JP2019064867A - 酸化黒鉛の製造方法 - Google Patents
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また黒鉛を酸化した後、生成した酸化黒鉛を溶液中から精製する方法として、酸化黒鉛含有組成物に、水に対する溶解度が0.01%以上であって、かつ、水と任意には混和しない溶媒を添加した後、酸化黒鉛含有組成物を分離することが開示されている(特許文献2参照)。
本発明はまた、酸化黒鉛誘導体を製造する方法であって、該製造方法は、黒鉛を酸化する工程、該酸化工程で得られる酸化黒鉛が分散してなる水系分散液とアミンとを混合した後、ろ過、デカンテーション、遠心分離、及び、分液抽出からなる群より選択される少なくとも1種の方法により酸化黒鉛を精製する工程、及び、該精製工程で精製される酸化黒鉛と、酸化黒鉛の酸素含有官能基と反応する化合物とを反応させて酸化黒鉛誘導体を得る工程を含むことを特徴とする酸化黒鉛誘導体の製造方法でもある。
なお、以下において段落に分けて記載される個々の本発明の好ましい特徴を2つ以上組み合わせた形態も、本発明の好ましい形態である。
酸化黒鉛は、グラフェン、黒鉛(グラファイト)等の黒鉛質の炭素材料を酸化することにより酸素が結合したもの(該炭素材料に酸素が結合したもの)であり、該酸素は黒鉛質の炭素材料に対しカルボキシル基、カルボニル基、ヒドロキシル基、エポキシ基等の置換基として存在している。
上記酸化黒鉛は、グラフェンの炭素に酸素が結合した酸化グラフェンであることが好ましい。
なお、一般的にグラフェンとは、sp2結合で結合した炭素原子が平面的に並んだ1層からなるシートをいい、グラフェンシートが多数積層されたものはグラファイトといわれるが、本発明における酸化グラフェンには、炭素原子1層のみからなるシートだけではなく、2層〜100層程度積層した構造を有するものも含まれる。該酸化グラフェンは、炭素原子1層のみからなるシートであるか、又は、2層〜20層程度積層した構造を有するものであることが好ましい。
上記酸化黒鉛は、更に、硫黄含有基、窒素含有基等の官能基を有していてもよいが、全構成元素に対する炭素、水素、及び、酸素の構成元素としての含有率が97モル%以上であることが好ましく、99モル%以上であることがより好ましく、酸化黒鉛が炭素、水素、及び、酸素のみを構成元素とするものであることが更に好ましい。
〔水系分散液とアミンとの混合〕
本発明では、酸化工程で得られる酸化黒鉛が分散してなる水系分散液とアミンとを混合する。
混合方法は、特に限定されず、公知の方法で適宜行うことが可能であるが、例えば、撹拌や超音波処理を行ったり、公知の分散機を用いたりして固形分を均一に分散させることが好ましい。
なお、水系分散液とアミンとを混合する際には、例えば、水系分散液にアミンを添加してもよく、アミンに水系分散液を添加してもよく、反応容器に対して水系分散液とアミンとを同時に添加してもよい。
上記脂肪族アミンとしては、特に限定されないが、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン(ステアリルアミン)、エイコシルアミン、2−オクチルドデシルアミン、ドコシルアミン、2−オクチルテトラデシルアミン、テトラコシルアミン、2−オクチルヘキサデシルアミン、ヘキサコシルアミン、オクタコシルアミン、トリアコンチルアミン、ドトリアコンチルアミン、テトラトリアコンチルアミン、ヘキサトリアコンチルアミン等のモノアミン化合物、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミン化合物、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の高次アミン化合物等の1級アミン化合物、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロプルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン等の2級アミン化合物、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、ヘキサメチレンテトラミン等の3級アミン化合物が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用できる。
なお、上記アミンを、後述する酸化黒鉛誘導体を得る工程において酸化黒鉛の酸素含有官能基と反応する化合物としてそのまま使用することが可能である。
なお、水系分散液は、分散媒として水を含有していれば良く、その他に水と混和する有機溶媒を更に含有していてもよいが、酸化黒鉛の凝集し易さの観点から、有機溶媒を含有しないことが好ましい。
上記水濃度は、25質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが更に好ましく、35質量%以上であることが特に好ましい。
このような水濃度の範囲内とすることで、酸化工程等で用いた硫酸存在下であっても、アミンが酸化黒鉛と相互作用して凝集するという意外な作用がより充分に発現し、本発明の効果がより顕著なものになる。
また上記水濃度は、例えば、99質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましい。
上記硫酸イオンの含有量は、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが更に好ましい。また、該硫酸イオンの含有量は、90質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましい。
上記硫酸イオンの含有量又は濃度は、硫酸由来の硫酸イオンと、硫酸塩由来の硫酸イオンとの合計量又は合計濃度である。
更に、上記水系分散液は、pHが2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。pHは、その下限値は特に限定されないが、通常−1以上である。
本発明では、酸化工程等で用いた硫酸等の強酸存在下でも、アミンが酸化黒鉛と相互作用して凝集するという意外な作用が発現し、本発明の効果を発揮できる。
上記精製工程において酸化黒鉛を含む水系分散液とアミンとを混合した後、酸化黒鉛を精製する工程は、ろ過、デカンテーション、遠心分離、及び、分液抽出からなる群より選択される少なくとも1種の方法により行われる。これらの方法を用いることで、酸化黒鉛を効率的に短時間で精製することができる。また、その結果、酸化黒鉛の精製の際に、酸化黒鉛が有する反応性の酸素含有官能基が還元及び/又は不活化されてしまうことを充分に防止でき、高品質な酸化黒鉛を得ることができる。なお、本明細書中、精製工程とは、酸化黒鉛が分散してなる水系分散液から固形不純物(例えば、過マンガン酸塩等の酸化剤等)及び/又は酸化反応時の溶媒(硫酸等の強酸等)を除く工程を言う。
これらの方法の中でも、より好ましくはろ過、分液抽出であり、更に好ましくはろ過である。上記精製工程によれば、アミンの作用により水系分散液中で酸化黒鉛粒子の凝集が促進され、酸化黒鉛粒子が大きな凝集体となり、その結果、水系分散液をろ過してもフィルターの目詰まりが起こりにくく、ろ過に要する時間が非常に短い。このため、酸化黒鉛を精製する方法としてろ過を用いることで、高品質の酸化黒鉛を非常に簡便に得ることができる。
上記精製工程は、空気中で行ってもよく、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中で行ってもよい。また、加圧条件下、常圧条件下、減圧条件下のいずれで行ってもよい。
上記黒鉛を酸化する工程は、黒鉛が酸化されることになる限り、その方法は特に制限されず、上述したHummers法、Brodie法、Staudenmaier法等のいずれの方法における黒鉛の酸化方法を用いてもよく、Hummers法における酸化方法を採用した、黒鉛と硫酸とを含む混合液に過マンガン酸塩を添加する工程であってもよい。
上記酸化工程が酸を用いて黒鉛を酸化する場合、本発明の製造方法は、精製工程に供される水系分散液中に酸が残留するが、該酸が残留していても、アミンが酸化黒鉛と相互作用して凝集するという意外な作用が発現する。その結果、高品質な酸化黒鉛を簡便に製造することができる。
上記酸化工程が黒鉛と硫酸とを含む混合液に過マンガン酸塩を添加する工程である場合、硫酸の使用量は、黒鉛に対する硫酸の質量比(硫酸/黒鉛)が25〜60となる量であることが好ましい。該質量比が25以上であることにより、酸化反応中に反応組成物(混合液)の高粘度化を充分に防止して酸化黒鉛を効率的に製造することができる。また、該質量比が60以下であることにより、廃液量を充分に少なくすることができる。
上記平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置により測定した体積基準の平均粒子径を採用することが好ましい。
本発明の製造方法における酸化工程に用いる黒鉛は、1種のみであってもよく、上記平均粒子径、形状等のいずれかにおいて異なる2種以上のものを用いてもよい。
上記過マンガン酸塩を複数回に分けて添加する場合、1回当たりの添加量は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
また上記酸化工程が黒鉛と硫酸とを含む混合液に過マンガン酸塩を添加する工程である場合、上記酸化工程は、上記混合液の温度変化を30℃以下に維持しながら過マンガン酸塩を添加する工程であることが好ましい。これにより、より安定的に酸化工程を行うことができる。
上記酸化工程は、例えば空気中、又は、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中で行うことができる。また、上記酸化工程は、その圧力条件は特に限定されず、加圧条件下、常圧条件下、減圧条件下のいずれであってもよいが、例えば常圧条件下で行うことが好ましい。
上記酸化工程は、連続的に行ってもよいし、断続的に行ってもよい。
また熟成させる時間は、0.1〜24時間であることが好ましい。
上記酸化反応停止工程は、例えば、反応組成物の温度を5〜15℃に設定し、反応組成物に水を添加し、次いで還元剤として過酸化水素水を添加して行うことができる。また、反応組成物を、5〜25℃に設定した、水又は過酸化水素水に添加して行ってもよい。
上記酸化反応停止工程の時間は、例えば0.01〜5時間とすることができる。
本発明は、酸化黒鉛誘導体を製造する方法であって、該製造方法は、黒鉛を酸化する工程、該酸化工程で得られる酸化黒鉛が分散してなる水系分散液とアミンとを混合した後、ろ過、デカンテーション、遠心分離、及び、分液抽出からなる群より選択される少なくとも1種の方法により酸化黒鉛を精製する工程、及び、該精製工程で精製される酸化黒鉛と、酸化黒鉛の酸素含有官能基と反応する化合物とを反応させて酸化黒鉛誘導体を得る工程を含むことを特徴とする酸化黒鉛誘導体の製造方法でもある。
本発明の製造方法によれば、酸化黒鉛誘導体を簡便に低コストで得ることができる。また、反応性の酸素含有官能基の数をより充分に維持した酸化黒鉛を酸化黒鉛誘導体を得る工程にて用いることができ、得られる酸化黒鉛誘導体が、所望の官能基を有する基が充分に導入された高品質のものとなる。
上記酸化黒鉛の酸素含有官能基と反応する化合物は、例えば、アルコール、シラン化合物、脂肪酸(塩)、脂肪酸エステル、イソシアネート化合物、及び、アミンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、中でもアミンを含むことがより好ましい。なお、シラン化合物は、酸化黒鉛の酸素含有官能基との反応性を良好なものとする観点から、珪素原子と直接結合したシロキシ基及び/又はアルコキシ基を有することが好ましい。
酸化黒鉛誘導体の生成は、赤外線吸収スペクトルを測定することにより確認される。
該総使用量は、350質量%以上であることがより好ましく、400質量%以上であることが更に好ましく、450質量%以上であることが一層好ましく、500質量%以上であることが特に好ましい。また、該総使用量は、8000質量%以下であることがより好ましく、6000質量%以下であることが更に好ましく、3000質量%以下であることが一層好ましく、1000質量%以下であることが特に好ましい。
上記精製工程で水系分散液と混合したアミンの少なくとも一部を、酸化黒鉛の酸素含有官能基と反応する化合物としてそのまま用いる場合、精製工程で混合するアミンと、酸化黒鉛誘導体を得る工程で混合するアミンとの合計量が、上記総使用量の範囲内となるようにすることが好ましい。
なお、酸化黒鉛と酸化黒鉛の酸素含有官能基と反応する化合物との反応では、公知の触媒を適宜使用してもよいが、酸化黒鉛やアミンを触媒として用いることも可能である。
また、副反応を抑制する観点からは、反応温度を200℃以下とすることが好ましい。
上記反応工程は、例えば空気中、又は、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中で行うことができる。また、上記反応工程は、その圧力条件は特に限定されず、加圧条件下、常圧条件下、減圧条件下で行うことができるが、例えば常圧条件下で行うことが好ましい。
上記反応工程は、例えばN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒中で好適に行うことができる。
また本発明の酸化黒鉛誘導体の製造方法は、上記酸化黒鉛誘導体を得る工程の後、更にその他の精製工程や濃縮工程、乾燥工程を更に含んでいてもよい。その他の精製工程としては、水洗やその後のろ過等が挙げられる。
本発明の酸化黒鉛誘導体は、酸化黒鉛の炭素原子に、酸化黒鉛の酸素含有官能基と反応する化合物由来の基をもつ官能基が結合した構造を有する。本発明の酸化黒鉛誘導体は、例えば、末端に炭化水素基をもつ官能基を有することが好ましい。本発明の製造方法により得られる、炭化水素基をもつ官能基を有する酸化黒鉛誘導体は、炭化水素基同士の相互作用により、結晶性が高いものとなる。なお、上記製造方法では、炭化水素基の炭素数が多いほど、得られる酸化黒鉛誘導体の結晶性がより高いものとなる傾向があるが、炭化水素基の炭素数が少なくても、酸化黒鉛に導入される炭化水素基の数を充分に多いものとすることができ、高品質の酸化黒鉛誘導体を得ることができる。
なお、本発明の酸化黒鉛誘導体の生成は、赤外線吸収スペクトルを測定することにより確認される。
本発明の酸化黒鉛誘導体は、硫黄含有率が0.05質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以下であることが更に好ましい。
上記硫黄含有率や窒素含有率は、X線光電子分光分析(XPS)により測定することができる。
上記平均粒子径は、0.1μm以上であることがより好ましく、1μm以上であることが更に好ましく、3μm以上であることが更に好ましい。該平均粒子径は、60μm以下であることがより好ましい。
上記平均粒子径は、レーザー顕微鏡による目視観察(個数基準)により測定することができる。
なお、上記電池としては、例えば、リチウムイオン二次電池、固体高分子型燃料電池、金属−空気電池等が挙げられる。
上記熱電変換材料が用いられる熱電変換装置としては、例えば、地熱・温泉熱発電機、太陽熱発電機、工場や自動車等の廃熱発電機、体温発電機等の発電機や、該発電機を電源の少なくとも一つとして用いた各種電気製品、電動機、人工衛星等が挙げられる。
XPS測定は、光電子分光装置(JPS−9000MX、日本電子株式会社製)を用いて行い、C1s、O1s、N1s、S2pの分析を行いそれぞれの合計が100%として各元素の比率を測定した。
(合成例1)
酸化黒鉛を以下の工程で合成した。反応容器にあらかじめ黒鉛(伊藤黒鉛株式会社製Z−5F)15g、硫酸(和光純薬工業社製)640gを入れ、30℃に調整しながら過マンガン酸カリウム(和光純薬工業社製)45gを入れた。投入後、30分、35℃に昇温し2時間反応させた。反応後反応液を水1070ml、30%過酸化水素水(和光純薬工業社製)42mlを加え反応停止させ、酸化黒鉛水系分散液1(水総質量1812g、原料黒鉛換算濃度0.83%、水濃度61%、硫酸イオン濃度36%)を得た。
上記製法で得られた酸化黒鉛水系分散液1から10gとり、さらに水を350g加え酸化黒鉛水系分散液2とした(硫酸イオン濃度1%)。
(実施例1)
上記製法で得られた酸化黒鉛水系分散液1(100g)に原料黒鉛に対し0.5質量当量の2−エチルヘキシルアミン(和光純薬工業社製)を投入し凝集させた。数分撹拌の後、ろ過したところ、ろ過性は非常に良好(30分以内にろ過が完了)であった。
酸化黒鉛水系分散液1(100g)の代わりに酸化黒鉛水系分散液2(100g)を用いた以外は実施例1に記載の方法と同様にろ過性を確認したところ、ろ過性は良好であった。
アミンとして原料黒鉛に対し0.5質量当量の2−エチルヘキシルアミン(和光純薬工業社製)の代わりに同当量のエチレンジアミン(和光純薬工業社製)を用いた以外は実施例1に記載の方法と同様にろ過性を確認したところ、ろ過性は良好であった。
酸化黒鉛水系分散液1(100g)の代わりに酸化黒鉛水系分散液2(100g)を用いた以外は実施例3に記載の方法と同様にろ過性を確認したところ、ろ過性は良好であった。
アミンとして原料黒鉛に対し0.5質量当量の2−エチルヘキシルアミン(和光純薬工業社製)の代わりに同当量のヘキサメチレンジアミン(和光純薬工業社製)を用いた以外は実施例1に記載の方法と同様にろ過性を確認したところ、ろ過性は良好であった。
酸化黒鉛水系分散液1(100g)の代わりに酸化黒鉛水系分散液2(100g)を用いた以外は実施例5に記載の方法と同様にろ過性を確認したところ、ろ過性は良好であった。
用いる凝集剤として原料黒鉛に対し0.5質量当量の2−エチルヘキシルアミン(和光純薬工業社製)の代わりに同当量の1−ブタノール(和光純薬工業社製)を用いた以外は実施例1に記載の方法と同様にろ過性を確認したところ、ろ過性は非常に悪く、ろ紙が詰まり、ろ過不可能であった。
酸化黒鉛水系分散液1(100g)の代わりに酸化黒鉛水系分散液2(100g)を用いた以外は比較例1に記載の方法と同様にろ過性を確認したところ、ろ過性は非常に悪く、ろ紙が詰まり、ろ過不可能であった。
酸化黒鉛水系分散液1(100g)に1−ブタノールを原料黒鉛に対し30質量当量投入し凝集させた。数分撹拌の後、ろ過したところ、ろ過性は非常に良好(30分以内にろ過が完了)であった。
1−ブタノールにより凝集させるには非常に多量の1−ブタノールが必要であることが分かる。
(実施例7)
実施例1と同様の操作で得られた酸化黒鉛含有ウエットケーキ(原料黒鉛1g相当分)にN−メチルピロリドン(和光純薬工業社製)200g、2−エチルヘキシルアミン5gを加え、ホモジナイザー処理により酸化黒鉛を分散させた。その後撹拌しながら120℃で5時間反応させた。反応後、水を200g投入しろ過したのち、ろ過ウエットケーキを水、メタノールで洗浄し、乾燥させることで酸化黒鉛誘導体Aを1.5g得た。得られた酸化黒鉛誘導体Aは2−プロパノール等の有機溶媒に非常に良好に分散した。またXPS測定により求められたC,O,N,S量はそれぞれ85.93%、8.56%、5.51%、0%であった。
実施例2と同様の操作で得られた酸化黒鉛含有ウエットケーキ(原料黒鉛1g相当分)を使用した以外は実施例7に記載の方法と同様にして、酸化黒鉛誘導体Bを1.5g得た。得られた酸化黒鉛誘導体Bは2−プロパノール等の有機溶媒に非常に良好に分散した。
比較例3と同様の操作で得られた酸化黒鉛含有ウエットケーキ(原料黒鉛1g相当分)を使用した以外は実施例7に記載の方法と同様にして、酸化黒鉛誘導体Cを1.4g得た。得られた酸化黒鉛誘導体Cは2−プロパノール等の有機溶媒に非常に良好に分散した。しかしながら実施例7と比較して反応性が低いため、得られた酸化黒鉛誘導体の量が少なかった。またXPS測定により求められたC,O,N,S量はそれぞれ86.45%、10.21%、3.11%、0.24%であった。反応性が低いため実施例7と比較してN量が少なく、未除去のS量も多いことが分かる。
Claims (8)
- 酸化黒鉛を製造する方法であって、
該製造方法は、黒鉛を酸化する工程、及び、
該酸化工程で得られる酸化黒鉛が分散してなる水系分散液とアミンとを混合した後、ろ過、デカンテーション、遠心分離、及び、分液抽出からなる群より選択される少なくとも1種の方法により酸化黒鉛を精製する工程を含むことを特徴とする酸化黒鉛の製造方法。 - 前記水系分散液は、水系分散液100質量%に対して硫酸イオンを1質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の酸化黒鉛の製造方法。
- 前記水系分散液は、水系分散液100質量%に対して水濃度が20質量%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化黒鉛の製造方法。
- 酸化黒鉛誘導体を製造する方法であって、
該製造方法は、黒鉛を酸化する工程、
該酸化工程で得られる酸化黒鉛が分散してなる水系分散液とアミンとを混合した後、ろ過、デカンテーション、遠心分離、及び、分液抽出からなる群より選択される少なくとも1種の方法により酸化黒鉛を精製する工程、及び、
該精製工程で精製される酸化黒鉛と、酸化黒鉛の酸素含有官能基と反応する化合物とを反応させて酸化黒鉛誘導体を得る工程を含むことを特徴とする酸化黒鉛誘導体の製造方法。 - 前記酸化黒鉛の酸素含有官能基と反応する化合物は、アミンを含むことを特徴とする請求項4に記載の酸化黒鉛誘導体の製造方法。
- 前記精製工程で水系分散液と混合したアミンの少なくとも一部を、前記酸化黒鉛の酸素含有官能基と反応する化合物として用いることを特徴とする請求項5に記載の酸化黒鉛誘導体の製造方法。
- 硫黄含有率が0.1質量%以下であることを特徴とする酸化黒鉛誘導体。
- 窒素含有率が0.1質量%以上であることを特徴とする請求項7に記載の酸化黒鉛誘導体。
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