JP2017150061A - めっき液、めっき膜の製造方法 - Google Patents

めっき液、めっき膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】めっきにより非貫通孔の充填を行うことができるめっき液を提供することを目的とする。
【解決手段】
水溶性銅塩、硫酸、レベラー成分、及びポリマー成分を含み、
ブライトナー成分を含有せず、
前記レベラー成分として、ジアリルを含む4級アミンと、二酸化硫黄との共重合体を含むめっき液を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、めっき液、めっき膜の製造方法に関する。
銅めっき膜は、例えば配線基板の配線材料等として、従来から広く用いられている。このため、基板上に銅めっき膜を形成するめっき液について各種検討がなされてきた。例えば特許文献1には、含リン銅を可溶性陽極として用いる湿式めっき法に用いる硫酸銅めっき液であって、前記硫酸銅めっき液に含まれる2価の鉄イオンの濃度が0.05g/L以上、且つ3価の鉄イオン濃度が0.30g/L以下であることを特徴とする硫酸銅めっき液が開示されている。
特開2015−25177号公報
ところで、用途によっては、非貫通孔を有する基材上に銅めっき膜を形成することが求められる場合があった。この場合、めっきによる非貫通孔の充填と、基材の平坦部、及びめっきが充填された非貫通孔上へのめっき膜の形成を実施することが求められる。
しかしながら、従来検討されてきためっき液では、めっきによる非貫通孔の充填が十分に進行せず、該非貫通孔を有する基材上に表面が平坦なめっき膜を形成することは困難であった。
上記従来技術の問題に鑑み、本発明の一側面では、めっきにより非貫通孔の充填を行うことができるめっき液を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の一側面では、
水溶性銅塩、硫酸、レベラー成分、及びポリマー成分を含み、
ブライトナー成分を含有せず、
前記レベラー成分として、ジアリルを含む4級アミンと、二酸化硫黄との共重合体を含むめっき液を提供する。
本発明の一側面によれば、めっきにより非貫通孔の充填を行うことができるめっき液を提供することができる。
実施例、比較例において基材上に形成しためっき膜の構造の説明図。
以下、本発明のめっき液、めっき膜の製造方法の一実施形態について説明する。
(めっき液)
本実施形態のめっき液は、水溶性銅塩、硫酸、レベラー成分、及びポリマー成分を含むことができる。また、ブライトナー成分については含有しない。
そして、レベラー成分として、ジアリルを含む4級アミンと、二酸化硫黄との共重合体を含むことができる。
既述のように、例えば非貫通孔を有する基材上にめっき膜を成膜する際に、従来検討されていためっき液では、めっきにより非貫通孔の充填を十分に進行させることができなかった。このため、該非貫通孔を有する基材上にめっき膜を成膜した場合、該めっき膜は、非貫通孔を有する基材の表面形状に沿った表面形状となり、平坦なめっき膜を形成することは困難であった。
そこで、本発明の発明者は、めっきにより非貫通孔の充填を行うことができるめっき液について検討を行った。その結果、水溶性銅塩、硫酸、ポリマー成分に加えて、所定のレベラー成分を含有し、かつブライトナー成分を含有しないめっき液とすることで非貫通孔の充填を行えることを見出し、本発明を完成させた。
以下に、本実施形態のめっき液に含まれる成分について説明を行う。
本実施形態のめっき液は、水溶性銅塩を含有することができる。水溶性銅塩を含有することで、銅めっき膜を形成することができる銅めっき液とすることができる。
水溶性銅塩としては、通常のめっき液に用いられる水溶性の銅塩であれば、特に限定されるものではなく使用することができる。水溶性銅塩としては例えば、無機銅塩、アルカンスルホン酸銅塩、アルカノールスルホン酸銅塩、有機酸銅塩から選択された1種類以上を好ましく用いることができる。
なお、無機銅塩としては、例えば硫酸銅、酸化銅、塩化銅、炭酸銅等が挙げられる。アルカンスルホン酸銅塩としては、メタンスルホン酸銅、プロパンスルホン酸銅等が挙げられる。アルカノールスルホン酸銅塩としては、イセチオン酸銅、プロパノールスルホン酸銅等が挙げられる。有機酸銅塩としては、酢酸銅、クエン酸銅、酒石酸銅等が挙げられる。
水溶性銅塩は、例えば無機銅塩、アルカンスルホン酸銅塩、アルカノールスルホン酸銅塩、有機酸銅塩等から選択された1種類の水溶性銅塩を単独で用いたり、選択された2種類以上を組み合わせて用いることができる。なお、無機銅塩、アルカンスルホン酸銅塩、アルカノールスルホン酸銅塩、有機酸銅塩等から選択された2種類以上の水溶性銅塩を組み合わせて用いる場合に、硫酸銅と、塩化銅とのように、無機銅塩、アルカンスルホン酸銅塩、アルカノールスルホン酸銅塩、有機酸銅塩等から選択された1つのカテゴリー内の、異なる2種類以上の水溶性銅塩を用いても良い。
ただし、めっき液の管理上、1種類の水溶性銅塩を単独で用いることが好ましい。
本実施形態のめっき液は硫酸を含有することができる。硫酸を含有することでめっき液のpHや、硫酸イオン濃度を調整することができる。
本実施形態のめっき液は、さらにレベラー成分を含有することができる。
レベラー成分としては、ジアリルを含む4級アミンと二酸化硫黄との共重合体を好ましく用いることができる。本発明の発明者の検討によれば、ジアリルを含む4級アミンと二酸化硫黄との共重合体に含まれる、ジアリルを含む4級アミンは基材上の平坦部のめっき膜の膜厚方向の成長を抑制することができる。また、二酸化硫黄は非貫通孔へのめっきの充填を促進することができる。すなわち、レベラー成分として、ジアリルを含む4級アミンと二酸化硫黄との共重合体を用いることで、非貫通孔を有する基材上にめっき膜を成膜する際、めっきによる非貫通孔の充填を促進し、非貫通孔以外の平坦部へのめっき膜の成膜を抑制できる。このため、めっきによる非貫通孔の充填を行うことができ、かつ非貫通孔を有する基材上に表面が平坦なめっき膜を成膜できるめっき液とすることができる。
ジアリルを含む4級アミンと二酸化硫黄との共重合体としては、例えばジアリルジメチルアンモニウム−二酸化硫黄共重合体、ジアリルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェイト−二酸化硫黄共重合体等から選択された1種類以上を好ましく用いることができる。
レベラー成分はさらに塩素成分を含有することが好ましい。すなわち、塩素成分を含有する、ジアリルを含む4級アミンと二酸化硫黄との共重合体を好ましく用いることができる。
塩素成分を含有する、ジアリルを含む4級アミンと二酸化硫黄との共重合体としては例えばジアリルジメチルアンモニウムクロリド−二酸化硫黄共重合体が挙げられる。
また、塩素成分を含有する、ジアリルを含む4級アミンと二酸化硫黄との共重合体として、ジアリルを含む4級アミンと二酸化硫黄との共重合体に、塩素含有化合物を添加した材料を用いることもできる。
この場合のジアリルを含む4級アミンと二酸化硫黄との共重合体としては、例えば、ジアリルジメチルアンモニウム−二酸化硫黄共重合体、ジアリルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェイト−二酸化硫黄共重合体等から選択された1種類以上が挙げられる。
また、塩素含有化合物としては、めっき液中で塩化物イオンを供給できる化合物であれば良く、例えば塩酸や、塩化ナトリウム等が挙げられる。
ジアリルを含む4級アミンと二酸化硫黄との共重合体と、塩素含有化合物とは、予め混合してからめっき液に添加することもできるが、めっき液に各成分を添加し、めっき液内で両成分を混合することもできる。
本実施形態のめっき液は、さらにポリマー成分を含有することができる。ポリマー成分としては特に限定されるものではないが、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体から選択された1種類以上を好ましく用いることができる。
ポリマー成分として、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体を用いる場合、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体の分子量や重合比率は特に限定されないが分子量は1400以上2000以下であることが好ましい。また、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの重合度は、ポリエチレングリコール1に対して、ポリプロピレングリコールを0.5以上2.0以下とすることが好ましい。
その他、本実施形態のめっき液は必要に応じて各種添加剤を含有することもできる。ただし、本実施形態のめっき液はブライトナー成分を含有しない。これは、本実施形態のめっき液がブライトナー成分を含有する場合、非貫通孔を有する基材の、非貫通孔以外の部分に形成されるめっき膜の生成を促進することになり、非貫通孔へめっきの充填が十分に進行する前に所望の膜厚のめっき膜が形成され、表面が平坦なめっき膜を成膜できない恐れがあるからである。なお、ここでいうブライトナー成分としては、銅めっき液に一般的に用いられているブライトナー成分を意味しており、例えばビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド(SPS)等を指す。
本実施形態のめっき液の各成分の含有量は特に限定されるものではなく、任意に選択することができる。
本実施形態のめっき液は、例えば水溶性銅塩として、硫酸銅を100g/l以上220g/l以下含有することができる。また、硫酸を50g/l以上250g/l以下、レベラー成分を5mg/l以上15mg/l以下、ポリマー成分を10mg/l以上50mg/l以下含有することができる。
なお、レベラー成分やポリマー成分としては特に限定されるものではなく、例えば既述の各成分を好適に用いることができるが、この場合、レベラー成分としては例えばジアリルジメチルアンモニウムクロリド−二酸化硫黄共重合体を好ましく用いることができる。また、ポリマー成分としては、例えばポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体を好ましく用いることができる。
本実施形態のめっき液の硫酸銅の含有量を100g/l以上220g/l以下、硫酸の含有量を50g/l以上250g/l以下とすることで、該めっき液を用いてめっき膜を十分な速度で成膜することができるため好ましい。
そして、レベラー成分を5mg/l以上10mg/l以下とすることで、基材の平坦部上に形成しためっき膜と、めっきによる非貫通孔の充填との速度のバランスを特に適切に保ち、基材上に表面が特に平坦なめっき膜を形成できるため好ましい。
ポリマー成分を10mg/l以上50mg/lとすることで、めっき膜表面の微小な凹凸の発生を特に抑制できる。
以上に説明した本実施形態のめっき液によれば、所定の各成分を含有することで、めっきにより非貫通孔の充填を行うことができる。また、非貫通孔を有する基材上にめっき膜を形成する際に、めっきによる非貫通孔の充填と、基材の平坦部、及びめっきが充填された非貫通孔上へのめっき膜の形成を実施でき、基材の非貫通孔を有する面上に、表面が平坦なめっき膜を成膜できる。
(めっき膜の製造方法)
次に本実施形態のめっき膜の製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態のめっき膜の製造方法は、既述のめっき液を用い、電流密度を1A/dm以上6A/dm以下として、非貫通孔を含む基材の、非貫通孔を充填し、めっき膜を形成することができる。
本実施形態のめっき膜の製造方法で用いる基材については特に限定されないが、非貫通孔を有する基材上にめっき膜を形成する場合に、既述のめっき液を用いることで、非貫通孔にめっきを充填し、基材の非貫通孔を有する面上に表面が平坦なめっき膜を形成できる。このため、基材としては非貫通孔を有する基材を好適に用いることができる。なお、本実施形態のめっき膜の製造方法で用いる基材は、非貫通孔に加えて、または非貫通孔に替えて貫通孔を有する基材であっても良い。
本実施形態のめっき膜の製造方法で、非貫通孔を有する基材を用いる場合、その非貫通孔のサイズは特に限定されるものではないが、孔径(非貫通孔の直径)は30μm以上300μm以下であることが好ましい。また、孔の深さと孔径とのアスペクト比(孔の深さ/孔径)は0.3以上1.5以下であることが好ましい。
基材についてはめっき膜を形成する面に導電処理を予め実施しておくことが好ましい。導電処理としては特に限定されないが、例えば基材の表面に導電層を形成することで実施できる。なお、導電層は銅層であることが好ましい。
導電層は、例えば銅層等を基材上にラミネートにより貼り付けることで形成できる。また、導電層は、例えば乾式法により形成することもできる。乾式法としては特に限定されないが、例えばスパッタリング法や蒸着法、イオンプレーティング法等を好ましく用いることができる。
導電層の厚さは特に限定さないが、例えば50nm以上500nm以下とすることができる。導電層は一層に限定されるものではなく、複数の層を含むこともでき、導電層が複数の層を有する場合には、該複数の層の厚さの合計が上記範囲内であることが好ましい。
また、基材と導電層との間には、基材と導電層との間の密着性を向上させるため、密着層を配置することもできる。密着層は例えば乾式法により形成することができる。
密着層の材料は特に限定されるものではないが、例えばニッケル、クロム、ニッケル−クロム系合金や、ニッケル、クロム、及び銅から選択された2種類以上を含む合金等を用いることができる。
密着層を形成する場合、その厚さは特に限定されるものではないが、例えば3nm以上50nm以下とすることができる。
そして、既述のめっき液による酸性銅めっき浴を用いて基材(基板)を銅めっき処理し、基材上にある非貫通孔にめっきを充填する際には、通常の硫酸銅等の水溶性銅塩によるめっき液を用いた銅めっきの場合と同様に、直流で電解すればよい。
具体的には、浴温としては、例えば室温とすることが好ましく、21℃以上26℃以下とすることがより好ましい。また、電流密度としては、1A/dm以上6A/dm以下とすることが好ましい。
めっき膜を製造している間、めっき槽内のめっき液を撹拌していることが好ましい。この際、めっき液を撹拌する方法は特に限定されないが、撹拌する手段としては、例えば噴流を好適に用いることができる。なお、噴流とは、めっき液を、ノズルから基材に対して吹き付け、めっき槽内のめっき液を撹拌することをいう。ノズルから供給するめっき液は例えばめっき槽内のめっき液を循環させためっき液であっても良い。
アノードは特に限定されるものではないが、例えば不溶性アノードや銅ボール等の可溶性アノードを用いることができる。
以上に説明した本実施形態のめっき膜の製造方法によれば、既述の本実施形態のめっき液を用いているため、めっきにより非貫通孔の充填を行うことができる。また、非貫通孔を有する基材上にめっき膜を形成する際に、めっきによる非貫通孔の充填と、基材の平坦部、及びめっきが充填された非貫通孔上へのめっき膜の形成を実施でき、基材の非貫通孔を有する面上に、表面が平坦なめっき膜を成膜、製造できる。
以下に具体的な実施例、比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(1)めっき液
以下の組成を有するめっき液を調製した。
硫酸銅を130g/l、硫酸を150g/l、レベラー成分を5mg/l、及びポリマー成分を15mg/l含有するめっき液を調製した。
レベラー成分としてはジアリルジメチルアンモニウムクロリド−二酸化硫黄共重合体を用い、具体的には、ニットーボー・メディカル株式会社製PAS A−5(商品名)を用いた。また、ポリマー成分としては、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体を用い、具体的には日油株式会社製のユニルーブ50MB−26(商品名)を用いた。
めっき液にはブライトナー成分は添加していない。
(2)めっき膜の製造
(2−1)基材準備工程
厚さ50μmのガラスエポキシ樹脂製の基材を用意した。
そして、ガラスエポキシ樹脂製の基材の一方の面と、一方の面と対向する他方の面との両面に、厚さ10μmの電解銅箔をラミネートした。
次いで、ドライフィルムレジストによるフォトリソグラフィにより基材の一方の面に形成した電解銅箔上に配置したドライフィルムレジストに直径70μmの穴を形成し、該ドライフィルムレジストを用いて電解銅箔のエッチングを行った。ドライフィルムレジストを剥離し、電解銅箔に形成された直径80μmの穴に対し、炭酸ガスレーザーを照射し、ガラスエポキシ樹脂製の基材を除去してビアを形成した。この場合、基材の他方の面に形成された電解銅箔には穴は形成されておらず、ビアの底面を構成することになる。
その後、無電解銅めっきにより、基材の一方の面に形成した電解銅箔上、及びビアの表面に厚さ0.1μmの銅薄膜層を形成した。以上の電解銅箔と、銅薄膜層とを形成することで導電処理を実施した。
(2−2)めっき工程
用意した基材を、既述のめっき液を入れためっき浴に供給し、浴温を25℃とし、電流密度を2A/mとして、50分間めっきを行い、めっき膜の成膜(製造)を行った。
なお、めっきを行っている間、噴流により、めっき液の撹拌を行った。具体的には、浴量10リットルのめっき槽内に供給した基材の銅薄膜層の表面に対して、めっき液の流れが略垂直になるように、供給口の直径が15cmのノズル2本から合計3リットル/分のめっき液を供給して撹拌を行った。
ここで、図1に、以上の工程により形成しためっき膜の表面と垂直な面での非貫通孔周辺の断面の構成模式図を示す。
図1に示したようにガラスエポキシ樹脂製の基材11の一方の面、及び他方の面の両面に電解銅箔12が配置され、基材11の一方の面上の電解銅箔12、及び基材11を貫通し、他方の面の電解銅箔12が底面を構成する非貫通孔が形成されている。さらに、形成された非貫通孔、及び基材11の一方の面上の電解銅箔12の表面に銅薄膜層13が配置されている。そして、基材11、電解銅箔12、銅薄膜層13の積層体の、非貫通孔A、及び平坦部B上にめっき膜14が形成されている。なお、非貫通孔Aはめっきにより充填されることになる。
そして、非貫通孔Aにおいて、めっきの充填の程度を評価するため、積層体の非貫通孔A部分でのめっき膜14の深さt1、及び積層体の平坦部B部分でのめっき膜14の厚さt2の評価を行った。
なお、非貫通孔A部分でのめっき膜14の深さt1は、図1に示したように、平坦部B部分でのめっき膜14の表面を基準とした深さとなる。
そして、非貫通孔A部分でのめっき膜14の深さt1が2μm以下で、非貫通孔A部分でのめっき膜14の深さt1が、平坦部B部分でのめっき膜14の厚さt2以下の場合には◎と評価した。非貫通孔A部分でのめっき膜14の深さt1が2μmを超え、非貫通孔A部分でのめっき膜14の深さt1が、平坦部B部分でのめっき膜14の厚さt2以下の場合には〇と評価した。
評価が◎または〇の場合には、用いためっき液により、めっきによる非貫通孔の充填と、基材の平坦部、及びめっきが充填された非貫通孔上へのめっき膜の形成を実施でき、基材上に表面が平坦なめっき膜を成膜、製造できているといえる。
また、非貫通孔A部分でのめっき膜14の深さt1が平坦部B部分でのめっき膜の厚さt2を超え、その差であるt1−t2が10μm以下の場合には△と評価し、非貫通孔A部分でのめっき膜14の深さt1が平坦部B部分でのめっき膜の厚さt2を超え、その差であるt1−t2が10μmを超えた場合には×と評価した。評価が△または×の場合には、用いためっき液ではめっきによる非貫通孔の充填を十分にできておらず、基材上に表面に凹凸を含むめっき膜が形成されていることになる。
[実施例2、実施例3]
めっき液を調製する際に、レベラー成分、ポリマー成分の含有量が表1に示した値となるように変更した点以外は、実施例1と同様にして、めっき液、及びめっき膜の製造を実施した。
評価結果を表1に示す。
[実施例4]
めっき液を調製する際に、レベラー成分、ポリマー成分の含有量が表1に示した値となるように変更した点、及びめっき膜を成膜、製造する際の電流密度を表1に示した値となるように変更した点以外は、実施例1と同様にして、めっき液、及びめっき膜の製造を実施した。
評価結果を表1に示す。
[比較例1〜比較例3]
めっき液を調製する際に、レベラー成分、ポリマー成分、ブライトナー成分の含有量が表1に示した値となるように変更した点以外は、実施例1と同様にして、めっき液、及びめっき膜の製造を実施した。
なお、比較例3で添加したブライトナー成分としてはビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド(SPS)を用いた。
評価結果を表1に示す。
Figure 2017150061
表1に示した結果より、水溶性銅塩、硫酸、レベラー成分、及びポリマー成分を含み、ブライトナー成分を含有せず、レベラー成分として、ジアリルを含む4級アミンと、二酸化硫黄との共重合体を含むめっき液を用いた実施例1〜実施例4では、成膜しためっき膜の評価結果が◎または〇になることが確認できた。すなわち、実施例1〜実施例4で用いためっき液は、めっきによる非貫通孔の充填を行うことができるめっき液であることが確認できた。そして、実施例1〜実施例4では、非貫通孔を有する基材上にめっき膜を形成する際に、めっきによる非貫通孔の充填と、基材の平坦部、及びめっきが充填された非貫通孔上へのめっき膜の形成を実施でき、表面が平坦なめっき膜を成膜、製造できていることが確認できた。
レベラー成分と、ポリマー成分とのいずれかを含まないか、ブライトナー成分を含む比較例1〜比較例3では、成膜しためっき膜の評価結果が△または×になることが確認できた。すなわち、比較例1〜比較例3で用いためっき液は、めっきによる非貫通孔の充填を十分に行うことができないめっき液であることが確認できた。そして、比較例1〜比較例3で非貫通孔を有する基材上にめっき膜を成膜した際に、めっき膜は非貫通孔に対応した部分に凹部を有し、表面に凹凸を含むことが確認できた。
A 非貫通孔

Claims (4)

  1. 水溶性銅塩、硫酸、レベラー成分、及びポリマー成分を含み、
    ブライトナー成分を含有せず、
    前記レベラー成分として、ジアリルを含む4級アミンと、二酸化硫黄との共重合体を含むめっき液。
  2. 前記水溶性銅塩として、硫酸銅を100g/l以上220g/l以下、
    硫酸を50g/l以上250g/l以下、
    前記レベラー成分を5mg/l以上15mg/l以下、
    前記ポリマー成分を10mg/l以上50mg/l以下含有する請求項1に記載のめっき液。
  3. 前記ポリマー成分が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体から選択された1種類以上である請求項1または2に記載のめっき液。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のめっき液を用い、電流密度を1A/dm以上6A/dm以下として、
    非貫通孔を含む基材の、前記非貫通孔を充填し、めっき膜を形成するめっき膜の製造方法。
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