JP6142837B2 - フェライト相とマルテンサイト相の2相からなる組織を有するステンレス鋼 - Google Patents

フェライト相とマルテンサイト相の2相からなる組織を有するステンレス鋼 Download PDF

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Description

本発明は、高温酸化環境における耐摩耗性に優れたフェライト相とマルテンサイト相の2相からなる組織を有するステンレス鋼以下、本明細書において、「フェライト−マルテンサイト2相ステンレス鋼」とする。)に関する。本発明のフェライト−マルテンサイト2相ステンレス鋼は、500℃以下の高温酸化による損傷と物理的な磨耗による損傷が同時に発生する環境で使用される部材、たとえば、加熱された鉱石等を運搬するベルトコンベアーのベルト用材料等に好ましく適用できる。
鉄鉱石や石炭等の鉱石は、採掘後に精製工場においてベルトコンベアーを用いて運搬される。このベルトコンベアーのベルト材料にはステンレス鋼が使用される場合がある。このベルトコンベアーのベルト材料は、鉱石を積み込む際に受ける衝撃による磨耗、鉱石の転がり等により生じる磨耗に耐えるために、優れた耐摩耗性を有することが必要とされる。
耐摩耗性に優れたステンレス鋼としては、特許文献1に高耐摩耗高耐食性ステンレス鋼材の製造方法が開示されている。この製造方法は700〜950℃の温度範囲で鋼に連続
焼鈍を施して、鋼中に炭化物および炭窒化物を析出させて、鋼の耐摩耗性を向上させる。
また、特許文献2には、耐食性と耐摩耗性に優れる織機部材用マルテンサイト系ステンレス鋼およびその製造方法が開示されている。これは鋼の成分組成および焼入れ焼き戻し条件を調整することにより炭窒化物析出量を調整して、耐摩耗性を向上させたステンレス鋼を製造する技術である。
特開2005−256114号公報 特開2009−203528号公報
近年では鉱石を加熱して焼結し、そのまま冷却することなく、運搬する場合がある。こういった工程に使用されるベルトコンベアーの使用時に、ベルト材の温度が数百度まで上昇する場合がある。このため、ベルト材には高温酸化環境における優れた耐摩耗性が求められる。
これらの高温酸化と磨耗が同時に発生しやすい環境においては、上記特許文献に記載されるような従来のステンレス鋼は、必ずしも十分な耐摩耗性を発揮することができない場合がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、高温酸化環境における耐摩耗性に優れたフェライト−マルテンサイト2相ステンレス鋼を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、高温酸化と磨耗が同時に発生する環境におけるステンレス鋼の損傷、減肉に関して、鋼の成分組成および鋼組織に着目して検討した。その結果、以下の知見を得た。
ステンレス鋼の酸化速度は、通常の大気環境中において500℃以下の温度では非常に遅い。このため、ステンレス鋼は酸化による損傷が問題とならないことが多い。しかし、本発明が対象とする高温酸化と磨耗が同時に発生する環境においては、物理的な衝撃によって表層にひずみが導入されるために、酸化が促進され比較的速い速度でステンレス鋼の酸化が進行する。速い酸化速度で形成された酸化皮膜は脆くなるため、再び物理的な衝撃が加わったときに、容易に剥離し、保護皮膜の存在しない新しい表面が露出する。新しい表面には物理的な衝撃によって再びひずみが導入され酸化が促進される。このように、高温酸化と磨耗が同時に発生する環境においては、物理的衝撃による磨耗と表層へのひずみの導入、ひずみの導入による酸化の促進、酸化皮膜の剥離、物理的衝撃による磨耗と表層へのひずみの導入、というサイクルをもって損傷が進行する。その結果、エロージョンコロージョンによく似た現象となり、非常に早い速度で、ステンレス鋼の損傷、減肉が起こる。
本発明者らは、初めに物理的な衝撃による磨耗とひずみの導入について検討を行った。その結果、ステンレス鋼の組織をフェライト単相からマルテンサイト相分率を増加させ、マルテンサイト相の硬さを増加させるほど、物理的衝撃による磨耗、および、ひずみの導入される深さが小さくなることが明らかとなった。したがって、磨耗による損傷を抑制するためにはマルテンサイト相分率を増加させ、硬さを増加させることが効果的である。
一方で、マルテンサイト相分率を増加させて硬くなったステンレス鋼では、表層にひずみが集中する。このため、ひずみ導入後の酸化では、酸化速度が増加し、脆い酸化皮膜が形成され、酸化皮膜の剥離が起こりやすくなる傾向が確認できる。したがって、酸化皮膜の剥離の観点からはマルテンサイト相分率は小さいほうが好ましい。
質量%でC:0.02%、Si:0.3%、P:0.03%、S:0.002%、Al:0.15%、Cr:12%、V:0.05%、Nb:0.15%、N:0.02%、Mn:0.1〜5.0%およびNi:0.1〜2.5%を含有し残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼を基準に、Mn含有量とNi含有量を一定の比率(質量比)で変化させ、焼鈍によりマルテンサイト相分率を変化させたステンレス鋼を製造した。各ステンレス鋼に対して、3分間のショットブラスト処理と大気環境で300℃、1時間の酸化熱処理を交互に5回繰り返し施したときの重量減少を図1に示す。マルテンサイト相分率(体積%)が5%から60%の範囲で、重量減少が35g/m以下となっていることが分かる。これは、適度なマルテンサイト相分率となることで、物理的な衝撃による磨耗を抑制することに加えて、適度なフェライト相の存在が、表層へのひずみの集中を抑制し、酸化皮膜の過度な成長と剥離を抑制したためと考えられる。なお、各ステンレス鋼のマルテンサイト相のビッカース硬さは300〜320HVの範囲であった。なお、ビッカース硬さの値は、光学顕微鏡によりマルテンサイト相を判別して、押し付け圧力を0.01kgfとして5点測定し、その平均を採用した。
さらに、本発明では、高温酸化と磨耗が同時に起こる環境における損傷におよぼすマルテンサイト相の硬さを検討した。質量%で、C:0.02%、Si0.3%、P:0.03%、S:0.002%、Al:0.15%、Cr:12%、V:0.05%、Nb:0.15%、N:0.02%、Mn:0.2〜2.1%およびNi:0.2〜1.2%を含有し残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼を基準に、Mn含有量およびNi含有量が異なる鋼に対して焼鈍を施し、マルテンサイト相分率が28〜32%のステンレス鋼を製造した。各ステンレス鋼に対して、3分間のショットブラスト処理と大気環境で300℃、1時間の酸化熱処理を交互に5回繰り返し施したときの重量減少を図2に示す。マルテンサイト相のビッカース硬さの値は、光学顕微鏡によりマルテンサイト相を判別して、押し付け圧力を0.01kgfとして5点測定し、その平均を採用した。マルテンサイト相の硬さの増加にともなって、重量減少が低下し、ビッカース硬さ280以上で重量減少が35g/m以下となった。これは、同じマルテンサイト相分率であってもマルテンサイト相が硬くなることで、物理的な衝撃による磨耗が一層抑制されたためと考えられる。
以上の知見により本発明は構成される。すなわち、本発明は下記の構成を要旨とするものである。
[1]質量%で、C:0.005〜0.030%、N:0.005〜0.030%、Si:0.10〜1.00%、Mn:0.1〜5.0%、P:0.04%以下、S:0.02%以下、Al:0.03〜0.30%、Cr:10.0〜13.0%、Ni:0.1〜2.5%、V:0.005〜0.10%、Nb:0.05〜0.4%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有し、フェライト相とマルテンサイト相の2相からなる組織を有し、前記組織における前記マルテンサイト相の体積率が5〜60%であり、前記マルテンサイト相のビッカース硬さが280以上であることを特徴とするフェライト−マルテンサイト2相ステンレス鋼。
[2]前記成分組成は、さらに、質量%で、Ti:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Mo:1.0%以下、W:1.0%以下およびCo:0.5%以下のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする[1]に記載のフェライト−マルテンサイト2相ステンレス鋼。
[3]前記成分組成は、さらに、質量%で、Ca:0.01%以下、B:0.01%以下、Mg:0.01%以下およびREM:0.05%以下のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする[1]または[2]に記載のフェライト−マルテンサイト2相ステンレス鋼。
本発明のフェライト−マルテンサイト2相ステンレス鋼は、高温酸化環境における耐摩耗性に優れる。
高温酸化環境における優れた耐摩耗性を有する本発明のステンレス鋼は、500℃以下の穏やかな高温酸化による損傷と物理的な磨耗による損傷が同時に発生する環境で使用される部材に好ましく適用することができる。具体的には、本発明のステンレス鋼は、加熱された鉱石等を運搬するベルトコンベアーのベルト用材料に好ましく適用できる。
高温酸化環境における耐摩耗性とマルテンサイト相分率との関係を示す図である。 高温酸化環境における耐摩耗性とマルテンサイト相の硬さとの関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
先ず、本発明のフェライト−マルテンサイト2相ステンレス鋼の成分組成について説明する。なお、成分組成の説明における「%」は「質量%」を意味する。
本発明のステンレス鋼は、質量%で、C:0.005〜0.030%、N:0.005〜0.030%、Si:0.10〜1.00%、Mn:0.1〜5.0%、P:0.04%以下、S:0.02%以下、Al:0.03〜0.30%、Cr:10.0〜13.0%、Ni:0.1〜2.5%、V:0.005〜0.10%、Nb:0.05〜0.4%を含有する。
C:0.005〜0.030%
N:0.005〜0.030%
CおよびNは、オーステナイト安定化元素である。安定なオーステナイト相からマルテンサイト相が急冷により形成されるため、C含有量、N含有量が増加すると鋼組織中のマルテンサイト相分率が増加する。このため、CおよびNはマルテンサイト相分率の調整に有用な元素である。オーステナイト安定化効果はいずれの元素もその含有量を0.005%以上にすることで得られる。さらに、CおよびNはマルテンサイト相の硬さを増加させる元素である。このため、CおよびNは耐摩耗性向上のために積極的に添加したい元素である。しかし、CおよびNを過剰に含有するとマルテンサイト相分率の調整が困難になる。加えて、CおよびNを過剰に含有すると、ステンレス鋼の加工性が低下する。このため。その含有量はいずれも元素も0.030%以下が適切である。よって、CおよびNの含有量は、いずれも0.005〜0.030%の範囲とする。より好ましくは、いずれも0.008〜0.025%の範囲である。
Si:0.10〜1.00%
Siは、脱酸剤として用いられる元素である。その効果を得るにはSiの含有量を0.10%以上にすることが必要である。また、Siはフェライト安定化元素であり、Si含有量を少なくすることによってマルテンサイト相分率を減少させることができる。このように、Siはマルテンサイト相分率の調整に有用な元素である。さらに、SiはAlとともに酸化皮膜に濃化することで酸化皮膜を強固にする効果がある。このため、Siは、酸化皮膜の剥離を抑制する重要な役割を有している。Si含有量とAl含有量の和(Si+Al)≧0.20を満たすように、Si含有量を調整することが好ましい。一方で、そのSi含有量が1.00%を超えるとフェライト相が生成しやすくなり、マルテンサイト相分率の調整が困難となる。このため、Siの含有量は0.10〜1.00%の範囲とする。より好ましくは、0.11〜0.60%である。
Mn:0.1〜5.0%
Mnは、オーステナイト安定化元素である。Mn含有量を増加させることによってマルテンサイト相分率を増加させることができる。Mnのオーステナイト安定化効果は、Mn含有量を0.1%以上にすることで得られる。さらに、Mnはマルテンサイト相を硬くする元素であるため、本発明においては積極的に添加したい元素である。しかし、Mn含有量が5.0%を超えると、ステンレス鋼の靭性が低下する。また、Mnの含有量が5.0%を超えると、製造工程での脱スケール性を低下させて表面性状に悪影響を及ぼす。よって、Mnの含有量は0.1〜5.0%の範囲とする。より好ましくは、0.5〜3.0%の範囲である。
P:0.04%以下
P含有量は熱間加工性の点から少ない方が好ましく、その含有量の許容される上限値を0.04%とする。より好ましくは、0.035%以下である。
S:0.02%以下
S含有量は、熱間加工性および耐食性の点から少ない方が好ましく、その含有量の許容される上限値を0.02%とする。好ましくは0.005%以下である。
Al:0.03〜0.30%
Alは、脱酸のために有用な元素である。その効果はAl含有量を0.03%以上にすることで得られる。また、Alはフェライト安定化元素である。Al含有量を少なくすることで、マルテンサイト相分率を減少させることができる。したがって、Alはマルテンサイト相分率の調整に有用な元素である。さらに、AlはSiとともに酸化皮膜に濃化することで酸化皮膜を強固にする効果があるため、Alは酸化皮膜の剥離を抑制する重要な役割を有している。一方、その含有量が0.30%を超えると、大型のAl系介在物が生成して表面欠陥の原因となる。よって、Alの含有量は0.03〜0.30%の範囲とする。より好ましくは、0.05〜0.30%の範囲である。
Cr:10.0〜13.0%
Crは、不動態皮膜を形成し、ステンレス鋼の耐食性、耐酸化性を確保するうえで必須の元素である。その効果を得るためにはCr含有量を10.0%以上にすることが必要である。また、Crはフェライト安定化元素であり、Cr含有量を減少させることによってマルテンサイト相分率を減少させることができる。したがって、Crはマルテンサイト相分率を調整するために有用な元素である。しかし、Crの含有量が13.0%を超えると、製造コストを上昇させるばかりでなく、十分なマルテンサイト相分率に調整することが困難となる。よって、Cr含有量は、10.0〜13.0%の範囲とする。より好ましくは、10.5〜12.5%である。
Ni:0.1〜2.5%
Niは、Mnと同様に、オーステナイト安定化元素である。また、Niはマルテンサイト相分率の調整に有用な元素である。Niのオーステナイト安定化効果は、Ni含有量を0.1%以上にすることで得られる。しかし、Mn含有量に対してNi含有量が増加すると、マルテンサイト相の硬さが減少し、ステンレス鋼の耐摩耗性が低下する。この観点からは、Niは、本発明では積極的には添加したくない元素である。Ni含有量とMn含有量の関係が2.5×Ni≦Mnを満たすようにNi含有量を調整することが好ましい。また、Ni含有量が2.5%を超えると、マルテンサイト相分率の制御が困難となる。よって、Niの含有量は0.1〜2.5%の範囲とする。より好ましくは、0.3〜1.5%の範囲である。さらに好ましくは、0.5〜1.0%の範囲である。
V:0.005〜0.10%
Vは、窒化物を生成し、マルテンサイト相の硬さを増加させる元素である。VNの生成量の調整によって、マルテンサイト相の硬さを調整できる。その効果はV含有量を0.005%以上にすることで得られる。しかし、V含有量が0.10%を超えると、600℃以下で形成される酸化皮膜にVが濃縮して、ステンレス鋼の耐食性が低下する。よって、Vの含有量は0.005〜0.10%とする。より好ましくは、0.010〜0.06%である。
Nb:0.05〜0.4%
Nbは、鋼中のC、Nと炭化物、窒化物、炭窒化物を生成してCrの炭窒化物等の生成を抑制する効果を有する。これによって、ステンレス鋼の耐食性、特に溶接部の耐食性を向上させることができる。その効果は、Nb含有量を0.05%以上にすることで得られる。さらに、本発明では、マルテンサイト相に微細なNbCが分散することで、マルテンサイト相の硬さが増加する。一方で、Nb含有量が0.4%を超えると、ステンレス鋼の熱間加工性が低下し、熱間圧延の負荷が増大する。また、Nb含有量が0.4%を超えると、熱延板の再結晶温度を上げて、適切なオーステナイト相分率となる温度で焼鈍することが困難になる。よって、Nb含有量は0.05〜0.4%とする。より好ましくは、0.10〜0.3%である。
また、本発明のフェライト−マルテンサイト2相ステンレス鋼は、上記必須成分以外に以下の任意成分を含有してもよい。
Ti:1.0%以下
Tiは、Nbと同様に鋼中のC、NをTiの炭化物、窒化物あるいは炭窒化物として析出固定し、Crの炭窒化物等の生成を抑制する効果を有する。それによって、Tiはステンレス鋼の耐食性、特に溶接部の耐食性を向上させる。その効果はTi含有量を0.005%以上にすることで得られる。しかし、Ti含有量が1.0%を超えると、粗大なTiNの生成が促進され、TiN起因の表面欠陥が引き起こされる。よって、本発明のステンレス鋼がTiを含む場合、Ti含有量は1.0%以下とした。より好ましい範囲は、0.15〜0.3%である。
Cu:1.0%以下
Cuは、耐食性を向上させる元素であり、特に隙間腐食を低減させる元素である。このため、高い耐食性が要求される場合に、本発明のステンレス鋼はCuを含有することが好ましい。しかし、Cu含有量が1.0%を超えると、ステンレス鋼の熱間加工性が低下する。よって、本発明のステンレス鋼がCuを含有する場合には、その含有量の上限を1.0%とする。また、耐食性向上効果を十分に発揮させるためには、Cu含有量を0.03%以上にすることが有効である。より好ましい範囲は、0.03〜0.5%である。
Mo:1.0%以下
Moは、耐食性を向上させる元素である。特に高い耐食性が要求される場合に、本発明のステンレス鋼はMoを含有することが好ましい。耐食性を十分に発揮させるためには、Mo含有量を0.03%以上にすることが有効である。しかし、Mo含有量が1.0%を超えると、ステンレス鋼の冷間での加工性が低下する。また、Mo含有量が1.0%を超えると、熱間圧延での肌荒れが起こり、ステンレス鋼の表面品質が極端に低下する。よって、本発明のステンレス鋼がMoを含有する場合には、その含有量の上限を1.0%とする。より好ましいMo含有量は、0.1〜0.8%である。
W:1.0%以下
Wは、耐食性を向上させる元素である。特に高い耐食性が要求される場合に、本発明のステンレス鋼はWを含有することが好ましい。その効果はW含有量を0.01%以上にすることで得られる。しかし、Wの過剰の含有は、ステンレス鋼の強度を上昇させ、製造性を低下させる。よって、本発明のステンレス鋼がWを含有する場合、W含有量は1.0%以下とした。
Co:0.5%以下
Coは、靭性を向上させる元素である。高い靭性が要求される場合に、本発明のステンレス鋼はCoを含有することが好ましい。その効果はCo含有量を0.01%以上にすることで得られる。しかし、Coの過剰の含有は製造性を低下させる。よって、本発明のステンレス鋼がCoを含有する場合、Co含有量は0.5%以下とした。
Ca:0.01%以下
Caは、連続鋳造の際に発生しやすいTi系介在物析出によるノズルの閉塞を抑制する元素である。その効果はCa含有量を0.0001%以上にすることで得られる。しかし、Ca含有量が過剰になると、水溶性介在物であるCaSが生成し、ステンレス鋼の耐食性が低下する。よって、本発明のステンレス鋼がCaを含有する場合、Ca含有量は0.01%以下とした。
B:0.01%以下
Bは二次加工脆性を改善する元素である。その効果を得るためには、B含有量を0.0003%以上にすることが適当である。しかし、B含有量が過剰になると、固溶強化による延性低下が生じる。よって、本発明のステンレス鋼がBを含有する場合、B含有量は0.01%以下とした。
Mg:0.01%以下
Mgはスラブの等軸晶率を向上させ、加工性の向上に寄与する元素である。その効果は、Mg含有量を0.0003%以上にすることで得られる。しかし、Mg含有量が過剰になると鋼の表面性状が悪化する。よって、本発明のステンレス鋼がMgを含有する場合、Mg含有量は0.01%以下とした。
REM:0.05%以下
REMは耐酸化性を向上して、酸化スケールの形成を抑制する元素である。REMの中でも、特にLa、Ceが有効である。その効果はREM含有量を0.0003%以上にすることで得られる。しかし、REMの過剰の含有は、酸洗性等の製造性を低下させるうえ、製造コストの増大を招く。よってREM含有量は0.05%以下とした。
以上規定した必須成分、任意成分以外の残部はFeおよび不可避的不純物である。不可避的不純物とは、意図的に添加しなくても含まれる成分(不可避不純物)、意図的に添加しても本発明の効果を害さない成分を指す。不可避的不純物の具体例としては、Zn:0.03%以下、Sn:0.3%以下が挙げられる。なお、元素の種類によって、不可避不純物と意図的に添加しても本発明の効果を害さない成分とを区別することはできない。例えば、Snの含有量のうち、一部が不可避不純物として鋼に混入し、それ以外は意図的添加で鋼に含まれる場合がある。この場合、不可避不純物として含有する量と意図的添加で含有する量との合計が0.3%以下であればよい。
また、本発明のステンレス鋼が、意図的に添加しても本発明の効果を害さない成分を含む場合、焼鈍温度におけるフェライト相とオーステナイト相の相バランスを考慮することが重要である。これを考慮することで、ステンレス鋼の鋼組織におけるマルテンサイト相の体積率を5〜60%に調整できる。
次いで、本発明のフェライト−マルテンサイト2相ステンレス鋼の鋼組織について説明する。
マルテンサイト相の体積率が5〜60%
本発明のステンレス鋼はフェライト相の中にマルテンサイト相を分散させたフェライト−マルテンサイトの2相組織である。フェライト相の中にマルテンサイト相を適度に分散させることで、ステンレス鋼の硬さが増加し、物理的衝撃による磨耗を抑制する効果が得られる。その効果はマルテンサイト相の体積率が5%以上で得られる。一方で、マルテンサイト相の体積率が60%を超えると、物理的衝撃によるひずみが表層に集中して酸化と酸化皮膜の剥離を促進する。そのため、高温酸化と磨耗によるステンレス鋼の損傷が顕著となる。したがって、マルテンサイト相の体積率は60%以下が適当である。よって、マルテンサイト相の体積率は5〜60%とする。より好ましくは、10〜50%である。
本発明のステンレス鋼の鋼組織は、フェライト相とマルテンサイト相からなるが、これら以外の相を微量含んでもよい。例えば、オーステナイト相、σ相などを合計の体積率で5%以下含んでもよい。
マルテンサイト相のビッカース硬さが280以上
図2に示したように、フェライト相に分散して存在するマルテンサイト相のビッカース硬さが大きいと磨耗によるステンレス鋼の損傷量が減少する。そのビッカース硬さは280以上が適当である。より好ましくは290以上である。
マルテンサイト相のビッカース硬さはマルテンサイト相に含まれるC、Mn、Niの比率によっておおむね決定される。マルテンサイト相に含まれるC、Mnが多いほどその硬さが増加し、Niが多いほどその硬さは減少する。これはNiの増加によって転位の交差すべりが起こりやすくなるためと考えられる。また、マルテンサイト相に0.5μm以下のVNやNbCなどの析出物が50個/μm以上の密度で分散して存在することで、マルテンサイト相の硬さが増加する。これらのマルテンサイトを硬くする要素によって、マルテンサイト相の硬さが280以上となると、磨耗による損傷を抑制する効果が顕著となる。
なお、フェライト相のビッカース硬さは0.01kgfの押し付け圧力で140〜180が適当である。また、板厚中央部のビッカース硬さ(フェライト相とマルテンサイト相を両方とも含む圧痕で測定した硬さ)は1kgfの押し付け圧力で180〜260が適当である。
次いで、本発明に係るステンレス鋼の製造方法について説明する。
本発明のステンレス鋼の製造方法は、定法に従って行うものであればよく、その製造方法は特に限定されない。高効率に製造することができる方法として、例えば、次の方法が推奨される。先ず、上記成分組成に溶製した鋼を連続鋳造等によりスラブとする。次いで、スラブに熱間圧延を施し熱延コイルとし、これを必要に応じて焼鈍する。次いで、熱延コイルまたは焼鈍後の熱延コイルに対してデスケーリング(ショットブラスト、酸洗等)を施す。最後に、デスケーリング後の熱延コイルに対して冷間圧延、冷延板焼鈍、酸洗を施す。以下、この推奨される方法について詳細に説明する。
スラブの製造
先ず、上記成分組成の溶鋼を、転炉または電気炉等の通常用いられる公知の溶製炉にて溶製した後、真空脱ガス法(RH法)、VOD(Vacuum Oxygen Decarburization)法、AOD(Argon Oxygen Decarburization)法等の公知の精錬方法で精錬し、次いで、連続鋳造法あるいは造塊−分塊法で鋼スラブ(鋼素材)とする。鋳造法は、生産性および品質の観点から連続鋳造が好ましい。また、スラブ厚は、後述する熱間粗圧延での圧下率を確保するために、100mm以上とすることが好ましい。より好ましい範囲は200mm以上である。
熱間圧延
鋼スラブを1100〜1300℃のスラブ加熱温度に加熱した後、熱間圧延して熱延鋼板とする。スラブ加熱温度は、熱延板の肌荒れ防止のためには高いほうが望ましい。しかし、スラブ加熱温度が1300℃を超えるとスラブ垂れが著しくなり、また結晶粒が粗大化して熱延板の靭性が低下する。一方、スラブ加熱温度が1100℃未満では、熱間圧延での負荷が高くなり、熱延での肌荒れが著しくなるうえ、熱延中の再結晶が不十分となり、熱延板の靭性が低下する。熱間圧延では、仕上げ温度が700〜950℃として所望の板厚の熱延板とする。通常、熱延板の板厚は2.0〜8.0mm程度である。
熱延板焼鈍
必要に応じて、熱延板を焼鈍する。熱延板焼鈍の焼鈍温度は700〜850℃が好ましい。上記焼鈍温度が700℃未満では、再結晶が不十分となる場合がある。一方、上記焼鈍温度が850℃を超えると焼鈍温度でオーステナイト単相となり、結晶粒の粗大化が著しく、マルテンサイト相分率が増加してしまう場合がある。この熱延板焼鈍では、いわゆる箱焼鈍により、所定の焼鈍温度で1時間以上保持するのが好ましい。
デスケーリング
熱間圧延により製造した板厚2.0〜8.0mm程度の熱延板は、そのまま、あるいは上記熱延板焼鈍してから酸洗等される。この酸洗等により脱スケールを行うことで熱延板製品が得られる。
冷間圧延
冷延焼鈍板を得るためには、先ず、上記で得られた熱延焼鈍板または熱延板を冷間圧延して冷延板とする。この冷間圧延では、生産上の都合により、必要に応じて中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延を行ってもよい。1回または2回以上の冷間圧延からなる冷延工程の総圧下率を60%以上、好ましくは70%以上とする。
冷延板焼鈍および酸洗
冷延板は、700〜850℃の焼鈍温度で連続焼鈍され、次いで酸洗を施されて、冷延焼鈍板となる。また、用途によっては、冷延焼鈍後に軽度の圧延(スキンパス圧延等)を加えて、ステンレス鋼板の形状、品質調整を行うこともできる。
ステンレス鋼の用途
上記のようにして製造されたステンレス鋼は、溶接により製造される製品の部品として好ましく利用することができる。ここで、溶接とは、TIG、MIGをはじめとするアーク溶接、シーム溶接、スポット溶接等の抵抗溶接、レーザー溶接等、通常の溶接方法を指す。
表1に示す成分組成を有するステンレス鋼を、実験室において真空溶製した。溶製した鋼塊を1200℃に加熱し、熱間圧延により厚み5mmの熱延板とした。得られた熱延板に、700℃で10時間の焼鈍を行った後、ショットブラストおよび酸洗を行ってスケールを除去した。
これらのスケールを除去した熱延板から、20mm×10mmの形状でL断面を採取し、ピクリン酸塩酸により組織を現出させ光学顕微鏡を用いて観察した。現出した組織のうち、ラス状の凹凸のある結晶粒をマルテンサイトと判断して、マルテンサイト相分率を画像処理により求めた。結果を表1に示す。本発明例ではいずれもマルテンサイト相分率が5%〜60%の範囲であった。No.23はMn含有量が本発明で特定する上限を超えるために、マルテンサイト相分率が60%を上回った。No.25はNi含有量が本発明で特定する上限を超えるためにマルテンサイト相分率が60%を上回った。No.26はオーステナイト安定化元素であるMn、Niがともに少なくフェライト安定化元素であるSi、Cr、Alが多いためにマルテンサイト相が生成しなかった。No.27はオーステナイト安定化元素であるMn、Niがともに多く、フェライト安定化元素であるCr、Alが少ないためにマルテンサイト相分率が60%を上回った。
さらに、マルテンサイト相と判断された結晶粒のビッカース硬度を測定した。押し付け圧力は0.01kgfとし、5箇所の測定結果の平均をマルテンサイト相の硬さとして表1に示す。本発明例はいずれもマルテンサイト相硬さが280以上であった。No.28はマルテンサイト相を硬くする元素の含有量が少なく、マルテンサイト相をやわらかくする元素が多かったため、マルテンサイト相硬さが280を下回った。
なお、本願発明のマルテンサイト相分率およびマルテンサイト相硬さを得るためには、フェライト生成元素とオーステナイト生成元素の割合を最適化するために、下記式を満足することが好ましい。
8.0≦Cr+1.5Si+2Nb+2Al―30×(C+N)―Ni―0.5×Mn≦12.0
スケールを除去した熱延板から、50mm×50mmの試験片を採取し、3分間のショットブラストと大気中で300℃、1hrの酸化熱処理を交互に5回繰り返し、試験前後の重量変化を測定した。試験による重量減少を表2に示す。本発明例では、いずれも重量減少が35g/m以下であり、高温酸化と磨耗が同時に起こる環境における耐摩耗性が良好であることがわかる。比較例であるNo.22〜No.28では、成分組成、マルテンサイト相分率、マルテンサイト相の硬さのいずれかひとつ以上が本発明の範囲から外れるため、いずれも重量減少が35g/m超えであり、耐摩耗性が低いことがわかる。
以上の結果より、本発明によれば、高温酸化環境における耐摩耗性に優れたフェライト−マルテンサイト2相ステンレス鋼が得られることが確認できた。
Figure 0006142837
Figure 0006142837
本発明によれば、500℃以下の高温酸化による損傷と物理的な磨耗による損傷が同時に発生する環境で使用される部材、たとえば、加熱された鉱石などを運搬するベルトコンベアーのベルト用材料などに好適な高温酸化環境における耐摩耗性に優れたフェライト-マルテンサイト2相ステンレス鋼が得られる。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C:0.005〜0.030%、
    N:0.005〜0.030%、
    Si:0.10〜1.00%、
    Mn:0.1〜5.0%、
    P:0.04%以下、
    S:0.02%以下、
    Al:0.03〜0.30%、
    Cr:10.0〜13.0%、
    Ni:0.1〜2.5%、
    V:0.005〜0.10%、
    Nb:0.05〜0.4%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有し、
    フェライト相とマルテンサイト相の2相からなる組織を有し、
    前記組織における前記マルテンサイト相の体積率が5〜60%であり、
    前記マルテンサイト相のビッカース硬さが280以上であることを特徴とするフェライト相とマルテンサイト相の2相からなる組織を有するステンレス鋼。
  2. 前記成分組成は、さらに、質量%で、Ti:1.0%以下、Cu:0.32%以下、Mo:0.53%以上1.0%以下、W:1.0%以下およびCo:0.5%以下のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のフェライト相とマルテンサイト相の2相からなる組織を有するステンレス鋼。
  3. 前記成分組成は、さらに、質量%で、Ca:0.01%以下、B:0.01%以下、Mg:0.01%以下およびREM:0.05%以下のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフェライト相とマルテンサイト相の2相からなる組織を有するステンレス鋼。
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