JP2017149635A - 酸化黒鉛誘導体 - Google Patents

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Abstract

【課題】非極性分散媒への分散性に優れる酸化黒鉛や両親媒性分散媒への分散性に優れる酸化黒鉛を提供する。【解決手段】炭素数13以上の炭化水素基をもつ官能基を有することを特徴とする酸化黒鉛誘導体や炭素数6以上、10以下の炭化水素基をもつ官能基を有することを特徴とする酸化黒鉛誘導体である。【選択図】図8

Description

本発明は、酸化黒鉛誘導体に関する。より詳しくは、機械用の潤滑油の添加剤、樹脂への添加剤等として好適に用いることができる酸化黒鉛誘導体に関する。
酸化黒鉛は、sp結合で結合した炭素原子が平面的に並んだ層状構造をもつ黒鉛を酸化し、酸素官能基を付与したものであり、その特異な構造や物性のために数多くの研究がなされている。酸化黒鉛は、種々の用途に用いられることが期待されており、例えば、機械用の潤滑油の添加剤として油中に分散させて用いることが望まれている。
酸化黒鉛は親水性のため、そのままでは油中で分散しない。油等の非極性分散媒(疎水性分散媒)への分散性を高める方法として、熱や化学反応で親水性の酸素官能基を還元させる手法や、疎水性の置換基で酸化黒鉛を修飾する手法が考えられるが、親水性の酸素官能基を還元させるだけでは、非極性分散媒への充分な分散性を得ることは難しい。これまでにも、酸化黒鉛の還元反応や置換基の導入反応については報告例がある(特許文献1〜3、非特許文献1〜8参照。)。その中でも非特許文献8において酸化黒鉛の非極性分散媒中での分散性の向上を目的とした検討はされているが、還元処理による積極的な反応性酸素の除去、反応前処理としての強塩基性の試薬による処理等を行っている。
特許第4798411号公報 国際公開第2012/128114号公報 特許第5234325号公報
岡田祐樹ら、他1名、「酸化グラフェンの触媒的エステル化反応の開発」、2014年、日本化学会年会、2E4−29 仁科勇太、「酸化グラフェンの表面修飾技術の開発」、新学術領域研究「原子層科学」中間成果報告(2014)公募研究合成班、71−74 Chun Kiang Chua, et.al, Chem. Soc. Rev., 2014, 43, 291-312 Xiaobin Fan, et.al, Adv. Mater., 2008, 20, 4490-4493 and Supporting Information Daniel R. Dreyer, et.al, "Reduction of graphite oxide using alcohols"J. Mater. Chem., 2011, 21, 3443-3447 Daniel R. Dreyer, et.al, Chem. Soc. Rev., 2010, 39, 228-240 Daniel R. Dreyer, et.al, "Reduction of graphite oxide using alcohols"J. Mater. Chem., 2011, 21, 3443-3447 Jean-Philippe, et.al, Langmuir, 2012, 28. 6691-6697
酸化黒鉛が機械用の潤滑油の添加剤等として充分な効果を発揮するためには、油中への充分な分散性が必要であるため、非極性分散媒への分散性に優れる酸化黒鉛が求められている。また、酸化黒鉛が様々な樹脂への添加剤等として充分な効果を発揮するために、両親媒性分散媒への分散性に優れる酸化黒鉛が求められている。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、非極性分散媒への分散性に優れる酸化黒鉛や両親媒性分散媒への分散性に優れる酸化黒鉛を提供することを目的とする。
本発明者らは、酸化黒鉛の非極性分散媒中での分散性を向上させる方法について種々検討し、酸化黒鉛を、炭素数13以上の炭化水素基をもつ官能基を有する誘導体とすると、親水性分散質が最も分散しにくく、これまで酸化黒鉛やその誘導体の分散が報告されていない単純アルカン中でも充分に分散する新規な酸化黒鉛誘導体が得られることを見出した。炭素数13以上の長い炭化水素基を用いることにより、単純に疎水性を向上するだけでなく、酸化黒鉛誘導体に残存する親水性の酸素官能基を外部から覆うため、非極性分散媒への分散性が飛躍的に向上し、酸化黒鉛の誘導体の非極性分散媒に対する期待以上の分散性向上効果が発揮されたものと考えられる。
以上のようにして本発明者らは上記課題をみごとに解決することができることに想到した。また、本発明者らは、酸化黒鉛を、炭素数6以上、10以下の炭化水素基をもつ官能基を有する誘導体としても、炭素数6以上、10以下とすることでケトン系、エステル系、アミド系溶媒等の両親媒性分散媒に対する親和性を付与することができ、良好な分散性を達成できることを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、炭素数13以上の炭化水素基をもつ官能基を有することを特徴とする酸化黒鉛誘導体である。
本発明はまた、炭素数6以上、10以下の炭化水素基をもつ官能基を有することを特徴とする酸化黒鉛誘導体でもある。
本発明の酸化黒鉛誘導体は、炭素数13以上の炭化水素基をもつ官能基を有する場合、非極性分散媒中で充分に分散する。本発明の酸化黒鉛誘導体はまた、炭素数6以上、10以下の炭化水素基をもつ官能基を有する場合、両親媒性分散媒中で充分に分散する。
原料である酸化黒鉛のFT−IRチャートである。 実施例1で作製した酸化黒鉛誘導体のFT−IRチャートである。 実施例2で作製した酸化黒鉛誘導体のFT−IRチャートである。 実施例3で作製した酸化黒鉛誘導体のFT−IRチャートである。 実施例4で作製した酸化黒鉛誘導体のFT−IRチャートである。 比較例1で作製した酸化黒鉛誘導体のFT−IRチャートである。 比較例2で作製した酸化黒鉛誘導体のFT−IRチャートである。 実施例1、実施例3、比較例1のヘキサン−メタノール分液の実際の画像である(左から実施例1、実施例3、比較例1)。 実施例5で作製した酸化黒鉛誘導体のFT−IRチャートである。 実施例6で作製した酸化黒鉛誘導体のFT−IRチャートである。 実施例7で作製した酸化黒鉛誘導体のFT−IRチャートである。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において段落に分けて記載される個々の本発明の好ましい特徴を2つ以上組み合わせた形態も、本発明の好ましい形態である。
<酸化黒鉛誘導体>
酸化黒鉛は、グラフェン、黒鉛(グラファイト)等の黒鉛質の炭素材料を酸化することにより酸素が結合したものであり、該酸素は黒鉛質の炭素材料に対しカルボキシル基、カルボニル基、ヒドロキシル基、エポキシ基等の置換基として存在している。本発明の酸化黒鉛誘導体の一形態では、更に、酸化黒鉛の炭素原子に、炭素数13以上の炭化水素基をもつ官能基又は炭素数6以上、10以下の炭化水素基をもつ官能基が結合した構造を有する。
上記酸化黒鉛誘導体は、更に、硫黄含有基、窒素含有基等の官能基を有していてもよいが、炭素、水素、及び、酸素のみを構成元素とするものであるか、又は、炭素、水素、酸素、及び、窒素のみを構成元素とするものであることが更に好ましい。
本発明の酸化黒鉛誘導体の特徴を示す分析として質量分析法とFT−IR法が挙げられる。本発明の酸化黒鉛誘導体は末端等に炭化水素基を有することから、質量分析法によってイオン化されたフラグメントが容易に観測できる。酸化黒鉛自身はその大質量であることから質量分析法ではイオン検出されず、つまり、酸化黒鉛に導入された化合物由来の部位のみが観測される。
FT−IR法では後述する実施例の通り、例えば酸化黒鉛誘導体が末端に炭化水素基を有する場合は、本発明の酸化黒鉛誘導体は炭化水素基に由来するC−Hのピークの出現により容易に分析できる。
上記炭素数13以上の炭化水素基としては、特に限定されず、アルキル基やシクロアルキル基等の飽和脂肪族炭化水素基;アルキニル基やアルケニル基等の非環式不飽和脂肪族炭化水素基;アリール基等の芳香族炭化水素基等のいずれであってもよいが、中でも飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
上記アルキル基としては、例えば、n−テトラデシル基、sec−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、sec−オクタデシル基、n−エイコシル基、sec−エイコシル基、2−オクチルドデシル基、n−ドコシル基、sec−ドコシル基、2−オクチルテトラデシル基、n−テトラコシル基、sec−テトラコシル基、2−オクチルヘキサデシル基、n−ヘキサコシル基、sec−ヘキサコシル基、n−オクタコシル基、sec−オクタコシル基、n−トリアコンチル基、sec−トリアコンチル基、n−ドトリアコンチル基、sec−ドトリアコンチル基、n−テトラトリアコンチル、sec−テトラトリアコンチル、n−ヘキサトリアコンチル、sec−ヘキサトリアコンチル等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用できる。
本発明の酸化黒鉛誘導体における上記炭化水素基は、本発明の酸化黒鉛誘導体の非極性分散媒中での分散性をより向上する観点からは、炭素数が14以上であることが好ましく、16以上であることがより好ましく、18以上であることが更に好ましい。また、本発明の酸化黒鉛誘導体における上記炭化水素基は、本発明の酸化黒鉛誘導体の非極性分散媒中での分散速度を充分に速いものとし、また、本発明の酸化黒鉛誘導体を好適に製造する観点からは、炭素数が50以下であることが好ましく、36以下であることがより好ましい。
本発明の酸化黒鉛誘導体における上記炭化水素基は、炭素数が20以上、28以下であることが好ましい。これにより、上述した効果をバランスよく両立することができる。該炭素数は、21以上であることがより好ましく、22以上であることが更に好ましい。また、該炭素数は24以下であることがより好ましく、24であることが最も好ましい。
本発明はまた、炭素数6以上、10以下の炭化水素基をもつ官能基を有する酸化黒鉛誘導体でもある。
炭素数6以上、10以下とすることで、上述したように、ケトン系、エステル系、アミド系溶媒などの両親媒性分散媒に対する親和性を付与することができ、良好な分散性を達成できる。よって、上記酸化黒鉛誘導体は、様々な樹脂への添加剤として適用が可能である。
上記炭素数6以上、10以下の炭化水素基としては、特に限定されず、アルキル基やシクロアルキル基等の飽和脂肪族炭化水素基;アルキニル基やアルケニル基等の非環式不飽和脂肪族炭化水素基;アリール基等の芳香族炭化水素基等のいずれであってもよいが、中でも飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
上記アルキル基としては、例えば、n−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、n−ヘプチル基、sec−ヘプチル基、n−オクチル基、sec−オクチル基、n−ノニル基、sec−ノニル基、2−オクチルドデシル基、n−デシル基、sec−デシル基等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用できる。
本発明の酸化黒鉛誘導体における上記炭化水素基は、本発明の酸化黒鉛誘導体の両親媒性分散媒への分散性をより向上する観点からは、炭素数が7以上、9以下であることがより好ましい。本発明の酸化黒鉛誘導体における上記炭化水素基は、炭素数が8であることが最も好ましい。
炭素数13以上の炭化水素基をもつ官能基を有する酸化黒鉛誘導体と、炭素数6以上、10以下の炭化水素基をもつ官能基を有する酸化黒鉛誘導体とについて上述した。いずれの場合であっても、本発明の酸化黒鉛誘導体は、末端に上記炭化水素基をもつ官能基を有することが好ましい。
本発明の酸化黒鉛誘導体における上記炭化水素基は、直鎖であることが好ましい。上記炭化水素基が直鎖であると、直鎖の炭化水素基が酸化黒鉛に導入されやすいため、本発明の酸化黒鉛誘導体を好適に得ることができる。
本発明の酸化黒鉛誘導体における上記炭化水素基は、分岐鎖であることもまた好ましい。上記炭化水素基が分岐鎖であると、本発明の酸化黒鉛誘導体の非極性分散媒中での分散性がより向上する。また、原料である炭化水素基含有化合物が常温(25℃)で液体となる傾向にあり、その場合は、誘導体製造時のハンドリングも容易である。
上記炭素数13以上又は炭素数6以上、10以下の炭化水素基をもつ官能基は、特に限定されず、アルコキシカルボニル基(−COOR)、アルコキシル基(−OR)等の酸素含有基;硫黄含有基;アルキルアミノ基(−NHR、−NRR’)、アルキルアミド基(−CONHR、−CONRR’)等の窒素含有基;リン含有基等が挙げられるが、アルコキシカルボニル基(−COOR)、アルコキシル基(−OR)等の酸素含有基、アルキルアミノ基(−NHR、−NRR’)、アルキルアミド基(−CONHR、−CONRR’)等の窒素含有基であることが好ましい。なお、上記R及びR’は、同一又は異なって、炭素数13以上又は炭素数6以上、10以下の炭化水素基を表す。すなわち、上記官能基における炭化水素基以外の部分は、例えば、−COO−、−O−、−NH−、−N−、−CONH−、又は、−CON−であることが好ましい。
上記酸化黒鉛誘導体は、例えば酸化黒鉛とアルコールとを反応させることにより得られるものである場合は、酸化黒鉛誘導体100質量%中、炭素原子、水素原子、及び、酸素原子以外のその他の原子の含有量が、10質量%以下であることが好ましく、7質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることが更に好ましい。上記酸化黒鉛誘導体は、その他の原子を有しないことが特に好ましい。言い換えれば、上記酸化黒鉛誘導体は、炭素原子、水素原子、及び、酸素原子のみを構成元素とするものであることが好ましい。その他の原子としては、窒素原子、リン原子、ハロゲン原子等が挙げられる。特に、上記酸化黒鉛誘導体は、酸化黒鉛誘導体100質量%中、窒素原子の含有量が0.1質量%以下であることが好ましい。
また上記酸化黒鉛誘導体は、例えば酸化黒鉛とアミンとを反応させることにより得られるものである場合は、酸化黒鉛誘導体100質量%中、炭素原子、水素原子、酸素原子、及び、窒素原子以外のその他の原子の含有量が、10質量%以下であることが好ましく、7質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることが更に好ましい。上記酸化黒鉛誘導体は、その他の原子を有しないことが特に好ましい。言い換えれば、上記酸化黒鉛誘導体は、炭素原子、水素原子、酸素原子、及び、窒素原子のみを構成元素とするものであることが好ましい。その他の原子としては、リン原子、ハロゲン原子等が挙げられる。
上記酸化黒鉛誘導体は、平均粒子径が1μm以上、100μm以下であることが好ましい。
上記平均粒子径は、3μm以上であることがより好ましい。該平均粒子径は、60μm以下であることがより好ましい。
上記平均粒子径は、粒度分布測定装置により測定することができる。
上記酸化黒鉛誘導体の形状としては、微粉状、粉状、粒状、顆粒状、鱗片状、多面体状、ロッド状、曲面含有状等が挙げられる。なお、平均粒子径が上述のような範囲の粒子は、例えば、粒子をボールミル等により粉砕し、該粉砕により得られた粗粒子を分散剤に分散させて所望の粒子径にした後に乾固する方法や、粒子をふるい等にかけて粒子径を選別する方法、これら方法の組み合わせのほか、粒子を製造する段階で調製条件を最適化し、所望の粒子径の(ナノ)粒子を得る方法等により製造することが可能である。
本発明は、酸化黒鉛と炭素数13以上の炭化水素基含有化合物とを反応させることにより酸化黒鉛誘導体を得る酸化黒鉛誘導体の製造方法でもある。本発明はまた、酸化黒鉛と炭素数6以上、10以下の炭化水素基含有化合物とを反応させることにより酸化黒鉛誘導体を得る酸化黒鉛誘導体の製造方法でもある。該炭化水素基含有化合物としては、アミン、イソシアネート基含有化合物、カルボニル基含有化合物(例えば、カルボン酸ハライド)、アルコール等が挙げられる。ここで、上記反応において、酸化黒鉛が特定炭素数の炭化水素基含有化合物と反応して修飾される反応と、酸化黒鉛自身の還元反応とが同時進行して競合するところ、還元反応を充分に抑制して酸化黒鉛を修飾する反応を優位的に進める観点からは、上記炭化水素基含有化合物がアルコール及び/又はアミンであることが好ましい。アルコールとしては、上述した炭化水素基に対応するものを適宜使用できる。アミンとしては、上述した炭化水素基に対応するもの(窒素原子に炭化水素基が結合されたもの)を適宜使用できる。また、酸化黒鉛と炭化水素基含有化合物との反応では、公知の触媒等、何れも適応することができるが、本発明の好適な形態として、触媒として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属水酸化物、アミン、ピリジン等の塩基触媒や、硫酸等の酸触媒を用いることができる。また、上記炭化水素基含有化合物がアミンの場合はアミン自身を触媒として用いることができる。
なお、本発明の酸化黒鉛誘導体の生成は、実施例の方法に沿って赤外線吸収スペクトルを測定することにより確認される。
上記反応工程において塩基触媒を用いる場合、塩基触媒の使用量は、反応工程に用いる混合液中の酸化黒鉛量100質量%に対し、0.01〜1000質量%であることが好ましい。これにより、酸化黒鉛誘導体を効率的に製造することができる。
該塩基触媒の使用量は、0.1質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることが更に好ましい。また、該使用量は、500質量%以下であることがより好ましい。
本明細書中、塩基触媒の使用量とは、上記混合液を作製するために用いられた塩基触媒の仕込み量を言う。
炭化水素基含有化合物がアミン以外の化合物であり、上記反応工程において酸触媒を用いる場合、酸触媒の使用量は、反応工程に用いる混合液中の酸化黒鉛量100質量%に対し、0.01〜1000質量%であることが好ましい。該使用量が0.01質量%以上であることにより、効率よく酸化黒鉛の反応を進行させることができる。また、該使用量が1000質量%以下であることにより、廃液量を充分に少なくすることができる。
上記使用量は、0.1質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることが更に好ましく、10質量%以上であることが一層好ましく、20質量%以上であることがより一層好ましく、30質量%以上であることが更に一層好ましく、40質量%以上であることが特に好ましく、50質量%以上であることが特に一層好ましい。また、該使用量は、700質量%以下であることがより好ましく、500質量%以下であることが更に好ましく、200質量%以下であることが特に好ましい。
本明細書中、酸触媒の使用量とは、上記混合液を作製するために用いられた酸触媒の仕込み量を言う。
また炭化水素基含有化合物がアミン以外の化合物であり、上記反応工程において酸触媒を用いる場合、酸触媒の使用量は、反応工程に用いる混合液中の炭化水素基含有化合物の質量100質量%に対し、0.1質量%以上、50質量%以下であることが好ましい。該使用量を0.1質量%以上とすることにより、修飾反応をより効率的に進めることができる。また、該使用量を50質量%以下とすることにより、酸触媒に起因する副反応を充分に抑制することができる。
また炭化水素基含有化合物がアミン以外の化合物である場合、酸化黒鉛は本質的に自身が酸性の物質であり、自触媒的に反応が進行する。前述のとおり硫酸等の酸触媒を添加することがより好ましいが、触媒を添加せずとも自触媒的に反応を進行させることも可能である。
上記反応工程における炭素数13以上又は炭素数6以上、10以下の炭化水素基含有化合物の使用量は、反応工程に用いる混合液中の酸化黒鉛量100質量%に対し、300〜10000質量%であることが好ましい。該炭化水素基含有化合物を大過剰に用いることにより、酸化黒鉛誘導体を効率的に製造することができる。また、これにより、還元反応を抑制して酸化黒鉛の修飾反応を優位に進めることができる。
該使用量は、350質量%以上であることがより好ましく、400質量%以上であることが更に好ましく、450質量%以上であることが一層好ましく、500質量%以上であることが特に好ましい。また、該使用量は、8000質量%以下であることがより好ましく、6000質量%以下であることが更に好ましく、3000質量%以下であることが一層好ましく、1000質量%以下であることが特に好ましい。
本明細書中、混合液中の炭素数13以上又は炭素数6以上、10以下の炭化水素基含有化合物の使用量とは、混合液を作製するために用いられた炭素数13以上又は炭素数6以上、10以下の炭化水素基含有化合物の仕込み量を言う。
上記混合液は、上記酸化黒鉛、上記アルコール等の炭化水素基含有化合物、及び、上記触媒等を混合して得ることができる。上記酸化黒鉛、上記炭化水素基含有化合物、及び、上記触媒は、公知の方法を用いて得ることができ、市販品を使用することも可能である。上記混合は、公知の方法で適宜行うことが可能であるが、例えば、超音波処理を行ったり、公知の分散機を用いたりして酸化黒鉛を均一に分散させることが好ましい。
上記反応工程は、公知の撹拌機等を用いて撹拌しながら行うことができる。
上記反応工程は、例えば空気中、又は、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中で行うことができる。また、上記反応工程は、その圧力条件は特に限定されないが、加圧条件下、常圧条件下、減圧条件下で行うことができるが、例えば常圧条件下で行うことが好ましい。反応温度は、例えば60〜200℃とすればよい。反応温度を60℃以上とすることにより、反応が効率的に進行する。また、反応温度を200℃以下とすることにより、副反応を抑制できる。反応時間は、例えば3〜120時間とすればよい。
本発明の酸化黒鉛誘導体を製造するために、上記反応工程の後、その他の工程を適宜行うことができ、例えば、水洗、ろ過、デカンテーションにより精製工程をおこなってもよい。
上記精製工程は、空気中で行ってもよく、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中で行ってもよい。
本発明の酸化黒鉛誘導体は、炭素数13以上の炭化水素基をもつ官能基を有する場合、非極性分散媒中での分散性に優れるため機械用の潤滑油の添加剤、樹脂への添加剤等として特に好適に使用できる。
本発明の酸化黒鉛誘導体はまた、炭素数6以上、10以下の炭化水素基をもつ官能基を有する場合、両親媒性分散媒中での分散性に優れるため、様々な樹脂への添加剤として特に好適に使用できる。
<分散体>
本発明はまた、酸化黒鉛誘導体が分散媒中に分散してなる分散体でもある。
本発明の分散体は、本発明の酸化黒鉛誘導体を、非極性分散媒等の分散媒中に分散させて得ることができる。
非極性分散媒としては、例えば、ベンゼン、キシレン、トルエン、シクロヘキシルベンゼン、ジヒドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、ナフタレン、アントラセン等の炭素数6〜14の芳香族炭化水素系分散媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン等の炭素数4〜6の芳香族複素環化合物系分散媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、シクロヘキサン等の炭素数5以上の脂肪族炭化水素系分散媒等が挙げられ、また、鉱物油、合成油等の分散媒も挙げられる。これらの1種又は2種以上を混合したものを使用できる。
本発明の分散体はまた、本発明の酸化黒鉛誘導体を、両親媒性分散媒等の分散媒中に分散させて得ることができる。
両親媒性分散媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系分散媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)等のアミド、ラクタム系分散媒、アセトン、ブタノン、ペンタノン等のケトン系分散媒、エチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル等のグリコ―ル、グリコールエーテル系分散媒等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合したものを使用できる。
分散には、公知の撹拌機、公知の超音波発生装置等を使用できる。例えば、酸化黒鉛誘導体と分散媒との混合物に30分〜2時間超音波をかけて分散体を調製することが好ましい。
本発明の分散体は、分散媒100質量%に対する酸化黒鉛誘導体の質量割合が、0.0001質量%以上であることが好ましく、0.001質量%以上であることがより好ましい。また、該質量割合が、10質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが更に好ましい。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
下記実施例及び比較例においては、次のようにして分析し、評価を行った。
<FT−IRの測定方法>
サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製Nicolet NEXUS670 FTIRを用いて、酸化黒鉛誘導体をKBrと混合しペレット化することで測定した。測定範囲は900〜4000cm−1で分解能は1cm−1とした。
<分散性の評価方法>
APEL社製比色計AP−1000Mを用いて、0.1mg/mlの酸化黒鉛誘導体の分散液における、波長660nmの光の透過率の時間推移を測定した。光の透過が確認できる時間(透過率が0%→1%となる時間)が1時間以上のものに対して分散性が良好であるとした。最大測定時間を6時間とした。
<元素分析の分析方法>
elementer社製vario EL cube CHNSを用いてCHNOの質量濃度を測定した。
(実施例1)
〔OGO20−Bの合成〕
非特許文献(Karthikeyan K, et.al, Carbon, 53, (2013), 38-49)に記載の方法を参考に原料となる酸化黒鉛を合成した。この酸化黒鉛(200mg)と2−オクチル−1−ドデカノール(東京化成工業社製、10ml)、硫酸(和光純薬工業社製、200mg)を混合し、100℃で24時間反応させた。反応後、反応液にアセトンを注ぎ、ろ過した。得られた固体をヘキサンに分散させたのち水洗した。有機層をろ過し、OGO20−Bを得た。得られた固体をヘキサデカンへ加え、1時間超音波をかけ、分散性を評価したところ、光の透過が確認できる時間が6時間以上であり、良好な分散性が確認できた。また、ヘキサン−メタノールの混合溶媒へ加え1時間超音波をかけ、ヘキサン層に分散するかメタノール層へ分散するかを確認したところ、ヘキサン層に分散したことから非常に良好な疎水特性があることがわかった。
図2にFT−IRチャートを示した。原料のFT−IRチャート(図1)と比較し、C−Hに由来するピーク(2900cm−1前後)の出現、及びC−O−Cに由来するピーク(1200cm−1前後)のシフトが確認できることから、アルコールが導入されたことが確認できた。なお、図1は、原料である酸化黒鉛のFT−IRチャートであり、図2は、実施例1で作製した酸化黒鉛誘導体のFT−IRチャートである。
また元素分析の結果、CHOの質量濃度の合計は95.66%であり、Nの質量濃度は0.01%であった。
(実施例2)
〔OGO20−Sの合成〕
酸化黒鉛(200mg)、1−エイコサノール(東京化成工業社製、8g)、硫酸(200mg)を混合し、反応後、反応液に50℃に加温したヘキサンを投入し、熱時ろ過した。得られた固体をヘキサンに分散させたのち水洗した。有機層をろ過し、OGO20−Sを得た。得られた固体をヘキサデカンへ加え、1時間超音波をかけ、分散性を評価したところ、光の透過が確認できる時間が6時間以上であり、良好な分散性が確認できた。また、ヘキサン−メタノールの混合溶媒へ加え1時間超音波をかけ、ヘキサン層に分散するかメタノール層へ分散するかを確認したところ、ヘキサン層に分散したことから非常に良好な疎水特性があることがわかった。
図3にFT−IRチャートを示した。なお、図3は、実施例2で作製した酸化黒鉛誘導体のFT−IRチャートである。
また元素分析の結果、CHOの質量濃度の合計は96.12%であり、Nの質量濃度は0.00%であった。
(実施例3)
〔OGO14−Sの合成〕
用いたアルコールを2−オクチル−1−ドデカノールから1−テトラデカノール(東京化成工業社製、10ml)に変えた以外は実施例1に記載の方法と同様に合成しOGO14−Sを得た。得られた固体をヘキサデカンへ加え、1時間超音波をかけ、分散性を評価したところ、光の透過が確認できる時間が6時間以上であり、良好な分散性が確認できた。また、ヘキサン−メタノールの混合溶媒へ加え1時間超音波をかけ、ヘキサン層に分散するかメタノール層へ分散するかを確認したところ、ヘキサン層に分散したことから非常に良好な疎水特性があることがわかった。
図4にFT−IRチャートを示した。なお、図4は、実施例3で作製した酸化黒鉛誘導体のFT−IRチャートである。
また元素分析の結果、CHOの質量濃度の合計は96.95%であり、Nの質量濃度は0.00%であった。
(実施例4)
〔OGO20−B−BAの合成〕
酸化黒鉛(200mg)と2−オクチル−1−ドデカノール(東京化成工業社製、10ml)、水酸化カリウム(和光純薬工業社製、200mg)を混合し、100℃で24時間反応させた。反応後、反応液にアセトンを注ぎ、ろ過した。得られた固体をヘキサンに分散させたのち1%硫酸水で洗浄した。得られた固体をヘキサデカンへ加え、1時間超音波をかけ、分散性を評価したところ、光の透過が確認できる時間が6時間以上であり、良好な分散性が確認できた。有機層をろ過し、OGO20−B―BAを得た。
図5にFT−IRチャートを示した。なお、図5は、実施例4で作製した酸化黒鉛誘導体のFT−IRチャートである。
また元素分析の結果、CHOの質量濃度の合計は95.51%であり、Nの質量濃度は0.01%であった。
(比較例1)
〔OGO12−Sの合成〕
用いたアルコールを2−オクチル−1−ドデカノールから1−ドデカノール(東京化成工業社製、10ml)に変えた以外は実施例1に記載の方法と同様に合成しOGO12−Sを得た。得られた固体をヘキサデカンへ加え、1時間超音波をかけ、分散性を評価したところ、光の透過が確認できる時間が6時間以上であり、良好な分散性が確認できた。また、ヘキサン−メタノールの混合溶媒へ加え1時間超音波をかけ、ヘキサン層に分散するかメタノール層へ分散するかを確認したところ、エマルジョンになり、すぐに2層には分離しなかったこと、疎水性が充分でないため、ヘキサン層に良好に分散せず界面に被膜が生じたことから、実施例1、3に比較して疎水特性に劣ることが確認できた。この点、特に実施例3と比較例1との比較から、疎水特性は炭化水素基が炭素数14の場合と炭素数12の場合とで劇的に異なることが証明された。また得られた固体をNMPへ加え、1時間超音波をかけ、分散性を評価したところ、光の透過が確認できる時間が10分以下であり、両親媒性分散媒への良好な分散性は確認できなかった。
図6にFT−IRチャートを示した。なお、図6は、比較例1で作製した酸化黒鉛誘導体のFT−IRチャートである。
図8にヘキサン−メタノール分液の実際の画像を示した。すなわち、図8は、実施例1、実施例3、比較例1のヘキサン−メタノール分液の実際の画像である。比較例1のみヘキサン層への分散性がないことがわかる。また、界面に泡状の被膜が生じ、疎水性が低いことがうかがえる(上部がヘキサン層、下部がメタノール層、左から実施例1、実施例3、比較例1)。
また元素分析の結果、CHOの質量濃度の合計は97.47%であり、Nの質量濃度は0.00%であった。
(比較例2)
〔rGOの合成〕
アルコールの代わりにヘキサデカン(東京化成工業社製、10ml)に変えた以外は実施例1に記載の方法と同様に合成しrGOを得た。得られた固体をヘキサデカンへ加え、1時間超音波をかけ、分散性を評価したところ、光の透過が確認できる時間が20分であり、良好な分散性が確認できなかった。
図7にFT−IRチャートを示した。なお、図7は、比較例2で作製した酸化黒鉛誘導体のFT−IRチャートである。
また元素分析の結果、CHOの質量濃度の合計は96.94%であり、Nの質量濃度は0.01%であった。
(実施例5)
〔OGO24−B−100の合成〕
酸化黒鉛(2g)と2−デシル−1−テトラデカノール(新日本理化社製、10g)、硫酸(和光純薬工業社製、2g)を混合し、100℃で24時間反応させた。反応後、反応液にヘキサンを注ぎ、ろ過した。得られた固体をヘキサンに分散させたのち水洗した。有機層をろ過し、OGO24−B−100を得た。得られた固体をヘキサデカンへ加え、1時間超音波をかけ、分散性を評価したところ、光の透過が確認できる時間が6時間以上であり、良好な分散性が確認できた。
図9にFT−IRチャートを示した。なお、図9は、実施例5で作製した酸化黒鉛誘導体のFT−IRチャートである。
また元素分析の結果、CHOの質量濃度の合計は96.73%であり、Nの質量濃度は0.00%であった。
(実施例6)
〔OGO24−B−150の合成〕
酸化黒鉛(2g)と2−デシル−1−テトラデカノール(新日本理化社製、10g)、硫酸(和光純薬工業社製、2g)を混合し、150℃で5時間反応させた。反応後、反応液にヘキサンを注ぎ、ろ過した。得られた固体をヘキサンに分散させたのち水洗した。有機層をろ過し、OGO24−B−150を得た。得られた固体をヘキサデカンへ加え、1時間超音波をかけ、分散性を評価したところ、光の透過が確認できる時間が6時間以上であり、良好な分散性が確認できた。
図10にFT−IRチャートを示した。なお、図10は、実施例6で作製した酸化黒鉛誘導体のFT−IRチャートである。
また元素分析の結果、CHOの質量濃度の合計は96.30%であり、Nの質量濃度は0.00%であった。
(実施例7)
〔OGO8−B−150の合成〕
酸化黒鉛(2g)と2−エチル−1−ヘキサノール(和光純薬工業社製、10g)、硫酸(和光純薬工業社製、2g)を混合し、150℃で5時間反応させた。反応後、反応液にヘキサンを注ぎ、ろ過した。得られた固体をヘキサンに分散させたのち水洗した。有機層をろ過し、OGO8−B−150を得た。得られた固体をNMPへ加え、1時間超音波をかけ、分散性を評価したところ、光の透過が確認できる時間が6時間以上であり、良好な分散性が確認できた。比較例1と比較しアルキル鎖が短いことで両親媒性分散媒への分散性が向上することがわかった。この点、特に実施例7と比較例1との比較から、両親媒性分散媒への分散特性は炭化水素基が炭素数12の場合と炭素数8の場合とで劇的に異なることが証明された。
図11にFT−IRチャートを示した。なお、図11は、実施例7で作製した酸化黒鉛誘導体のFT−IRチャートである。
また元素分析の結果、CHOの質量濃度の合計は96.66%であり、Nの質量濃度は0.00%であった。
上述した実施例1〜7及び比較例1では、FT−IRチャートの結果から、酸化黒鉛のカルボキシル基、エポキシ基や水酸基にアルコールが導入され、アルコキシカルボニル基やアルコキシ基が形成されていると考えられる。特に実施例3と比較例1との比較から、疎水特性は炭化水素基が炭素数14の場合と炭素数12の場合とで劇的に異なることが証明された。また、実施例7と比較例1との比較から、両親媒性分散媒への分散特性は炭化水素基が炭素数8の場合と炭素数12の場合とで劇的に異なることが証明された。
実施例1〜6で得られた酸化黒鉛誘導体は、非極性分散媒中で充分に分散するため、機械用の潤滑油の添加剤、さまざまな樹脂と複合化できる樹脂への添加剤等として好適に使用できると考えられる。実施例7で得られた酸化黒鉛誘導体は、両親媒性分散媒中で充分に分散するため、さまざまな樹脂と複合化できる樹脂への添加剤等として好適に使用できると考えられる。

Claims (10)

  1. 炭素数13以上の炭化水素基をもつ官能基を有することを特徴とする酸化黒鉛誘導体。
  2. 前記炭化水素基は、炭素数が36以下であることを特徴とする請求項1に記載の酸化黒鉛誘導体。
  3. 前記炭化水素基は、炭素数が20以上、28以下であることを特徴とする請求項2に記載の酸化黒鉛誘導体。
  4. 炭素数6以上、10以下の炭化水素基をもつ官能基を有することを特徴とする酸化黒鉛誘導体。
  5. 末端に前記炭化水素基をもつ官能基を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の酸化黒鉛誘導体。
  6. 前記炭化水素基は、アルキル基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の酸化黒鉛誘導体。
  7. 前記炭化水素基は、直鎖であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の酸化黒鉛誘導体。
  8. 前記炭化水素基は、分岐鎖であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の酸化黒鉛誘導体。
  9. 窒素原子の含有量が0.1質量%以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の酸化黒鉛誘導体。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の酸化黒鉛誘導体が分散媒中に分散してなることを特徴とする分散体。
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