JP2017147054A - 非水電解質二次電池用正極および非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極および非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 充電時の上限電圧を高めても、優れた充放電サイクル特性を発揮し得る非水電解質二次電池および前記非水電解質二次電池を構成するための正極を提供する。【解決手段】 本発明の非水電解質二次電池用正極は、正極活物質、導電助剤、フィラーおよびバインダを含有する正極合剤層を有しており、正極活物質として、AlやTiなどから選ばれる元素M1、Ni、Coなどを特定量で含有し、かつ一次粒子径が0.5μm以上の粒子を50質量%以上含むリチウム含有金属酸化物(A)を含有し、前記正極合剤層におけるフィラーの含有量が0.1質量%以上3質量%以下であることを特徴とするものである。また、本発明の非水電解質二次電池は、本発明の非水電解質二次電池用正極、負極、セパレータおよび非水電解質を有するものである。【選択図】図6

Description

本発明は、優れた充放電サイクル特性を有し、サイクル後の電池膨れを抑制しうる非水電解質二次電池および前記非水電解質二次電池を構成するための正極に関するものである。
リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池は、高電圧、高エネルギー密度であることから、携帯機器などの駆動電源などとして需要が増大傾向にある。現在、この非水電解質二次電池の正極活物質としては、容量が大きく、可逆性もよいコバルト酸リチウムが主に用いられている。
現在、非水電解質二次電池には、適用される機器の改良に伴って、より高容量であることが要求されている。しかし、コバルト酸リチウムを使用した電池においては、その電池容量は、ほぼ限界に近いところまできている。
非水電解質二次電池の高容量化の要請に対し、充電時の上限電圧を従来よりも高めることで、これに対応しようとする検討がなされている。しかし、その一方で、非水電解質二次電池の充電電圧を高めると、正極活物質が劣化して、非水電解質二次電池の充放電サイクル特性の低下を引き起こすといった問題もある。そこで、正極活物質層の表面にはフィラー粒子とバインダとが含まれた被覆層を形成させることが検討されている(特許文献1)。
非水二次電池の高容量化を図るに当たり、例えば従来から使用されているコバルト酸リチウムに、単位質量当たり容量の大きいニッケル酸リチウム等のリチウム複合酸化物を混合することが検討されている(特許文献2)。更に、特定のニッケル複合酸化物に比較的粒径の大きい一次粒子を多く含む正極を用いることで、高容量でサイクル特性の低下が少ない電池が提案されている。(特許文献3)
特開2008−053208号公報 特開2013−254639号公報 特開2016−24879号公報
しかしながら、特許文献1のように、正極活物質層の表面に被覆層を形成させると電極厚みが厚くなることにより、高容量化を達しえない場合がある。一方、電子機器によっては3.4V以上での駆動が必要となるが、ニッケル酸リチウムを加えると放電電位が下がる傾向にあるため、特許文献2の手法でも高容量を達しえない場合がある。また、特許文献3の手法によって高容量化と充放電サイクル特性の改善は実現しえるが、負荷特性や充放電サイクル後の膨れ等は更なる改善の余地があった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、充電時の上限電圧を高めても、優れた充放電サイクル特性を有し、サイクル後の電池膨れを抑制し得る非水電解質二次電池および前記非水電解質二次電池を構成するための正極を提供することにある。
本発明は、正極、負極、セパレータおよび非水電解質を有する非水電解質二次電池に使用される正極であって、正極活物質、導電助剤、フィラーおよびバインダを含有する正極合剤層を有しており、前記正極合剤層は、前記正極活物質として、下記一般式(1)
LiNi1−b−c−dCoMn Mg (1)
〔前記一般式(1)中、Mは、Al、Ti、Sr、Zr、Nb、AgおよびBaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有し、0.9≦a≦1.10、0.1≦b≦0.2、0≦c≦0.2、0.1≦b+c≦0.25、0.003≦d≦0.06、および0≦e≦0.003である〕で表され、かつ一次粒子径が0.5μm以上の粒子を50質量%以上含むリチウム含有金属酸化物(A)を含有しており、前記正極合剤層におけるフィラーの含有量が0.1質量%以上3質量%以下で含有していることを特徴とするものである。
また、本発明の非水電解質二次電池は、正極、負極、セパレータおよび非水電解質を有するものであって、前記正極が、本発明の非水電解質二次電池用正極であることを特徴とするものである。
本発明によれば、充電時の上限電圧を高めても、優れた充放電サイクル特性を優れた充放電サイクル特性を有し、サイクル後の電池膨れを抑制しうる非水電解質二次電池および前記非水電解質二次電池を構成するための正極を提供することができる。
本発明の正極の一例を表す平面図である。 本発明の負極の一例を表す平面図である。 本発明の積層電極体の一例を模式的に表す斜視図である。 本発明の第3電極の一例を表す斜視図である。 図3と図4を組み立てた斜視図である。 本発明のリチウムイオン二次電池の一例を表す平面図である。 図6のI−I断面図である。
本発明の非水電解質二次電池用正極(以下、単に「正極」という)は、正極活物質、導電助剤、フィラーおよびバインダを含有する正極合剤層を有しており、例えば、前記正極合剤層が集電体の片面または両面に形成された構造を有している。
本発明の正極は、正極合剤中に正極活物質として、前記一般式(1)で表され、かつ特定の粒度を有するリチウム含有金属酸化物(A)を使用し、且つフィラーを特定量有する。これにより、本発明の正極では、充電時の上限電圧を高めても、優れた充放電サイクル特性〔特に高温(40〜60℃程度)下での充放電サイクル特性〕を有し、充放電サイクル後の電池膨れを抑制し得る非水電解質二次電池を構成可能としている。
リチウム含有金属酸化物(A)は、Ni、Co、Mnおよび元素Mの全元素量を1としたときに、Coの割合bおよびMnの割合cを、それぞれ、0.1≦b≦0.2、0≦c≦0.2とし、かつ0.1≦b+c≦0.25として、その結晶格子中に、Coを存在させるか、または、CoおよびMnを存在させている。これにより、Liの脱離および挿入によってリチウム含有金属酸化物(A)の相転移が起こる際に、構造変化による不可逆反応がCoやMnの作用によって緩和されることから、空間群R3−mとして表されるリチウム含有金属酸化物(A)の層状の結晶構造の可逆性が向上する。
また、リチウム含有金属酸化物(A)において、Coは、特に上限電圧を4.3V以上とする充電時において高温下での充放電サイクル特性向上に寄与する成分である。前記一般式(1)において、Coの量bは、前記の各効果を良好に確保する観点から、0.1以上、好ましくは0.12以上である。ただし、リチウム含有金属酸化物(A)中のCoの量が多すぎると、他の元素の量が少なくなって、これらによる効果を良好に確保し得ないため、前記一般式(1)におけるCoの量bは、0.2以下である。
更に、リチウム含有金属酸化物(A)にはMnを含有させなくてもよいが、含有させる場合には、前記の効果を良好に確保する観点から、前記一般式(1)におけるMnの量cは、0.005以上であることが好ましい。ただし、リチウム含有金属酸化物(A)中のMnの量が多すぎると、他の元素の量が少なくなって、これらによる効果を良好に確保し得ないため、前記一般式(1)におけるMnの量bは、0.2以下であり、0.15以下であることが好ましい。
また、リチウム含有金属酸化物(A)は、元素Mとして、Al、Ti、Sr、Zr、Nb、AgおよびBaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有しており、これらの元素を含有することによっても、その安定性を高めて、充放電サイクル特性や安全性が高い電池を構成可能な正極を得ることができる。元素Mによるこのような効果を良好に確保する観点から、前記一般式(1)における元素Mの量dは、0.003以上、好ましくは0.01以上である。ただし、リチウム含有金属酸化物(A)中の元素Mの量が多すぎると、他の元素の量が少なくなって、これらによる効果を良好に確保し得ないため、前記一般式(1)における元素Mの量dは、0.06以下であり、0.04以下であることが好ましい。
更に、リチウム含有金属酸化物(A)は、Niを含有している。リチウム含有金属酸化物(A)の結晶格子中にNiを存在させると、電池の充放電でのLiの脱離および挿入がしやすくなり、リチウム含有金属酸化物(A)の容量を高めることができる。
リチウム含有金属酸化物(A)を表す前記一般式(1)において、Niの量は、Coの量b、Mnの量cおよび元素Mの量dを用いて「1−b−c−d」で表されるが、このNiの量「1−b−c−d」は、具体的には、0.69以上であることが好ましく、また、0.897以下であることが好ましい。
また、リチウム含有金属酸化物(A)はMgを含有していてもよいが、Mgはリチウム含有金属酸化物(A)の容量減少を引き起こす作用が他の金属元素よりも強いため、その量を制限することが好ましい。具体的には、リチウム含有金属酸化物(A)を表す前記一般式(1)において、Mgの量eは、0.003以下であり、0.002以下であることが好ましい。また、リチウム含有金属酸化物(A)はMgを含有していなくてもよいため、前記一般式(1)におけるMgの量eの下限値は0である。
リチウム含有金属酸化物(A)は、特に化学量論比に近い組成のときに、真密度と可逆性とを高めて、より高容量の材料とすることが可能となる。よって、リチウム含有金属酸化物(A)を表す前記一般式(1)において、Liの量aは、0.9以上1.10以下であり、これにより、リチウム含有金属酸化物(A)の真密度と可逆性とを高めることができる。
リチウム含有金属酸化物(A)は、その全量100質量%中に、一次粒子径が0.5μm以上の粒子を50質量%以上、好ましくは70質量%以上、特に好ましくは100質量%含んでいる。一次粒子径が前記のように比較的大きな粒子を前記の量で含むリチウム含有金属酸化物(A)を使用することで、電池の高温下での充放電サイクル特性を高めることができる。なお、本発明の正極の製造に供されるリチウム含有金属酸化物(A)は、一次粒子径が0.5μm以上の粒子を前記特定量で含んでいれば、一次粒子の状態であってもよく、一次粒子が凝集した二次粒子の状態であってもよく、一次粒子と二次粒子とが混在した状態であってもよい。
ただし、リチウム含有金属酸化物(A)の一次粒子径が大きすぎると、負荷特性が悪くなり、容量が低下する虞があることから、リチウム含有金属酸化物(A)中に含まれる粒子(一次粒子)のうちの、粒子径の最大値(一次粒子径の最大値)は、5μmであることが好ましい。
本明細書でいうリチウム含有金属酸化物(A)の一次粒子径は、以下の方法(a)によって測定される値である。
(a)正極合剤層内に存在するリチウム含有金属酸化物(A)の一次粒子径の測定方法
イオンミリングによって加工した正極(正極合剤層)の断面について、EDX装置を備えた走査型電子顕微鏡を用い、観察倍率500倍の条件でEDX装置によりマッピングを行い、Ni濃度の高い粒子について、更に元素分析によってリチウム含有金属酸化物(A)であることを特定する。そして、その視野に存在するリチウム含有金属酸化物(A)の粒子について、倍率5000倍の条件で拡大したときに、一次粒子の短径(一次粒子中の最大径となる部分に直交する部分の径)の長さを測定することによって一次粒子径を求める。ここで、リチウム含有金属酸化物(A)中の一次粒子径が0.5μm以上である粒子の割合は、前述の方法で測定したリチウム含有金属酸化物(A)の0.5μm以上の粒子の個数を、視野中の一次粒子の総個数で割ったものを百分率で表わして求め、また、一次粒子径の最大値は、その中で最も大きい一次粒子の径とする。なお、後述する実施例では、前記の走査型電子顕微鏡として日立ハイテクノロジーズ社製「S−3400N型走査電子顕微鏡」を用い、マッピング時の加速電圧を15kVとし、視野中のリチウム含有金属酸化物(A)の粒子の倍率5000倍での観察時の加速電圧を2kVとして、正極合剤層中のリチウム含有金属酸化物(A)の一次粒子径を求めた。
なお、一次粒子径が0.5μm以上の粒子を50質量%以上含むリチウム含有金属酸化物(A)や、更には一次粒子径の最大値が前記好適値を満たすリチウム含有金属酸化物(A)を含有する正極合剤層は、下記(b)の方法により測定される一次粒子径が0.5μm以上の粒子を50質量%以上含むリチウム含有金属酸化物(A)や、更には下記(b)の方法により測定される一次粒子径の最大値が前記好適値を満たすリチウム含有金属酸化物(A)を使用することで、形成することができる。
(b)正極合剤層の形成に使用するリチウム含有金属酸化物(A)の一次粒子径
リチウム含有金属酸化物(A)の粉体を一次粒子になるまで解砕し、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて粒度分布を測定することにより、正極合剤層の形成に使用するリチウム含有金属酸化物(A)中の一次粒子径が0.5μm以上である粒子の割合、およびリチウム含有金属酸化物(A)の一次粒子径の最大値を求める。なお、後述する実施例では、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置として日機装社製の「マイクロトラックHRA」を使用し、リチウム含有金属酸化物(A)の粉体の解砕回数は、誤差を低減するために20回とした。
リチウム含有金属酸化物(A)は、Li含有化合物(水酸化リチウムなど)、Ni含有化合物(硫酸ニッケルなど)、Co含有化合物(硫酸コバルトなど)、Mn含有化合物(硫酸マンガンなど)、元素MやMgを含有する化合物(酸化物、水酸化物、硫酸塩など)を混合し、この原料混合物を焼成するなどして製造することができる。
なお、より高い純度でリチウム含有金属酸化物(A)を合成するには、Ni、Co、Mn、元素MおよびMgのうちの複数の元素を含む複合化合物(水酸化物、酸化物など)と、他の原料化合物(Li含有化合物など)とを混合し、この原料混合物を焼成することが好ましい。
リチウム含有金属酸化物(A)を合成するための原料混合物の焼成条件は、例えば、800〜1050℃で1〜24時間とすることができるが、一旦焼成温度よりも低い温度(例えば、250〜850℃)まで加熱し、その温度で保持することにより予備加熱を行い、その後に焼成温度まで昇温して反応を進行させることが好ましい。予備加熱の時間については特に制限はないが、通常、0.5〜30時間程度とすればよい。また、焼成時の雰囲気は、酸素を含む雰囲気(すなわち、大気中)、不活性ガス(アルゴン、ヘリウム、窒素など)と酸素ガスとの混合雰囲気、酸素ガス雰囲気などとすることができるが、その際の酸素濃度(体積基準)は、15%以上であることが好ましく、18%以上であることが好ましい。
また、本発明の正極においては、正極合剤層が含有する正極活物質の全量を100質量%としたとき、リチウム含有金属酸化物(A)の含有量が、5質量%以上、好ましくは10質量%以上であり、これにより、リチウム含有金属酸化物(A)の使用による前記の効果を良好に確保している。
本発明の正極において、リチウム含有金属酸化物(A)と併用する正極活物質としては、LiCoOなどのリチウムコバルト酸化物;LiMnO、LiMnOなどのリチウムマンガン酸化物;リチウムニッケル酸化物〔前記一般式(1)で表されるもの、および前記一般式(1)で表されるものと、Ni含有量が同等以上のものを除く〕;LiMn、Li4/3Ti5/3などのスピネル構造のリチウム含有複合酸化物;LiFePOなどのオリビン構造のリチウム含有金属酸化物;前記の酸化物を基本組成とし各種元素で置換した酸化物;などが挙げられる。
リチウム含有金属酸化物(A)と併用する正極活物質としてリチウムコバルト酸化物を用いる場合、例えば下記一般式(2)で表されるリチウム含有金属酸化物(B)があげられる。リチウム含有金属酸化物(B)は、上限電圧を4.3V以上とした高電圧下での充放電サイクル特性が良好であり望ましい。
LiCo1−g−h (2)
前記一般式(2)中、Mは、Al、MgおよびErよりなる群から選択される少なくとも1種の元素で、Mは、Zr、Ti、Ni、Mn、Na、Bi、Ca、F、P、Sr、W、Ba、Mo、V、Sn、Ta、NbおよびZnよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0.9≦f≦1.10、0.010≦g≦0.1、0≦h≦0.05、g+h≦0.12である。
リチウム含有金属酸化物(B)において、元素MであるAl、MgおよびErは、電池の充放電に伴うCoの溶出を抑制して、特に上限電圧を4.3V以上とする充電時において高温下での充放電サイクル特性向上に寄与する成分である。リチウム含有金属酸化物(B)は、元素MとしてAl、MgおよびErのうちの少なくとも1種を含有していればよいが、複数種含有していてもよい。
元素Mによる前記の効果を良好に確保する観点から、前記一般式(2)における元素Mの量gは、0.010以上であることが好ましく、0.014以上であることがより好ましい。ただし、リチウム含有金属酸化物(B)中の元素Mの量が多すぎると、他の元素の量が少なくなって、これらによる効果を良好に確保し得ないため、前記一般式(2)における元素Mの量gは、0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましい。
また、リチウム含有金属酸化物(B)には、元素Mとして、Zr、Ti、Ni、Mn、Na、Bi、Ca、F、P、Sr、W、Ba、Mo、V、Sn、Ta、NbおよびZnよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有させることもできる。これらの元素Mも、特に上限電圧を4.3V以上とする充電時において高温下での充放電サイクル特性向上に寄与する。
ただし、リチウム含有金属酸化物(B)中の元素Mの量が多すぎると、他の元素の量が少なくなって、これらによる効果を良好に確保し得ないため、前記一般式(2)における元素Mの量hは、0.05以下であることが好ましく、0.01以下であることがより好ましい。なお、リチウム含有金属酸化物(B)は元素Mを含有していなくてもよいが、これらを含有させる場合には、元素Mによる前記の効果をより良好に確保する観点からは、前記一般式(2)における元素Mの量hは、0.0005以上であることが好ましい。
また、リチウム含有金属酸化物(B)において、Coは容量向上に寄与する成分であるため、元素Mや元素Mの量を制限し十分な量のCoを含有できるようにして、リチウム含有金属酸化物(B)の容量を大きく保つ観点から、前記一般式(2)における元素Mの量gと元素Mの量hとの合計g+hは、0.12以下であることが好ましい。
リチウム含有金属酸化物(B)もリチウム含有金属酸化物(A)と同様に、特に化学量論比に近い組成のときに、真密度と可逆性とを高めて、より高容量の材料とすることが可能となる。よって、リチウム含有金属酸化物(B)を表す前記一般式(2)において、Liの量fは、0.9以上1.10以下であることが好ましく、これにより、リチウム含有金属酸化物(B)の真密度と可逆性とを高めることができる。
リチウム含有金属酸化物(B)は、Li含有化合物(水酸化リチウムなど)、Co含有化合物(硫酸コバルトなど)、および元素Mや元素Mを含有する化合物(酸化物、水酸化物、硫酸塩など)を混合し、この原料混合物を焼成するなどして製造することができる。
なお、より高い純度でリチウム含有金属酸化物(B)を合成するには、Co、元素Mおよび元素Mのうちの複数の元素を含む複合化合物(水酸化物、酸化物など)と、他の原料化合物(Li含有化合物など)とを混合し、この原料混合物を焼成することが好ましい。
リチウム含有金属酸化物(B)を合成するための原料混合物の焼成条件は、例えば、800〜1050℃で1〜24時間とすることができるが、一旦焼成温度よりも低い温度(例えば、250〜850℃)まで加熱し、その温度で保持することにより予備加熱を行い、その後に焼成温度まで昇温して反応を進行させることが好ましい。予備加熱の時間については特に制限はないが、通常、0.5〜30時間程度とすればよい。また、焼成時の雰囲気は、酸素を含む雰囲気(すなわち、大気中)、不活性ガス(アルゴン、ヘリウム、窒素など)と酸素ガスとの混合雰囲気、酸素ガス雰囲気などとすることができるが、その際の酸素濃度(体積基準)は、15%以上であることが好ましく、18%以上であることが好ましい。
正極合剤層における正極活物質の含有量は、94〜98質量%であることが好ましい。
正極の導電助剤には、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などのグラファイト類;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカ−ボンブラック類;炭素繊維;などの炭素材料を用いることが好ましく、また、金属繊維などの導電性繊維類;フッ化カーボン;アルミニウムなどの金属粉末類;酸化亜鉛;チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料;などを用いることもできる。
正極合剤層における導電助剤の含有量は、充電時における正極でのリチウムイオンの脱離スピードを抑制して、負極でのリチウムイオンの受け入れスピードとのバランスをより良好にし、電池の充放電に伴う負極表面でのリチウムデンドライトの発生を高度に抑制して、電池の充放電サイクル特性をより高める観点から、2.0質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以下であることがより好ましい。ただし、正極合剤層中の導電助剤の量が少なすぎると、正極合剤層中の導電性が低下して、電池の容量低下などを引き起こす虞があることから、正極合剤層における導電助剤の含有量は、0.5質量%を超えていることが好ましく、1.0質量%以上であることがより好ましい。
正極合剤層にはさらにフィラーが含有される。フィラーを添加することで正極活物質の触媒性が緩和され、活物質からのコバルトイオンの溶出や電解液と正極活物質または正極活物質に付着した導電性助剤表面での電解液の分解反応を抑制することが可能となる。これらにより、コバルトイオンや電解液の分解生成物がセパレータ及び負極で析出するのを抑制することができ、負極やセパレータが受けるダメージが軽減されるので、サイクル特性の劣化を抑制することができる。更に、電解液の分解反応を抑制することによりガスの発生を抑えることが出来るため、充放電サイクル後の電池の膨れを抑制することが出来る。
前記正極合剤層におけるフィラーとしては、耐酸化性が高いこと、電解液との反応性が低いなどの理由から、無機フィラーが好ましく、特に、Mg、Al、Si、Ti、Mn、Zr、Nb、Sn、W、Er、BaおよびSrよりなる群から選択させる少なくとも1種類を含む酸化物、または水和物が好ましい。例えば、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の酸化物と、ベーマイトなどの水酸化酸化物などである。
前記正極合剤層におけるフィラーの含有量は、前述の効果を発揮させるために、正極合剤層中に0.1質量%以上含有する。好ましくは0.3質量%以上である。しかし、フィラーの含有量を高めると、負荷特性が悪化するため、3質量%以下の含有量とする。好ましくは、1質量%以下である。
前記フィラーの平均粒子径は、正極活物質表面に均一に分散させるためには高すぎても低すぎても不適であるため、0.001〜1.5μmの範囲で選択することが好ましい。
本発明の電池に係る正極のバインダとしては、公知のものを使用することが出来る。ところで、正極のバインダとしては、一般的にはPVDFが用いられる。
ところで、正極のバインダとしてPVDFを用い、正極活物質としてニッケルを含むリチウム含有金属酸化物を用いて正極を作製すると、正極スラリーがゲル化しやすい。また、4.2Vを超える電圧まで充電するとPVDF由来のフッ酸の脱離が起こりやすくなり、電解液の分解を促進することがある。そこで、本発明の電池に係る正極は、正極合剤層の全バインダ中のPVDFの割合を80質量%以下とするのが好ましい。PVDF以外のバインダとしては、正極溶媒に溶解可能なポリマーを使用することが出来る。これは、正極合剤層内において、正極活物質粒子の表面に皮膜を形成する。この皮膜によって、正極合剤層形成用スラリーのゲル化を抑制し、また充電時における非水電解液中の分解反応が抑制される。PVDFは正極のバインダとして必ずしも使用しなくても良いので、正極合剤層の全バインダ中のPVDFの割合の下限値は0質量%である。
本発明の電池に係る正極は、リチウム含有金属酸化物(A)を含む正極活物質、導電助剤および溶媒に溶解可能なポリマーを含むバインダを、溶媒に溶解または分散させて調製した正極合剤層形成用スラリーを使用し、これを集電体の表面に塗布する工程を経て製造することが一般的である。この場合、正極合剤層形成用スラリーに使用する溶媒は、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)のような有機溶媒が好ましく、このような溶媒に溶解可能なポリマー、具体的には、アクリロニトリル、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルよりなる群から選択される少なくとも1種のモノマーを含む2種以上のモノマーにより形成される共重合体;水素化ニトリルゴム;フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(VDF−CTFE)、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体(VDF−TFE)、またはフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体(VDF−HFP−TFE)などがあげられる。溶媒に溶解可能なポリマーは、例えば前記の例示のもののうち1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
正極合剤層におけるバインダの含有量は、正極合剤層における正極活物質や導電助剤を良好に結着できるようにして、これらの正極合剤層からの脱離を防止し、この正極が用いられる電池の信頼性をより良好に高める観点から、1質量%以上であることが好ましい。ただし、正極合剤層中のバインダの量が多すぎると、正極活物質の量や導電助剤の量が少なくなって、高容量化の効果が小さくなる虞がある。よって、正極合剤層におけるバインダの含有量は、1.6質量%以下であることが好ましい。
正極を作製するにあたっては、前記の正極活物質、導電助剤およびバインダなどを含む正極合剤を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤を用いて均一に分散させたペースト状やスラリー状の組成物を調製し(バインダは溶剤に溶解していてもよい)、この組成物を正極集電体表面に塗布して乾燥し、必要に応じてプレス処理により正極合剤層の厚みや密度を調整する方法が採用できる。ただし、本発明の正極の作製方法は前記の方法に限られず、他の方法を採用しても構わない。
正極集電体の材質は、電池内において化学的に安定な電子伝導体であれば特に限定されない。例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、炭素、導電性樹脂などの他に、アルミニウム、アルミニウム合金またはステンレス鋼の表面に炭素層またはチタン層を形成した複合材などを用いることができる。このような材質で構成される正極集電体の中でも、アルミニウムやアルミニウム合金で構成された箔、フィルムなどが好ましい。
正極集電体は、その厚みが、11μm以下、好ましくは10μm以下である。正極集電体を薄くすることで、非水電解質二次電池の内容積のうち、正極集電体によって占有される割合を可及的に小さくすることができるため、このような正極を用いて形成される非水電解質二次電池では、内部への非水電解質の導入量をより多くすることが可能となる。
充電の上限電圧を4.3V以上に設定することで高容量化を図った場合には、非水電解質二次電池が充電された状態での正極の電位が非常に高くなるため、非水電解質の酸化分解が起こり、正極中の非水電解質が不足することにより、正極中に含まれる正極活物質の表層に分解生成物が堆積したり、粒子間のイオン伝導経路が減少したりし、これらが電池の充放電サイクル特性の低下の原因となる虞がある。しかしながら、前記のような薄い正極集電体を使用し、非水電解質二次電池の内部への非水電解質の導入量を多くした場合には、前記の問題の発生を抑えて、この問題の発生に起因する充放電サイクル特性の低下を抑制することができる。
ただし、正極集電体が薄すぎると、強度が不足して正極や電池の生産性が損なわれる虞があることから、正極集電体の厚みは、6μm以上であることが好ましい。
正極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり、30〜80μmであることが好ましい。また、正極合剤層においては、より高容量とする観点から、充填率が75%以上であることが好ましい。ただし、正極合剤層の充填率が高すぎると、正極合剤層中の空孔が少なくなりすぎて、正極合剤層中への非水電解質(非水電解液)の浸透性が低下する虞があることから、その充填率は、83%以下であることが好ましい。正極合剤層の充填率は、下記式により求められる。
充填率(%) = 100×(正極合剤層の実密度/正極合剤層の理論密度)
正極合剤層の充填率を算出するための前記式における「正極合剤層の理論密度」とは、正極合剤層の各構成成分の密度と含有量とから算出される密度(正極合剤層中に空孔が存在しないものとして求めた密度)であり、「正極合剤層の実密度」とは、以下の方法により測定されるものである。まず、正極を1cm×1cmの大きさに切り取り、マイクロメータで厚み(l)を、精密天秤で質量(m)を測定する。次に、正極合剤層を削り取り、集電体のみを取り出して、その集電体の厚み(l)と質量(m)を正極と同様に測定する。得られた厚みと質量から、以下の式によって正極合剤層の実密度(dca)を求める(前記の厚みの単位はcm、質量の単位はgである)。
ca=(m−m)/(l−l
また、正極には、必要に応じて、非水電解質二次電池内の他の部材と電気的に接続するためのリード体を、常法に従って形成してもよい。
本発明の非水電解質二次電池は、正極、負極、セパレータおよび非水電解質を備えており、正極として本発明の正極を有していればよく、その他の構成および構造については特に制限はなく、従来から知られている非水電解質二次電池に採用されている各構成および構造を適用することができる。
本発明の非水電解質二次電池に係る負極には、例えば、負極活物質やバインダ、更には必要に応じて導電助剤などを含有する負極合剤層を、集電体の片面または両面に有する構造のものを使用することができる。
負極活物質としては、例えば、黒鉛〔鱗片状黒鉛などの天然黒鉛;熱分解炭素類、メソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などの易黒鉛化炭素を2800℃以上で黒鉛化処理した人造黒鉛;など〕、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭、リチウムと合金化可能な金属(Si、Snなど)またはその合金、酸化物などが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を用いることができる。
負極活物質としては、特に非水電解質二次電池の高容量化を図るために、Siを含む負極材料である材料Sを用いることが好ましい。材料Sとしては、例えばSi粉末と炭素とを複合化した材料やこれに更に炭素材料を被覆した材料、Si粉末をグラフェンまたは鱗片状黒鉛で挟み込んだ材料、SiとOを構成元素に含むSiO(ただし、Siに対するOの原子比xは、0.5≦x≦1.5である)を含む材料が挙げられる。中でもSiOを含む材料を用いるのが好ましい。
SiOは、Siの微結晶または非晶質相を含んでいてもよく、この場合、SiとOの原子比は、Siの微結晶または非晶質相のSiを含めた比率となる。すなわち、SiOには、非晶質のSiOマトリックス中に、Si(例えば、微結晶Si)が分散した構造のものが含まれ、この非晶質のSiOと、その中に分散しているSiを合わせて、前記の原子比xが0.5≦x≦1.5を満足していればよい。例えば、非晶質のSiOマトリックス中に、Siが分散した構造で、SiOとSiのモル比が1:1の材料の場合、x=1であるので、構造式としてはSiOで表記される。このような構造の材料の場合、例えば、X線回折分析では、Si(微結晶Si)の存在に起因するピークが観察されない場合もあるが、透過型電子顕微鏡で観察すると、微細なSiの存在が確認できる。
そして、SiOは、炭素材料と複合化した複合体であることが好ましく、例えば、SiOの表面が炭素材料で被覆されていることが望ましい。SiOは導電性が乏しいため、これを負極活物質として用いる際には、良好な電池特性確保の観点から、導電性材料(導電助剤)を使用し、負極内におけるSiOと導電性材料との混合・分散を良好にして、優れた導電ネットワークを形成する必要がある。SiOを炭素材料と複合化した複合体であれば、例えば、単にSiOと炭素材料などの導電性材料とを混合して得られた材料を用いた場合よりも、負極における導電ネットワークが良好に形成される。
SiOと炭素材料との複合体としては、前記のように、SiOの表面を炭素材料で被覆したものの他、SiOと炭素材料との造粒体などが挙げられる。
また、前記の、SiOの表面を炭素材料で被覆した複合体を、更に導電性材料(炭素材料など)と複合化して用いることで、負極において更に良好な導電ネットワークの形成が可能となるため、より高容量で、より電池特性(例えば、充放電サイクル特性)に優れた非水電解質二次電池の実現が可能となる。炭素材料で被覆されたSiOと炭素材料との複合体としては、例えば、炭素材料で被覆されたSiOと炭素材料との混合物を更に造粒した造粒体などが挙げられる。
また、表面が炭素材料で被覆されたSiOとしては、SiOとそれよりも比抵抗値が小さい炭素材料との複合体(例えば造粒体)の表面が、更に炭素材料で被覆されてなるものも、好ましく用いることができる。前記造粒体内部でSiOと炭素材料とが分散した状態であると、より良好な導電ネットワークを形成できるため、SiOを負極活物質として含有する負極を有する非水電解質二次電池において、重負荷放電特性などの電池特性を更に向上させることができる。
SiOとの複合体の形成に用い得る前記炭素材料としては、例えば、低結晶性炭素、カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維などの炭素材料が好ましいものとして挙げられる。
前記炭素材料の詳細としては、繊維状またはコイル状の炭素材料、カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラックを含む)、人造黒鉛、易黒鉛化炭素および難黒鉛化炭素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の材料が好ましい。繊維状またはコイル状の炭素材料は、導電ネットワークを形成し易く、かつ表面積の大きい点において好ましい。カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラックを含む)、易黒鉛化炭素および難黒鉛化炭素は、高い電気伝導性、高い保液性を有しており、更に、SiO粒子が膨張収縮しても、その粒子との接触を保持しやすい性質を有している点において好ましい。
負極活物質としてSiOを使用する場合、後述するように黒鉛も負極活物質として併用することが好ましいが、この黒鉛を、SiOと炭素材料との複合体に係る炭素材料として使用することもできる。黒鉛も、カーボンブラックなどと同様に、高い電気伝導性、高い保液性を有しており、更に、SiO粒子が膨張収縮しても、その粒子との接触を保持し易い性質を有しているため、SiOとの複合体形成に好ましく使用することができる。
前記例示の炭素材料の中でも、SiOとの複合体が造粒体である場合に用いるものとしては、繊維状の炭素材料が特に好ましい。繊維状の炭素材料は、その形状が細い糸状であり柔軟性が高いために電池の充放電に伴うSiOの膨張収縮に追従でき、また、嵩密度が大きいために、SiO粒子と多くの接合点を持つことができるからである。繊維状の炭素としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブなどが挙げられ、これらの何れを用いてもよい。
繊維状の炭素材料は、例えば、気相法にてSiO粒子の表面に形成することもできる。
SiOの比抵抗値が、通常、10〜10kΩcmであるのに対して、前記例示の炭素材料の比抵抗値は、通常、10−5〜10kΩcmである。また、SiOと炭素材料との複合体は、粒子表面の炭素材料被覆層を覆う材料層(難黒鉛化炭素を含む材料層)を更に有していてもよい。
負極にSiOと炭素材料との複合体を使用する場合、SiOと炭素材料との比率は、炭素材料との複合化による作用を良好に発揮させる観点から、SiO:100質量部に対して、炭素材料が、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましい。また、前記複合体において、SiOと複合化する炭素材料の比率が多すぎると、負極合剤層中のSiO量の低下に繋がり、高容量化の効果が小さくなる虞があることから、SiO:100質量部に対して、炭素材料は、50質量部以下であることが好ましく、40質量部以下であることがより好ましい。
前記のSiOと炭素材料との複合体は、例えば下記の方法によって得ることができる。
まず、SiOを複合化する場合の作製方法について説明する。SiOが分散媒に分散した分散液を用意し、それを噴霧し乾燥して、複数の粒子を含む複合粒子を作製する。分散媒としては、例えば、エタノールなどを用いることができる。分散液の噴霧は、通常、50〜300℃の雰囲気内で行うことが適当である。前記の方法以外にも、振動型や遊星型のボールミルやロッドミルなどを用いた機械的な方法による造粒方法においても、同様の複合粒子を作製することができる。
なお、SiOと、SiOよりも比抵抗値の小さい炭素材料との造粒体を作製する場合には、SiOが分散媒に分散した分散液中に前記炭素材料を添加し、この分散液を用いて、SiOを複合化する場合と同様の手法によって複合粒子(造粒体)とすればよい。また、前記と同様の機械的な方法による造粒方法によっても、SiOと炭素材料との造粒体を作製することができる。
次に、SiO粒子(SiO複合粒子、またはSiOと炭素材料との造粒体)の表面を炭素材料で被覆して複合体とする場合には、例えば、SiO粒子と炭化水素系ガスとを気相中にて加熱して、炭化水素系ガスの熱分解により生じた炭素を、粒子の表面上に堆積させる。このように、気相成長(CVD)法によれば、炭化水素系ガスが複合粒子の隅々にまで行き渡り、粒子の表面や表面の空孔内に、導電性を有する炭素材料を含む薄くて均一な皮膜(炭素材料被覆層)を形成できることから、少量の炭素材料によってSiO粒子に均一性よく導電性を付与できる。
炭素材料で被覆されたSiOの製造において、気相成長(CVD)法の処理温度(雰囲気温度)については、炭化水素系ガスの種類によっても異なるが、通常、600〜1200℃が適当であり、中でも、700℃以上であることが好ましく、800℃以上であることが更に好ましい。処理温度が高い方が不純物の残存が少なく、かつ導電性の高い炭素を含む被覆層を形成できるからである。
炭化水素系ガスの液体ソースとしては、トルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレンなどを用いることができるが、取り扱いやすいトルエンが特に好ましい。これらを気化させる(例えば、窒素ガスでバブリングする)ことにより炭化水素系ガスを得ることができる。更に、メタンガスやアセチレンガスなどを用いることもできる。
また、気相成長(CVD)法にてSiO粒子(SiO複合粒子、またはSiOと炭素材料との造粒体)の表面を炭素材料で覆った後に、石油系ピッチ、石炭系のピッチ、熱硬化性樹脂、およびナフタレンスルホン酸塩とアルデヒド類との縮合物よりなる群から選択される少なくとも1種の有機化合物を、炭素材料を含む被覆層に付着させた後、前記有機化合物が付着した粒子を焼成してもよい。
具体的には、炭素材料で被覆されたSiO粒子(SiO複合粒子、またはSiOと炭素材料との造粒体)と、前記有機化合物とが分散媒に分散した分散液を用意し、この分散液を噴霧し乾燥して、有機化合物によって被覆された粒子を形成し、その有機化合物によって被覆された粒子を焼成する。
前記ピッチとしては等方性ピッチを、熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂、フラン樹脂、フルフラール樹脂などを用いることができる。ナフタレンスルホン酸塩とアルデヒド類との縮合物としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物を用いることができる。
炭素材料で被覆されたSiO粒子と前記有機化合物とを分散させるための分散媒としては、例えば、水、アルコール類(エタノールなど)を用いることができる。分散液の噴霧は、通常、50〜300℃の雰囲気内で行うことが適当である。焼成温度は、通常、600〜1200℃が適当であるが、中でも700℃以上が好ましく、800℃以上であることが更に好ましい。処理温度が高い方が不純物の残存が少なく、かつ導電性の高い良質な炭素材料を含む被覆層を形成できるからである。ただし、処理温度はSiOの融点以下であることを要する。
負極活物質に材料S(好ましくはSiOを含む負極材料)を使用する場合には、黒鉛も併用することが好ましい。材料Sは、非水電解質二次電池の負極活物質として汎用されている炭素材料に比べて高容量である一方で、電池の充放電に伴う体積変化量が大きいため、材料Sの含有量の高い負極合剤層を有する負極を用いた非水電解質二次電池では、充放電の繰り返しによって負極(負極合剤層)が大きく体積変化して劣化するため、充放電サイクル特性の向上効果が小さくなる虞がある。黒鉛は、非水電解質二次電池の負極活物質として汎用されており、比較的容量が大きい一方で、電池の充放電に伴う体積変化量が材料Sに比べて小さい。よって、負極活物質に材料Sと黒鉛とを併用することで、材料Sの使用量の低減に伴って電池の容量向上効果が小さくなることを可及的に抑制しつつ、電池の充放電サイクル特性の向上効果が小さくなることを良好に抑えることができることから、より高容量であり、より充放電サイクル特性に優れた非水電解質二次電池とすることが可能となる。
前記の材料Sと共に負極活物質として使用する黒鉛としては、例えば、鱗片状黒鉛などの天然黒鉛;熱分解炭素類、メソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などの易黒鉛化炭素を2800℃以上で黒鉛化処理した人造黒鉛;などが挙げられる。中でも、平均粒子径が15μmを超え25μm以下の黒鉛Aと、平均粒子径が8μm以上15μm以下であり、かつ黒鉛粒子の表面が非晶質炭素で被覆されている黒鉛Bとを用いることが好ましい。
前記の黒鉛Aと黒鉛Bとを使用した場合には、負極でのリチウムイオンの受け入れスピードを高めることができる。そのため、例えば非水電解質二次電池の充電の上限電圧を、通常採用されている4.2Vから高めて4.3V以上とすることで、充電時の正極からのリチウムイオンの脱離スピードが高まっても、負極表面近傍で停滞するリチウムイオンの量を減らして、負極表面でのリチウムデンドライトの析出を抑制することができる。よって、負極活物質に黒鉛Aと黒鉛Bとを併用した電池とすることで、充電時の上限電圧を高めた場合でも、充放電サイクル特性や連続充電特性、熱安定性をより良好にすることができる。
黒鉛Aは、黒鉛B以外の黒鉛であり、例えば高結晶の天然黒鉛、人造黒鉛が挙げられる。また、前記天然黒鉛を用いる場合は、更に高温で熱処理を施したり、人造黒鉛の微粒子(粒状、扁平状など)を被覆させたり、樹脂などの有機物を被覆させて用いてもよい。更に、平均粒子径が前述の範囲にあれば、前記黒鉛Aには2種以上の黒鉛を用いても構わない。
黒鉛Bは、母粒子となる黒鉛粒子と、その表面を被覆する非晶質炭素とで構成されている。具体的には、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比であるR値が0.1〜0.6となる黒鉛である。このような黒鉛Bは、例えばd002が0.338nm以下である天然黒鉛または人造黒鉛を球状に賦形した黒鉛を母材(母粒子)とし、その表面を有機化合物で被覆し、800〜1500℃で焼成した後、解砕し、篩を通して整粒することによって得ることができる。なお、前記母材を被覆する有機化合物としては、芳香族炭化水素;芳香族炭化水素を加熱加圧下で重縮合して得られるタールまたはピッチ類;芳香族炭化水素の混合物を主成分とするタール、ピッチまたはアスファルト類;などが挙げられる。前記母材を前記有機化合物で被覆するには、前記有機化合物に前記母材を含浸・混捏する方法が採用できる。また、プロパンやアセチレンなどの炭化水素ガスを熱分解により炭素化し、これをd002が0.338nm以下の黒鉛の表面に堆積させる気相法によっても、黒鉛Bを作製することができる。
黒鉛Aは平均粒子径が25μm以下であり、黒鉛Bは平均粒子径が15μm以下である。このようなサイズの黒鉛Aと黒鉛Bとを併用することで、充電時における負極でのリチウムイオンの受け入れスピードを高めることができる。
なお、黒鉛Aは、粒径が小さすぎると、比表面積が過度に高まる(不可逆容量が増大する)ことから、その粒径が、あまり小さくないことが望ましい。よって、黒鉛Aの平均粒子径は15μm超である。また、黒鉛Bも、粒径が小さすぎると、表面を被覆する非晶質炭素の被覆量などがばらつき、黒鉛Bの特長が十分に発揮できなくなるなどの理由があることから、その粒径が、あまり小さくないことが望ましい。よって、黒鉛Bの平均粒子径は、8μm以上である。
本明細書でいう黒鉛(黒鉛A、黒鉛B、およびこれら以外の黒鉛)の平均粒子径は、例えば、レーザー散乱粒度分布計(例えば、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分布測定装置「HRA9320」)を用い、黒鉛を溶解したり膨潤したりしない媒体に、黒鉛を分散させて測定した粒度分布の小さい粒子から積分体積を求める場合の体積基準の積算分率における50%径の値(D50%)メディアン径である。
黒鉛Aおよび黒鉛Bの比表面積(BET法による。装置例は日本ベル社製「ベルソープミニ」など。)は、1.0m/g以上であることが好ましく、また、5.0m/g以下であることが好ましい。尚、黒鉛以外の材料における平均粒子径および比表面積の測定方法は、上述の測定方法を用いる。
負極活物質に黒鉛Aと黒鉛Bとを使用する場合、黒鉛Aと黒鉛Bの合計量中における黒鉛Aの量は、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、また、80質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。
負極活物質に材料Sと黒鉛とを併用する場合(前記の黒鉛Aと黒鉛Bとを共に使用する場合を含む)、材料Sを使用することによる高容量化の効果を良好に確保する観点から、全負極活物質中における材料Sの含有量が、5質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。また、充放電に伴う材料Sの体積変化による問題をより良好に回避する観点から、全負極活物質中における材料S含有量が、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましい。
負極のバインダには、正極に使用し得るものとして先に例示したものと同じものを使用することができる。また、負極に導電助剤を用いる場合、その導電助剤には、正極に使用し得るものとして先に例示したものと同じものが使用できる。
負極は、例えば、負極活物質およびバインダ、更には必要に応じて使用される導電助剤を、NMPや水などの溶剤に分散させたペースト状やスラリー状の負極合剤含有組成物を調製し(ただし、バインダは溶剤に溶解していてもよい)、これを集電体の片面または両面に塗布し、乾燥した後に、必要に応じてカレンダー処理などのプレス処理を施す工程を経て製造される。ただし、負極は、前記の製造方法で製造されたものに限定される訳ではなく、他の方法で製造したものであってもよい。
また、負極には、必要に応じて、非水電解質二次電池内の他の部材と電気的に接続するためのリード体を、常法に従って形成してもよい。
負極の集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、機械的強度を確保するために下限は5μmであることが望ましい。
負極合剤層の組成としては、例えば、負極活物質を80.0〜99.8質量%とし、バインダを0.1〜10質量%とすることが好ましい。更に、負極合剤層に導電助剤を含有させる場合には、負極合剤層における導電助剤の量を0.1〜10質量%とすることが好ましい。また、負極合剤層の厚み(集電体の片面あたりの厚み)は、10〜100μmであることが好ましい。
非水電解質としては、例えば、下記の溶媒中に、リチウム塩を溶解させることで調製した溶液(非水電解液)が使用できる。
溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、γ−ブチロラクトン(γ-
BL)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、燐酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、ジエチルエーテル、1,3−プロパンサルトンなどの非プロトン性有機溶媒を1種単独で、または2種以上を混合した混合溶媒として用いることができる。
非水電解液に係るリチウム塩としては、例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO3(n≧2)、LiN(RfOSO〔ここでRfはフルオロアルキル基〕などのリチウム塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらのリチウム塩の非水電解液中の濃度としては、0.6〜1.8mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.6mol/lとすることがより好ましい。
非水電解質二次電池に使用する非水電解質には、充放電サイクル特性の更なる改善や、高温貯蔵性や過充電防止などの安全性を向上させる目的で、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、無水酸、スルホン酸エステル、ジニトリル、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼンなどの添加剤(これらの誘導体も含む)を適宜加えることもできる。
更に、非水電解質二次電池の非水電解質には、前記の非水電解液に、ポリマーなどの公知のゲル化剤を添加してゲル化したもの(ゲル状電解質)を用いることもできる。
セパレータは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレートや共重合ポリエステルなどのポリエステル;などで構成された多孔質膜であることが好ましい。なお、セパレータは、100〜140℃において、その孔が閉塞する性質(すなわちシャットダウン機能)を有していることが好ましい。そのため、セパレータは、融点、すなわち、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度が、100〜140℃の熱可塑性樹脂を成分とするものがより好ましく、ポリエチレンを主成分とする単層の多孔質膜であるか、ポリエチレンとポリプロピレンとを2〜5層積層した積層多孔質膜などの多孔質膜を構成要素とする積層多孔質膜であることが好ましい。ポリエチレンとポリプロピレンなどのポリエチレンより融点の高い樹脂を混合または積層して用いる場合には、多孔質膜を構成する樹脂としてポリエチレンが30質量%以上であることが望ましく、50質量%以上であることがより望ましい。
このような樹脂多孔質膜としては、例えば、従来から知られているリチウムイオン二次電池などで使用されている前記例示の熱可塑性樹脂で構成された多孔質膜、すなわち、溶剤抽出法、乾式または湿式延伸法などにより作製されたイオン透過性の多孔質膜を用いることができる。
セパレータの平均孔径は、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上であって、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。
また、セパレータの特性としては、JIS P 8117に準拠した方法で行われ、0.879g/mmの圧力下で100mlの空気が膜を透過する秒数で示されるガーレー値が、10〜500secであることが望ましい。透気度が大きすぎると、イオン透過性が小さくなり、他方、小さすぎると、セパレータの強度が小さくなることがある。更に、セパレータの強度としては、直径1mmのニードルを用いた突き刺し強度で50g以上であることが望ましい。かかる突き刺し強度が小さすぎると、リチウムのデンドライト結晶が発生した場合に、セパレータの突き破れによる短絡が発生する場合がある。
前記セパレータとして、熱可塑性樹脂を主体とする多孔質層(I)と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む多孔質層(II)とを有する積層型のセパレータを使用してもよい。前記セパレータは、シャットダウン特性と耐熱性(耐熱収縮性)および高い機械的強度とを兼ね備えている。このセパレータの示す高い機械的強度が充放電サイクルに伴う負極の膨張・収縮に対し高い耐性を示し、セパレータのよれを抑制して負極とセパレータと正極間の密着性を保持することが期待される。
本明細書において、「耐熱温度が150℃以上」とは、少なくとも150℃において軟化などの変形が見られないことを意味している。
セパレータに係る多孔質層(I)は、主にシャットダウン機能を確保するためのものであり、電池が多孔質層(I)の主体となる成分である熱可塑性樹脂の融点以上に達したときには、多孔質層(I)に係る熱可塑性樹脂が溶融してセパレータの空孔を塞ぎ、電気化学反応の進行を抑制するシャットダウンを生じる。
多孔質層(I)の主体となる熱可塑性樹脂としては、融点、すなわち、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度が140℃以下の樹脂が好ましく、具体的には、例えばポリエチレンが挙げられる。また、多孔質層(I)の形態としては、電池用のセパレータとして通常用いられている微多孔膜や、不織布などの基材にポリエチレンの粒子を含む分散液を塗布し、乾燥するなどして得られるものなどのシート状物が挙げられる。ここで、多孔質層(I)の構成成分の全体積中〔空孔部分を除く全体積。セパレータに係る多孔質層(I)および多孔質層(II)の構成成分の体積含有率に関して、以下同じ。〕において、主体となる熱可塑性樹脂の体積含有率は、50体積%以上であり、70体積%以上であることがより好ましい。なお、例えば多孔質層(I)を前記ポリエチレンの微多孔膜で形成する場合は、熱可塑性樹脂の体積含有率が100体積%となる。
セパレータに係る多孔質層(II)は、電池の内部温度が上昇した際にも正極と負極との直接の接触による短絡を防止する機能を備えたものであり、耐熱温度が150℃以上のフィラーによって、その機能を確保している。すなわち、電池が高温となった場合には、たとえ多孔質層(I)が収縮しても、収縮し難い多孔質層(II)によって、セパレータが熱収縮した場合に発生し得る正負極の直接の接触による短絡を防止することがでる。また、この耐熱性の多孔質層(II)がセパレータの骨格として作用するため、多孔質層(I)の熱収縮、すなわちセパレータ全体の熱収縮自体も抑制できる。
多孔質層(II)に係るフィラーは、耐熱温度が150℃以上で、電池の有する電解液に対して安定であり、更に電池の作動電圧範囲において酸化還元されにくい電気化学的に安定なものであれば、無機粒子でも有機粒子でもよいが、分散などの点から微粒子であることが好ましく、また、無機酸化物粒子、より具体的には、アルミナ、シリカ、ベーマイトが好ましい。アルミナ、シリカ、ベーマイトは、耐酸化性が高く、粒径や形状を所望の数値などに調整することが可能であるため、多孔質層(II)の空孔率を精度よく制御することが容易となる。なお、耐熱温度が150℃以上のフィラーは、例えば前記例示のものを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の非水電解質二次電池において、本発明の正極と前記の負極とは、前記のセパレータを介して積層した積層電極体、または前記のセパレータを介して積層した後、渦巻状に巻回して形成した巻回電極体として使用される。
本発明の非水電解質二次電池は、例えば、積層電極体や巻回電極体を外装体内に装填し、更に外装体内に非水電解質を注入して非水電解質中に電極体を浸漬させた後、外装体の開口部を封止することで製造される。外装体には、スチール製やアルミニウム製、アルミニウム合金製の筒形(角筒形や円筒形など)の外装缶や、金属を蒸着したラミネートフィルムで構成される外装体などを用いることができる。
積層電極体の場合には、巻回電極体に比べて、電池の充放電によって負極の体積が変化しても、正極との間の距離を保ちやすいため、電池特性がより良好に維持される。これらの理由から、本発明の非水電解質二次電池では、積層電極体を使用することがより好ましい。
一方、負極活物質としてSiを含む負極材料である材料Sを用いる場合、SiはLiと合金化することでLiイオンの導入がされることが知られているが、同時にLi導入時の体積膨張が大きいことでも知られている。
Siを含む材料Sは、1000mAh/g以上の容量を示し、黒鉛の理論容量と言われる372mAh/gを大幅に上回ることが特徴である。一方、一般的な黒鉛の充放電効率(90%以上)と比較し、Siを含む材料Sでは初回の充放電効率が80%を下回るものが多く、不可逆容量が増えるためサイクル特性に問題があった。そこであらかじめLi源を負極に導入することが望ましい。
負極活物質にLiを導入する方法として、負極合剤層に金属リチウム箔貼り付け・Li蒸着層形成等、負極合剤層を形成した後に合剤層と面対向するようにLi源を配置し、電気化学的接触(短絡)させてLiを導入する方法があげられる。ところが、合剤層と面対向させてLiを導入させると、積層電極体内の負極合剤層ごとにLi源を配置しなければならず、生産効率が劣る。そこで、正極および負極の集電体を、一方の面から他方の面へ貫通する孔を有するものにする。そうすると積層電極体の積層方向の最外面にのみLi源を面対向させることで、金属箔の貫通孔を通って積層電極体全体にLiイオンが拡散し、全ての負極にLiイオンを導入することが出来る。
しかしながら、材料SはLiイオンを多く受け入れることが出来る分、Liイオン受け入れに伴う膨張が顕著であるため、Li源と最も近い負極の負極合剤層は、最も多くのLiイオンを受け入れて大きく膨張し、負極集電体と接着状態を保てなくなり脱落してしまうことがある。
そこで、積層電極体の側面にLi源を配すれば、多くのLi源配置の煩雑性を排除し、更に集電体を顕著な膨張収縮に耐えられる構成のものを用いることが出来る。
積層電極体の端面にLi源を配置した場合の非水電解質二次電池の構成について例示する。非水電解質二次電池では、例えば正極および負極を,セパレータを介して積層した積層電極体の側面(合剤層と対面しない面)にLiが配置されるとともに、前記負極と電気的に導通した第3電極を有する。第3電極のLiは、負極合剤層にLiを導入するためのLi源である。
ここで、積層電極体について説明する。図1、図2に正極10と負極20の一例を示す。正極10は正極集電体であるアルミニウム製の金属箔の両面に正極合剤層11が塗布されている。正極10は正極タブ部13を有し、負極20は、負極集電体である銅製の金属箔の両面に負極合剤層21が塗布されている。
図3は、積層電極体50の一例を示す。積層電極体は、負極20、セパレータ40、正極10、セパレータ40、負極20・・・・・と、正極と負極とをセパレータを介して積層し形成する。この時、積層電極体の積層方向と平行な面を積層電極体の側面(例えば図3では点線の仮想面210で示している)と呼び、積層電極体の積層方向と垂直な面を積層電極体の平面(図3では211で示す)と呼ぶ。図3では積層電極体50のセパレータは、正極と負極の間に1枚ずつ配置しているが、長尺状のセパレータをZ字様に折り曲げて、その間に正極および負極を配置するようにしても良い。また、電極の枚数も図3のように3枚ずつには限るものではない。更に、複数の正極タブ部および負極タブ部は、それぞれ正極外部端子および負極外部端子に接続されていても良いが、図3および図5では割愛している。
図3では積層電極体の側面、平面はそれぞれ1面ずつしか示していないが、これに限られず、例えば積層電極体の側面は図3の点線仮想面の反対面にも存在し、積層電極体の平面もしかりである。積層電極体の側面は図3では平面を示しているが、電極の形状によっては曲面であっても良い。積層電極体の平面は、正極、負極、セパレータのいずれかの片面がそれに該当することになる。
図4には、Li源となる第3電極30を示す。第3電極30は、第3電極集電体32とLi源33とを有する。図4では第3電極集電体32は第3電極タブ部31を有する。
図5には、積層電極体50に第3電極30を合わせた状態を示す。第3電極集電体32を、積層電極体50の対向する2つの側面を覆う様に、アルファベットC字状に折り曲げている。この時、Li源33は、積層電極体50の側面に配置されるよう第3電極集電体32に張り付けられている。図4、5においては、Li源33を第3電極集電体32の両側面、にそれぞれ配置しているが、片方の面のみであってもよく、積層電極体50の上側(紙面上側)あるいは下側(紙面下側)の側面に配置してもよい。
第3電極は、例えば銅やニッケルなどの金属箔(一方の面から他方の面へ貫通する貫通孔を有したものも含む)、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを集電体とし、第3電極集電体に所定量のLi箔を圧着することで作製することができる。もちろん、第3電極集電体にLi箔を圧着した後、Liが所定量となるよう第3電極集電体を切り出すことで作製されてもよい。
第3電極集電体にLiを圧着した第3電極は、例えば第3電極集電体が有するタブ部と、積層型電極体の負極の有するタブ部とを溶接することで、積層型電極体の負極と電気的に導通することができる。第3電極は、積層型電極体の負極と電気的に導通されていれば、その手法や形態に制限はなく、溶接以外の方法で電気的導通が確保されていてもよい。
積層電極体を用いる場合に係る外装体には、金属ラミネートフィルム外装体を使用することが好ましい。金属ラミネートフィルム外装体は、例えば金属製の外装缶に比べて変形が容易であることから、電池の充電によって負極が膨張しても、負極合剤層や負極集電体の破壊が生じ難いからである。
金属ラミネートフィルム外装体を構成する金属ラミネートフィルムとしては、例えば、外装樹脂層/金属層/内装樹脂層からなる3層構造の金属ラミネートフィルムが使用される。
金属ラミネートフィルムにおける金属層としてはアルミニウムフィルム、ステンレス鋼フィルムなどが、内装樹脂層としては熱融着樹脂(例えば、110〜165℃程度の温度で熱融着性を発現する変性ポリオレフィンアイオノマーなど)で構成されたフィルムが挙げられる。また、金属ラミネートフィルムの外装樹脂層としては、ナイロンフィルム(ナイロン66フィルムなど)、ポリエステルフィルム(ポチエチレンテレフタレートフィルムなど)などが挙げられる。
金属ラミネートフィルムにおいては、金属層の厚みは10〜150μmであることが好ましく、内装樹脂層の厚みは20〜100μmであることが好ましく、外装樹脂層の厚みは20〜100μmであることが好ましい。
外装体の形状については特に制限はないが、例えば、平面視で、3角形、4角形、5角形、6角形、7角形、8角形などの多角形であることが挙げられ、平面視で4角形(矩形または正方形)が一般的である。また、外装体のサイズについても特に制限はなく、所謂薄形や大型などの種々のサイズとすることができる。
金属ラミネートフィルム外装体は、1枚の金属ラミネートフィルムを二つ折りにして構成したものであってもよく、2枚の金属ラミネートフィルムを重ねて構成したものであってもよい。
なお、外装体の平面形状が多角形の場合、正極外部端子を引き出す辺と、負極外部端子を引き出す辺とは、同じ辺であってもよく、異なる辺であってもよい。
外装体における熱融着部の幅は、5〜20mmとすることが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池は、従来のリチウムイオン二次電池と同様に充電の上限電圧を4.2V程度として使用することもできるが、充電の上限電圧を、これよりも高い4.4V以上に設定して使用することも可能であり、これにより高容量化を図りつつ、長期にわたって繰り返し使用しても、安定して優れた特性を発揮することが可能である。なお、非水電解質二次電池の充電の上限電圧は、4.7V以下であることが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池は、従来から知られている非水電解質二次電池と同様の用途に適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
<正極の作製>
正極活物質であるLiNi0.78Co0.20Al0.02〔リチウム含有金属酸化物(A)、前記(b)の測定方法で求めた一次粒子径が0.5μm以上の粒子の割合が50質量%で、最大の一次粒子の粒子径が2μm〕:96.8質量部、導電助剤(カーボンブラック):1.5質量部、フィラー(アルミナ、平均粒子径が0.7μm):0.5質量部およびバインダであるVDF−CTFE:1.2質量部を混合して正極合剤とし、この正極合剤に、溶剤であるNMPを加え、エム・テクニック社製の「クレアミックス CLM0.8(商品名)」を用いて、回転数:10000min−1で30分間処理を行い、ペースト状の混合物とした。この混合物に、溶剤であるNMPを更に加えて、回転数:10000min−1で15分間処理を行い、正極合剤含有組成物を調製した。
前記の正極合剤含有組成物を、集電体であるアルニミウム合金箔(厚み:10.0μm)の両面に塗布し、80℃で12時間真空乾燥を施し、更にプレス処理を施して、集電体の両面に、厚みが56μmの正極合剤層を有する正極を作製した。前記の方法によって求めたプレス処理後の正極合剤層の密度(実密度)は3.65g/cmであり、充填率は76.5%であった。
アルミニウム箔の両面に正極合剤層を形成した帯状の正極を、タブ部とするためにアルミニウム箔(正極集電体)の露出部の一部が突出するように、かつ正極合剤層の形成部が四隅を曲線状とした略四角形状になるようにトムソン刃で打ち抜いて、正極集電体の両面に正極合剤層を有する電池用正極を得た。図1に、前記電池用正極を模式的に表す平面図を示している(ただし、正極の構造の理解を容易にするために、図1に示す正極のサイズは、必ずしも実際のものと一致していない)。正極10は、正極集電体12の露出部の一部が突出するように打ち抜いたタブ部13を有する形状とし、正極合剤層11の形成部の形状を四隅を曲線状にした略四角形とし、図中a、bおよびcの長さを、それぞれ8mm、37mmおよび2mmとした。
なお、得られた正極の一部からリチウム含有金属酸化物(A)の一次粒子径測定用のサンプルを取り、前記(a)の方法で、リチウム含有金属酸化物(A)中の一次粒子径が0.5μm以上の粒子の割合、および最大の一次粒子の粒子径(一次粒子径の最大値)を求めた。
<負極の作製>
表面を非晶質炭素で被覆していない黒鉛A(平均粒子径が22μm):10質量%と、黒鉛からなる母粒子の表面を、ピッチを炭素源とした非晶質炭素で被覆した黒鉛B(平均粒子径が10μm):10質量%と、SiO表面を炭素材料で被覆した複合体(平均粒径が8μm、比表面積が7.9m/gで、複合体における炭素材料の量が20質量%):80質量%を、V型ブレンダーで12時間混合し、負極活物質を得た。
ポリアクリル酸:100質量部をイオン交換水:500質量部に投入して撹拌溶解させた後、NaOH:70質量部を加えてpHが7以下になるまで撹拌溶解させた。さらにイオン交換水を加えて、ポリアクリル酸のナトリウム塩の5質量%水溶液を調整した。この水溶液に、前記負極活物質と、CMCの1質量%水溶液と、カーボンブラックを加え、撹拌混合することで負極合剤用ペーストを得た。なお、本ペーストにおける,負極活物質:カーボンブラック:ポリアクリル酸のナトリウム塩:CMCの組成比(質量比)は、94:1.5:3:1.5とした。
前記負極合剤用ペーストを、厚みが8μmである負極集電体の片面に塗布し乾燥を行って、銅箔の片面に負極合剤層を形成し、プレス処理を行って負極合剤層の密度を1.4g/cmに調整した後に所定の大きさで切断して、帯状の負極を得た。なお、銅箔への負極合剤含有ペーストの塗布の際には、銅箔の一部が露出するようにし、表面で塗布部とした箇所は裏面も塗布部とした。得られた負極の負極合剤層の厚み(負極集電体である銅箔の片面あたりの厚み)は、65μmであった。
前記帯状の負極を、タブ部とするために銅箔(負極集電体)の露出部の一部が突出するように、かつ負極合剤層の形成部が四隅を曲線状とした略四角形状になるようにトムソン刃で打ち抜いて、負極集電体の両面および片面に負極合剤層を有する電池用負極を得た。図2に、前記電池用負極を模式的に表す平面図を示している(ただし、負極の構造の理解を容易にするために、図2に示す負極のサイズは、必ずしも実際のものと一致していない)。負極20は、負極集電体22の露出部の一部が突出するように打ち抜いたタブ部23を有する形状とし、負極合剤層21の形成部の形状を四隅を曲線状にした略四角形とし、図中d、eおよびfの長さを、それぞれ9mm、38mmおよび2mmとした。
<第3電極の作製>
図4に示すように、第3電極30を以下の通り作製した。一方の面から他方の面へ貫通する貫通孔を有した銅箔(厚みが10μm、貫通孔の直径が0.1mm、気孔率が47%)を45×25mmの大きさに裁断し、2×2mm角の第3電極タブ部31を有する第3電極集電体32を作製した。さらに、厚さが200μmであり、質量が18mgであるLi箔33を、第3電極集電体32の両端面にそれぞれ圧着し、アルファベットのC字状に折りたたんで第3電極30を得た。
<電池の組み立て>
負極集電体の片面に負極合剤層を形成した電池用負極2枚、負極集電体の両面に負極合剤層を形成した電池用負極16枚、および正極集電体の両面に正極合剤層を形成した電池用正極17枚を用意した。さらに負極集電体の片面に負極合剤層を形成した電池用負極と、正極集電体の両面に正極合剤層を形成した電池用正極と、両面に負極合剤層を形成した電池用負極とを交互に配置し、各正極と各負極との間にはPE製セパレータ(厚み12μm)を1枚介在させ、正極同士のタブ部、負極同士のタブ部と、前述の通り作製した第3電極のタブ部を、それぞれ溶接して図6に示す形態である積層電極体50と第3電極30とを合わせた電極体102を作製した。尚、図6ではそして、前記電極体が収まるように窪みを形成した厚み:0.15mm、幅:34mm、高さ:50mmのアルミニウムラミネートフィルムの、前記窪みに前記積層電極体を挿入し、その上に前記と同じサイズのアルミニウムラミネートフィルムを置いて、両アルミニウムラミネートフィルムの3辺を熱溶着した。そして、両アルミニウムラミネートフィルムの残りの1辺から非水電解液(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの体積比3:7の混合溶媒に、LiPFを1mol/lの濃度で溶解させ、更にVC、FEC、アジポニトリル、1,3‐ジオキサンをそれぞれ5、5、0.5、0.5質量%となる量で添加した溶液)を注入した。その後、両アルミニウムラミネートフィルムの前記残りの1辺を真空熱封止して、図6に示す外観で、図7に示す断面構造の非水電解質二次電池を作製した。
ここで、図6および図7について説明すると、図6は非水電解質二次電池を模式的に表す平面図であり、図7は、図6のI−I線断面図である。非水電解質二次電池100は、2枚のアルミニウムラミネートフィルムで構成したアルミニウムラミネートフィルム外装体101内に、電極体102と、非水電解液(図示しない)とを収容しており、アルミニウムラミネートフィルム外装体101は、その外周部において、上下のアルミニウムラミネートフィルムを熱融着することにより封止されている。なお、図7では、図面が煩雑になることを避けるために、アルミニウムラミネートフィルム外装体101を構成している各層や、電極体を構成している正極、負極およびセパレータを区別して示していない。
電極体102の有する各正極は、タブ部同士を溶接して一体化し、この溶接したタブ部の一体化物を電池100内で正極外部端子103と接続しており、また、図示していないが、電極体102の有する各負極と第3電極も、タブ部同士を溶接して一体化し、この溶接したタブ部の一体化物を電池100内で負極外部端子104と接続している。そして、正極外部端子103および負極外部端子104は、外部の機器などと接続可能なように、片端側をアルミニウムラミネートフィルム外装体101の外側に引き出している。
以上通り作製した非水電解質二次電池を、45℃の恒温槽内で1週間保管した。
実施例2〜4
リチウム含有金属酸化物(A)を、表1に示す組成の金属酸化物に変更した以外は、実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例5〜7
リチウム含有金属酸化物(A)を、一次粒子径が0.5μm以上の粒子の割合と、最大の一次粒子の粒子径を表1に示す通り変更した以外は、実施例2と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例8
正極合剤含有組成物の調製に使用する正極活物質の量を97.5質量部とし、フィラーの量を0.5質量部とし、導電助剤の量を1質量部とし、バインダの量を1質量部とした以外は、実施例2と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例9
正極合剤含有組成物の調製に使用する正極活物質の量を94.9質量部とし、フィラーの量を0.5質量部とし、導電助剤の量を3質量部とし、バインダの量を1.6質量部とした以外は、実施例2と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例10
フィラーの平均粒子径を0.1μmとし、正極合剤含有組成物の調製に使用する正極活物質の量を97.2質量部とし、フィラーの量を0.1質量部とし、導電助剤の量を1.5質量部とし、バインダの量を1.2質量部とした以外は、実施例2と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例11
フィラーの平均粒子径を0.7μmとし、正極合剤含有組成物の調製に使用する正極活物質の量を96.1質量部とし、フィラーの量を1質量部とし、導電助剤の量を1.5質量部とし、バインダの量を1.4質量部とした以外は、実施例2と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例12
フィラーの平均粒子径を0.7μmとし、正極合剤含有組成物の調製に使用する正極活物質の量を94.0質量部とし、フィラーの量を3質量部とし、導電助剤の量を1.5質量部とし、バインダの量を1.5質量部とした以外は、実施例2と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例13
実施例2で用いたLiNi0.82Co0.15Al0.03〔リチウム含有金属酸化物(A)、前記(b)の測定方法で求めた一次粒子径が0.5μm以上の粒子の割合が50質量%で、最大の一次粒子の粒子径が2μm〕とLiCo0.985Al0.008Mg0.006Zr0.001〔リチウム含有金属酸化物(B)〕との混合物(質量比80:20):97質量部とし、フィラーの量を0.5質量部とし、導電助剤の量を1.5質量部とし、バインダの量を1質量部とした以外は、実施例2と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例14
実施例2で用いたLiNi0.82Co0.15Al0.03〔リチウム含有金属酸化物(A)、前記(b)の測定方法で求めた一次粒子径が0.5μm以上の粒子の割合が50質量%で、最大の一次粒子の粒子径が2μm〕とLiCo0.985Al0.008Mg0.006Zr0.001〔リチウム含有金属酸化物(B)〕との混合物(質量比50:50):97質量部とし、フィラーの量を0.5質量部とし、導電助剤の量を1.5質量部とし、バインダをPVDFに変更し、その量を1質量部とした以外は、実施例2と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例15
実施例2で用いたLiNi0.82Co0.15Al0.03〔リチウム含有金属酸化物(A)、前記(b)の測定方法で求めた一次粒子径が0.5μm以上の粒子の割合が50質量%で、最大の一次粒子の粒子径が2μm〕とLiCo0.985Al0.008Mg0.006Zr0.001〔リチウム含有金属酸化物(B)〕との混合物(質量比10:90):97質量部とし、フィラーの量を0.5質量部とし、導電助剤の量を1.5質量部とし、バインダをPVDFに変更し、その量を1質量部とした以外は、実施例2と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例16
フィラーを平均粒子径が0.1μmであるジルコニアとし、正極合剤含有組成物の調製に使用する正極活物質の量を96.8質量部とし、フィラーの量を0.5質量部とし、導電助剤の量を1.5質量部とし、バインダの量を1.2質量部とした以外は、実施例2と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例17
フィラーを平均粒子径が0.07μmであるチタニアとし、正極合剤含有組成物の調製に使用する正極活物質の量を96.8質量部とし、フィラーの量を0.5質量部とし、導電助剤の量を1.5質量部とし、バインダの量を1.2質量部とした以外は、実施例2と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例18
フィラーを平均粒子径が1.5μmであるベーマイトとし、正極合剤含有組成物の調製に使用する正極活物質の量を96.8質量部とし、フィラーの量を0.5質量部とし、導電助剤の量を1.5質量部とし、バインダの量を1.2質量部とした以外は、実施例2と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例19
実施例2で用いたLiNi0.82Co0.15Al0.03〔リチウム含有金属酸化物(A)、前記(b)の測定方法で求めた一次粒子径が0.5μm以上の粒子の割合が50質量%で、最大の一次粒子の粒子径が2μm〕:97質量部とし、フィラーの量を0.5質量部とし、導電助剤の量を1.5質量部とし、バインダをPVDFと水素化ニトリルゴムとの混合物(質量比80:20)を1質量部とした以外は、実施例2と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例20
フィラーの平均粒子径を3.4μmとし、正極合剤含有組成物の調製に使用する正極活物質の量を97.0質量部とし、フィラーの量を3.0質量部とし、導電助剤の量を1.5質量部とし、バインダの量を1.5質量部とした以外は、実施例2と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例21
実施例2で用いたLiNi0.82Co0.15Al0.03〔リチウム含有金属酸化物(A)、前記(b)の測定方法で求めた一次粒子径が0.5μm以上の粒子の割合が50質量%で、最大の一次粒子の粒子径が2μm〕とLiCo0.985Al0.008Mg0.006Zr0.001〔リチウム含有金属酸化物(B)〕との混合物(質量比50:50):97質量部とし、フィラーの量を0.5質量部とし、導電助剤の量を1.5質量部とし、バインダをPVDFと水素化ニトリルゴムとの混合物(質量比80:20)を1質量部とした以外は、実施例2と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例1
LiCo0.985Al0.008Mg0.006Zr0.001〔リチウム含有金属酸化物(B)〕:96.8質量部とし、フィラーの量を0.5質量部とし、導電助剤の量を1.5質量部とし、バインダの量を1.2質量部とした以外は、実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例2
実施例2で用いたLiNi0.82Co0.15Al0.03〔リチウム含有金属酸化物(A)、前記(b)の測定方法で求めた一次粒子径が0.5μm以上の粒子の割合が50質量%で、最大の一次粒子の粒子径が2μm〕:97.3質量部とし、導電助剤の量を1.5質量部とし、バインダの量を1.2質量部とした以外(すなわちフィラーを加えていない)は、実施例2と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例3
リチウム含有金属酸化物(A)を、一次粒子径が0.5μm以上の粒子の割合と、最大の一次粒子の粒子径を表1に示す通り変更した以外は、実施例2と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例4
正極活物質を、リチウム含有金属酸化物(A)であるLiNi0.91Co0.03Mn0.02Al0.02Mg0.02に変更した以外は、実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例5
フィラーの平均粒子径を0.7μmとし、正極合剤含有組成物の調製に使用する正極活物質の量を92.5質量部とし、フィラーの量を5質量部とし、導電助剤の量を1.5質量部とし、バインダの量を1質量部とした以外は、実施例2と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例6
LiCo0.985Al0.008Mg0.006Zr0.001〔リチウム含有金属酸化物(B)〕:95.5質量部とし、フィラーの量を0.5質量部とし、導電助剤の量を1.5質量部とし、バインダであるPVDFの量を2.5質量部とした以外は、実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例7
リチウム含有金属酸化物(A)であるLiNi0.91Co0.03Mn0.02Al0.02Mg0.02:95.5質量部とし、フィラーの量を0.5質量部とし、導電助剤の量を1.5質量部とし、バインダであるPVDFの量を2.5質量部とした以外は、実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。




























































表1〜5に実施例1〜21、比較例1〜7のぞれぞれの構成についてまとめた。表1、2および表4中、リチウム含有金属酸化物(A)およびリチウム含有金属酸化物(B)の「比率」は、正極活物質全量中のこれらの含有量を意味している。また、表1、2および表4中のリチウム含有金属酸化物(A)の「一次粒子径が0.5μm以上の粒子の割合」および「最大の一次粒子の粒子径」は、前記(a)の方法で求めた値である。
また、実施例および比較例の非水電解質二次電池について、下記の各評価を行った。
<0.2C放電容量測定>
実施例1〜21および比較例1〜7の各電池について、25℃の環境下で、4.4Vまで1Cの定電流で充電後、総充電時間が2.5時間となるまで定電圧充電し、続いて0.2Cで電池電圧が2.0Vになるまで定電流放電を行って、放電容量(0.2C放電容量)を測定した。
<負荷特性容量>
実施例1〜21および比較例1〜7の各電池について、4.4Vまで1.0Cの定電流で充電後、その後、充電時間が2.5時間になるまで定電圧充電した後、1.0Cで電池電圧が2.0Vまで定電流放電を行い、続けて再度前記条件で充電したのち、今度は0.2Cで電池電圧が2.0Vまで定電流放電を行い、それぞれの放電容量比(1.0C/0.2C)から負荷特性を求めた。
<45℃充放電サイクル特性評価>
実施例1〜21および比較例1〜7の各電池について、45℃の環境下で、4.4Vまで1Cの定電流で充電後、総充電時間が2.5時間となるまで定電圧充電し、続いて0.5Cで電池電圧が2.0Vまで定電流放電を行う一連の操作を1サイクルとして、これらを多数繰り返し、300サイクル目の放電容量を測定した。そして、各電池について、300サイクル目の放電容量を、前記の0.2C放電容量で除した値を百分率で表して、容量維持率を求めた。
<45℃充放電サイクル膨れ>
実施例1〜21および比較例1〜7の各電池について、45℃の環境下で4.4Vまで1Cの定電流で充電後、総充電時間が2.5時間となるまで定電圧充電した後の厚みを測定し、続いて前記の45℃充放電サイクル特性評価でサイクルを行ったあと、4.4Vまで1Cの定電流で充電後、総充電時間が2.5時間となるまで定電圧充電した後の厚みを測定し、サイクル前後における厚み変化量を測定した。
前記の各評価結果を表6および表7に示す。なお、表6および表7では、各非水電解質二次電池の0.2C放電容量および45℃充放電サイクル特性評価時の容量維持率を、それぞれ、比較例1の電池の結果を100とした場合の相対値で示す。




1 正極
2 負極
3 セパレータ

Claims (7)

  1. 正極、負極、セパレータおよび非水電解質を有する非水電解質二次電池に使用される正極であって、
    正極活物質、導電助剤、フィラーおよびバインダを含有する正極合剤層を有しており、
    前記正極合剤層は、前記正極活物質として、下記一般式(1)
    LiNi1−b−c−dCoMn Mg (1)
    〔前記一般式(1)中、Mは、Al、Ti、Sr、Zr、Nb、AgおよびBaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有し、0.9≦a≦1.10、0.1≦b≦0.2、0≦c≦0.2、0.1≦b+c≦0.25、0.003≦d≦0.06、および0≦e≦0.003である〕で表され、かつ一次粒子径が0.5μm以上の粒子を50質量%以上含むリチウム含有金属酸化物(A)を含有しており、
    前記正極合剤層におけるフィラーの含有量が0.1質量%以上3質量%以下で含有していることを特徴とする非水電解質二次電池用正極。
  2. 前記正極合剤層が含有する正極活物質の全量を100質量%としたとき、前記リチウム含有金属酸化物(A)の含有量が、少なくとも50質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極。
  3. 前記フィラーの平均粒子径が0.001〜1.5μmである請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池用正極。
  4. 前記正極合剤層における前記フィラーはMg、Al、Si、Ti、Mn、Zr、Nb、Sn、W、Er、BaおよびSrよりなる群から選択される少なくとも1種類を含む酸化物、または水和物からなる請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質二次電池用正極。
  5. 前記正極合剤層の全バインダ中のPVDFの割合は80質量%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解質二次電池用正極。
  6. 正極、負極、セパレータおよび非水電解質を有する非水電解質二次電池であって、前記正極が、請求項1〜5のいずれかに記載の非水電解質二次電池用正極であることを特徴とする非水電解質二次電池。
  7. 前記負極は、少なくとも負極活物質を含む負極合剤層を有し、前記負極活物質はSiを含む材料Sを含有する請求項6に記載の非水電解質二次電池。
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