JP5037203B2 - 溶接熱影響部の靭性に優れる降伏応力470MPa以上引張強さ570MPa以上の高強度鋼材の製造方法 - Google Patents

溶接熱影響部の靭性に優れる降伏応力470MPa以上引張強さ570MPa以上の高強度鋼材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、建築、造船、橋梁、及び土木等の各分野に用いられる、溶接熱影響部の靭性に優れる降伏応力470MPa以上引張強さ570MPa以上の高強度鋼材の製造方法に関するものである。
近年、船舶や建築物等の鋼構造物の大型化に伴い、使用される鋼材の高強度化が進行している。高強度鋼材を使用することで、鋼材の使用量を減らすことができるため、構造物内の空間の拡大や重量の低減といったメリットが得られる。
従来、高強度鋼材を製造するにあたっては、実機製造を行う上で安定的に強度と靭性を得るために、熱間圧延、加速冷却、及び焼戻し熱処理を組合せたプロセスにて製造するのが一般的である。例えば、特許文献1、2及び3には、鋼板を熱間圧延後、オンラインで焼入れを行い、さらにオフラインで焼戻し熱処理を行う技術が示されている。しかし、オフラインの焼戻し熱処理を行うことは一般に製造時間の増大を招き、生産性の低下が問題となる。
そのため、高強度鋼材の生産性の向上を目的として、これまでに様々な技術開発がなされている。例えば、特許文献4及び5には、焼戻し熱処理を行うための加熱炉に誘導加熱方式を用いることで、熱処理時間を短縮し生産性を向上させる技術が示されている。
また、生産性向上のために、焼戻し熱処理自体を省略する製造プロセスの開発も行われており、熱間圧延ままで高強度鋼板を製造する方法等が開発されている。例えば、特許文献7には、Cを0.10〜0.20%、Siを0.01〜0.20%含む鋼を、1200〜1300℃に加熱後、950℃以上の仕上温度で熱間圧延する製造方法が開示されている。また、特許文献8には、Cを0.10〜0.20%、Siを0.03〜0.60%含む鋼を、1100〜1250℃に加熱後、Ar1+10〜Ar3−10℃の温度範囲での累積圧下率が16〜30%、仕上圧延温度が(Ar1+30)±20℃となるように熱間圧延する技術が開示されている。加えて、特許文献9には、Cを0.03%〜0.20%、Siを0.10%〜0.60%含む鋼を加熱後、800℃以下での全圧下量を5〜15mmとして、且つ仕上圧延温度をAr3点以下となるように熱間圧延を行う技術が開示されている。
さらに、鋼板を熱間圧延後にオンラインで加速冷却を行い、焼入れままで高強度鋼板を製造する方法も開発されている。例えば、特許文献10及び11には、Cを0.001〜0.03%、Siを0.60%以下含む鋼をAc3点〜1350℃に加熱後、800℃以上且つAr3点以上で熱間圧延を行い、その後加速冷却を行う技術が開示されている。また、特許文献12には、Cを0.005%〜0.03%含む鋼を1100〜1350℃に加熱後、Ar3点以上で熱間圧延を行い、その後加速冷却を行う技術が開示されている。さらに、特許文献13には、Cを0.005〜0.030%、Siを0.05〜0.50%含む鋼を、1000〜1300℃に加熱後、950度以下の温度域における累積圧下率を30%以上、圧延終了温度を750℃以上とする熱間圧延を施し、その後450℃以下まで加速冷却を行う技術が開示されている。また、特許文献14には、Cを0.03〜0.07%、Siを0.1〜0.6%含む鋼を、Nb、Ti、C及びNの各含有量から決まる温度以上、1300℃以下に加熱し、1020℃未満、920℃超の範囲で累積圧下率15%以下、920℃以下、860℃以上の範囲での累積圧下率を20%以上、50%以下となるように熱間圧延を行い、加速冷却を、冷却速度が2〜30℃/秒で800℃以上から開始し、700℃以下、600℃以上までで終了し、その後0.4℃/秒以下の冷却速度で冷却する技術が開示されている。
特開昭52−081014号公報 特開昭63−033521号公報 特開平02−205627号公報 特開2002−317227号公報 特開2003−082412号公報 特許第2776174号公報 特開平10−219390号公報 特開平08−188823号公報 特開平05−171271号公報 特開平08−144019号公報 特開平11−269602号公報 特開2003−147477号公報 特開2004−232056号公報 特開2005−126819号公報
しかしながら、上記の特許文献1、2及び3に記載の方法では、鋼板の製造過程においてオフラインでの焼戻し熱処理が必要であり、そのために生産性の低下が避けられない。
また、特許文献4及び5に記載の方法では、誘導加熱によるオンラインでの焼戻しを行うために、強度範囲によらず生産性向上が図れる点において有利であるが、紹介されている誘導加熱炉の導入に非常に大きな設備投資が必要である。
また、特許文献6では、強度確保のために、C量が規定で0.01〜0.20%、さらに実施例では0.04〜0.18%となっており、C量が多いために、加速冷却の冷却速度や停止温度の変化により鋼材の強度が大きく変動すると考えられる。また、加速冷却の停止温度も450〜540℃という狭い範囲に限定しており、実機における製造プロセスには適用し難いという問題がある。
また、特許文献7では、熱間圧延ままで製造するため、実機における製造安定性という点では有利であるが、C量が0.10%以上と規定されており、大入熱溶接を適用した際の溶接熱影響部の靭性が厳しくなることや、焼戻し熱処理を行わない場合は母材中に生成する島状MA(Martensite-Austenite constituent)のために降伏応力(YS)が低くなるという問題点がある。
また、特許文献8及び9でも、熱間圧延ままで製造するため、実機における製造安定性という点では有利であるが、Ar3点以下の2相域での仕上圧延となっており、且つ、特許文献8ではC量が0.03%以上、特許文献9ではC量が0.10%以上と規定されており、Ar3点を下げているために、仕上圧延を行うまでに鋼板の温度低下を待つ時間が長くなり、生産性の向上という点で問題が残る。
また、特許文献10では、極低C且つ極低Siの成分系で、高い降伏点を有する400MPa級以上の鋼の製造法が開示されている。しかし、実施例を見る限り、500MPa級以下の鋼材に関しては焼戻し熱処理を用いない非調質製造法にて製造が可能となっているが、本発明が目的とする570MPa級以上の鋼材に関しては、析出強化を得るための等温保持もしくは焼戻し熱処理が付加されており、生産性が高いとは言えない。さらに、実施例を見る限りAlの添加量が0.023%以上となっており、本発明者らの検討によれば、この多量のAlの添加が母材中の島状MAの生成を助長しYSの低下を招くため、特に570MPa級の鋼材を加速冷却ままで製造するには最適化されていないことが分かる。
また、特許文献11では、極低C且つ極低Siの成分系で、高い降伏点を有する400MPa級以上の鋼の製造方法が開示されている。しかし、実施例を見る限り、500MPa級以下の鋼材に関しては焼戻し熱処理を用いない非調質製造法にて製造が可能となっているが、本発明が目的とする570MPa級以上の鋼材に関しては、析出強化を得るための等温保持もしくは焼戻し熱処理が付加されており、生産性が高いとは言えない。
また、特許文献12及び13では、Siが0.05%以上、Alが0.01%以上と規定されており、焼入れままの製造方法では島状MAの生成量が多くなりYSが低くなるという問題点がある。
また、特許文献14では、Nbの析出強化を積極的に用いることで、加速冷却の停止温度に対する引張強さ(TS)の変動を抑制する技術が示されているが、Nbの析出強化を強く利用するために、加速冷却の停止温度を600℃以上、700℃以下の狭い範囲に制限している。
そこで、本発明は、上記の問題点を有利に解決することのできる、溶接熱影響部の靭性に優れる降伏応力470MPa以上引張強さ570MPa以上の高強度鋼材の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋼板に加速冷却を行った後に焼戻し熱処理を行わない非調質製造方法で、実機における各種製造条件の不可避的な変動を考慮しても、充分に高い安定性において、YSが500MPa以上、TSが570MPa以上、720MPa以下という、高い降伏比を持つ高強度鋼材を製造する方法に関して、実験と解析を通して研究開発を重ねた。その結果、加速冷却ままの非調質製造方法にて、各種合金元素とその組合せがYS及びTSに与える影響を抽出して明確化し、従来の高強度鋼の非調質製造方法に比べて、実機における製造安定性を格段に向上させるための知見を得た。
一般に、570MPa級以上の高強度鋼材を非調質の製造法では、鋼の焼入れ性を高めることを狙って合金元素の成分設計を行う。しかし、加速冷却を途中停止する製造方法においては、焼入れ性を高める合金元素は母材中の島状MAの生成を促進する傾向があり、それによりYSが低下するという問題がある。また、焼入れ性を高める合金元素の無差別の添加は、TSの加速冷却の停止温度への依存性を高めるという問題もある。
これらの問題を解決できない場合、TSが570MPa級以上の鋼材製品を製造するにあたり、TS及びYSを目標とする範囲内に収めるためには、加速冷却の停止温度を非常に狭く取らなくてはならないという問題が生じ、実機製造の際の安定性が失われることとなる。
従来、TS及びYSの加速冷却の冷却速度や停止温度の依存性を低減するための方法として、特許文献11に開示されているように0.03%以下の極低C成分系を採用し、鋼材組織をベイナイト単相とする技術が提案されてきた。本発明者らは、この極低C成分系を採用することで、特に500MPa以上の高いYSを確保しつつ570MPa級の高強度鋼材を安定的に製造するための条件について、各種合金元素の組合せや熱間圧延の条件がもたらす効果に関して、実験を繰り返し詳細に検討を重ねた。
極低C成分系においてTSの570MPa以上という水準を確保するためには、Si、Mn、Mo、Nb、Ni、Cu、Cr、TiまたはB等、各種合金元素を積極的に添加する必要がある。本発明者らは、実験により各種合金元素とその組合せがTSとYSに与える影響を詳細に調査した結果、これら各種合金元素を無差別に添加することにより、極低C成分系であっても、加速冷却の冷却速度や停止温度がTSに与える影響が大きくなることを見出した
本発明者らは、特にC0.030%未満、Nb0.02%以上、B0.0005%以上、且つMo0.05%以上もしくはW0.05%以上、という組合せを採用することで、加速冷却条件がTSに与える影響を極小化できることを実験により見出した。この結果、鋼板の板厚方向の1/4位置と1/2位置のTSの差も5%以下と著しく小さくできることも分かった。
また、単独の添加ではTSの加速冷却条件の依存性を大きくしたMn、Cr、Niについても、このC0.030%未満、Nb0.02%以上、B0.0005%以上、且つMo0.05%以上もしくはW0.05%以上、という組合せと併用することによりTSの加速冷却条件の依存性が従来想定されていない以上に小さくなり、本発明の目的である高強度鋼の製造安定性を損なわなくなることが分かった。
さらに、本発明の目的である、YSが470MPa以上、TSが570MPa以上という、高強度鋼材の安定性の高い製造方法を実現するためには、以上のようなTSに関する追求だけでは不充分であり、YSの安定確保についても検討を重ねる必要があった。
一般に、加速冷却を途中停止するような非調質製造方法で製造された鋼材は、焼戻し熱処理を適用した鋼に比べてTSの水準の割にYSが低くなる傾向があり、そのために、非調質製造方法は、降伏比の低い高強度鋼の製造方法として研究されることが多い。本発明者らは、本発明の目的であるYS470MPa以上の高強度鋼材の、生産性が高く且つ安定性の高い製造方法を実現するため、各種合金元素、熱間圧延条件、加速冷却条件がYSに影響を与える影響についても、実験を繰り返し抽出した。その結果、前述のC0.030%未満、Nb0.02%以上、B0.0005%以上、且つMo0.05%以上もしくはW0.05%以上、という成分系は470MPa以上のYSを確保する目的においても非常に有利であるが、さらに、島状MA量を低減するために、多くの鋼材で強度と靭性の確保の観点から積極的に添加されているSiとAlの添加量を抑えることが有効であることを知見した。
また、以上のTSとYSに関する知見から得られた成分系を採用することにより、入熱10kJ/mmに相当する大入熱溶接を施した際の溶接熱影響部の靭性も著しく改善されることが判明した。これは、上述のTSが冷却条件から受ける影響を抑えたことにより、溶接熱影響部の硬さが極めて均一なベイナイト組織となることや、母材のYS低下を防ぐためにMA量を低減させたことが溶接熱影響部の靭性向上の点でも有利になったためと推察される。
さらに、本発明の成分系では、溶接割れ感受性を表すPCMが0.20以下と低い水準になっており、低温環境での溶接割れも問題にならない水準となっている。
本発明者らは、このように、570MPa級の高強度鋼材において、必要な特性を満足するための具体的要件を実験により明らかにし、さらに鋭意検討して本発明を成したものであり、その要旨は以下に述べる通りである。
(1) 質量%で、C:0.005%以上、0.030%未満、Si:0.05%未満、Mn:1.5%以上、2.5%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Nb:0.02%以上、0.08%以下、Ti:0.005%以上、0.030%以下、B:0.0005%以上、0.0020%以下、Al:0.001%以上、0.01%以下、N:0.001%以上、0.007%以下を含有し、さらに、Mo:0.05%以上、0.5%以下、W:0.05%以上、0.5%以下の内の1種または2種を含有し、下記式1で表される溶接割れ感受性指数PCMが0.20以下であり、下記式2で表されるTiとNの量の関係を満たし、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼片を、1000℃以上、1250℃以下に加熱し、その後圧延するにあたり、1020℃以下、920℃超における累積圧下率が60%未満で、920℃以下、Ar3点超での累積圧下率が30%以上となるように圧延し、圧延終了後、550℃未満、300℃以上の温度域まで冷却速度1℃/秒以上の加速冷却を行い、その後放冷することを特徴とする、溶接熱影響部の靭性に優れる降伏応力470MPa以上引張強さ570MPa以上の高強度鋼材の製造方法。
なお、式1及び式2中の[ ]は各合金元素の添加量を質量%で表したものであり、以降も同様である。
式1: PCM=[C]+[Si]/30+[Mn]/20+[Cu]/20+[Ni]/60+[Cr]/20+[Mo]/15+[V]/10+5[B]
式2:[B]/10.8≧[N]/14.0−[Ti]/47.9
(2) さらに、質量%で、Cr:0.01%以上、0.3%未満、Cu:0.01%以上、1.0%以下、Ni:0.01%以上、1.0%以下の内の1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)に記載の溶接熱影響部の靭性に優れる降伏応力470MPa以上引張強さ570MPa以上の高強度鋼材の製造方法。
(3) さらに、質量%で、Ca:0.001〜0.010%、Mg:0.001〜0.010%、Zr:0.001〜0.010%、Hf:0.001〜0.010%、REM:0.001〜0.010%の内の1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の溶接熱影響部の靭性に優れる降伏応力470MPa以上引張強さ570MPa以上の高強度鋼材の製造方法。
本発明によれば、靭性に優れる引張強さ570MPa級の高強度鋼板を、合金元素の少ない経済的成分系と生産性の高い非調質の製造方法にて得ることが可能となる。また、本発明は、実機における様々な不可避的な製造条件の変動に対しても従来に無い水準で安定的に品質が確保できる製造方法であり、その産業上の寄与は極めて大きい。
以下に、本発明における成分組成と圧延条件の限定理由について述べる。
まず、本発明においては、先に述べたように、570MPa級の高強度鋼を製造するにあたり、鋼材の組織強化と析出強化を有効に活用し、実機で想定される製造条件の大きな変化に対しても安定的に製造可能であることを実現したものであり、熱間圧延と加速冷却の条件に合わせて各種合金元素とその添加量の組合せを限定していることが特徴である。
まず、本発明における熱間圧延条件と加速冷却の条件について述べる。
本発明では、焼戻し熱処理を行わない非調質製造方法においても析出強化を利用するため、フェライト及びベイナイト中での析出が最も速いNbとTiを析出強化元素として利用する。この圧延段階でのNbとTiの析出は圧延歪によって促進される。しかし、高温のオーステナイト中での圧延中にNb、Tiの析出が起こると、これら析出物は急速に粗大化し、鋼板製造後の強度上昇には寄与しない無駄な析出となることが、特許文献14により明らかにされている。従って、このオーステナイト中での粗大析出によるロスを最小限に抑えるためには、920℃超、1020℃以下の温度範囲での圧延を極力行わないことが好ましい。
しかし、本発明では、製造安定性の向上のために特許文献7よりCの成分範囲を低く制限しており、そのためにオーステナイト中でのNb,Tiの析出が抑制されている。この結果、920℃超、1020℃以下での累積圧下量の制限を60%未満と規定する。
920℃以下での圧延に関しては、Ar3点より高い温度範囲で行い、可能な限り圧下率を大きく取ることがYSの確保の観点から有効である。一般に、焼戻し熱処理を省略する製造方法ではTSの水準のわりにYSが低くなる傾向があり、これを補うためにも30%以上の圧下が必要である。
圧延終了後の加速冷却に関しては、ベイナイト変態による強度上昇効果を得るために1℃/秒以上の冷却速度を必要とする。
加速冷却の停止温度が300℃を下回ると、鋼材の厚さ方向の1/4の位置において組織中のマルテンサイト分率が増えることで、その結果鋼材中の可動転位の密度が増加し降伏強度が低下するので、加速冷却の停止温度は300℃以上と規定する。また、加速冷却の停止温度が550℃以上となると、鋼材中に島状MAが多量に生成し、特に鋼材の厚さ方向の1/2の位置においてYSが著しく低下するために、加速冷却の停止温度を550℃未満に規定する。
以下に、本発明における成分組成の限定理由について述べる。
Cは、鋼の組織強化に不可欠な元素であり0.005%以上の添加を行うが、本発明においては、鋼材の強度の加速冷却の停止温度への依存性の低減、溶接部HAZ靭性の向上、及び、オーステナイト中におけるNbの粗大析出の抑制、のために、添加量を0.030%未満に抑える必要がある。なお、C添加量を0.005%未満に抑えると、Nb、Ti等の他の合金元素と形成する炭化物の析出量が減少したり、オーステナイト中における固溶C量が極端に減少することで加速冷却時の組織強化が著しく小さくなり強度が低下するために、0.005%以上の添加が必要である。
Siは、強度上昇に有効な元素であるが、本発明においては、加速冷却の停止温度が500〜600℃の領域においてYSを低下させる残留MAの生成を助長し、且つ、溶接時の熱影響部においては、靭性を低下させる島状MAを生成させるために、添加する場合にはその量を0.05%未満に抑制する必要がある。望ましくは積極的に添加せず、不可避不純物レベルとする。
Mnは、強度上昇に有効な元素であり、1.5%以上の添加を行うが、2.5%超の添加では溶接熱影響部の靭性が低下するため、添加量を2.5%以下に限定する。
Pは、多量の添加により靭性を低下させるために、0.03%以下に限定する。望ましくは不可避不純物レベルとする。
Sは、多量の添加により靭性を低下させるために、0.01%以下に限定する。望ましくは不可避不純物レベルとする。
Nbは、フェライトまたはベイナイト中での析出が速く、非調質の製造法においても析出強化を得るために重要な元素であり、また、組織の細粒化や組織強化にも寄与するために、0.02%以上の添加を行うが、0.08%を超える添加では溶接熱影響部の靭性を著しく低下させるために、0.08%以下に限定する。
Alは、脱酸及び加速冷却前のオーステナイト粒径の細粒化等に有効な元素であり、0.001%以上の添加を行うが、本発明においては、Siの場合と同様に、母材においてはYSを低下させる島状MAの生成を助長し、且つ、溶接時の熱影響部においては、靭性を低下させる島状MAの生成を助長するため、添加量を0.01%以下に制限する。
Nは、NbやTiと結合して、オーステナイト粒の微細化や、フェライトまたはベイナイト中での析出強化に有効な元素であるために0.0001%以上を添加するが、過剰な添加は固溶N量を増加させ母材及び溶接熱影響部の靭性を低下させるので、添加量を0.007%以下に限定する。
Tiは、フェライトまたはベイナイト中での析出が速いために、非調質の製造法においても析出強化を得るために重要な元素であり、組織の細粒化にも寄与し、また、鋼中のNやOと結合し靭性を向上させるため、0.005%以上の添加が必要である。しかし、0.02%を超える添加では溶接熱影響部の靭性を著しく低下させるために、0.030%以下に限定する。さらに、本発明においてはNと結合しないBを確保することが必要であり、そのために、Nと結合させる目的でTiを利用するため、式2に表されるようにN量と連動してTi添加量を制限する必要がある。
式2:[B]/10.8≧[N]/14.0−[Ti]/47.9
Bは、本発明の成分系と圧延・冷却方法において、組織強化による強度上昇に極めて有効であり、また、溶接熱影響部の旧オーステナイト粒界上に生成するフェライトの生成の抑制やNb,Ti等の析出物を微細化を通じて靭性を著しく向上させる効果を持つため、0.0005%以上の添加を行う。しかし0.0020%を超える過剰なBは溶接熱影響部の靭性を劣化させることから、上限を0.0020%に制限する。
Moは、組織強化による強度上昇に有効であり、また、本発明の成分系においては、0.05%以上の添加を行うことで、母材強度の加速冷却の停止温度依存性が著しく小さくなり、さらに、母材強度の熱間圧延温度の依存性や、母材強度の熱間圧延後の加速冷却開始待ち時間の依存性も著しく小さくなる等、実機における製造安定性が飛躍的に向上する効果が得られる。これらの効果を得るためには0.05%以上の添加が必要であるが、0.5%を超えて添加すると溶接熱影響部の靭性を低下するため、0.5%以下に限定する。
Wは、強度上昇に有効な元素であり、Moと同様に、添加を行うことで母材強度の加速冷却の停止温度依存性を小さくする効果があり、さらに、母材強度の熱間圧延温度の依存性や、母材強度の熱間圧延後の加速冷却開始待ち時間の依存性も小さくする効果がある等、実機における製造安定性が飛躍的に向上する効果が得られる。これらの効果を得るためには0.05%以上の添加が必要であるが、0.5%を超えて添加すると溶接熱影響部の靭性が低下するため、0.5%以下に限定する。
Crは、強度上昇に有効な元素であり、明瞭な強度上昇を得るためには0.01%以上の添加が必要である。しかし、本発明の成分系と圧延・冷却方法においては、多量のCr添加は母材中の島状MAの生成を助長するためにYSの向上効果が著しく鈍化すること、及び、溶接熱影響部の靭性を著しく低下させることから、Crを添加する場合は0.01%以上、0.3%未満の範囲とする。
Cuは、強度上昇に有効な元素であり、明瞭な強度上昇を得るためには0.01%以上の添加が必要であるが、1.0%以上の添加では溶接熱影響部の靭性を低下させるため、Cuを添加する場合は0.01%以上、1.0%以下の範囲とする。
Niは、強度上昇に有効な元素であり、明瞭な強度上昇を得るためには0.01%以上の添加が必要である。しかし、本発明においては、1.0%を超えて過剰に添加すると、強度の加速冷却停止温度への依存性が大きくなり、また、鋼板内部において、厚さ方向の硬さの分布の変化が大きくなり、厚さ方向1/4位置のTSが720MPaを越えてしまうことや、溶接熱影響部の靭性が著しく低下するという問題が生ずる。従って、Niを添加する場合は、0.01%以上、1.0%以下の範囲とする。
Zr、Ca、Mg、Hf、及びREMに関しては、脱酸や靭性の向上のために添加を行うことができる。これらの効果を得るためには0.001%以上の添加が必要であるが、コストの問題から上限を0.010%と制限する。従って、Zr、Ca、Mg、Hf、及びREMを添加する場合は、0.001%以上、0.010%以下の範囲とする。
なお、本発明による成分系は、溶接熱影響部の靭性についても非常に良好な結果を示す。さらに、前記式1に示す溶接割れ感受性指数PCMも0.20%以下の水準に抑えることにより、溶接割れも防止される範囲となっている。
表1に示す成分組成の溶鋼を真空溶解炉にて作製しインゴット形に鋳造した。その鋼片を、適宜圧延、鍛造、もしくは切断して、厚さ80〜500mmの鋼片を作製し、そのスラブに対して、表2に示す条件の熱間圧延、加速冷却、及び焼戻し熱処理を行い、厚さ12〜50mmの厚鋼板とした。
Figure 0005037203
Figure 0005037203
これらの厚鋼板について、母材YS、母材TS、母材靭性、及び溶接熱影響部靭性を測定した結果を表2中に示す。
母材YS及びTSに関しては、JIS Z 2241に準拠の引張試験により測定した結果を表2中に示してある。引張試験片はJIS Z 2201に準拠の1A号全厚引張試験片もしくは4号丸棒引張試験片を用いた。
母材靭性に関しては、JIS Z 2242に規定の方法により−5℃にて測定した結果を表2中に示してある。衝撃試験片は、圧延方向に直角な方向の板厚中心部からJIS Z 2202に準拠の2mmVノッチ試験片を用いた。
溶接熱影響部靭性に関しては、JIS Z 2242に規定の方法により、−5℃にて測定した結果を表2中に示してある。衝撃試験片は、入熱10kJ/mmのサブマージアーク溶接時の熱影響部1mm位置(HAZ1)に相当する熱サイクルを与えたJIS Z 2202に準拠の2mmVノッチ試験片を用いた。
各特性の目標値は、YSが470MPa、TSが570MPa、母材靭性と溶接熱影響部靭性が吸収エネルギー共に100J以上であり、目標値を満たさない数値には下線を記してある。
表1、表2の結果から、本発明法に従った成分組成及び製造方法は、YS、TS、母材靭性及び溶接熱影響部靭性の全てが良好な結果を示すことがわかる。これに対し、本発明鋼の範囲を逸脱する比較鋼は、YS、TS及び溶接熱影響部靭性の基本特性が少なくとも一つ以上不充分であることが分かる。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C :0.005%以上、0.030%未満、
    Si:0.05%未満、
    Mn:1.5%以上、2.5%以下、
    P :0.03%以下、
    S :0.01%以下、
    Nb:0.02%以上、0.08%以下、
    Ti:0.005%以上、0.030%以下、
    B :0.0005%以上、0.0020%以下、
    Al:0.001%以上、0.01%以下、
    N :0.001%以上、0.007%以下
    を含有し、さらに、
    Mo:0.05%以上、0.5%以下、
    W :0.05%以上、0.5%以下
    の内の1種または2種を含有し、下記式1で表される溶接割れ感受性指数PCMが0.20以下であり、下記式2で表されるTiとNの量の関係を満たし、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼片を、1000℃以上、1250℃以下に加熱し、その後圧延するにあたり、1020℃以下、920℃超における累積圧下率が60%未満で、920℃以下、Ar3点超での累積圧下率が30%以上となるように圧延し、圧延終了後、550℃未満、300℃以上の温度域まで冷却速度1℃/秒以上の加速冷却を行い、その後放冷することを特徴とする、溶接熱影響部の靭性に優れる降伏応力470MPa以上引張強さ570MPa以上の高強度鋼材の製造方法。
    なお、式1及び式2中の[ ]は各合金元素の添加量を質量%で表したものであり、以降も同様である。
    式1: PCM=[C]+[Si]/30+[Mn]/20+[Cu]/20+[Ni]/60+[Cr]/20+[Mo]/15+[V]/10+5[B]
    式2:[B]/10.8≧[N]/14.0−[Ti]/47.9
  2. さらに、質量%で、
    Cr:0.01%以上、0.3%未満、
    Cu:0.01%以上、1.0%以下、
    Ni:0.01%以上、1.0%以下
    の内の1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1に記載の溶接熱影響部の靭性に優れる降伏応力470MPa以上引張強さ570MPa以上の高強度鋼材の製造方法。
  3. さらに、質量%で、
    Ca:0.001〜0.010%、
    Mg:0.001〜0.010%、
    Zr:0.001〜0.010%、
    Hf:0.001〜0.010%、
    REM:0.001〜0.010%
    の内の1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の溶接熱影響部の靭性に優れる降伏応力470MPa以上引張強さ570MPa以上の高強度鋼材の製造方法。
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