JP2018128374A - 圧力センサーデバイス、電子機器および移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた耐衝撃性および検出精度を発揮することのできる圧力センサーデバイス、電子機器および移動体を提供する。
【解決手段】本発明の圧力センサーデバイスは、基材と、前記基材に接続されているボンディングワイヤーと、前記ボンディングワイヤーを介して前記基材に支持されている圧力センサーと、前記ボンディングワイヤーの少なくとも一部を覆い、弾性を有する被覆部と、を有する。また、前記被覆部のゴム硬度は、15以上30以下であることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の圧力センサーデバイスは、基材と、前記基材に接続されているボンディングワイヤーと、前記ボンディングワイヤーを介して前記基材に支持されている圧力センサーと、前記ボンディングワイヤーの少なくとも一部を覆い、弾性を有する被覆部と、を有する。また、前記被覆部のゴム硬度は、15以上30以下であることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、圧力センサーデバイス、電子機器および移動体に関するものである。
従来から、圧力センサーデバイスとして、例えば、特許文献1に記載の構成が知られている。特許文献1の圧力センサーデバイスは、受圧により撓み変形するダイアフラムを有する圧力センサーと、この圧力センサーを収納するパッケージと、圧力センサーを覆うようにパッケージ内に充填されたゲルと、を有し、圧力がゲルを介してダイアフラムに伝達される構成となっている。このような構成によれば、ゲルによって、圧力センサーを衝撃から守ることができるため、優れた耐衝撃性を発揮することができる。
しかしながら、特許文献1のようにパッケージにゲルを充填し、ゲルで圧力センサーを覆ってしまうと、出力のドリフトが発生するおそれが高まり、高い検出精度を発揮することができないという問題が生じる。なお、この問題は、圧力センサーデバイスの向きが変化することで、パッケージ内でゲルが流動し、このゲルの流動に伴って生じる力がダイアフラムに加わってしまうことが一因ではないかと推測される。
本発明の目的は、優れた耐衝撃性および検出精度を発揮することのできる圧力センサーデバイス、電子機器および移動体を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の圧力センサーデバイスは、基材と、
前記基材に接続されているボンディングワイヤーと、
前記ボンディングワイヤーを介して前記基材に支持されている圧力センサーと、
前記ボンディングワイヤーの少なくとも一部を覆い、弾性を有する被覆部と、を有することを特徴とする。
このような構成は、従来のような圧力センサーの周囲を覆うゲルを用いていない。そのため、出力のドリフトが発生し難い。また、被覆部がボンディングワイヤーの機械的強度を高める補強部として機能するため、圧力センサーデバイスの耐衝撃性を高めることもできる。また、被覆部によってボンディングワイヤーが変形し難くなり、圧力センサーの揺れを低減することができる。そのため、圧力センサーの揺れに起因する出力のドリフトを抑制することもできる。以上より、上記のような構成によれば、優れた耐衝撃性および検出精度を発揮することのできる圧力センサーデバイスが得られる。
前記基材に接続されているボンディングワイヤーと、
前記ボンディングワイヤーを介して前記基材に支持されている圧力センサーと、
前記ボンディングワイヤーの少なくとも一部を覆い、弾性を有する被覆部と、を有することを特徴とする。
このような構成は、従来のような圧力センサーの周囲を覆うゲルを用いていない。そのため、出力のドリフトが発生し難い。また、被覆部がボンディングワイヤーの機械的強度を高める補強部として機能するため、圧力センサーデバイスの耐衝撃性を高めることもできる。また、被覆部によってボンディングワイヤーが変形し難くなり、圧力センサーの揺れを低減することができる。そのため、圧力センサーの揺れに起因する出力のドリフトを抑制することもできる。以上より、上記のような構成によれば、優れた耐衝撃性および検出精度を発揮することのできる圧力センサーデバイスが得られる。
本発明の圧力センサーデバイスでは、前記被覆部は、15以上30以下のゴム硬度を有することが好ましい。
これにより、被覆部にボンディングワイヤーの補強部としての機能を十分に発揮させることができる。また、ボンディングワイヤーが過度に硬くなって基材から圧力センサーへ応力が伝わり易くなってしまうことを抑制することができる。
これにより、被覆部にボンディングワイヤーの補強部としての機能を十分に発揮させることができる。また、ボンディングワイヤーが過度に硬くなって基材から圧力センサーへ応力が伝わり易くなってしまうことを抑制することができる。
本発明の圧力センサーデバイスでは、前記圧力センサーは、前記ボンディングワイヤーと接続されている端子を有し、
前記被覆部は、前記端子を覆っていることが好ましい。
これにより、端子を水分から保護することができ、圧力センサーの電気的な劣化(例えば、端子の腐食による断線、抵抗値の増加等)を抑制することができる。
前記被覆部は、前記端子を覆っていることが好ましい。
これにより、端子を水分から保護することができ、圧力センサーの電気的な劣化(例えば、端子の腐食による断線、抵抗値の増加等)を抑制することができる。
本発明の圧力センサーデバイスでは、前記圧力センサーは、受圧により撓み変形するダイアフラムを有し、
前記ダイアフラムの受圧面上に配置され、前記受圧面に圧力を伝搬する圧力伝搬部を有していることが好ましい。
これにより、受圧面を水分から保護することができ、圧力センサーに防水性を付与することができる。
前記ダイアフラムの受圧面上に配置され、前記受圧面に圧力を伝搬する圧力伝搬部を有していることが好ましい。
これにより、受圧面を水分から保護することができ、圧力センサーに防水性を付与することができる。
本発明の圧力センサーデバイスでは、前記圧力伝搬部は、液状またはゲル状をなし、150以上の針入度を有することが好ましい。
これにより、圧力伝搬部を十分に柔らかくすることができ、圧力伝搬部を介して、より効率的に、圧力を受圧面に伝搬することができる。
これにより、圧力伝搬部を十分に柔らかくすることができ、圧力伝搬部を介して、より効率的に、圧力を受圧面に伝搬することができる。
本発明の圧力センサーデバイスでは、前記圧力センサーは、前記ダイアフラム上に配置された圧力基準室を有し、
前記端子は、前記圧力基準室に対して前記ダイアフラムと反対側に配置されていることが好ましい。
これにより、圧力伝搬部および被覆部を互いに邪魔することなく配置することができる。
前記端子は、前記圧力基準室に対して前記ダイアフラムと反対側に配置されていることが好ましい。
これにより、圧力伝搬部および被覆部を互いに邪魔することなく配置することができる。
本発明の圧力センサーデバイスでは、前記基材は、前記圧力センサーを収納しているパッケージであることが好ましい。
これにより、圧力センサーデバイスの部品点数を削減することができる。そのため、圧力センサーデバイスの小型化を図ることができる。
これにより、圧力センサーデバイスの部品点数を削減することができる。そのため、圧力センサーデバイスの小型化を図ることができる。
本発明の圧力センサーデバイスでは、前記基材は、配線基板であることが好ましい。
これにより、パッケージによって、圧力センサーを保護することができると共に、配線基板によって、圧力センサーとの電気的な接続を容易に行うことができる。
これにより、パッケージによって、圧力センサーを保護することができると共に、配線基板によって、圧力センサーとの電気的な接続を容易に行うことができる。
本発明の圧力センサーデバイスでは、前記圧力センサーと電気的に接続されている回路素子を有していることが好ましい。
これにより、圧力センサーの駆動をより容易に行うことができる。
これにより、圧力センサーの駆動をより容易に行うことができる。
本発明の電子機器は、本発明の圧力センサーデバイスを有することを特徴とする。
これにより、本発明の圧力センサーデバイスの効果を享受でき、信頼性の高い電子機器が得られる。
これにより、本発明の圧力センサーデバイスの効果を享受でき、信頼性の高い電子機器が得られる。
本発明の移動体は、本発明の圧力センサーデバイスを有することを特徴とする。
これにより、本発明の圧力センサーデバイスの効果を享受でき、信頼性の高い移動体が得られる。
これにより、本発明の圧力センサーデバイスの効果を享受でき、信頼性の高い移動体が得られる。
以下、本発明の圧力センサーデバイス、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーデバイスについて説明する。
まず、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーデバイスについて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーデバイスの断面図である。図2は、図1に示す圧力センサーデバイスが有する配線基板の平面図である。図3は、図1に示す圧力センサーデバイスが有する圧力センサーの断面図である。図4は、図3に示す圧力センサーが有するセンサー部の平面図である。図5は、図4に示すセンサー部を含むブリッジ回路を示す図である。図6は、出力ドリフトを示すグラフである。図7は、図1に示す圧力センサーデバイスの変形例を示す断面図である。なお、以下の説明では、図1、図3および図7中の上側を「上」、下側を「下」とも言う。また、図1中の上下方向から見た平面視を単に「平面視」とも言う。
図1に示す圧力センサーデバイス100は、内部空間S1を有するパッケージ110と、パッケージ110に固定された配線基板120(基材)と、内部空間S1内においてボンディングワイヤーBWを介して配線基板120に支持された圧力センサー1と、圧力センサー1に配置された圧力伝搬部140と、ボンディングワイヤーBWの少なくとも一部を覆う被覆部150と、を有している。
(パッケージ)
図1に示すように、パッケージ110は、ベース111およびハウジング112を有し、ベース111およびハウジング112が配線基板120を挟んで互いに接着層113を介して接合されている。このようなパッケージ110は、その上端部に形成された開口110aと、開口110aに連通する内部空間S1と、を有している。そして、この内部空間S1に圧力センサー1が収納されている。このように、パッケージ110に圧力センサー1を収納することで、圧力センサー1を保護することができる。
図1に示すように、パッケージ110は、ベース111およびハウジング112を有し、ベース111およびハウジング112が配線基板120を挟んで互いに接着層113を介して接合されている。このようなパッケージ110は、その上端部に形成された開口110aと、開口110aに連通する内部空間S1と、を有している。そして、この内部空間S1に圧力センサー1が収納されている。このように、パッケージ110に圧力センサー1を収納することで、圧力センサー1を保護することができる。
ベース111およびハウジング112の構成材料としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の酸化物セラミックス、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の窒化物セラミックスのような各種セラミックス、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂のような各種樹脂材料等の絶縁性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、各種セラミックスを用いることが特に好ましい。
以上、パッケージ110について説明したが、パッケージ110の構成としては、その機能を発揮することができれば、特に限定されない。
(配線基板)
図1に示すように、配線基板120は、ベース111およびハウジング112に挟まれており、内部空間S1内からパッケージ110の外側に引き出されて配置されている。また、配線基板120は、圧力センサー1を支持すると共に、圧力センサー1と電気的に接続されている。このような配線基板120は、図2に示すように、可撓性を有する基材121と、基材121に配置された複数の配線129と、を有している。
図1に示すように、配線基板120は、ベース111およびハウジング112に挟まれており、内部空間S1内からパッケージ110の外側に引き出されて配置されている。また、配線基板120は、圧力センサー1を支持すると共に、圧力センサー1と電気的に接続されている。このような配線基板120は、図2に示すように、可撓性を有する基材121と、基材121に配置された複数の配線129と、を有している。
また、基材121は、開口122aを有する枠状の基部122と、基部122から延出する帯状の帯体123と、を有している。そして、基部122の外縁部がベース111とハウジング112とに挟まれ、帯体123がパッケージ110の外側に延出している。
このような配線基板120としては、例えば、一般的に用いられているフレキシブルプリント基板を用いることができる。なお、本実施形態では基材121が可撓性を有しているが、基材121の全部または一部は、硬質であってもよい。すなわち、配線基板120として、リジッドフレキシブルプリント基板やリジッドプリント基板を用いてもよい。
圧力センサー1は、ボンディングワイヤーBWを介して基材121に吊られ、配線基板120およびパッケージ110から浮遊した状態で支持されている。このように、圧力センサー1を配線基板120に対して浮遊した状態で支持することで、配線基板120から圧力センサー1に応力が伝わり難くなり、圧力センサー1の圧力検知精度が向上する。また、圧力センサー1は、ボンディングワイヤーBWを介して配線129と電気的に接続されている。
(圧力センサー)
図3に示すように、圧力センサー1は、受圧により撓み変形するダイアフラム25を有する半導体基板2と、ダイアフラム25の上面側に配置された圧力基準室Sと、半導体基板2と共に圧力基準室Sを形成する周囲構造体4と、ダイアフラム25の上面側に配置されたセンサー部5と、を有している。
図3に示すように、圧力センサー1は、受圧により撓み変形するダイアフラム25を有する半導体基板2と、ダイアフラム25の上面側に配置された圧力基準室Sと、半導体基板2と共に圧力基準室Sを形成する周囲構造体4と、ダイアフラム25の上面側に配置されたセンサー部5と、を有している。
半導体基板2は、第1シリコン層21と、第1シリコン層21の上側に配置された第2シリコン層23と、第1、第2シリコン層21、23の間に配置された酸化シリコン層22と、を有するSOI基板で構成されている。これにより、製造上取り扱い易く、優れた加工寸法精度を有する半導体基板2となる。ただし、半導体基板2としては、SOI基板に限定されず、例えば、単層のシリコン基板を用いることもできる。また、半導体基板2は、シリコン以外の半導体材料、例えば、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガリウム砒素リン、窒化ガリウム、炭化珪素等で構成された基板であってもよい。
また、半導体基板2には、周囲の部分よりも薄肉であり、受圧によって撓み変形するダイアフラム25が設けられている。半導体基板2には、下方に開放する有底の凹部24が形成されており、この凹部24の上側(凹部24によって半導体基板2が薄くなっている部分)がダイアフラム25となっている。そして、ダイアフラム25の下面が、圧力を受ける受圧面251となっている。なお、本実施形態では、ダイアフラム25の平面視形状は、略正方形であるが、ダイアフラム25の平面視形状としては、特に限定されず、例えば、円形であってもよい。
ここで、本実施形態では、凹部24は、シリコンディープエッチング装置を用いたドライエッチングで形成されている。具体的には、半導体基板2の下面側から等方性エッチング、保護膜成膜および異方向性エッチングという工程を繰り返して、第1シリコン層21を掘ることで凹部24を形成する。この工程を繰り返し、エッチングが酸化シリコン層22まで達すると酸化シリコン層22がエッチングストッパーとなってエッチングが終了し、凹部24が得られる。このような形成方法によれば、凹部24の内壁側面が半導体基板2の主面に対して略垂直となるため、凹部24の開口面積を小さくすることができる。そのため、半導体基板2の機械的強度の低下を抑制することができ、また、圧力センサー1の大型化を抑制することもできる。なお、図示しないが、前述した工程の繰り返しによって、凹部24の内壁側面には掘り方向に周期的な凹凸が形成される。
ただし、凹部24の形成方法としては、上記の方法に限定されず、例えば、ウェットエッチングによって形成してもよい。また、本実施形態では、ダイアフラム25の下面側に酸化シリコン層22が残っているが、この酸化シリコン層22を除去してもよい。すなわち、ダイアフラム25を第2シリコン層23の単層で構成してもよい。これにより、ダイアフラム25をより薄くすることができ、より撓み変形し易いダイアフラム25が得られる。
ダイアフラム25には、ダイアフラム25に作用する圧力を検出し得るセンサー部5が設けられている。図4に示すように、センサー部5は、ダイアフラム25に設けられた4つのピエゾ抵抗素子51、52、53、54を有している。そして、ピエゾ抵抗素子51、52、53、54は、配線55を介して互いに電気的に接続され、図5に示すブリッジ回路50(ホイートストンブリッジ回路)を構成している。ブリッジ回路50には駆動電圧AVDCを供給(印加)する駆動回路が接続されている。そして、ブリッジ回路50は、ダイアフラム25の撓みに基づくピエゾ抵抗素子51、52、53、54の抵抗値変化に応じた検出信号(電圧)を出力する。そのため、この出力された検出信号に基づいてダイアフラム25が受けた圧力を検出することができる。
特に、ピエゾ抵抗素子51、52、53、54は、ダイアフラム25の外縁部に配置されている。受圧によりダイアフラム25が撓み変形すると、ダイアフラム25の中でも特にその外縁部に大きな応力が加わるため、外縁部にピエゾ抵抗素子51、52、53、54を配置することで、前述した検出信号を大きくすることができ、圧力検知の感度が向上する。なお、ピエゾ抵抗素子51、52、53、54の配置は、特に限定されず、例えば、ピエゾ抵抗素子51、52、53、54がダイアフラム25の外縁を跨いで配置されていてもよい。
ピエゾ抵抗素子51、52、53、54は、それぞれ、例えば、半導体基板2の第2シリコン層23にリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。また、配線55は、例えば、半導体基板2の第2シリコン層23に、ピエゾ抵抗素子51、52、53、54よりも高濃度でリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。
なお、センサー部5の構成としては、ダイアフラム25が受けた圧力を検出することができれば、特に限定されない。例えば、ブリッジ回路50を構成していない少なくとも1つのピエゾ抵抗素子がダイアフラム25に配置されている構成であってもよい。また、センサー部5としては、本実施形態のようなピエゾ抵抗型の他にも、静電容量の変化に基づいて圧力を検出する静電容量型を用いてもよい。
また、図3に示すように、半導体基板2の上面には、酸化シリコン膜(SiO2膜)からなる第1絶縁膜31と、窒化シリコン膜(SiN膜)からなる第2絶縁膜32とが成膜されている。第1絶縁膜31によって、ピエゾ抵抗素子51、52、53、54の界面準位を低減してノイズの発生を抑制することができる。また、第2絶縁膜32によって、センサー部5を水分、ガス等から保護することができる。
また、図3に示すように、ダイアフラム25上(ダイアフラム25の上側)には圧力基準室Sが設けられている。この圧力基準室Sは、半導体基板2と周囲構造体4とに囲まれることで形成されている。圧力基準室Sは、密閉された空間であり、圧力基準室S内の圧力が、圧力センサー1が検出する圧力の基準値となる。特に、圧力基準室Sは、真空状態(例えば、10Pa以下)であることが好ましい。これにより、圧力センサー1を、真空を基準として圧力を検出する「絶対圧センサー」として用いることができ、利便性の高い圧力センサー1となる。ただし、圧力基準室Sは、一定の圧力に保たれていれば、真空状態でなくてもよい。
周囲構造体4は、半導体基板2との間に圧力基準室Sを形成している。このような周囲構造体4は、半導体基板2上に配置された層間絶縁膜41と、層間絶縁膜41上に配置された配線層42と、配線層42および層間絶縁膜41上に配置された層間絶縁膜43と、層間絶縁膜43上に配置された配線層44と、配線層44および層間絶縁膜43上に配置された表面保護膜45と、配線層44および表面保護膜45上に配置された封止層46と、表面保護膜45上に配置された端子47とを有している。
配線層42は、圧力基準室Sを囲んで配置された枠状のガードリング421と、センサー部5の配線55と接続された配線部429とを有している。また、配線層44は、圧力基準室Sを囲んで配置された枠状のガードリング441と、配線55と接続された配線部449とを有している。
また、配線層44は、圧力基準室Sの天井に位置し、ガードリング441と一体形成された被覆層444を有している。また、この被覆層444には圧力基準室Sの内外を連通する複数の貫通孔445が形成されている。複数の貫通孔445は、製造途中まで圧力基準室Sを埋めている犠牲層を除去する際のリリースエッチング用の孔である。また、ガードリング421、441は、前記リリースエッチング時のエッチングストッパーとして機能する。
そして、被覆層444上には封止層46が配置されており、この封止層46によって貫通孔445が封止され、気密的な圧力基準室Sが形成されている。表面保護膜45は、周囲構造体4を水分、ガス、ゴミ、傷などから保護する機能を有している。表面保護膜45は、被覆層444の貫通孔445を塞がないように、層間絶縁膜43および配線層44上に配置されている。また、表面保護膜45上には配線部429、449を介してセンサー部5と電気的に接続されている複数の端子47が設けられている。そして、各端子47にボンディングワイヤーBWが接続されている。これにより、ボンディングワイヤーBWを介して圧力センサー1が配線基板120に吊り下げ支持されると共に、センサー部5と配線129とが電気的に接続される。
このような周囲構造体4のうち、層間絶縁膜41、43としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)等の絶縁膜を用いることができる。また、配線層42、44および端子47としては、例えば、アルミニウム膜等の金属膜を用いることができる。また、封止層46としては、例えば、Al、Cu、W、Ti、TiN等の金属膜、シリコン酸化膜等を用いることができる。また、表面保護膜45としては、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリイミド膜、エポキシ樹脂膜などを用いることができる。
(被覆部150)
被覆部150は、弾性を有し、また、好ましくは、絶縁性および防水性(水分不透過性)を有している。図1および図3に示すように、被覆部150は、圧力センサー1の上面12に設けられており、端子47を覆っている。これにより、端子47を水分から保護することができ、圧力センサー1の電気的な劣化(例えば、端子47の腐食による断線、抵抗値の増加等)を抑制することができる。また、被覆部150は、封止層46を覆っている。これにより、封止層46を水分から保護することができる。また、圧力センサー1に防水性を付与することもできる。
被覆部150は、弾性を有し、また、好ましくは、絶縁性および防水性(水分不透過性)を有している。図1および図3に示すように、被覆部150は、圧力センサー1の上面12に設けられており、端子47を覆っている。これにより、端子47を水分から保護することができ、圧力センサー1の電気的な劣化(例えば、端子47の腐食による断線、抵抗値の増加等)を抑制することができる。また、被覆部150は、封止層46を覆っている。これにより、封止層46を水分から保護することができる。また、圧力センサー1に防水性を付与することもできる。
また、被覆部150は、圧力センサー1の上面12上から、ボンディングワイヤーBWに沿って延長され、ボンディングワイヤーBWの少なくとも一部(本実施形態では全部)を覆っている。これにより、ボンディングワイヤーBWを水分から保護することができる。また、隣り合うボンディングワイヤーBW同士の接触(ショート)を抑制することもできる。また、被覆部150は、ボンディングワイヤーBWの機械的強度を高める補強部としても機能し、落下等の強い衝撃を受けた際のボンディングワイヤーBWの破損等を効果的に抑制することができる。すなわち、圧力センサーデバイス100の耐衝撃性を高めることもできる。また、被覆部150によって、ボンディングワイヤーBWが変形し難くなり、パッケージ110内での圧力センサーの揺れを低減することができる。そのため、圧力センサー1の揺れに起因する出力のドリフトを抑制することができ、圧力の検出精度が向上する。
被覆部150の硬さとしては、特に限定されないが、例えば、ゴム硬度(JIS K6253)が15以上30以下であることが好ましく、20以上25以下であることがより好ましい。これにより、被覆部150を、ボンディングワイヤーBWの補強部としての機能を十分に発揮させることができる。また、ボンディングワイヤーBWが過度に硬くなって配線基板120から圧力センサー1へ応力が伝わり易くなってしまうことを抑制することができる。一方で、被覆部150を十分に柔らかくすることができ、圧力センサー1と被覆部150の熱膨張差に起因する熱応力が発生し難く、当該熱応力によるダイアフラム25の不本意な変形を抑制することができる。その結果、出力のドリフト等が発生し難くなり、圧力センサーデバイス100の圧力検出特性が向上する。
被覆部150としては、特に限定されないが、例えば、アクリルゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、スチレンゴム、天然ゴム等の各種ゴム材料を用いることができる。ただし、被覆部150としては、これらの中でも、シリコーンゴムを用いることが好ましい。これにより、上述のようなゴム硬度を実現し易くなると共に、被覆部150の構成がより簡単なものとなる。
(圧力伝搬部)
図1および図3に示すように、圧力伝搬部140は、ダイアフラム25へ圧力を伝搬し得るものであり、圧力センサー1の受圧面251を覆うように凹部24内に充填されている。また、圧力伝搬部140は、好ましくは防水性(水分不透過性)を有している。これにより、受圧面251(酸化シリコン層22)を水分から保護することができる。また、圧力センサー1に防水性を付与することもできる。ここで、前述したように、凹部24の内壁側面には掘り方向に周期的な凹凸が形成されており、この凹凸によって効果的に圧力伝搬部140を保持することができる。
図1および図3に示すように、圧力伝搬部140は、ダイアフラム25へ圧力を伝搬し得るものであり、圧力センサー1の受圧面251を覆うように凹部24内に充填されている。また、圧力伝搬部140は、好ましくは防水性(水分不透過性)を有している。これにより、受圧面251(酸化シリコン層22)を水分から保護することができる。また、圧力センサー1に防水性を付与することもできる。ここで、前述したように、凹部24の内壁側面には掘り方向に周期的な凹凸が形成されており、この凹凸によって効果的に圧力伝搬部140を保持することができる。
また、本実施形態では、圧力伝搬部140は、凹部24のみならず、その外周まで広がって、圧力センサー1の下面11(半導体基板2の下面)をも覆うように配置されている。
ここで、圧力センサー1では、ダイアフラム25が下面11側に位置しており、端子47が上面12側に位置している。言い換えると、圧力基準室Sに対してダイアフラム25(凹部24)と端子47とが反対側に位置している。そのため、被覆部150および圧力伝搬部140を互いに邪魔することなく配置することができる。
また、圧力センサー1の側面および上面12には、それぞれ、圧力伝搬部140が設けられていない。製造工程の順では、圧力センサー1に圧力伝搬部140を配置した後に、被覆部150を配置する。そのため、圧力センサー1の上面12に圧力伝搬部140が存在しない状態とすることで、被覆部150の配置が容易となる。さらには、圧力センサー1に配置される圧力伝搬部140の量を少なくすることができ、圧力伝搬部140が圧力センサー1上で流動し難くなる。そのため、圧力以外の応力(圧力伝搬部140の流動により生じる応力)が受圧面251に作用し難くなり、出力のドリフト等が発生し難くなる。したがって、圧力センサーデバイス100の圧力検出特性が向上する。
また、図1に示すように、圧力伝搬部140は、パッケージ110と非接触で設けられている。これにより、パッケージ110内に配置される圧力伝搬部140の量を少なくすることができ、圧力伝搬部140がパッケージ110内で流動し難くなる。そのため、圧力以外の応力(圧力伝搬部140の流動により生じる応力)が受圧面251に作用し難くなり、出力のドリフト等が発生し難くなる。したがって、圧力センサーデバイス100の圧力検出特性が向上する。さらには、従来のように、パッケージ110内において圧力センサー1が変位した状態で維持されることがなくなり、ボンディングワイヤーBWへの負担が低減する。そのため、機械的強度の高い圧力センサーデバイス100となる。
圧力伝搬部140は、液状またはゲル状の充填材で構成することができ、柔軟性に富むものであることが好ましい。具体的には、圧力伝搬部140は、針入度が150以上であることが好ましく、200以上であることがより好ましい。これにより、圧力伝搬部140を十分に柔らかくすることができ、圧力伝搬部140を介して、より効率的に、圧力を受圧面251に伝搬することができる。なお、針入度の上限値としては、特に限定されないが、例えば、300以下とすることが好ましい。これにより、圧力伝搬部140が柔らか過ぎず、圧力伝搬部140を凹部24内および下面11に、より確実に保持することができる。すなわち、圧力伝搬部140の液垂れや側面への流出を抑制することができる。そのため、凹部24内の圧力伝搬部140が減ってしまい、圧力伝搬部140から受圧面251が露出してしまうことを効果的に抑制することができる。
ここで、針入度とは、一定温度(25℃)に保った試料に規定の針が垂直に侵入した長さ(mm)の10倍で表した値である。針入度が大きい試料ほど軟質(柔軟性に富む)ということになる。この針入度は、JIS K2207、K2235に準じた試験方法で測定することができる。
圧力伝搬部140を構成する材料(充填材)としては、特に限定されず、例えば、シリコーンオイル、フッ素系オイル、シリコーンゲル等を用いることができる。
以上、圧力センサーデバイス100について説明した。このような圧力センサーデバイス100は、基材としての配線基板120と、配線基板120に接続されているボンディングワイヤーBWと、ボンディングワイヤーBWを介して配線基板120に支持されている圧力センサー1と、ボンディングワイヤーBWの少なくとも一部を覆い、弾性を有する被覆部150と、を有している。このような構成は、従来のような圧力センサー1の周囲を覆うゲルを用いていないため、出力のドリフトが発生し難い。また、被覆部150がボンディングワイヤーBWの機械的強度を高める補強部として機能するため、圧力センサーデバイス100の耐衝撃性を高めることもできる。また、被覆部150によってボンディングワイヤーBWが変形し難くなり、圧力センサーの揺れを低減することができる。そのため、圧力センサー1の揺れに起因する出力のドリフトを抑制することもできる。以上より、上記のような構成によれば、優れた耐衝撃性および検出精度を発揮することのできる圧力センサーデバイス100が得られる。
ここで、図6に、圧力センサー1がゲルで覆われている従来の構成および圧力センサー1がゲルで覆われていない本実施形態の構成の経時的な出力のドリフトを測定したグラフを示す。このグラフから、本実施形態によれば、出力のドリフトが低減されていることが明らかである。
また、前述したように、圧力センサー1は、ボンディングワイヤーBWと接続されている端子47を有し、被覆部150は、端子47を覆っている。これにより、端子47を水分から保護することができ、圧力センサー1の電気的な劣化(例えば、端子47の腐食による断線、抵抗値の増加等)を抑制することができる。
また、前述したように、被覆部150は、15以上30以下のゴム硬度を有することが好ましい。これにより、被覆部150にボンディングワイヤーBWの補強部としての機能を十分に発揮させることができる。また、ボンディングワイヤーBWが過度に硬くなって配線基板120から圧力センサー1へ応力が伝わり易くなってしまうことを抑制することができる。一方で、被覆部150を十分に柔らかくすることができ、圧力センサー1と被覆部150の熱膨張差に起因する熱応力が発生し難く、当該熱応力によるダイアフラム25の不本意な変形を抑制することができる。その結果、出力のドリフト等が発生し難くなり、圧力センサーデバイス100の圧力検出特性が向上する。
また、前述したように、圧力センサー1は、受圧により撓み変形するダイアフラム25を有し、圧力センサーデバイス100は、ダイアフラム25の受圧面251上に配置され、受圧面251に圧力を伝搬する圧力伝搬部140を有している。これにより、受圧面251を水分から保護することができ、圧力センサー1に防水性を付与することができる。
また、前述したように、圧力伝搬部140は、液状またはゲル状をなし、150以上の針入度を有することが好ましい。これにより、圧力伝搬部140を十分に柔らかくすることができ、圧力伝搬部140を介して、より効率的に、圧力を受圧面251に伝搬することができる。
また、前述したように、圧力センサー1は、ダイアフラム25上に配置された圧力基準室Sを有し、端子47は、圧力基準室Sに対してダイアフラム25と反対側に配置されている。これにより、圧力伝搬部140および被覆部150を互いに邪魔することなく配置することができる。
また、前述したように、圧力センサーデバイス100では、基材としての配線基板120を有している。すなわち、圧力センサーデバイス100では、基材は、配線基板120である。これにより、配線基板120によって、圧力センサー1との電気的な接続を容易に行うことができる。また、配線基板120の一部がパッケージ110内に位置しているため、パッケージ110によって、圧力センサー1を保護することができる。
以上、本実施形態の圧力センサーデバイス100について説明した。なお、本実施形態では、圧力センサー1の上面12に被覆部150が配置されているが、例えば、図7に示すように、被覆部150は、ボンディングワイヤーBWを覆うが、上面12から省略してもよい。また、別の構成として、圧力伝搬部140の全部または一部を省略してもよい。
また、本実施形態に対して、配線基板120を圧力センサー1と共に上下反対向きに配置してもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーデバイスについて説明する。
次に、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーデバイスについて説明する。
図8は、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーデバイスの断面図である。図9は、図8に示す圧力センサーデバイスが有する配線基板の平面図である。図10は、図8に示す圧力センサーデバイスの変形例を示す平面図である。
本実施形態に係る圧力センサーデバイス100は、さらに回路素子130を有していること以外は、前述した第1実施形態の圧力センサーデバイス100とほぼ同様である。
以下、第2実施形態の圧力センサーデバイス100について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、前述した実施形態と同様の構成には同一符号を付してある。
図8に示すように、本実施形態の圧力センサーデバイス100は、さらに、回路素子130を有している。回路素子130は、ブリッジ回路50に電圧を供給するための駆動回路、ブリッジ回路50からの出力を温度補償するための温度補償回路、温度補償回路からの出力から受けた圧力を求める圧力検出回路、圧力検出回路からの出力を所定の出力形式(CMOS、LV−PECL、LVDS等)に変換して出力する出力回路等を有している。
図9に示すように、配線基板120の平面視で、回路素子130は、圧力センサー1と共に開口122aの内側に位置し、圧力センサー1と並んで配置されている。ただし、回路素子130の配置としては、特に限定されない。
また、回路素子130は、ボンディングワイヤーBWを介して基材121に吊られ、配線基板120から浮遊した状態で支持されている。また、回路素子130は、ボンディングワイヤーBWを介して配線129と電気的に接続されている。そして、配線129を介して、回路素子130と圧力センサー1とが電気的に接続されている。
ここで、回路素子130は、その上面132にボンディングワイヤーBWと接続される端子131を有している。また、回路素子130の上面132には被覆部150が設けられており、被覆部150によって、端子131が覆われている。これにより、端子131を水分から保護することができ、回路素子130の電気的な劣化(例えば、端子131の腐食による断線、抵抗値の増加等)を抑制することができる。
また、被覆部150は、回路素子130と配線基板120とを接続するボンディングワイヤーBWの少なくとも一部(本実施形態では全部)を覆っている。これにより、ボンディングワイヤーBWを水分から保護することができる。また、隣り合うボンディングワイヤーBW同士の接触(ショート)を抑制することもできる。また、被覆部150は、ボンディングワイヤーBWの機械的強度を高める補強部としても機能し、落下等の強い衝撃を受けた際のボンディングワイヤーBWの破損等を効果的に抑制することができる。すなわち、圧力センサーデバイス100の耐衝撃性を高めることもできる。また、ボンディングワイヤーBWが変形し難くなり、パッケージ110内での回路素子130の揺れを低減することができる。そのため、例えば、回路素子130と圧力センサー1との接触を抑制することができる。
以上、本実施形態の圧力センサーデバイス100について説明した。このような圧力センサーデバイス100は、前述したように、圧力センサー1と電気的に接続されている回路素子130を有している。このように、圧力センサー1と回路素子130とをユニット化することで、圧力センサー1の駆動をより容易に行うことができる。
このような第2実施形態によっても前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。なお、本実施形態では、圧力センサー1の上面12および回路素子130の上面132に被覆部150が配置されているが、例えば、図10に示すように、上面12および上面132から被覆部150を省略してもよい。
また、本実施形態では、回路素子130がボンディングワイヤーBWを介して配線基板120に吊られているが、回路素子130の実装方法としては、特に限定されない。例えば、リードフレームを介して配線基板120に接続されていてもよいし、配線基板120上に配置されていてもよいし、ベース111の底面に配置されていてもよい。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る圧力センサーデバイスについて説明する。
図11は、本発明の第3実施形態に係る圧力センサーデバイスの断面図である。
次に、本発明の第3実施形態に係る圧力センサーデバイスについて説明する。
図11は、本発明の第3実施形態に係る圧力センサーデバイスの断面図である。
本実施形態に係る圧力センサーデバイス100は、配線基板120が省略されていること以外は、前述した第1実施形態の圧力センサーデバイス100とほぼ同様である。
以下、第3実施形態の圧力センサーデバイス100について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、前述した実施形態と同様の構成には同一符号を付してある。
図11に示すように、本実施形態の圧力センサーデバイス100では、ベース111に内部端子114が設けられており、この内部端子114にボンディングワイヤーBWの一端部が接続されている。そのため、圧力センサー1は、ボンディングワイヤーBWを介してベース111(パッケージ110)に吊り下げ支持されている。また、ベース111の下面には、ベース111内に設けられた図示しない内部配線を介して内部端子114と電気的に接続された外部端子115が設けられている。なお、被覆部150および圧力伝搬部140の配置、構成、特性等については、前述した第1実施形態で述べたのと同様である。
このような圧力センサーデバイス100では、本発明における基材として、パッケージ110を用いている。すなわち、圧力センサーデバイス100では、基材は、圧力センサー1を収納しているパッケージ110である。これにより、例えば、前述した第1実施形態と比較して、圧力センサーデバイス100の部品点数を削減することができる。そのため、圧力センサーデバイス100の小型化を図ることができる。
このような第3実施形態によっても前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る圧力センサーデバイスについて説明する。
次に、本発明の第4実施形態に係る圧力センサーデバイスについて説明する。
図12は、本発明の第4実施形態に係る圧力センサーデバイスが有する圧力センサーの断面図である。
本実施形態の圧力センサーデバイス100は、圧力センサー1の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態の圧力センサーデバイス100と同様である。
以下、第4実施形態の圧力センサーデバイスについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、前述した実施形態と同様の構成には同一符号を付してある。
図12に示すように、本実施形態の圧力センサー1が有する圧力センサー1は、ダイアフラム25を有する半導体基板2と、ダイアフラム25に配置されたセンサー部5と、半導体基板2の上面に積層された第1絶縁膜31および第2絶縁膜32と、第2絶縁膜32上に配置され、センサー部5と電気的に接続された端子47と、半導体基板2の下面に接合され、半導体基板2との間に圧力基準室Sを形成するベース基板6と、を有している。なお、ベース基板6としては、例えば、シリコン基板、ガラス基板、セラミックス基板等を用いることができる。
また、被覆部150は、ダイアフラム25と重ならないように設けられ、端子47およびボンディングワイヤーBWを覆っている。
このような第4実施形態によっても前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る電子機器について説明する。
図13は、本発明の第5実施形態に係る電子機器としての高度計を示す斜視図である。
次に、本発明の第5実施形態に係る電子機器について説明する。
図13は、本発明の第5実施形態に係る電子機器としての高度計を示す斜視図である。
図13に示すように、電子機器としての高度計200は、腕時計のように手首に装着することができる。また、高度計200の内部には、圧力センサーデバイス100が搭載されており、表示部201に現在地の海抜からの高度、または、現在地の気圧等を表示することができる。なお、この表示部201には、現在時刻、使用者の心拍数、天候等、様々な情報を表示することもできる。
このような電子機器の一例である高度計200は、圧力センサーデバイス100を有している。そのため、高度計200は、前述した圧力センサーデバイス100の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る電子機器について説明する。
次に、本発明の第6実施形態に係る電子機器について説明する。
図14は、本発明の第6実施形態に係る電子機器としてのナビゲーションシステムを示す正面図である。
図14に示すように、電子機器としてのナビゲーションシステム300は、図示しない地図情報と、GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)からの位置情報取得手段と、ジャイロセンサーおよび加速度センサーと車速データとによる自立航法手段と、圧力センサーデバイス100と、所定の位置情報または進路情報を表示する表示部301とを備えている。
このナビゲーションシステム300によれば、取得した位置情報に加えて高度情報を取得することができる。例えば、一般道路と位置情報上は略同一の位置を示す高架道路を走行する場合、高度情報を持たない場合には一般道路を走行しているのか高架道路を走行しているのかナビゲーションシステムでは判断できず、優先情報として一般道路の情報を使用者に提供してしまっていた。そこで、ナビゲーションシステム300に圧力センサーデバイス100を搭載し、高度情報を圧力センサーデバイス100によって取得することで、一般道路から高架道路へ進入することによる高度変化を検出することができ、高架道路の走行状態におけるナビゲーション情報を使用者に提供することができる。
このような電子機器の一例としてのナビゲーションシステム300は、圧力センサーデバイス100を有している。そのため、ナビゲーションシステム300は、前述した圧力センサーデバイス100の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
なお、本発明の電子機器は、前述の高度計およびナビゲーションシステムに限定されず、例えば、パーソナルコンピューター、デジタルスチールカメラ、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、時計(スマートウォッチを含む)、ドローン、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等に適用することができる。
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態に係る移動体について説明する。
図15は、本発明の第7実施形態に係る移動体としての自動車を示す斜視図である。
次に、本発明の第7実施形態に係る移動体について説明する。
図15は、本発明の第7実施形態に係る移動体としての自動車を示す斜視図である。
図15に示すように、移動体としての自動車400は、車体401と、4つの車輪402とを有しており、車体401に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪402を回転させるように構成されている。また、自動車400は、車体401に搭載されている電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)403を有しており、この電子制御ユニット403に圧力センサーデバイス100が内蔵されている。電子制御ユニット403は、圧力センサーデバイス100が車体401の加速度や傾斜等を検出することにより、移動状態や姿勢等を把握し、車輪402等の制御を的確に行うことができる。これにより、自動車400は、安全で安定した移動をすることができる。なお、圧力センサーデバイス100は、自動車400に備えられているナビゲーションシステム等に搭載されていてもよい。
このような移動体の一例としての自動車400は、圧力センサーデバイス100を有している。そのため、自動車400は、前述した圧力センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
以上、本発明の圧力センサーデバイス、電子機器および移動体を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1…圧力センサー、11…下面、12…上面、2…半導体基板、21…第1シリコン層、22…酸化シリコン層、23…第2シリコン層、24…凹部、25…ダイアフラム、251…受圧面、31…第1絶縁膜、32…第2絶縁膜、4…周囲構造体、41…層間絶縁膜、42…配線層、421…ガードリング、429…配線部、43…層間絶縁膜、44…配線層、441…ガードリング、444…被覆層、445…貫通孔、449…配線部、45…表面保護膜、46…封止層、47…端子、5…センサー部、50…ブリッジ回路、51、52、53、54…ピエゾ抵抗素子、55…配線、6…ベース基板、100…圧力センサーデバイス、110…パッケージ、110a…開口、111…ベース、112…ハウジング、113…接着層、114…内部端子、115…外部端子、120…配線基板、121…基材、122…基部、122a…開口、123…帯体、129…配線、130…回路素子、131…端子、132…上面、140…圧力伝搬部、150…被覆部、200…高度計、201…表示部、300…ナビゲーションシステム、301…表示部、400…自動車、401…車体、402…車輪、403…電子制御ユニット、AVDC…駆動電圧、BW…ボンディングワイヤー、S…圧力基準室、S1…内部空間
Claims (11)
- 基材と、
前記基材に接続されているボンディングワイヤーと、
前記ボンディングワイヤーを介して前記基材に支持されている圧力センサーと、
前記ボンディングワイヤーの少なくとも一部を覆い、弾性を有する被覆部と、を有することを特徴とする圧力センサーデバイス。 - 前記被覆部は、15以上30以下のゴム硬度を有する請求項1に記載の圧力センサーデバイス。
- 前記圧力センサーは、前記ボンディングワイヤーと接続されている端子を有し、
前記被覆部は、前記端子を覆っている請求項1または2に記載の圧力センサーデバイス。 - 前記圧力センサーは、受圧により撓み変形するダイアフラムを有し、
前記ダイアフラムの受圧面上に配置され、前記受圧面に圧力を伝搬する圧力伝搬部を有している請求項1ないし3のいずれか1項に記載の圧力センサーデバイス。 - 前記圧力伝搬部は、液状またはゲル状をなし、150以上の針入度を有する請求項4に記載の圧力センサーデバイス。
- 前記圧力センサーは、前記ダイアフラム上に配置された圧力基準室を有し、
前記端子は、前記圧力基準室に対して前記ダイアフラムと反対側に配置されている請求項5に記載の圧力センサーデバイス。 - 前記基材は、前記圧力センサーを収納しているパッケージである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の圧力センサーデバイス。
- 前記基材は、配線基板である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の圧力センサーデバイス。
- 前記圧力センサーと電気的に接続されている回路素子を有している請求項1ないし8のいずれか1項に記載の圧力センサーデバイス。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の圧力センサーデバイスを有することを特徴とする電子機器。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の圧力センサーデバイスを有することを特徴とする移動体。
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