加熱、圧延することにより、表面疵を防止する方法が開示されている。
特許文献2には、分塊圧延後の鋼片における表層下20mmまでの旧γ粒径を500μm以下に制御することにより、圧延時の割れ発生を防止する方法が開示されている。
特開2006−212671号公報 特開2009−74123号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、圧延条件を厳密に管理する必要がある。また、特許文献2の方法は、分塊圧延工程を前提としているため生産効率が劣る。
本発明は上記実情に鑑み、生産障害として製造現場で問題となる鋼板表面手入れ工程の負荷を軽減し、圧延条件の厳密な管理や分塊圧延をすることなく、鋼板の表面疵を防止することができるNi含有鋼の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、溶接構造用鋼として広く利用されているNiを1.0〜10.0%含有するNi含有鋼について、表面疵の原因を調査し、表面疵の防止方法について種々の検討を行った。その結果、表面疵の原因となる圧延時の割れは、凝固時に連続鋳造スラブ表面に生成する巨大で直線的な柱状γ粒の粒界が起点となり、表面から内部に向かって伸びた柱状γ粒の粒界に沿って伝播すると考えられる。Ni含有量が5.5mass%以上の高Ni含有鋼では、γ相を初晶として鋳片の厚さ方向に直線的に柱状γ粒界が成長し、このγ粒界で粒界酸化が生じやすいため、γ粒界に沿って鋳片割れが進展しやすくなる。またこの鋳片割れに熱延スケールが押し込まれ易くなる。その結果、Ni含有鋼は表面疵ができやすいと考えられる。したがって、鋼板の表面疵の発生を防止するには、柱状γ粒を無くすことが重要だとわかった。そして、その柱状γ粒を無くす手段として、圧延前の連続鋳造スラブを1100〜1250℃で1〜24h加熱した後、連続鋳造スラブ表面を600℃以下まで冷却することが最も効果的であることを新たに知見し、本発明を完成した。
本発明の要旨は次の通りである。
[1]質量%でNiを1.0〜10.0%含有する鋼の連続鋳造スラブを1100〜1250℃で1〜24h加熱し、次いで前記連続鋳造スラブの表面を600℃以下まで冷却後、前記連続鋳造スラブの表面を0.5〜10mm除去した後、熱間圧延することを特徴とするNi含有鋼の製造方法。
[2]前記鋼の成分組成は、質量%で、C:0.01〜0.20%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.30〜2.0%、P:0.020%以下、S:0.0060%以下、Ni:1.0〜10.0%、Al:0.001〜0.080%、N:0.0060%以下、O:0.0040%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする[1]に記載のNi含有鋼の製造方法。
[3]前記成分組成は、さらに、質量%で、Cu:0.01〜1.50%、Cr:0.01〜1.00%、Mo:0.01〜1.00%、Nb:0.001〜0.100%、V:0.001〜0.100%、Ti:0.005〜0.020%、B:0.0003〜0.0020%、Ca:0.0003〜0.0050%、Mg:0.0003〜0.0050%、REM:0.0003〜0.0050%の1種または2種以上を含有することを特徴とする[2]に記載のNi含有鋼の製造方法。
本発明のNi含有鋼の製造方法によれば、鋼板の表面疵を防止することができるので、生産性向上と製造コスト低減が可能となる。したがって、本発明は工業上極めて効果が大きい。
まず、本発明の製造方法の限定理由について述べる。
本発明では、質量%でNiを1.0〜10.0%含有する鋼の連続鋳造スラブを1100〜1250℃で1〜24h加熱し、次いで前記連続鋳造スラブの表面を600℃以下まで冷却後、前記連続鋳造スラブの表面を0.5〜10mm除去した後、熱間圧延することを特徴とする。
本発明は、質量%でNiを1.0〜10.0%含有する鋼を連続鋳造する。Niは低温靭性の確保に必須の元素であり、1.0%未満ではこれらの効果が得られないので下限値を1.0%とする。Niは高価な元素であり、10.0%を超えて含有すると経済性を損なうため上限値を10.0%とする。
連続鋳造は、特に限定はなく、垂直曲げ型連鋳機が好適に適用できる。
次いで、連続鋳造により得られた、質量%でNiを1.0〜10.0%含有する鋼の連続鋳造スラブを1100〜1250℃で1〜24h加熱し、次いで前記連続鋳造スラブの表面を600℃以下まで冷却する。圧延前に連続鋳造スラブを1100〜1250℃で1〜24h加熱する熱処理(以下、単に予備熱処理と称することもある。)の目的は、mm単位以上の巨大で直線的な柱状γ粒の粒界を消失させることである。巨大で直線的な柱状γ粒の粒界は酸化しやすく、圧延時に粒界の酸化部が開口して割れの原因となる。巨大で直線的な柱状γ粒を消失させるためには1100℃以上、1h以上の加熱が必要である。加熱温度が1100℃未満や1h未満では、巨大で直線的な柱状γ粒が残存する恐れがある。一方、1250℃以上や24h以上加熱しても、効果が飽和するだけでなく生産の効率を落とす。より好適な範囲は、1100〜1250℃、3〜12hである。
連続鋳造スラブを予備熱処理後、600℃以下まで冷却する。ここで、冷却停止温度は、連続鋳造スラブの表面温度である。冷却停止温度が600℃より高温であると、γ→α変態が完了せず、そのまま再加熱を実施すると未変態のγ粒が粗大化し、母材特性に悪影響を及ぼす可能性がある。なお、冷却速度については、γ→α変態が完了する温度まで冷却できればよいので、特に限定する必要はない。
600℃以下に冷却した後、連続鋳造スラブの表面(スラブ表裏面の全面)を除去する。スラブ表面の除去は、例えば、市販のスラブグラインダーや切削機で機械的に研削すればよい。この除去処理により、連続鋳造スラブ表面に存在するスケールや、予備熱処理時に酸化された粒界を除去することができる。除去する深さは、片面あたり少なくとも0.5mm以上である。上限値は、コストの観点から片面あたり10mm以下である。
なお、表面疵をさらに抑制することを目的として、除去処理後の熱間圧延前の連続鋳造スラブに酸化防止剤を塗布することもできる。
次いで熱間圧延を行う。熱間圧延条件としては、鋼素材を平均温度で900〜1200℃の範囲の温度に加熱し、圧延終了温度を表面温度で950℃以下Ar変態点以上とする圧延を行うことが好ましい。
加熱温度:平均温度で900〜1200℃
鋼素材の加熱温度は平均温度で900〜1200℃の範囲にすることにより、凝固時に析出した粗大な炭化物等の析出物を完全に溶解することができ、高強度も確保できる。また、組織の粗大化を防ぎ、母材靱性も確保できる。このようなことから、鋼素材の加熱温度は平均温度で900〜1200℃の範囲の温度が好ましい。さらに好ましくは、1000〜1100℃である。なお、ここでいう「平均温度」とは、測定される表面温度から伝熱計算により算出した鋼素材の温度分布から求めた肉厚方向断面での平均値をいう。
圧延終了温度:表面温度で950℃以下Ar変態点以上
圧延終了温度を表面温度で950℃以下Ar変態点以上とすることにより、組織の粗大化を防ぎ、母材靱性および高強度も確保できる。
なお、Ar変態点は、以下の(1)式から求めることができる。
Ar=868−396C+25Si−68Mn−21Cu−36Ni−25Cr−30Mo・・・(1)
ただし、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Moは、各合金元素の含有量(質量%)であり、含有しない場合は0とする。
熱間圧延後の製造プロセスは特に制限されない。なお、鋼の強靭化を図るため、熱間圧延後、Ar変態点以上950℃以下の温度から直接焼入れ−焼戻処理を行う、または、熱間圧延後、Ac変態点以上950℃以下に再加熱して焼入れ−焼戻処理を行うことが好ましい。さらにまた、前記の焼入れ−焼戻処理の間に、2相域熱処理−焼入れ処理(2相域焼入れ)工程をはさんだ、直接焼入れ-2相域焼入れ-焼戻処理、または焼入れ-2相域焼入れ-焼戻処理を行ってもよい。上記いずれかのプロセスを用いて製造することが望ましい。
さらに、母材強度と靭性を確保するために、焼入れ温度はAc変態点以上950℃以下で、冷却速度は2℃/sec以上が望ましい。極低温でも安定なγ組織が形成され、また、靭性も確保するために、2相域焼入れ温度はAc変態点以上Ac変態点未満で、冷却速度は2℃/sec以上が望ましい。さらに、靭性および強度を確保するために、焼戻温度は400℃以上(Ac変態点+50℃)以下が望ましい。
ここで、Ac変態点およびAc変態点は、それぞれ以下の(2)式および(3)式から求めることができる。
Ac=751−27C+18Si−12Mn−23Cu−23Ni+24Cr+23Mo−40V−6Ti+233Nb−169Al−895B・・・(2)
Ac=937.2−436.5C+56Si−19.7Mn−16.3Cu−26.6Ni−4.9Cr+38.1Mo+124.8V+136.3Ti−19.1Nb+198.4Al+3315B・・・(3)
ただし、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Ti、Nb、Al、Bは、各合金元素の含有量(質量%)であり、含有しない場合は0とする
次に、本発明の好ましい化学成分の限定理由について述べる。なお、組成における質量%は、とくに断らない限り、単に%で記す。
C:0.01〜0.20%
Cは母材の強度確保に必須の元素である。0.01%未満では母材強度が確保できないので0.01%を下限とすることが好ましい。逆に、Cが0.20%を超えると、脆性破壊の起点となるセメンタイトや島状マルテンサイトを増加し靭性が低下する。従って、上限を0.20%とすることが好ましい。
Si:0.01〜0.50%
Siは母材強度上昇に有効な元素である。0.01%未満ではこの効果が得られないので下限値を0.01%とすることが好ましい。0.50%を超えると、溶接熱影響部(HAZ)の組織中に島状マルテンサイトが生成し、好適なHAZ靭性が得られない。従って、上限を0.50%とすることが好ましい。
Mn:0.30〜2.0%
Mnは母材強度上昇に有効な元素である。0.30%未満ではこの効果が得られないので下限値を0.30%とすることが好ましい。2.0%超えると、焼戻し脆化を促進するため好適な母材およびHAZ靭性が得られない。従って、上限を2.0%とすることが好ましい。
P:0.020%以下
Pは粒界脆化をもたらし、靭性に有害な元素であり、低いほうが望ましい。0.020%を超えて含有すると靭性低下が顕著となるので、0.020%を上限とすることが好ましい。
S:0.0060%以下
SはMnS等の介在物として靭性に有害な元素であり、低いほうが望ましい。0.0060%を超えて含有すると靭性低下が顕著となるので、0.0060%を上限とすることが好ましい。
Al:0.001〜0.080%
Alは鋼の脱酸に必要な元素であり、0.001%未満の含有量ではこれらの効果が得られないので下限値を0.001%とすることが好ましい。逆に、0.080%を超えて含有すると粗大なAlNやアルミナクラスター等により好適な母材およびHAZの靭性が得られない。従って、上限値を0.080%とすることが好ましい。
N:0.0060%以下
Nは0.0060%を超えて含有すると粗大なAlNなどにより好適な母材およびHAZの靭性が得られない。従って、上限値を0.0060%とすることが好ましい。
O:0.0040%以下
Oは介在物として靭性に有害な元素であり、低いほうが望ましい。0.0040%を超えて含有すると靭性低下が顕著となるので0.0040%を上限とすることが好ましい。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物からなる。
本発明では、上記の組成に加えてさらに、母材や継手の強度、靭性向上に有効な選択元素として、Cu、Cr、Mo、Nb、V、Ti、B、Ca、Mg、REMの1種または2種以上を必要に応じて含有できる。
Cu:0.01〜1.50%
Cuは母材強度上昇に効果を有する。0.01%未満ではこの効果が得られないので、含有する場合は下限値を0.01%とする。逆に、1.50%を超えて含有するとHAZを硬化させて好適なHAZ靭性が得られない。従って、含有する場合は上限値を1.50%とする。
Cr:0.01〜1.00%
Crは母材強度上昇に効果を有する。0.01%未満ではこの効果が得られないので、含有する場合は下限値を0.01%とする。逆に、1.00%を超えて含有するとHAZに硬化組織を生成し、好適なHAZ靭性が得られない。従って、含有する場合は上限値を1.00%とする。
Mo:0.01〜1.00%
Moは母材強度上昇に効果を有する。0.01%未満ではこの効果が得られないので、含有する場合は下限値を0.01%とする。逆に、1.00%を超えて含有するとHAZに硬化組織を生成し、好適なHAZ靭性が得られない。従って、含有する場合は上限値を1.00%とする。
Nb:0.001〜0.100%
Nbは母材の強度上昇および細粒化に有効な元素である。0.001%未満ではこれらの効果が得られないので、含有する場合は下限値を0.001%とする。逆に、0.100%を超えて含有するとHAZにおけるNb炭窒化物の析出が顕著となり、好適なHAZ靭性が得られない。従って、含有する場合は上限値を0.100%とする。
V:0.001〜0.100%
Vは母材の強度上昇および細粒化に有効な元素である。0.001%未満ではこれらの効果が得られないので、含有する場合は下限値を0.001%とする。逆に、0.100%を超えて含有するとHAZにおける炭窒化物の析出が顕著となり、好適なHAZ靭性が得られない。従って、含有する場合は上限値を0.100%とする。
Ti:0.005〜0.020%
Tiは母材の強度上昇および細粒化に有効な元素である。0.005%未満ではこれらの効果が得られないので、含有する場合は下限値を0.005%とする。逆に、0.020%を超えて含有すると粗大なTiNを生成しこれが破壊の発生起点となるため、好適なHAZ靭性が得られない。従って、含有する場合は上限値を0.020%とする。
B:0.0003〜0.0020%
Bは制御冷却および焼入れ熱処理を施す場合に特に顕著な強度上昇の効果を発揮する。0.0003%未満の含有量では強度上昇効果が得られないので、含有する場合は下限値を0.0003%とする。逆に、0.0020%を超えて含有すると粗大なB窒化物や炭硼化物を析出してこれが破壊の起点となるために、好適なHAZ靭性が得られない。従って、含有する場合は上限値を0.0020%とする。
Ca:0.0003〜0.0050%
CaはAlやMnS等の介在物の形態制御により靭性向上に有効な元素である。0.0003%未満の含有量では靭性向上効果が得られないので、含有する場合は下限値を0.0003%とする。逆に、0.0050%を超えて含有すると粗大なCa含有介在物が生成してこれが破壊の起点となるために、好適な母材およびHAZの靭性が得られない。従って、含有する場合は上限値を0.0050%とする。
Mg:0.0003〜0.0050%
MgはAlやMnS等の介在物の形態制御により靭性向上に有効な元素である。0.0003%未満の含有量では靭性向上効果が得られないので、含有する場合は下限値を0.0003%とする。逆に、0.0050%を超えて含有すると粗大なMg含有介在物が生成してこれが破壊の起点となるために、好適な母材およびHAZの靭性が得られない。従って、含有する場合は上限値を0.0050%とする。
REM:0.0003〜0.0050%
REMはAlやMnS等の介在物の形態制御により靭性向上に有効な元素である。0.0003%未満の含有量では靭性向上効果が得られないので、含有する場合は下限値を0.0003%とする。逆に、0.0050%を超えて含有すると粗大なREM含有介在物が生成してこれが破壊の起点となるために、好適な母材およびHAZの靭性が得られない。従って、含有する場合は上限値を0.0050%とする。
以上より、本発明によれば、表面疵のないNi含有鋼を得ることができる。
以下に、本発明の実施例を示す。
表1に示す各成分組成の溶鋼を、転炉で溶製し、連続鋳造機により厚さ250mmの連続鋳造スラブを製造した。次いで、予備熱処理、除去処理、熱間圧延および焼入れ−焼戻処理を行い、表2に示す供試鋼とした。表2に各製造条件を示す。
得られた鋼板について、鋼板表面疵の有無を磁粉探傷検査で確認した。鋼板表裏面に疵が検出されないものを合格とした。
Figure 2017155328
Figure 2017155328
表2の結果から、本発明の製造方法によれば、表面疵が発生していないことがわかる。また、本発明の製造方法を用いることにより、分塊圧延をすることなくスラブ単重増加により歩留まりが向上し、製造コストが低減した。

Claims (3)

  1. 質量%でNiを1.0〜10.0%含有する鋼の連続鋳造スラブを1100〜1250℃で1〜24h加熱し、次いで前記連続鋳造スラブの表面を600℃以下まで冷却後、前記連続鋳造スラブの表面を0.5〜10mm除去した後、熱間圧延することを特徴とするNi含有鋼の製造方法。
  2. 前記鋼の成分組成は、質量%で、C:0.01〜0.20%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.30〜2.0%、P:0.020%以下、S:0.0060%以下、Ni:1.0〜10.0%、Al:0.001〜0.080%、N:0.0060%以下、O:0.0040%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1に記載のNi含有鋼の製造方法。
  3. 前記成分組成は、さらに、質量%で、Cu:0.01〜1.50%、Cr:0.01〜1.00%、Mo:0.01〜1.00%、Nb:0.001〜0.100%、V:0.001〜0.100%、Ti:0.005〜0.020%、B:0.0003〜0.0020%、Ca:0.0003〜0.0050%、Mg:0.0003〜0.0050%、REM:0.0003〜0.0050%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項2に記載のNi含有鋼の製造方法。
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