JP2017148984A - 感熱記録ライナーレスラベル - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、印字カスレの発生がなく、記録濃度が高く、耐油性及び耐可塑剤性に優れた感熱記録ライナーレスラベルを提供することを主な目的とする。【解決手段】支持体、支持体の一方の面に支持体に近い側から染料前駆体及び顕色剤を含有する感熱記録層、水性接着剤を含有する保護層、並びに剥離層を有し、他方の面に粘着剤層を有する感熱記録ライナーレスラベルであって、感熱記録層中に平均粒子径が2.0〜10μmの球状有機粒子を感熱記録層の全固形量中0.5〜10質量%の割合で含有することを特徴とする感熱記録ライナーレスラベル。【選択図】なし

Description

本発明は、電子供与性化合物と電子受容性化合物との発色反応を利用し、特に熱エネルギーによる発色反応により記録像が得られる感熱記録体に関するものである。
熱エネルギーにより電子供与性化合物と電子受容性化合物を接触させて記録像を得るようにした感熱記録体はよく知られている。このような感熱記録体は比較的安価であり、記録機器がコンパクトで、その保守も容易なため、ファクシミリや各種計算機等の記録媒体に使用されている。
特に近年は、ガス、水道、電気料金等の領収書、金融機関のATMの利用明細書、各種レシート等、財務関係の記録用紙(所謂、ハンディターミナル用)やPOSシステム用の感熱記録ラベル或いは感熱記録タグ等に、種々のバーコードを感熱記録印字して用いられる機会が増加しており、バーコード印字適性を有する感熱記録体が求められている。
かかる用途の感熱記録体は、感熱記録層の裏面に粘着剤層を設けた上に剥離紙が貼り合わされ、巻取りの状態で記録機器に装填されている。このような感熱記録用粘着シートの紙厚は粘着剤層、剥離紙の構成により厚くなるため、記録機器に装填できる感熱記録用粘着シートの長さも制限され、記録後貼り合せ時に発生する剥離紙の処理も省資源の観点から問題である。
剥離紙を用いない感熱記録用粘着シートは、種々提案されており、感熱記録体上にシリコーン樹脂等を含む剥離層、裏面に粘着剤層を設けた巻取りの状態で使用されている(特許文献1〜4参照)。しかしながら、感熱記録体の保護層と剥離層の接着強度が弱いと、サーマルヘッドの熱エネルギーにより剥離層が剥がれ印字障害になる問題や、特に粘着力の高い接着剤を使用した場合、剥離層の一部が粘着剤層に付着し接着性が低下する等の問題が発生している。また、感熱記録層上の保護層が体積平均粒子径1.0μm〜8.0μmの架橋ポリメタクリル酸メチル粒子を含有する感熱記録ライナーレスラベルが提案されている(特許文献5)。しかしながら、保護層のバリア性が低下し、可塑剤、油、アルコール等に対する耐性が低下する問題がある。
即ち、剥離紙を用いない感熱記録ライナーレスラベルでは、粘着剤や剥離剤に由来するスティッキングやヘッド粕といった印字障害について十分に解決されておらず、剥離紙を用いた従来のラベルに比べて遥かに厳しい品質が要求されている。すなわち、感熱記録ライナーレスラベルでは、剥離紙を有する従来のラベルと異なり、記録面側の剥離層が削り取られるか、または巻取状に保管されて表裏が密着して剥離層表面に転移した粘着剤層が剥がれるかして、ヘッド粕を形成する問題がある。ヘッド粕は、記録面に傷を発生させる原因となり、蓄積して記録面への熱伝達を阻害して印字カスレを発生させる原因となる。流通管理用途のような過酷な条件下で使用しても問題の起こらない、また高速発行にも対応でき、記録適性に優れ、且つ長期記録しても印字障害が起こらないメンテナンスの不要な感熱記録ライナーレスラベルが強く求められている。
特開昭60−54842号公報 特開平2−165989号公報 特開平5−8541号公報 特開平6−222717号公報 特開2013−195889号公報
本発明は、印字カスレの発生がなく、記録濃度が高く、耐油性及び耐可塑剤性に優れた感熱記録ライナーレスラベルを提供することを主な目的とする。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、感熱記録層に特定の有機粒子を含有させることにより、前記問題点を解決するに至った。即ち、本発明は、下記の感熱記録ライナーレスラベルに係る。
項1:支持体、前記支持体の一方の面に支持体に近い側から染料前駆体及び顕色剤を含有する感熱記録層、水性接着剤を含有する保護層、並びに剥離層を有し、他方の面に粘着剤層を有する感熱記録ライナーレスラベルであって、前記感熱記録層中に平均粒子径が2.0〜10μmの球状有機粒子を感熱記録層の全固形量中0.5〜10質量%の割合で含有することを特徴とする感熱記録ライナーレスラベル。
項2:前記保護層に含有される水性接着剤が、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール及びメタアクリロニトリル系共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1に記載の感熱記録ライナーレスラベル。
項3:前記メタアクリロニトリル系共重合体が、(i)メタアクリロニトリル及び(ii)メタアクリロニトリルと共重合可能なビニル単量体を含む単量体からなる共重合体であって、前記ビニル単量体(ii)は、少なくとも1種のカルボキシル基含有ビニル単量体を含み、前記カルボキシル基含有ビニル単量体の含有割合が、前記単量体中、1〜10質量%である、項2に記載の感熱記録ライナーレスラベル。
項4:前記感熱記録層の平均厚さが2〜6μmであり、保護層の平均厚さが1〜4μmである、項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録ライナーレスラベル。
項5:前記感熱記録層の平均厚さが球状有機粒子の平均粒子径より小さいか、または同じである、項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録ライナーレスラベル。
本発明の感熱記録ライナーレスラベルは、流通管理用途等の過酷な条件下で使用しても、サーマルヘッド発熱体上の堆積物、いわゆるヘッド粕による印字カスレの発生がない。また、記録濃度が高く、耐油性及び耐可塑剤性に優れる。
本発明では、支持体の一方の面に染料前駆体及び顕色剤を含有する感熱記録層を有している。感熱記録層中には、更に平均粒子径が2.0〜10μmの球状有機粒子を含有している。かかる粒子を感熱記録層中に含有させることにより、保護層と剥離層との密着性が十分でなくとも、ヘッド粕による印字カスレと傷の発生を抑えることができる。また、ヘッド粕が発生しても印字中に掻き取られて除去できるため、印字カスレと傷の発生を抑えることができる。
本発明では、球状有機粒子の平均粒子径が2.0μmより小さいと、ヘッド粕を十分に除去することができない。一方、10μmより大きいと、サーマルヘッドから記録面への熱伝達や、記録面から感熱記録層中への熱伝達が阻害され、記録濃度が低下する。また、保護層のバリア性が損なわれ、耐油性と耐可塑剤性が劣る。感熱記録ライナーレスラベルでは、記録面側のバリア性不足によって剥離剤や粘着剤が感熱記録層へ浸透し、長期保管中にラベルとしての安定した剥離力と接着力とのバランスが崩れ、尚且つ感熱記録体としての白紙保存性を損なうという問題がある。本発明では、耐油性と耐可塑剤性に優れることから、長期保管中でも十分なバリア性を保ち、粘着剤による糊減感(粘着剤成分によって感熱記録層の顕色能が低下する現象)を抑えることができる。球状有機粒子の平均粒子径は、2.5〜10μm程度が好ましく、3〜8μm程度がより好ましく、5〜8μm程度が更に好ましい。これにより、印字率によらずに印字カスレと傷を効果的に抑えることができる。本発明での平均粒子径とは、詳しくは、水溶媒中でレーザー回折法によって、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2200(島津製作所製)を用いて測定した体積平均粒子径をいう。
本発明では、球状有機粒子の含有割合が感熱記録層の全固形量中0.5質量%より小さいと、印字カスレと傷の発生を抑えることができない。一方、10質量%より大きいと記録濃度が低下するとともにバリア性が低下して耐油性と耐可塑剤性が低下する。かかる含有割合は、印字率によらずに印字カスレと傷を効果的に抑える観点から、4〜10質量%程度が好ましく、5〜8質量%程度がより好ましい。
本発明における感熱記録層の平均厚さは、2〜6μm程度が好ましく、2〜4μm程度がより好ましい。保護層の平均厚さは、1〜4μm程度が好ましく、1〜3μm程度がより好ましい。この範囲で調節することにより、記録時にサーマルヘッドの圧力と熱で感熱記録層が溶融軟化することによってクッション性を発揮し、その一方で感熱記録層中の球状有機粒子が硬さを発揮して、ヘッド粕を効果的に除去することができる。また、感熱記録層の平均厚さを感熱記録層中の球状有機粒子の平均粒子径より小さいか、または同じとすることにより、ヘッド粕を除去する効果を著しく向上できる。なお、感熱記録層の平均厚さは、電子顕微鏡により、断面写真を撮ることにより測定される。
本発明で使用する球状有機粒子は、スチレン系、アクリル系、ベンゾグアナミン系、ナイロン系、フェノール系、エポキシ系、シリコーン系、フッ素系等の化学組成から選ばれる。製造方法としては、モノマーからの重合法、ポリマーの化学的処理法(溶解沈殿法、晶析法、後乳化法等)、機械的粉砕法等があるが、本発明で使用する球状有機粒子は、粒子径の分布もシャープであることが本発明の効果をより一層高めるので、重合法や化学的処理法で製造されるものが好ましい。機械的粉砕法では微小な粒子が得られ難く、粒子径の分布もブロードで形状も不定形であるので本発明の効果は得られ難い。また、球状有機粒子は、3次元架橋構造にすることにより、耐熱性を高めることもできる。なお、感熱記録層中の球状樹脂粒子の真球度としては、特に限定されないが、0.7以上であればよい。
本発明では、球状有機粒子は、ポリメタクリル酸メチル系架橋物及びベンゾグアナミン系架橋物からなる群からなる少なくとも1種であることが好ましい。これにより、硬さを発揮してヘッド粕を除去する効果を高めることができる。
電子供与性化合物と電子受容性化合物を有する感熱記録方式としては、例えば染料前駆体のロイコ染料と顕色剤との組合せ、ジアゾニウム塩とカプラーとの組合せ、鉄、コバルト、銅等の遷移元素とキレート化合物との組合せ、芳香族イソシアネート化合物とイミノ化合物との組合せ等が挙げられるが、ロイコ染料と顕色剤との組合せが発色濃度に優れるため、好ましく用いられる。以下、ロイコ染料と顕色剤との組合せからなる感熱記録層について詳細に述べる。
ロイコ染料及び顕色剤としては、各種公知のものが使用できる。ロイコ染料の具体例としては、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等が挙げられる。
勿論、これらに限定されるものではなく、また2種以上を併用することもできる。また、ロイコ染料の含有割合は、使用する顕色剤によって適宜選択すればよく、特に限定されないが、感熱記録層の全固形量中、好ましくは3〜50質量%程度、更に好ましくは5〜40質量%程度である。
顕色剤としては、例えば4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェニル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,2’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニル)フェノキシ〕ジエチルエーテル、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオ尿素、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス(p−トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−{3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸亜鉛、下記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物等が挙げられる。
Figure 2017148984
(式中、nは1〜6の整数を表す。)
顕色剤の含有割合は、使用するロイコ染料によって適宜選択すればよく、特に限定されないが、感熱記録層の全固形量中、好ましくは10〜70質量%程度、より好ましくは12〜50質量%程度である。
感熱記録層には、保存性改良剤を含有させることもできる。これにより、記録部の保存安定性を高めることができる。かかる保存性改良剤の具体例としては、例えば2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、ビス(4−エチレンイミノカルボニルアミノフェニル)メタン等が挙げられる。
保存性改良剤の含有割合は、保存性改良のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形量中、好ましくは1〜30質量%程度、より好ましくは5〜20質量%程度である。
感熱記録層には、増感剤を含有させることもできる。これにより、記録感度を高めることができる。かかる増感剤の具体例としては、例えばステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル等が挙げられる。
増感剤の含有割合は、増感のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形量中、好ましくは2〜40質量%程度、より好ましくは5〜25質量%程度である。
本発明において、感熱記録層に含有できる水性接着剤としては、従来公知の水溶性高分子及び水分散性高分子の少なくともいずれか1種を適宜用いることができる。
水溶性高分子の具体例としては、完全鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、及びイタコン酸変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール;殿粉及び酸化澱粉等の澱粉又はその誘導体;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体;その他に、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、アラビアガム、カゼイン等が挙げられる。
水分散性高分子としては、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等が挙げられ、これらの分散液(ラテックス)としても用いることができる。
これらの水溶性高分子及び水分散性高分子は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。
これらの水溶性高分子及び水分散性高分子の中でも、球状有機粒子の脱落を抑える観点から、完全鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコール及びブタジエン系共重合体ラテックスからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させることが好ましい。
感熱記録層は、水を分散媒体とし、ロイコ染料、顕色剤、必要により増感剤、保存性改良剤等を共に、または別々にボールミル、アトライター、サンドミル等の撹拌・粉砕機により平均粒子径が2μm以下となるように分散した分散液と、特定の球状有機粒子、必要により水性接着剤等とを混合することによって調製された感熱記録層用塗液を支持体の一方の面に塗布及び乾燥して形成される。感熱記録層の塗布量は、乾燥重量で好ましくは2〜12g/m程度、より好ましくは2〜6g/m程度となるように、支持体上に塗布及び乾燥して形成される。
更に、感熱記録層用塗液中には必要に応じて各種の助剤を添加することができ、例えばカオリン、軽質(重質)炭酸カルシウム、焼成カオリン、酸化チタン、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、無定形シリカ、尿素・ホルマリン樹脂フィラー等の顔料、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、脂肪酸金属塩等の分散剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、ヒドラジン系化合物、グリオキザール、硼酸、ジアルデヒドデンプン、メチロール尿素、グリオキシル酸塩、エポキシ系化合物等の耐水化剤、消泡剤、着色染料及び蛍光染料等が挙げられる。
本発明では、感熱記録層上に水性接着剤を含有する保護層を有している。保護層に含有される水性接着剤は、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、及びメタアクリロニトリル系共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
保護層中に使用されるアセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、及び珪素変性ポリビニルアルコールは、それぞれアセトアセチル基、ジアセトン基、カルボキシル基、及びシリル基を持つ単量体とビニルエステルとを共重合して得た樹脂を鹸化することにより製造される。
鹸化度については、85モル%から完全鹸化の100モル%程度が好ましく、90〜100モル%程度がより好ましい。平均重合度については300〜3000程度が好ましく、400〜2000程度がより好ましい。変性度は0.5〜10モル%程度が好ましく、1〜9モル%程度がより好ましい。重合度、鹸化度が高いほど耐水性が良好になるが、塗料濃度、粘度、塗工性または乾燥性から状況に応じて選択する必要がある。
変性度については、0.5〜10モル%程度の範囲であれば、充分な耐水性が得られ、また水への溶解性が低下しないため、溶液濃度が低くなるのを抑えることができる。
メタアクリロニトリル系共重合体は、(i)メタアクリロニトリル及び(ii)メタアクリロニトリルと共重合可能なビニル単量体を含む単量体からなる共重合体であって、ビニル単量体(ii)は、少なくとも1種のカルボキシル基含有ビニル単量体を含み、カルボキシル基含有ビニル単量体の含有割合が、単量体中、1〜10質量%であることが好ましい。これは、樹脂エマルションの形態で用いることが好ましい。かかる共重合体の樹脂エマルションは、例えば、特開2004−74531号公報に開示されている方法に従って製造することができる。本樹脂エマルションは、樹脂自体乾燥後の耐水性が良好で、硬化剤を添加する必要がなく、変性ポリビニルアルコールと硬化剤との組み合わせのような塗料のポットライフにも問題のないことが特徴である。
保護層に含有されるアセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、及びメタアクリロニトリル系共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の含有割合は、特に限定されないが、保護層の全固形量中、好ましくは10〜90質量%程度、より好ましくは15〜50質量%程度である。
本発明の効果を損なわない範囲において、保護層にはその他の接着剤を併用することもできる。かかる接着剤としては、例えば完全鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコール、澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、アクリル樹脂系ラテックス、ウレタン樹脂系ラテックス等が挙げられる。
本発明において、保護層に顔料を含有させてもよい。顔料としては特に限定されないが、例えば炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、焼成カオリン等の無機顔料、並びに有機顔料が挙げられる。なかでも、カオリン、水酸化アルミニウムは、可塑剤、油等の薬品に対するバリア性の低下が少なく、しかも記録濃度の低下も小さいため、好ましく用いられる。また、本発明の効果を損わない範囲で球状有機粒子を含有させてもよい。
保護層に含有させてもよい助剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、スルホン変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等の界面活性剤、ジアルデヒド澱粉、メチロール尿素、グリオキシル酸塩、エポキシ系化合物、ヒドラジン系化合物等の耐水化剤、及び紫外線吸収剤、蛍光染料、着色染料、離型剤、酸化防止剤等の助剤を添加することもできる。
保護層は、例えば水を分散媒体として、特定の水性接着剤、必要により顔料、助剤等を混合撹拌することにより調製された保護層用塗液を、塗布量が乾燥重量で好ましくは0.1〜8g/m程度、より好ましくは0.5〜5g/m程度、更に好ましくは1〜4g/m程度となるように、感熱記録層上に塗布及び乾燥して形成される。
感熱記録ライナーレスラベルは、保護層上に剥離層を有している。すなわち、少なくとも支持体、及び支持体上の感熱記録層、並びに感熱記録層上の保護層からなる感熱記録体の保護層上に剥離層を備えている。剥離層に使用される剥離用シリコーンとしては、形態別ではソルベント系、ソルベントレス系、エマルジョン系に、また硬化様式の違いからは熱硬化型、紫外線または電子線硬化型に大別されるが、環境問題や感熱記録層が発色しないことが求められるため、紫外線または電子線硬化性シリコーン化合物を主成分とする剥離層用塗液の使用が好ましい。これらのシリコーン化合物の具体例としては、メルカプト基含有オルガノシロキサンとビニル基含有オルガノポリシロキサンとの混合組成物、アクリル基、メタクリル基またはシンナモイル基含有オルガノポリシロキサン組成物、マレイミド基またはフェノルマレイミド基含有アルガノポリシロキサン組成物、アジド基含有オルガノポリシロキサンとビニル基含有オルガノポリシロキサンとの混合組成物、チオアクリル基、チオメタクリル基またはチオシンナモイル基含有オルガノポリシロキサン組成物、アクリルアミド基、メタクリルアミド基またはシンナモイルアミド基含有オルガノポリシロキサン組成物等が挙げられ、また紫外線開始型カチオン重合を利用したエポキシ基含有オルガノポリシロキサンと光分解型開始剤のジアゾニウムルイス酸塩との混合組成物も利用することができる。紫外線硬化の場合は、光重合開始剤が必要であるが、具体例としては、ベンゾイルアルキルエーテル及びその誘導体、アセトフェノン及びその誘導体、チオキサントン及びその誘導体、ホウ素系カチオン誘導体等が挙げられる。剥離層の塗布量は、特に限定されず、乾燥重量で0.05〜3g/m程度の範囲で調節されることが好ましい。
感熱記録ライナーレスラベルは、支持体の他方の面(感熱記録層を備えた面とは反対の面)に粘着剤層を有している。本発明に使用される粘着剤としては、例えば、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム、イソプレンゴム等によるゴム系物質を主成分とするもの、ビニルエーテル系物質を主成分とずるもの、2−エチルヘキシルアクリレートを主モノマーとする共重合ポリマーを主成分とするもの、ゴム状シロキサンと樹脂状シロキサンとを主成分とするもの等が挙げられる。これらのゴム系、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系等の粘着剤は、エマルジョンや溶剤ないし無溶剤型の各種粘着剤として用いることができる。粘着剤層の塗布量は、特に限定されず、乾燥重量で5〜50g/m2程度の範囲で調節されることが好ましい。
本発明に用いられる支持体としては、特に限定しないが、例えば、中性または酸性の上質紙、合成紙、透明または半透明のプラスチックフィルム、白色のプラスチックフィルム等が挙げられる。なお、支持体の厚みは特に限定しないが、通常、20〜200μm程度である。
本発明では、必要により支持体と感熱記録層との間に下塗り層を設けることもできる。これにより、記録感度及び記録走行性をより高めることができる。下塗り層は、吸油量が70ml/100g以上、特に80〜150ml/100g程度の吸油性顔料及び/または有機中空粒子及び/または熱膨張性粒子、並びに接着剤を主成分とする下塗り層用塗液を支持体上に塗布及び乾燥して形成される。ここで、上記吸油量はJIS K 5101の方法に従い、求められる値である。
上記吸油性顔料としては、各種のものが使用できるが、具体例としては、焼成カオリン、無定形シリカ、軽質炭酸カルシウム、タルク等の無機顔料が挙げられる。これら吸油性顔料の一次粒子の平均粒子径は0.01〜5μm程度、特に0.02〜3μm程度であるのが好ましい。吸油性顔料の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層の全固形量中、2〜95質量%程度が好ましく、5〜90質量%程度がより好ましい。
支持体上に各層を形成する方法としては、例えばエアナイフ法、ブレード法、グラビア法、ロールコーター法、スプレー法、ディップ法、バー法、カーテン法、スロットダイ法、スライドダイ法及びエクストルージョン法等の既知の塗布方法、または印刷機による方法のいずれを利用してもよい。
なお、各層を形成した後の任意の過程において、スーパーカレンダー掛け等の平滑化処理を施すこと等も可能であり、感熱記録体の製造分野における各種の公知技術が必要に応じて付加し得るものである。また、ラベルとして印刷、ダイカット等の加工が施されていてもよい。
本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断わらない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例及び比較例で使用した複合粒子、球状樹脂粒子及び保護層に配合する顔料の体積平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−2200(島津製作所社製)を用いて測定し、顕色剤の体積平均粒子径は、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−500(堀場製作所社製)を用いて測定した。
実施例1
・下塗り層用塗液の調製
焼成カオリン(商品名:アンシレックス93、BASF社製)60部を水80部に分散して得られた分散物に、微小中空粒子(商品名:ローペイクSN−1055、ダウ ケミカル社製、固形分濃度26.5%)75部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1571、旭化成ケミカルズ社製、固形分濃度48%)31部と、カルボキシメチルセルロース(商品名:セロゲン7A、第一工業製薬社製)2.5部、同じくカルボキシメチルセルロース(商品名:セロゲンAGガム、第一工業製薬社製)1部、及び水95.5部を混合攪拌して、下塗り層用塗液を得た。
・ロイコ染料分散液の調製
3−ジ−(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン10部、メチルセルロースの5%水溶液5部及び水15部からなる組成物を、サンドミルでレーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が0.5μmになるまで粉砕してロイコ染料分散液(以下、A液ともいう)を得た。
・顕色剤分散液の調製
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン10部、メチルセルロースの5%水溶液5部及び水15部からなる組成物を、サンドミルでレーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.5μmになるまで粉砕して顕色剤分散液(以下、B液ともいう)を得た。
・顕色剤分散液の調製
ジフェニルスルホン架橋型化合物(商品名:D−90、日本曹達社製)10部、メチルセルロースの5%水溶液5部及び水15部からなる組成物を、サンドミルでレーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmになるまで粉砕して顕色剤分散液(以下、C液ともいう)を得た。
・増感剤分散液の調製
シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル10部、メチルセルロースの5%水溶液5部及び水15部からなる組成物を、サンドミルでレーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmになるまで粉砕して増感剤分散液(以下、D液ともいう)を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液33.5部、B液68部、C液5部、D液10.5部、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA110、鹸化度:99モル%、平均重合度:1000、クラレ社製)の10%水溶液30部、部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、鹸化度:88モル%、平均重合度:500、クラレ社製)の20%水溶液5部、ブタジエン系共重合体ラテックス(商品名:P−OY72、日本A&L社製、固形分濃度48%)16.5部、軽質炭酸カルシウム(商品名:Brilliant−15、白石工業社製)42.1部、パラフィンワックスエマルジョン(商品名:ハイドリンL−700、中京油脂社製、固形分濃度30%)10部、球状有機粒子(商品名:エポスターMA1006、平均粒子径6μm、ポリメタクリル酸メチル系架橋物、日本触媒化学工業社製)3部、及び水90.5部を混合撹拌して感熱記録層用塗液を得た。
・保護層用塗液の調製
アセトアセチル変性ポリビニルアルコールA(商品名:ゴーセネックスZ−200、鹸化度:99.4モル%、平均重合度:1000、変性度:5モル%、日本合成化学工業社製)の10%水溶液210部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールB(商品名:ゴーセネックスZ−100、鹸化度:99.4モル%、平均重合度:500、変性度:5モル%、日本合成化学工業社製)の20%水溶液80部、カオリン(商品名:HYDRAGLOSS90、KaMin LLC社製)58.5部、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42M、昭和電工社製)4部、グルオキシル酸ナトリウム(商品名:SPM−01、日本合成化学工業社製)の10%水溶液5部、及び水53部からなる組成物を混合撹拌し、10%酢酸水溶液でpH5となるように調整して保護層用塗液を得た。
・感熱記録体の作製
坪量60g/mの上質紙の一方の面(支持体の表面)に、下塗り層用塗液、感熱記録層用塗液、及び保護層用塗液を用いて、乾燥後の塗布量がそれぞれ6.0g/m、3.5g/m、及び2.0g/mとなるようにカーテン法によって塗布及び乾燥して、下塗り層、感熱記録層、及び保護層を順次形成した後、スーパーカレンダーで表面を平滑化して感熱記録体を得た。
・感熱記録ライナーレスラベルの作製
無溶剤型紫外線硬化性シリコーン化合物(商品名:UV−271、荒川化学社製)100部、光重合開始剤(商品名:CATA211、硼素系カチオン硬化触媒、荒川化学社製)5部を混合撹拌した剥離層用塗液を、前記感熱記録体の保護層上に、印刷機で、乾燥後の塗布量が0.35g/mとなるよう塗布した後、紫外線を照射して剥離層を形成した。
更に前記剥離層を形成した感熱記録体の上質紙の他方の面(支持体の裏面)に、粘着剤層用塗液として強粘着性アクリル樹脂系粘着剤エマルジョンをロールコーター法で乾燥後の塗布量が20g/mとなるように塗布及び乾燥して粘着剤層を形成した後、巻取状の感熱記録ライナーレスラベルを得た。
実施例2
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、球状有機粒子の量を3部に代えて5部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
実施例3
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、球状有機粒子の量を3部に代えて8部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
実施例4
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、球状有機粒子の量を3部に代えて5部とし、種類を球状有機粒子(商品名:エポスターGP−50、平均粒子径5μm、ベンゾグアナミン系架橋物、日本触媒化学工業社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
実施例5
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、球状有機粒子の量を3部に代えて5部とし、種類を球状有機粒子(商品名:GM−0401S、平均粒子径4μm、ポリメタクリル酸メチル系架橋物、ガンツ化成社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
実施例6
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、球状有機粒子の量を3部に代えて5部とし、種類を球状有機粒子(商品名:GM−0801、平均粒子径8μm、ポリメタクリル酸メチル系架橋物、ガンツ化成社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
実施例7
実施例1の保護層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールAの10%水溶液の210部、及びアセトアセチル変性ポリビニルアルコールBの20%水溶液の80部に代えて、ジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:DF−10、日本合成化学工業社製)の17.6%水溶液の290部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
実施例8
実施例1の保護層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールAの10%水溶液210部、及びアセトアセチル変性ポリビニルアルコールBの20%水溶液80部に代えて、珪素変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、クラレ社製)の12%水溶液の308部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
実施例9
・保護層用塗液の調製
共重合樹脂(共重合成分:(メタ)アクリロニトリル/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸の割合:共重合樹脂全体に対して5質量%、溶解度パラメーター:12.8、ガラス転移温度:50℃、平均粒子径:230nm)のエマルション(商品名:OT1043Z−1、固形分濃度25%、三井化学社製)140部、カオリン(商品名:HYDRAGLOSS90、KaMin LLC社製)200部、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42M、昭和電工社製)47部、アニオン系ポリエチレンワックスエマルション(商品名:メイカテックスHP−598A、明成化学社製、固形分濃度25%、融点100℃、粒子径0.04μm)12部、及び水74.3部からなる組成物を混合撹拌して保護層用塗液を得た。
実施例1の感熱記録体の作製において、用いた保護層用塗液に代えて上記の保護層用塗液を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
実施例10
実施例9の感熱記録層用塗液の作製において、球状有機粒子の量を3部に代えて5部とした以外は、実施例9と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
実施例11
実施例9の感熱記録層用塗液の作製において、球状有機粒子の量を3部に代えて8部とした以外は、実施例9と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
比較例1
実施例1の感熱記録用塗液の調製において、球状有機粒子の3部を用いなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
比較例2
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、球状有機粒子の量を3部に代えて5部とし、種類を球状有機粒子(商品名:エポスターMA1002、平均粒子径1.5μm、ポリメタクリル酸メチル系架橋物、日本触媒化学工業社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
比較例3
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、球状有機粒子の量を3部に代えて5部とし、種類を球状有機粒子(商品名:エポスターMA1013、平均粒子径13μm、ポリメタクリル酸メチル系架橋物、日本触媒化学工業社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
比較例4
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、球状有機粒子の量を3部に代えて15部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
比較例5
実施例1の感熱記録用塗液の調製において、球状有機粒子の3部を用いなかった。また、実施例1の保護層用塗液の調製において、球状有機粒子(商品名:エポスターMA1006、平均粒子径6μm、ポリメタクリル酸メチル系架橋物、日本触媒化学工業社製)の5部を更に添加した以外は、比較例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
比較例6
実施例1の感熱記録用塗液の調製において、球状有機粒子の3部に代えて、無機顔料(商品名:ハイジライトH−32M、水酸化アルミニウム粒子、平均粒子径8μm、昭和電工社製)の5部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
かくして得られた感熱記録ライナーレスラベルを40℃、50%RHの条件下で24時間放置した後、以下の評価を行った。その結果は、表1に示す通りであった。
(記録濃度)
感熱記録評価機(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用い、印加エネルギーが0.24mJ/dotによって記録した。得られた印字部の反射濃度をマクベス濃度計(RD−914、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。記録濃度については、実用上1.30以上が好ましい。
(印字カスレ)
感熱記録評価機(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用い、印加エネルギーが0.24mJ/dotによって、印字率100%と50%の両方で長さ5mの黒ベタ印字を行い、記録後の表面を目視観察し、白筋状の印字カスレと、印字面に発生する傷を下記の基準で評価した。
A:印字カスレがなく、印字面が良好である。
B:印字カスレがなく、印字率100%の印字面に僅かな傷はあるが、50%の印字面は良好である。
C:印字カスレが僅かにあり、印字率100%と50%の両方で印字面に傷が発生している。
D:全面に印字カスレと傷の発生が著しく、印字障害を起こしている。
(耐油性)
記録濃度の評価における記録後の感熱記録ライナーレスラベルに食用油を塗布し、20℃で24時間放置した後にガーゼで食用油を拭き取り、印字部の反射濃度をマクベス濃度計(前述)のビジュアルモードで測定した。食用油塗布処理後の記録濃度については、実用上1.00以上が好ましい。
(耐可塑剤性)
ポリカーボネイトパイプ(40mm径)の上にラップフィルム(商品名:ハイラップKMA−W、三井化学社製)を3重に巻きつけ、その上に記録濃度の評価における記録後の感熱記録ライナーレスラベルを置き、更にその上にラップフィルムを3重に巻きつけ、40℃で24時間放置した後、ラップフィルムを剥がして、印字部の反射濃度をマクベス濃度計(前述)のビジュアルモードで測定した。処理後の記録濃度については、実用上1.00以上が好ましい。
Figure 2017148984

Claims (5)

  1. 支持体、前記支持体の一方の面に支持体に近い側から染料前駆体及び顕色剤を含有する感熱記録層、水性接着剤を含有する保護層、並びに剥離層を有し、他方の面に粘着剤層を有する感熱記録ライナーレスラベルであって、前記感熱記録層中に平均粒子径が2.0〜10μmの球状有機粒子を感熱記録層の全固形量中0.5〜10質量%の割合で含有することを特徴とする感熱記録ライナーレスラベル。
  2. 前記保護層に含有される水性接着剤が、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール及びメタアクリロニトリル系共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の感熱記録ライナーレスラベル。
  3. 前記メタアクリロニトリル系共重合体が、(i)メタアクリロニトリル及び(ii)メタアクリロニトリルと共重合可能なビニル単量体を含む単量体からなる共重合体であって、前記ビニル単量体(ii)は、少なくとも1種のカルボキシル基含有ビニル単量体を含み、前記カルボキシル基含有ビニル単量体の含有割合が、前記単量体中、1〜10質量%である、請求項2に記載の感熱記録ライナーレスラベル。
  4. 前記感熱記録層の平均厚さが2〜6μmであり、保護層の平均厚さが1〜4μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録ライナーレスラベル。
  5. 前記感熱記録層の平均厚さが球状有機粒子の平均粒子径より小さいか、または同じである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録ライナーレスラベル。
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