JP2017148782A - 配管内面へのライニング施工方法、及び配管内面用のライニング剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】室温付近の温度では極めてゆっくりと硬化する一方で、加温された際には速やかに硬化するライニング剤を用いる配管内面へのライニング施工方法と、当該方法において好適に用いられるライニング剤の提供。【解決手段】配管内面用のライニング剤からなる塗布膜を配管の内面に形成することと、前記塗布膜を温水と接触させることにより加温して硬化させることと、を含み、前記ライニング剤が、(I)エポキシ化合物と、(II)硬化剤と、を含み、前記(II)硬化剤が、加水分解により、式(II−1)で表されるイミダゾール化合物を発生させる化合物を含む、配管内面へのライニング施工方法。【選択図】なし
Description
本発明は、配管内面へのライニング施工方法、及び配管内面用のライニング剤に関する。
上水の給水、ボイラーからの温水の給水、ガスの供給等に使用される配管や、種々のタンク等に設けられる管路には、鋼管が使用されることが多い。かかる配管が長期間使用されると、配管内を流通する水やガス等の流体の影響によって、配管内部に、さびや腐食、ミネラル等に由来するスケール、汚物等の付着・堆積等が生じることがある。
この場合、配管の内面を研磨した後に、配管の内部にライニング剤によりライニングが施され、配管内部が平滑な表面に更新される。
この場合、配管の内面を研磨した後に、配管の内部にライニング剤によりライニングが施され、配管内部が平滑な表面に更新される。
配管内部へのライニングの施工には、通常、エポキシ化合物と、硬化剤とを含むライニング剤が使用されることが多い。かかるライニング剤としては、例えば、エポキシ樹脂と、硬化剤と、ジンクピリチオンとを含む、抗菌性と防カビ性とが付与されたライニング剤が知られている(特許文献1を参照)。
エポキシ化合物と、硬化剤とを含むライニング剤は、配管内部に塗布された後、加温されて硬化膜とされる。
エポキシ化合物と、硬化剤とを含むライニング剤は、配管内部に塗布された後、加温されて硬化膜とされる。
しかし、エポキシ化合物と、硬化剤とをいったん混合してしまうと、硬化の進行が始まってしまう。このため、エポキシ化合物と、硬化剤とを含むライニング剤は、長期間保管しておくことができず、一般的に、ライニングの施工現場にて、エポキシ化合物と、硬化剤とを混合して調製された直後に使用される。
そして、ライニング剤を配管内に塗布する作業中にも、ライニング剤の硬化が進行してしまう。このため、エポキシ化合物と、硬化剤とを含むライニング剤を用いる場合、気温が高くライニング剤の硬化の進行が速い夏場の施工や、施工中になんらかのトラブルが生じて作業時間が延長される状況において、配管内に均一にライニング剤を塗布できなかったり、配管内がライニング剤で閉塞したりするおそれがある。
そして、ライニング剤を配管内に塗布する作業中にも、ライニング剤の硬化が進行してしまう。このため、エポキシ化合物と、硬化剤とを含むライニング剤を用いる場合、気温が高くライニング剤の硬化の進行が速い夏場の施工や、施工中になんらかのトラブルが生じて作業時間が延長される状況において、配管内に均一にライニング剤を塗布できなかったり、配管内がライニング剤で閉塞したりするおそれがある。
硬化速度の遅い硬化剤を選択したり、硬化剤の使用量を低減したりすることで、上記の課題は解決されるかもしれない。しかし、この場合、配管内に形成されたライニング剤からなる塗布膜を加温して完全に硬化する際に、非常に長い時間を要してしまう。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、室温付近の温度では極めてゆっくりと硬化する一方で、加温された際には速やかに硬化するライニング剤を用いる配管内面へのライニング施工方法と、当該方法において好適に用いられるライニング剤とを提供することを目的とする。
本発明者らは、(I)エポキシ化合物と、(II)硬化剤とを含む配管内面用のライニング剤において、加水分解により特定の構造のイミダゾール化合物を発生させる化合物を含む硬化剤を用いることにより、上記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の第一の態様は、
配管内面用のライニング剤からなる塗布膜を配管の内面に形成することと、
塗布膜を温水と接触させることにより加温して硬化させることと、を含み、
ライニング剤が、(I)エポキシ化合物と、(II)硬化剤と、を含み、
(II)硬化剤が、加水分解により、下式(II−1):
(式(II−1)中、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基を示す。)
で表されるイミダゾール化合物を発生させる化合物を含む、配管内面用へのライニング施工方法である。
配管内面用のライニング剤からなる塗布膜を配管の内面に形成することと、
塗布膜を温水と接触させることにより加温して硬化させることと、を含み、
ライニング剤が、(I)エポキシ化合物と、(II)硬化剤と、を含み、
(II)硬化剤が、加水分解により、下式(II−1):
で表されるイミダゾール化合物を発生させる化合物を含む、配管内面用へのライニング施工方法である。
本発明の第二の態様は、
配管内面用のライニング剤からなる塗布膜を配管の内面に形成することと、
塗布膜を加温して硬化させることと、を含み、
ライニング剤が、(I)エポキシ化合物と、(II)硬化剤と、(III)水と、を含み、
(II)硬化剤が、加水分解により、下式(II−1):
(式(II−1)中、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基を示す。)
で表されるイミダゾール化合物を発生させる化合物を含む、配管内面へのライニング施工方法である。
配管内面用のライニング剤からなる塗布膜を配管の内面に形成することと、
塗布膜を加温して硬化させることと、を含み、
ライニング剤が、(I)エポキシ化合物と、(II)硬化剤と、(III)水と、を含み、
(II)硬化剤が、加水分解により、下式(II−1):
で表されるイミダゾール化合物を発生させる化合物を含む、配管内面へのライニング施工方法である。
本発明によれば、室温付近の温度では極めてゆっくりと硬化する一方で、加温された際には速やかに硬化するライニング剤を用いる配管内面へのライニング施工方法と、当該方法において好適に用いられるライニング剤とを提供することができる。
≪配管内面用のライニング剤≫
配管内面用のライニング剤は、(I)エポキシ化合物と、(II)硬化剤と、を含む。
(II)硬化剤は、加水分解により、下式(II−1):
(式(II−1)中、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基を示す。)
で表されるイミダゾール化合物を発生させる化合物を含む。
ライニング剤は、所望により(III)水を含んでいてもよい。
以下、ライニング剤の、必須の成分、及び任意の成分について説明する。
配管内面用のライニング剤は、(I)エポキシ化合物と、(II)硬化剤と、を含む。
(II)硬化剤は、加水分解により、下式(II−1):
で表されるイミダゾール化合物を発生させる化合物を含む。
ライニング剤は、所望により(III)水を含んでいてもよい。
以下、ライニング剤の、必須の成分、及び任意の成分について説明する。
<(I)エポキシ化合物>
(I)エポキシ化合物としては、従来から、配管用のライニング剤の硬化性成分として使用されている種々のエポキシ化合物を用いることができる。ビスフェノール又はノボラックから誘導されたエポキシ化合物が好ましい。例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、多価フェノールのポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
ビスフェノールから誘導されたエポキシ化合物は水素化ビスフェノール型エポキシ樹脂でもよい。水素化ビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることにより、耐水性、耐薬品性、耐熱性、伸びや引張強度等の機械的特性等のバランスに優れたライニングを形成でき、室温で過度に短時間で硬化せず、温水に接触させた場合に速やかに硬化するライニング剤を得やすい。
(I)エポキシ化合物としては、従来から、配管用のライニング剤の硬化性成分として使用されている種々のエポキシ化合物を用いることができる。ビスフェノール又はノボラックから誘導されたエポキシ化合物が好ましい。例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、多価フェノールのポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
ビスフェノールから誘導されたエポキシ化合物は水素化ビスフェノール型エポキシ樹脂でもよい。水素化ビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることにより、耐水性、耐薬品性、耐熱性、伸びや引張強度等の機械的特性等のバランスに優れたライニングを形成でき、室温で過度に短時間で硬化せず、温水に接触させた場合に速やかに硬化するライニング剤を得やすい。
水素化ビスフェノール型エポキシ樹脂には水素化ビスフェノールA型、水素化ビスフェノールF型等の種々のビスフェノール類に由来するものが存在するが、いずれも使用することができる。
エポキシ化合物(エポキシ樹脂)の数平均分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。
エポキシ化合物の数平均分子量は、400〜800が好ましく、400〜500がより好ましい。
エポキシ化合物の数平均分子量は、400〜800が好ましく、400〜500がより好ましい。
エポキシ化合物のエポキシ当量は、170〜270g/eqが好ましく、190〜240g/eqがより好ましい。
(I)エポキシ化合物の種類によっても異なるが、ライニング剤における(I)エポキシ化合物の含有量は、典型的には、ライニング剤の質量に対して15〜98質量%が好ましく、55〜95質量%がより好ましい。
(I)エポキシ化合物は、ライニング剤の粘度調整の目的等で、低粘度のエポキシ化合物を反応性希釈剤として含んでいてもよい。
反応性希釈剤の好適な例としては、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、アルキルフェノールのモノグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、アルカン酸グリシジルエステル、及びトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等が挙げられる。反応性希釈剤は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中では、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、及び1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテルが好ましい。
反応性希釈剤の好適な例としては、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、アルキルフェノールのモノグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、アルカン酸グリシジルエステル、及びトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等が挙げられる。反応性希釈剤は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中では、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、及び1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテルが好ましい。
ライニング剤における反応性希釈剤の含有量は、ライニング剤の質量に対して30質量%以下が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
<(II)硬化剤>
硬化剤は、加水分解により下記式(II−1):
(式(II−1)中、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基を示す。)
で表されるイミダゾール化合物を発生する化合物を含む。
以下、加水分解により上記式(II−1)で表されるイミダゾール化合物を発生させる化合物を、「加水分解性イミダゾール発生剤」とも記す。
硬化剤は、加水分解により下記式(II−1):
で表されるイミダゾール化合物を発生する化合物を含む。
以下、加水分解により上記式(II−1)で表されるイミダゾール化合物を発生させる化合物を、「加水分解性イミダゾール発生剤」とも記す。
ライニング剤が、(II)硬化剤として、加水分解性イミダゾール発生剤を含む場合、室温付近では、ライニング剤の硬化はほとんど進行しない。他方で、ライニング剤を、温水と接触させると、加水分解性イミダゾール発生剤の加水分解により式(II−1)で表されるイミダゾール化合物が発生し、ライニング剤の効果が速やかに進行する。
また、ライニング施工前の適切な時点で、ライニング剤に水を添加することにより、ライニング剤中で、式(II−1)で表されるイミダゾール化合物が発生する。これにより、ライニング剤が室温で硬化可能な状態となる。
また、ライニング施工前の適切な時点で、ライニング剤に水を添加することにより、ライニング剤中で、式(II−1)で表されるイミダゾール化合物が発生する。これにより、ライニング剤が室温で硬化可能な状態となる。
配管のライニング作業では、通常、配管の内面にライニング剤を塗布した後、次いで、配管内に温水を流通させて塗布膜を完全に硬化させることが多い。
この際、配管の内面への塗布作業を、余裕をもって行うためには、ライニング剤が室温で作業に支障がない範囲でできるだけゆっくり硬化することが望まれる。
この際、配管の内面への塗布作業を、余裕をもって行うためには、ライニング剤が室温で作業に支障がない範囲でできるだけゆっくり硬化することが望まれる。
この点、従来の施工方法では、エポキシ樹脂と、硬化剤とを、施工直前に混合してライニング剤が調製される。このため、従来の施工方法で使用されるライニング剤は、室温でも、ある程度の速さで硬化が進行する。その結果、従来の施工方法では、配管内へのライニング剤の塗布を手際よく行う必要があるし、長い配管を一度にライニングすることは困難な場合もある。
対して、加水分解性イミダゾール化合物の加水分解は、通常、室温で急速に進行しない。このため、加水分解性イミダゾール化合物を含むライニング剤に水を添加して用いると、加水分解により生じた少量のイミダゾール化合物によりゆっくりと硬化が進行するため、配管内にライニング剤を塗布する作業に十分に長い時間を確保することができる。
他方で、配管内のライニング剤の塗布膜を形成した後に、配管内に温水を流通させると加水分解性イミダゾール化合物の加水分解が一気に促進され、塗布膜の硬化も急速に進行する。
従って、加水分解性イミダゾール化合物を含むライニング剤を用いる場合、従来の施工方法と同等の速度で、配管内の塗布膜を温水により硬化させることができる。
従って、加水分解性イミダゾール化合物を含むライニング剤を用いる場合、従来の施工方法と同等の速度で、配管内の塗布膜を温水により硬化させることができる。
上記式(II−1)で表されるイミダゾール化合物において、R1、R2、及びR3における有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。この有機基は、該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。この有機基は、通常は1価であるが、環状構造を形成する場合等には、2価以上の有機基となり得る。
R1及びR2は、それらが結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合をさらに含んでいてもよい。環状構造としては、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリ―ル基等が挙げられ、縮合環であってもよい。
R1、R2、及びR3の有機基に含まれる結合は、本発明の効果が損なわれない限り特に限定されず、有機基は、酸素原子、窒素原子、珪素原子等のヘテロ原子を含む結合を含んでいてもよい。ヘテロ原子を含む結合の具体例としては、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、イミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−:Rは水素原子又は有機基を示す)、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合、アゾ結合等が挙げられる。
R1、R2、及びR3の有機基が有してもよいヘテロ原子を含む結合としては、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、イミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−:Rは水素原子又は1価の有機基を示す)、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合が好ましい。
R1、R2、及びR3の有機基が炭化水素基以外の置換基である場合、R1、R2、及びR3は本発明の効果が損なわれない限り特に限定されない。R1、R2、及びR3の具体例としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、アルキルエーテル基、アルケニルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アルケニルチオエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基等が挙げられる。上記置換基に含まれる水素原子は、炭化水素基によって置換されていてもよい。また、上記置換基に含まれる炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれでもよい。
R1、R2、及びR3としては、水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、及びハロゲン原子が好ましく、水素原子がより好ましい。
加水分解性イミダゾール化合物は、加水分解により式(II−1)で表されるイミダゾール化合物を発生させることができる化合物であれば特に限定されない。
加水分解性イミダゾール化合物としては、例えば、式(II−1)で表されるイミダゾール化合物における、R1が結合する炭素原子と、R3が結合する炭素原子との間に存在する窒素原子が、易加水分解性の保護基により保護された化合物が挙げられる。
加水分解性イミダゾール化合物としては、例えば、式(II−1)で表されるイミダゾール化合物における、R1が結合する炭素原子と、R3が結合する炭素原子との間に存在する窒素原子が、易加水分解性の保護基により保護された化合物が挙げられる。
易加水分化性の保護基としては、例えば、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、及びβ−(p−トルエンスルホニル)エトキシカルボニル基等のオキシカルボニル基;ホルミル基,アセチル基、及びトリフルオロアセチル基等のアシル基;o−ニトロフェニルスルフェニル;トリメチルシリル基;テトラヒドロピラニル基;ジフェニルホスフェニル基;p−トルエンスルホニル基等のアリールスルホニル基;ベンジル基;ベンジルオキシカルボニル基、及びo−メトキシベンジルオキシカルボニル基等のアリールメトキシカルボニル基;β,β,β−トリクロロエトキシカルボニル基、及びβ−ヨードエトキシカルボニル基等のハロゲノエトキシカルボニル基等が挙げられる。
(I)エポキシ化合物との相溶性の点から、特に好適な加水分解性イミダゾール化合物としては、下記式(A):
(式(A)中、R1、R2、及びR3は、式(II−1)と同様である。それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基を示す。Ra1及びRa2は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、又は有機基を示す。Ra3、Ra4、Ra5、Ra6、及びRa7は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、又は有機基を示す。Ra3、Ra4、Ra5、Ra6、及びRa7は、それらの2つ以上が結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合を含んでいてもよい。)
で表される化合物が挙げられる。
で表される化合物が挙げられる。
式(A)において、R1、R2、及びR3は、ぞれぞれ、式(II−1)について説明した、R1、R2、及びR3と同様である。
式(A)において、Ra1及びRa2は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、又は有機基を示す。
Ra1及びRa2における有機基としては、式(II−1)中のR1、R2、及びR3について例示したものが挙げられる。この有機基は、R1、R2、及びR3の場合と同様に、該有機基中にヘテロ原子を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
以上の中でも、Ra1及びRa2としては、それぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数4〜13のシクロアルキル基、炭素原子数4〜13のシクロアルケニル基、炭素原子数7〜16のアリールオキシアルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、シアノ基を有する炭素原子数2〜11のアルキル基、水酸基を有する炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜11のアミド基、炭素原子数1〜10のアルキルチオ基、炭素原子数1〜10のアシル基、炭素数2〜11のエステル基(−COOR、−OCOR:Rは炭化水素基を示す)、炭素原子数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換した炭素原子数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換したベンジル基、シアノ基、メチルチオ基であることが好ましい。より好ましくは、Ra1及びRa2の両方が水素原子であるか、又はRa1がメチル基であり、Ra2が水素原子である。
式(A)において、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6、及びRa7は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、又は有機基を示す。
Ra3、Ra4、Ra5、Ra6、及びRa7における有機基としては、式(II−1)について、R1、R2、及びR3において例示したものが挙げられる。この有機基は、R1、R2、及びR3の場合と同様に、該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
Ra3、Ra4、Ra5、Ra6、及びRa7は、それらの2つ以上が結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合を含んでいてもよい。環状構造としては、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基等が挙げられ、縮合環であってもよい。例えば、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6、及びRa7は、それらの2つ以上が結合して、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6、及びRa7が結合しているベンゼン環の原子を共有してナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インデン等の縮合環を形成してもよい。
以上の中でも、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6、及びRa7としては、それぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数4〜13のシクロアルキル基、炭素原子数4〜13のシクロアルケニル基、炭素原子数7〜16のアリールオキシアルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、シアノ基を有する炭素原子数2〜11のアルキル基、水酸基を有する炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜11のアミド基、炭素原子数1〜10のアルキルチオ基、炭素原子数1〜10のアシル基、炭素原子数2〜11のエステル基、炭素原子数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換した炭素原子数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換したベンジル基、シアノ基、メチルチオ基、ニトロ基であることが好ましい。
また、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6、及びRa7としては、それらの2つ以上が結合して、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6、及びRa7が結合しているベンゼン環の原子を共有してナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インデン等の縮合環を形成している場合も好ましい。
上記式(A)で表される化合物の中では、下記式(A1):
(式(A1)中、R1、R2、及びR3は、式(II−1)と同様である。Ra1〜Ra6は式(A)と同様である。Ra8は、水素原子又は有機基を示す。Ra3及びRa4が水酸基となることはない。Ra3、Ra4、Ra5、及びRa6は、それらの2つ以上が結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合を含んでいてもよい。)
で表される化合物が好ましい。
で表される化合物が好ましい。
式(A1)で表される化合物は、置換基−O−Ra8を有するため、ライニング剤を調製する際に、(I)エポキシ化合物との親和性に優れる。
式(A1)において、Ra8は、水素原子又は有機基である。Ra8が有機基である場合、有機基としては、式(II−1)について、R1、R2、及びR3において例示したものが挙げられる。この有機基は、該有機基中にヘテロ原子を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。Ra8としては、水素原子、又は炭素原子数1〜12のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
式(A)で表される化合物として特に好適な化合物の具体例を以下に示す。
以下の式(B)で表される化合物も、加水分解性イミダゾール化合物として好ましい。
(式(B)中、R1、R2、及びR3は、式(II−1)と同様であり、Rb1は、水素原子、又は1価の有機基を表し、Rb2は置換基を有してもよい芳香族基を表す。Rb1は他方のRb1又はRb2と結合して環状構造を形成してもよい。)
式(B)中、Rb1は、水素原子又は1価の有機基である。1価の有機基としては、特に限定されず、例えば、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよい芳香族基等であってもよい。Rb1がアルキル基である場合、当該アルキル基は鎖中にエステル結合等を有してもよい。
アルキル基としては、例えば後述の式(B1)におけるRb4等と同様であってよい。アルキル基の炭素原子数は1〜40が好ましく、1〜30がより好ましく、1〜20が特に好ましく、1〜10が最も好ましい。
当該アルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば後述の式(B1)におけるR5であるアルキレン基が有していてもよい置換基と同様であってよい。
当該アルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば後述の式(B1)におけるR5であるアルキレン基が有していてもよい置換基と同様であってよい。
置換基を有してもよい芳香族基としては、後述の式(B1)におけるRb2と同様であり、アリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。Rb1としての置換基を有してもよい芳香族基は、R2と同一であっても異なっていてもよい。
式(B)中、一方のRb1は水素原子であることが好ましく、一方のRb1が水素原子であり他方のRb1が置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよい芳香族基であることがより好ましい。
式(B)中、Rb1は他方のRb1又はRb2と結合して環状構造を形成していてもよい。例えば、少なくとも1つのRb1が置換基を有してもよいアルキル基である場合、Rb1は他方のRb1又はRb2と結合して環状構造を形成していてもよい。
式(B)中、一方のRb1は水素原子であることが好ましく、一方のRb1が水素原子であり他方のRb1が置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよい芳香族基であることがより好ましい。
式(B)中、Rb1は他方のRb1又はRb2と結合して環状構造を形成していてもよい。例えば、少なくとも1つのRb1が置換基を有してもよいアルキル基である場合、Rb1は他方のRb1又はRb2と結合して環状構造を形成していてもよい。
式(B)で表される化合物は、下記式(B1)で表される化合物であってもよい。
式(B1)中、Rb3は水素原子又はアルキル基である。Rb3がアルキル基である場合、当該アルキル基は、直鎖アルキル基であっても、分岐鎖アルキル基であってもよい。当該アルキル基の炭素原子数は特に限定されないが、1〜20が好ましく、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。
Rb3として好適なアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチル−n−ヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、及びn−イコシル基が挙げられる。
式(B1)中、Rb2は、置換基を有してもよい芳香族基である。置換基を有してもよい芳香族基は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基でもよく、置換基を有してもよい芳香族複素環基でもよい。
芳香族炭化水素基の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。芳香族炭化水素基は、単環式の芳香族基であってもよく、2以上の芳香族炭化水素基が縮合して形成されたものであってもよく、2以上の芳香族炭化水素基が単結合により結合して形成されたものであってもよい。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アンスリル基、フェナンスレニル基が好ましい。
芳香族複素環基の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。芳香族複素環基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。芳香族複素環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、及びベンゾイミダゾリル基が好ましい。
フェニル基、多環芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基が有してもよい置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、及び有機基が挙げられる。フェニル基、多環芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基が複数の置換基を有する場合、当該複数の置換基は、同一であっても異なっていてもよい。
芳香族基が有する置換基が有機基である場合、当該有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、及びアラルキル基等が挙げられる。この有機基は、当該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、環状、及びこれらの構造の組み合わせのいずれでもよい。この有機基は、通常は1価であるが、環状構造を形成する場合等には、2価以上の有機基となり得る。
芳香族基が隣接する炭素原子上に置換基を有する場合、隣接する炭素原子上に結合する2つの置換基はそれが結合して環状構造を形成してもよい。環状構造としては、脂肪族炭化水素環や、ヘテロ原子を含む脂肪族環が挙げられる。
芳香族基が有する置換基が有機基である場合に、当該有機基に含まれる結合は本発明の効果が損なわれない限り特に限定されず、有機基は、酸素原子、窒素原子、珪素原子等のヘテロ原子を含む結合を含んでいてもよい。ヘテロ原子を含む結合の具体例としては、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、イミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−:Rは水素原子又は有機基を示す)、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合、アゾ結合等が挙げられる。
有機基が有してもよいヘテロ原子を含む結合としては、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、アミノ結合(−NR−:Rは水素原子又は1価の有機基を示す)ウレタン結合、イミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−:Rは水素原子又は1価の有機基を示す)、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合が好ましい。
有機基が炭化水素基以外の置換基である場合、炭化水素基以外の置換基の種類は本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。炭化水素基以外の置換基の具体例としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアルミ基、モノアリールアミノ基、ジアリールアミノ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、アルキルエーテル基、アルケニルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アルケニルチオエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基等が挙げられる。上記置換基に含まれる水素原子は、炭化水素基によって置換されていてもよい。また、上記置換基に含まれる炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれでもよい。
フェニル基、多環芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基が有する置換基としては、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のアリール基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のアリールオキシ基、炭素原子数1〜12のアリールアミノ基、及びハロゲン原子が好ましい。
Rb2としては、式(B)又は式(B1)で表されるイミダゾール化合物を安価且つ容易に合成でき、イミダゾール化合物の水や有機溶剤に対する溶解性が良好であることから、それぞれ置換基を有してもよいフェニル基、フリル基、チエニル基が好ましい。
式(B1)中、Rb4は、置換基を有してもよいアルキレン基である。アルキレン基が有していてもよい置換基は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。アルキレン基が有していてもよい置換基の具体例としては、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、及びハロゲン原子等が挙げられる。アルキレン基は、直鎖アルキレン基であっても、分岐鎖アルキレン基であってもよく、直鎖アルキレン基が好ましい。アルキレン基の炭素原子数は特に限定されず、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5が特に好ましい。なお、アルキレン基の炭素原子数には、アルキレン基に結合する置換基の炭素原子を含まない。
アルキレン基に結合する置換基としてのアルコキシ基は、直鎖アルコキシ基であっても、分岐鎖アルコキシ基であってもよい。置換基としてのアルコキシ基の炭素原子数は特に限定されず、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
アルキレン基に結合する置換基としてのアミノ基は、モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基であってもよい。モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基に含まれるアルキル基は、直鎖アルキル基であっても分岐鎖アルキル基であってもよい。モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基に含まれるアルキル基の炭素原子数は特に限定されず、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
Rb4として好適なアルキレン基の具体例としては、メチレン基、エタン−1,2−ジイル基、n−プロパン−1,3−ジイル基、n−プロパン−2,2−ジイル基、n−ブタン−1,4−ジイル基、n−ペンタン−1,5−ジイル基、n−ヘキサン−1,6−ジイル基、n−ヘプタン−1,7−ジイル基、n−オクタン−1,8−ジイル基、n−ノナン−1,9−ジイル基、n−デカン−1,10−ジイル基、n−ウンデカン−1,11−ジイル基、n−ドデカン−1,12−ジイル基、n−トリデカン−1,13−ジイル基、n−テトラデカン−1,14−ジイル基、n−ペンタデカン−1,15−ジイル基、n−ヘキサデカン−1,16−ジイル基、n−ヘプタデカン−1,17−ジイル基、n−オクタデカン−1,18−ジイル基、n−ノナデカン−1,19−ジイル基、及びn−イコサン−1,20−ジイル基が挙げられる。
上記式(B)で表されるイミダゾール化合物の中では、安価且つ容易に合成可能である点から、下記式(B2)で表される化合物が好ましい。
Rb5、Rb6、Rb7、Rb8、及びRb9は、後述の式(B3)と同じである。式(B2)中、Rb1はRb7と結合して環状構造を形成していてもよく、例えば、Rb1が置換基を有してもよいアルキル基である場合、Rb1はRb7と結合して環状構造を形成していてもよい。
上記式(B1)又は式(B2)で表されるイミダゾール化合物の中では、安価且つ容易に合成可能であり、水や有機溶剤に対する溶解性に優れる点から、下記式(B3)で表される化合物が好ましく、式(B3)で表され、Rb4がメチレン基である化合物がより好ましい。
Rb5、Rb6、Rb7、Rb8、及びRb9が有機基である場合、当該有機基は、式(B1)におけるRb2が置換基として有する有機基と同様である。Rb5、Rb6、Rb7、及びRb8は、水素原子であるのが好ましい。
中でも、Rb5、Rb6、Rb7、Rb8、及びRb9のうち少なくとも1つは、下記置換基であることが好ましく、Rb9が下記置換基であるのが特に好ましい。Rb9が下記置換基である場合、Rb5、Rb6、Rb7、及びRb8は水素原子であるのが好ましい。
−O−Rb10
(Rb10は水素原子又は有機基である。)
−O−Rb10
(Rb10は水素原子又は有機基である。)
Rb10が有機基である場合、当該有機基は、式(B1)におけるRb2が置換基として有する有機基と同様である。Rb10としては、アルキル基が好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1〜3のアルキル基が特に好ましく、メチル基が最も好ましい。
上記式(B3)で表される化合物の中では、下記式(B4)で表される化合物が好ましい。
(式(B4)において、R1、R2、及びR3は、式(II−1)と同様であり、Rb3は、式(B1)と同様であり、Rb11、Rb12、Rb13、Rb14、及びRb15は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、又は有機基である。ただし、Rb11、Rb12、Rb13、Rb14、及びRb15のうち少なくとも1つは水素原子以外の基である。)
式(B4)で表される化合物の中でも、Rb11、Rb12、Rb13、Rb14、及びRb15のうち少なくとも1つが、前述の−O−Rb10で表される基であることが好ましく、Rb15が−O−Rb10で表される基であるのが特に好ましい。Rb15が−O−Rb10で表される基である場合、R12、R13、R14、及びR15は水素原子であるのが好ましい。
上記式(1)で表されるイミダゾール化合物の合成方法は特に限定されない。例えば、Rb2CRb1(Hal)Rb1(Rb1及びRb2は、式(B)と同じであり、Halはハロゲン原子である。)で表されるハロゲン化物と、前述の式(II−1)で表されるイミダゾール化合物とを、常法に従って反応させてイミダゾリル化を行うことによって、上記式(B)で表されるイミダゾール化合物を合成することができる。
上記式(B1)で表されるイミダゾール化合物の合成方法は特に限定されない。例えば、下記式(B−I)で表されるハロゲン含有カルボン酸誘導体と、式(II−1)で表されるイミダゾール化合物とを、常法に従って反応させてイミダゾリル化を行うことによって、上記式(B1)で表されるイミダゾール化合物を合成することができる。
また、イミダゾール化合物が、式(B1)で表され、且つRb4がメチレン基である化合物である場合、すなわち、イミダゾール化合物が下記式(B5)で表される化合物である場合、以下に説明するMichael付加反応による方法によっても、イミダゾール化合物を合成することができる。
具体的には、例えば、下記式(B−II)で表される3−置換アクリル酸誘導体と、上記式(II−1)で表されるイミダゾール化合物とを溶媒中で混合してMichael付加反応を生じさせることによって、上記式(B5)で表されるイミダゾール化合物が得られる。
また、下記式(B−III)で表される、イミダゾリル基を含む3−置換アクリル酸誘導体を、水を含む溶媒中に加えることによって、下記式(B6)で表されるイミダゾール化合物が得られる。
この場合、上記式(B−III)で表される3−置換アクリル酸誘導体の加水分解により、上記式(II−1)で表されるイミダゾール化合物と、下記式(B−IV)で表される3−置換アクリル酸とが生成する。そして、下記式(B−IV)で表される3−置換アクリル酸と、上記式(II−1)で表されるイミダゾール化合物との間でMichael付加反応が生じ、上記式(B6)で表されるイミダゾール化合物が生成する。
(II)硬化剤の質量中の、加水分解性イミダゾール化合物の好適な含有量は、ライニング剤の保存安定性の点から、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%が特に好ましい。
(II)硬化剤は、以上説明した加水分化性イミダゾール化合物以外に、エポキシ化合物を含むライニング剤に従来から配合されている硬化剤を含んでいてもよい。
従来から配合されている硬化剤の中では、ポリアミン系の硬化剤が好ましい。ポリアミン系の硬化剤としては、23℃における粘度が1,000mPa・s〜10,000mPa・sであるものが好ましく、23℃における粘度が1,000mPa・s〜4000mPa・sであるものがより好ましい。
従来から配合されている硬化剤の中では、ポリアミン系の硬化剤が好ましい。ポリアミン系の硬化剤としては、23℃における粘度が1,000mPa・s〜10,000mPa・sであるものが好ましく、23℃における粘度が1,000mPa・s〜4000mPa・sであるものがより好ましい。
ポリアミン系硬化剤の好適な具体例としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、イソホロンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、N−アミノエチルピペラジン、メタキシリレンジアミン、ジシアンジアミド、及びビス(パラアミノシクロヘキシル)メタン等が挙げられる。ポリアミン系硬化剤は、2種以上組わせて用いてもよい。ポリアミン系硬化剤は変性されていてもよい。
ポリアミン系硬化剤としては、イソホロンジアミン変性物、メタキシリレンジアミン変性物、及びビス(パラアミノシクロヘキシル)メタン変性物等が特に好ましい。
ポリアミン系硬化剤としては、イソホロンジアミン変性物、メタキシリレンジアミン変性物、及びビス(パラアミノシクロヘキシル)メタン変性物等が特に好ましい。
ライニング剤における(II)硬化剤の含有量は、(I)エポキシ化合物のエポキシ当量、エポキシ化合物の含有量、硬化剤の種類に応じて適宜決定される。
ライニング剤における(II)硬化剤の含有量は、典型的には、ライニング剤の質量に対して7〜40質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。
ライニング剤における(II)硬化剤の含有量は、典型的には、ライニング剤の質量に対して7〜40質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。
<その他の添加剤>
ライニング剤は、(I)エポキシ化合物、及び(II)硬化剤以外に、従来から使用されているライニング剤に配合されている種々の添加剤を含んでいてもよい。
ライニング剤は、(I)エポキシ化合物、及び(II)硬化剤以外に、従来から使用されているライニング剤に配合されている種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤の例としては、可塑剤、粉末状充填剤、繊維状充填剤、顔料、可とう性付与剤、難燃剤、導電性付与剤、カップリング剤、粘着性付与剤、チクソトロピック剤、消泡剤、レベリング剤、離型剤、及び硬化促進剤等が挙げられる。
粉末状充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、タルク、クレー、マイカ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ガラスフレーク、マイクロバルーン、ベントナイト、ケイソウ土、及びカオリン等が挙げられる。これらの中では、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、マイカ、及びクレーが好ましい。粉末状充填剤の平均粒子径は、10μm以下が好ましい。
繊維状充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、及びアラミド繊維等が挙げられる。
顔料は、有機顔料であっても無機顔料であってもよい。顔料の例としては、カーボンブラック、酸化チタン、ベンガラ、及びフタロシアニンブルー等が例示される。顔料の平均粒子径は、1μm未満が好ましい。
可とう性付与剤としては、例えば、酸末端ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー、及びアクリルゴム微粒子等が挙げられる。
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、赤リン、及びデカブロモジフェニルエーテル等が挙げられる。
導電性付与剤としては、カーボンブラックや、銀粉、金粉、及び銅粉等の金属粉が挙げられる。
カップリング剤としては、シランカップリング剤、及びチタンカップリング剤等が挙げられる。
粘着性付与剤としては、石油樹脂、及びロジン等が例示される。
チクロソトロピック剤としては、微粉末シリカ、及びアスベスチン等が挙げられる。
消泡剤としては、シリコンオイル、及びアルキル樹脂が挙げられる。
レベリング剤としては、アクリル樹脂、及び尿素樹脂等が挙げられる。
離型剤としては、エステル系ワックス、及びポリエチレン系ワックス等が挙げられる。
硬化促進剤としては、アルコール類、フェノール類、及び有機酸類等が挙げられる。
それぞれ所望の量の以上説明した成分を均一に混合して、水を含まない状態のライニング剤が調整される。水を含まないライニング剤は、室温での塗布膜形成後、温水と接触させることで速やかに硬化する。
<(III)水>
以上説明した成分を混合して調製される水を含まないライニング剤に対して、所定量の(III)水を加えてもよい。
(III)水を加えることにより、(II)硬化剤として配合される加水分解性イミダゾール化合物の一部が加水分解してイミダゾール化合物が発生する。これにより、ライニング剤のゆっくりとした硬化が開始される。
(III)水を含まないライニング剤であっても、温水により良好に硬化するが、ライニング剤が(III)を含む場合、温水を用いる方法以外の加温方法でもライニング剤が良好に硬化する。
以上説明した成分を混合して調製される水を含まないライニング剤に対して、所定量の(III)水を加えてもよい。
(III)水を加えることにより、(II)硬化剤として配合される加水分解性イミダゾール化合物の一部が加水分解してイミダゾール化合物が発生する。これにより、ライニング剤のゆっくりとした硬化が開始される。
(III)水を含まないライニング剤であっても、温水により良好に硬化するが、ライニング剤が(III)を含む場合、温水を用いる方法以外の加温方法でもライニング剤が良好に硬化する。
ライニングの施工現場での、ライニング剤の調製作業が容易である事から、(III)水以外の所定の成分を全て含有するライニング剤に対して、ライニングの施工直前に水を添加してライニング剤を調製するのが好ましい。
しかし、(I)エポキシ化合物と、(II)硬化剤と、必要に応じて任意の添加剤と、(III)水とを、施工直前に、混合してライニング剤を調製してもよい。
しかし、(I)エポキシ化合物と、(II)硬化剤と、必要に応じて任意の添加剤と、(III)水とを、施工直前に、混合してライニング剤を調製してもよい。
後者の方法では多数の成分を現場まで運送したうえで計量し、均一に混合する煩雑な作業が必要である。しかし、水は、通常、施工現場で容易に入手できる。このため、前者の方法では、施工現場で水を計量し、事前に準備されている水を含まないライニング剤に水を添加する簡単な作業を行うだけでよい。
ライニング剤における(III)水の含有量は、(II)硬化剤の質量に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、0.1〜3質量%が特に好ましく、0.5〜2質量%が最も好ましい。
室温での硬化速度を調整する目的で、(III)水を含むライニング剤を、例えば30〜60℃程度の温度に数秒〜数分間加熱して、加水分解性イミダゾール化合物の加水分解を促進させてもよい。
≪配管の内面のライニング方法≫
ライニング剤は、従来知られる方法により配管内面に塗布される。塗布方法としては、例えば、気流ライニング工法、ピグライニング工法、吸引ライニング工法、圧送ライニング工法等が挙げられる。
ライニング剤は、従来知られる方法により配管内面に塗布される。塗布方法としては、例えば、気流ライニング工法、ピグライニング工法、吸引ライニング工法、圧送ライニング工法等が挙げられる。
所望する方法により、ライニング剤を配管の内部に塗布して塗布膜を形成した後、必要に応じて、所定の時間、塗布膜を室温で放置して塗布膜の硬化を進行させる。
ここで、室温とは、空調されていてもよい雰囲気の温度をいう。典型的には室温は、0〜45℃程度であり、5〜35℃が好ましく、10〜30℃がより好ましい。室温での硬化時間は特に限定されない。
ここで、室温とは、空調されていてもよい雰囲気の温度をいう。典型的には室温は、0〜45℃程度であり、5〜35℃が好ましく、10〜30℃がより好ましい。室温での硬化時間は特に限定されない。
次いで、配管内面の塗布膜を加温して、塗布膜を硬化させる。塗布膜の加温方法としては、温風を配管内に流通させる方法や、塗布膜を温水と接触させる方法等が挙げられる。
可能であれば、配管の外部にヒーターを取り付け、配管自体を加熱してもよい。
ブロワー等の装置が不要であること等から、加温方法としては、塗布膜を温水と接触させる方法が好ましい。
なお、ライニング剤が(III)水を含まない場合、加温時に加水分解性イミダゾールの加水分解を生じさせるために、温水を用いて塗布膜を加温する。
温水は、配管内に貯留させてもよく、配管内を流通させてもよい。温水の使用量が少ない点からは、配管内に温水を貯留する方法が好ましい。塗布膜を均一に硬化させやすい点からは、温水を配管内に流通させる方法が好ましい。
可能であれば、配管の外部にヒーターを取り付け、配管自体を加熱してもよい。
ブロワー等の装置が不要であること等から、加温方法としては、塗布膜を温水と接触させる方法が好ましい。
なお、ライニング剤が(III)水を含まない場合、加温時に加水分解性イミダゾールの加水分解を生じさせるために、温水を用いて塗布膜を加温する。
温水は、配管内に貯留させてもよく、配管内を流通させてもよい。温水の使用量が少ない点からは、配管内に温水を貯留する方法が好ましい。塗布膜を均一に硬化させやすい点からは、温水を配管内に流通させる方法が好ましい。
温水の温度は、配管の材質等を考慮して適宜決定される。耐熱性の低い樹脂製の配管の場合は、温水の温度の上限は80℃程度、好ましくは70℃程度である。しかし、耐熱性の高い樹脂製の配管や金属製の配管であれば、温水の温度を90〜100℃程度まで高めることも可能である。
作業の安全性も勘案すると、典型的には温水の温度は、50〜80℃が好ましく、55〜70℃がより好ましい。
作業の安全性も勘案すると、典型的には温水の温度は、50〜80℃が好ましく、55〜70℃がより好ましい。
温水を配管内に流通させる場合、熱交換によって、配管出口での水温は、配管入り口での水温よりも低くなる。温水を配管内に流通させる場合、配管出口での水温が、所望する温度よりも低くならないように、配管に供給する温度をやや高めに設定するのがよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1、比較例1、及び比較例2〕
表1に記載の種類及び比率(質量%)の(I)エポキシ化合物と、(II)硬化剤とを均一に混合して、実施例1、比較例1、及び比較例2の評価用組成物を調整した。
比較例1及び比較例2では、(II)硬化剤を(I)エポキシ化合物とは別々に用意し、塗布する直前に混合して評価用組成物を調製した。
実施例1では(II)硬化剤と(I)エポキシ化合物とを混合しておいたうえで、塗布を行う前に、さらに(II)硬化剤の質量に対して1質量%の純水を添加して評価用組成物を調製した。
表1中の各化合物の種類を以下に記載する。
表1に記載の種類及び比率(質量%)の(I)エポキシ化合物と、(II)硬化剤とを均一に混合して、実施例1、比較例1、及び比較例2の評価用組成物を調整した。
比較例1及び比較例2では、(II)硬化剤を(I)エポキシ化合物とは別々に用意し、塗布する直前に混合して評価用組成物を調製した。
実施例1では(II)硬化剤と(I)エポキシ化合物とを混合しておいたうえで、塗布を行う前に、さらに(II)硬化剤の質量に対して1質量%の純水を添加して評価用組成物を調製した。
表1中の各化合物の種類を以下に記載する。
(I)エポキシ化合物
・化合物1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(粘度14000mPa・s)
・化合物2:ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル
(II)硬化剤
・(II)−1:下記式で表される化合物(II)−1
・硬化剤1:イソホロンジアミン変性物(粘度3000mPa・s)
・硬化剤2:ジエチレントリアミン変性物(粘度4200mPa・s)
・化合物1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(粘度14000mPa・s)
・化合物2:ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル
(II)硬化剤
・(II)−1:下記式で表される化合物(II)−1
・硬化剤2:ジエチレントリアミン変性物(粘度4200mPa・s)
(硬化性評価1)
各評価用組成物を、ガラス基板に約300μmの膜厚となるように塗布し、室温での温度条件で放置し、硬化するまでの時間(塗膜の中央に指先で軽く触れて,指先が汚れない状態になるまでの時間)を測定した。10時間以上を〇とし、5時間未満を×として、評価結果を表1に記載した。実施例1は12時間、比較例1は2.5時間、比較例2は2時間であった。
(硬化性評価2)
各評価用組成物を、ガラス基板に約2000μmの膜厚となるように塗布し、60℃の温水に1時間浸漬した。室温に戻して塗布膜の状態を観察したところ、いずれの膜も硬化していた。このため、硬化性評価2の評価結果について、実施例1、比較例1、及び比較例2のいずれについても○と判定した。
各評価用組成物を、ガラス基板に約300μmの膜厚となるように塗布し、室温での温度条件で放置し、硬化するまでの時間(塗膜の中央に指先で軽く触れて,指先が汚れない状態になるまでの時間)を測定した。10時間以上を〇とし、5時間未満を×として、評価結果を表1に記載した。実施例1は12時間、比較例1は2.5時間、比較例2は2時間であった。
(硬化性評価2)
各評価用組成物を、ガラス基板に約2000μmの膜厚となるように塗布し、60℃の温水に1時間浸漬した。室温に戻して塗布膜の状態を観察したところ、いずれの膜も硬化していた。このため、硬化性評価2の評価結果について、実施例1、比較例1、及び比較例2のいずれについても○と判定した。
実施例の評価用組成物は、(I)エポキシ化合物と(II)硬化剤とをあらかじめ混合調製可能なため、ライニングの施工現場での作業が容易であり、室温付近の温度では極めてゆっくりと硬化する一方で、加温された際には速やかに硬化する。また、ライニング剤として、顔料、粉末状充填剤、各種添加剤を適宜添加することができる。
Claims (7)
- 配管内面用のライニング剤からなる塗布膜を配管の内面に形成することと、
前記塗布膜を温水と接触させることにより加温して硬化させることと、を含み、
前記ライニング剤が、(I)エポキシ化合物と、(II)硬化剤と、を含み、
前記(II)硬化剤が、加水分解により、下式(II−1):
で表されるイミダゾール化合物を発生させる化合物を含む、配管内面へのライニング施工方法。 - 前記塗布膜と温水とを接触させて前記塗布膜が加温される、請求項2に記載の配管内面へのライニング施工方法。
- 前記イミダゾール化合物を発生させる前記化合物が、下記式(A):
で表される化合物、及び下記式(B):
で表される化合物からなる群より選択される1種以上を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のライニング施工方法。 - 前記イミダゾール化合物を発生させる前記化合物が、下記式(A):
で表される化合物、及び下記式(B):
で表される化合物からなる群より選択される1種以上を含む、請求項5に記載の配管内面用のライニング剤。 - (III)水を含む、請求項5又は6に記載の配管内面用のライニング剤。
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