JP4378160B2 - 多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウム及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムに関するものであり、特に、食品や飲料のマグネシウム補強剤としての使用に適した粒子サイズへの粉砕もしくは解砕が容易な多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムに関するものである。
近年、食品や飲料のマグネシウム補強剤として、塩基性炭酸マグネシウムを用いることが検討されている。食品や飲料に添加される塩基性炭酸マグネシウムは、食品や飲料の食感を損なわないように、粒子サイズが小さい方が好ましい。一般に平均粒子径で、食品では3μm以下、飲料では0.5μm以下であることが好ましいといわれている。
例えば、特許文献1には、平均体積粒子が0.1〜0.5μmの範囲にある塩基性炭酸マグネシウムが分散されているマグネシウムの補強飲料もしくはペースト状食品が開示されている。また、特許文献2には、カルシウム素材と平均体積粒子が0.1〜0.5μmの範囲にある塩基性炭酸マグネシウムとが分散されているカルシウムとマグネシウムの補強飲料もしくはペースト状食品が開示されている。これらの特許文献1、2には、上記粒子サイズの塩基性炭酸マグネシウムは、水酸化マグネシウム懸濁液に、炭酸ガスを接触させて、水酸化マグネシウムの炭酸化反応により炭酸マグネシウムを生成し、次いで炭酸マグネシウムを分解熟成して塩基性炭酸マグネシウムに転化することによって製造された塩基性炭酸マグネシウム(二次粒子)を、ビーズミルを用いた湿式粉砕法によって粉砕することによって得られると記載されている。
上記の水酸化マグネシウムの炭酸化反応を利用して、塩基性炭酸マグネシウムを合成する方法は、工業的に広く行われている。この水酸化マグネシウムの炭酸化反応により得られる塩基性炭酸マグネシウム(二次粒子)は、一般に鱗片状の一次粒子が球状に凝集してなる多孔質粒子である。
例えば、特許文献3には、塩基性炭酸マグネシウム出発懸濁液に、水酸化マグネシウム懸濁液を添加しながら、炭酸ガスを吹き込んで炭酸化反応を行なう多孔質球状塩基性炭酸マグネシウムの製造方法が開示されている。この特許文献の実施例1では、鱗片状の一次粒子が多孔質に凝集した、15μm程度の均一な粒子径をもつ球状体であって、見掛比重0.25g/cc、吸油量170mL/100gで、水500mLに粉末100gを懸濁させた際の粘度が200cpsの多孔質球状塩基性炭酸マグネシウムが得られている。
また、この特許文献の記載によれば、上述の方法によって製造される多孔質球状塩基性炭酸マグネシウムは、水、有機溶媒あるいはポリマー等への分散性に優れ、塗料、化粧料、紙あるいはポリマー等の充填剤及び薬剤のキャリアー、芳香剤の担体等の広い用途に好適に使用できるとされている。
特開2001−258525号公報 特開2001−258526号公報 特開昭63−89418号公報
上述の水酸化マグネシウムの炭酸化反応を利用して多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムを製造する場合、水性媒体中の多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムの粒子サイズを小さくすると(特に、平均粒子径で3μm以下にすると)、後工程であるろ過工程でのろ過効率が低下するため、多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムの生産性が低下する傾向にある。また、粒子サイズの小さい多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムは、乾燥時に、固結しやすいという問題がある。これらの理由から、水酸化マグネシウムの炭酸化反応を利用して製造された多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムは、平均粒子径で10μm以上であることが多い。
上記のような粒子サイズの大きい多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムを食品や飲料のマグネシウム補強剤として用いるためには、その粒子サイズを予め使用目的に応じたサイズに粉砕もしくは解砕することが必要とある。しかしながら、本発明者の検討によると、水酸化マグネシウム懸濁液中の水酸化マグネシウム(一次粒子)は、緻密な凝集体(二次粒子)を形成し易いため、水酸化マグネシウムの炭酸化反応を利用して製造した多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムは、一次粒子の緻密な凝集体となる傾向にあり、食品や飲料のマグネシウム補強剤としての使用に適した粒子サイズにまで粉砕もしくは解砕するのは容易ではない。
従って、本発明の課題は、食品や飲料のマグネシウム補強剤としての使用に適した粒子サイズへの粉砕もしくは解砕が容易な塩基性炭酸マグネシウム及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にある酸化マグネシウム粉末の懸濁液に炭酸ガスを接触させることにより、比表面積が10〜100m2/gの範囲にあり、平均粒子径が10〜80μmの範囲にあって、直径が10〜300nmの細孔(以下、このサイズの細孔をマクロ細孔ということもある)の総容積が0.2〜1.0mL/gの範囲にある多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムを得ることができ、さらに、この多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムが、上記の水酸化マグネシウムの炭酸化反応を利用して得られた多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムと比べて粉砕性もしくは解砕性に優れることを見い出して、本発明に到達した。
従って、本発明は、一次粒子が凝集してなる多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムであって、比表面積が10〜100m2/gの範囲にあり、平均粒子径が10〜80μmの範囲にあって、直径が10〜300nmの細孔(マクロ細孔)の総容積が0.2〜1.0mL/gの範囲にあることを特徴とする多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムにある。
本発明の多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムの好ましい態様を下記に示す。
(1)マクロ細孔の総容積が全細孔の総容積の80%以上を占める。
(2)粒子径が5μm未満の多孔質粒子を10体積%以上含まない。
本発明の多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムは、一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にある酸化マグネシウム粉末を、水性媒体中で炭酸ガスに接触させることによって製造することができる。
本発明の多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムは、マクロ細孔の総容積が大きく、一次粒子が粗に凝集した多孔質粒子であるので、容易に粉砕もしくは解砕することができる。従って、本発明の多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムは、食品や飲料のマグネシウム補強剤の原料として有利に使用することができる。
また、本発明の製造方法では、酸化マグネシウム粉末を水性媒体中で炭酸ガスに接触させるので、酸化マグネシウムの水和反応による水酸化マグネシウムの生成と、その生成した水酸化マグネシウムの炭酸化反応とが同時に進行する。すなわち、水酸化マグネシウムが緻密な凝集体を形成する前に水酸化マグネシウムの炭酸化反応が進行する。従って、本発明の製造方法より、マクロ細孔の総容積の大きい多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムを工業的に有利に製造することができる。
本発明の多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムは、一次粒子が凝集してなる多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムであって、比表面積が10〜100m2/gの範囲にあり、平均粒子径が10〜80μmの範囲にあって、直径が10〜300nmの細孔(マクロ細孔)の総容積が0.2〜1.0mL/gの範囲にあることを特徴とする。上記マクロ細孔の総容積は、全細孔の総容積の80体積%以上(特に、85〜99体積%の範囲)を占めることが好ましい。
さらに本発明の多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムは、粒子径が5μm未満の多孔質粒子を10体積%以上含まないことが好ましい。また、ハンドリング性(流動性)の指標として、安息角が50度以下、特に、20〜40度の範囲にあることが好ましい。
本発明の多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムは、例えば、水などの適当な溶媒に分散させた状態で超音波振動を付与することにより、あるいはボールミルを用いた湿式粉砕法により、食品や飲料のマグネシウム補強剤として有用な粒子サイズとすることができる。
上記の多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムは、一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.5μmにある酸化マグネシウム粉末を、水性媒体中で炭酸ガスに接触させることにより有利に製造することができる。なお、酸化マグネシウム粉末の一次粒子の平均粒子径は、X線粉末法により求めた結晶子サイズを意味する。
酸化マグネシウム粉末の一次粒子は、二次粒子を形成していてもよい。二次粒子のサイズは、平均粒子径で1〜3μmの範囲にあることが好ましい。酸化マグネシウム粉末は、水酸化マグネシウムや炭酸マグネシウムなどのマグネシウム化合物を、1200℃以下の温度で焼成して製造した仮焼酸化マグネシウム粉末であることが好ましい。
水性媒体には、90℃以下、特に60〜80℃の温水を用いることが好ましい。水性媒体の温度が低くなると、酸化マグネシウムの水和速度が遅くなったり、また水酸化マグネシウムの炭酸化反応によって生成した炭酸マグネシウムからの塩基性炭酸マグネシウムへの転化速度が遅くなる傾向にある。水性媒体中の酸化マグネシウム濃度は、1〜20質量%の範囲にあることが好ましい。
炭酸ガスの供給(水性媒体への吹き込み)は、酸化マグネシウムの水和反応により生成した水酸化マグネシウムが水性媒体中にて緻密な凝集体を形成しないように、酸化マグネシウム粉末を水性媒体に投入する前もしくは投入後直ちに行なうことが好ましい。炭酸ガスは、CO2濃度で20〜100容量%の範囲にあることが好ましい。炭酸ガスの流量は、酸化マグネシウム粉末1kgあたり、5〜30L/分の範囲にあることが好ましい。炭酸ガスの供給は、水性媒体中に炭酸ガスが十分に分散するように、水性媒体を攪拌しながら行なうことが好ましい。攪拌は、生成した塩基性炭酸マグネシウムの多孔質粒子に衝撃を与えないように緩やかに行なうことが好ましい。
上記の方法により得られた多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムは、ろ過し、乾燥することによって、回収することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、下記の実施例及び比較例において得られた多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムの比表面積、マクロ細孔の総容積、全細孔総容積に対するマクロ細孔総容積の占有率、平均粒子径、粒子径が5μm未満の多孔質粒子含有率、超音波粉砕処理の平均粒子径及び安息角は下記の方法により測定した。
(1)比表面積:試料を120℃で3時間真空乾燥した後、ユアサアイオニクス(株)製、Autosorb−MP3を用いて、BET法により測定した。
(2)マクロ細孔の総容積及びマクロ細孔の総容積占有率:試料を120℃で3時間真空乾燥した後、ユアサアイオニクス(株)製、Autosorb−MP3を用いて、窒素吸着法により測定した。減圧度合いを変化させることによって、細孔径ごとに総容積を測定して、マクロ細孔の総容積とマクロ細孔の総容積占有率とを算出した。
(3)平均粒子径及び5μm未満の多孔質粒子含有率:試料5gを水50gが入った100mLビーカに投入し、試料が均一に分散するまでガラス棒でゆっくりかき混ぜた後、レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装(株)製、MicrotacX100)を用いて、平均粒子径及び5μm未満の多孔質粒子含有率を測定した。
(4)超音波粉砕処理後の平均粒子径:試料5gを水50gが入った100mLビーカに投入し、超音波振動子(日本精機(株)製、US−300)を用いて電流値300μAの条件下にて10分間超音波粉砕処理を行なった後、レーザ回折式粒度分布測定装置を用いて平均粒子径を測定した。
(5)安息角:ホソカワミクロン(株)製、パウダーテスターを用いて測定した。
[実施例1]
水酸化マグネシウム(関東化学(株)製、鹿1級)を電気炉に入れ、室温から450℃まで45分間、450℃から700℃まで50分間、700℃から950℃まで80分間の昇温条件で昇温した後、950℃にて1時間保持して酸化マグネシウム粉末を得た。得られた酸化マグネシウム粉末の一次粒子の平均粒子径をX線粉末法により測定したところ、その値は0.04μmであった。また、酸化マグネシウム粉末をエタノールに分散させた後、レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装(株)製、MicrotacX100)を用いて、二次粒子の平均粒子径を測定したところ、その値は2.6μmであった。
上記の酸化マグネシウム粉末1kgを70℃の温水20kgが入った攪拌機付き反応槽に入れ、CO2濃度25容量%の炭酸ガスを10.5L/分の流量にて吹き込みながら5時間攪拌した。反応生成物を吸引ろ過した後、エタノール洗浄し、120℃の温度にて24時間乾燥した。乾燥後、反応生成物の組成を分析したところ、塩基性炭酸マグネシウムであることが確認された。また、粒子形状を電子顕微鏡を用いて観察したところ、鱗片状の一次粒子が凝集した球状の多孔質粒子であることが確認された。
得られた多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムの比表面積、マクロ細孔の総容積、マクロ細孔の総容積占有率、平均粒子径及び5μm未満の多孔質粒子含有率を表1に、超音波粉砕処理後の平均粒子径及び安息角を表2に示す。
[実施例2]
水酸化マグネシウム(関東化学(株)製、鹿1級)を電気炉に入れ、室温から450℃まで45分間、450℃から700℃まで50分間、700℃から750℃まで10分間の昇温条件で昇温した後、750℃にて1時間保持して酸化マグネシウム粉末を得た。得られた酸化マグネシウム粉末の一次粒子の平均粒子径をX線粉末法により測定したところ、その値は0.02μmであった。また、酸化マグネシウム粉末をエタノールに分散させた後、レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装(株)製、MicrotacX100)を用いて、二次粒子の平均粒子径を測定したところ、その値は2.1μmであった。
上記の酸化マグネシウム粉末1kgを60℃の温水20kgが入った攪拌機付き反応槽に入れ、CO2濃度100容量%の炭酸ガスを10.5L/分の流量にて吹き込みながら5時間攪拌した。反応生成物を吸引ろ過した後、エタノール洗浄し、120℃の温度にて24時間乾燥した。乾燥後、反応生成物の組成を分析したところ、塩基性炭酸マグネシウムであることが確認された。また、粒子形状を電子顕微鏡を用いて観察したところ、鱗片状の一次粒子が凝集した球状の多孔質粒子であることが確認された。
得られた多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムの比表面積、マクロ細孔の総容積、マクロ細孔の総容積占有率、平均粒子径及び5μm未満の多孔質粒子含有率を表1に、超音波粉砕処理後の平均粒子径及び安息角を表2に示す。
[比較例1]
水酸化マグネシウム(関東化学(株)製、鹿1級)1.45kgを70℃の温水20kgが入った攪拌機付き反応槽に入れ、CO2濃度25容量%の炭酸ガスを10.5L/分の流量にて吹き込みながら5時間攪拌した。
反応生成物を吸引ろ過した後、エタノール洗浄し、120℃の温度にて24時間乾燥した。乾燥後、反応生成物の組成を分析したところ、塩基性炭酸マグネシウムであることが確認された。また、粒子形状を電子顕微鏡を用いて観察したところ、鱗片状の一次粒子が凝集した球状の多孔質粒子であることが確認された。
得られた多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムの比表面積、マクロ細孔の総容積、マクロ細孔の総容積占有率、平均粒子径及び5μm未満の多孔質粒子含有率を表1に、超音波粉砕処理後の平均粒子径及び安息角を表2に示す。
[比較例2]
前記の特許文献3(特開昭63−89418号公報)の実施例1の記載に従って、下記の方法により多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムを製造した。
水酸化マグネシウム(関東化学(株)製、鹿1級)を炭酸化して得た濃度30gMgO/Lの塩基性炭酸マグネシウム出発懸濁液10Lを60℃に保持して反応槽に入れ、これに濃度30gMgO/Lの水酸化マグネシウム懸濁液を10L/時間の速度で添加しながら、CO2濃度25容量%の炭酸ガスを10.5L/分の流量にて吹き込んだ。反応槽内の懸濁液量が50Lになるまで水酸化マグネシウム懸濁液を添加し、添加終了後30分間さらに炭酸ガスを吹き込んだ。反応生成物を吸引ろ過した後、エタノール洗浄し、120℃の温度にて24時間乾燥した。乾燥後、反応生成物の組成を分析したところ、塩基性炭酸マグネシウムであることが確認された。また、粒子形状を電子顕微鏡を用いて観察したところ、鱗片状の一次粒子が凝集した球状の多孔質粒子であることが確認された。
得られた多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムの比表面積、マクロ細孔の総容積、マクロ細孔の総容積占有率、平均粒子径及び5μm未満の多孔質粒子含有率を表1に、超音波粉砕処理後の平均粒子径及び安息角を表2に示す。
表1
────────────────────────────────────────
比表面積 マクロ細孔の マクロ細孔の 平均粒子径 5μm未満の多孔
総容積 総容積占有率 質粒子含有率
(m2/g) (mL/g) (体積%) (μm) (体積%)
────────────────────────────────────────
実施例1 51.8 0.4625 91 43 3
実施例2 41.1 0.3337 86 32 5
────────────────────────────────────────
比較例1 19.7 0.1746 54 9.1 32
比較例2 23.0 0.1894 55 18 17
────────────────────────────────────────
表2
────────────────────────────────────────
超音波粉砕処理の平均粒子径(μm) 安息角(度)
────────────────────────────────────────
実施例1 2.8 36
実施例2 2.5 38
────────────────────────────────────────
比較例1 8.8 55
比較例2 14 45
────────────────────────────────────────
表1及び表2に示した結果から、マクロ細孔の容積が0.2mL/g以上の塩基性炭酸マグネシウム(実施例1、実施例2)は、マクロ細孔の容積が0.2mL/gよりも小さいもの(比較例1、比較例2)と比べて、超音波粉砕処理後の平均粒子径が小さいことがわかる。

Claims (4)

  1. 一次粒子が凝集してなる多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムであって、比表面積が10〜100m2/gの範囲にあり、平均粒子径が10〜80μmの範囲にあって、直径が10〜300nmの細孔の総容積が0.2〜1.0mL/gの範囲にあることを特徴とする多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウム。
  2. 直径が10〜300nmの細孔の総容積が全細孔の総容積の80%以上を占める請求項1に記載の多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウム。
  3. 粒子径が5μm未満の多孔質粒子を10体積%以上含むことのない請求項1に記載の多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウム。
  4. 一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にある酸化マグネシウム粉末を、水性媒体中で炭酸ガスに接触させることを特徴とする請求項1に記載の多孔質粒状塩基性炭酸マグネシウムの製造方法。




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