JP2005271000A - 高Ni合金鋼板の製造方法 - Google Patents

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純一 舘野
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道雄 山下
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秀樹 松岡
Kazuhiro Fujiwara
一博 藤原
Toshiaki Ishige
俊朗 石毛
Eiji Maeda
英司 前田
Toshiaki Maruyama
俊明 丸山
Tadakazu Murata
宰一 村田
Yukihiro Baba
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【課題】高Ni合金鋼を製造する際に、熱間圧延後の鋼板内部まで深く入り込んだスケールが残存したり、表面割れ等が発生したりするのを抑制することで、製品品質の向上、および製品歩留まりの向上を図る。
【解決手段】スラブの表面1にショット加工を施した後、加熱炉にて1000℃以上1300℃以下に加熱し、熱間圧延する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高Ni合金鋼板の製造方法に関し、特に、熱間圧延での高Ni合金鋼板の表面欠陥の発生を抑制するための高Ni合金鋼板の製造方法に関する。
Niを20〜85質量%含む高Ni合金鋼は、室温から300℃までの温度域の熱膨張が小さい材料として、ブラウン管用シャドウマスクやICリードフレーム等に広く用いられている。高Ni合金鋼は、電気炉で溶解された後、インゴットの分塊圧延あるいは連続鋳造によりスラブにされ、熱間圧延及び冷間圧延を経て薄板に加工される。近年、生産性向上の観点から、連続鋳造スラブを用い、粗圧延機及び仕上圧延機が直列に配置された連続式の薄板用熱間圧延ミルを用いて熱間圧延を行う方法が指向されつつある。
高Ni合金鋼をインゴッドの分塊圧延あるいは連続鋳造等の方法により製造したスラブの金属組織は、図2に示すような柱状晶組織と呼ばれる細長い組織が表層から中心に向かってスラブ厚方向に伸びるように並んだ組織となっている。ここで、図2は、36質量%のNiを含む高Ni合金鋼の連続鋳造スラブの表層の断面を腐食液で腐食させて粒界を露出させたときの模式図である。1はスラブ表面、2は柱状晶組織の粒界、をそれぞれ指す。
高Ni合金鋼では、この柱状晶組織の粒界に沿ってスラブ厚方向にくさび状に酸化(粒界酸化)が進展しやすく、その結果生ずる酸化物(スケール)が熱間圧延後も鋼板内部まで深く入り込んだ状態で残存する。そのため、酸洗等脱スケールを行ったあとも、スケールが取り切れずに残存して表面欠陥になりやすいという問題があった。また、粒界酸化が進むと、粒界およびその周辺部では不純物の析出が助長されやすいため、熱間圧延時に同部の脆化に伴う表面割れ等が発生しやすいという問題もあった。
このような高Ni合金鋼の熱間圧延での表面欠陥の発生を抑制する方法として、従来より幾つかの方法が提案されている。
特許文献1には、高Ni合金鋼の熱間加工性を向上させる目的でB(硼素)を添加した合金が開示されている。これは、Bは、C、S、P、O、N等の不純物元素の粒界およびその周辺部への析出を抑制する作用があるとともに、自ら粒界や他の欠陥部に優先的に凝集して結晶の核となり、結晶粒の微細化を促進する作用があることに着目してなされたものである。具体的には、Bを0.001〜0.03質量%添加し、あるいは更にTiを0.005〜0.3質量%複合添加することによって、熱間圧延時に表面欠陥が発生するのを抑制している。
特許文献2には、65〜85%Ni合金鋼スラブを熱間圧延するのに際し、長手方向の両端部を除く4面を金属板で包囲して1回目の熱間圧延を行い、次いで、この金属板を除去した後、2回目の熱間圧延を行うプロセスが開示されている。
特許文献3には、Moを0.5質量%以上含む耐火性に優れた鋼種及び厚板40K鋼クラスの2鋼種の場合を対象として例に挙げ、連続鋳造スラブを加熱炉に装入する前に、ショットブラスト装置またはグラインダー装置によってスラブ上の酸化スケールを除去することで、熱間圧延でのスケール疵や残存スケールむらに起因する冷却むらの発生を抑制する技術が開示されている。
特許文献4には、オーステナイト系ステンレス熱延鋼帯に線疵が発生するのを抑制するために、ショットブラスト、研削、切削等によりスラブの表面粗さを調整(平坦化)する方法を開示している。
特開昭60−159157号公報 特開平05−065607号公報 特開平07−148514号公報 特公平05−21642号公報
しかしながら、特許文献1の方法は、Bの添加によって溶製コストの上昇を招くという問題がある。また、製品の用途によっては、BあるいはTiの添加が、要求されている特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
特許文献2の方法は、生産能率が低下するとともに、製造コストの上昇をもたらすという問題がある。
特許文献3の方法は、加熱炉に装入したあと加熱中に新たにスラブ表層に柱状晶組織の粒界に沿ってスラブ厚方向にくさび状に進展するスケール、特に高Ni合金鋼の表面欠陥に対しては、何ら効果がないという問題がある。
特許文献4の方法も、加熱炉に装入したあと加熱中に新たにスラブ表層に柱状晶組織の粒界に沿ってスラブ厚方向にくさび状に進展するスケール、特に高Ni合金鋼の表面欠陥に対しては、何ら効果がないという問題がある。
本発明は、上述のような、従来の高Ni合金鋼板の製造方法の問題に鑑みて成されたもので、本発明の目的は、高Ni合金鋼を製造する際に、熱間圧延後の鋼板内部まで深く入り込んだスケールが残存したり、表面割れ等が発生したりするのを抑制することで、製品品質の向上、および製品歩留まりの向上を図ることにある。
本発明の高Ni合金鋼板の製造方法は、Niを20質量%以上85質量%以下含む高Ni合金鋼板の製造方法であって、スラブの表面にショット加工を施した後、加熱炉にて1000℃以上1300℃以下に加熱し、熱間圧延することを特徴とする。
本発明の方法によれば、連続鋳造スラブの表面にショット加工を施こすことによって、スラブ表層部に加工歪みを付与する。その後、加熱炉にて1000℃以上1300℃以下に加熱することによって、加工歪みを付与された部分の結晶粒が再結晶し微細な結晶粒となる。そのため、従来の柱状晶組織で見られたようなスラブ厚方向にくさび状に進展した粒界酸化や、結晶粒界およびその周辺への不純物の析出が抑制され、熱間圧延後の鋼板内部まで深く入り込んだスケールが残存したり、表面割れ等が発生するのを抑制できる。
本発明の高Ni合金鋼板の製造方法においては、前記ショット加工の条件として、平均粒径が0.5mm以上で6mm以下の金属粒体を用いて、投射速度を10m/s以上、カバレージ100%以上とするのが特に好ましい。
本発明によれば、高Ni合金鋼板を製造する際に、熱間圧延後の鋼板内部まで深く入り込んだスケールが残存したり、表面割れ等が発生したりするのを抑制することができる。これによって、製品品質の向上、および製品歩留まりの向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
背景技術の項において述べた如く、高Ni合金鋼板の製造に際して、連続鋳造されたスラブの表層部での、スラブ厚方向のくさび状の粒界酸化の進展や、粒界およびその周辺への不純物の析出により、熱延圧延後の鋼板内部まで深く入り込んだスケールが残存したり、表面割れが発生したりし易い。
発明者らは、高Ni合金鋼板の製造において、熱延圧延後の鋼板内部まで深く入り込んだスケールが残存したり、表面割れ等の発生を抑制するためには、連続鋳造スラブの表層にショット加工により加工歪みを付与した後、加熱炉で加熱して、図3に示すように表層部分を再結晶、微細化してから、熱間圧延することが極めて有効であることを見いだし、本発明を完成させた。図3において、3は再結晶組織の粒界を指す。
図3は、36質量%のNiを含み、残部実質的にFeからなる高Ni合金鋼の連続鋳造スラブの表層にショット加工を施して加工歪みを付与した後、加熱炉で加熱したスラブの表層の断面を腐食液で腐食させて結晶粒界を露出させたときの模式図である。ここで行ったショット加工の条件であるが、平均粒径が1mmの鋳鉄ショット粒を用いて、エアー噴射方式のショット装置により、投射速度10m/s、カバレージ100%で行った。カバレージの定義については後述する。加熱温度は、1170℃とした。
図3において、表層部分では柱状晶組織が微細化された再結晶組織となっている。3は再結晶組織の粒界であり、従来の柱状晶組織で見られたような結晶粒界に沿ってスラブ厚方向にくさび状に酸化が進展するのが抑制されるようになった。
このように、くさび状の粒界酸化の進展が抑制されるようになったことで、不純物の析出も助長されなくなり、熱間圧延後の鋼板内部まで深く入り込んだスケールが残存したり、表面割れが発生したりするのを抑制できる。
再結晶のための加熱温度は、600℃以上あれば十分であるが、温度が低いと高Ni合金鋼の変形抵抗が大きくなって熱間圧延での負荷が増大するので、下限を1000℃とした。また、上限は、加熱エネルギーが過大になるのを防止する観点から1300℃とした。この温度範囲に加熱すると、熱間圧延あるいはその後の常温への冷却過程で再結晶は必ず起こる。
発明者らは、ショット加工の条件について鋭意検討を行ったところ、ショット加工を行ったスラブ表層部分の再結晶を促進するためには、以下に述べるような条件とすることが好適であることを見いだした。
図1に、ショット粒の平均粒径、ショット粒の投射速度と加工歪みの導入深さの関係を示す。ここで、加工歪みの導入深さとは、スラブ表面からどれだけの深さまでショットによる加工歪みが付加されたかの値で、その測定方法として、ショット加工前後のスラブについて、それぞれ表層部分の断面のビッカース硬度を測定し、加工硬化した部分を歪みが導入された部分とみなしスラブ表面からの深さを測定する方法や、ショット加工後のスラブを加熱し、顕微鏡組織観察にて再結晶したと認められる部分を歪みが導入された部分とみなしスラブ表面からの深さを測定する方法等があり、ここでは後者の方法で評価した。なお、顕微鏡視野中、スラブ表面の一番突出した部分から再結晶部分の一番底まで、すなわち図3中に示すδを以って、加工歪みの導入深さとした。
加工歪みの導入深さδが深いほど、加熱後に再結晶する部分の深さが深くなるため、くさび状の粒界酸化や不純物の偏析の抑制には有利に作用する。
発明者らは、加工歪みの導入深さと高Ni合金鋼の熱間圧延での表面欠陥の発生との関係を調べたところ、歪みの導入深さが10μm未満では表面欠陥の発生抑制に殆んど効果が無く、10μm以上であれば効果が発現し、100μm以上であれば極めて大きな効果が現れるという知見を得た。図1において、加工歪みの導入深さが10μm未満の場合を×印、10μm以上100μm未満の場合を○印、100μm以上の場合を◎印として示している。
図1より、ショット粒径が0.5mm以上であれば加工歪みの導入深さは10μm以上確保でき、また投射速度が10m/s以上であれば歪みの導入深さは10μm以上確保でき、更にショット粒(金属粒体)の平均粒径が0.5mm以上でかつ投射速度が10m/s以上であれば、歪みの導入深さは100μm以上となることがわかる。したがって、ショット粒径は0.5mm以上、投射速度は10m/s以上とすることが好ましい。ここで、ショット粒の平均粒径を大きくするほどショット投射装置を大型化する必要が生ずるため、ショット粒の平均粒径の上限は6mmが実用上好ましい。また、投射速度の上限は特に規定しないが、実用的なショット投射装置での最高投射速度からすると150m/sとするのが好ましい。
またカバレージとは、ショット加工の強さを示す指標であり、加工対象面積(ショットを当てたい全表面積)に対するショット粒の投射痕面積(ショットされてくぼみが生じた部分の元表面積の総和)の比により定義されるもので、投射時間の関数で表される。くぼみが生じた部分の元表面積は、スラブ表面に垂直な方向から写真撮影あるいは録画した画像上、くぼみが生じた部分の元表面積を測定する。カバレージ100%とは対象材の長手方向の両端部を除く4面全面にショット加工を施した状態をいう。本発明では、高Ni合金鋼スラブの長手方向の両端部を除く4面全面に対してショット加工を要することから、カバレージは100%以上とすることが好ましい。カバレージの上限は特に規定しないが、200%とすれば十分であり、これを超えても効果は飽和し、ショット加工に要するコストが増大する。このため、カバレージは200%以下とするのが好ましい。なお、カバレージ200%とは、カバレージ100%に達する時間の2倍だけショット加工を施した状態をさす。
高Ni合金鋼スラブにショット加工を施すのは、連続鋳造したままの状態のスラブでも良いし、グラインダーやフライス加工によって表面を研削したあとのスラブでも良い。
図1から図3の関係は、36質量%のNiを含み、残部実質的にFeからなる高Ni合金鋼に限らず、Niを20〜85質量%含む次に述べるような高Ni合金鋼について成り立つことが、ここに示さない別途の実験により確認されている。
それらの高合金鋼は、表1に示すような主にICリードフレームに用いられる42質量%のNiを含む高Ni合金鋼(鋼種No.1とする)、表2に示すような主にバイメタルに用いられる20質量%のNiを含む高Ni合金鋼(鋼種No.2とする)、表3に示すような主に磁気シールド等の電子材料に用いられる85質量%のNiを含む高Ni合金鋼(鋼種No.3とする)、表4に示すような主にブラウン管用シャドウマスク等に用いられる36質量%のNiを含む高Ni合金鋼(鋼種No.4とする)などである。
Figure 2005271000
Figure 2005271000
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Figure 2005271000
本発明を、表1〜4に示す化学組成(質量%)を有する高Ni合金鋼の連続鋳造スラブを熱間圧延して高Ni合金鋼板を製造するに際して適用した実施例について以下に説明する。
連続鋳造スラブの寸法は厚さ250mm、幅1000mm、スラブ長さは6mである。表5に、実施例および比較例について、連続鋳造スラブの厚さ、前処理(手入れの有無)、ショット加工の条件、熱間圧延の条件、および表面欠陥の評価結果を示す。
Figure 2005271000
前処理(手入れ)とは、連続鋳造時に生じたスラブ表面の欠陥の除去を目的に、スラブ表層を軽く研削することである。ショット加工は、図4に示すような方法により行った。図4において、4はスラブであり幅方向断面を示しており、5はショット投射ノズル、6はショット粒である。ショット投射ノズル5は、スラブ4の上下面および左右の側面にショット粒6が投射されるように配置されており、スラブを長手方向に移動させながら、スラブ長手方向の両端部を除く4面全面にショット加工を施すものである。ショット投射の方式は、エアー噴射方式である。なお、ショット粒には、鋳鉄ショット粒を使用した。
本ショット方法で、カバレージを100%とするための加工時間を調査したところ、スラブの長手方向への移動速度を毎分3mとして、6mのスラブ長に対しては2分間を要することがわかった。熱間圧延は、2スタンドの粗圧延機(長手方向圧延用)及び7スタンドの仕上圧延機(長手方向圧延用)を備えた連続式の薄板用熱間圧延ミルで行った。
実施例1〜6では、表4(鋼種No.4)に示す化学組成(質量%)を有する高Ni合金鋼の厚さ250mmの連続鋳造スラブを用いた。
実施例1では、前処理(手入れ)なしで、ショット加工の条件として平均粒径0.5mm、投射速度10m/s、カバレージ100%でショット加工を施したのち、1170℃に加熱し、仕上げ厚3.5mmまで熱間圧延を行った。
実施例2では、前処理(手入れ)なしで、ショット加工の条件として平均粒径1.0mm、投射速度10m/s、カバレージ100%でショット加工を施したのち、1170℃に加熱し、仕上げ厚3.5mmまで熱間圧延を行った。
実施例3では、前処理(手入れ)なしで、ショット加工の条件として平均粒径0.5mm、投射速度45m/s、カバレージ100%でショット加工を施したのち、1170℃に加熱し、仕上げ厚3.5mmまで熱間圧延を行った。
実施例4では、前処理(手入れ)なしで、ショット加工の条件として平均粒径0.5mm、投射速度10m/s、カバレージ200%でショット加工を施したのち、1170℃に加熱し、仕上げ厚3.5mmまで熱間圧延を行った。
実施例5では、前処理としてグラインダーで手入れを施し、ショット加工の条件として平均粒径0.5mm、投射速度10m/s、カバレージ100%でショット加工を施したのち、1170℃に加熱し、仕上げ厚3.5mmまで熱間圧延を行った。なお、グラインダー手入れによる研削量は、長手方向の両端部を除く4面全面とも深さ2.5mmであり、前処理(手入れ)後のスラブ厚は245mmであった。
実施例6では、前処理(手入れ)なしで、ショット加工の条件として平均粒径0.5mm、投射速度10m/s、カバレージ100%でショット加工を施したのち、1000℃に加熱し、仕上げ厚3.5mmまで熱間圧延を行った。
実施例7では、表1(鋼種No.1)に示す化学組成(質量%)を有する高Ni合金鋼の厚さ260mmの連続鋳造スラブを用いて、前処理(手入れ)なしで、ショット加工の条件として平均粒径0.5mm、投射速度10m/s、カバレージ100%でショット加工を施したのち、1300℃に加熱し、仕上げ厚3.5mmまで熱間圧延を行った。
実施例8では、表2(鋼種No.2)に示す化学組成(質量%)を有する高Ni合金鋼の厚さ200mmの連続鋳造スラブを用いて、前処理(手入れ)なしで、ショット加工の条件として平均粒径0.5mm、投射速度10m/s、カバレージ100%でショット加工を施したのち、1300℃に加熱し、仕上げ厚3.0mmまで熱間圧延を行った。
実施例9では、表3(鋼種No.3)に示す化学組成(質量%)を有する高Ni合金鋼の厚さ200mmの連続鋳造スラブを用いて、前処理(手入れ)なしで、ショット加工の条件として平均粒径0.5mm、投射速度10m/s、カバレージ100%でショット加工を施したのち、1300℃に加熱し、仕上げ厚3.0mmまで熱間圧延を行った。
一方、比較例1では、表4(鋼種No.4)に示す化学組成(質量%)を有する高Ni合金鋼の厚さ250mmの連続鋳造スラブを用いて、前処理(手入れ)なしで、ショット加工を施さずに、1170℃に加熱し、仕上げ厚3.5mmまで熱間圧延を行った。
比較例2では、表4(鋼種No.4)に示す化学組成(質量%)を有する高Ni合金鋼の厚さ250mmの連続鋳造スラブを用いて、前処理(手入れ)なしで、ショット加工の条件として平均粒径0.4mm、投射速度9m/s、カバレージ100%でショット加工を施したのち、1170℃に加熱し、仕上げ厚3.5mmまで熱間圧延を行った。
比較例3では、ショット加工の条件として平均粒径0.5mm、投射速度10m/s、カバレージ80%でショット加工を施し、それ以外は比較例2と同じ条件とした。
仕上圧延後、熱間圧延して巻き取った高Ni合金鋼帯の表面欠陥の評価は、表面を酸洗いしてスケールを除去した後、長手方向100mm当りの欠陥発生数で評価した。長手方向100mm当りの平均欠陥数が1個未満を良好(○印)、1個以上の場合を不良(×印)とした。実施例1〜9では、いずれでも表面欠陥の評価は良好(○印)であったが、比較例1〜3では不良(×印)であった。
なお、以上説明した実施例中の平均粒径は、粒度分布をレーザー回折式粒度分布計(島津製作所製、レーザー回折式粒度分布測定装置 SALD−2100)で測定し、その積算分布が体積百分率で50%となる粒子径としている。
ショット粒の平均粒径、ショット粒の投射速度と加工歪みの導入深さの関係を示す図 高Ni合金鋼の連続鋳造スラブの金属組織 高Ni合金鋼の連続鋳造スラブの表層にショット加工により加工歪みを付与した後、加熱炉で加熱した後の金属組織 本発明の実施例におけるショット加工の方法を示す図
符号の説明
1…スラブ表面
2…柱状晶組織の粒界
3…再結晶組織の粒界
4…スラブ
5…ショット投射ノズル
6…ショット粒

Claims (2)

  1. Niを20質量%以上85質量%以下含む高Ni合金鋼板の製造方法において、スラブの表面にショット加工を施した後、加熱炉にて1000℃以上1300℃以下に加熱し、熱間圧延することを特徴とする高Ni合金鋼板の製造方法。
  2. 前記ショット加工を、平均粒径が0.5mm以上で6mm以下の金属粒体を用いて、投射速度が10m/s以上、カバレージ100%以上で行うことを特徴とする請求項1に記載の高Ni合金鋼板の製造方法。
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