JP2017154921A - エコセメントクリンカ及びその製造方法、並びにエコセメント及びエコセメント組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、易焼成性に優れると共に、流動性を確保しつつ凝結時間が短いエコセメント及びエコセメント組成物を製造することが可能なエコセメントクリンカ及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明のエコセメントクリンカは、0.2〜0.8質量%のNiOを含むことを特徴とする。このエコセメントクリンカは、エコセメント原料に対して内割りで0.2〜0.8質量%のNiOを添加して混合した後、焼成することによって製造することができる。【選択図】なし
Description
本発明は、エコセメントクリンカ及びその製造方法、並びにエコセメント及びエコセメント組成物に関する。
近年、都市ごみ、下水汚泥などの廃棄物が著しく増加していることから、廃棄物の有効利用及び再資源化について検討がなされている。その中でもセメント製造分野においては、廃棄物をセメント原料に利用することが試みられている。例えば、都市ごみなどを焼却したときに発生する灰を主原料としたエコセメント原料を焼成することでエコセメントクリンカとし、このエコセメントクリンカに石膏などを加えることでエコセメントが製造されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、エコセメントクリンカに用いられるエコセメント原料は焼成し難いという問題がある。そのため、焼成に必要なコスト及びエネルギーを削減する観点から、易焼成性の向上が望まれている。
しかしながら、エコセメントクリンカに用いられるエコセメント原料は焼成し難いという問題がある。そのため、焼成に必要なコスト及びエネルギーを削減する観点から、易焼成性の向上が望まれている。
また、エコセメントは、都市ごみの焼却灰に含有される酸化亜鉛(ZnO)及び酸化銅(CuO)に代表される少量・微量成分の存在によって凝結時間が長くなるという問題がある。
凝結時間を短くするためには、ZnO及びCuOに代表される少量・微量成分量を低減すればよいものの、都市ごみの焼却灰からこれら少量・微量成分量を低減することは難しく、廃棄物の有効利用という側面からも適切ではない。
別の方法として、セメントの凝結過程で重要な役割を果たすC3A(3CaO・Al2O3)の量を増加させることにより、セメントの凝結時間を短くすることができる。しかしながら、エコセメントに含有されるC3Aの量を増加すると、エコセメントの流動性が低下するという問題がある。
凝結時間を短くするためには、ZnO及びCuOに代表される少量・微量成分量を低減すればよいものの、都市ごみの焼却灰からこれら少量・微量成分量を低減することは難しく、廃棄物の有効利用という側面からも適切ではない。
別の方法として、セメントの凝結過程で重要な役割を果たすC3A(3CaO・Al2O3)の量を増加させることにより、セメントの凝結時間を短くすることができる。しかしながら、エコセメントに含有されるC3Aの量を増加すると、エコセメントの流動性が低下するという問題がある。
他方、ポルトランドセメントクリンカに一酸化ニッケル(NiO)を含有させることにより、水和時間が長くなる(凝結時間が長くなる)ことが知られている(例えば、非特許文献1)。
N. Gineys、外3名、「Incorporation of trace elements in Portland cement clinker: Thresholds limits for Cu, Ni, Sn or Zn」、Cement and Concrete Research,第41巻、p. 1177-1184、2011年
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、易焼成性に優れると共に、流動性を確保しつつ凝結時間が短いエコセメント及びエコセメント組成物を製造することが可能なエコセメントクリンカ及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、流動性を確保しつつ凝結時間が短いエコセメント及びエコセメント組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、流動性を確保しつつ凝結時間が短いエコセメント及びエコセメント組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究を続けた結果、ポルトランドセメントクリンカにNiOを含有させると凝結時間が長くなるのに対し、エコセメントにNiOを所定の割合で含有させると凝結時間が短くなることを見出した。また、エコセメント原料にNiOを所定の割合で配合して焼成することにより、易焼成性を向上させることができ、また、このようにして得られたエコセメントクリンカが、流動性が良好なエコセメント及びエコセメント組成物を与えることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の第(1)項〜第(4)項である。
(1)0.2〜0.8質量%のNiOを含むことを特徴とするエコセメントクリンカ。
(2)第(1)項に記載のエコセメントクリンカと石膏とからなることを特徴とするエコセメント。
(3)第(2)項に記載のエコセメントを含むことを特徴とするエコセメント組成物。
(4)エコセメント原料に対して内割りで0.2〜0.8質量%のNiOを添加して混合した後、焼成することを特徴とするエコセメントクリンカの製造方法。
すなわち、本発明は、以下の第(1)項〜第(4)項である。
(1)0.2〜0.8質量%のNiOを含むことを特徴とするエコセメントクリンカ。
(2)第(1)項に記載のエコセメントクリンカと石膏とからなることを特徴とするエコセメント。
(3)第(2)項に記載のエコセメントを含むことを特徴とするエコセメント組成物。
(4)エコセメント原料に対して内割りで0.2〜0.8質量%のNiOを添加して混合した後、焼成することを特徴とするエコセメントクリンカの製造方法。
本発明によれば、易焼成性に優れると共に、流動性を確保しつつ凝結時間が短いエコセメント及びエコセメント組成物を製造することが可能なエコセメントクリンカ及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、流動性を確保しつつ凝結時間が短いエコセメント及びエコセメント組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、流動性を確保しつつ凝結時間が短いエコセメント及びエコセメント組成物を提供することができる。
本発明のエコセメントクリンカは、0.2質量%〜0.8質量%のNiOを含む。このような組成を有するエコセメントクリンカは、エコセメント原料に対して内割りで0.2質量%〜0.8質量%のNiOを添加して混合した後、焼成することによって製造することができる。
ここで、本明細書において「エコセメントクリンカ」とは、都市ごみを焼却した灰を主とし、必要に応じて下水汚泥などの廃棄物を従としてエコセメント原料に用い、その他の副原料(例えば、石灰石、粘土、珪石、アルミ灰、ボーキサイト、鉄など)用いて成分調整し、その一部が溶融するまで焼成して得られる焼成物のことを意味する。一般に、エコセメントクリンカには、普通エコセメントクリンカ及び速硬エコセメントクリンカの2種類があるが、普通エコセメントクリンカがより好ましい。
ここで、本明細書において「エコセメントクリンカ」とは、都市ごみを焼却した灰を主とし、必要に応じて下水汚泥などの廃棄物を従としてエコセメント原料に用い、その他の副原料(例えば、石灰石、粘土、珪石、アルミ灰、ボーキサイト、鉄など)用いて成分調整し、その一部が溶融するまで焼成して得られる焼成物のことを意味する。一般に、エコセメントクリンカには、普通エコセメントクリンカ及び速硬エコセメントクリンカの2種類があるが、普通エコセメントクリンカがより好ましい。
本発明のエコセメントクリンカは、易焼成性を向上させると共に、流動性を確保しつつ凝結時間が短いエコセメント又はエコセメント組成物を得る観点から、0.2質量%〜0.8質量%のNiOを含む。NiOの含有量が0.2質量%未満であると、NiOの添加による上記効果が十分に得られない。一方、NiOの含有量が0.8質量%を超えると、エコセメント又はエコセメント組成物の流動性が低下する上、それらの硬化物の強度も低くなる。
本発明のエコセメントクリンカは、C3S(3CaO・SiO2)、C2S(2CaO・SiO2)、C3A(3CaO・Al2O3)、C4AF(4CaO・Al2O3・Fe2O3)を含む。これらの鉱物の含有量は、特に限定されないが、リートベルト解析法によって定量化した場合に、C3Sが一般に20質量%〜75質量%、好ましくは30質量〜60質量%、C2Sが一般に10質量%〜40質量%、好ましくは15質量%〜35質量%、C3Aが一般に1質量%〜25質量%、好ましくは3質量%〜20質量%、C4AFが一般に5質量%〜30質量%、好ましくは10質量%〜25質量%である。
また、本発明のエコセメントクリンカは、リートベルト解析法によって定量化した場合に、f.CaO(フリーライム)量が、好ましくは1.4質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、さらに好ましくは0.7質量%以下である。また、エチレングリコール法によって定量化した場合に、f.CaO量が、好ましくは1.4質量%以下、より好ましくは0.70質量%以下、さらに好ましくは0.65質量%以下である。f.CaO量が上記の範囲内であれば、易焼成性に優れているとみなすことができる。ここで、本明細書において「エチレングリコール法」とは、セメント協会標準試験方法として定められるエチレングリコール法(JCAS I−01:1997)を意味し、細粉試料にエチレングリコールを加えて撹拌し、試料中の全ての遊離酸化カルシウム(f−CaO)を溶出させることによって測定することができる。
また、本発明のエコセメントクリンカは、リートベルト解析法によって定量化した場合に、f.MgO(ペリクレース)量が、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、さらに好ましくは3.5質量%以下である。f.MgOが上記の範囲内であれば、エコセメント又はエコセメント組成物の硬化物に亀裂などが生じ難い。
本発明のエコセメントクリンカは、エコセメント原料に対して内割りで0.2質量%〜0.8質量%のNiOを添加して混合すること以外は、当該技術分野において公知の方法に準じて製造することができる。NiOの添加量が0.2質量%未満であると、NiOの添加による効果が十分に得られない。一方、NiOの添加量が0.8質量%を超えると、エコセメント又はエコセメント組成物の流動性が低下する上、それらの硬化物の強度も低くなる。
エコセメント原料とNiOとの混合方法としては、特に限定されず、例えば、ボールミルなどの装置を用いて混合すればよい。
混合物の焼成方法としては、特に限定されず、例えば、ロータリーキルンなどの装置を用いて焼成すればよい。また、焼成温度も、使用するエコセメント原料の種類に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、一般に900℃〜1600℃、好ましくは1000℃〜1500℃である。
混合物の焼成方法としては、特に限定されず、例えば、ロータリーキルンなどの装置を用いて焼成すればよい。また、焼成温度も、使用するエコセメント原料の種類に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、一般に900℃〜1600℃、好ましくは1000℃〜1500℃である。
上記のようにして製造される本発明のエコセメントクリンカは、0.2質量%〜0.8質量%のNiOを含有させているため、易焼成性に優れると共に、流動性を確保しつつ凝結時間が短いエコセメント及びエコセメント組成物を製造することができる。
本発明のエコセメントは、上記のエコセメントクリンカと石膏とからなる。このエコセメントは、上記のエコセメントクリンカと石膏とを混合することによって製造することができる。
エコセメントクリンカは、石膏と混合する前に、一般に破砕される。エコセメントクリンカの破砕方法としては、特に限定されず、例えば、ボールミルなどの装置を用いて破砕すればよい。
石膏の配合量は、特に限定されないが、セメントクリンカ100質量部に対してSO3換算で一般に6質量部以下、好ましくは1質量部〜5質量部である。
石膏としては、特に限定されないが、例えば、二水石膏、α型又はβ型半水石膏、無水石膏などが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エコセメントクリンカは、石膏と混合する前に、一般に破砕される。エコセメントクリンカの破砕方法としては、特に限定されず、例えば、ボールミルなどの装置を用いて破砕すればよい。
石膏の配合量は、特に限定されないが、セメントクリンカ100質量部に対してSO3換算で一般に6質量部以下、好ましくは1質量部〜5質量部である。
石膏としては、特に限定されないが、例えば、二水石膏、α型又はβ型半水石膏、無水石膏などが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のエコセメントは、0.2質量%〜0.8質量%のNiOを含有させたエコセメントクリンカを含有しているため、流動性を確保しつつ凝結時間を短くすることができる。
本発明のエコセメント組成物は、上記のエコセメントを含む。
ここで、本明細書において「セメント組成物」とは、モルタル及びコンクリートなどを含む概念を意味する。
本発明のエコセメント組成物に配合することができるエコセメント以外の成分としては、特に限定されず、セメント組成物に一般に用いられている公知の成分を用いることができる。当該成分の例としては、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、硅砂、スラグ細骨材、軽量細骨材などの細骨材;砂利、砕石、スラグ粗骨材、軽量粗骨材などの粗骨材などが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、本明細書において「セメント組成物」とは、モルタル及びコンクリートなどを含む概念を意味する。
本発明のエコセメント組成物に配合することができるエコセメント以外の成分としては、特に限定されず、セメント組成物に一般に用いられている公知の成分を用いることができる。当該成分の例としては、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、硅砂、スラグ細骨材、軽量細骨材などの細骨材;砂利、砕石、スラグ粗骨材、軽量粗骨材などの粗骨材などが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のエコセメント組成物は、0.2質量%〜0.8質量%のNiOを含有させたエコセメントクリンカを含有しているため、流動性を確保しつつ凝結時間を短くすることができる。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
<使用原料>
(1)エコセメント原料
下記の表1に示す化学組成を有するエコセメント原料を用いた。Ig.lossはエコセメント原料を1000℃で1時間加熱することによって求め、その他の化学組成は加熱残分をJIS R5204「セメントの蛍光X線分析方法」に準拠して測定した。
<使用原料>
(1)エコセメント原料
下記の表1に示す化学組成を有するエコセメント原料を用いた。Ig.lossはエコセメント原料を1000℃で1時間加熱することによって求め、その他の化学組成は加熱残分をJIS R5204「セメントの蛍光X線分析方法」に準拠して測定した。
(2)NiO
株式会社高純度化学研究所製の一酸化ニッケル(純度99.9%)を用いた。
株式会社高純度化学研究所製の一酸化ニッケル(純度99.9%)を用いた。
<エコセメントクリンカの製造>
エコセメント原料に対して内割りで0.40質量%〜2.27質量%のNiOを添加して混合した後、直径約15mm、高さ約8mmのペレットに200MPaで加圧成形した。次に、成形物を箱型電気炉にて1000℃で30分仮焼し、1500℃まで30分かけて昇温した後、1500℃で20分保持し、箱型電気炉から取り出して空冷することによってエコセメントクリンカを製造した。
エコセメント原料に対して内割りで0.40質量%〜2.27質量%のNiOを添加して混合した後、直径約15mm、高さ約8mmのペレットに200MPaで加圧成形した。次に、成形物を箱型電気炉にて1000℃で30分仮焼し、1500℃まで30分かけて昇温した後、1500℃で20分保持し、箱型電気炉から取り出して空冷することによってエコセメントクリンカを製造した。
<エコセメントクリンカの評価>
製造したエコセメントクリンカについて、XRD−リートベルト解析法によって鉱物組成を特定した。XRD装置には、ブルカー・エイエックスエス社製のX線回折装置D8 ADVANCEを用い、リートベルト解析ソフトには、ブルカー・エイエックスエス社製のTOPAS2を用いた。また、f.CaO量については、セメント協会標準試験方法として定められるエチレングリコール法(JCAS I−01:1997)によっても求めた。これらの結果を表2に示す。
製造したエコセメントクリンカについて、XRD−リートベルト解析法によって鉱物組成を特定した。XRD装置には、ブルカー・エイエックスエス社製のX線回折装置D8 ADVANCEを用い、リートベルト解析ソフトには、ブルカー・エイエックスエス社製のTOPAS2を用いた。また、f.CaO量については、セメント協会標準試験方法として定められるエチレングリコール法(JCAS I−01:1997)によっても求めた。これらの結果を表2に示す。
表2に示されているように、NiOを添加しなかったエコセメントクリンカ(No.1)と比較して、0.40質量%及び0.78質量%のNiOを添加したエコセメントクリンカ(No.2及び3)は、C3Aの量が減少した。したがって、No.2及び3のエコセメントクリンカを用いることにより、エコセメント又はエコセメント組成物の流動性を向上させることができると考えられる。
また、NiOを添加しなかったエコセメントクリンカ(No.1)と比較して、NiOを添加したエコセメントクリンカ(No.2〜5)は、f.CaOの量が減少した。したがって、NiOを添加することにより、エコセメントクリンカの易焼成性が向上したと考えられる。
また、NiOを添加しなかったエコセメントクリンカ(No.1)と比較して、NiOを添加したエコセメントクリンカ(No.2〜5)は、f.CaOの量が減少した。したがって、NiOを添加することにより、エコセメントクリンカの易焼成性が向上したと考えられる。
<エコセメントの製造>
上記で得られたエコセメントクリンカを破砕した後、セメントクリンカ100質量部に対してSO3換算で3.25質量部の排脱二水石膏を加えて、振動型ディスクミルによりブレーン比表面積が4100±100cm2/gになるよう粉砕混合することによってエコセメントを製造した。
上記で得られたエコセメントクリンカを破砕した後、セメントクリンカ100質量部に対してSO3換算で3.25質量部の排脱二水石膏を加えて、振動型ディスクミルによりブレーン比表面積が4100±100cm2/gになるよう粉砕混合することによってエコセメントを製造した。
<エコセメントの凝結時間の評価>
水セメント比(W/C)が27.2%となるようにエコセメント7.5gを水と薬さじを用いて練混ぜてエコセメントペーストを作製した。次に、得られたエコセメントペーストをφ30mm×H5mmの容器に入れ、表面を平坦にした後、凝結時間の評価を行った。凝結時間は、JIS R5201に準拠して行い、凝結終結時間を測定することによって評価した。凝結終結時間の評価結果は、No.1のエコセメントクリンカを用いたエコセメントの凝結終結時間を100%とした場合の相対評価とした。その結果を表3に示す。
水セメント比(W/C)が27.2%となるようにエコセメント7.5gを水と薬さじを用いて練混ぜてエコセメントペーストを作製した。次に、得られたエコセメントペーストをφ30mm×H5mmの容器に入れ、表面を平坦にした後、凝結時間の評価を行った。凝結時間は、JIS R5201に準拠して行い、凝結終結時間を測定することによって評価した。凝結終結時間の評価結果は、No.1のエコセメントクリンカを用いたエコセメントの凝結終結時間を100%とした場合の相対評価とした。その結果を表3に示す。
<エコセメント組成物(モルタル)の圧縮強度の評価>
エコセメント45g、JIS標準砂135g及び水22.5gを薬さじを用いて練混ぜることによってエコセメント組成物を得た。次に、2cm×2cm×3cmの型枠にエコセメント組成物を入れ、テーブルバイブレータを用いて振動を与えた後、金属製ストレートエッジを用いて表面を平坦にした。次に、ガラス板で表面を覆った後、湿気箱(20±1℃、相対湿度90%以上)にて養生した。24時間後、型枠から供試体を取出し、所定材齢(3日、7日及び28日)まで水中養生を行った。このようにして作製した供試体についてJIS R5202に準拠して圧縮強度を測定した。圧縮強度の評価結果は、No.1のエコセメントクリンカを用いたエコセメント組成物の圧縮強度を100%とした場合の相対評価とした。その結果を表3に示す。
エコセメント45g、JIS標準砂135g及び水22.5gを薬さじを用いて練混ぜることによってエコセメント組成物を得た。次に、2cm×2cm×3cmの型枠にエコセメント組成物を入れ、テーブルバイブレータを用いて振動を与えた後、金属製ストレートエッジを用いて表面を平坦にした。次に、ガラス板で表面を覆った後、湿気箱(20±1℃、相対湿度90%以上)にて養生した。24時間後、型枠から供試体を取出し、所定材齢(3日、7日及び28日)まで水中養生を行った。このようにして作製した供試体についてJIS R5202に準拠して圧縮強度を測定した。圧縮強度の評価結果は、No.1のエコセメントクリンカを用いたエコセメント組成物の圧縮強度を100%とした場合の相対評価とした。その結果を表3に示す。
表3に示されているように、NiOを添加しなかったエコセメントクリンカを用いたエコセメント(No.1)と比較して、0.40質量%、0.78質量%及び2.27質量%のNiOを添加したエコセメントクリンカを用いたエコセメント(No.2、3及び5)は、凝結終結時間が短くなった。
また、NiOを添加しなかったエコセメントクリンカを用いたエコセメント組成物(No.1)と比較して、0.40質量%及び0.78質量%のNiOを添加したエコセメントクリンカを用いたエコセメント組成物(No.2及び3)は、硬化物の圧縮強度も同程度であった。これに対して1.52質量%及び2.27質量%のNiOを添加したエコセメントクリンカを用いたエコセメント組成物(No.4及び5)は、硬化物の圧縮強度が低下してしまった。
また、NiOを添加しなかったエコセメントクリンカを用いたエコセメント組成物(No.1)と比較して、0.40質量%及び0.78質量%のNiOを添加したエコセメントクリンカを用いたエコセメント組成物(No.2及び3)は、硬化物の圧縮強度も同程度であった。これに対して1.52質量%及び2.27質量%のNiOを添加したエコセメントクリンカを用いたエコセメント組成物(No.4及び5)は、硬化物の圧縮強度が低下してしまった。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、0.2質量%〜0.8質量%のNiOを含有させることにより、易焼成性に優れると共に、流動性を確保しつつ凝結時間が短いエコセメント及びエコセメント組成物を製造することが可能なエコセメントクリンカ及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、流動性を確保しつつ凝結時間が短いエコセメント及びエコセメント組成物を提供することができる。
Claims (4)
- 0.2〜0.8質量%のNiOを含むことを特徴とするエコセメントクリンカ。
- 請求項1に記載のエコセメントクリンカと石膏とからなることを特徴とするエコセメント。
- 請求項2に記載のエコセメントを含むことを特徴とするエコセメント組成物。
- エコセメント原料に対して内割りで0.2〜0.8質量%のNiOを添加して混合した後、焼成することを特徴とするエコセメントクリンカの製造方法。
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