JP2018044819A - 圧力センサー、圧力センサーモジュール、電子機器および圧力センサーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力検知精度の低下を抑制することのできる圧力センサー、圧力センサーモジュール、電子機器および圧力センサーの製造方法を提供すること。【解決手段】圧力センサーは、一方の主面に開放する凹部と、前記凹部の底部を構成し、受圧により撓み変形するダイアフラムと、を有する基板と、前記ダイアフラムの前記凹部と反対側に配置されている圧力基準室と、少なくとも一部が前記凹部内に位置していると共に、前記ダイアフラムとの間に隙間を隔てて配置され、前記凹部の変形を規制する変形規制部と、を有していることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、圧力センサー、圧力センサーモジュール、電子機器および圧力センサーの製造方法に関するものである。
従来から、圧力センサーとして、特許文献1に記載の構成が知られている。特許文献1の圧力センサーは、受圧により撓み変形するダイアフラムを有する基板と、ダイアフラム上に配置された圧力基準室と、を有している。また、基板には、圧力基準室とは反対側の主面に開放する凹部が形成されており、この凹部の底部がダイアフラムとなっている。
このような構成の圧力センサーでは、圧力検知の感度を高めるためにダイアフラムを薄くすることが求められるが、ダイアフラムが薄くなる分、基板の機械的強度が低下してしまう。そのため、例えば、比較的大きい圧力が加わると、基板のダイアフラム以外の部分、特に凹部が不本意に撓んでしまい、この撓みによる応力がダイアフラムに伝わることで、圧力検知精度が低下してしまうおそれがある。
本発明の目的は、圧力検知精度の低下を抑制することのできる圧力センサー、圧力センサーモジュール、電子機器および圧力センサーの製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の圧力センサーは、一方の主面に開放する凹部と、前記凹部の底部を構成し、受圧により撓み変形するダイアフラムと、を有する基板と、
前記ダイアフラムの前記凹部と反対側に配置されている圧力基準室と、
少なくとも一部が前記凹部内に位置していると共に、前記ダイアフラムとの間に隙間を隔てて配置され、前記凹部の変形を規制する変形規制部と、を有していることを特徴とする。
本発明の圧力センサーは、一方の主面に開放する凹部と、前記凹部の底部を構成し、受圧により撓み変形するダイアフラムと、を有する基板と、
前記ダイアフラムの前記凹部と反対側に配置されている圧力基準室と、
少なくとも一部が前記凹部内に位置していると共に、前記ダイアフラムとの間に隙間を隔てて配置され、前記凹部の変形を規制する変形規制部と、を有していることを特徴とする。
このような構成によれば、変形規制部によって凹部の変形が抑制される。そのため、ダイアフラムに外圧以外の応力が加わり難くなり、圧力検知精度の低下を抑制することができる。
本発明の圧力センサーでは、前記変形規制部は、前記隙間と前記凹部の外側とを連通する連通部を有していることが好ましい。
これにより、簡単な構成でダイアフラムの受圧面を周囲の環境と接続することができる。
本発明の圧力センサーでは、前記変形規制部は、前記基板の少なくとも一部と一体であることが好ましい。
これにより、変形規制部の形成が容易となる。
これにより、変形規制部の形成が容易となる。
本発明の圧力センサーでは、前記変形規制部は、前記ダイアフラムの厚さ方向から見た平面視で、第1方向に沿って延在し、両端が前記凹部の側面に接続されている第1梁と、前記第1方向に交差する第2方向に沿って延在し、両端が前記凹部の側面に接続されている第2梁と、を有していることが好ましい。
これにより、変形規制部の構成(形状)が簡単なものとなる。
これにより、変形規制部の構成(形状)が簡単なものとなる。
本発明の圧力センサーでは、前記基板は、前記ダイアフラムを有するダイアフラム配置層と、前記ダイアフラム配置層と前記基板の厚さ方向に離間して配置され、前記変形規制部を有する変形規制部配置層と、前記ダイアフラム配置層と前記変形規制部配置層との間に配置され、前記隙間を有する隙間配置層と、を有していることが好ましい。
これにより、ダイアフラム、変形規制部および隙間を形成し易くなる。
これにより、ダイアフラム、変形規制部および隙間を形成し易くなる。
本発明の圧力センサーでは、前記ダイアフラムの前記凹部側の主面および前記圧力基準室側の主面は、それぞれ、前記ダイアフラム配置層の表面で構成されていることが好ましい。
これにより、ダイアフラムがダイアフラム配置層の1層で構成されるため、ダイアフラムをより薄くすることができ、圧力検知の感度を高めることができる。
本発明の圧力センサーでは、前記基板は、SOI基板であることが好ましい。
これにより、基板の構成が簡単なものとなる。
これにより、基板の構成が簡単なものとなる。
本発明の圧力センサーモジュールは、本発明の圧力センサーと、
前記圧力センサーを収納するパッケージと、を有することを特徴とする。
前記圧力センサーを収納するパッケージと、を有することを特徴とする。
これにより、本発明の圧力センサーの効果を享受でき、信頼性の高い圧力センサーモジュールが得られる。
本発明の圧力センサーモジュールでは、前記パッケージ内に配置されている充填部を有していることが好ましい。
これにより、パッケージ内の圧力センサーを保護することができる。
これにより、パッケージ内の圧力センサーを保護することができる。
本発明の電子機器は、本発明の圧力センサーを有することを特徴とする。
これにより、本発明の圧力センサーの効果を享受でき、信頼性の高い電子機器が得られる。
これにより、本発明の圧力センサーの効果を享受でき、信頼性の高い電子機器が得られる。
本発明の圧力センサーの製造方法は、ダイアフラムとなる領域を有する第1層と、前記第1層と厚さ方向に離間して配置されている第2層と、前記第1層と前記第2層との間に配置されている第3層と、を有する基板を準備する工程と、
前記第2層に、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を形成することで、前記基板の厚さ方向から見た平面視で、前記ダイアフラムとなる領域と重なる領域に、前記基板の変形を規制する変形規制部を形成する工程と、
前記貫通孔を介して前記第3層の一部を除去し、前記ダイアフラムとなる領域と前記変形規制部との間に隙間を形成する工程と、を含むことを特徴とする圧力センサーの製造方法。
前記第2層に、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を形成することで、前記基板の厚さ方向から見た平面視で、前記ダイアフラムとなる領域と重なる領域に、前記基板の変形を規制する変形規制部を形成する工程と、
前記貫通孔を介して前記第3層の一部を除去し、前記ダイアフラムとなる領域と前記変形規制部との間に隙間を形成する工程と、を含むことを特徴とする圧力センサーの製造方法。
これにより、圧力検知精度の低下を抑制することのできる圧力センサーを容易に得ることができる。
以下、本発明の圧力センサー、圧力センサーモジュール、電子機器および圧力センサーの製造方法を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
まず、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーの断面図である。図2は、図1に示す圧力センサーが有する変形規制部を示す底面図である。図3は、図1に示す圧力センサーが有する変形規制部を示す断面斜視図である。図4は、図1に示す圧力センサーが有するセンサー部を示す平面図である。図5は、図4に示すセンサー部を含むブリッジ回路を示す図である。図6は、図1に示す圧力センサーの製造工程を示すフローチャートである。図7ないし図15は、それぞれ、図1に示す圧力センサーの製造方法を説明するための断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」とも言う。
図1に示すように、圧力センサー1は、一方の主面である下面に開放する凹部26と、凹部26の底部(上方側)を構成し、受圧により撓み変形するダイアフラム25と、を有する基板2と、ダイアフラム25の凹部26と反対側である上側に配置されている圧力基準室Sと、少なくとも一部が凹部26内に位置していると共に、ダイアフラム25との間に隙間Gを隔てて配置され、凹部26の変形を規制する変形規制部7と、を有している。このような構成によれば、変形規制部7によって凹部26の変形(基板2のダイアフラム25以外の部分の変形)を抑制するこができる。そのため、ダイアフラム25が圧力以外の応力(基板の変形により生じる圧力)を受け難くなり、圧力検知精度の低下が抑制された圧力センサー1となる。また、変形規制部7によって、基板2の機械的強度が高まるため、より頑丈な圧力センサー1となる。また、変形規制部7によって、凹部26内への異物の侵入をある程度阻止することができるため、ダイアフラム25の受圧面251を保護することもできる。以下、このような圧力センサー1について詳細に説明する。
図1に示すように、圧力センサー1は、主に、基板2と、センサー部3と、周囲構造体4と、圧力基準室Sと、変形規制部7と、を有している。
基板2には、周囲の部分よりも薄肉であり、受圧によって撓み変形するダイアフラム25が設けられている。本実施形態では、基板2にその下面に開放する有底の凹部26が形成されており、凹部26の底部(上方側)は、薄膜状のダイアフラム25で構成されている。そして、ダイアフラム25の下面が圧力を受ける受圧面251となっている。このようなダイアフラム25は、機械的強度および耐久性を保てる限り、薄く形成することが好ましい。これにより、ダイアフラム25が受圧によって撓み易くなるため、圧力検知の感度(応答性)を高めることができる。ダイアフラム25の厚さとしては、特に限定されず、その大きさ(平面視での面積)によっても異なるが、例えば、1.0μm以上、2.0μm以下程度とすることが好ましい。これにより、機械的強度を保ちつつ、十分に薄く撓み易いダイアフラム25が得られる。
なお、本実施形態では、ダイアフラム25の平面視形状が略正方形であるが、ダイアフラム25の平面視形状としては、特に限定されず、例えば、円形であってもよいし、5角形以上の多角形であってもよい。
基板2に形成された凹部26の内側には、変形規制部7が設けられている。変形規制部7は、前述したように、凹部26の変形(基板2のダイアフラム25以外の部分の変形)を抑制する機能を有している。このような変形規制部7は、図1に示すように、ダイアフラム25と離間して、すなわち非接触で配置されており、ダイアフラム25と変形規制部7との間には隙間Gが設けられている。このように、ダイアフラム25と変形規制部7との間に隙間Gを設けることで、ダイアフラム25が撓み変形しても、変形規制部7との接触を抑制することができ、特に、ダイアフラム25の破損を抑制することができる。なお、隙間Gの厚さとしては、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上、1.0μm以下とすることが好ましい。これにより、隙間Gが過度に厚くなるのを防止することができる共に、ダイアフラム25の変形規制部7との接触を効果的に抑制することができる。なお、隙間Gは、変形規制部7の各部で同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、ダイアフラム25の中央部と重なる位置での隙間Gが、ダイアフラム25の端部と重なる位置での隙間Gよりも大きくなっていてもよい。
図2に示すように、変形規制部7は、ダイアフラム25の厚さ方向から見た平面視で、第1方向Xに沿って延在し、両端が凹部26の側面に接続されている第1梁71と、第1方向Xに交差する第2方向Yに沿って延在し、両端が凹部26の側面に接続されている第2梁72と、を有している。そして、これら第1梁71および第2梁72は、互いの中央部で交差している。そのため、変形規制部7は、十字形状となっている。また、凹部26は、略正方形の横断面形状を有し、第1梁71は、凹部26の対向する一方の組の側面同士を接続するように設けられており、第2梁72は、凹部26の対向する他方の組の側面同士を接続するように設けられている。このような構成とすることで、前述した作用効果を有する変形規制部7の構成(形状)を簡単なものとすることができる。
また、図3に示すように、変形規制部7は、隙間Gと凹部26の外側とを連通する連通部73を有している。そして、連通部73を介してダイアフラム25の受圧面251が外部環境(圧力センサー1が置かれている環境)に接続されている。すなわち、連通部73によって、ダイアフラム25の受圧面251が外圧を受けることのできる状態となっている。このように、変形規制部7に連通部73を形成することで、簡単な構成で、ダイアフラム25の受圧面251を外部環境に接続することができる。なお、本実施形態の連通部73は、第1梁71および第2梁72と凹部26の内壁面との間の空間で構成された4つの貫通孔731で構成されている。
なお、変形規制部7の構成としては、その機能を発揮することができる限り、特に限定されず、例えば、後述する第2実施形態、第3実施形態のような構成としてもよい。また、例えば、第1梁71および第2梁72のうちの一方を省略してもよいし、第1梁71および第2梁72に加えて別の梁を追加してもよい。
また、変形規制部7は、基板2の少なくとも一部(後述する変形規制部配置層21)と一体である。すなわち、変形規制部7は、基板2の少なくとも一部(後述する変形規制部配置層21)から一体的に形成されている。このように、変形規制部7を基板2の少なくとも一部と一体化することで、後述する製造方法等によって、変形規制部7を容易に形成することができる。また、変形規制部7と基板2との接続強度を強くすることができ、より機械的強度の高い圧力センサー1となる。ただし、変形規制部7は、基板2と別体として形成され、接着剤等によって凹部26の側面に接着されていてもよい。
以上、変形規制部7が一体となった基板2について説明した。図3に示すように、このような基板2は、ダイアフラム25を有するダイアフラム配置層23と、ダイアフラム配置層23と基板2の厚さ方向に離間して配置され、変形規制部7を有する変形規制部配置層21と、ダイアフラム配置層23と変形規制部配置層21との間に配置され、隙間Gを有する隙間配置層22と、を有している。このように、基板2を3層構造とすることで、ダイアフラム25、変形規制部7および隙間Gをそれぞれ別の層から形成することができる。そのため、ダイアフラム25、変形規制部7および隙間Gを形成し易くなる。
本実施形態では、このような3層構造基板2としてSOI基板を用いている。すなわち、基板2は、SOI基板である。このSOI基板は、変形規制部配置層21としての第1シリコン層210と、第1シリコン層210の上側に配置されたダイアフラム配置層23としての第2シリコン層230と、第1シリコン層210および第2シリコン層230の間に配置された隙間配置層22としての酸化シリコン層220と、を有している。このように、基板2としてSOI基板を用いることで、基板2の構成が簡単なものとなる。また、SOI基板は、優れた加工精度を有しているため、基板2としてSOI基板を用いることで、より高精度な圧力センサー1を製造することができる。なお、基板2としては、SOI基板に限定されず、例えば、単層のシリコン基板等、種々の半導体基板を用いることもできる。
ここで、本実施形態では、ダイアフラム25は、ダイアフラム配置層23(第2シリコン層230)からなる単層構造となっている。すなわち、ダイアフラム25の下面(凹部26側の主面)および上面(圧力基準室S側の主面)は、それぞれ、ダイアフラム配置層23の表面(下面および上面)で構成されている。このように、ダイアフラム25を単層構造とすることで、ダイアフラム25をより薄くすることができる。また、ダイアフラム25を単層構造とすることにより、次のような効果を発揮することもできる。すなわち、ダイアフラム25が材料の異なる複数の層で構成されている場合、各層の線膨張係数の差に起因して、環境温度によってダイアフラム25の内部応力が変化するおそれがある。そのため、同じ圧力を受けても環境温度によって測定値が異なってしまうというヒステリシスが生じるおそれがある。これに対して、本実施形態のようにダイアフラム25を単層構造とすることで、上述のようなヒステリシスの問題が生じ難くなり、圧力検知精度の低下を効果的に低減することができる。だたし、ダイアフラム25は、単層構造に限定されず、複数の層が積層した積層構造となっていてもよい。
以上、基板2について説明した。このような基板2にはセンサー部3と電気的に接続される半導体回路(MOSトランジスタ、キャパシタ、インダクタ、抵抗、ダイオードトランジスタ等の回路要素)が作り込まれていてもよい。
また、図1に示すように、基板2の上面にはダイアフラム25と重ならないように、かつ、ダイアフラム25の周囲を囲むように中間層6が配置されている。中間層6は、基板2の上面に配置され、酸化シリコンで構成された第1中間層61と、第1中間層61の上面に配置され、窒化シリコンで構成された第2中間層62と、第2中間層62の上面に配置され、ポリシリコンで構成された第3中間層63と、を有している。なお、各中間層61、62、63の材料としては特に限定されない。また、中間層61、62、63の少なくとも1層を省略してもよい。
[センサー部]
図4に示すように、センサー部3は、ダイアフラム25に設けられている4つのピエゾ抵抗素子31、32、33、34と、これらに電気的に接続された配線35と、を有している。ピエゾ抵抗素子31、32、33、34は、配線35等を介して、互いに電気的に接続され、図5に示すブリッジ回路30(ホイートストンブリッジ回路)を構成している。
図4に示すように、センサー部3は、ダイアフラム25に設けられている4つのピエゾ抵抗素子31、32、33、34と、これらに電気的に接続された配線35と、を有している。ピエゾ抵抗素子31、32、33、34は、配線35等を介して、互いに電気的に接続され、図5に示すブリッジ回路30(ホイートストンブリッジ回路)を構成している。
ブリッジ回路30には駆動電圧AVDCを供給する駆動回路(図示せず)が接続されている。そして、ブリッジ回路30は、ダイアフラム25の撓みに基づくピエゾ抵抗素子31、32、33、34の抵抗値変化に応じた信号(電圧)を出力する。ピエゾ抵抗素子31、32、33、34は、それぞれ、例えば、第2シリコン層230にリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。また、配線35は、例えば、第2シリコン層230に、ピエゾ抵抗素子31、32、33、34よりも高濃度でリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。
ここで、前述したように、ダイアフラム25は、第2シリコン層230(ダイアフラム配置層23)の単層から形成されているため、ピエゾ抵抗素子31、32、33、34は、それぞれ、ダイアフラム25の上面に配置されていると言える。ダイアフラム25が撓んだ際、ダイアフラム25の厚さ方向において、その中央部よりも主面(上面および下面)側の方がより大きな応力が発生するため、本実施形態によれば、ピエゾ抵抗素子31、32、33、34により大きな応力を印加することができる。そのため、圧力検知の感度が向上する。
[圧力基準室]
図1に示すように、圧力基準室Sは、基板2と周囲構造体4とに囲まれることで画成されている。このような圧力基準室Sは、密閉された空間であり、圧力センサー1が検出する圧力の基準値となる。また、圧力基準室Sは、ダイアフラム25の上側(受圧面251とは反対側)に位置し、ダイアフラム25と重なって配置されている。このような圧力基準室Sは、真空状態(例えば10Pa以下程度)であることが好ましい。これにより、圧力センサー1を、真空を基準として圧力を検出する所謂「絶対圧センサー」として用いることができ、利便性の高い圧力センサー1となる。ただし、圧力基準室Sは、一定の圧力に保たれていれば、真空状態でなくてもよい。
図1に示すように、圧力基準室Sは、基板2と周囲構造体4とに囲まれることで画成されている。このような圧力基準室Sは、密閉された空間であり、圧力センサー1が検出する圧力の基準値となる。また、圧力基準室Sは、ダイアフラム25の上側(受圧面251とは反対側)に位置し、ダイアフラム25と重なって配置されている。このような圧力基準室Sは、真空状態(例えば10Pa以下程度)であることが好ましい。これにより、圧力センサー1を、真空を基準として圧力を検出する所謂「絶対圧センサー」として用いることができ、利便性の高い圧力センサー1となる。ただし、圧力基準室Sは、一定の圧力に保たれていれば、真空状態でなくてもよい。
[周囲構造体]
図1に示すように、基板2と共に圧力基準室Sを画成する周囲構造体4は、層間絶縁膜41と、層間絶縁膜41上に配置された配線層42と、配線層42および層間絶縁膜41上に配置された層間絶縁膜43と、層間絶縁膜43上に配置された配線層44と、配線層44および層間絶縁膜43上に配置された表面保護膜45と、配線層44および表面保護膜45上に配置された封止層46と、を有している。
図1に示すように、基板2と共に圧力基準室Sを画成する周囲構造体4は、層間絶縁膜41と、層間絶縁膜41上に配置された配線層42と、配線層42および層間絶縁膜41上に配置された層間絶縁膜43と、層間絶縁膜43上に配置された配線層44と、配線層44および層間絶縁膜43上に配置された表面保護膜45と、配線層44および表面保護膜45上に配置された封止層46と、を有している。
配線層42は、基板2の厚さ方向から見た平面視で、圧力基準室Sを囲んで配置された枠状のガードリング421(囲み部)と、センサー部3の配線35と接続されている配線部429と、を有している。同様に、配線層44は、基板2の平面視で、圧力基準室Sを囲んで配置されると共に、ガードリング421上に電気的に接続した状態で配置された枠状のガードリング441と、配線部429と電気的に接続された配線部449と、を有している。ガードリング421、441は、後述する製造方法でも説明するように、圧力基準室Sを埋める犠牲層をエッチング除去する際のストッパーとして機能する。また、配線部429、449は、センサー部3を周囲構造体4の上面に引き出す機能を有する。
配線層44は、さらに、圧力基準室Sの天井に位置し、ガードリング441から延出して設けられた被覆層444を有している。また、被覆層444には圧力基準室Sの内外を連通する複数の貫通孔445が設けられている。後述する製造方法でも説明するように、複数の貫通孔445は、圧力基準室Sにエッチング液を侵入させるためのリリースエッチング用の孔である。このような被覆層444上には封止層46が配置されており、封止層46によって貫通孔445が封止され、圧力基準室Sが気密的な空間となっている。
表面保護膜45は、周囲構造体4を水分、ゴミ、傷などから保護する機能を有している。このような表面保護膜45は、被覆層444の貫通孔445を塞がないように、層間絶縁膜43および配線層44上に配置されている。
層間絶縁膜41、43としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)等の絶縁膜を用いることができる。また、配線層42、44としては、例えば、アルミニウム膜等の金属膜を用いることができる。また、封止層46としては、例えば、Al、Cu、W、Ti、TiN等の金属膜、シリコン酸化膜等を用いることができる。また、表面保護膜45としては、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリイミド膜、エポキシ樹脂膜などを用いることができる。
以上、周囲構造体4について説明した。なお、周囲構造体4の構成としては、本実施形態の構成に限定されず、例えば、配線層や層間絶縁膜を3層以上有する構成となっていてもよい。
次に、圧力センサー1の製造方法について簡単に説明する。図6に示すように、圧力センサー1の製造方法は、ダイアフラム25となる領域250を有する第1層としての第2シリコン層230と、第2シリコン層230と厚さ方向に離間して配置されている第2層としての第1シリコン層210と、第2シリコン層230と第1シリコン層210との間に配置されている第3層としての酸化シリコン層220と、を有する基板2を準備する準備工程と、基板2にセンサー部3を形成するセンサー部形成工程と、基板2上に周囲構造体4を形成する周囲構造体形成工程と、第1シリコン層210に、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔731を形成することで、基板2の厚さ方向から見た平面視で、ダイアフラム25となる領域250と重なる領域に、基板2の変形を規制する変形規制部7を形成する変形規制部形成工程と、貫通孔731を介して酸化シリコン層220の一部を除去し、ダイアフラム25となる領域250と変形規制部7との間に隙間Gを形成する隙間形成工程と、を含んでいる。
[準備工程]
まず、図7に示すように、第1シリコン層210、酸化シリコン層220および第2シリコン層230を積層してなるSOI基板である基板2を準備する。第2シリコン層230は、必要に応じて研磨等によって薄肉化されており、得ようとするダイアフラム25の厚さに合わせ込まれている。すなわち、第2シリコン層230には、ダイアフラム25となる領域250が形成されている。
まず、図7に示すように、第1シリコン層210、酸化シリコン層220および第2シリコン層230を積層してなるSOI基板である基板2を準備する。第2シリコン層230は、必要に応じて研磨等によって薄肉化されており、得ようとするダイアフラム25の厚さに合わせ込まれている。すなわち、第2シリコン層230には、ダイアフラム25となる領域250が形成されている。
[センサー部形成工程]
次に、図8に示すように、基板2(第2シリコン層230)の上面にセンサー部3を形成した後、基板2上に第1中間層61、第2中間層62および第3中間層63を成膜する。なお、第1中間層61、第2中間層62および第3中間層63は、例えば、フォトリソグラフィー技法およびエッチング技法を用いてパターニングすることができる。
次に、図8に示すように、基板2(第2シリコン層230)の上面にセンサー部3を形成した後、基板2上に第1中間層61、第2中間層62および第3中間層63を成膜する。なお、第1中間層61、第2中間層62および第3中間層63は、例えば、フォトリソグラフィー技法およびエッチング技法を用いてパターニングすることができる。
[周囲構造体形成工程]
次に、図9に示すように、基板2上に、層間絶縁膜41、配線層42、層間絶縁膜43、配線層44および表面保護膜45を順に形成する。次に、図10に示すように、マスクM1(レジストマスク)で表面保護膜45を保護した上で、ウェットエッチングによって、貫通孔445を介して犠牲層48(ガードリング421、441で囲まれた層間絶縁膜41、43)を除去して、圧力基準室Sを形成する。この際、ガードリング421、441は、エッチングのストッパーとして機能する。次に、図11に示すように、圧力基準室Sを真空状態とした状態で、封止層46を成膜して圧力基準室Sを封止する。
次に、図9に示すように、基板2上に、層間絶縁膜41、配線層42、層間絶縁膜43、配線層44および表面保護膜45を順に形成する。次に、図10に示すように、マスクM1(レジストマスク)で表面保護膜45を保護した上で、ウェットエッチングによって、貫通孔445を介して犠牲層48(ガードリング421、441で囲まれた層間絶縁膜41、43)を除去して、圧力基準室Sを形成する。この際、ガードリング421、441は、エッチングのストッパーとして機能する。次に、図11に示すように、圧力基準室Sを真空状態とした状態で、封止層46を成膜して圧力基準室Sを封止する。
[変形規制部形成工程]
次に、図12に示すように、基板2の下面(第1シリコン層210)に連通部73(貫通孔731)に対応する開口を有するマスクM2を成膜する。次に、図13に示すように、マスクM2を介して第1シリコン層210をドライエッチングし、複数の貫通孔731を形成し、変形規制部7を形成する。具体的には、公知のシリコンディープエッチング装置により、基板2の下面側から等方性エッチング、保護膜成膜および異方向性エッチングという工程を繰り返して第1シリコン層210を掘り進める。このような第1シリコン層210のエッチングが進み、酸化シリコン層220まで達すると、酸化シリコン層220がエッチングストッパーとなって、それ以上のエッチングが阻止される。これにより、複数の貫通孔731が形成され、変形規制部7が形成される。このような方法によれば、基板2を主面に対してほぼ直角に掘り進めることができる。言い換えると、凹部26の側面や変形規制部7の側面を、主面に対して直交する面とすることができる。そのため、変形規制部7、凹部26およびダイアフラム25をより精度よく所望の形状とすることができる。なお、この等方性エッチング、保護膜成膜および異方性エッチング工程の繰り返しによるドライエッチングにより、変形規制部7および凹部26の側面には、掘り方向に周期的な微小な凹凸が形成されるが、当該凹凸については説明の便宜上、図示していない。
次に、図12に示すように、基板2の下面(第1シリコン層210)に連通部73(貫通孔731)に対応する開口を有するマスクM2を成膜する。次に、図13に示すように、マスクM2を介して第1シリコン層210をドライエッチングし、複数の貫通孔731を形成し、変形規制部7を形成する。具体的には、公知のシリコンディープエッチング装置により、基板2の下面側から等方性エッチング、保護膜成膜および異方向性エッチングという工程を繰り返して第1シリコン層210を掘り進める。このような第1シリコン層210のエッチングが進み、酸化シリコン層220まで達すると、酸化シリコン層220がエッチングストッパーとなって、それ以上のエッチングが阻止される。これにより、複数の貫通孔731が形成され、変形規制部7が形成される。このような方法によれば、基板2を主面に対してほぼ直角に掘り進めることができる。言い換えると、凹部26の側面や変形規制部7の側面を、主面に対して直交する面とすることができる。そのため、変形規制部7、凹部26およびダイアフラム25をより精度よく所望の形状とすることができる。なお、この等方性エッチング、保護膜成膜および異方性エッチング工程の繰り返しによるドライエッチングにより、変形規制部7および凹部26の側面には、掘り方向に周期的な微小な凹凸が形成されるが、当該凹凸については説明の便宜上、図示していない。
[隙間形成工程]
次に、基板2の下面に残ったマスクM2を除去し、さらに、変形規制部形成工程において成膜された保護膜を除去する。次に、図14に示すように、貫通孔731を介して、変形規制部7とダイアフラム25となる領域250との間に位置している酸化シリコン層220をウェットエッチングする。このウェットエッチングが進み、第2シリコン層230まで達すると、第2シリコン層230がエッチングストッパーとなって、それ以上のエッチングが阻止される。これにより、ダイアフラム25となる領域250と変形規制部7との間に隙間Gが形成され、ダイアフラム25となる領域250と変形規制部7とが離間する。また、領域250がダイアフラム25となる。
次に、基板2の下面に残ったマスクM2を除去し、さらに、変形規制部形成工程において成膜された保護膜を除去する。次に、図14に示すように、貫通孔731を介して、変形規制部7とダイアフラム25となる領域250との間に位置している酸化シリコン層220をウェットエッチングする。このウェットエッチングが進み、第2シリコン層230まで達すると、第2シリコン層230がエッチングストッパーとなって、それ以上のエッチングが阻止される。これにより、ダイアフラム25となる領域250と変形規制部7との間に隙間Gが形成され、ダイアフラム25となる領域250と変形規制部7とが離間する。また、領域250がダイアフラム25となる。
以上により、圧力センサー1が得られる。このような製造方法によれば、半導体プロセスを用いて圧力センサー1を製造することができるため、圧力検知精度の低下を抑制することのできる圧力センサー1を簡単に製造することができる。
なお、上述の圧力センサー1の製造方法の別の例として、例えば、図15に示すように、基板2として、初めから酸化シリコン層220の一部が除去されて、隙間Gが形成されているSOI基板を用いてもよい。これにより、上述した製造方法の「隙間形成工程」が不要となる。そのため、圧力センサー1の製造工程をより短くすることができる。なお、図15は、図12に対応する工程を図示している。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
図16は、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーを示す底面図である。
次に、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
図16は、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーを示す底面図である。
以下、第2実施形態の圧力センサーについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態に係る圧力センサーは、変形規制部の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には同一符号を付してある。
図16に示すように、本実施形態の圧力センサー1では、変形規制部7が、互いの中央部で交差する第1梁71および第2梁72を有するが、第1梁71が凹部26の一方の対角同士を接続して配置されており、第2梁72が他方の対角同士を接続して配置されている。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
次に、本発明の第3実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
図17は、本発明の第3実施形態に係る圧力センサーの底面図である。図18ないし図21は、それぞれ、図17に示す貫通孔の形成方法を説明するための断面図である。
以下、第3実施形態の圧力センサーについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第3実施形態に係る圧力センサーは、変形規制部の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には同一符号を付してある。
図17に示すように、本実施形態の圧力センサー1では、変形規制部7は、凹部26の開口を塞ぐように配置された基部75と、基部75に形成された連通部73と、を有している。また、連通部73は、基部75に形成された複数の貫通孔731を有している。なお、複数の貫通孔731の配置としては、特に限定されないが、本実施形態のように、基部75の全域に広がって均等に配置されていることが好ましい。また、貫通孔731の横断面形状としては、特に限定されないが、本実施形態では、円形となっている。
このような貫通孔731は、前述したシリコンディープエッチング装置を用いたエッチングによって形成することもできるが、例えば、メタルアシストエッチングにより形成することが好ましい。メタルアシストエッチングは、長く径が小さい貫通孔(すなわち、アスペクト比の高い貫通孔)を形成するのに適しており、これにより、精度よく貫通孔731を形成することができる。メタルアシストエッチングについて簡単に説明すると、まず、図18に示すように、基板2の下面であって貫通孔731を形成する箇所に、触媒活性な金属粒子Mを付着させる。金属粒子Mとしては、特に限定されないが、例えば、Ag、Au等を用いることができる。また、金属粒子Mは、蒸着やスパッタリングによって基板2上に付着させることができる。次に、エッチング液として過酸化水素水(酸化剤)を含んだフッ酸水溶液を準備し、このエッチング液中に基板2を浸漬する。すると、図19に示すように、基板2の金属粒子Mと接触している部分で酸化反応が起こって(SiO2が形成され)、この部分がエッチング液に溶け、最終的に、図20に示すように、第1シリコン層210を貫通する貫通孔731が形成される。そして、図21に示すように、貫通孔731を介して隙間配置層22(酸化シリコン層220)の除去することで、隙間Gが得られる。
このようなメタルアシストエッチングによれば、金属粒子Mを配置した箇所に、金属粒子Mの径とほぼ等しい径を有する貫通孔731を形成することができるため、貫通孔731を精度よく形成することができる。また、貫通孔731をストレート状に形成することができるため、貫通孔731の配設密度を高めることもできる。
ここで、貫通孔731の径を小さくすることで、ダイアフラム25に対する防水性を付与することができる。すなわち、隙間Gに水が浸入することを抑制することができる。例えば、1〜10気圧では基板2の下面(第1シリコン層210の表面)の水の接触角が120°程度であるため、10気圧防水を実現するためには、貫通孔731の径rを0.144μm以下程度とすればよい。なお、径rの値は、水銀注入法で知られるD=(−4σcosθ)/Pなる関係から導くことができる。当該式中のDは貫通孔の径(=r)であり、Pは圧力であり、σは表面張力であり、θは接触角である。
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る圧力センサーモジュールについて説明する。
次に、本発明の第4実施形態に係る圧力センサーモジュールについて説明する。
図22は、本発明の第4実施形態に係る圧力センサーモジュールの断面図である。図23は、図22に示す圧力センサーモジュールが有する支持基板の平面図である。
以下、第4実施形態の圧力センサーモジュールについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図22に示すように、圧力センサーモジュール100は、圧力センサー1と、圧力センサー1を収納するパッケージ110と、パッケージ110内に配置されている充填部140と、を有している。このような圧力センサーモジュール100によれば、パッケージ110および充填部140によって圧力センサー1を保護することができる。また、圧力センサー1を有しているため、圧力センサー1の効果を享受でき、信頼性の高い圧力センサーモジュール100となる。以下、このような圧力センサーモジュール100について説明する。
圧力センサーモジュール100は、内部空間S1を有するパッケージ110と、内部空間S1内からパッケージ110の外側に引き出されて配置され、パッケージ110の内側に位置する部分と外側に位置する部分を有する支持基板120と、内部空間S1内で支持基板120に支持されている回路素子130および圧力センサー1と、内部空間S1に配置されている充填部140と、を有している。
パッケージ110は、ベース111およびハウジング112を有し、ベース111およびハウジング112が支持基板120を挟み込むようにして互いに接着層を介して接合されている。このようにして形成されているパッケージ110は、その上端部に形成された開口110aと、開口110aに連通する内部空間S1と、を有している。
これらベース111およびハウジング112の構成材料としては、特に限定されず、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の酸化物セラミックス、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の窒化物セラミックスのような各種セラミックスや、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂のような各種樹脂材料等の絶縁性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、各種セラミックスを用いることが特に好ましい。
以上、パッケージ110について説明したが、パッケージ110の構成としては、その機能を発揮することができれば特に限定されない。
支持基板120は、ベース111およびハウジング112の間に挟まれており、内部空間S1内からパッケージ110の外側に引き出されて配置されている。また、支持基板120は、回路素子130および圧力センサー1を支持すると共に、回路素子130および圧力センサー1を電気的に接続している。このような支持基板120は、図23に示すように、可撓性を有する基材121と、基材121に配置された複数の配線129と、を有している。
基材121は、開口122aを有する枠状の基部122と、基部122から延出する帯状の帯体123と、を有している。そして、基部122の外縁部においてベース111とハウジング112とに挟まれ、帯体123がパッケージ110の外側に延出している。このような基材121としては、例えば、一般的に用いられているフレキシブルプリント基板を用いることができる。なお、本実施形態では基材121が可撓性を有しているが、基材121の全部または一部は、硬質であってもよい。
基材121の平面視で、回路素子130および圧力センサー1は、開口122aの内側に位置し、並んで配置されている。また、回路素子130および圧力センサー1は、それぞれ、ボンディングワイヤーBWを介して基材121に吊られ、支持基板120から浮遊した状態で支持基板120に支持されている。また、回路素子130および圧力センサー1は、それぞれ、ボンディングワイヤーBWおよび配線129を介して電気的に接続されている。このように、回路素子130および圧力センサー1を支持基板120に対して浮遊した状態で支持することで、支持基板120から回路素子130および圧力センサー1に応力が伝わり難くなり、圧力センサー1の圧力検知精度が向上する。
回路素子130は、ブリッジ回路30に電圧を供給するための駆動回路、ブリッジ回路30からの出力を温度補償するための温度補償回路、温度補償回路からの出力から受けた圧力を求める圧力検出回路、圧力検出回路からの出力を所定の出力形式(CMOS、LV−PECL、LVDS等)に変換して出力する出力回路等を有している。
充填部140は、回路素子130および圧力センサー1を覆うように内部空間S1に配置されている。このような充填部140により、回路素子130および圧力センサー1を保護(防塵および防水)すると共に、圧力センサー1に作用した外部応力(例えば、落下衝撃)が回路素子130および圧力センサー1に伝わり難くなる。
また、充填部140は、液状またはゲル状の充填材で構成することができ、回路素子130および圧力センサー1の過剰な変位を抑制することができる点で、特にゲル状の充填材で構成するのが好ましい。このような充填部140によれば、回路素子130および圧力センサー1を水分から効果的に保護することができると共に、圧力を効率的に圧力センサー1へ伝達することができる。このような充填部140を構成する充填材としては、特に限定されず、例えば、シリコーンオイル、フッ素系オイル、シリコーンゲル等を用いることができる。
以上、圧力センサーモジュール100について説明した。圧力センサーモジュール100の構成としては、上述の構成に限定されず、例えば、充填部140は、省略してもよい。また、本実施形態では、圧力センサー1および回路素子130が、ボンディングワイヤーBWによって、支持基板120に吊られた状態で支持されているが、例えば、圧力センサー1および回路素子130が、直接、支持基板120上に配置されていてもよい。また、本実施形態では、圧力センサー1および回路素子130が横に並んで配置されているが、例えば、圧力センサー1および回路素子130が高さ方向に並んで配置されていてもよい。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る電子機器について説明する。
図24は、本発明の電子機器としての高度計を示す斜視図である。
次に、本発明の第5実施形態に係る電子機器について説明する。
図24は、本発明の電子機器としての高度計を示す斜視図である。
図24に示すように、高度計200は、腕時計のように手首に装着することができる。また、高度計200の内部には、圧力センサー1(圧力センサーモジュール100)が搭載されており、表示部201に現在地の海抜からの高度、または、現在地の気圧等を表示することができる。なお、この表示部201には、現在時刻、使用者の心拍数、天候等、様々な情報を表示することができる。
このような電子機器の一例である高度計200は、圧力センサー1を有している。そのため、高度計200は、上述した圧力センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る電子機器について説明する。
図25は、本発明の電子機器としてのナビゲーションシステムを示す正面図である。
次に、本発明の第6実施形態に係る電子機器について説明する。
図25は、本発明の電子機器としてのナビゲーションシステムを示す正面図である。
図25に示すように、ナビゲーションシステム300は、図示しない地図情報と、GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)からの位置情報取得手段と、ジャイロセンサーおよび加速度センサーと車速データとによる自立航法手段と、圧力センサー1(圧力センサーモジュール100)と、所定の位置情報または進路情報を表示する表示部301とを備えている。
このナビゲーションシステム300によれば、取得した位置情報に加えて高度情報を取得することができる。例えば、一般道路と位置情報上は略同一の位置を示す高架道路を走行する場合、高度情報を持たない場合には一般道路を走行しているのか高架道路を走行しているのかナビゲーションシステムでは判断できず、優先情報として一般道路の情報を使用者に提供してしまっていた。そこで、ナビゲーションシステム300に圧力センサー1を搭載し、高度情報を圧力センサー1によって取得することで、一般道路から高架道路へ進入することによる高度変化を検出することができ、高架道路の走行状態におけるナビゲーション情報を使用者に提供することができる。
このような電子機器の一例としてのナビゲーションシステム300は、圧力センサー1を有している。そのため、ナビゲーションシステム300は、上述した圧力センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
なお、本発明の電子機器は、上記のナビゲーションシステムに限定されず、例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、時計(スマートウォッチを含む)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等に適用することができる。
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態に係る移動体について説明する。
図26は、本発明の電子機器としての移動体を示す斜視図である。
次に、本発明の第7実施形態に係る移動体について説明する。
図26は、本発明の電子機器としての移動体を示す斜視図である。
図26に示すように、移動体としての自動車400は、車体401と、4つの車輪402とを有しており、車体401に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪402を回転させるように構成されている。このような自動車400には、ナビゲーションシステム300が内蔵されている。なお、前述したように、ナビゲーションシステム300には、圧力センサー1(圧力センサーモジュール100)が搭載されている。
このような電子機器(移動体)の一例としての自動車400は、圧力センサー1を有している。そのため、自動車400は、上述した圧力センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
以上、本発明の圧力センサー、圧力センサーモジュール、電子機器および圧力センサーの製造方法を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1…圧力センサー、2…基板、21…変形規制部配置層、210…第1シリコン層、22…隙間配置層、220…酸化シリコン層、23…ダイアフラム配置層、230…第2シリコン層、25…ダイアフラム、250…領域、251…受圧面、26…凹部、3…センサー部、30…ブリッジ回路、31、32、33、34…ピエゾ抵抗素子、35…配線、4…周囲構造体、41…層間絶縁膜、42…配線層、421…ガードリング、429…配線部、43…層間絶縁膜、44…配線層、441…ガードリング、444…被覆層、445…貫通孔、449…配線部、45…表面保護膜、46…封止層、48…犠牲層、6…中間層、61…第1中間層、62…第2中間層、63…第3中間層、7…変形規制部、71…第1梁、72…第2梁、73…連通部、731…貫通孔、75…基部、100…圧力センサーモジュール、110…パッケージ、110a…開口、111…ベース、112…ハウジング、120…支持基板、121…基材、122…基部、122a…開口、123…帯体、129…配線、130…回路素子、140…充填部、200…高度計、201…表示部、300…ナビゲーションシステム、301…表示部、400…自動車、401…車体、402…車輪、BW…ボンディングワイヤー、G…隙間、M…金属粒子、M1、M2…マスク、S…圧力基準室、S1…内部空間、X…第1方向、Y…第2方向
Claims (11)
- 一方の主面に開放する凹部と、前記凹部の底部を構成し、受圧により撓み変形するダイアフラムと、を有する基板と、
前記ダイアフラムの前記凹部と反対側に配置されている圧力基準室と、
少なくとも一部が前記凹部内に位置していると共に、前記ダイアフラムとの間に隙間を隔てて配置され、前記凹部の変形を規制する変形規制部と、を有していることを特徴とする圧力センサー。 - 前記変形規制部は、前記隙間と前記凹部の外側とを連通する連通部を有している請求項1に記載の圧力センサー。
- 前記変形規制部は、前記基板の少なくとも一部と一体である請求項1または2に記載の圧力センサー。
- 前記変形規制部は、前記ダイアフラムの厚さ方向から見た平面視で、第1方向に沿って延在し、両端が前記凹部の側面に接続されている第1梁と、前記第1方向に交差する第2方向に沿って延在し、両端が前記凹部の側面に接続されている第2梁と、を有している請求項1ないし3のいずれか1項に記載の圧力センサー。
- 前記基板は、前記ダイアフラムを有するダイアフラム配置層と、前記ダイアフラム配置層と前記基板の厚さ方向に離間して配置され、前記変形規制部を有する変形規制部配置層と、前記ダイアフラム配置層と前記変形規制部配置層との間に配置され、前記隙間を有する隙間配置層と、を有している請求項1ないし4のいずれか1項に記載の圧力センサー。
- 前記ダイアフラムの前記凹部側の主面および前記圧力基準室側の主面は、それぞれ、前記ダイアフラム配置層の表面で構成されている請求項5に記載の圧力センサー。
- 前記基板は、SOI基板である請求項5または6に記載の圧力センサー。
- 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の圧力センサーと、
前記圧力センサーを収納するパッケージと、を有することを特徴とする圧力センサーモジュール。 - 前記パッケージ内に配置されている充填部を有している請求項8に記載の圧力センサーモジュール。
- 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の圧力センサーを有することを特徴とする電子機器。
- ダイアフラムとなる領域を有する第1層と、前記第1層と厚さ方向に離間して配置されている第2層と、前記第1層と前記第2層との間に配置されている第3層と、を有する基板を準備する工程と、
前記第2層に、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を形成することで、前記基板の厚さ方向から見た平面視で、前記ダイアフラムとなる領域と重なる領域に、前記基板の変形を規制する変形規制部を形成する工程と、
前記貫通孔を介して前記第3層の一部を除去し、前記ダイアフラムとなる領域と前記変形規制部との間に隙間を形成する工程と、を含むことを特徴とする圧力センサーの製造方法。
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