以下、図面を参照して実施形態について説明する。以下の説明において、略同一の機能及び構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
[第1の実施形態]
本実施形態においては、無線アンテナを備える記憶装置について説明する。記憶装置としては、例えば、メモリカード(SDメモリカード又はマルチメディアカードなど)、USBメモリなど、様々な形態を適用可能である。なお、本実施形態に係る記憶装置と同様の構成は、例えば携帯電話などのような無線通信装置に適用されてもよい。例えば、本実施形態に係る記憶装置と同様の構成は、情報処理装置のメモリシステムに適用されてもよい。メモリシステムは、少なくとも、記憶装置とこの記憶装置を制御するためのコントローラとを含む。
図1は、本実施形態に係る記憶装置の構成を例示するブロック図である。
記憶装置1は、電気的に接続されたホスト装置2から供給される電力により、ホスト装置2からのデータDA1を書き込み及び読み出す機能と、無線通信ホスト装置3と電気的に接続されていなくても無線アンテナ4の電磁誘導によって発生(誘起)する電力によりデータDA2を通信する機能とを備える。すなわち、記憶装置1は、例えば、13.56MHZなどの周波数で近距離無線通信規格(NFC:Near Field Communication)にそった通信を行い、無線通信ホスト装置3に対してデータDA2を送信又は受信する。記憶装置1は、ホスト装置2から電力の供給を受けなくても動作可能である。
記憶装置1は、例えばSDインタフェースにしたがってホスト装置2とデータDA1を送受信するが、他のインタフェースを用いてもよい。また、記憶装置1は、例えばNFCインタフェースにそって無線通信ホスト装置3とデータDA2を送受信するが、他の無線通信インタフェースを用いてもよい。
本実施形態において、ホスト装置2と無線通信ホスト装置3とは、別構成としているが、同一構成でもよい。
記憶装置1は、無線アンテナ4と、不揮発性半導体メモリ5と、NFCコントローラ6と、メモリコントローラ7と、接続部13とを備える。NFCコントローラ6は、記憶部8と電圧検波器9とを備える。なお、NFCコントローラ6と記憶部8とは分離した構成としてもよい。NFCコントローラ6とメモリコントローラ7とは、1つのコントローラで実現されてもよい。
不揮発性半導体メモリ5は、例えばNAND型フラッシュメモリとするが、NOR型フラッシュメモリ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory:磁気抵抗メモリ)、PRAM(Phasechange Random Access Memory:相変化メモリ)、ReRAM(Resistive Random Access Memory:抵抗変化型メモリ)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)など他の不揮発性半導体メモリでもよい。例えば、不揮発性半導体メモリ5は、他の不揮発性メモリ、揮発性メモリ、磁気メモリなどに変更されてもよい。
メモリコントローラ7は、不揮発性半導体メモリ5を制御する。例えば、メモリコントローラ7は、ホスト装置2から書き込み指示とデータDA1とを受けた場合に、データDA1を不揮発性半導体メモリ5に書き込む。メモリコントローラ7は、読み出し指示を受けた場合に、不揮発性半導体メモリからデータDA1を読み出す。メモリコントローラ5は、ホスト装置2から電力の供給を受け、かつ、無線アンテナ4及びNFCコントローラ6経由で書き込み指示及びデータDA1を受けた場合に、データDA1を不揮発性半導体メモリ5に書き込むとしてもよい。
メモリコントローラ7は、書き込み指示を受けた場合に、記憶部8にデータDA2を書き込んでもよく、読み出し指示を受けた場合に、記憶部8からデータDA2を読み出してもよい。
メモリコントローラ7は、読み出し指示を受けた場合に、不揮発性半導体メモリ5からデータDA1を読み出し、NFCコントローラ6及び無線アンテナ4経由でデータDA1を出力してもよい。
不揮発性半導体メモリ5及びメモリコントローラ7は、ホスト装置2から供給された電力により動作する。
無線アンテナ4は、NFCに対応する所定の周波数又は周波数帯で設定されている。
また、無線アンテナ4は、無線通信ホスト装置3からの電波に基づいて電磁誘導によって電力を発生させる。無線アンテナ4は、発生された電力をNFCコントローラ6に供給する。また、無線アンテナ4は、無線通信ホスト装置3からのデータを受信し、NFCコントローラ6に出力する。さらに、無線アンテナ4は、NFCコントローラ6からのデータDA2を、無線通信ホスト装置3に出力する。無線アンテナ4は、例えば、PCBパターンアンテナである。
NFCコントローラ6は、無線通信ホスト装置3からの電波に基づいて電磁誘導によって無線アンテナ4に発生した電力により動作する。NFCコントローラ6は、動作時に、又は、無線通信ホスト装置3から無線アンテナ4経由で読み出し指示を受けた場合に、記憶部8からデータDA2を読み出し、無線アンテナ4を用いてデータDA2を無線通信ホスト装置3に出力する。同様に、NFCコントローラ6は、動作時に、又は、無線アンテナ4を使用して書き込み指示及びデータDA2を受けた場合に、記憶部8にデータDA2を書き込むとしてもよい。NFCコントローラ6は、無線アンテナ4を用いる無線通信ホスト装置3に対するデータの送信及び受信を制御する。具体的には、NFCコントローラ6は、無線アンテナ4経由でNFCに対応する所定の周波数の信号を受信すると、NFCによる通信可能となる。
さらに、NFCコントローラ6は、不揮発性半導体メモリ5に対する書き込み時に、ホスト装置2から接続部13経由で受けた書き込み指示及びデータDA1を、メモリコントローラ7へ出力する。NFCコントローラ6は、ホスト装置2から接続部13経由で書き込み指示及びデータDA1を受けた場合に、書き込み指示及びデータDA1をメモリコントローラ7に出力し、記憶部8にデータDA2を書き込んでもよい。
また、NFCコントローラ6は、不揮発性半導体メモリ5に対する読み出し時に、メモリコントローラ7から受けたデータDA1を、接続部13経由でホスト装置2へ出力する。
NFCコントローラ6の電圧検波器9は、無線アンテナ4と電気的に接続されており、無線アンテナ4からNFCコントローラ6に供給される電圧を監視し、NFCに相当する所定の電圧になるまでNFCによる通信のリセット信号を出し続ける。これにより、NFCによる通信の異常起動・動作を防止することができる。
NFCコントローラ6は、ホスト装置2から電力供給を受け、かつ、ホスト装置2から書き込み指示及びデータDA1を受けた場合に、不揮発性半導体メモリ5に対して、ホスト装置2から受けたデータDA1を書き込むとしてもよい。NFCコントローラ6は、ホスト装置2から電力の供給を受け、かつ、無線アンテナ4及びNFCコントローラ6経由でNFCにより書き込み指示及びデータを受けた場合に、不揮発性半導体メモリ5にデータを書き込むとしてもよい。
NFCコントローラ6は、ホスト装置2から電力の供給を受け、かつ、ホスト装置2からデータDA2の生成指示を受けた場合に、不揮発性半導体メモリ5に書き込まれているデータDA1を読み出して、データDA2を生成し、データDA2を記憶部8に書き込んでもよい。
NFCコントローラ6は、ホスト装置2から電力の供給を受け、かつ、無線出力指示を受けた場合に、不揮発性半導体メモリ5に書き込まれているデータDA1の一部又は全部を読み出し、読み出されたデータを無線アンテナ4経由で無線通信ホスト装置3に出力してもよい。
NFCコントローラ6は、無線アンテナ4を用いて指示データ及び書き込み指示を受けた場合に、指示データを記憶部8に書き込み、実行指示を受けた場合に記憶部8に書き込まれている指示データによって指示されている処理を実行してもよい。
記憶部8は、例えば、不揮発性メモリである。記憶部8は、NFCコントローラ6又はメモリコントローラ7による制御にしたがってデータDA2を書き込む。なお、記憶部8におけるデータDA2の保存は、一時的でもよい。記憶部8としては、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)が用いられるが、上記不揮発性半導体メモリ5と同様に各種のメモリを用いることができる。
データDA2は、例えば、NFCインタフェースにしたがって無線通信ホスト装置3と記憶装置1との間で送信及び受信されるデータでもよく、不揮発性半導体メモリ5に書き込まれるデータDA1の特徴データでもよく、無線通信ホスト装置3から無線アンテナ4経由でNFCコントローラ6に受信された特徴データでもよく、不揮発性半導体メモリ5に関する特徴データでもよく、記憶装置1に関する特徴データでもよい。より具体的に説明すると、特徴データDA2は、例えば、不揮発性半導体メモリ5に書き込まれる画像データのうちの一部のデータ(例えば、画像データのうちの最初または最後の部分、又は、画像データのサムネイルデータ)、サムネイルデータ、不揮発性半導体メモリ5に書き込まれるデータDA1の管理情報、不揮発性半導体メモリ5のメモリ容量、不揮発性半導体メモリ5の残り容量、不揮発性半導体メモリ5に書き込まれたファイルの名称、データDA1の生成時間、データDA1が画像データの場合は撮影時間データ、不揮発性半導体メモリ5に書き込まれているファイル数などとしてもよい。
NFCコントローラ6及び記憶部8は、無線通信ホスト装置3によって無線アンテナ4に誘起される電力により動作する。ゆえに、NFCコントローラ6及び記憶部8は、メモリコントローラ7及び不揮発性半導体メモリ5よりも低電力で駆動可能であることが望ましい。しかしながら、NFCコントローラ6及び記憶部8は、記憶装置1がホスト装置2から電力を供給されている場合に、ホスト装置2から供給された電力により動作してもよい。
本実施形態においては、ホスト装置2からの書き込み指示及びデータが、まず、NFCコントローラ6に受けられ、その後、メモリコントローラ7に受けられる。これは、まず、NFCコントローラ6が、書き込み指示及びデータをホスト装置2から受けたか、又は、無線通信ホスト装置3から受けたかを判断し、この判断結果に応じて動作を切り替えるためである。
接続部13は、例えば規格化された接続端子であり、ホスト装置2と接続可能である。
以下に、本実施形態に係る記憶装置1の各種の動作を図2〜図13を用いて説明する。
第1の動作として、図2のブロック図及び図3のフローチャートを用いて、データDA2がメモリコントローラ7によって自動的に記憶部8に書き込まれる動作例を説明する。図2及び図3は、記憶装置1がホスト装置2からデータDA1を受信した場合の動作例を示す。
ステップA1において、NFCコントローラ6は、ホスト装置2から書き込み指示とデータDA1とを受信する。
ステップA2において、NFCコントローラ6は、書き込み指示とデータDA1とをパススルーし、メモリコントローラ7が、書き込み指示とデータDA1とを受ける。
ステップA3において、メモリコントローラ7は、不揮発性半導体メモリ5へデータDA1を書き込む。
ステップA4において、メモリコントローラ7は、記憶部8へデータDA2を書き込む。
第2の動作として、図4のブロック図及び図5のフローチャートを用いて、データDA2がNFCコントローラ6によって自動的に記憶部8に書き込まれる動作例を説明する。この図4及び図5は、NFCコントローラ6が記憶部8にデータDA2を書き込む点で、メモリコントローラ7が記憶部8にデータDA2を書き込む図2及び図3と相違する。
ステップB1において、NFCコントローラ6は、ホスト装置2から書き込み指示とデータDA1とを受信する。
ステップB2において、NFCコントローラ6は、書き込み指示とデータDA1とをメモリコントローラ7へパススルーするとともに、記憶部8へデータDA2を書き込む。
ステップB3において、メモリコントローラ7は、不揮発性半導体メモリ5へデータDA1を書き込む。
第3の動作として、図6のブロック図及び図7のフローチャートを用いて、記憶装置1の不揮発性半導体メモリ5からデータDA1を読み出す動作例を説明する。
ステップC1において、NFCコントローラ6は、ホスト装置2から読み出し指示とアドレスとを受信する。なお、NFCコントローラ6は、次のステップで、ホスト装置2からの読み出し指示とアドレスとに基づいて、記憶部8のデータを読み出すことも可能である。
ステップC2において、NFCコントローラ6は、読み出し指示とアドレスとをパススルーし、メモリコントローラ7が、読み出し指示とアドレスとを受ける。
ステップC3において、メモリコントローラ7は、読み出し指示とアドレスとに基づいて、不揮発性半導体メモリ5からデータDA1を読み出す。
ステップC4において、メモリコントローラ7は、NFCコントローラ6経由で、データDA1を、ホスト装置2へ送信する。
第4の動作として、図8のブロック図及び図9のフローチャートを用いて、無線通信ホスト装置3が記憶部8からデータDA2を読み出す動作例を説明する。
ステップD1において、NFCコントローラ6は、無線通信ホスト装置3からの読み出し指示を無線アンテナ4経由で受信する。
ステップD2において、NFCコントローラ6は、読み出し指示に基づいて、記憶部8からデータDA2を読み出す。
ステップD3において、NFCコントローラ6は、データDA2を無線アンテナ4経由で無線通信ホスト装置3に送信する。
この図8及び図9に示す無線通信ホスト装置3がデータDA2を読み出す動作においては、ホスト装置2から記憶装置1へ電力が供給されなくてもよい。例えば、データDA2は、デジタルスティールカメラで撮影され最後に記憶装置1に書き込まれた画像データとする。無線通信ホスト装置3は、記憶装置1をホスト装置2と接続しなくても、記憶部8に書き込まれている画像データを記憶装置1から受信することができる。一般的なメモリカードにおいては、内部のデータを読み出すために電力を供給する必要があるが、本実施形態に係る記憶装置1においては、無線通信ホスト装置3に記憶装置1をかざす(近づける)だけで、内部のデータを読み出すことができる。
第5の動作として、図10のブロック図及び図11のフローチャートを用いて、記憶装置1が無線通信ホスト装置3からのデータを記憶部8に書き込む動作例を説明する。
なお、この図10及び図11の説明では、記憶部8にどのようなデータDA2を書き込むかを指示する指示データDA3が、無線通信ホスト装置3から記憶装置1へ送信され、記憶部8に書き込まれる場合を例として説明する。しかしながら、無線通信ホスト装置3から記憶装置1へ送信されるデータは、例えば、記憶部8に書き込みたいデータDA2、セキュリティ関係データなど、他のデータでもよい。この図10及び図11の動作は、ホスト装置2から電力を供給されなくても実行可能である。
ステップE1において、NFCコントローラ6は、無線通信ホスト装置3から、書き込み指示と指示データDA3とを無線アンテナ4経由で受信する。
ステップE2において、NFCコントローラ6は、指示データDA3を記憶部8に書き込む。
その後、NFCコントローラ6又はメモリコントローラ7は、記憶部8を参照し、指示データDA3で指示されたデータDA2を、不揮発性半導体メモリ5から読み出し、記憶部8に書き込む。または、NFCコントローラ6又はメモリコントローラ7は、ホスト装置2から受信したデータDA1の中から、指示データDA3で指示されたデータDA2を選択し、記憶部8に書き込む。
これにより、ユーザは、明示的に、記憶部8に書き込まれるデータDA2を指示することができる。
例えば、指示データDA3は、記憶部8に書き込まれたデータDA2をプロテクトするか否かを示すデータを含むとしてもよく、記憶部8に書き込みたいデータDA2のデータ番号を含むとしてもよい。
第6の動作として、図12のブロック図及び図13のフローチャートを用いて、NFCコントローラ6が記憶部8に書き込まれているデータDA2をプロテクトするか否か判断する動作例を説明する。
ステップF1において、NFCコントローラ6は、ホスト装置2から書き込み指示とデータDA1とを受信する。
ステップF2において、NFCコントローラ6は、記憶部8のデータDA2をプロテクトする旨の指示データDA3が記憶部8に書き込まれているか否か判断する。
プロテクトする旨の指示データDA3が記憶部8に書き込まれている場合には、処理はステップF4に移動する。
プロテクトする旨の指示データDA3が記憶部8に書き込まれていない場合には、ステップF3において、NFCコントローラ6は、記憶部8のデータDA2を更新する。
ステップF4において、NFCコントローラ6は、書き込み指示とデータDA1とをメモリコントローラ7へパススルーする。
ステップF5において、NFCコントローラ6は、不揮発性半導体メモリ5へデータDA1を書き込む。
この図12及び図13の動作を応用することで、例えば、ユーザは、記憶装置1の記憶部8に、NFC経由でユーザのお気に入りの画像データを書き込むとともにプロテクト指示し、記憶装置1を友人の無線通信ホスト装置3にかざしてこのお気に入りの画像データを友人と共有することができる。
以上説明した本実施形態に係る記憶装置1は、メモリカードなどのようなデータ書き込み及び読み出しの機能を備え、かつ、NFC機能を備える。したがって、記憶装置1は、ホスト装置2から電力が供給されていない状態であっても、無線通信ホスト装置3からデータを受信し、又は、無線通信ホスト装置3へデータを送信することができる。これにより、記憶装置1を使用するユーザの利便性を向上させることができる。
本実施形態においては、無線アンテナ4の電磁誘導によって発生する電力により、記憶部8に記憶されているデータDA2をNFCコントローラ6が送信し、無線通信ホスト装置3が受信する。これにより、ユーザは、記憶装置1をホスト装置2にセットすることなく、記憶装置1を無線通信ホスト装置3に近づけるのみで、記憶装置1に関する各種の情報をチェックすることができる。本実施形態に係る記憶装置1を用いることで、ユーザは、例えばパーソナルコンピュータなどのようなホスト装置2がない旅先又は出張先のような環境であっても、他人の無線通信ホスト装置3へ好みのデータを渡すことができる。
本実施形態においては、指示データDA3により、記憶装置1に対して、ユーザが記憶部8に書き込みたいデータDA2を明示的に指示することができ、この指示データDA3によって指示されたデータDA2を記憶装置1から無線通信ホスト装置3へ送信することができる。
ここで、本実施形態に係る記憶装置1の適用例を簡単に説明する。この適用例の詳細は、第2の実施形態で説明する。
本実施形態に係る記憶装置1のNFCコントローラ6は、無線通信ホスト装置3から、不揮発性半導体メモリ5に書き込まれているデータDA1を読み出し禁止又は書き込み禁止にする旨のデータDA2を受信し、記憶部8に書き込むとしてもよい。また、NFCコントローラ6は、無線通信ホスト装置3から、読み出し禁止又は書き込み禁止を解除する旨のデータDA2を受信し、記憶部8に書き込むとしてもよい。これにより、記憶装置1を無線通信ホスト装置3にかざすだけで、不揮発性半導体メモリ5に書き込まれているデータDA1の読み出し禁止及び許可、書き込み禁止及び許可を容易に切り替えることができる。
本実施形態に係る記憶装置1のNFCコントローラ6は、無線通信ホスト装置3から、情報通信端末の無線通信サービス、無線LAN(Local Area Network)を設定するためのデータDA2を受信し、記憶部8に書き込むとしてもよい。これにより、複雑な設定を記憶装置1に簡単に書き込むことができ、記憶装置1を情報通信端末にかざすだけで、データDA2を記憶装置1から情報通信端末へ送信し、データDA2に基づいて情報通信端末を設定することができる。
本実施形態に係る記憶装置1は、ホスト装置2から電力を供給されている場合に、NFCコントローラ6が不揮発性半導体メモリ5からデータDA1を読み出し、このデータDA1を無線アンテナ4経由で無線通信ホスト装置3へ送信してもよい。これにより、ホスト装置2に記憶装置1を装着させた状態のままで、無線通信ホスト装置3は記憶装置1のデータをNFC経由で読み出すことができる。
本実施形態に係る記憶装置1のNFCコントローラ6は、無線通信ホスト装置3から、圧縮プログラム、各種のファームウェアを受信し、記憶部8に書き込み、実行することができる。
本実施形態に係る記憶装置1のNFCコントローラ6は、無線通信ホスト装置3から、不揮発性半導体メモリ5に書き込まれているデータDA1をアップロードしたいクラウドサービスのURL(Uniform Resource Locator)を受信し、このURLを記憶部8に書き込むとしてもよい。これにより、無線通信ホスト装置3の一例である携帯電話に記憶装置1をかざしてURLを携帯電話に与え、さらに、携帯電話に記憶装置1を装着して不揮発性半導体メモリ5からデータDA1を読み出し、URLの示すサイトへデータDA1をアップロードすることができる。
本実施形態に係る記憶装置1のNFCコントローラ6は、無線通信ホスト装置3から、ユーザID及びパスワードを受信し、記憶部8に書き込むとしてもよい。これにより、例えば携帯電話に記憶装置1をかざしてユーザID及びパスワードを携帯電話に与え、ユーザID及びパスワードに基づいて携帯電話を使用可能とすることができる。
[第2の実施形態]
本実施形態においては、上記第1の実施形態に係る記憶装置1の変形例とその適用例について説明する。なお、本実施形態においては、記憶装置1がメモリカードの場合を例として説明するが、上述したように、記憶装置1は、USBメモリなど他の形態の半導体記憶装置又は半導体記憶媒体、又は、メモリシステムでもよい。
図14は、本実施形態に係るメモリカードの概略構成を例示するブロック図である。
メモリカード10は、不揮発性半導体メモリ5、無線アンテナ4、コントローラ11、接続部13を備える。コントローラ11は、SD処理部12、NFCコントローラ6、メモリコントローラ7を含む。
SD処理部12は、SD規格にしたがってホスト装置2に対してデータを送信又は受信する。
図15は、メモリカード10の第1の適用例を示す図である。
携帯電話、特にスマートフォンである無線通信ホスト装置3に、メモリカード10をかざすと、メモリカード10の記憶部8に記憶されているサムネイルデータ、ファイル数、撮影場所・撮影時間、メモリ残量、ファイル名リストが無線通信ホスト装置3に送信される。無線通信ホスト装置3は、サムネイルデータ、ファイル数、撮影場所・撮影時間、メモリ残量、ファイル名リストを表示する。ファイル名リストは、画像ファイルのリストでもよく、文書ファイルのリストでもよい。メモリカード10は、不揮発性半導体メモリ5に書き込まれた画像データのうち、最後の数枚(例えば8〜10枚)のサムネイルデータを無線通信ホスト装置3に送信する。また、無線通信ホスト装置3はユーザに生成されたメモデータをメモリカード10に送信し、メモリカード10は記憶部8にメモデータを書き込むこともできる。
図16は、メモリカード10の第2の適用例を示す図である。
メモリカード10を例えば携帯電話などの無線通信ホスト装置3にかざすと、メモリカード10は、記憶部8に書き込まれている画像データを無線通信ホスト装置3へ送信する。この第2の適用例において、メモリカード10は、他の装置から電力供給を受ける必要はない。画像データは、約30キロバイト程度の所定のサイズに圧縮されていてもよい。無線通信ホスト装置3は、メモリカード10からNFCによって受信した画像データを、すばやくメールすることができ、簡単にSNS(social network service)にアップすることができる。
図17及び図18は、メモリカード10の第3の適用例を示すフローチャート及びブロック図である。
ステップG1において、メモリカード10は、カメラであるホスト装置2によって撮影された画像データをSD処理部12、メモリコントローラ7経由で、不揮発性半導体メモリ5に書き込む。さらに、メモリカード10のNFCコントローラ6は、不揮発性半導体メモリ5に書き込まれた画像データの一部、不揮発性半導体メモリ5のメモリ情報を、メモリコントローラ7経由で取得し、記憶部8に書き込む。
例えば携帯電話などのような無線通信ホスト装置3は、ステップG2において、アプリケーションを起動し、ステップG3において、読み出し指示をメモリカード10に送信する。
ステップG4において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8から、データを読み出し、無線通信ホスト装置3へ送信する。
ステップG5において、無線通信ホスト装置3は、データを受信し、読み出しを完了し、読み出したデータを表示する。
これにより、ユーザは、メモリカード10にどのようなデータが書き込まれているかを整理、メモリカード10を無線通信ホスト装置3にかざすだけで容易に確認することができる。
図19は、メモリカード10の第4の適用例を示すフローチャートである。
メモリカード10のコントローラ11は、特定のアプリケーションの識別データと起動指示を、予め記憶部8に書き込む。
ステップH1において、無線通信ホスト装置3は、読み出し指示をメモリカード10に送信する。
ステップH2において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8から、アプリケーションの識別データ及び起動指示を読み出し、識別データ及び起動指示を無線通信ホスト装置3に送信する。
ステップH3において、無線通信ホスト装置3は、アプリケーションの識別データと起動指示とを認識し、アプリケーションを起動する。なお、アプリケーションの起動指示は、手動で行ってもよい。
これにより、ユーザは、携帯電話などのような無線通信ホスト装置3に、メモリカード10をかざすだけで、無線通信ホスト装置3のアプリケーションを起動することができる。
図20及び図21は、メモリカード10の第5の適用例を示すフローチャート及びブロック図である。
無線通信ホスト装置3にメモリカード10をかざすだけで、メモリカード10のコントローラ11は、無線通信ホスト装置3からメモデータを受信し、記憶部8に書き込むことができる。メモデータは、例えば、ユーザによって任意に指定されるタイトル、メモなどを含む。
ステップI1において、無線通信ホスト装置3は、アプリケーションを起動する。
ステップI2において、無線通信ホスト装置3は、アプリケーションより、メモデータ及び書き込み指示をメモリカード10に送信する。
ステップI3において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8に、メモデータを書き込む。
ステップI4において、メモリカード10は、メモデータの書き込みが完了したことを示すデータ完了ステータスを、無線通信ホスト装置3に送信する。
ステップI5において、無線通信ホスト装置3は、データ完了ステータスを受信し、メモデータの書き込みを完了する。
これにより、ユーザは、メモリカード10の記憶部8にどのようなデータが書き込まれているかを示すメモデータを、NFCを使用して容易にメモリカード10に持たせることができる。
図22は、メモリカード10の第6の適用例を示す図である。
メモリカード10は、例えばカメラなどのようなホスト装置2に装着されており、ホスト装置2から電力供給を受けている。この場合、メモリカード10のコントローラ11は、不揮発性半導体メモリ5からデータを読み出し、このデータを例えば携帯電話又はプリンタなどのような無線通信ホスト装置3へNFCにより送信する。これにより、メモリカード10から無線通信ホスト装置3へ大容量のデータをNFCにより送信することができる。
図23及び図24は、メモリカード10の第7の適用例を示すフローチャート及びブロック図である。
メモリカード10は、例えばカメラなどのようなホスト装置2に装着されており、ホスト装置2から電力供給を受けている。
ステップJ1において、例えばプリンタなどのような無線通信ホスト装置3は、アプリケーションを起動する。
ステップJ2において、無線通信ホスト装置3は、読み出し指示を、メモリカード10へ送信する。
ステップJ3において、メモリカード10のコントローラ11は、不揮発性半導体メモリ5からデータを読み出し、読み出されたデータを無線通信ホスト装置3にNFCにより送信する。
ステップJ4において、無線通信ホスト装置3は、データを受信し、読み出しを完了する。
この第7の適用例においては、メモリカード10と無線通信ホスト装置3との間で大容量のデータをNFCで送受信することができる。
図25及び図26は、メモリカード10の第8の適用例を示すフローチャート及びブロック図である。
メモリカード10と無線通信ホスト装置3とは連携動作し、画像データを撮影した場所のマップレビュー表示を実現する。
メモリカード10のコントローラ11は、記憶部8に、アプリケーションの起動指示、GPSをオンする指示、位置データのロギング指示を書き込んでいる。
ステップK1において、無線通信ホスト装置3は、撮影開始をメモリカード10にNFCにより送信する。
ステップK2において、メモリカード10は、撮影開始を受信すると、記憶部8に書き込まれているデータを読み出し、無線通信ホスト装置3にNFCにより送信する。
ステップK3において、無線通信ホスト装置3は、メモリカード10から受信されたデータに基づいて、アプリケーションを起動し、GPSをオンし、位置データのロギングを開始し、GPSの位置データと時間とを関連付けて記憶する。
なお、アプリケーションの起動、GPSのオン、位置データのロギング開始は、手動で指示されてもよい。
ステップK4において、メモリカード10は、画像撮影が行われると、この画像データを不揮発性半導体メモリ5に書き込み、撮影時間データをコントローラ6の記憶部8に書き込む。
ステップK5において、無線通信ホスト装置3は、マップビュー表示開始の指示を、メモリカード10にNFCにより送信する。
ステップK6において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8から撮影時間データを読み出し、無線通信ホスト装置3にNFCにより送信する。
ステップK7において、メモリカード10は、無線通信ホスト装置3から撮影時間データを受信し、撮影時間データの示す時間に最も近い時間に対応する位置データを地図上に表示する。これにより、地図上に撮影時間データと位置データとを紐付けた結果を表示することができる。
ステップK8において、無線通信ホスト装置3は、処理を終了するか否か判断し、処理を終了しない場合には、ステップK4に移動する。
処理を終了する場合には、無線通信ホスト装置3は、アプリケーションを終了し、GPSをオフし、位置データのロギングを停止する。なお、無線通信ホスト装置3は、処理終了をNFCによりメモリカード10に送信してもよい。
これにより、例えばカメラなどであり、GPS(Global Positioning System)機能を備えないホスト装置2に、メモリカード10が装着されて使用された場合であっても、ユーザは、無線通信ホスト装置3で撮影場所のマップレビュー表示を見ることができる。
図27及び図28は、メモリカード10の第9の適用例を示すフローチャート及びブロック図である。
メモリカード10と例えば携帯電話などの無線通信ホスト装置3とは連携動作し、無線通信ホスト装置3は、カレンダーに撮影イベントを追加して表示する。
ステップL1において、メモリカード10は、画像データを不揮発性半導体メモリ5に書き込み、撮影時間データとサムネイルデータとを含むデータを記憶部8に書き込む。サムネイルデータは、全画像、一日当たりで1枚又は複数枚、最後の1枚又は最後の複数枚に対応する画像データとしてもよい。サムネイルデータは、撮影されるたびに、記憶部8に書き込まれるとしてもよい。
ステップL2において、無線通信ホスト装置3は、アプリケーションを起動する。なお、アプリケーションは、メモリカード10を無線通信ホスト装置3にかざすことで起動されてもよい。
ステップL3において、無線通信ホスト装置3は、読み出し済みのサムネイルデータをカレンダーに表示する。
ステップL4において、無線通信ホスト装置3は、新規のデータ読み出し指示をメモリカード10へ送信する。
ステップL5において、メモリカード10は、記憶部8に書き込まれているデータを読み出し、無線通信ホスト装置3にNFCにより送信する。
ステップL6において、無線通信ホスト装置3は、メモリカード10からのデータに基づいて、最新の撮影時間データの示すカレンダーの日時に、最新のサムネイルデータを表示する。
これにより、メモリカード10を無線通信ホスト装置3にかざすのみで、無線通信ホスト装置3は、撮影日に対応するカレンダーの位置に、メモリカード10に書き込まれている画像データを張り付けることができる。
図29及び図30は、メモリカード10の第10の適用例を示すフローチャート及びブロック図である。
この第10の適用例においては、メモリカード10が、無線通信ホスト装置3へ無線LANの設定データをNFCにより送信し、無線通信ホスト装置3は、この設定データに基づいて無線LANを設定する。
メモリカード10の記憶部8には、例えばWi−Fi(Wireless Fidelity)などのような無線LAN設定データ、アクセスポイント(SSID)、パスワードを含む設定データが書き込まれている。
ステップM1において、無線通信ホスト装置3は、アプリケーションを起動する。
ステップM2において、無線通信ホスト装置3は、読み出し指示をメモリカード10へNFCにより送信する。
ステップM3において、メモリカード10は、読み出し指示に応じて、記憶部8に書き込まれている設定データを読み出す。
ステップM4において、メモリカード10は、設定データを無線通信ホスト装置3にNFCにより送信する。
ステップM5において、無線通信ホスト装置3は、メモリカード10から設定データを受信して読み出しを完了し、設定データに基づいて無線LANの設定を行う。
これにより、無線通信ホスト装置3は、メモリカード10をかざすのみで、無線LANの設定をすることができ、特定のアクセスポイントへ接続可能となる。
図31は、メモリカード10の第11の適用例を示すフローチャートである。この第11の適用例では、例えばパーソナルコンピュータなどのようなホスト装置2がクラウドサービスを提供するサーバにデータをアップロードし、例えば携帯電話などのような無線通信ホスト装置3がサーバのデータをアクセスする。
ステップN1において、ホスト装置2は、読み出し指示をメモリカード10に送信する。
ステップN2において、メモリカード10は、読み出し指示に応じて、不揮発性半導体メモリ5からデータを読み出し、読み出されたデータをホスト装置2に送信する。
ステップN3において、ホスト装置2は、データを受信し、クラウドサービスを提供するサーバにアップロードする。
ステップN4において、ホスト装置2は、書き込み指示と、URL、アクセスポイント、パスワードなどを含むアクセス先データとを、メモリカード10に送信する。
ステップN5において、メモリカード10は、記憶部8に、アクセス先データを書き込み、書き込み完了をホスト装置2に送信する。
ステップN6において、メモリカード10は、書き込み完了をホスト装置2から受信し、処理を終了する。
ステップN7において、無線通信ホスト装置3は、アプリケーションを起動する。
ステップN8において、無線通信ホスト装置3は、アクセス先データの読み出し指示をメモリカード10にNFCにより送信する。
ステップN9において、メモリカード10は、記憶部8から、アクセス先データを読み出し、無線通信ホスト装置3へNFCにより送信する。
ステップN10において、無線通信ホスト装置3は、アクセス先データに基づいて、サーバによって提供されるクラウドサービスをアクセスする。
これにより、ユーザは、メモリカード10を無線通信ホスト装置3にかざすことにより、無線通信ホスト装置3でクラウドサービスを容易に利用し、アップロードしたデータを閲覧することができる。
図32は、メモリカード10の第12の適用例を示すフローチャートである。この図32は、メモリカード10のセキュリティを解除する。
ステップO1において、無線通信ホスト装置3は、アプリケーションを起動する。
ステップO2において、無線通信ホスト装置3は、セキュリティ解除指示をメモリカード10へNFCにより送信する。
ステップO3において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8のセキュリティフラグをオフにする。
ステップO4において、メモリカード10は、セキュリティフラグのオフが完了したことを示すデータ完了ステータスを、無線通信ホスト装置3に送信する。
ステップO5において、無線通信ホスト装置3は、メモリカード10からデータ完了ステータスを受信し、セキュリティ解除を完了する。
ステップO6において、ホスト装置2は、読み出し指示をメモリカード10に送信する。
ステップO7において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8に書き込まれているセキュリティフラグがオフか否か判断する。
セキュリティフラグがオフの場合、ステップO8において、メモリカード10は、不揮発性半導体メモリ5からデータを読み出し、データをホスト装置2に送信する。
セキュリティフラグがオフでない場合、ステップO9において、メモリカード10は、セキュリティがロックされていることを示すセキュリティロック中ステータスを、ホスト装置2に送信する。
ステップO10において、ホスト装置2は、データ又はセキュリティロック中ステータスを受信し、読み出しを完了する。
これにより、ユーザは、メモリカード10を無線通信ホスト装置3にかざすのみで、メモリカード10のセキュリティを容易に解除することができる。
図33は、メモリカード10の第13の適用例を示すフローチャートである。この図33では、メモリカード10のセキュリティをオンする。
ステップP1において、無線通信ホスト装置3は、アプリケーションを起動する。
ステップP2において、無線通信ホスト装置3は、セキュリティオン指示をメモリカード10へNFCにより送信する。
ステップP3において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8のセキュリティフラグをオンにする。
ステップP4において、メモリカード10は、セキュリティフラグのオンが完了したことを示すデータ完了ステータスを、無線通信ホスト装置3にNFCにより送信する。
ステップP5において、無線通信ホスト装置3は、メモリカード10からデータ完了ステータスを受信し、セキュリティオンを完了する。
ステップP6からP10は、上記図32のステップO6からO10と同じである。
これにより、ユーザは、メモリカード10を無線通信ホスト装置3にかざすのみで、メモリカード10のセキュリティを容易にオンすることができる。
なお、上記の図32及び図33では、ホスト装置2からのメモリカード10への読み出しについて説明しているが、無線通信ホスト装置3からのメモリカード10への読み出しについても同様に制限及び解除することができる。
さらに、メモリカード10に対する読み出しのみではなく、メモリカード10に対する書き込みについても、同様に、制限及び解除してもよい。
図34は、メモリカード10の第14の適用例を示すフローチャートである。
この第14の適用例では、ホスト装置2が電気メータであるとする。
ステップQ1において、ホスト装置2は、電気メータの観測データと書き込み指示とを、メモリカード10に送信する。
ステップQ2において、メモリカード10は、全ての観測データを不揮発性半導体メモリ5に書き込む。
ステップQ3において、メモリカード10は、全観測データのうち必要なデータを判断する。必要なデータとは、例えば、所定期間内のデータ、当月のデータ、1日当たりの電力使用量などとしてもよい。必要なデータは、上述された指示データによって指示されてもよい。
ステップQ4において、メモリカード10は、必要なデータを記憶部8に書き込む。
ステップQ5において、例えば携帯電話などのような無線通信ホスト装置3は、必要なデータの読み出し指示を、メモリカード10にNFCにより送信する。
ステップQ6において、メモリカード10は、読み出し指示に基づいて、記憶部8から必要なデータを読み出し、無線通信ホスト装置3へNFCにより送信する。
ステップQ7において、無線通信ホスト装置3は、必要なデータを受信し、処理を完了する。
この第14の適用例において、ホスト装置2は、自動的にメモリカード10に観測データを書き込む。この第14の適用例においては、ネットワーク環境を設けることなく、ユーザがエネルギー使用量などの観測データを確認することができる。この第14の適用例においては、例えば携帯電話などのような無線通信ホスト装置3を、ホスト装置2に装着されているメモリカード10にかざすのみで、無線通信ホスト装置3で簡単に必要なデータを収集することができる。このメモリカード10をホスト装置2に装着し、無線通信ホスト装置3で必要なデータを収集及び確認することにより、省電力化を実現することができる。
図35は、メモリカード10の第15の適用例を示す図である。
教育機関は、メモリカード10に教材データを書き込み、配布することができる。さらに、メモリカード10の記憶部8に生徒IDを書き込み、出欠確認のためのリーダである無線通信ホスト装置3にメモリカード10をかざすことで、出欠記録を実現することができる。メモリカード10の記憶部8には、模範解答データなどが書き込まれてもよい。メモリカード10の記憶部8には、テスト結果データが書き込まれてもよい。生徒は、無線通信ホスト装置3として自分の携帯電話をメモリカード10にかざすことで、テスト結果を確認することができ、携帯電話のアプリケーションを使って弱点分析、傾向分析を行うことができる。これにより、教育機関においてメモリカード10の利便性を向上させることができる。
図36は、メモリカード10の第16の適用例を示すフローチャートである。
この第16の適用例では、ホスト装置2がゲーム機であり、無線通信ホスト装置3がゲーム機であり、メモリカード10を経由して、2つのゲーム機の間でデータを送受信する。ゲーム機の間で送受信されるデータとしては、例えばキャラクターID、ゲームセーブデータなどがある。
ステップR1において、無線通信ホスト装置3は、データと書き込み指示をメモリカード10にNFCにより送信する。
ステップR2において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8に、データを書き込み、書き込み完了を無線通信ホスト装置3に送信する。
ステップR3において、無線通信ホスト装置3は、書き込み完了を受信する。
ステップR4において、ホスト装置2は、読み出し指示をメモリカード10に送信する。
ステップR5において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8からデータを読み出し、データをホスト装置2に送信する。
ステップR6において、ホスト装置2は、データを受信し、読み出しを完了する。
ステップR7において、ホスト装置2は、データと書き込み指示をメモリカード10に送信する。
ステップR8において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8に、データを書き込み、書き込み完了をホスト装置2に送信する。
ステップR9において、ホスト装置2は、書き込み完了を受信する。
ステップR10において、無線通信ホスト装置3は、読み出し指示をメモリカード10に送信する。
ステップR11において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8からデータを読み出し、データを無線通信ホスト装置3に送信する。
ステップR12において、無線通信ホスト装置3は、データを受信し、読み出しを完了する。
この第16の適用例により、メモリカード10を用いることで、ゲーム機の間で容易にデータを送受信することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るメモリカード10は、様々な利用形態で用いることができ、無線通信ホスト装置3からNFCによりデータを読み出し可能とすることで、ユーザの利便性を向上させることができる。
例えば、通常のメモリカードに保存された撮影データをホスト装置(例えばパーソナルコンピュータ)を用いて管理するために、ユーザは、メモリカードの撮影データをホスト装置の記憶装置(例えばハードディスク)にコピーする場合がある。この場合、ホスト装置の記憶装置における容量不足を解消するために、ユーザはホスト装置の記憶装置から撮影データを消去する作業を行う必要がある。また、ユーザは、ホスト装置の交換時に、データを移動する必要があり、労力がかかる。撮影データの画素数が増加するほど、撮影データの記憶容量も増加する。ホスト装置がタブレット型コンピュータの場合には、撮影データの保存場所の確保が困難な場合もある。
これに対して、本実施形態に係るメモリカード10を用いた場合には、無線通信ホスト装置3にメモリカード10を接近させることで、ユーザは、メモリカード10の記憶内容を無線通信ホスト装置3を用いて容易に確認することができ、撮影データをメモリカード10に記憶したままで容易に管理することができる。これにより、ユーザの管理労力を軽減することができる。例えば、ユーザは、撮影データを無線通信ホスト装置3から消去する作業労力を軽減することができ、無線通信ホスト装置3に備えられている記憶装置における記憶容量の増加を防止することができる。また、本実施形態では、無線通信ホスト装置3がタブレット型コンピュータの場合に、撮影データの保存のために大きな記憶領域が必要となることを防止することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。