JP2017153371A - ビール劣化臭抑制剤組成物 - Google Patents

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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Abstract

【課題】劣化臭抑制剤自体に不快な臭いがなく、2−ノネナールなどのビールの老化臭成分に対して高い効果があり、日光臭抑制にも優れる有用なビール劣化臭抑制剤の提供。【解決手段】ハトムギの臭み成分を合成吸着剤で吸着除去したハトムギ抽出液を有効成分とするビール劣化臭抑制剤組成物。0.4〜0.5mg/Lの二酸化硫黄を含有する充填アルミニウム溶器。ワインが充填前に精密ろ過され、容器充填工程を通して溶存酸素レベルが最大で0.5mg/Lまでに維持され、そして最終レベルの溶存CO2が、前記容器に充填前に、白ワイン及びスパークリングワインに関して50ppm〜及び赤ワインに関して50〜400ppmである、アルミニウム容器にワインを充填する方法。【選択図】なし

Description

本発明は、2−ノネナールなどの不快なビール劣化臭のマスキングに対して有効であり、植物、詳しくはハトムギに由来する、無味無臭のビール劣化臭抑制剤組成物、その製造方法、並びに該劣化臭抑制剤組成物を含有するビール又はビアテイスト飲料に関する。
ビール不快臭(オフフレーバー)は、ビール本来の美味しさを損なう不快な臭気である。このような不快臭は、ビールの製造工程中又は原料に由来する不快臭(例えば、カビ臭、ダイアセチルによるバター様香気、硫化水素臭、青海苔やキャベツ様臭、焦げ臭、ゴム臭、ネギ臭、汗臭)、並びに、製品ビールの保存中に生成してくる劣化臭(例えば、カードボード臭、老化臭、金属臭、日光臭)があり、様々な臭いが確認されている(非特許文献1)。
製品ビールの保存中に生成してくる劣化臭の原因物質や発生要因は様々であるが、2−ノネナール、3−メチル−2−ブテン−1−チオール、γ−ノナラクトン、3−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド、(E)−β−ダマセノン、ジメチルトリスルフィド、エチル2−メチルプロパノエート、エチル2−メチルブチレート、ソトロン、t−4,5−エポキシ−2E−デセナールなどがビールの劣化臭として知られている。
これらの劣化臭は、製造直後には目立たないが、製品の保存期間中に複雑な生成機構を介して生成し、かつそれが蓄積されていくため、ある時期から不快臭を伴うようになる。さらに、ビールの保管温度や光暴露などの外部からの影響により、劣化臭の発生速度、発生量などが大きく左右される。そのため、発酵工程から充填工程に至る醸造工程において劣化臭の発生を完全に制御することは困難であった。
一方、ビール劣化臭対策として、発酵前のビール原料に処理を加える方法も検討されている。
具体的には、脂肪酸類の酸化反応に着目し、発芽穀物中のリポキシゲナーゼ等の酵素を失活させる。たとえば、発芽穀物を水蒸気と接触させることにより発芽穀物中の酵素活性を低減させる方法(特許文献1)が提案されている。また、発芽穀物にマイクロ波加熱処理を行う方法(特許文献2)も提案されている。
しかし、いずれの方法も、ビール醸造前に発芽穀物を加熱処理する工程が必要であり、それにより発芽穀物が本来有する芳醇な香気の損失や、前処理にかかる煩雑な処理が必要であるなど、完全な劣化臭対策とはなっていない。
WO2007/072780号公報 WO2008/156051号公報 特開平11−169161号公報 特開2010−252643号公報 特開2015−27309号公報
岸本徹、「ビールのオフフレーバー〜その発生要因と抑制〜」、食品と開発、Vol. 50、(2015)、No. 12、p. 11-15
製造後のビールに生じてくる劣化臭の中でも、老化臭(もったりとした甘い香り)は、その原因物質として2−ノネナール、3−メチル−2−ブテン−1−チオール、γ−ノナラクトン、3−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド、(E)−β−ダマセノン、ジメチルトリスルフィド、エチル2−メチルプロパノエート、エチル2−メチルブチレート及びソトロンの9成分が寄与していると報告されており、原因物質の数の多さから有効な対策が困難とされてきた。特に、2−ノネナールは、老化臭以外にもカードボード臭(ダンボールの臭いに類似する臭い)にも寄与しており、最も対策が必要とされている問題成分である。
さらに、日光臭(ビールがビンに充填された後、ビンに日光、蛍光灯、水銀灯などの紫外線が照射されると、ビール中に発生するオフフレーバー)についても、流通過程の発生を抑えるため、紫外線を遮断するコーティングを施したビンを用いたり、トラックの配送の際に遮光用のシートで覆うなどの取り組みが行われている。しかし、こうした従来の日光臭対策は手間がかかり、輸送コストに影響するため他の簡便な対策が要望されている。
ビールの劣化臭抑制剤に望まれるのは、種々のビール劣化臭、特に老化臭の原因物質である上記9成分に対して高いマスキング効果を発揮することはもちろんのこと、ビール本来の風味に影響を与えないこと、すなわち劣化臭抑制剤自体に異味異臭のないことが要求される。
本発明は、理想に近いビール劣化臭抑制剤を提供するものであって、劣化臭抑制剤自体に不快な臭いがなく、2−ノネナールなどのビールの老化臭成分に対して高い効果があり、日光臭抑制にも優れる有用なビール劣化臭抑制剤を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者は、種々の植物由来の成分に着目してビール劣化臭のマスキング効果の有無やその程度について検討した。その結果、ハトムギの溶媒抽出物にビール劣化臭抑止効果を見出した。
しかし、ハトムギ抽出物にはハトムギに含まれる特有の不快な臭みの原因成分が残存しており、ハトムギ抽出物をそのままビール劣化臭抑制剤組成物として供することに問題があった。
そこで、本発明者はハトムギ臭の脱臭方法を鋭意検討したところ、ハトムギに含まれる臭み成分と、ハトムギに含まれるビール劣化臭抑制成分の間に僅かながら極性の相違が有り、そのため吸着剤に対する吸着性、抽出液や溶離液に対する溶出性の違いを利用して、臭み成分と劣化抑制成分を分離できることを見出した。
そこで、ハトムギの抽出処理と吸着剤処理を組み合わせ、さらに抽出液や溶離液の性状を特定することで、ハトムギの臭み成分が除去された抽出液をビール劣化臭抑制剤組成物として入手できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(1)ハトムギの臭み成分を合成吸着剤で吸着除去したハトムギ抽出液を有効成分とするビール劣化臭抑制剤組成物。
(2)50〜90%エタノール濃度条件下で合成吸着剤と非吸着性を呈すハトムギ抽出液を有効成分とする上記のビール劣化臭抑制剤組成物。
(3)合成吸着剤が、芳香族系の合成吸着剤である上記のビール劣化臭抑制剤組成物。
(4)ビール劣化臭が、2−ノネナールに由来する臭気であることを特徴とする上記のビール劣化臭抑制剤組成物。
(5)ハトムギ由来の固形分濃度が飲食品中で0.001〜100ppmになるように上
記のビール劣化臭抑制剤組成物を添加することを特徴とするビール劣化臭抑制方法。
(6)上記のビール劣化臭抑制剤組成物を配合したビール又はビアテイスト飲料。
(7)以下の工程、
工程1:ハトムギを、エタノール濃度が50〜90%のエタノール水溶液で抽出処理して、ハトムギ中の臭み成分及びビール劣化臭抑制成分を含む抽出液を得る工程、及び
工程2:工程1の抽出液を合成吸着剤に接触させてハトムギの臭み成分を吸着除去し、ビール劣化臭抑制成分を含む抽出液を得る工程、
を含むことを特徴とする、上記のビール劣化臭抑制剤組成物の製造方法。
(8)以下の工程、
工程1:ハトムギを、水、エタノール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、1,2−ペンタンジオール及び1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる1種又は2種以上の溶媒(但しエタノール濃度が50〜90%のエタノール水溶液を除く)で抽出処理して、ハトムギ由来の臭み成分及びビール劣化臭抑制成分を含む抽出液を得る工程、
工程2:工程1の抽出液を合成吸着剤に接触させてハトムギの臭み成分及びビール劣化臭抑制成分を吸着させる工程、及び
工程3:合成吸着剤にエタノール濃度が50〜90%のエタノール水溶液を通液して、合成吸着剤からビール劣化臭抑制成分を当該エタノール水溶液に溶離させてビール劣化臭抑制成分を含む抽出液を得る工程、
を含むことを特徴とする、上記のビール劣化臭抑制剤組成物の製造方法。
本発明によれば、2−ノネナールによるカードボード臭や老化臭などのビール劣化臭、紫外線による日光臭に対して高い消臭効果を発揮し、無味無臭のビール劣化臭抑制剤組成物を提供することができる。
また、本発明のビール劣化臭抑制剤組成物は、ビール又はビアテイスト飲料の製造工程のどの段階でも添加できるので取扱いが容易である。
さらに、本発明のビール劣化臭抑制剤組成物は、穀物茶としての食経験が豊富なハトムギを原材料とするので安全性も優れている。
試験例1の結果を示し、光虐待試験における劣化臭気に対するハトムギ抽出物の効果を表したグラフである。 試験例1の結果を示し、光虐待試験における劣化呈味に対するハトムギ抽出物の効果を表したグラフである。 試験例2の結果を示し、2−ノネナールに対するハトムギ抽出物の効果を表したグラフである。 試験例2の結果を示し、老化臭がひきおこす不快度に対するハトムギ抽出物の効果を表したグラフである。 評価試験1の結果を示し、エタノール濃度とハトムギの臭み不快度の関係を表すグラフである。 評価試験2の結果を示し、エタノール濃度と2−ノネナールのマスキング効果の関係を表すグラフである。 評価試験3の結果を示し、光虐待試験におけるハトムギ抽出物の添加量と嗜好度の関係を表すグラフである。
〔1〕ビール劣化臭抑制剤
(1)原材料
本発明のビール劣化臭抑制剤に使用する植物はイネ科のハトムギ(Coix lacryma-jobi Linn ever. Mayuen Stapf)であり、葉、茎、根、花、種子あるいは全草を使用することができるが、中でも種子の使用が好ましく、特に種皮を除いた種子が好ましい。また、種類は上記に限定されることなくハトムギの変種、同属種、その他近縁類も使用できる。
ハトムギの主要成分は、デンプン(50〜80%)、タンパク質(16〜20%)、パルミチン酸、ステアリン酸、cis-8-ステアリン酸のグリセリド及びコイキノセリドといった脂肪油や脂肪酸、コイキサンA〜Cといった酸性多糖である。ハトムギには滋養、強壮、イボ取り、抗肌荒れ改善などの薬効があり、特に、コイキサン類には血糖降下作用、コイキノセリドには抗腫瘍効果が認められている。ハトムギは、飲食品や生薬として、昔から使用されてきたが、穀物臭、ゴボウ臭、油脂の酸化臭、カビ臭、カードボード臭、生臭み等と表現されるハトムギ特有の不快な臭みを有している。
ハトムギは、ビールの主原料である大麦や小麦と同じイネ科であり、穀物茶としての食経験も豊富であるため、ハトムギをビールやビール飲料に利用することが提案されている。
例えば、ハトムギ自体を発酵原料とするハト麦発泡酒の製造方法(特許文献3)、焙煎ハトムギを水蒸気蒸留して香気成分をいったん回収し、さらに水蒸気蒸留残渣を酵素分解して得た酵素処理エキスに混合するビール風味飲料用風味改善剤(特許文献4)、ハトムギを天然香料とするビール風味付与剤(特許文献5)などである。
しかしながら、これらの発明は、ビール原料である大麦及び小麦の近縁種であるハトムギを大麦等の代替として使用するものであり、ハトムギ中にビールの劣化臭抑制成分が存在することを見出したものではない。
(2)溶媒抽出処理
ハトムギの種子は長さ約6mm、幅約5mmの卵形であるので、好ましくは種皮を除去し、粉末状に加工してから、溶媒を使用して抽出する。なお、生薬のヨクイニンはハトムギの種皮を除いた種子である。そこで、市販のヨクイニン末(ハトムギの外皮を剥離し粉末としたもの)を用いれば、種皮の除去と粉末化を省略できて便利である。
溶媒は、水、エタノール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、1,2−ペンタンジオール及び1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる1種又は2種以上の溶媒が好ましい。
ここで、ハトムギに含まれるビール劣化臭抑制成分は、50〜90%、好ましくは60〜80%エタノール濃度条件下で合成吸着剤と非吸着性を呈する。従って、抽出溶媒としてエタノール濃度が50〜90%のエタノール水溶液を使用すれば、抽出液を合成吸着剤で吸着処理した後の脱離処理が不要となる点で有利である。
抽出時の溶媒の使用量は、質量比で被抽出物(ハトムギ)の10〜100倍量、特に15〜50倍量であることが好ましい。
抽出温度は、特に限定されるものではないが、通常は0〜150℃、好ましくは20〜100℃、より好ましくは25〜80℃の温度範囲で行われる。抽出温度が0℃未満の場合は抽出に時間がかかることがあり、抽出温度が150℃を超えた場合は、濁り等の原因になることがある。
好適には、0.5〜3時間程度かけて80〜100℃で加熱還流抽出した後、濾紙などを用いて固液分離してハトムギ抽出液を得る。
なお、ハトムギエキスとして市販のヨクイニン抽出液を使用すれば、溶媒抽出工程を省略でき、直ちに次の吸着剤処理を行えるので便利である。
(3)合成吸着剤処理
次に、上記の抽出処理で得られたハトムギ抽出液を、合成吸着剤に接触させて吸着処理を行う。
かかる吸着処理によって、ハトムギ抽出液中のハトムギの臭み成分が合成吸着剤に吸着される。
一方、ハトムギに含まれるビール劣化臭抑制成分は、合成吸着剤に接触する際の溶媒の性状によって吸着性が左右される。すなわち、ビール劣化臭抑制成分は、50〜90%エタノール濃度条件下では合成吸着剤と非吸着性を呈するが、それ以外の溶媒条件下(すなわち、50%未満若しくは90%超のエタノール水溶液、又はエタノール水溶液以外の溶媒(例えば、水、ブチレングリコール等))ではハトムギの臭み成分と共に合成吸着剤に吸着される。
本発明で使用する合成吸着剤としては、多孔質の芳香族系合成樹脂吸着剤であって実質的にイオン交換能を有しないものであれば、特に限定されることはないが、好ましくは、その母体がスチレン系、例えば「アンバーライト(登録商標)XAD−16」(オルガノ株式会社製)、スチレン−ジビニルベンゼン系、例えば「ダイヤイオン(登録商標)HP−20」(三菱化学株式会社製)、「セパビーズ(登録商標)SP−700」(三菱化学株式会社製)、アクリル系、例えば「ダイヤイオンWK−10」(三菱化学株式会社製)、メタクリル系、例えば「ダイヤイオンHP−2MG」(三菱化学株式会社製)、アクリル酸エステル系、例えば「アンバーライトXAD−7」(オルガノ株式会社製)、アミド系、例えば「アンバーライトXAD−11」(オルガノ株式会社製)、デキストラン系、例えば「セファデックス(登録商標)G−25」(アマシャム ファルマシア バイオテク社製)、ポリビニル系、例えば「ダイヤイオンFP−II」(三菱化学株式会社製)などを使用することができる。細孔直径が50〜300Åであることが好ましい。
特に好ましい合成吸着剤を例示すると、三菱化学株式会社製の「セパビーズ(登録商標)SP−70」である。セパビーズSP−70は、スチレンとジビニルベンンゼンの共重合体であり、粒度分布が250μm以上(90%以上)、有効径0.25mm以上、均一係数が1.6以下、細孔容積が1.5mL/g、比表面積が870m2/g、最頻度半径が70Åである。
ハトムギ抽出液を合成吸着剤に吸着させる方法としては、ハトムギ抽出液に合成吸着剤を添加、 撹拌し吸着後、濾過操作により合成吸着剤を回収するバッチ方法、あるいは合成吸着剤を充填したカラムを用いて連続処理により吸着処理を行なうカラム方法が採用されるが、生産性の点からカラムによる連続処理方法が好ましい。
合成吸着剤の使用量は、ハトムギ抽出液に対して、好ましくは5〜50体積%であることが、抽出液中のハトムギの臭み成分の吸着効率等の点で好ましい。
ハトムギ抽出液を、合成吸着剤を充填したカラムに通液する条件としては、SV(空間速度 )=0.5〜5[h-1]、好ましくは1〜3[h-1]の通液速度で、合成吸着剤に対する通液倍数(BV)=1〜10[v/v]で通液するのが、抽出液中のハトムギの臭み成分を十分に吸着できるので好ましい。
(4)脱離処理
脱離処理によって、合成吸着剤にハトムギの臭み成分を残しつつ、合成吸着剤からハトムギのビール劣化臭抑制成分を脱離させて分離する。
前述のように、劣化臭抑制成分は、50〜90%エタノール濃度条件下では合成吸着剤と非吸着性を呈する。従って、例えば合成吸着剤に接触させる際の抽出液が50〜90%濃度のエタノール水溶液であれば、ハトムギの臭み成分は吸着されるが、劣化臭抑制成分は吸着されずに合成吸着剤充填カラムを通過し排出されるので、脱離処理は不要となる。
一方、合成吸着剤に接触させる際の抽出液が50〜90%濃度のエタノール水溶液以外の性状であるとき、ハトムギの臭み成分と劣化臭抑制成分の双方が合成吸着剤に吸着されるので、脱離処理が必要となる。
脱離のための溶離液として50〜90%濃度のエタノール水溶液、好ましくは60〜80%濃度のエタノール水溶液を使用する。エタノール濃度が50%未満あるいは90%を超えた場合は、十分なハトムギの臭み除去効果が得られない。
溶離液を、合成吸着剤を充填したカラムに通液する条件としては、SV(空間速度 )=0.5〜5[h-1]の通液速度で、合成吸着剤に対する通液倍数(BV)=1〜10[v/v]で通液するのが、劣化臭抑制の有効成分を脱離液中に十分に溶出させることができるので好ましい。
以上の処理を経て、ハトムギに含まれる臭み成分が除去され、且つ劣化臭抑制効果に優れるハトムギ抽出液を得ることができる。
ここで、上述の製造方法で得られたビール劣化臭抑制剤組成物には、他の植物の抽出物と同様に非常に多くの成分が含まれる。つまり、炭水化物、タンパク質、アミノ酸、脂肪、色素、ビタミン、香気成分など種々の成分が複雑な状態や配合比で含まれている組成物の状態で目的の劣化臭抑制効果を発揮する。
従って、本発明の劣化臭抑制剤を構造や特性により直接特定するためには、構成成分の同定及び定量が必須となるが、全ての構成成分を同定及び定量することは、技術常識から見て到底不可能であるか、又はおよそ実際的ではない。
従って、本発明のビール劣化臭抑制剤組成物は、製造方法で特定せざるを得ない発明である。
(5)製剤化、並びに付加的成分
上述のハトムギ抽出物が単独で存在する液剤形態のビール劣化臭抑制剤組成物は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、付加的成分を添加する、あるいは他の有効成分と組み合わせて合剤にする等、種々変形して実施可能である。
例えば、公知の各種天然香料や合成香料と組み合わせて香料組成物にすることが例示される。
また、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンEなど)や糖類、甘味料、乳化剤、増粘安定剤、pH調整剤と組み合わせた組成物として使用することもできる。
さらに、本劣化臭抑制剤は、液剤以外の剤形、例えば凍結乾燥または加熱乾燥などの処理を行って固形剤として使用することも可能である。さらに、賦形剤(デキストリン等)を添加し噴霧乾燥により粉末状あるいは顆粒状、さらには錠剤にすることも可能であり、用途に応じて種々の剤形を採用することができる。
香料組成物にする場合に組み合わせる香料成分としては、例えば、アセトフェノン、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、シンナムアルデヒド、アニスアルデヒド、イオノン、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、アセト酢酸エチル、レブリン酸エチル、ピルビン酸エチル、インドール、ノナラクトン、デカラクトン、ウンデカラクトン、ドデカラクトン、エチルバニリン、マルトール、エチルマルトール、フラネオール、ソトロン、ピネン、リモネン、ミルセン、テルピノレン、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、メントール、シネオール、メントフラン、リモネンオキサイド、ピネンオキサイド、リナロールオキサイド、シトラール、メントン、カルボン、プレゴン、ピペリトン、酢酸リナリル、酢酸メンチル、酢酸テルピニル等の香料ケミカル;
柑橘等のフルーツ系精油;アップル、パイナップル、グレープ等の回収フレーバー;ミル
ク、バター、チーズ、ヨーグルト等の乳系香料;アニス、ウイキョウ、オールスパイス、カモミール、ペパーミントテイル、カルダモン、カンゾウ、クミン、クローブ、キャラウェイ、コリアンダー、セイボリー、サルビア、シソ、シナモン、ジンジャー、セロリー、スペアミント、タイム、タラゴン、ディル、ニガヨモギ、ニンジン、バジル、ヒソップ、ラベンダー、レモングラス、ローズマリー、ローレル等の香辛料の精油または抽出物等が挙げられる。
〔2〕ビール又はビアテイスト飲料
本発明においてビールとは、酒税法3条12号に規定されているとおり、麦芽、ホップ及び水及び麦その他成分(米、とうもろこし、こうりやん、 ばれいしよ、でんぷん、糖類又は財務省令で定める苦味料若しくは着色料)を原料として発酵させたもので、アルコール分が二十度未満のアルコール飲料をいう。
また、ビアテイスト飲料は、ビールテイスト飲料、ビール風味飲料あるいはビール様(風)飲料とも称され、ビールのような味わいを呈する、つまり、ビールを飲用したような感覚を飲用者に与える飲料をいい、アルコールの有無は問わない。具体的には、酵母等による発酵工程を経てビールを醸造した場合に得られるビール特有の味わい、香りを有するが、酒税法3条12号に定められるビール以外の飲料をいい、例えば、発泡酒、リキュール等の発酵麦芽飲料や、完全ノンアルコール麦芽飲料等の非発酵麦芽飲料が挙げられる。
ビール又はビアテイスト飲料を製造する工程において、本発明のビール劣化臭抑制剤をビール等に添加する場合の添加時期は、最終的にビール等に必要量含まれていれば、いずれの工程で添加しても構わない。
例えば、非発酵製法においては、配合、濾過、殺菌、カーボネーション、充填のいずれの工程の間に行っても構わない。また、発酵製法においては、発酵前工程、発酵工程、発酵後工程のいずれの工程で添加しても構わないが、酒税法に基づいて添加時期を選択することが好ましい。特に制限が無い場合は、発酵後の工程で添加することが好ましい。
本発明のビール劣化臭抑制剤が使用されるビール又はビアテイスト飲料においては、ビール劣化臭抑制剤は固形分として0.001〜100ppm程度、好ましくは0.01〜10ppm、さらに好ましくは0.01〜5ppm程度含有していると使用性が良く、良好な効果が得られる。
以下にビール劣化臭抑制剤組成物の製造例、試験例、評価試験例を挙げて説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
なお、本発明におけるエタノール濃度(%)は、全て容積比(v/v%)である。
〔試験例1〕(光虐待におけるビール劣化香味へのハトムギ抽出液の効果)
(試料1)
外皮を剥離したハトムギ種子の粉末20gに対して、70%エタノール溶液500mLを添加し、1時間加熱還流抽出した。次いで、これを−10℃で冷却濾過して抽出液を得、さらに減圧濃縮することにより、乾燥固形物の濃度が0.425%のハトムギ抽出液4.86gを得た。
(試験方法1)
市販の缶入り生ビールを透明の耐圧耐熱性のペットボトルに無菌的に移し替え、蛍光灯の照度が10,000ルクスで雰囲気温度40℃に設定された光虐待試験機にビール入りペットボトルを3日間保管した。
試料1のハトムギ抽出液を添加していないビール(対象品)と0.1質量%になるようにハトムギ抽出液(ビール中の乾燥固形物濃度は0.000425%)を添加したビール(試料1)で、虐待試験後のビールの香りと味について、以下の官能評価方法1に基づい
て官能評価を行った。結果を図1と図2に示す。
(官能評価方法1)
虐待試験後のビールを室温に戻したのち、12名のパネラーによる官能評価を行った。評価者は、虐待試験を行っていない生ビールの味、香りを基準(不快度が0点)として、各パネラーが不快と思う程度を0〜4点のスケール法で記述させた。
光虐待試験により、生ビールの味が劣化し、相当の不快さを伴うことがわかった。特に、キャベツ臭や、イオウ臭といった本来の生ビールでは感じられないような異味異臭が生成していた。しかし、ハトムギ抽出液を添加することにより、これらの異味異臭が抑制されていることがわかった。
〔試験例2〕(2−ノネナール添加ビールへのハトムギ抽出液の効果)
(試料2)
試験例1と同様に調製した。
(試験方法2)
ビールの老化臭として知られている2−ノネナールを終濃度が0.2ppbになるように市販の缶入り生ビールに添加して老化臭ビール(対象品)を作成した。そこに、試料2を終濃度が0.1質量%および0.2質量%になるようにそれぞれ添加し、下記の官能評価方法2に基づいて、添加前後の老化臭ビールの官能評価比較を行った。結果を図3と図4に示す。
(官能評価方法2)
17名のパネラーによる官能評価を行った。2−ノネナールを添加したビールの不快度および2−ノネナール強度を4点、2−ノネナール未添加のビールのそれを0点と定め、0〜4点のスケール法で記述させた。
2−ノネナナールを添加した老化臭ビールに対しても、ハトムギ抽出液のマスキング効果が確認できた。しかし、ハトムギ由来の特有の香り自体を不快臭と評価するパネラーもいたため、2−ノネナール強度の低下と不快度の低下の程度が必ずしも一致しないことが明らかとなった。
ハトムギ抽出液は、穀物臭、ゴボウ臭、油脂の酸化臭、カビ臭、カードボード臭、生臭みと表現される好ましくない臭気があることが知られており、このうち、カードボード臭はビールの酸化劣化により生成される代表的なオフフレーバーであることが知られている。したがって、パネラーの中には、2−ノネナール以外のオフフレーバーを感じ取った可能性がある。
そこで、ハトムギ抽出液から、カードボード様のオフフレーバーを合成吸着剤を用いて吸着除去することを検討した。
〔製造例1〕
外皮を剥離したハトムギ種子の粉末5gに対して、水500mLを添加し、100℃で1時間、加熱還流抽出した。
次いで、これを濾過による固液分離によって抽出液を得、さらに凍結乾燥することにより、ハトムギ抽出物0.15gを得た。
これを蒸留水100mLに溶解して得られたハトムギ抽出物水溶液(後述の評価試験1のサンプル「crude」)を、合成吸着剤「セパビーズSP70」(三菱化学社製)が30mL充填されたカラムに、SV=1.5で通液した。この際、通液してきた非吸着の濾液を水画分(後述の評価試験1のサンプル「水Fr」)として回収した。
続いて10%濃度エタノール水溶液、30%濃度エタノール水溶液、40%濃度エタノール水溶液、50%濃度エタノール水溶液、60%濃度エタノール水溶液、70%濃度エ
タノール水溶液、80%濃度エタノール水溶液、90%濃度エタノール水溶液、並びに95%濃度エタノール水溶液を各々100mLで通液して得られる溶出液を各エタノール濃度画分として回収した。
〔評価試験1〕(ハトムギ抽出物の不快臭の評価)
製造例1で得た異なるエタノール濃度を通液した時に得られた各エタノール濃度画分を、それぞれ凍結乾燥した。次いで、各凍結乾燥物を5mLの蒸留水で溶解して分析サンプル(図5における「10%濃度」〜「95%濃度」)を作成した。
サンプル「crude」と「水Fr」を含めて、訓練された評価者10名によりそれぞれのサンプルの臭みについて、下記評価基準を用いて採点した。
評価基準は、以下のとおり。
評価点4:不快
評価点3:やや不快
評価点2:どちらとも言えない
評価点1:やや快
評価点0:快
評価点の平均を、図5に示した。
図5より、ハトムギ抽出液を合成吸着剤にて吸着処理後、30〜90%濃度エタノール、特に50〜90%濃度のエタノール水溶液で溶出したものは、ハトムギ抽出液の臭みが除去されていた。
〔評価試験2〕(ハトムギ抽出物の2−ノネナールに対するマスキング評価)
次いで、合成吸着剤からの各溶出液について、2−ノネナールのマスキング効果を検証した。
市販の缶入り生ビールに終濃度が0.2ppbになるように2−ノネナールを添加した。ついで、この2−ノネナール添加ビールに各エタノール濃度で溶出されたハトムギ抽出物を添加した。この際、ハトムギ由来の固形分が1ppmになるように各添加量を調整した。
ビールに2−ノネナールを添加した2−ノネナール添加ビールの嗜好性評価を0点(不快)、2−ノネナール未添加のビールの嗜好性評価を5点(快)とし、0〜5点までのスケール法により5名のパネラーによる官能評価を行い評価点の平均を図6に示す。
図6に示されるように、50〜90%濃度のエタノール濃度の溶出液を用いることにより、合成吸着剤による1回の吸着精製だけでハトムギ自身の持つ不快臭が除去され、かつ2−ノネナールに対するマスキング効果の高い画分を得ることができた。
〔評価試験3〕
2−ノネナールのマスキング効果が高く、不快臭が最も除去されている70%エタノール濃度画分の光虐待効果に対する量依存性を確認した。光虐待方法は、試験方法1に準じて、あらかじめ、ハトムギ抽出液の70%エタノール濃度画分を所定の濃度になるように添加したビールを蛍光灯の照度が10,000ルクスで、雰囲気温度40℃で、3日間虐待試験を行った。
評価は5名のパネラーによる官能評価とした。光虐待試験をしない通常の生ビール(通常ビール)の評価点を5点(快)、ハトムギ抽出物未添加で光虐待試験を行ったビールの評価点を0点(不快)としたときの、光虐待試験による不快臭のマスキング効果を検討した。
ビール中のハトムギ抽出物由来の固形分濃度が0〜100ppmになるように、ビール
にあらかじめ添加しておき、光虐待試験を行った。結果を図7に示す。
図7に示されるように、固形分濃度が0.001ppmでは、光虐待によるオフフレーバーを抑制することはできないが、固形分濃度が100ppm以上になると、ハトムギ由来の不快臭が強く出てしまうため嗜好度は低くなった。
従って、ビール劣化臭抑制効果を発揮するための添加量としては、0.001〜100ppm、好ましくは0.01〜10ppm、さらに好ましくは0.01〜5ppmが望ましいことが明らかになった。特に、0.01〜1ppmのような低濃度でも、ビール劣化臭を効果的に抑制することが確認できた。
次に、ハトムギ抽出物の吸着精製の方法について検討した。
〔製造例2〕
外皮を剥離したハトムギ種子の粉末60gに対して水1500mLを添加し、100℃で1時間、加熱還流抽出した。
次いで、これを濾過後、凍結乾燥することにより、淡褐色の粉末0.91gを得た。これを水100mLに溶解し、「セパビーズSP70」(三菱化学社製)30mLを充填したカラムに通液することで吸着させ、さらに溶出のために70%エタノール水溶液を通液することで、本発明のビール劣化臭抑制剤組成物として微黄色の溶出液92mLを得た。
〔製造例3〕
外皮を剥離したハトムギ種子の粉末100kgに対して水900L、エタノール600Lを添加し、1時間、加熱還流抽出した。
次いで、これを濾過して固液分離し、微白色の抽出液1125Lを得た。
この抽出液を「セパビーズSP70」(三菱化学社製)60Lを充填したカラムに通液することで吸着させ、さらに溶出のために70%エタノール水溶液100Lを通液することで、本発明のビール劣化臭抑制剤組成物として微黄色の溶出液97Lを得た。
〔製造例4〕
外皮を剥離したハトムギ種子の粉末60kgに対して水450L、エタノール1050Lを添加し、1時間、加熱還流抽出した。
次いで、これを濾過して固液分離し、微白色の抽出液1125Lを得た。
この抽出液を「セパビーズSP70」(三菱化学社製)300Lを充填したカラムに通液し、本発明のビール劣化臭抑制剤組成物として微黄色の溶出液1068Lを得た。
〔製造例5〕
外皮を剥離したハトムギ種子の粉末60kgに対して1,3−ブチレングリコール750L、水750Lを添加し、室温で7日間浸漬抽出した。次いで、これを濾過して固液分離し、微褐色の抽出液1050Lを得た。
この抽出液を「セパビーズSP70」(三菱化学社製)300Lを充填したカラムに通液することで吸着させ、さらに脱着のために70%エタノール水溶液100Lを通液することで、本発明のビール劣化臭抑制剤組成物として微黄色の溶出液97Lを得た。
Figure 2017153371
〔評価試験4〕(製造例1〜4の消臭剤の消臭効果比較試験)
ビールの老化臭成分として知られている2−ノネナールについて、製造方法の異なる試料の消臭効果の比較試験を行った。
(試料)
製造例1(70%濃度エタノール画分)、製造例2、製造例3、製造例4で得たビール劣化臭抑制剤組成物を濃縮し、固形分8質量%に調整したもの。
(方法)
2−ノネナール濃度が100ppmになるように調整した2−ノネナール水溶液を、20mLバイアル瓶に0.5mL入れ、悪臭対象とした。
これに試料0.5mLを加え、40℃で10分間インキュベートした。また、ブランクとして水を0.5mL添加した。2−ノネナール濃度の終濃度は50ppmになった。
訓練された評価者10名により、それぞれの臭気を下記評価基準に基づいて採点した。結果を表2に示す。
評価基準は、以下のとおり。
評価点4:不快
評価点3:やや不快
評価点2:どちらとも言えない
評価点1:やや快
評価点0:快
Figure 2017153371
表2の結果より、製造例1から4のいずれの方法でハトムギの臭気を除去した抽出物でも、2−ノネナールの消臭効果が確認された。

Claims (8)

  1. ハトムギの臭み成分を合成吸着剤で吸着除去したハトムギ抽出液を有効成分とするビール劣化臭抑制剤組成物。
  2. 50〜90%エタノール濃度条件下で合成吸着剤と非吸着性を呈すハトムギ抽出液を有効成分とする請求項1に記載のビール劣化臭抑制剤組成物。
  3. 合成吸着剤が、芳香族系の合成吸着剤である請求項1又は2に記載のビール劣化臭抑制剤組成物。
  4. ビール劣化臭が、2−ノネナールに由来する臭気であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のビール劣化臭抑制剤組成物。
  5. ハトムギ由来の固形分濃度が飲食品中で0.001〜100ppmになるように請求項1〜4のいずれか1項に記載のビール劣化臭抑制剤組成物を添加することを特徴とするビール劣化臭抑制方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のビール劣化臭抑制剤組成物を配合したビール又はビアテイスト飲料。
  7. 以下の工程、
    工程1:ハトムギを、エタノール濃度が50〜90%のエタノール水溶液で抽出処理して、ハトムギ中の臭み成分及びビール劣化臭抑制成分を含む抽出液を得る工程、及び
    工程2:工程1の抽出液を合成吸着剤に接触させてハトムギの臭み成分を吸着除去し、ビール劣化臭抑制成分を含む抽出液を得る工程、
    を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のビール劣化臭抑制剤組成物の製造方法。
  8. 以下の工程、
    工程1:ハトムギを、水、エタノール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、1,2−ペンタンジオール及び1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる1種又は2種以上の溶媒(但しエタノール濃度が50〜90%のエタノール水溶液を除く)で抽出処理して、ハトムギ由来の臭み成分及びビール劣化臭抑制成分を含む抽出液を得る工程、
    工程2:工程1の抽出液を合成吸着剤に接触させてハトムギの臭み成分及びビール劣化臭抑制成分を吸着させる工程、及び
    工程3:合成吸着剤にエタノール濃度が50〜90%のエタノール水溶液を通液して、合成吸着剤からビール劣化臭抑制成分を当該エタノール水溶液に溶離させてビール劣化臭抑制成分を含む抽出液を得る工程、
    を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のビール劣化臭抑制剤組成物の製造方法。
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