JP2017154974A - グリセロリン脂質含有粉末及びこれを含む錠剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、優れた打錠性を有するグリセロリン脂質含有粉末を提供し、スティッキング、ラミネーティング等の打錠障害の発生を抑制することにある。また、本発明の課題は、グリセロリン脂質を高濃度で含有する錠剤を提供することにある。【解決手段】上記課題を解決する手段は、グリセロリン脂質含有粉末において、下記の成分(A)〜(C)を含有する。これにより、グリセロリン脂質含有粉末を高濃度で含有する錠剤を製造する際に、スティッキングやラミネーティング等の打錠障害の発生を抑制することができる。(A)グリセロリン脂質 10〜80質量%(B)未焼成サンゴカルシウム粉末 5〜50質量%(C)滑沢剤 0.01〜10質量%【選択図】なし

Description

本発明は、グリセロリン脂質を含有する粉末、およびこれを含む錠剤に関する。
様々な生理活性物質が、健康食品としてドリンクやソフトカプセルなど様々な形態で上市されているが、携帯性、保存安定性、製造コスト等に優れるという観点から、ハードカプセル、錠剤、顆粒品といった粉末原料を使用する製品形態が市場の大半を占めている。
グリセロリン脂質は、グリセロール骨格を有するリン脂質であり、生体内での多彩な役割を担う生理活性物質として注目されている。その生理活性としては、例えば、脂質代謝の改善作用(特許文献1)や、肝臓障害予防・改善(特許文献2)などが報告されている。特に近年、ホスファチジルセリンには脳機能改善効果が見出され、健康食品素材として有望視されている。
このような背景から、グリセロリン脂質を含有する錠剤が求められているが、グリセロリン脂質を含有する市販の粉末を用いて錠剤を作製すると、スティッキングやラミネーティング等の打錠障害が発生するという問題があった。
通常、これらの打錠障害を解決するには、グリセロリン脂質含有粉末を多量の賦形剤等で希釈して、グリセロリン脂質含有粉末の影響を小さくすればよい。しかし、この解決手段では、錠剤中のグリセロリン脂質の含有量が低下するため、グリセロリン脂質の推奨摂取量を摂るために、錠剤の粒重量を大きくしたり、摂取粒数を多くしたりする必要がある。そのため、消費者への負担や、製造コストが増加するという新たな問題が生じる。
また、市販のグリセロリン脂質含有粉末の他にも、特許文献にグリセロリン脂質を含有する粉末が開示されている。例えば、特許文献3には、ホスファチジルセリンと、サイクロデキストリンと、ゼラチンと、ショ糖脂肪酸エステルを含むホスファチジルセリン含有粉末が開示されている。しかし、このホスファチジルセリン含有粉末は、水中での分散性は向上するものの、スティッキングやラミネーティング等の打錠障害を抑制できるものではない。
特許文献4には、ホスファチジルセリンと、焼成カルシウム、酸化カルシウム、リン酸三カルシウムからなる群より選ばれるカルシウム化合物を含むホスファチジルセリン含有粉末が開示されている。しかし、このホスファチジルセリン含有粉末は、ホスファチジルセリンの保存安定性を高めるものの、スティッキングやラミネーティング等の打錠障害を十分に抑制できるものではなかった。
特開2004−337177号公報 特開平10−84879号公報 特開2013−143913号公報 国際公開第2011/142445号
本発明の課題は、優れた打錠性を有するグリセロリン脂質含有粉末を提供し、スティッキング、ラミネーティング等の打錠障害の発生を抑制することにある。
また、本発明の課題は、グリセロリン脂質を高濃度で含有する錠剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、グリセロリン脂質、未焼成サンゴカルシウム粉末、滑沢剤を特定の含有量で含有することによって、上記の課題を解決することの知見を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の〔1〕〜〔4〕である。
〔1〕
下記の成分(A)〜(C)を含有するグリセロリン脂質含有粉末。
(A)グリセロリン脂質 10〜80質量%
(B)未焼成サンゴカルシウム粉末 5〜50質量%
(C)滑沢剤 0.01〜10質量%
〔2〕
さらに、
(D)固結防止剤 0.01〜10質量%
を含有する、〔1〕に記載のグリセロリン脂質含有粉末。
〔3〕
さらに、
(E)崩壊剤を含有する、〔1〕又は〔2〕に記載のグリセロリン脂質含有粉末。
〔4〕
〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のグリセロリン脂質含有粉末を含有する錠剤。
本発明によれば、優れた打錠性を有するグリセロリン脂質含有粉末を提供することができる。本発明のグリセロリン脂質含有粉末を打錠することにより、スティッキング、ラミネーティング等の打錠障害の発生を抑制することができる。
また、本発明によれば、グリセロリン脂質を高濃度で含有する錠剤を提供することができる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
[グリセロリン脂質含有粉末]
本発明のグリセロリン脂質含有粉末は、グリセロリン脂質(A)、未焼成サンゴカルシウム粉末(B)、および滑沢剤(C)を含有する粉末である。
<グリセロリン脂質(A)>
本発明に用いるグリセロリン脂質は、グリセリンの1−および2−位の位置に脂肪酸由来のアシル基を有し、3−位にリン酸を含む極性基が結合した構造を有する化合物である。具体的には、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジン酸(PA)等が挙げられ、2種以上の混合物でもよい。好ましくは、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジン酸(PA)またはそれらの2種以上の混合物である。
グリセロリン脂質(A)は、動植物から抽出精製されたものを用いることができる。例えば大豆、米、トウモロコシ、菜種、綿実、小麦、ヒマワリ、紅花等の植物や卵黄、魚介類等の動物が挙げられる。あるいは化学反応や酵素反応等により得ることもできるし、試薬または原料として市販されているものも用いることができる。
市販品としては、例えば、エー・ディー・エム・ジャパン(株)の「ウルトラレックP」、ビーエイチエヌ(株)の「LIPAMINE−PS70PN」、「LIPAMINE−PS70PN」、「BHN PS−20P」、日油(株)製「ニチユPSシリーズ」等が挙げられる。
本発明のグリセロリン脂質含有粉末に含まれるグリセロリン脂質(A)の含有量は、10〜80質量%であり、好ましくは12〜70質量%であり、より好ましくは15〜60質量%である。グリセロリン脂質(A)が10質量%未満の場合は、錠剤に配合した際の1粒あたりの有効成分が少なくなり、摂取粒数を多くしなければならず、消費者にとっては大きな負担となる。一方、グリセロリン脂質(A)が80質量%を超える場合には、グリセロリン脂質の粘着性により粉末が固結する恐れがある。また、流動性や、他の粉末との均一混合性が低下するという問題が生じる。更には、錠剤を製造する際に、スティッキング等の打錠障害が生じやすい。
グリセロリン脂質(A)の成分として、ホスファチジルセリン(PS)を30質量%以上含有することが好ましく、より好ましくは50質量%以上であり、更に好ましくは60質量%以上であり、特に好ましくは70質量%以上である。
<未焼成サンゴカルシウム粉末(B)>
本発明に用いる未焼成サンゴカルシウム粉末は、海底から採取される造礁サンゴ由来のカルシウム含有粉末である。市販品としては、例えば、マリーンバイオ(株)の「コーラルカルシウムパウダーCCP」、「サンゴミネラルパウダーSMP」、協和発酵バイオ(株)の「コーラルパウダーFM」等が挙げられる。
造礁サンゴは、カルシウム成分として、主に炭酸カルシウムを有しており、焼成すると炭酸カルシウムは酸化カルシウムへ変化する。すなわち、「未焼成」の定義は、炭酸カルシウムの含有量により表すことが可能であり、本発明において、「未焼成サンゴカルシウム粉末(B)」とは、炭酸カルシウムの含有量が10質量%以上であるサンゴカルシウム粉末を意味する。また、炭酸カルシウムの含有量は、好ましくは25質量%以上であり、より好ましくは40質量%以上であり、特に好ましくは70質量%以上である。
本発明のグリセロリン脂質含有粉末に含まれる未焼成サンゴカルシウム粉末(B)の含有量は、5〜50質量%であり、好ましくは10〜35質量%であり、より好ましくは15〜25質量%である。未焼成サンゴカルシウム粉末(B)が5質量%未満の場合は、グリセロリン脂質含有粉末の錠剤を製造する際に、スティッキングやラミネーティング等の打錠障害の発生を十分に抑制することができない。一方、未焼成サンゴカルシウム粉末(B)が50質量%を超える場合は、グリセロリン脂質の含有量を高めることができない。
<滑沢剤(C)>
本発明に用いる滑沢剤(C)は、グリセロリン脂質含有粉末の錠剤を製造する際に、スティッキングを抑制するために含有するものであり、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
本発明のグリセロリン脂質含有粉末に対する滑沢剤(C)の含有量は、0.01〜10質量%であり、好ましくは0.5〜5質量%であり、更に好ましくは1〜4質量%である。滑沢剤(C)が0.01質量%未満の場合には、グリセロリン脂質含有粉末の錠剤を製造する際に、スティッキング等の打錠障害が発生する。一方、滑沢剤(C)が10質量%を超える場合は、グリセロリン脂質の含有量を高めることができない。なお、滑沢剤(C)を含有することにより、グリセロリン脂質含有粉末の固結防止や流動性を向上することもできる。
<固結防止剤(D)>
本発明のグリセロリン脂質含有粉末は、固結防止剤(D)を含有することが好ましい。固結防止剤(D)は、グリセロリン脂質含有粉末の保存中における固結を防止し、流動性を向上するための物質である。例えば、微粒二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等が挙げられる。このうち微粒二酸化ケイ素が好ましい。
本発明のグリセロリン脂質含有粉末に対する固結防止剤(D)の含有量は、特に制限されないが、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.1〜5質量%であり、更に好ましくは1〜3質量%である。固結防止剤(D)を含有することにより、グリセロリン脂質同士の固結による粗大粒子の形成を防止し、また、グリセロリン脂質含有粉末の流動性を改善することができる。
<崩壊剤(E)>
本発明のグリセロリン脂質含有粉末は、崩壊剤(E)を含有することが好ましい。崩壊剤(E)とは、水分を吸って膨潤することにより錠剤を崩壊させる物質や、水分と反応してガスを発生することにより錠剤を崩壊させる物質などである。水分を吸って膨潤する物質としては、例えば、澱粉、寒天、グリコーゲン、アルギン酸、グルコマンナン等の多糖類が挙げられる。その他、セルロース、ヘミセルロース、キチン等の不溶性食物繊維や、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)のようなセルロースの誘導体も膨潤性を有しており、崩壊性が認められる。また、水分と反応してガスを発生する物質としては、炭酸塩等が挙げられる。
本発明のグリセロリン脂質含有粉末に対する崩壊剤(E)の含有量は、特に制限されないが、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%であり、特に好ましくは15〜45質量%である。崩壊剤(E)を含有することにより、体内においてグリセロリン脂質の吸収を促進することができる。
崩壊剤(E)として、セルロース等の不溶性食物繊維や、澱粉、寒天、CMCを含有することが特に好ましい。
不溶性食物繊維を含有することにより、グリセロリン脂質粉末の粘着性を低下して、流動性を高めることができる。グリセロリン脂質粉末の粘着性を低下するという観点から、本発明のグリセロリン脂質含有粉末に対する不溶性食物繊維の含有量は、好ましくは5〜45質量%、より好ましくは10〜30質量%である。
また、澱粉、寒天、CMCは、膨潤性に優れるため、グリセロリン脂質含有粉末を錠剤化した際に、錠剤に優れた崩壊性を付与することができる。本発明のグリセロリン脂質含有粉末に対する澱粉の含有量は、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは2〜30質量%である。本発明のグリセロリン脂質含有粉末に対する寒天、CMCの各成分の含有量は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%である。
さらに、本発明のグリセロリン脂質含有粉末は、未焼成サンゴカルシウム粉末(B)と崩壊剤(E)の両方を含有することにより、錠剤の崩壊性を一層高めることができる。グリセロリン脂質含有粉末に対する未焼成サンゴカルシウム粉末(B)と崩壊剤(E)の合計の含有量は、好ましくは50〜90質量%であり、更に好ましくは55〜80質量%である。
<賦形剤>
本発明のグリセロリン脂質含有粉末は、賦形剤を含有してもよい。賦形剤は、生理活性能を有さず、グリセロリン脂質の粉末化や、錠剤の成形性の向上のために含有するものである。ここで、本発明における賦形剤には、崩壊性を有するもの(上記崩壊剤(E)に該当するもの)は含まない。
賦形剤の具体例としては、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース等の単糖類や、ラクトース、スクロース、マルトース等の二糖類、マルチトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、還元イソマルツロース、イソマルト等の糖アルコールが挙げられる。このうち糖アルコールがより好ましい。
グリセロリン脂質含有粉末に含まれる賦形剤の含有量は、特に制限されないが、好ましくは2〜80質量%であり、更に好ましくは5〜65質量%であり、特に好ましくは10〜55質量%である。賦形剤を含有することにより、グリセロリン脂質含有粉末の流動性および粉体分散性を向上し、更には、グリセロリン脂質含有粉末を錠剤化した際に、錠剤の成形性を向上することができる。
<その他の成分>
本発明のグリセロリン脂質含有粉末は、上記のグリセロリン脂質(A)、未焼成サンゴカルシウム粉末(B)、滑沢剤(C)、固結防止剤(D)、崩壊剤(E)、賦形剤以外にも、油脂、たんぱく質、ミネラル等の無機成分、ビタミン類等の機能性素材等を含有してもよい。
[グリセロリン脂質含有粉末の製造方法]
本発明のグリセロリン脂質含有粉末の製造方法としては通常の粉末化手法を適用することができる。例えば、グリセロリン脂質(A)、未焼成サンゴカルシウム粉末(B)、崩壊剤(E)や賦形剤を特定の配合量で混合し、これを粉砕して粉末化する方法や、抽出液や酵素反応により得られたグリセロリン脂質の反応液に、崩壊剤(E)や賦形剤の一部を添加・混合したものを乾燥及び粉砕後、未焼成サンゴカルシウム粉末(B)と崩壊剤(E)および賦形剤の残部を添加する方法などが挙げられる。
なお、固結防止剤(D)は、グリセロリン脂質(A)と、崩壊剤(E)、賦形剤を混合して粉砕した後に添加することが好ましい。また、滑沢剤(C)は、打錠前に添加することが好ましい。
乾燥方法としては、例えば噴霧乾燥法、熱風乾燥法、ドラム乾燥法、凍結乾燥法、流動層乾燥法、連続真空乾燥法などが挙げられる。乾燥後の粉砕方法として、例えばカッティング式ミル、ハンマー式ミル、衝撃式ミル、気流式ミルなどによる粉砕方法が挙げられる。
本発明のグリセロリン脂質含有粉末の平均粒子径は、10〜1000μmであることが好ましい。その平均粒子径は、乾式のレーザー回折式粒度分布測定器で測定される。平均粒子径を10〜1000μmとすることにより、キャッピング等の打錠障害の発生が抑制され、また、他の粉体原料との混合性に優れるという効果を奏する。なお、本発明において、平均粒子径とは、乾式のレーザー回折式粒度分布測定器(SALD−2100:(株)島津製作所製)を用いて測定された体積基準平均粒子径をいう。
[グリセロリン脂質含有粉末の用途]
本発明のグリセロリン脂質含有粉末は、スティッキングやラミネーティング等の打錠時の障害の発生を抑制することができるため、グリセロリン脂質含有錠剤の製造に利用することが特に好ましい。
また、本発明のグリセロリン脂質含有粉末は、流動性や他の粉体との均一混合性にも優れるため、顆粒品やハードカプセル等の製造にも利用することができる。
グリセロリン脂質含有粉末を含有する錠剤、顆粒品、ハードカプセル等の製造方法は、本発明のグリセロリン脂質含有粉末を使用することを特徴とし、公知既存の製造装置を用いて製造することができる。
<錠剤の製造方法>
グリセロリン脂質含有粉末を含有する錠剤の製造方法では、本発明のグリセロリン脂質含有粉末を構成する各成分を混合して混合物を得る工程、及び、この混合物を打錠機にて打錠する工程を備えている。
また、混合物を得る工程において、各成分を撹拌造粒機や流動層造粒機等により造粒してもよい。
また、混合物を得る工程では、本発明のグリセロリン脂質含有粉末を構成する各成分の含有量の範囲を満たす限りにおいて、その他の有効成分等を混合してもよい。
各成分の混合において、混合する順は特に制限されないが、滑沢剤(C)は打錠する工程の直前に混合することが好ましい。
本発明のグリセロリン脂質含有粉末を用いることで、1粒当たりのグリセロリン脂質含量を多くすることができ、さらに錠剤表面の斑模様を解消することができる。
<錠剤>
グリセロリン脂質含有粉末を含有する錠剤は、健康食品、医薬品等に利用され、グリセロリン脂質の含有量は、好ましくは10〜80質量%であり、更に好ましくは12〜70質量%であり、特に好ましくは15〜60質量%である。
錠剤の硬度は、錠剤の崩壊性や摩損度等を考慮すると、4〜30kgfが好ましく、6〜20kgfが更に好ましく、8〜15kgfが特に好ましい。
錠剤の崩壊時間は、好ましくは100分以下であり、更に好ましくは70分以下であり、特に好ましくは40分以下である。崩壊時間を短くすることにより、体内でのグリセロリン脂質の吸収性を高めることができる。
錠剤の粒質量は、飲みやすさ、摂取粒数等を考慮して適宜設定されるが、好ましくは100〜1000mg/粒であり、更に好ましくは150〜500mg/粒であり、特に好ましくは200〜400mg/粒である。
また、錠剤は、必要に応じてフィルムコーティング、糖衣コーティングを施してもよい。
<顆粒品、ハードカプセルの製造方法>
顆粒品やハードカプセルの製造方法では、本発明のグリセロリン脂質含有粉末を三方シールやスティック等の分包袋またはハードカプセルに充填する工程を備えている。また、充填する工程の前に、賦形剤やその他の有効成分等の粉末を混合して混合物を得る工程を設けてもよい。本発明のグリセロリン脂質含有粉末を用いることで、従来のグリセロリン脂質粉末よりも流動性が良くなるために充填性が改善され、1袋あるいは1粒当たりのグリセロリン脂質の配合量を多くすることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[グリセロリン脂質含有粉末の調製]
<PS粉末の調製>
P1:
表1に示す処方に基づいて、次の方法にてPS粉末P1を調製した。
グリセロリン脂質(A)に、賦形剤として還元イソマルツロース、崩壊剤(E)としてセルロース、および水を添加して混合した後、連続真空乾燥法にて乾燥した。得られた乾燥物を、パワーミル((株)ダルトン製:型式P−5)を用いて粉砕した。次に、粉砕した乾燥物に、固結防止剤(D)を混合してPS粉末P1を得た。
なお、原料として使用したグリセロリン脂質(A)は、特開昭63−36792号公報に記載の方法を用いて、PCのホスファチジル基転移反応により調製した。グリセロリン脂質(A)の成分含量を以下に記載する。
〔グリセロリン脂質(A)の成分含量〕
ホスファチジルコリン(PC) 10質量%
ホスファチジン酸(PA) 8質量%
ホスファチジルエタノールアミン(PE) 7質量%
ホスファチジルセリン(PS) 71質量%
その他 4質量%
また、その他の材料の詳細は次のとおりである。
固結防止剤(D):
微粒二酸化ケイ素 …富士シリシア化学(株)製「サイロページ#720」
崩壊剤(E):
セルロース …旭化成ケミカルズ(株)製「セオラスST−100」
賦形剤:
還元イソマルツロース…三井製糖(株)製「粉末パラチニットPNP」
P2:
ビーエイチエヌ(株)製「BHN PS−20P」を使用した。原材料の配合を表1に示す。なお、「BHN PS−20P」中のホスファチジルセリン(PS)の含量は、20質量%である。
Figure 2017154974
<グリセロリン脂質含有粉末の調製>
表2に示す処方に基づいて、実施例1〜7および比較例1〜2のグリセロリン脂質含有粉末を次の方法により調製した。
PS粉末P1又はP2、カルシウム成分および崩壊剤(E)を混合後、固結防止剤(D)を混合し、続いて滑沢剤(C)を混合した。
Figure 2017154974
なお、使用した材料の詳細は次のとおりである。
未焼成サンゴカルシウム粉末(B):
サンゴCa(未焼成、炭酸Ca) …協和発酵バイオ(株)製「コーラルパウダーFM」。なお、「コーラルパウダーFM」中の炭酸カルシウム含量は、85質量%である。
カルシウム成分B’:
卵殻Ca(焼成Ca、酸化Ca) …太陽化学(株)製「卵殻カルシウムTS−1」
ミルクCa(リン酸Ca) …協和発酵バイオ(株)製「ミルクカルシウム」
崩壊剤(E):
セルロース …旭化成ケミカルズ(株)製「セオラスST−100」
澱粉 …旭化成ケミカルズ(株)製「PCS FC−30」
寒天 …伊那食品工業(株)製「崩壊用精製寒天」
CMC …日本製紙(株)製「サンローズSLD−FM」
固結防止剤(D):
微粒二酸化ケイ素 …富士シリシア化学(株)製「サイロページ#720」
滑沢剤(C):
ステアリン酸カルシウム …太平化学産業(株)製「ステアリン酸カルシウム(植物性)」
[グリセロリン脂質含有錠剤の調製]
<錠剤の調製>
実施例1〜7および比較例1〜2により得られたグリセロリン脂質含有粉末を以下の条件により打錠し、グリセロリン脂質含有錠剤を得た。
(打錠条件)
打錠機: 回転式ロータリー打錠機((株)エステックの「PICCOLA」)
臼・杵: 9.0mmφ、R7.5
質量: 350mg/粒
タレット回転数: 15rpm
打錠圧: 10kN
<錠剤の評価>
1.崩壊時間
崩壊試験機(富山産業(株)製「崩壊試験機TMB−81」)を用いて、900mLの水(37℃)に実施例1〜7および比較例1〜2により得られたグリセロリン脂質含有粉末を含有する錠剤を投入し、崩壊した時間を測定した。錠剤の崩壊は、目視により確認した。崩壊時間は、6個の錠剤の平均値を算出した。結果を表3に示す。
2.硬度
錠剤硬度計((株)藤原製作所製「硬度計 KHT−40N」)を用いて、実施例1〜7および比較例1〜2により得られたグリセロリン脂質含有錠剤の硬度を測定した。硬度は、20個の錠剤の平均値を算出した。結果を表3に示す。
3.スティッキング
実施例1〜7および比較例1〜2により得られたグリセロリン脂質含有錠剤100個を無作為に取り、スティッキング(杵臼に粉末が付着し、錠剤表面に凹みが生じる現象)の発生数をカウントし、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
◎:スティッキングの発生数が1個以下
○:スティッキングの発生数が3個以下
×:スティッキングの発生数が4個以上
4.ラミネーティング
実施例1〜7および比較例1〜2により得られたグリセロリン脂質含有錠剤100個を無作為に取り、ラミネーティング(錠剤が層状に剥離する現象)の発生数をカウントし、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
◎:ラミネーティングの発生数が3個以下
○:ラミネーティングの発生数が5個以下
△:ラミネーティングの発生数が10個以下
×:ラミネーティングの発生数が11個以上
表3に、実施例1〜7および比較例1〜2に含まれる各成分の組成を示した。
Figure 2017154974
表3を参酌すると、未焼成サンゴカルシウム粉末を含有する実施例1〜7は、スティッキングおよびラミネーティングの発生数が少ないことがわかる。一方、未焼成サンゴカルシウム粉末を含まない比較例1、2は、カルシウム成分として、未焼成サンゴカルシウム粉末に代えて、酸化カルシウムやリン酸カルシウムを配合しても、スティッキングおよびラミネーティングの発生を抑制することができないことがわかる。
次に、実施例2〜5を比較すると、未焼成サンゴカルシウム粉末が15質量%以上において、ラミネーティングの発生数を抑制するという効果が高まることがわかる。
また、実施例4と6を比較すると、グリセロリン脂質は25質量%以下において、ラミネーティングの発生率が低下することが推察される。
次に、実施例4と比較例1、2を比較すると、未焼成サンゴカルシウム粉末を含有することにより、崩壊時間の低下が認められた。すなわち、未焼成サンゴカルシウム粉末は、崩壊性を有するといえる。
ここで、未焼成サンゴカルシウム(B)と崩壊剤(E)の合計「(B)+(E)」と崩壊時間について検討すると、「(B)+(E)」が55質量%以上で、崩壊時間が40分間以下となり、優れた崩壊性を有することがわかる。
本発明のグリセロリン脂質含有粉末は、グリセロリン脂質を高濃度で含有する錠剤の製造に利用することができる。また、グリセロリン脂質を高濃度で含有する本発明の錠剤は、健康食品、医薬品等に利用することができる。
さらに、本発明のグリセロリン脂質含有粉末は、流動性や固結防止において優れた効果を奏するため、ハードカプセル、顆粒剤、散剤等の製品形態の健康食品、医薬品等にも利用することができる。

Claims (4)

  1. 下記の成分(A)〜(C)を含有するグリセロリン脂質含有粉末。
    (A)グリセロリン脂質 10〜80質量%
    (B)未焼成サンゴカルシウム粉末 5〜50質量%
    (C)滑沢剤 0.01〜10質量%
  2. さらに、
    (D)固結防止剤 0.01〜10質量%
    を含有する、請求項1に記載のグリセロリン脂質含有粉末。
  3. さらに、
    (E)崩壊剤を含有する、請求項1又は2に記載のグリセロリン脂質含有粉末。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のグリセロリン脂質含有粉末を含有する錠剤。
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