JP2017145527A - 壁紙 - Google Patents

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Haruki Yamashita
治城 山下
吉田 義雄
Yoshio Yoshida
義雄 吉田
長谷川 真
Makoto Hasegawa
真 長谷川
宏光 神尾
Hiromitsu Kamio
宏光 神尾
勇志 望月
Takeshi Mochizuki
勇志 望月
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Abstract

【課題】塩化ビニル樹脂等の樹脂化粧層を含まず、適度な通気性を有するために結露に起因する衛生上・美観上の問題が起こらず、また、毛羽立ちが発生しにくく、更に、直接印刷やエンボス加工等を施しても、後に水系糊を使用して壁面に添付することが可能で、コスト的にも有利な壁紙を提供することを課題とする。【解決手段】樹脂化粧層を有しない壁紙であって、パルプ繊維、ポリエステル系合成繊維および水溶性樹脂を含み、前記ポリエステル系合成繊維は単一構造であって融点が200〜300℃であり、前記パルプ繊維と前記ポリエステル系合成繊維の含有割合が95/5〜50/50であることを特徴とする壁紙である。【選択図】なし

Description

本発明は、壁紙に関するものであり、より詳細には、塩化ビニル樹脂、オレフィン樹脂等の樹脂化粧層を有しない壁紙に関するものである。
壁紙は、一般住宅、ホテル、病院等における室内のインテリアのために、長期間壁に貼付して使用される。壁紙には塩化ビニル壁紙(以下、ビニル壁紙と称す)やオレフィン壁紙等があり、これらの壁紙は、それぞれ塩化ビニル樹脂層、オレフィン樹脂層等の化粧層と、該化粧層を保持するための裏打ち紙により構成されている。
このうちビニル壁紙は、塩化ビニルペーストを裏打ち紙の表面に塗工し、塗工物がゲル化した後、印刷、発泡、エンボス等の加工を行って製品化されるものであり、比較的安価であるところから広く用いられている。しかるに、このビニル壁紙の場合は、塩化ビニルを裏打ち紙に塗工して乾燥する時に塩化ビニル塗工層から水分が抜けにくく、乾燥が妨げられる。そのため、壁面貼着時に壁面と壁紙裏打ち紙部分の水分が高くなり、その部分にカビが生えやすい状態となる。しかも、カビは表面の装飾層に隠蔽されて判明しにくいため、知らず知らずのうちに広く繁殖し、居住者の健康や住環境に悪影響が及ぶ結果となる。
このビニル壁紙に関し、毛羽立ちの発生が少なく、壁紙施工後に目開きが生じない壁紙用裏打ち紙として、芯が融点200℃以上のポリエステル繊維で、鞘が融点100℃以上180℃以下のポリエチレン繊維である芯鞘繊維を含有することが提案されている(特許文献1)。
しかし、この提案に係るビニル壁紙の場合は、用いる合成繊維の融点が比較的低いために、裏打ち紙のベースとなる基紙を製造する抄紙機の乾燥工程において、合成繊維が熱溶融して抄紙ドライヤーに付着することで汚れが発生し、その汚れに起因して合成繊維の毛羽立ちが発生するという問題がある。このように基紙に毛羽立ちが発生すると、その後アクリル樹脂等を塗工して製作される裏打ち紙にも毛羽立ち現象が起こってくる。そして、裏打ち紙に毛羽立ちが発生すると、その部分に印刷不良(白抜け)が起こり、また、壁紙表面の美観が失われるという問題が起こる。
以上の通気性不良によるカビ発生の問題や、毛羽立ちによる印刷不良(白抜け)、並びに、壁紙表面の美観喪失の問題は、ビニル壁紙に限らず、オレフィン壁紙の場合にも起こることである。
また、合成繊維として芯部の融点が200℃以上かつ鞘部の融点が150℃以上である芯鞘型構造を有するポリエステル繊維を全繊維の固形量中5〜30質量%の割合で含有させることにより、抄紙工程または乾燥工程におけるドライヤー汚れがない、ビニル発泡壁紙、紙発泡壁紙、オレフィン発泡壁紙等に用いられる壁紙用裏打ち紙が提案されている(特許文献2)。
しかし、この提案に係る壁紙用裏打ち紙は、鞘部の融点が150℃以上である芯鞘型構造を有するポリエステル繊維を含有するため、加工先で壁紙に意匠性を持たせるために、例えば、150℃を超えるような高温でのエンボス加工等の高温下での加工を行うと、鞘部が溶融してしまい、毛羽立ちが発生してエンボスロールを汚す等の不具合が懸念される。また、芯鞘構造を有するポリエステル繊維は、融点が同じ成分のみである単一構造のポリエステル繊維よりコストが高いことも難点である。
特開2013−2015号公報 特開2015−180784号公報
上述したように、従来広く用いられているビニル壁紙等には、通気性不良によるカビ発生の問題、毛羽立ちに起因する印刷不良(白抜け)の問題、壁紙表面の見栄えの劣化の問題、並びに、コスト上の問題があった。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、塩化ビニル樹脂等の樹脂化粧層を含まず、適度な通気性を有するために結露に起因する衛生上・美観上の問題が起こらず、また、毛羽立ちが発生しにくく、更に、直接印刷やエンボス加工等を施しても、後に水系糊を使用して壁面に添付することが可能で、コスト的にも有利な壁紙を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、壁紙の基紙が、融点が200〜300℃のポリエステル系合成繊維とパルプ繊維を所定比率で含有することにより、合成繊維の毛羽立ちに起因する抄紙ドライヤーの汚れや、150℃を超えるような高温でのエンボス加工等の高温下での加工を行うときに毛羽立ちが少なくなり、また、通気度を適正に管理することにより、結露やカビ発生の問題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
即ち、上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、樹脂化粧層を有しない壁紙であって、パルプ繊維、ポリエステル系合成繊維および水溶性樹脂を含み、前記ポリエステル系合成繊維は単一構造であって融点が200〜300℃であり、前記パルプ繊維と前記ポリエステル系合成繊維の含有割合が95/5〜50/50であることを特徴とする壁紙である。
一実施形態における壁紙は、前記水溶性樹脂が、アクリル系、ポリ酢酸ビニル系、エチレン酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系のうちの1種もしくは複数種を含み、そのうちの少なくとも1種以上の含有量が、前記壁紙の全質量に対して3.0〜20.0質量%である。また、一実施形態における壁紙は、密度が0.34〜0.71g/cmであり、フィルトローナ社製通気度測定器(PPM100型)を用いて測定した差圧100mmHOの時の通気度が200〜4,000ml/cm/secである。
一実施形態における壁紙は、前記ポリエステル系合成繊維は、円形断面型であり、また、一実施形態における壁紙は少なくとも一方の面に印刷用塗工層を有する。
本発明に係る壁紙は上記のとおりのものであり、塩化ビニル樹脂等の樹脂化粧層を含まず、特定の融点のポリエステル系合成繊維を特定割合含有しているために、150℃を超えるような高温でのエンボス加工等の高温下での加工を行うときに毛羽立ちが少なくなり、適度な通気性を具備するために結露に起因する衛生上・美観上の問題が起こらず、また、直接印刷やエンボス加工等を施した後に、水系糊を使用して壁面に添付することが可能で、コスト的にも有利な壁紙が得られる効果がある。
本発明に係る壁紙は、樹脂化粧層を有しておらず、パルプ繊維、ポリエステル系合成繊維および水溶性樹脂を含み、前記ポリエステル系合成繊維は、芯鞘構造ではない単一構造であって融点が200〜300℃であり、前記パルプ繊維と前記ポリエステル系合成繊維の含有割合が95/5〜50/50であることを特徴とするものである。
本壁紙の基紙を構成するポリエステル系合成繊維の融点は200〜300℃の範囲であり、好ましくは250〜270℃の範囲である。融点が200℃未満と低い場合には、例えば150℃を超えるような高温でのエンボス加工等の高温下での加工時に、合成繊維が熱溶融してエンボスロールに付着することに起因して毛羽立ちが発生しやすくなる。なお、融点が300℃を超える合成繊維を配合することは、技術的に意味がないだけでなく、不経済でもある。なお、上記合成繊維の融点の測定は、JIS K 7121:2012に基づく。
上記のとおり、パルプ繊維とポリエステル系合成繊維の含有割合は95/5〜50/50とされるが、このような含有割合とすることにより、合成繊維に起因する未解離繊維が少なくなって繊維分散性が向上し、以て、水溶性樹脂の含浸ムラが少なくなって、適度な通気性を有するに至る。また、上記含有割合とすることで、良好な風合いをもつ壁紙が得られる。
本壁紙に含有されるポリエステル系合成繊維としては、上記分散性向上の観点から、円形断面型のポリエステル系合成繊維を使用することが望ましい。また、所望の効果を阻害しない範囲で、前記ポリエステル系繊維以外の合成繊維を含有することが可能である。
本壁紙の場合は、少なくとも一方の面に印刷用の塗工層を設けることができる。インクジェット適性を付与するためにカチオン樹脂やシリカ等を含有する塗工層を設けたり、カオリン、タルク、炭酸カルシウム等を含有する顔料塗工層を設けたりしてもよい。前記塗工には、ロールコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター等の通常使用される塗工機を用いることができる。
上述した合成繊維以外に含有し得るパルプ繊維としては、天然繊維やセルロース系繊維であって、針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)、未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹の未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹の晒サルファイトパルプ( N B S P ) 又は未晒サルファイトパルプ( N U S P ) 、広葉樹の晒サルファイトパルプ( L B S P )、広葉樹の未晒サルファイトパルプ( L U S P ) 等の化学パルプ、あるいは、グランドパルプ( G P ) 、サーモメカニカルパルプ( T M P ) 、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP等)等の機械パルプ 、脱墨パルプ( D I P ) 、コットンやケナフ等の非木材繊維パルプ、レーヨン繊維を挙げることができ、それらのパルプを1種類、もしくは、2種類以上組み合わせて配合することとしてもよい。
本発明において基紙に塗布する水溶性樹脂としては、アクリル系、ポリ酢酸ビニル系、エチレン酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系のうちの1種もしくは複数種を用いることができ、これらのうちの少なくとも1種以上を、JIS P8124:2011に基づいて測定した壁紙とその基紙との坪量の差により求める、水溶性樹脂の含有量が、前記壁紙の全質量に対して3.0〜20.0質量%となるように塗布する。その場合、水溶性樹脂の含有量が3.0質量%未満の場合は壁紙の強度が弱いものとなり、20.0質量%を超える場合は、水溶性樹脂を塗工するときの乾燥性が悪化し、経済的にも不利となる。前記した強度および乾燥性を更に良化させるため、好ましくは前記水溶性樹脂の含有量を5.0〜15.0質量%とし、更に好ましくは8.0〜12.0質量%の範囲とすることが望ましい。
また、密度が0.34〜0.71g/cmで、好ましくは、0.36〜0.65g/cmの範囲であり、更に、フィルトローナ社製通気度測定器(PPM100型)を用いて測定した差圧100mmHOの時の通気度が200〜4,000ml/cm/secで、好ましくは、300〜1,700ml/cm/secの範囲である。
密度が0.34g/cm未満であると、壁紙としての強度が不足することになり、0.71g/cmを超える場合には、水溶性樹脂を塗工するときの乾燥性が悪化することになる。
更に、通気度が200ml/cm/sec未満の場合には壁紙としての通気性が低すぎて、壁紙として壁に貼付けた後に結露が発生しやすくなり、また、水溶性樹脂の含浸ムラが生じやすくなる。通気度が4,000ml/cm/secを超えると、通気性が高すぎて、壁紙として壁に貼付けるときに水系糊の浸み出しが発生したり、水溶性樹脂の留まりが悪化する等の不都合が発生する。
本発明の壁紙は、JIS P8124:2011に基づいて測定した坪量の範囲が56.0〜300g/mで、好ましくは、80.0〜150g/mの範囲である。坪量が56.0/m未満の場合には、壁紙としての強度が不足し、300g/mを超える場合は、坪量が過多となり、壁紙としての風合いが得られず、また壁紙を壁に貼付するときの作業性が悪化する。上記ポリエステル系合成繊維は、繊維分散性の観点から、繊度が0.5〜4.5dtexで繊維長が3〜30mm(好ましくは5〜20mm、更に好ましくは5〜15mm)のものであることが望ましい。この合成繊維の繊度と繊維長の測定は、JIS L 1015:2010に基づく。
本発明の壁紙(基紙)中に、不透明性、不燃性・難燃性を付与するために、填料を、壁紙に対して30質量%以下の範囲で含有してもよい。その場合の填料としては、不透明性、不燃性・難燃性の観点から、焼成クレーを使用することが好ましい。また、他の填料としては、カオリン、焼成カオリン、デラミネーティッドカオリン、クレー、デラミネーティッドクレー、イライト、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等の無機填料を挙げることができる。なお、壁紙の用途によっては、これらの填料を含めないこととする。
本発明の壁紙(基紙)には、通常の紙と同様にサイズ剤を使用することができる。その場合、サイズ剤は内添であってもよいし、外添であってもよい。使用するサイズ剤としては、ロジン系サイズ剤、ロジン系エマルジョンサイズ剤、アルファカルボキシルメチル飽和脂肪酸等、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、カチオンポリマー系サイズ剤等を挙げることができる。
また、本発明の壁紙(基紙)は、公知の長網、ツインワイヤー、円網、傾斜短網、円短混合、ヤンキー抄紙機、乾式を含む全ての抄紙機で生産することが可能である。その抄造は、主に1層抄きとされるが、2層以上の多層抄きで抄造することもできる。3層抄き以上の場合は、少なくとも1つの層に合成繊維を含有させることが好ましく、その場合、中層のみに配合させることができる。
本壁紙の基紙に対する水溶性樹脂の塗布には、ロールコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター等の通常使用される塗工機やサイズプレスコーター、シムサイザー等を用いることができ、それらの塗工設備により、外添薬品又は内添薬品を含む塗液を塗工あるいは含浸することができる。
その場合の外添薬品としては、水溶性バインダーや水分散性樹脂バインダー等のバインダー成分の他、表面紙力剤、染料、顔料(クレー、カオリン、炭酸カルシウム、二酸化チタン等)等を使用することができる。水溶性バインダーとしては、酸化デンプン及び酵素変成デンプン等の各種変性デンプン、ポリビニルアルコール、カルボキシルメチルセルロース、カゼイン等を適宜使用することができる。
[実施例]
以下に本発明の実施例、比較例並びに参考例を示すが、それらの例における測定方法および評価方法は以下の通りである。
・基紙を抄紙するときの抄紙ドライヤーの、合成繊維の溶融に由来する汚れ具合
目視で、○(汚れ無し)、△(汚れが散見される)、×(汚れが多く、操業不可)の評価をした。
・基紙へアクリル系樹脂を塗布して壁紙とした時の含有量
JIS P 8111:1998の環境下でJIS P 8124:2011に基づいて測定した、基紙と壁紙との坪量差より求めた。
・アクリル系樹脂を塗布した時の乾燥性
目視と手触により、樹脂塗布後の壁紙の乾燥性を以下のように評価した。
○(良好)、△(やや乾燥不良の部分有)、×(全体的に乾燥性不良)
・壁紙の毛羽立ち
目視と手触により、壁紙の毛羽立ちの程度を以下のように評価した。
○(毛羽立ちほぼなし)、△(やや毛羽立ち多い)、×(毛羽立ち多い)
・壁紙(アクリル樹脂含有後)の通気度
フィルトローナ社製通気度測定器(PPM100型)を用いて、差圧100mmHOの時の、試料1cmの面積を通過する空気の容積を求めた。
・参考例において壁紙に塩化ビニル樹脂を150g/m2塗布・含有した後、発泡処理を行い塩化ビニル壁紙としたときの通気度を測定した。この場合の塩化ビニル樹脂の含有量は、JIS P 8111:1998の環境下でJIS P 8124:2011に基づいて測定した、壁紙と塩化ビニル壁紙の坪量差より求めた。
<実施例1>
晒クラフトパルプのNBKP(CSF500ml)を35質量%、晒クラフトパルプのLBKP[カナダ標準ろ水度(CSF)500ml]を45質量%、融点が260℃で繊度1.7dtex、繊維長5mmのポリエステル系合成繊維(製品名:TT04N:帝人製、円形断面)を20%含有するように、長網抄紙機で坪量60.0g/mの基紙を抄造した(以下、実施例・比較例は同じ坪量とした)。また、硫酸バンド、サイズ剤、紙力剤としてポリアクリルアマイド樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂も適宜内添した(以下、実施例・比較例も同様に内添した)。その基紙に、2ロールサイズプレス塗工機において塗工スピード400m/分で、アクリル系樹脂(製品名:ACF-87:サイデン化学株式会社製)を壁紙の全質量に対して9.1質量%(6.0g/m)含有するように塗布を行い、壁紙を得た(以下、含有量を含め、実施例・比較例も同様にアクリル系樹脂の塗布を行った)。
<実施例2>
基紙における含有率をNBKP10質量%、実施例1のポリエステル系合成繊維を45質量%とした以外は実施例1と同様にして、基紙および壁紙を得た。
<実施例3>
基紙における含有率をNBKP49質量%、実施例1のポリエステル系合成繊維を6質量%とした以外は実施例1と同様にして、基紙および壁紙を得た。
<実施例4>
実施例1のポリエステル系合成繊維を、融点が200℃で繊度1.2dtex、繊維長5mmのポリエステル系合成繊維(製品名TR07N;帝人製、円形断面)に置換した以外は実施例1と同様にして、基紙および壁紙を得た。
<比較例1>
基紙における含有率を、実施例1のポリエステル系合成繊維を15質量%とし、芯部・鞘部が共にポリエステル系成分であり、鞘の融点が130℃で芯の融点が255℃である繊度4.4dtex、繊維長5mmのポリエステル系芯鞘合成繊維(製品名;メルティ3380、ユニチカ製、円形断面)を5質量%とした以外は実施例1と同様にして、基紙および壁紙を得た。
<比較例2>
基紙における含有率を、実施例1のポリエステル系合成繊維を15質量%とし、芯部・鞘部が共にポリエステル系成分であり、鞘の融点が110℃で芯の融点が255℃である、繊度1.7dtexで繊維長5mmである芯鞘合成繊維(製品名;TJ04CN、帝人製、円形断面)を5質量%とした以外は実施例1と同様にして、基紙および壁紙を得た。
<比較例3>
基紙における含有率を、NBKP30質量%、実施例1のポリエステル系合成繊維を10質量%、比較例2の芯鞘合成繊維を15質量%とした以外は実施例1と同様にして、基紙および壁紙を得た。
<比較例4>
基紙における含有率を、NBKP5質量%、LBKP40質量%、実施例1のポリエステル系合成繊維を55質量%とした以外は実施例1と同様にして、基紙および壁紙を得た。
<比較例5>
基紙における含有率を、NBKP52質量%、実施例1のポリエステル系合成繊維を3質量%とした以外は実施例1と同様にして、基紙および壁紙を得た。
<参考例1>
実施例1で得られた壁紙に、塩化ビニル樹脂(商品名:カネビニール(登録商標)ペースト:株式会社カネカ製)を塗布して塩化ビニル壁紙とした。その場合、JIS P 8111:1998の環境下でJIS P 8124:2011に基づいて測定した、壁紙と塩化ビニル壁紙との坪量差より求めた塩化ビニル樹脂の含有量が、150g/mとなるように塗工を行った。
各実施例、比較例および参考例で得られた壁紙について、上記の評価を行った結果を表1に示す。
[表1]
Figure 2017145527
表1に示されるように、本発明による実施例1〜4の場合はいずれも、抄紙ドライヤーの汚れの程度(以下汚れという)が良好な基紙が得られた。また、実施例1〜4の壁紙は、アクリル系樹脂の乾燥性(以下、乾燥性という)並びに毛羽立ちの点においても、良好な結果が得られ、本発明に係る壁紙の優位性を十分に確認することができた。
一方、壁紙に鞘部が融点130℃である芯鞘合成繊維を含有させた比較例1、および、鞘部が融点110℃である芯鞘合成繊維を含有させた比較例2〜3の場合は、基紙における抄紙ドライヤー汚れが実施例と比較して劣り、その壁紙は、アクリル樹脂の乾燥性および毛羽立ちの点において実施例より劣っていた。比較例4は、実施例1のポリエステル系合成繊維の含有率を55%と多くした結果、抄紙ドライヤーの汚れが実施例より多くなり、壁紙におけるアクリル樹脂の乾燥性および毛羽立ちの点においても実施例より劣っていた。また、比較例5は、実施例1のポリエステル系合成繊維の含有率を3%と少なくした結果、基紙の汚れの点では良好だったが、壁紙のアクリル樹脂の乾燥性が実施例より劣っていた。
更に、参考例1の塩化ビニル壁紙の場合は、塩化ビニル塗工層が存在するために実施例に比較して通気度が低くなり、実際に壁紙として使用した場合に、結露の発生が認められた。

Claims (5)

  1. 樹脂化粧層を有しない壁紙であって、パルプ繊維、ポリエステル系合成繊維および水溶性樹脂を含み、前記ポリエステル系合成繊維は単一構造であって融点が200〜300℃であり、前記パルプ繊維と前記ポリエステル系合成繊維の含有割合が95/5〜50/50であることを特徴とする壁紙。
  2. 前記水溶性樹脂は、アクリル系、ポリ酢酸ビニル系、エチレン酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系のうちの1種もしくは複数種を含み、そのうちの少なくとも1種以上の含有量が前記壁紙の全質量に対して3.0〜20.0質量%である、請求項1に記載の壁紙。
  3. 密度が0.34〜0.71g/cmであり、フィルトローナ社製通気度測定器(PPM100型)を用いて測定した差圧100mmHOの時の通気度が200〜4,000ml/cm/secであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の壁紙。
  4. 前記ポリエステル系合成繊維は、円形断面型である、請求項1乃至3のいずれかに記載の壁紙。
  5. 少なくとも一方の面に印刷用塗工層を有する、請求項1乃至4のいずれかに記載の壁紙。
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