JP2017146101A - 防水部材、防水部材の製造方法、圧力センサーおよび電子モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に防水性を付与することのできる防水部材、防水部材の製造方法、圧力センサーおよび電子モジュールを提供する。【解決手段】防水部材1は、第2シリコン層23および第2酸化シリコン層24を備える積層体2と、積層体2に設けられ、液体の通過を阻止すると共に気体の通過を許容する貫通孔3と、を有し、貫通孔3は、第2シリコン層23を貫通する第1貫通孔31と、第2酸化シリコン層24を貫通すると共に第1貫通孔31と連通する第2貫通孔32と、を有し、第1貫通孔31の幅よりも第2貫通孔32の幅の方が小さい。【選択図】図1
Description
本発明は、防水部材、防水部材の製造方法、圧力センサーおよび電子モジュールに関するものである。
従来から、防水性を有する圧力センサーとして、特許文献1に記載の構成が知られている。特許文献1の圧力センサーは、パッケージと、パッケージ内に収容された圧力センサーと、圧力センサーを覆うようにパッケージ内に充填されたゲルと、を有し、ゲルを介してパッケージ外の圧力が圧力センサーに伝わるようになっている。このような構成によれば、ゲルによって圧力センサーへの水分の付着が防止されるため、防水性を発揮することができる。
しかしながら、特許文献1のような構成では、パッケージ内に気泡を発生させることなく密にゲルを充填することが非常に困難で、ノウハウも必要である。ゲル内に気泡(ボイド)が発生してしまうと、パッケージ外の圧力と圧力センサーに伝搬される圧力とがずれてしまい、圧力検出精度が低下するという問題がある。
本発明の目的は、容易に防水性を付与することのできる防水部材、防水部材の製造方法、圧力センサーおよび電子モジュールを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の防水部材は、第1層および前記第1層の一方側に配設されている第2層を備える積層体と、
前記積層体に設けられ、液体の通過を阻止すると共に気体の通過を許容する貫通孔と、を有し、
前記貫通孔は、前記第1層を貫通する第1貫通孔と、前記第2層を貫通すると共に前記第1貫通孔と連通する第2貫通孔と、を有し、
前記第1貫通孔の幅よりも前記第2貫通孔の幅の方が小さいことを特徴とする。
このような構成の防水部材を用いることで、容易に防水性を付与することができる。
本発明の防水部材は、第1層および前記第1層の一方側に配設されている第2層を備える積層体と、
前記積層体に設けられ、液体の通過を阻止すると共に気体の通過を許容する貫通孔と、を有し、
前記貫通孔は、前記第1層を貫通する第1貫通孔と、前記第2層を貫通すると共に前記第1貫通孔と連通する第2貫通孔と、を有し、
前記第1貫通孔の幅よりも前記第2貫通孔の幅の方が小さいことを特徴とする。
このような構成の防水部材を用いることで、容易に防水性を付与することができる。
本発明の防水部材では、前記第2貫通孔の幅は、前記第1層側から離間する方向に向けて漸減することが好ましい。
これにより、第2貫通孔の形成が容易となると共に、十分に幅の小さい第2貫通孔が得られる。
これにより、第2貫通孔の形成が容易となると共に、十分に幅の小さい第2貫通孔が得られる。
本発明の防水部材では、前記第2貫通孔の幅の漸減率は、前記第1層側から離間する方向に向けて漸減することが好ましい。
これにより、第2貫通孔の形成が容易となると共に、十分に幅の小さい第2貫通孔が得られる。
これにより、第2貫通孔の形成が容易となると共に、十分に幅の小さい第2貫通孔が得られる。
本発明の防水部材では、前記第2層の前記第1層と反対側の面での前記第2貫通孔の幅は、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましい。
これにより、第2貫通孔の幅を十分に小さくでき、より高い防水性が得られる。
これにより、第2貫通孔の幅を十分に小さくでき、より高い防水性が得られる。
本発明の防水部材では、前記積層体は、前記第1層の前記第2層と反対側に配設されている第3層を有し、
前記第3層は、前記貫通孔よりも幅の大きい第1開口を有していることが好ましい。
これにより、防水部材の機械的強度を高めることができる。また、防水部材の製造が容易となる。
前記第3層は、前記貫通孔よりも幅の大きい第1開口を有していることが好ましい。
これにより、防水部材の機械的強度を高めることができる。また、防水部材の製造が容易となる。
本発明の防水部材では、前記積層体は、前記第1層と前記第3層との間に配設され、前記第1貫通孔と前記第1開口との間にギャップを形成する第4層を有し、
前記第4層は、前記貫通孔よりも幅の大きい第2開口を有し、
前記第2開口を介して前記貫通孔および前記第1開口が連通していることが好ましい。
これにより、防水部材の製造が容易となる。
前記第4層は、前記貫通孔よりも幅の大きい第2開口を有し、
前記第2開口を介して前記貫通孔および前記第1開口が連通していることが好ましい。
これにより、防水部材の製造が容易となる。
本発明の防水部材の製造方法は、第1貫通孔が配設されている第1層を準備する工程と、
気相成長法により、前記第1層の一方の面上に、前記第1貫通孔と連通する第2貫通孔を有する第2層を成膜する工程と、を有し、
前記第1貫通孔の幅よりも前記第2貫通孔の幅の方が小さいことを特徴とする。
これにより、容易に防水部材を製造することができる。
気相成長法により、前記第1層の一方の面上に、前記第1貫通孔と連通する第2貫通孔を有する第2層を成膜する工程と、を有し、
前記第1貫通孔の幅よりも前記第2貫通孔の幅の方が小さいことを特徴とする。
これにより、容易に防水部材を製造することができる。
本発明の防水部材の製造方法では、前記気相成長法は、前記第1貫通孔の前記第2層を形成する側の反対側に空隙を形成した状態で行われることが好ましい。
これにより、第2貫通孔を容易に形成することができる。
これにより、第2貫通孔を容易に形成することができる。
本発明の圧力センサーは、ダイアフラムを有する基板と、
前記ダイアフラムの一方側に位置する圧力基準室と、
前記ダイアフラムの他方側に配設されている本発明の防水部材と、を有し、
前記ダイアフラムと前記防水部材との間が液密的に封止されていることを特徴とする。
これにより、容易な構成で、防水機能付きの圧力センサーが得られる。
前記ダイアフラムの一方側に位置する圧力基準室と、
前記ダイアフラムの他方側に配設されている本発明の防水部材と、を有し、
前記ダイアフラムと前記防水部材との間が液密的に封止されていることを特徴とする。
これにより、容易な構成で、防水機能付きの圧力センサーが得られる。
本発明の電子モジュールは、凹部を有するベースと、前記凹部の開口を塞ぐように前記ベースに接合されている本発明の防水部材と、を有しているパッケージと、
前記パッケージの前記凹部内に収容されている電子部品と、を有していることを特徴とする。
これにより、容易な構成で、防水機能付きの電子モジュールが得られる。
前記パッケージの前記凹部内に収容されている電子部品と、を有していることを特徴とする。
これにより、容易な構成で、防水機能付きの電子モジュールが得られる。
以下、防水部材、防水部材の製造方法、圧力センサーおよび電子モジュールを添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る防水部材について説明する。
まず、本発明の第1実施形態に係る防水部材について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る防水部材の断面図である。図2は、図1に示す防水部材の平面図である。図3は、図1に示す防水部材の拡大断面図である。図4および図5は、それぞれ、図1に示す防水部材の変形例を示す拡大断面図である。図6は、貫通孔の径を決定する方法を説明するための模式図である。図7は、図1に示す防水部材の製造方法のフローチャートである。図8ないし図14は、それぞれ、図1に示す防水部材の製造方法を説明するための断面図である。図15は、第2酸化シリコン層の厚さと第2貫通孔の径との関係を示すグラフである。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図1中の上側を「上」、下側を「下」とも言う。
図1に示す防水部材1は、4つの層が積層した積層体2と、積層体2に形成された貫通孔3および開口4と、を有している。貫通孔3は、水(液体)の通過を阻止すると共に気体Gの通過を許容するほどに小さい径(幅)となっている。そのため、例えば、キャビティー状のベースに蓋をするようにして防水部材1を配置すれば、ベース内への水(液体)の浸入を防ぎつつ、ベース内外への空気(気体)の移動を許容することができる。以下、このような防水部材1について詳細に説明する。
積層体2は、第1シリコン層21(第3層)、第1酸化シリコン層22(第4層)および第2シリコン層23(第1層)が下側から順に積層してなるSOI基板20と、SOI基板20の上面(第2シリコン層23の一方側の面)に配置された第2酸化シリコン層24(第2層)と、を有している。このように、積層体2として、シリコン層と酸化シリコン層とを交互に積層したものを用いることで、積層体2の構成が容易となる。また、後述する製造方法でも説明するように、貫通孔3の形成にはエッチング技術が用いられるため、エッチング選択比が大きいシリコン層と酸化シリコン層とを積層した積層体2を用いることで、エッチングを精度よく行うことができる。
ただし、積層体2の構成としては、これに限定されず、例えば、第2シリコン層23は、後述する製造方法で説明するように第1酸化シリコン層22をエッチングする際のエッチング耐性を有していればよく、例えば、Al、Cu、W、Ti、TiN等の金属材料を用いることができる。また、第2酸化シリコン層24についても、Al、Cu、W、Ti、TiN等の金属材料を用いることができる。
これら4つの層21、22、23、24のうち、第1シリコン(Si)層21は、主に、防水部材1の機械的強度を高めると共に、第2シリコン層23の下側に空間を形成するための層である。また、第1酸化シリコン(SiO2)層22は、主に、第1シリコン層21および第2シリコン層23の間にギャップを形成するための層である。また、第2シリコン(Si)層23は、主に、第2酸化シリコン層24を成膜する母材となる層である。また、第2酸化シリコン(SiO2)層24は、主に、貫通孔3の径を、水の通過を阻止すると共に空気の通過を許容することができる程度に絞るための層である。
第2酸化シリコン層24の表面は、例えば、トリフルオロメチル基(−CF3)を持つフッ素化合物で撥水処理されていることが好ましい。このように、第2酸化シリコン層24の表面を撥水処理することで、第2酸化シリコン層24の表面での水の接触角を精度よく制御することができるため、貫通孔3の径を決定し易くなる。なお、トリフルオロメチル基を持つフッ素化合物で撥水処理すると、第2酸化シリコン層24の表面での水の接触角は、理論上、120°程度となる。
また、4つの層21、22、23、24の厚さとしては、それぞれ、特に限定されない。第1シリコン層21の厚さとしては、100μm以上、500μm以下程度であることが好ましく、150μm以上、250μm以下程度であることがより好ましい。また、第1酸化シリコン層22の厚さとしては、0.1μm以上、10μm以下程度であることが好ましく、0.1μm以上、0.5μm以下程度であることがより好ましい。また、第2シリコン層23の厚さとしては、1.0μm以上、10μm以下程度であることが好ましく、1.0μm程度であることがより好ましい。また、第2酸化シリコン層24の厚さとしては、1.0μm以上、10μm以下程度であることが好ましく、2.0μm以上、5.0μm以下程度であることがより好ましい。このような厚さとすることで、各層21、22、23、24が上述した効果をより効果的に発揮することができる。
このような積層体2は、図2に示すように、平面視で、中央部に位置し、貫通孔3が形成された第1領域S1と、外縁部に、第1領域S1を囲むように位置し、貫通孔3が形成されていない枠状の第2領域S2と、を有している。このように、外縁部に第2領域S2を設けることで、防水部材1を第2領域S2において他の部材と接合することができ、他の部材への取り付けが容易となる。ただし、第2領域S2は、省略してもよいし、その配置が異なっていてもよい。
以上、積層体2について説明した。次に、積層体2に形成された貫通孔3および開口4について詳細に説明する。
貫通孔3は、平面視で、第1領域S1の全域にほぼ均等に分散して複数形成されている。ただし、貫通孔3の配置としては、特に限定されず、第1領域S1内において疎密をもって配置されていてもよい(すなわち、第1領域S1内に、貫通孔3の配設密度が高い部分と低い部分とが存在していてもよい)。また、貫通孔3の数としても特に限定されず、1つであってもよい。
このような貫通孔3は、図3に示すように、第2シリコン層23および第2酸化シリコン層24を貫通して形成されている。また、貫通孔3は、第2シリコン層23を貫通する第1貫通孔31と、第2酸化シリコン層24を貫通する第2貫通孔32と、を有している。
第1貫通孔31は、円形の横断面形状を有し、その径(幅)r1が深さ方向にほぼ一定となっている。そのため、第1貫通孔31は、略円柱状の内部空間を有しているとも言える。ただし、第1貫通孔31の形状としては、特に限定されず、例えば、横断面形状が四角形、三角形、長円形、異形等であってもよいし、また、径が深さ方向に沿って漸減または漸増するテーパー状となっていてもよい。
第1貫通孔31の径r1としては、特に限定されないが、0.5μm以上、20μm以下程度であることが好ましく、0.8μm以上、1.2μm以下程度であることがより好ましく、1.0μm程度であることがさらに好ましい。径r1をこのようなサイズとすることで、後述する製造方法でも説明するように、第2貫通孔32の形成が容易となる。
第2貫通孔32は、円形の横断面形状を有し、その径(幅)が上側(第2シリコン層23から離間する方向)に向けて漸減している。また、第2貫通孔32は、その径の漸減率が上側に向けて漸減している。すなわち、上側に向けて内周面の傾斜がきつくなっており、上端部では内周面がほぼ垂直に立った状態となっている。そのため、第2貫通孔32は、上側に向けて径が漸減する径漸減部32Aと、径漸減部32Aの上側に接続され、径が上側に向けてほぼ一定の径一定部32Bと、を有し、漏斗状の内部空間を有しているとも言える。このような構成とすれば、第2貫通孔32の径を下側から上側に向けて徐々に小さくすることができるため、積層体2の上面における径(最小径)を高精度に制御することができる。
ただし、第2貫通孔32の形状としては、特に限定されず、例えば、横断面形状が四角形、三角形、長円形、異形等であってもよい。また、径一定部32Bを有していなくてもよい。また、図4に示すように、径漸減部32Aでの径の漸減率が上側に向けてほぼ一定となっていてもよい。また、図5に示すように、径一定部32Bを有さず、さらに、径漸減部32Aが、径の漸減率が上側に向けてほぼ一定の第1径漸減部32A’と、第1径漸減部32A’の上側に接続され、径の漸減率が上側に向けてほぼ一定でかつ第1径漸減部32A’の漸減率よりも小さい第2径漸減部32A”と、を有していてもよい。
第2貫通孔32の最小の径(すなわち、第2酸化シリコン層24の表面(積層体2の上面)側の開口の径)r2は、第1貫通孔31の径r1よりも小さくなっている。このように、r2<r1の関係を満足することで、r2の値を十分に小さくすることができ、水の通過を阻止すると共に気体Gの通過を許容できる貫通孔3が得られる。このような径r2としては、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましい。これにより、水の通過をより確実に阻止することのできる貫通孔3となる。
また、径r2としては、10気圧防水を実現できる(すなわち、水中を100m潜った状態でも水の通過を阻止できる)程度に小さいことが好ましい。これにより、例えば、フリーダイビング等にも耐え得る防水性を発揮することでき、利便性に優れた防水部材1となる。
前述したように、第2酸化シリコン層24の表面の水の接触角が120°程度であるため、10気圧防水を実現するためには、径r2の最小値を0.144μm以下程度とする必要がある。径r2の決定方法について簡単に説明すると、図6に示すように、D=径、P=圧力、σ=表面張力、θ=接触角としたとき、D=(−4σcosθ)/Pなる関係を満足するため、この式に、水の表面張力(σ≒72dyn/cm:20℃)、圧力(P=10atm)、接触角(θ=120°)を代入すると、D=0.144μmを求めることができる。なお、参考として、いくつかの接触角θについて、10気圧防水を実現でき得るDの値を下記の表1に示す。
開口4は、図1および図3に示すように、第1シリコン層21に形成された第1開口41と、第1酸化シリコン層22に形成された第2開口42と、を有している。第1開口41は、第1領域S1内にほぼ均等に分散して複数形成されており、各第1開口41の径(幅)r3は、第1貫通孔31の径r1よりも大きくなっている。なお、第1開口41としては、例えば、第1領域S1のほぼ全域と重なる1つの開口で構成されていてもよい。ただし、本実施形態のように複数の第1開口41とした方が、第1シリコン層21の機械的強度を高めることができる点で有効である。一方、第2開口42は、第1領域S1のほぼ全域と重なる1つの開口で構成されており、第2開口42を介して第1開口41と第1貫通孔31とが連通されている。このような開口4によって、第1貫通孔31の下側(第2酸化シリコン層24と反対側)に空隙が形成されるため、後述する製造方法でも説明するように、防水部材1を精度よく製造することができる。
以上、防水部材1の構成について説明した。なお、本実施形態では、積層体2が4つの層21、22、23、24を有しているが、積層体2の構成としては、少なくとも、第2シリコン層23および第2酸化シリコン層24を有していればよい。すなわち、第1シリコン層21および第1酸化シリコン層22は、省略してもよい。
次に、防水部材1の製造方法について説明する。防水部材1の製造方法は、図7に示すように、SOI基板20を準備する準備工程と、SOI基板20の上面に第2酸化シリコン層24を成膜する成膜工程と、第2酸化シリコン層24の表面を撥水処理する撥水処理工程と、を有している。このような製造方法について、以下、詳細に説明する。
[準備工程]
まず、図8に示すように、第1シリコン層21、第1酸化シリコン層22および第2シリコン層23が下側から順に積層してなるSOI基板20を準備する。次に、SOI基板20の下面(第1シリコン層21の表面)にマスクを成膜し、このマスクを介して第1シリコン層21をエッチングすることで、図9に示すように、第1シリコン層21に第1開口41を形成する。この際、第1酸化シリコン層22は、エッチングのストップ層として機能する。次に、SOI基板20の上面(第2シリコン層23の表面)にマスクを成膜し、このマスクを介して第2シリコン層23をエッチングすることで、図10に示すように、第2シリコン層23に第1貫通孔31を形成する。この際、第1酸化シリコン層22は、エッチングのストップ層として機能する。次に、第1開口41および第1貫通孔31を介して第1酸化シリコン層22をエッチングすることで、図11に示すように、第2開口42を形成する。これにより、第1開口41および第1貫通孔31が形成されたSOI基板20が得られる。なお、上記エッチングとしては、特に限定されないが、例えば、第1シリコン層21および第2シリコン層23についてはドライエッチングを用い、第1酸化シリコン層22についてはウェットエッチングを用いることが好ましい。
まず、図8に示すように、第1シリコン層21、第1酸化シリコン層22および第2シリコン層23が下側から順に積層してなるSOI基板20を準備する。次に、SOI基板20の下面(第1シリコン層21の表面)にマスクを成膜し、このマスクを介して第1シリコン層21をエッチングすることで、図9に示すように、第1シリコン層21に第1開口41を形成する。この際、第1酸化シリコン層22は、エッチングのストップ層として機能する。次に、SOI基板20の上面(第2シリコン層23の表面)にマスクを成膜し、このマスクを介して第2シリコン層23をエッチングすることで、図10に示すように、第2シリコン層23に第1貫通孔31を形成する。この際、第1酸化シリコン層22は、エッチングのストップ層として機能する。次に、第1開口41および第1貫通孔31を介して第1酸化シリコン層22をエッチングすることで、図11に示すように、第2開口42を形成する。これにより、第1開口41および第1貫通孔31が形成されたSOI基板20が得られる。なお、上記エッチングとしては、特に限定されないが、例えば、第1シリコン層21および第2シリコン層23についてはドライエッチングを用い、第1酸化シリコン層22についてはウェットエッチングを用いることが好ましい。
[成膜工程]
次に、スパッタリング(気相成長法)によって、SOI基板20の上面(第2シリコン層23の表面)に酸化シリコンを成膜することで、図12に示すように、第2貫通孔32が形成された第2酸化シリコン層24が得られる。これにより、貫通孔3および開口4が形成された積層体2が得られる。なお、本工程では、例えば、ターゲットとしてシリコン(Si)を用い、反応性ガス(O2)を導入しながら行う反応性スパッタリングを用いることが好ましい。
次に、スパッタリング(気相成長法)によって、SOI基板20の上面(第2シリコン層23の表面)に酸化シリコンを成膜することで、図12に示すように、第2貫通孔32が形成された第2酸化シリコン層24が得られる。これにより、貫通孔3および開口4が形成された積層体2が得られる。なお、本工程では、例えば、ターゲットとしてシリコン(Si)を用い、反応性ガス(O2)を導入しながら行う反応性スパッタリングを用いることが好ましい。
ここで、本工程について詳しく説明すると、図13に示すように、第2酸化シリコン層24を成長させていくと、初めのうちは、第1貫通孔31を塞ごうとして、急峻に第2貫通孔32の径が狭くなっていくが、図14に示すように、第2酸化シリコン層24がある厚みを超えたあたりから第2貫通孔32の径がほとんど小さくならなくなり、それ以降は、径がほぼ一定の状態が続く。これは、第1貫通孔31の下側に開口4による空間を形成しており、この空間に第2貫通孔32および第1貫通孔31を通過したSiO2分子を逃がすことで、第2貫通孔32が塞がってしまうのを抑制しているためである。このように、第1貫通孔31の第2酸化シリコン層24を成膜する面の反対側に、空隙を形成した状態で上記のスパッタリングを行うことで、容易かつより確実に、十分に径の小さい第2貫通孔32を形成することができる。
なお、発明者が行った実験では、第1貫通孔31の径r1が1.0μmであるとき、図15のグラフにも示すように、厚さが3.0μmを超えたあたりから第2貫通孔32の径が変化しなくなり、その径は、0.1μm程度であった。このように、上記の第2貫通孔32の形成方法によれば、より確実に、10気圧防水を実現可能な防水部材1を製造することができる。また、第2酸化シリコン層24の厚みを抑えることができ、防水部材1をより薄くすることができる。
[撥水処理工程]
次に、第2酸化シリコン層24の表面を、トリフルオロメチル基(−CF3)を持つフッ素化合物で撥水処理することで、防水部材1が得られる。
このような製造方法によれば、防水部材1を容易に製造することができる。
次に、第2酸化シリコン層24の表面を、トリフルオロメチル基(−CF3)を持つフッ素化合物で撥水処理することで、防水部材1が得られる。
このような製造方法によれば、防水部材1を容易に製造することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
次に、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
図16は、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーの断面図である。図17は、図16に示す圧力センサーが有するセンサー部を示す平面図である。図18は、図17に示すセンサー部を含むブリッジ回路を示す図である。なお、以下では、説明の便宜上、図16中の上側を「上」、下側を「下」とも言う。
図16に示す圧力センサー10は、基板6と、基板6に設けられたセンサー部7と、基板6の上面に配設された周囲構造体8と、基板6および周囲構造体8で画成された空洞部Sと、基板6の下面に配設された防水部材1と、を有している。以下、これら各部について順に説明する。
[基板]
基板6は、図16に示すように、SOI基板(シリコン層611、酸化シリコン層612、シリコン層613の積層基板)である半導体基板61上に、シリコン酸化膜(SiO2膜)で構成された第1絶縁膜62と、シリコン窒化膜(SiN膜)で構成された第2絶縁膜63と、ポリシリコン膜64と、をこの順に積層することで構成されている。ただし、半導体基板61としては、SOI基板に限定されず、例えば、シリコン基板を用いることもできる。また、第1絶縁膜62や第2絶縁膜63についても、エッチング耐性と絶縁性とを発揮することができれば、材料は特に限定されない。また、第1絶縁膜62、第2絶縁膜63、ポリシリコン膜64は、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。
基板6は、図16に示すように、SOI基板(シリコン層611、酸化シリコン層612、シリコン層613の積層基板)である半導体基板61上に、シリコン酸化膜(SiO2膜)で構成された第1絶縁膜62と、シリコン窒化膜(SiN膜)で構成された第2絶縁膜63と、ポリシリコン膜64と、をこの順に積層することで構成されている。ただし、半導体基板61としては、SOI基板に限定されず、例えば、シリコン基板を用いることもできる。また、第1絶縁膜62や第2絶縁膜63についても、エッチング耐性と絶縁性とを発揮することができれば、材料は特に限定されない。また、第1絶縁膜62、第2絶縁膜63、ポリシリコン膜64は、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。
また、半導体基板61には、周囲の部分よりも薄肉であり、受圧によって撓み変形するダイアフラム65が設けられている。このダイアフラム65は、半導体基板61の下面に開放する有底の凹部66を設けることで凹部66の底部に形成され、ダイアフラム65の下面(凹部66の底面)が受圧面651となっている。
また、半導体基板61上およびその上方にはセンサー部7と電気的に接続された図示しない半導体回路(回路)が作り込まれている。この半導体回路には、必要に応じて形成されたMOSトランジスタ等の能動素子、キャパシタ、インダクタ、抵抗、ダイオードおよび配線等の回路要素が含まれている。ただし、このような半導体回路は、省略してもよい。
[センサー部]
センサー部7は、図17に示すように、ダイアフラム65に設けられている4つのピエゾ抵抗素子71、72、73、74を有する。また、ピエゾ抵抗素子71、72、73、74は、配線等を介して、互いに電気的に接続され、図18に示すブリッジ回路70(ホイートストンブリッジ回路)を構成して半導体回路と接続されている。
センサー部7は、図17に示すように、ダイアフラム65に設けられている4つのピエゾ抵抗素子71、72、73、74を有する。また、ピエゾ抵抗素子71、72、73、74は、配線等を介して、互いに電気的に接続され、図18に示すブリッジ回路70(ホイートストンブリッジ回路)を構成して半導体回路と接続されている。
ブリッジ回路70には駆動電圧AVDCを供給する駆動回路(図示せず)が接続されている。そして、ブリッジ回路70は、ダイアフラム65の撓みに基づくピエゾ抵抗素子71、72、73、74の抵抗値変化に応じた信号(電圧)を出力する。そのため、この出力された信号に基づいてダイアフラム65が受けた圧力を検出することができる。
ピエゾ抵抗素子71、72、73、74は、それぞれ、例えば、半導体基板61(シリコン層613)にリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。また、これらピエゾ抵抗素子71〜74を接続する配線は、例えば、半導体基板61(シリコン層613)に、ピエゾ抵抗素子71〜74よりも高濃度でリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。
[空洞部]
空洞部Sは、図16に示すように、基板6と周囲構造体8とに囲まることで画成されている。このような空洞部Sは、密閉された空間であり、圧力センサー10が検出する圧力の基準値となる圧力基準室として機能する。また、空洞部Sは、ダイアフラム65の受圧面651とは反対側に位置し、ダイアフラム65と重なって配置されている。なお、空洞部Sは、真空状態(例えば、10Pa以下程度)であることが好ましい。これにより、圧力センサー10を、真空を基準として圧力を検出する所謂「絶対圧センサー」として用いることができ、利便性の高い圧力センサー10となる。ただし、空洞部Sは、一定の圧力に保たれていれば、真空状態でなくてもよい。
空洞部Sは、図16に示すように、基板6と周囲構造体8とに囲まることで画成されている。このような空洞部Sは、密閉された空間であり、圧力センサー10が検出する圧力の基準値となる圧力基準室として機能する。また、空洞部Sは、ダイアフラム65の受圧面651とは反対側に位置し、ダイアフラム65と重なって配置されている。なお、空洞部Sは、真空状態(例えば、10Pa以下程度)であることが好ましい。これにより、圧力センサー10を、真空を基準として圧力を検出する所謂「絶対圧センサー」として用いることができ、利便性の高い圧力センサー10となる。ただし、空洞部Sは、一定の圧力に保たれていれば、真空状態でなくてもよい。
[周囲構造体]
基板6と共に空洞部Sを画成する周囲構造体8は、図16に示すように、層間絶縁膜81と、層間絶縁膜81上に配置された配線層82と、配線層82および層間絶縁膜81上に配置された層間絶縁膜83と、層間絶縁膜83上に配置された配線層84と、配線層84および層間絶縁膜83上に配置された表面保護膜85と、配線層84および表面保護膜85上に配置された封止層86と、を有している。
基板6と共に空洞部Sを画成する周囲構造体8は、図16に示すように、層間絶縁膜81と、層間絶縁膜81上に配置された配線層82と、配線層82および層間絶縁膜81上に配置された層間絶縁膜83と、層間絶縁膜83上に配置された配線層84と、配線層84および層間絶縁膜83上に配置された表面保護膜85と、配線層84および表面保護膜85上に配置された封止層86と、を有している。
配線層82は、空洞部Sを囲んで配置された枠状の配線部821と、前記半導体回路の配線を構成する回路用配線部829と、を有している。同様に、配線層84は、空洞部Sを囲んで配置された枠状の配線部841と、前記半導体回路の配線を構成する回路用配線部849と、を有している。そして、前記半導体回路は、回路用配線部829、849によって周囲構造体8の上面に引き出されている。
また、配線層84は、空洞部Sの上方(天井側)に位置する被覆層844を有している。そして、被覆層844には空洞部Sの内外を連通する複数の貫通孔(細孔)845が設けられている。また、被覆層844上には封止層86が配置されており、この封止層86によって貫通孔845が封止されている。
表面保護膜85は、周囲構造体8を水分、ゴミ、傷などから保護する機能を有している。このような表面保護膜は、被覆層844の貫通孔845を塞がないように、層間絶縁膜83および配線層84上に配置されている。
このような周囲構造体8のうち、層間絶縁膜81、83としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)等の絶縁膜を用いることができる。また、配線層82、84としては、例えば、アルミニウム膜等の金属膜を用いることができる。また、封止層86としては、例えば、Al、Cu、W、Ti、TiN等の金属膜、シリコン酸化膜等を用いることができる。また、表面保護膜85としては、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリイミド膜、エポキシ樹脂膜などを用いることができる。
[防水部材]
防水部材1は、図16に示すように、第2酸化シリコン層24を下側(外側)にして、第2領域S2において基板6の下面に接合されている。また、第1領域S1が凹部66と重なって配置され、貫通孔3および開口4を介して凹部66の内外が連通している。そのため、受圧面651での受圧を阻害することなく、受圧面651への水の付着を低減することができ、高い圧力検知精度を有する圧力センサー10となる。
防水部材1は、図16に示すように、第2酸化シリコン層24を下側(外側)にして、第2領域S2において基板6の下面に接合されている。また、第1領域S1が凹部66と重なって配置され、貫通孔3および開口4を介して凹部66の内外が連通している。そのため、受圧面651での受圧を阻害することなく、受圧面651への水の付着を低減することができ、高い圧力検知精度を有する圧力センサー10となる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る電子モジュールについて説明する。
次に、本発明の第3実施形態に係る電子モジュールについて説明する。
図19は、本発明の第3実施形態に係る電子モジュールの断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図19中の上側を「上」、下側を「下」とも言う。
図19に示す電子モジュール100は、パッケージ5と、パッケージ5内に収容された圧力センサー(電子部品)10AおよびIC(電子部品)9と、を有している。
[パッケージ]
パッケージ5は、上面に開放する凹部511を有する箱状のベース51と、凹部511の開口を塞ぐようにベース51の上面に接合された蓋体としての防水部材1と、を有している。また、防水部材1は、第2酸化シリコン層24を上側(外側)にして、第2領域S2においてベース51の上面に接合されている。また、第1領域S1が凹部511と重なって配置され、貫通孔3および開口4を介して凹部511の内外が連通している。
パッケージ5は、上面に開放する凹部511を有する箱状のベース51と、凹部511の開口を塞ぐようにベース51の上面に接合された蓋体としての防水部材1と、を有している。また、防水部材1は、第2酸化シリコン層24を上側(外側)にして、第2領域S2においてベース51の上面に接合されている。また、第1領域S1が凹部511と重なって配置され、貫通孔3および開口4を介して凹部511の内外が連通している。
ベース51の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の酸化物セラミックス、窒化珪素、窒化アルミ、窒化チタン等の窒化物セラミックスのような各種セラミックスや、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂のような各種樹脂材料等の絶縁性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[圧力センサー]
圧力センサー10Aは、前述した第2実施形態の構成から防水部材1を省略した構成となっている。そして、このような圧力センサー10Aは、ボンディングワイヤーによって、凹部511の底部から浮遊して支持されている。このように、圧力センサー10Aを浮遊させることで、外部からの応力が圧力センサー10Aに伝わり難くなり、圧力検知精度の低下を低減することができる。また、圧力センサー10Aは、ボンディングワイヤーによって、ベース51に配設された図示しない配線と電気的に接続されている。
圧力センサー10Aは、前述した第2実施形態の構成から防水部材1を省略した構成となっている。そして、このような圧力センサー10Aは、ボンディングワイヤーによって、凹部511の底部から浮遊して支持されている。このように、圧力センサー10Aを浮遊させることで、外部からの応力が圧力センサー10Aに伝わり難くなり、圧力検知精度の低下を低減することができる。また、圧力センサー10Aは、ボンディングワイヤーによって、ベース51に配設された図示しない配線と電気的に接続されている。
[IC]
IC9は、凹部511の底面に固定されており、圧力センサー10Aと並んで配置されている。また、IC9は、ボンディングワイヤーによって、ベース51に配設された図示しない配線と電気的に接続されており、前記配線を介して圧力センサー10Aやベース51の底面に配置された図示しない外部接続端子と電気的に接続されている。
IC9は、凹部511の底面に固定されており、圧力センサー10Aと並んで配置されている。また、IC9は、ボンディングワイヤーによって、ベース51に配設された図示しない配線と電気的に接続されており、前記配線を介して圧力センサー10Aやベース51の底面に配置された図示しない外部接続端子と電気的に接続されている。
このようなIC9には、例えば、ブリッジ回路70に電圧を供給するための駆動回路や、ブリッジ回路70からの出力を温度補償するための温度補償回路や、温度補償回路からの出力から加わった圧力を求める圧力検出回路や、圧力検出回路からの出力を所定の出力形式(CMOS、LV−PECL、LVDS等)に変換して出力する出力回路等が含まれている。なお、駆動回路、温度補償回路、圧力検出回路、出力回路等のうちの一部(例えば、駆動回路)は、圧力センサー10A内の前記半導体回路に形成されていてもよい。
このような構成の電子モジュール100によれば、防水部材1によって凹部511の開口が塞がれているため、圧力センサー10Aでの圧力検知(受圧面651での受圧)を阻害することなく、凹部511内への水の浸入を低減することができる。そのため、防水機能を備えた電子モジュール100となる。特に、従来のように、防水性を付与するために凹部511内をゲル等で充填する必要がないため、構成が容易であり、かつ、製造も容易な電子モジュール100となる。
なお、圧力センサー10Aの構成としては、圧力を検出することができれば、特に限定されない。また、例えば、IC9を省略してもよい。また、本実施形態では、パッケージ5に収容する電子部品として、圧力センサー10AとIC9とを用いた構成について説明したが、電子部品としては、特に限定されない。例えば、電子部品として、加速度センサー、角速度センサー等の物理量センサーや、発振器等に用いられる振動子等であってもよい。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る高度計について説明する。
次に、本発明の第4実施形態に係る高度計について説明する。
図20は、高度計の一例を示す斜視図である。
図20に示すように、高度計200は、腕時計のように手首に装着することができる。また、高度計200の内部には、電子モジュール100が搭載されており、表示部201に現在地の海抜からの高度、または、現在地の気圧等を表示することができる。なお、この表示部201には、現在時刻、使用者の心拍数、天候等、様々な情報を表示することができる。このような高度計200は、電子モジュール100を備えているため、防水性を有しており、高い信頼性を発揮することができる。
図20に示すように、高度計200は、腕時計のように手首に装着することができる。また、高度計200の内部には、電子モジュール100が搭載されており、表示部201に現在地の海抜からの高度、または、現在地の気圧等を表示することができる。なお、この表示部201には、現在時刻、使用者の心拍数、天候等、様々な情報を表示することができる。このような高度計200は、電子モジュール100を備えているため、防水性を有しており、高い信頼性を発揮することができる。
なお、高度計200の他にも、例えば、フリーダイビング等で用いられる腕時計型の水深計に電子モジュール100を搭載してもよい。この場合には、10気圧防水、すなわち、水深100mまで防水性を維持することができるため、優れた利便性および信頼性を発揮することができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る電子機器について説明する。
次に、本発明の第5実施形態に係る電子機器について説明する。
図21は、電子機器の一例を示す正面図である。
本実施形態の電子機器は、電子モジュール100を備えたナビゲーションシステム300である。図21に示すように、ナビゲーションシステム300は、図示しない地図情報と、GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)からの位置情報取得手段と、ジャイロセンサーおよび加速度センサーと車速データとによる自立航法手段と、電子モジュール100と、所定の位置情報または進路情報を表示する表示部301とを備えている。
本実施形態の電子機器は、電子モジュール100を備えたナビゲーションシステム300である。図21に示すように、ナビゲーションシステム300は、図示しない地図情報と、GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)からの位置情報取得手段と、ジャイロセンサーおよび加速度センサーと車速データとによる自立航法手段と、電子モジュール100と、所定の位置情報または進路情報を表示する表示部301とを備えている。
このナビゲーションシステム300によれば、取得した位置情報に加えて、電子モジュール100によって高度情報を取得することができる。そのため、一般道路から高架道路へ進入する(またはこの逆)ことによる高度変化を検出することで、一般道路を走行しているのか高架道路を走行しているのかを判断でき、実際の走行状態におけるナビゲーション情報を使用者に提供することができる。このようなナビゲーションシステム300は、電子モジュール100を備えているため、高い信頼性を発揮することができる。
なお、本発明の電子モジュールを備える電子機器は、上記のナビゲーションシステムに限定されず、例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、時計(スマートウォッチを含む)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等に適用することができる。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る移動体について説明する。
次に、本発明の第6実施形態に係る移動体について説明する。
図22は、移動体の一例を示す斜視図である。
本実施形態の移動体は、電子モジュール100を備えた自動車400である。図22に示すように、自動車400は、車体401と、4つの車輪402とを有しており、車体401に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪402を回転させるように構成されている。このような自動車400には、ナビゲーションシステム300(電子モジュール100)が内蔵されている。このような自動車400は、電子モジュール100を備えているため、高い信頼性を発揮することができる。
本実施形態の移動体は、電子モジュール100を備えた自動車400である。図22に示すように、自動車400は、車体401と、4つの車輪402とを有しており、車体401に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪402を回転させるように構成されている。このような自動車400には、ナビゲーションシステム300(電子モジュール100)が内蔵されている。このような自動車400は、電子モジュール100を備えているため、高い信頼性を発揮することができる。
以上、本発明の防水部材、防水部材の製造方法、圧力センサーおよび電子モジュールを図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1…防水部材、10…圧力センサー、10A…圧力センサー、2…積層体、20…SOI基板、21…第1シリコン層、22…第1酸化シリコン層、23…第2シリコン層、24…第2酸化シリコン層、3…貫通孔、31…第1貫通孔、32…第2貫通孔、32A…径漸減部、32A’…第1径漸減部、32A”…第2径漸減部、32B…径一定部、4…開口、41…第1開口、42…第2開口、5…パッケージ、51…ベース、511…凹部、6…基板、61…半導体基板、611…シリコン層、612…酸化シリコン層、613…シリコン層、62…第1絶縁膜、63…第2絶縁膜、64…ポリシリコン膜、65…ダイアフラム、651…受圧面、66…凹部、7…センサー部、70…ブリッジ回路、71、72、73、74…ピエゾ抵抗素子、8…周囲構造体、81…層間絶縁膜、82…配線層、821…配線部、829…回路用配線部、83…層間絶縁膜、84…配線層、841…配線部、844…被覆層、845…貫通孔、849…回路用配線部、85…表面保護膜、86…封止層、9…IC、100…電子モジュール、200…高度計、201…表示部、300…ナビゲーションシステム、301…表示部、400…自動車、401…車体、402…車輪、S…空洞部、S1…第1領域、S2…第2領域、r1、r2、r3…径、θ…接触角
Claims (10)
- 第1層および前記第1層の一方側に配設されている第2層を備える積層体と、
前記積層体に設けられ、液体の通過を阻止すると共に気体の通過を許容する貫通孔と、を有し、
前記貫通孔は、前記第1層を貫通する第1貫通孔と、前記第2層を貫通すると共に前記第1貫通孔と連通する第2貫通孔と、を有し、
前記第1貫通孔の幅よりも前記第2貫通孔の幅の方が小さいことを特徴とする防水部材。 - 前記第2貫通孔の幅は、前記第1層側から離間する方向に向けて漸減する請求項1に記載の防水部材。
- 前記第2貫通孔の幅の漸減率は、前記第1層側から離間する方向に向けて漸減する請求項2に記載の防水部材。
- 前記第2層の前記第1層と反対側の面での前記第2貫通孔の幅は、0.1μm以上、10μm以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の防水部材。
- 前記積層体は、前記第1層の前記第2層と反対側に配設されている第3層を有し、
前記第3層は、前記貫通孔よりも幅の大きい第1開口を有している請求項4に記載の防水部材。 - 前記積層体は、前記第1層と前記第3層との間に配設され、前記第1貫通孔と前記第1開口との間にギャップを形成する第4層を有し、
前記第4層は、前記貫通孔よりも幅の大きい第2開口を有し、
前記第2開口を介して前記貫通孔および前記第1開口が連通している請求項5に記載の防水部材。 - 第1貫通孔が配設されている第1層を準備する工程と、
気相成長法により、前記第1層の一方の面上に、前記第1貫通孔と連通する第2貫通孔を有する第2層を成膜する工程と、を有し、
前記第1貫通孔の幅よりも前記第2貫通孔の幅の方が小さいことを特徴とする防水部材の製造方法。 - 前記気相成長法は、前記第1貫通孔の前記第2層を形成する側の反対側に空隙を形成した状態で行われる請求項7に記載の防水部材の製造方法。
- ダイアフラムを有する基板と、
前記ダイアフラムの一方側に位置する圧力基準室と、
前記ダイアフラムの他方側に配設されている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の防水部材と、を有し、
前記ダイアフラムと前記防水部材との間が液密的に封止されていることを特徴とする圧力センサー。 - 凹部を有するベースと、前記凹部の開口を塞ぐように前記ベースに接合されている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の防水部材と、を有しているパッケージと、
前記パッケージの前記凹部内に収容されている電子部品と、を有していることを特徴とする電子モジュール。
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