JP2017155311A - 高耐食性合金材の製造方法 - Google Patents

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慎 宮島
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Abstract

【課題】蓚酸化成処理性に優れる高耐食性合金材の製造方法を提供する。【解決手段】本発明による高耐食性合金材の製造方法は、式(1)を満たす化学組成を有する素材を準備する工程と、準備された素材に対して蓚酸化成処理を実施する工程と、蓚酸化成処理された素材に対して冷間引抜きを実施する工程とを備える。Cr+3.3(Mo+0.5W)−0.1Ni≦39 (1)ここで、式(1)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。【選択図】なし

Description

本発明は、合金材の製造方法に関し、さらに詳しくは、高耐食性合金材の製造方法に関する。
海洋油井やガス井の深井戸化に伴い、油井管等の鋼管には、高い耐食性が求められている。このような高い耐食性が求められる環境では、ステンレス鋼材等の高耐食性合金材が使用される。耐食性のさらなる向上のため、高Crの高耐食性合金材も利用されている。
高耐食性合金材、特に、Crを20質量%以上含有し、Niを30質量%以上含有する高Crの高耐食性合金材は、難加工材料である。そのため、このような高耐食性合金材は、次の工程で製造される。熱間加工により高耐食性合金材の素材を製造する。素材に対して冷間加工を実施して高耐食性合金材を製造する。
高耐食性合金材が合金管の場合、冷間加工としてたとえばピルガー圧延を実施する。ピルガー圧延の場合、難加工材の圧延が可能である。しかしながら、ピルガー圧延は生産性が低く、製造コストも高くなる。したがって、冷間加工として、ピルガー圧延よりも生産性の高い冷間引抜きが利用される場合がある。
冷間引抜きでは、加工性を高めるために、冷間引抜き前の素材表面の潤滑性を高める。具体的には、高耐食性合金材の場合、化成処理により、素材の表面に蓚酸塩被膜を形成する。そして、蓚酸塩被膜が形成された素材の表面に、石けん等の潤滑剤を付着し、潤滑性を高める。以上の前処理を施した高耐食性合金材の素材に対して、冷間引抜きを実施する。
しかしながら、高耐食性合金材のうち、特に、上述の高Crの高耐食性合金材では、化成処理を実施しても、その表面に蓚酸塩被膜が十分に形成されない。Cr含有量が高い場合、高耐食性合金材表面に不動態被膜が形成される。この不動態被膜が蓚酸塩被膜の密着性を低下し、蓚酸塩被膜の形成を抑制していると考えられる。
高Crの高耐食性合金材において、蓚酸塩被膜を安定的に形成する技術が特開2014−43606号公報(特許文献1)及び特開平6−220651号公報(特許文献2)に提案されている。
特許文献1では、蓚酸塩処理溶液に、促進剤として亜硫酸塩を添加する。この場合、高Cr含有量が15%を超えるステンレス鋼管であっても、蓚酸塩被膜を安定して形成できる、と記載されている。しかしながら、最近では上述のとおり、Cr含有量が20質量%以上の高Crのステンレス鋼材においても、蓚酸塩被膜の安定した形成が求められる。
特許文献2に開示された高耐食性金属材料の潤滑方法では、はじめに、金属材料の表面に鉄鋼粒でショットブラスト処理を行う。次に、酸洗処理を行うことなく、蓚酸塩被膜を形成する。この方法の場合、酸洗処理を実施しないため、表面に不動態被膜が形成されない。さらに、ショットブラスト処理による表面の凹凸の形成、及び表面電位が卑で反応しやすい鉄の微粉末の付着により、蓚酸塩被膜の密着性が高くなる、と記載されている。しかしながら、ショットブラストによる脱スケール処理が十分でなければ、蓚酸塩被膜の密着性が低下する。この場合、冷間加工時に蓚酸塩被膜が剥離し、潤滑性が低下する。さらに、ショットブラストを行う工程が必要であるため、生産性が低下する。
特開2014−43606号公報 特開平6−220651号公報
本発明の目的は、製造工程中の蓚酸化成処理性を高めることができる高耐食性合金材の製造方法を提供することである。
本発明による高耐食性合金材の製造方法は、式(1)を満たす化学組成を有する素材を準備する工程と、準備された素材に対して蓚酸化成処理を実施する工程と、前記蓚酸塩被膜処理された前記素材に対して冷間引抜きを実施する工程とを備える。
Cr+3.3(Mo+0.5W)−0.1Ni≦39 (1)
ここで、式(1)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
本発明の製造方法では、蓚酸化成処理性を高めることができる。
本発明者らは、高耐食性合金材の製造工程における蓚酸化成処理性を高めるため、調査及び検討を行った。その結果、本発明者らは次の知見を得た。
高耐食性合金材では、表面にCr酸化物を含む不動態被膜が形成される。不動態被膜は、Cr含有量が多いほど強固になる。高耐食性合金材に対して蓚酸化成処理を実施する場合、蓚酸鉄からなる蓚酸塩被膜が形成される。しかしながら、不動態被膜が存在する場合、蓚酸鉄からなる蓚酸鉄被膜の形成が抑制される。そのため、高耐食性合金材、特に、Cr含有量が20質量%以上となる高耐食性合金材では、蓚酸化成処理を実施した場合であっても、蓚酸塩被膜が安定して形成されにくい。
一方、ニッケル材に対して蓚酸化成処理を実施した場合、蓚酸ニッケルからなる蓚酸塩被膜が形成される。蓚酸ニッケルからなる蓚酸塩被膜は安定的に形成される。したがって、高耐食性合金材のNi含有量を高めれば、高耐食性合金材に蓚酸塩被膜を安定して形成できる。
以上の知見に基づいて完成した本実施形態による高耐食性合金材の製造方法は、式(1)を満たす化学組成を有する素材を準備する工程と、準備された素材に対して蓚酸化成処理を実施する工程と、前記蓚酸化成処理された前記素材に対して冷間引抜きを実施する工程とを備える。
Cr+3.3(Mo+0.5W)−0.1Ni≦39 (1)
ここで、式(1)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
好ましくは、上記素材を準備する工程では、式(2)を満たす素材を準備する。
30≦Cr+3.3(Mo+0.5W)−0.1Ni≦39 (2)
ここで、式(2)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
上記化学組成は、質量%で、Cr:20%以上、及びNi:30%以上を含有してもよい。
以下、本発明の実施の形態について詳述する。なお、高耐食性合金材の化学組成、及び、めっき浴等の処理剤に含まれる各成分の「%」は、「質量%」を意味する。
[式(1)及び式(2)について]
F1=Cr+3.3(Mo+0.5W)−0.1Niと定義する。F1は高耐食性合金材の蓚酸化成処理性の指標である。上述のとおり、蓚酸化成処理性を高めるには、Ni含有量はなるべく高く、Cr含有量はなるべく低い方が好ましい。さらに、Mo及びWも、Crと同様に耐食性を高めるため、Mo含有量及びW含有量は低い方が好ましい。F1が高すぎれば、高耐食性合金材の表面に不動態被膜が形成され、この不動態被膜が蓚酸塩被膜の密着性を低下し、蓚酸塩被膜の形成を抑制する。F1が39以下であれば、不動態被膜の影響を受けずに、高耐食性合金材に蓚酸塩被膜が安定して形成される。そのため、高耐食性合金材表面に潤滑剤が安定して付着して潤滑性が高まり、冷間引抜き時に発生する焼付き等が抑制される。その結果、冷間加工としてピルガー圧延を利用する場合と比較して、生産性が高まる。
F1が39以下であればさらに、ショットピーニング等の蓚酸化成前処理を省略して、従来の蓚酸化成処理溶液を用いることができる。その結果、生産性が高まる。したがって、F1は式(1)を満たす。
好ましくは、F1は30以上である。この場合、油井管で要求される海水環境での十分な耐食性が得られる。したがって、好ましくは、F1は式(2)を満たす。
本実施形態の製造方法の対象となる高耐食性合金材は、式(1)を満たせば特に限定されない。高耐食性合金材はたとえばステンレス合金やNi合金である。ステンレス合金はたとえば、オーステナイト系ステンレス鋼、二相ステンレス鋼である。
好ましくは、高耐食性合金材の化学組成は、質量%で、Cr:20%以上及びNi:30%以上を含有する。この場合特に、本実施形態の製造方法により、蓚酸塩被膜が安定して形成される。この場合の高耐食性合金材は、たとえば、Ni合金である。
[高耐食性合金材の製造方法]
本実施形態の製造方法は、素材を準備する工程と、準備された上述の素材に対して蓚酸化成処理を実施する工程と、蓚酸化成処理後の素材に対して冷間引抜きを実施する工程とを備える。
[素材準備工程]
初めに、上述の式(1)を満たす化学組成を有する素材を準備する。上述の素材の好ましい化学組成は、質量%で、Cr:20%以上及びNi:30%以上を含有する。素材はさらに、式(2)を満たしてもよい。
素材は、周知の方法で製造される。たとえば、上述の化学組成を有する材料を溶製する。材料は、電気炉により溶製されてもよいし、Ar−O2混合ガス底吹き脱炭炉(AOD炉)により溶製されてもよい。また、真空脱炭炉(VOD炉)により溶製されてもよい。溶製された材料は、造塊法によりインゴットに製造されてもよいし、連続鋳造法により鋳片(スラブ、ブルーム又はビレット)に製造されてもよい。
製造されたインゴット又は鋳片を用いて高耐食性合金材を製造する。上述の製造方法(冷間引抜き)の対象となる高耐食性合金材はたとえば、高耐食性合金からなる管、棒又は線材である。
管はたとえば、以下の方法で製造される。製造されたインゴット、スラブ又はブルームを熱間加工してビレットを製造する。製造されたビレットを熱間加工して管を製造する。熱間加工は、たとえばマンネスマン法による穿孔圧延である。熱間加工として熱間押出を実施してもよいし、熱間鍛造を実施してもよい。製造される管はたとえば、継目無管である。
棒又は線材はたとえば、以下の方法で製造される。製造されたインゴット、スラブ又はブルームを分塊圧延してビレットを製造する。製造されたビレットを熱間圧延して、棒線を製造する。熱間圧延はたとえば、水平ロールスタンド、垂直ロールスタンドが交互に一列に配列された連続圧延機を用いる。
以上の工程で高耐食性合金材の素材を準備する。
[蓚酸化成処理工程]
製造された素材に対して、蓚酸化成処理を実施する。蓚酸化成処理は周知の方法で実施される。蓚酸化成処理の一例は次のとおりである。
主剤として蓚酸を含む蓚酸化成処理液(化成処理浴)を準備する。化成処理浴に、素材を所定時間浸漬する。
化成処理浴は、蓚酸と、被膜形成を助長するための数種類の薬剤とを含有する。薬剤はたとえば、不動態被膜を除去するエッチング剤としてのフッ化ナトリウム、蓚酸塩被膜を酸化させる酸化剤としての硝酸ナトリウム、及び反応促進剤である。反応促進剤はたとえば、チオ硫酸ナトリウムである。化成処理浴の一例は、チオ硫酸ナトリウムを含有する蓚酸化成処理液である。
化成処理浴の一例は、主剤としての蓚酸:41.4〜46.3g/L、エッチング剤としてのフッ化ナトリウム:2.4〜4.9g/L、酸化剤としての硝酸ナトリウム:8.5〜9.7g/L、及び、促進剤としてのチオ硫酸ナトリウム:1.9g/Lを含有する。チオ硫酸ナトリウムの好ましい含有量は、1.6〜2.2g/Lである。
蓚酸化成処理における化成処理浴の温度、及び、処理時間については特に限定されない。周知の処理温度及び処理時間で実施すればよい。化成処理浴の処理温度はたとえば、50〜100℃であり、処理時間を短縮させるための好ましい処理温度は、80〜90℃である。処理温度が80〜90℃の場合の好ましい処理時間の下限は1時間であり、より好ましくは2時間である。
以上の製造工程により、素材の表面に蓚酸塩被膜が形成される。本発明において、蓚酸化成処理前の素材は、Niを含有する。そのため、蓚酸化成処理において、素材中のNiが溶解して蓚酸と反応し、蓚酸ニッケルが形成される。蓚酸ニッケルは容易に形成されるため、密着性の高い安定した蓚酸塩被膜が形成される。
蓚酸塩被膜の好ましい被膜量は3g/m2以上である。蓚酸塩被膜量が3g/m2以上であれば、蓚酸塩被膜の密着性がさらに高まる。
蓚酸塩被膜の単位面積当たりの質量(以下、蓚酸塩被膜量という。単位はg/m2)は、次のとおり求める。
蓚酸塩被膜の質量=蓚酸化成処理後の素材質量−蓚酸化成処理前の素材質量
得られた蓚酸塩被膜の質量を、素材の表面積で除して、蓚酸塩被膜量(g/m2)を求める。
製造された素材に対して、必要に応じて熱処理を実施してもよい。熱処理はたとえば、固溶化熱処理である。
なお、蓚酸化成処理の前には通常、酸洗処理を行う。酸洗処理により、製造された素材、又は熱処理された素材に形成された酸化スケール層を除去する。酸洗液はたとえば、弗硝酸や硫酸、弗硝酸等である。
上述の素材準備工程及び蓚酸化成処理工程により、素材の蓚酸化成処理性が高まる。そのため、ショットピーニング等の蓚酸化成前処理を省略することができる。
[冷間引抜き工程]
蓚酸塩被膜が形成された高耐食性合金材の素材に対して冷間引抜きを実施する。
初めに、蓚酸塩被膜が形成された素材に潤滑剤を付着させる。潤滑剤はたとえば、周知の金属石けん水溶液(ステアリン酸ナトリウムを主成分とする水溶液等)や、周知の潤滑油(Cl系やS系の極圧添加剤を含む油潤滑剤等)である。
潤滑剤の付着方法は次のとおりである。たとえば、潤滑剤を蓚酸塩被膜上に塗布して、付着させる。又は、潤滑剤を満たした処理槽内に素材を浸漬して、蓚酸塩被膜上に潤滑剤を付着させてもよい。他の周知の方法により、潤滑剤を付着させてもよい。
素材の表面には密着性の高い蓚酸塩被膜が安定して形成されている。そのため、潤滑剤が十分に付着し、素材の潤滑性が高まる。
潤滑剤が付着された素材に対して、冷間引抜きを実施する。素材の潤滑性は高いため、冷間引抜き時において、焼付き等の発生が抑制され、冷間引抜きが可能となる。そのため、ピルガー圧延による冷間加工と比較して、生産性を高めることができる。
表1に示す化学組成を有する素材から作製したディスク(円板材)を用いて、ディスク表面に蓚酸塩被膜を形成した。形成された蓚酸塩被膜の単位面積あたりの質量と、潤滑剤の付着量とを調査した。
Figure 2017155311
[ディスクの製造]
表1に示す化学組成を有する素材から作製したディスク(直径20mm、厚さ3mm)を複数本準備した。以下、素材及びディスクを合わせて供試材という。準備された複数の供試材を用いて、供試材の表面に蓚酸塩被膜を形成した。
具体的には、蓚酸化成処理浴は、蓚酸:41.4〜46.3g/L、フッ化ナトリウム:2.4〜4.9g/L、硝酸ナトリウム:8.5〜9.7g/L、及び、促進剤としてのチオ硫酸ナトリウム:1.9g/Lを含有した。90℃の蓚酸化成処理浴を用いて3時間、化成処理を実施した。
[耐食性試験]
JIS G0577(2005)に準拠した孔食電位測定試験を実施して、耐食性を評価した。具体的には、各試験番号の供試材の表面を研磨紙で研磨し、洗浄した後、供試材にスポット溶接で導線を取り付け、試験面積10mm×10mmを残してエポキシ樹脂で被覆した。その試料を80℃に保持した3.5%NaCl水溶液中に10分間浸漬した後、自然電位からアノード方向に20mV/minの電位掃引速度で分極し、電流密度が100μA/cm2を超えた最も高い電位を孔食電位Vc100とした。また、参照電極には飽和カロメル電極(SCE)を用い、N2脱気しながら実施した。
孔食電位Vc100が0.2V vs SCE以上の場合、耐食性に非常に優れる(表1中で「◎」)と判断した。孔食電位Vc100が0.2V vs SCE未満である場合、耐食性に優れる(表1中で「○」)と判断した。
[蓚酸化成処理性試験]
蓚酸化成処理後の各試験番号の供試材において、蓚酸塩被膜量を測定した。
得られた蓚酸塩被膜量が3g/m2以上の場合、蓚酸塩被膜が十分に安定して形成され、蓚酸化成処理性に優れる(表1中で「○」)と判断した。蓚酸塩被膜量が3g/m2未満である場合、形成された蓚酸塩被膜の形成が不十分であり、蓚酸化成処理性が劣る(表1中で「×」)と判断した。
[試験結果]
試験結果を表1に示す。
表1を参照して、試験番号1〜試験番号9では、式(1)を満たす供試材に対して蓚酸化成処理が実施された。そのため、蓚酸塩被膜量は十分であり、安定した蓚酸塩被膜が形成され、優れた蓚酸化成処理性を有した。特に、Crを20%以上、Niを30%以上含有する試験番号6,7及び9においても、優れた蓚酸化成処理性を示した。なお、試験番号4〜試験番号9では、F1が30以上であったため、非常に優れた耐食性を有した。
一方、試験番号10〜試験番号12では、式(1)の上限を超えた。そのため、蓚酸塩被膜量が不足し、蓚酸化成処理性が劣った。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。

Claims (3)

  1. 高耐食性合金材の製造方法であって、
    式(1)を満たす化学組成を有する素材を準備する工程と、
    準備された前記素材に対して蓚酸化成処理を実施する工程と、
    前記蓚酸化成処理された前記素材に対して冷間引抜きを実施する工程とを備える、高耐食性合金材の製造方法。
    Cr+3.3(Mo+0.5W)−0.1Ni≦39 (1)
    ここで、式(1)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
  2. 請求項1に記載の高耐食性合金材の製造方法であって、
    前記素材は、式(2)を満たす化学組成を有する、高耐食性合金材の製造方法。
    30≦Cr+3.3(Mo+0.5W)−0.1Ni≦39 (2)
    ここで、式(2)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の高耐食性合金材の製造方法であって、
    前記素材は、質量%で、
    Cr:20%以上、及びNi:30%以上を含有する、高耐食性合金材の製造方法。
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