JP2017153561A - 医療用ポンプ - Google Patents
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Abstract
Description
輸液チューブおよび医療用ポンプにおいては、患者へ薬液が誤って送液される事態はあってはならない。このため、輸液チューブおよび医療用ポンプには、誤送液を避けるための対策が幾重にもなされている。
医療用ポンプには、クリップクランプ部材、チューブクランプ部材およびチューブクランプ解除レバーを有するチューブクランプ機構が設置される。クリップクランプ部材は、輸液チューブに装着されたクリップ部材をクランプし、開閉カバーが開いた状態では輸液チューブを閉塞させ、開閉カバーが閉じた状態では輸液チューブの閉塞が解除される(特許文献1参照)。
このような医療用ポンプにおいて、クリップクランプ部材を誤って操作等した場合、クリップクランプ部材を押圧していたチューブクランプ部材までが移動され、解除状態にあるチューブクランプ部材が、再び押圧状態に戻ってしまうことがある。
このような場合、医療用ポンプを操作する作業者は、再びチューブクランプ部材の押圧を解除する操作を行わなくてはならず、作業性を低下させる原因となっていた。
このため、クリップクランプ部材に誤操作等があっても、移動規制機構によりクリップクランプ部材の移動が規制されるので、チューブクランプ部材が押圧解除状態から押圧状態へと不必要に戻ってしまうことを防止できる。
従って、医療用ポンプを操作する作業者が、再びチューブクランプ部材を解除する操作が必要なくなり、輸液チューブの装着時の作業性を低下させることを防止できる。
〔医療用ポンプ1〕
図1および図2において、医療用ポンプ1は、装着された輸液チューブ2内の薬液を送液する装置である。
医療用ポンプ1は、箱状の本体10と、その前面を覆う開閉式のドア20とを有する。
ドア20は、ヒンジ部21を介して本体10に接続されている。ドア20は、ヒンジ部21の回動軸線22を中心に、閉状態(図1に示す状態)から開状態(図2に示す状態)まで回動可能である。
ドア20の表面には、開閉操作用のレバー3、操作部4および表示部5が設置されている。
被覆面11は、略垂直な平面であるが、僅かな角度(例えば垂直方向に対して6.5度)で上向きに傾斜されている。
被覆面11には、輸液チューブ2を保持する保持部12、輸液チューブ2を外部から押圧して薬液を圧送するポンプ部13、輸液チューブ2をクランプするチューブクランプ部14、輸液チューブ2に装着されているクリップ部材6(図2参照)を収容するクリップクランプ部15が設置されている。
チューブクランプ機構30は、ドア20が開いた状態では輸液チューブ2を閉塞させ、ドア20が閉じた状態では輸液チューブ2の閉塞を解除する機能を有する。
図3および図4に示すように、チューブクランプ機構30は、折板材で形成されたベース部材31を有する。ベース部材31は、その表裏が第1表面311および第2表面312とされている。
ベース部材31の第1表面311には、クリップクランプ部材32が配置されている。
ベース部材31の第2表面312には、チューブクランプ部材33およびチューブクランプ解除レバー34が配置されている。
クリップクランプ部材32は、ベース部材31の第1表面311に設置され、クリップクランプ部15に収容されたクリップ部材6をクランプするものである。
クリップクランプ部材32は、基部321と、可動部322とで構成されている。
これらにより、クリップクランプ部材32は、クリップクランプ部15に収容されたクリップ部材6をクランプすることができる。
チューブクランプ部材33は、ベース部材31の第2表面312に設置され、ドア20が開いた状態で、クリップクランプ部材32を押圧してクリップ部材6で輸液チューブ2を閉塞させるものである。
チューブクランプ部材33は、略L字状に形成された合成樹脂成形品の本体部331を有する。本体部331の一端には軸部材333が挿通されている。軸部材333は、ベース部材31の第2表面312に固定されている。本体部331は、この軸部材333を軸として、ベース部材31に対して回動可能である。本体部331は、ベース部材31との間に介装されたばね部材334により、ベース部材31に対して図3で時計回りに回動するように付勢されている。
このような配置により、チューブクランプ部材33が図3の時計回り(図5の反時計回り)に回動した際には、クリップクランプ押圧レバー335が基部321の中間部分327を押圧し、クリップクランプ部材32を図3の時計回りに回動させ、クリップクランプ部材32でクリップ部材6を押圧することで、クリップ部材6を介して輸液チューブ2を閉塞させることができる。
一方、ドア20が閉じた際には、傾斜部337により、チューブクランプ部材33が図3の反時計回りに回動され、チューブクランプ部14およびクリップクランプ部15での輸液チューブ2の閉塞が解除される。
チューブクランプ解除レバー34は、ベース部材31の第2表面312に設置され、ドア20が開いた状態で、チューブクランプ部材33によるクリップクランプ部材32の押圧を解除して、クリップ部材6による輸液チューブ2の閉塞を解除するものである。
チューブクランプ解除レバー34は、略L字状に形成された合成樹脂成形品の本体部341を有する。本体部341の中間の屈曲部には軸部材343が挿通されている。軸部材343は、ベース部材31の第2表面312に固定されている。本体部341は、この軸部材343を軸として、ベース部材31に対して回動可能である。本体部341は、ベース部材31との間に介装されたばね部材344により、ベース部材31に対して図3で反時計回りに回動するように付勢されている。
操作部346は、本体部341の一端に形成され、チューブクランプ機構30を本体10に設置した際に、被覆面11のチューブクランプ部14の側方に露出される。そして、操作部346を使用者が操作することで、チューブクランプ解除レバー34を、ばね部材344による付勢力に抗して、図3の時計回りに回動させることができる。
係止部349は、本体部341の係合ローラ348と軸部材343との間に段差状に形成され、チューブクランプ部材33に形成された被係止部339を係止可能である。
操作部346を操作して、チューブクランプ解除レバー34をばね部材344に抗して回動させると、チューブクランプ解除レバー34は図7の2点鎖線の状態から実線の状態へと移動し、係止部349が被係止部339を係止した状態で停止する。移動の間に、係合ローラ348はノッチ部338の表面に転動してその中間部の突起を乗り越え、実線で示すように図中上側のノッチに係合した状態に至る。
このように、実線の状態では、チューブ押圧レバー336による輸液チューブ2の閉塞が解除されるとともに、チューブクランプ部材33およびクリップクランプ部材32を介しての、クリップ部材6による輸液チューブ2の閉塞が解除される。
しかし、図7の実線の状態において、誤操作などでクリップクランプ部材32が回動され、この動きがクリップクランプ部材32の中間部分327からクリップクランプ押圧レバー335を経てチューブクランプ部材33に伝達されると、ノッチ部338に係合していた係合ローラ348が外れ、操作していないにも拘わらずチューブクランプ解除レバー34が2点鎖線の状態に戻ってしまい、輸液チューブ2の閉塞の解除が無効化されてしまうことがある。
これに対し、本実施形態では、このような誤操作への対策として、図5、図6および図8に示すような、移動規制機構40が設置されている。
移動規制機構40は、チューブクランプ解除レバー34によりチューブクランプ部材33によるクリップクランプ部材32の押圧を解除した状態で、クリップクランプ部15に対するクリップクランプ部材32の移動を規制するものである。
図5および図6に示すように、移動規制機構40は、ベース部材31に形成された当接用開口41と、クリップクランプ部材32に形成された当接部42と、チューブクランプ解除レバー34に形成された被当接部44と、を有する。
当接部42は、クリップクランプ部材32が回動した際に、図8に示す円弧状の移動軌跡L2に沿って移動する。移動軌跡L2は、クリップクランプ部材32の回動中心である軸部材323を中心とした円弧状となる。
被当接部44は、チューブクランプ解除レバー34が回動した際に、図8に示す円弧状の移動軌跡L4に沿って移動する。移動軌跡L4は、チューブクランプ解除レバー34の回動中心である軸部材343を中心とした円弧状となる。
これらの当接部42および被当接部44は、クリップクランプ部材32およびチューブクランプ解除レバー34がベース部材31に支持された状態では、それぞれ先端が当接用開口41の内部に配置される。
当接用開口41の輪郭形状は、当接部42の移動軌跡L2および被当接部44の移動軌跡L4を囲む輪郭とされている。
従って、クリップクランプ部材32およびチューブクランプ解除レバー34がそれぞれ回動した場合には、当接部42および被当接部44は、当接用開口41の内側で、各々の移動軌跡L2,L4上の任意の位置へと移動可能である。
当接部42と被当接部44とが当接する位置は、チューブクランプ解除レバー34がチューブクランプ部材33によるクリップクランプ部材32の押圧を解除した状態(図7の実線の状態)で、クリップクランプ部材32がチューブクランプ部材33に押圧される状態に向けて移動した際に、互いに当接する位置とされている。
一方、チューブクランプ解除レバー34を戻し、チューブクランプ部材33がクリップクランプ部材32を押圧する状態(図7の2点鎖線の状態)とすれば、被当接部44は当接部42の移動軌跡L2の外へと移動するため、当接部42が被当接部44と当接することはなく、クリップクランプ部材32は移動規制機構40で移動を規制されない。
このような本発明によれば、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態の医療用ポンプ1では、チューブクランプ解除レバー34により、チューブクランプ部材33によるクリップクランプ部材32の押圧が解除された状態において、クリップクランプ部15に対するクリップクランプ部材32の基部321の移動が、移動規制機構40により規制される。
このため、クリップクランプ部材32に誤操作等があっても、移動規制機構40によりクリップクランプ部材32の基部321の移動が規制されるので、チューブクランプ部材33が押圧解除状態から押圧状態へと不必要に戻ってしまうことを防止できる。
従って、医療用ポンプ1を操作する作業者が、再びチューブクランプ解除レバー34によりチューブクランプ部材33を解除する操作が必要なくなり、輸液チューブ2の装着時の作業性を低下させることを防止できる。
そして、チューブクランプ解除レバー34が、チューブクランプ部材33によるクリップクランプ部材32の押圧を解除した状態にあるとき、移動規制機構40においては、被当接部44が当接部42の移動軌跡L2上に配置することで、所期の移動規制を実現することができる。
また、クリップクランプ部材32、チューブクランプ部材33およびチューブクランプ解除レバー34を、ベース部材31に対して回動させるとしたため、これらをベース部材31に移動可能に支持する構成を簡素かつコンパクトにすることができる。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形などは、本発明に含まれる。
移動規制機構40は、クリップクランプ部材32に形成された当接部42と、チューブクランプ解除レバー34に形成された被当接部44とを当接させる構成に限らず、例えば、クリップクランプ部材32に形成された凸部と、チューブクランプ解除レバー34に形成された凹部とを係合させる構成、チューブクランプ解除レバー34の位置を電気的に検出してクリップクランプ部材32をソレノイドでロックする構成などであってもよい。
Claims (5)
- クリップ部材が装着された輸液チューブにより薬液を送液する医療用ポンプであって、
前記クリップ部材を収容可能なクリップ収容部と、
前記クリップ収容部を被覆可能な開閉カバーと、
前記開閉カバーが開いた状態では前記輸液チューブを閉塞させ、前記開閉カバーが閉じた状態では前記輸液チューブの閉塞を解除するチューブクランプ機構と、を有し、
前記チューブクランプ機構は、
前記クリップ収容部に収容された前記クリップ部材をクランプ可能なクリップクランプ部材と、
前記開閉カバーが開いた状態で、前記クリップクランプ部材を押圧して前記クリップ部材で前記輸液チューブを閉塞させるチューブクランプ部材と、
前記開閉カバーが開いた状態で、前記チューブクランプ部材による前記クリップクランプ部材の押圧を解除して、前記クリップ部材による前記輸液チューブの閉塞を解除するチューブクランプ解除レバーと、
前記チューブクランプ解除レバーにより前記チューブクランプ部材による前記クリップクランプ部材の押圧を解除した状態で、前記クリップ収容部に対する前記クリップクランプ部材の移動を規制する移動規制機構と、を有することを特徴とする医療用ポンプ。 - 請求項1に記載の医療用ポンプにおいて、
前記移動規制機構は、前記クリップクランプ部材に形成された当接部と、前記チューブクランプ解除レバーに形成されて前記当接部に当接可能な被当接部と、を有し、
前記当接部と前記被当接部とは、前記チューブクランプ解除レバーが前記チューブクランプ部材による前記クリップクランプ部材の押圧を解除した状態で、前記クリップクランプ部材が前記チューブクランプ部材に押圧される状態に向けて移動した際に、互いに当接する配置とされていることを特徴とする医療用ポンプ。 - 請求項2に記載の医療用ポンプにおいて、
前記チューブクランプ機構は、ベース部材を有し、
前記ベース部材には、前記クリップクランプ部材、前記チューブクランプ部材および前記チューブクランプ解除レバーが、前記ベース部材の表面に沿って移動可能に支持され、
前記クリップクランプ部材が移動した際の前記当接部の移動軌跡と、前記チューブクランプ解除レバーが移動した際の前記被当接部の移動軌跡とが、互いに交差して配置され、
前記被当接部は、前記チューブクランプ解除レバーが前記チューブクランプ部材による前記クリップクランプ部材の押圧を解除した状態にあるとき、前記当接部の移動軌跡上に配置されることを特徴とする医療用ポンプ。 - 請求項3に記載の医療用ポンプにおいて、
前記ベース部材は、第1表面および第2表面を有する板状とされ、
前記クリップクランプ部材は、前記第1表面に沿って回動自在に支持され、
前記チューブクランプ部材および前記チューブクランプ解除レバーは、前記第2表面に沿って回動自在に支持され、
前記ベース部材には、前記当接部の移動軌跡および前記被当接部の移動軌跡を囲む輪郭の当接用開口が形成され、
前記当接部は、前記クリップクランプ部材から突起して前記当接用開口の内部まで延びており、
前記被当接部は、前記チューブクランプ解除レバーから突起して前記当接用開口の内部まで延びており、
前記当接部および前記被当接部は、前記当接用開口の内部で互いに当接可能であることを特徴とする医療用ポンプ。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の医療用ポンプにおいて、
前記クリップクランプ部材は、前記チューブクランプ部材で押圧されかつ前記移動規制機構で移動を規制される基部と、前記基部に移動可能に接続されかつ前記クリップ収容部に露出された可動部と、を有することを特徴とする医療用ポンプ。
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JP2005034515A (ja) * | 2003-07-18 | 2005-02-10 | Terumo Corp | クランプ |
JP2010508876A (ja) * | 2006-11-08 | 2010-03-25 | フレセニウス ヴィアル サス | 容積形ポンプにおけるクランプの開閉制御装置 |
WO2013145060A1 (ja) * | 2012-03-26 | 2013-10-03 | テルモ株式会社 | 輸液ポンプ |
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