JP2017143176A - シートの剥離きっかけ形成方法、剥離きっかけ形成装置、および積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カット刃を用いることなく粒子と樹脂成分を含むシートを所定の位置で切り離すことが可能で、切り離された後に残る、キャリアフィルムに保持されたシートに、剥離を容易にするための剥離きっかけを形成することが可能な剥離きっかけの形成方法、剥離きっかけを形成するために用いる装置、および、積層セラミック電子部品の製造方法を提供する。【解決手段】シート2を保持した剥離機構3と基材1とを引き離すように移動させて、シートを剥離機構に保持された部分と基材に保持された部分の間の所定箇所Xで切り離すとともに、シートを所定箇所で切り離す際に、所定箇所に対して、基材1のシート保持面1aに対する角度θが、3°以上110°以下の引張り力が作用するように剥離機構3と基材とを引き離してシートを切り離し、基材に保持されて残ったシートの、切り離された箇所の近傍に、剥離きっかけYとなる、基材から剥離した領域を形成する。【選択図】図3
Description
本発明は、例えばセラミックグリーンシートなどの、粒子と樹脂成分を含むシートの剥離きっかけ形成方法、剥離きっかけ形成装置、および積層セラミック電子部品の製造方法に関し、詳しくは、キャリアフィルム(樹脂フィルム)などの基材上に形成された、粒子と樹脂成分を含むシートに剥離きっかけを形成するための方法、それに用いられる装置、および上述の方法で剥離きっかけが形成されたシートを用いて積層セラミック電子部品を製造する方法に関する。
例えば、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品を製造する場合、セラミックグリーンシートを積層する工程を経て、所定の積層構造を有する積層セラミック電子部品を製造する方法が広く知られている。
そして、上述のようなセラミックグリーンシートを形成する方法として、特許文献1には、キャリアフィルム(基材フィルム)上に保持された、長尺状のセラミックグリーンシートをカット刃により切断して、所定の寸法のセラミックグリーンシートを得る方法が提案されている。
そして、この特許文献1の方法では、セラミックグリーンシートの下に、弾性体からなる下敷きシートを配置した状態で、カット刃によりセラミックグリーンシートを切断することにより、カット後にキャリアフィルムからの剥離性に優れたセラミックグリーンシートが得られるようにしている。
そして、この特許文献1の方法では、セラミックグリーンシートの下に、弾性体からなる下敷きシートを配置した状態で、カット刃によりセラミックグリーンシートを切断することにより、カット後にキャリアフィルムからの剥離性に優れたセラミックグリーンシートが得られるようにしている。
また、特許文献2には、所定の大きさに切り分けたグリーンシートを保持する工程と、グリーンシートに微動を与えることによりグリーンシートの端部と基材フィルムとの間に剥離のきっかけとなる隙間を形成する工程と、剥離のきっかけとなる隙間を広げて、基材フィルム(キャリアフィルム)からグリーンシートを剥離する工程を備えたグリーンシートの剥離方法が開示されている。
しかし、特許文献1および2のいずれの方法の場合にも、基材フィルム上のグリーンシートを、カット刃を押し付けることにより切断する切断工程を備えており、この切断工程で基材フィルムにまでカット刃が侵入し,基材フィルムが損傷する。そのため、一度使用した基材フィルムを再利用することができず、製造コストを押し上げる原因になるばかりでなく、資源の有効利用の見地からも好ましくないという問題点がある。また、シートに、いわゆる「カットひげ」などの異物が付着するという問題点がある。
本発明は、上記問題点を解決するものであり、例えばセラミックグリーンシートのような、粒子と樹脂成分とを含むシートを、カット刃を用いることなく所定の位置で切り離すことが可能で、切り離された後に残る、キャリアフィルムに保持されたシートに、剥離を容易にするための剥離きっかけを形成することが可能な剥離きっかけの形成方法、剥離きっかけを形成するために用いられる剥離きっかけの形成装置、および、積層セラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の粒子と樹脂成分を含むシートの剥離きっかけ形成方法は、
基材上に保持された粒子と樹脂成分を含むシートを、前記基材上から剥離するきっかけを形成するための方法であって、
前記基材に保持された前記シートに、前記シートを保持する保持力が、前記基材の、前記シートを保持するシート保持面よりも大きい剥離機構を当接させ、
前記シートを保持した前記剥離機構と前記基材とが引き離されるように前記剥離機構と前記基材とを相対移動させて、前記シートを前記剥離機構に保持された部分と前記基材に保持された部分の間の所定箇所で切り離すとともに、
前記シートを前記所定箇所で切り離す際に、前記所定箇所に対して、前記基材の前記シート保持面に対する角度θが、3°以上110°以下の引張り力が作用するように、前記シートを保持した前記剥離機構と前記基材とを引き離して前記シートを切り離し、前記基材に保持されて残った前記シートの、前記切り離された箇所の近傍に、剥離きっかけとなる、前記基材から剥離した領域を形成すること
を特徴としている。
基材上に保持された粒子と樹脂成分を含むシートを、前記基材上から剥離するきっかけを形成するための方法であって、
前記基材に保持された前記シートに、前記シートを保持する保持力が、前記基材の、前記シートを保持するシート保持面よりも大きい剥離機構を当接させ、
前記シートを保持した前記剥離機構と前記基材とが引き離されるように前記剥離機構と前記基材とを相対移動させて、前記シートを前記剥離機構に保持された部分と前記基材に保持された部分の間の所定箇所で切り離すとともに、
前記シートを前記所定箇所で切り離す際に、前記所定箇所に対して、前記基材の前記シート保持面に対する角度θが、3°以上110°以下の引張り力が作用するように、前記シートを保持した前記剥離機構と前記基材とを引き離して前記シートを切り離し、前記基材に保持されて残った前記シートの、前記切り離された箇所の近傍に、剥離きっかけとなる、前記基材から剥離した領域を形成すること
を特徴としている。
本発明のシートの剥離きっかけ形成方法においては、前記角度θが、3°以上90°以下であることが好ましい。
角度θを、3°以上90°以下とすることで、シートを剥離機構に保持された部分と基材に保持された部分の間の所定箇所で確実に切り離すことが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
また、本発明のシートの剥離きっかけ形成装置は、
基材上に保持された粒子と樹脂成分を含むシートを、前記基材上から剥離するきっかけを形成するための装置であって、
前記シートを保持する保持力が、前記基材の、前記シートを保持するシート保持面よりも大きい剥離機構と、
前記剥離機構と前記基材とを、両者が互いに接近する方向と、離れる方向とに相対移動させる駆動機構とを備え、
前記駆動機構が、前記シートの一部を保持した状態の前記剥離機構と前記基材とを相対移動させることにより、前記シートの前記剥離機構に保持された部分と前記基材に保持された部分の間の所定箇所に対して、前記基材の前記シート保持面に対する角度θが、3°以上110°以下の引張り力が作用し、前記シートが前記所定箇所で切り離される態様で、前記剥離機構と前記基材とを引き離すことができるように構成されていること
を特徴としている。
基材上に保持された粒子と樹脂成分を含むシートを、前記基材上から剥離するきっかけを形成するための装置であって、
前記シートを保持する保持力が、前記基材の、前記シートを保持するシート保持面よりも大きい剥離機構と、
前記剥離機構と前記基材とを、両者が互いに接近する方向と、離れる方向とに相対移動させる駆動機構とを備え、
前記駆動機構が、前記シートの一部を保持した状態の前記剥離機構と前記基材とを相対移動させることにより、前記シートの前記剥離機構に保持された部分と前記基材に保持された部分の間の所定箇所に対して、前記基材の前記シート保持面に対する角度θが、3°以上110°以下の引張り力が作用し、前記シートが前記所定箇所で切り離される態様で、前記剥離機構と前記基材とを引き離すことができるように構成されていること
を特徴としている。
本発明のシートの剥離きっかけ形成装置においては、前記角度θが、3°以上90°以下であることが好ましい。
角度θを、3°以上90°以下とすることで、シートを剥離機構に保持された部分と基材に保持された部分の間の所定箇所で確実に切り離すことが可能になる。
また、本発明の積層セラミック電子部品の製造方法は、
(a)基材上にセラミックスラリーを塗布して乾燥することにより、前記基材上にセラミックグリーンシートを形成する工程と、
(b)請求項1または2記載のシートの剥離きっかけ形成方法により、前記セラミックグリーンシートに剥離きっかけを形成する工程と、
(c)前記剥離きっかけが形成されたセラミックグリーンシートを前記基材から剥離し、所定枚数積層して積層体を形成するか、または、任意のセラミックグリーンシート上に、前記基材に保持され、前記剥離きっかけが形成されたセラミックグリーンシートを積層した後、前記基材を剥離し、さらに前記積層後に前記基材が剥離されたセラミックグリーンシート上に、再び、前記基材に保持され、前記剥離きっかけが形成されたセラミックグリーンシートを積層した後、前記基材を剥離することを繰り返して積層体を形成する工程と
を具備することを特徴としている。
(a)基材上にセラミックスラリーを塗布して乾燥することにより、前記基材上にセラミックグリーンシートを形成する工程と、
(b)請求項1または2記載のシートの剥離きっかけ形成方法により、前記セラミックグリーンシートに剥離きっかけを形成する工程と、
(c)前記剥離きっかけが形成されたセラミックグリーンシートを前記基材から剥離し、所定枚数積層して積層体を形成するか、または、任意のセラミックグリーンシート上に、前記基材に保持され、前記剥離きっかけが形成されたセラミックグリーンシートを積層した後、前記基材を剥離し、さらに前記積層後に前記基材が剥離されたセラミックグリーンシート上に、再び、前記基材に保持され、前記剥離きっかけが形成されたセラミックグリーンシートを積層した後、前記基材を剥離することを繰り返して積層体を形成する工程と
を具備することを特徴としている。
上述のように、本発明のシートの剥離きっかけ形成方法は、シートを保持した剥離機構と基材とが引き離されるように剥離機構と基材とを相対移動させて、シートを剥離機構に保持された部分と基材に保持された部分の間の所定箇所で切り離す(引き千切る)とともに、シートを切り離す際に、上記所定箇所に対して、基材のシート保持面に対する角度θが、3°以上110°以下の引張り力が作用するように剥離機構と基材とを引き離してシートを切り離すようにしているので、基材に保持されて残ったシートの、切り離された箇所(上記所定箇所)の近傍に、剥離きっかけとなる、基材から剥離した領域を確実に形成することが可能になる。
すなわち、本発明のシートの剥離きっかけ形成方法によれば、連続するシートのうち、剥離機構に保持されて切り離された部分とつながっていた部分であって、基材に保持されて残った先端側の部分が、基材から剥離した領域となり、この領域がその後にシートを剥離する際の剥離きっかけとなる。そのため、本発明によれば、シートに剥離きっかけを確実に形成することが可能になる。
また、本発明のシートの剥離きっかけ形成方法によれば、シートを切り離すのにカット刃を用いる必要がないため、基材を傷付けることがなく、再利用が可能になる。また、シートに、いわゆる「カットひげ」などの異物が付着することを抑制、防止することができる。
なお、本発明において、前記角度θが3°未満になると、シートの切り離される箇所(所定箇所)のばらつきが大きくなり、また、110°を越えると、シートが切り離される前に基材から剥離されて、シートを所定箇所で切り離すことが困難になるため、角度θは、上述のように、3°以上110°以下の範囲とすることが望ましい。
また、本発明において、剥離きっかけを形成する対象となる粒子と樹脂成分とを含むシートとしては、例えば、セラミック粉末(粒子)に樹脂成分を添加し、有機溶媒(水系溶媒でもよい)で溶解分散したスラリーをシート状に成形し、乾燥することにより形成されるセラミックグリーンシート、金属粒子と樹脂成分を含む導電性樹脂シートなどが挙げられるが、これら以外の粒子と樹脂成分とを含むシートを対象とすることも可能である。
また、本発明のシートの剥離きっかけ形成装置は、シートを保持する保持力が、基材の、シートを保持するシート保持面よりも大きい剥離機構と、剥離機構と基材とを、両者が互いに接近する方向と、離れる方向とに相対移動させる駆動機構とを備え、駆動機構が、シートの一部を保持した状態の剥離機構と基材とを相対移動させることにより、シートの剥離機構に保持された部分と基材に保持された部分の間の所定箇所に対して、基材のシート保持面に対する角度θが、3°以上110°以下の引張り力が作用し、シートが上記所定箇所で切り離される態様で、剥離機構と基材とを引き離すことができるように構成されているので、上述の本発明のシートの剥離きっかけ形成方法を確実に実施して、シートに剥離きっかけを形成することができる。
また、本発明の積層セラミック電子部品の製造方法は、(a)基材上にセラミックスラリーを塗布、乾燥してセラミックグリーンシートを形成し、(b)本発明のシートの剥離きっかけ形成方法により、セラミックグリーンシートに剥離きっかけを形成した後、(c)剥離きっかけが形成されたセラミックグリーンシートを基材から剥離し、所定枚数積層して積層体を形成するか、または、任意のセラミックグリーンシート上に、基材に保持され、剥離きっかけが形成されたセラミックグリーンシートを積層した後、基材を剥離し、さらに積層後に基材が剥離されたセラミックグリーンシート上に、再び、基材に保持され、剥離きっかけが形成されたセラミックグリーンシートを積層した後、基材を剥離することを繰り返して積層体を形成するようにしているので、セラミック粒子を含み、剥離きっかけとなる微少な剥離部分(自立した部分)を形成しにくいセラミックグリーンシートに、確実に剥離きっかけを形成することが可能で、セラミックグリーンシートを積層する工程を経て製造される積層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
[実施形態1]
図1、図2および図3は、本発明の一実施形態(実施形態1)にかかる、粒子と樹脂成分を含むシートの剥離きっかけ形成装置を示すとともに、それを用いてセラミックグリーンシートなどの、粒子と樹脂成分を含むシートに剥離きっかけを形成する方法の一例を説明する図である。
図1、図2および図3は、本発明の一実施形態(実施形態1)にかかる、粒子と樹脂成分を含むシートの剥離きっかけ形成装置を示すとともに、それを用いてセラミックグリーンシートなどの、粒子と樹脂成分を含むシートに剥離きっかけを形成する方法の一例を説明する図である。
この実施形態1にかかる、シートの剥離きっかけ形成装置A1は、図1、図2および図3に示すように、基材1上に保持された、粒子と樹脂成分を含有するシート2に対して、基材1上からの剥離を容易にするきっかけ(剥離きっかけ)を形成するための装置であり、シート2を保持する保持力が、基材1がシート2を保持する保持力よりも大きい剥離機構3と、基材1がシート2を保持する力よりも大きい力で基材1を保持することができるように構成されたステージ4とを備えている。
剥離機構3は、剥離機構本体3aと、その下面側に設けられた、シート2を保持する保持力(この実施形態では粘着力)が、基材1がシート2を保持する保持力よりも大きく、シート2と当接して,シート2の一部(不要部分)2aを基材1から剥離させて保持する機能を有するシート保持部3bを備えている。なお、シート保持部3bは、例えば、粘着性を有する材料から構成することができる。
ただし、剥離機構3としては、上述のような粘着性を有する材料からなるシート保持部3bを備えたものに限らず、例えば、真空吸引の方法によりシート2を吸着するように構成されたもの、静電気や磁力によりシート2を保持するように構成されたものなどを用いることも可能である。
ただし、剥離機構3としては、上述のような粘着性を有する材料からなるシート保持部3bを備えたものに限らず、例えば、真空吸引の方法によりシート2を吸着するように構成されたもの、静電気や磁力によりシート2を保持するように構成されたものなどを用いることも可能である。
また、この実施形態1の剥離きっかけ形成装置A1は、剥離機構3を、基材1に保持されたシート2に向かう方向と、基材1から離れる方向とに移動させることができるように構成された駆動機構5を備えている。なお、駆動機構5の構成に特に制約はなく、公知の種々の構成のものを用いることができる。
そして、駆動機構5は、剥離機構3をシート2に向かって移動させ、図2に示すように、駆動機構3のシート保持部3bをシート2に押し付けて、シート2の一部(不要部分)2aを駆動機構3のシート保持部3bに保持させることができるように構成されているとともに、その後に、図3に示すように、シート2の剥離機構3に保持された部分(不要部分)2aと基材1に保持された部分の間の所定箇所X(図3)に対して、基材1のシート保持面1aに対する角度θ(図3)が、3°以上110°以下の引張り力が作用し、シート2が所定箇所Xで切り離される態様で、剥離機構3と基材1とを引き離すことができるように構成されている。
なお、本発明の方法により剥離きっかけを形成する対象となるシート、すなわち粒子と樹脂成分を含有するシート2としては、例えば、セラミック粉末(粒子)に樹脂成分を添加し、有機溶媒(水系溶媒でもよい)で溶解分散したスラリーをシート状に成形し、乾燥することにより得られるセラミックグリーンシート、金属粒子などの導電成分と樹脂成分を含む導電性樹脂シートなどが例示されるが、その他の粒子と樹脂成分を含む種々のシートを、剥離きっかけを形成する対象とすることができる。
また、本発明の剥離きっかけの形成方法が適用されるシート2は、厚みが通常は0.1μm以上500μm以下程度のシートであることが望ましい。ただし、必ずしもこの範囲に限られるものではなく、場合によっては、0.05μm以上3000μm以下のシートにも適用することが可能である。
また、シート2が保持される基材1としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPP(ポリプロピレン)などからなる樹脂フィルムが例示される。
樹脂フィルムは、長尺状のフィルムであっても、短冊状のフィルムであってもよい。
樹脂フィルムは、長尺状のフィルムであっても、短冊状のフィルムであってもよい。
また、基材1は、ただし、その他の材料からなるものを用いることも可能であり、金属ベルトや金属板であってもよく、また、金属ロールもしくはドラムなどであってもよい。基材1の形状によっては、ステージ4を用いずに別の手段で基材1を保持してもよい。
次に、剥離きっかけ形成装置A1を用いて、シート1に剥離きっかけを形成する方法について説明する。
まず、図1に示すように、基材1上に保持されたシート2上の所定の位置に、シート2を保持する保持力が、基材1のシート2を保持するシート保持面1aよりも大きい剥離機構3(のシート保持部3b)を位置させる。
まず、図1に示すように、基材1上に保持されたシート2上の所定の位置に、シート2を保持する保持力が、基材1のシート2を保持するシート保持面1aよりも大きい剥離機構3(のシート保持部3b)を位置させる。
それから、図2に示すように、駆動機構5により剥離機構3を下降させ、剥離機構3のシート保持部3bをシート2に押し付けて、シート2の一部(不要部分)2aを剥離機構3のシート保持部3bに粘着保持させる。
それから、図3に示すように、駆動機構5によりシート2の一部(不要部分)2aを保持した剥離機構3を、ステージ4に保持された基材1から引き離す方向に移動させる(すなわち、剥離機構3を上昇させる)。
これにより、シート2の一部(不要部分)2a、すなわち、剥離機構3に保持された部分2aと基材1に保持された部分(有用部分)2bの間に、剥離機構3に保持されず、基材1から剥離された領域(剥離領域)2cが形成される。
この状態で、さらに、剥離機構3を、基材1から引き離す方向に移動させることにより、シート2の剥離領域2cの所定箇所Xで、シート2が切り離される(引き千切られる)。
そして、この実施形態1では、シート2を上記所定箇所Xで切り離す際に、所定箇所Xに対して、基材1のシート保持面1aに対する角度θが、3°以上110°以下の引張り力が作用するような態様で、剥離機構3を基材1から引き離して、シート2を所定箇所Xで切り離す。
そして、この実施形態1では、シート2を上記所定箇所Xで切り離す際に、所定箇所Xに対して、基材1のシート保持面1aに対する角度θが、3°以上110°以下の引張り力が作用するような態様で、剥離機構3を基材1から引き離して、シート2を所定箇所Xで切り離す。
このように構成することにより、図3および図4に示すように、基材1に保持されて残ったシート2(有用部分2b)の、切り離された箇所(上記所定箇所X(図3))の近傍に、剥離きっかけとなる、基材1から剥離した領域(剥離きっかけ)Y(図4)を確実に形成することができる。
すなわち、シート2の、剥離機構3に保持されて切り離された部分2aに対する、基材1に保持されて残ったシートの先端部分が、基材1から剥離した領域Yとなり、この領域Yがその後にシート2を基材1から剥離する際の剥離きっかけとなるため、シートを容易に剥離することができるようになる。
また、シート2の上述の所定箇所Xに作用する引張り力の、基材1のシート保持面1aに対する角度θは、3°以上110°以下であることが望ましいが、3°以上90℃以下とすることがより望ましい。
また、上記実施形態1のシートの剥離きっかけ形成方法によれば、カット刃を用いないため、基材を傷付けることがなく、再利用が可能になり、コストの低減を図ることができる。また、シートにおける、いわゆる「カットひげ」などの異物の付着を抑制することができる。
また、この実施形態1では、駆動機構5により、剥離機構3を動作させることにより、剥離機構3と基材1とを相対移動させてシート2が切り離されるように構成したが、シート2を保持する基材1(基材1を保持するステージ4)側を動作させるように構成することも可能である。また、場合によっては、剥離機構3側と基材1側の両方を動作させるように構成することも可能である。
<評価試験>
本発明の効果を確認するため、上述の図1、図2および図3に示した剥離きっかけ形成装置A1を用いて、厚みが10μmのシート(この試験では、セラミックグリーンシート)に、剥離きっかけを形成した場合における、剥離きっかけの大きさ(剥離きっかけ量)と、上記角度θの関係を調べた。
本発明の効果を確認するため、上述の図1、図2および図3に示した剥離きっかけ形成装置A1を用いて、厚みが10μmのシート(この試験では、セラミックグリーンシート)に、剥離きっかけを形成した場合における、剥離きっかけの大きさ(剥離きっかけ量)と、上記角度θの関係を調べた。
なお、図4は剥離きっかけの大きさ(剥離きっかけ量)を説明するための図である。ここで剥離きっかけの大きさ(剥離きっかけ量)とは、剥離機構3を基材1から引き離してシート(セラミックグリーンシート)2を切り離した場合に、図4に示すように、シート2の基材1に保持されて残った部分(有用部分)2b側の、図3における基材1から剥離した領域2cの、基材1に保持されて残った部分の先端2c1から、剥離した領域2cの基材1に保持されて残った部分の基端2c2までの、基材1のシート保持面1aに沿う方向の距離(すなわち、シート2の基材1から剥離した領域Y(図3における剥離領域2cの一部)の、基材1のシート保持面1aに沿う方向の距離)Tをいう。
なお、角度θは、シート2が切り離される際の、シート2と基材1のシート保持面1aの角度を高速カメラで撮影することで調べた。
表1に、角度θ(図3参照)、剥離きっかけの大きさ(剥離きっかけ量)T、評価の関係を示す。表1の評価において、「良」は、剥離きっかけの形成後に、容易に剥離することができることを意味している。一方、「不良」は、剥離きっかけの形成後にも、剥離が困難であることを意味している。
表1に、角度θ(図3参照)、剥離きっかけの大きさ(剥離きっかけ量)T、評価の関係を示す。表1の評価において、「良」は、剥離きっかけの形成後に、容易に剥離することができることを意味している。一方、「不良」は、剥離きっかけの形成後にも、剥離が困難であることを意味している。
表1に示すように、角度θが0゜の場合、剥離きっかけ量Tが10μm未満となり、その後の工程での剥離が困難であることが確認された。
これに対し、角度θが3°,90°,110°の場合、剥離きっかけ量Tが、それぞれ、10μm,78μm,160μmと大きく、その後の工程での剥離も容易になることが確認された。
また、角度θが120°になると、剥離機構を基材から引き離す方向に移動させても、剥離が進行するだけで、シートは引き千切られることがなく、剥離きっかけが形成されないことが確認された。
なお、以上の結果から、剥離を容易にするためには、剥離きっかけ量Tが10μm以上であることが望ましく、そのためには、角度θを3°以上110°以下とすることが必要であることが分かる。
また、上述のように、剥離きっかけ量Tは、小さすぎると(10μm未満であると)次の加工工程でシートを剥離することができなくなるが、大きすぎる場合にも、しわやめくれなどによる不良の原因となる。そのため、剥離きっかけ量Tは、適切な大きさに制御することが必要であり、上限は、通常100μm以下であることが望ましい。
ただし、剥離きっかけ量の適切な大きさは、シートの厚みや柔軟性、強度、基材のシートを保持する保持力の大きさなどが関係するので、具体的な剥離きっかけ量の適切な大きさは、角度θだけでなく、上述のような各種を勘案して適切に定めることが望ましい。
ただし、剥離きっかけ量の適切な大きさは、シートの厚みや柔軟性、強度、基材のシートを保持する保持力の大きさなどが関係するので、具体的な剥離きっかけ量の適切な大きさは、角度θだけでなく、上述のような各種を勘案して適切に定めることが望ましい。
[実施形態2]
図5(a),(b),(c)は、本発明の他の実施形態にかかるシートの剥離きっかけ形成装置A2およびそれを用いた剥離きっかけ形成方法の一例を示す図である。
図5(a),(b),(c)は、本発明の他の実施形態にかかるシートの剥離きっかけ形成装置A2およびそれを用いた剥離きっかけ形成方法の一例を示す図である。
この実施形態2の、剥離きっかけを形成するための剥離きっかけ形成装置A2も、上記実施形態1の剥離きっかけ形成装置A1と同様に、基材1上に保持されたシート2に対して、基材(例えば、ポリエチレンテレフタレート)1上からの剥離を容易にするためのきっかけを形成するための装置であり、シート2を保持する保持力が、基材1がシート2を保持する保持力よりも大きい剥離機構3と、シート2を保持する基材1を支持しつつ、基材1をDの方向に搬送することができるように構成された複数の支持ローラ14とを備えている。支持ローラ14の代わりに、上述の実施形態1の場合のようなステージ4を備えた構成とすることも可能である。
そして、この実施形態2の剥離きっかけ形成装置A2においては、剥離機構3は、基材1がローラ13aの外周を、ローラ13aの回転に伴って矢印Cの方向に搬送される、シート2を保持する保持力が、基材1の、シート2を保持するシート保持面1aよりも大きい粘着フィルム13bを備えている。そして、剥離機構3は、特に図示しない駆動機構により、基材1に保持されたシート2に向かう方向と、基材1から離れる方向に移動させることができるように構成されている。
なお、ローラ13aとしては、例えば、直径が10〜300mmのローラを用いることが望ましい。
なお、ローラ13aとしては、例えば、直径が10〜300mmのローラを用いることが望ましい。
また、シート2を保持する基材1は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPP(ポリプロピレン)などからなる樹脂フィルムであり、支持ローラ14上を矢印Dの方向に搬送されるように構成されている。
次に、この剥離きっかけ形成装置A2を用いて剥離きっかけを形成する方法について説明する。
なお、図5(a)〜(c)は、シート2の右側の図示されていない領域に、一つ前の剥離きっかけが形成されたシート2に、次の剥離きっかけY(図5(c))を形成する場合の剥離きっかけの形成方法を示している。
次に、この剥離きっかけ形成装置A2を用いて剥離きっかけを形成する方法について説明する。
なお、図5(a)〜(c)は、シート2の右側の図示されていない領域に、一つ前の剥離きっかけが形成されたシート2に、次の剥離きっかけY(図5(c))を形成する場合の剥離きっかけの形成方法を示している。
この実施形態2の剥離きっかけ形成装置A2を用いて、剥離きっかけを形成する場合、図5(a)に示すように、外周面に粘着フィルム13bがセットされた剥離機構3を、シート2の所定の位置と対向するように位置させる。
そして、図5(b)に示すように、基材1上のシート2の所定の位置に、ローラ13aの外周に位置させた粘着フィルム13bを押し付け、基材1を矢印Dの方向に移動させるとともに、ローラ13aを矢印Cの方向に回転させて、所定量だけシート2を巻き取る。
なお、シート2の矢印D方向への搬送速度(移動速度)は、例えば、2.5mm/minとする。
なお、シート2の矢印D方向への搬送速度(移動速度)は、例えば、2.5mm/minとする。
そして、シート2の、剥離きっかけ形成に寄与するがシートとしては用いられない部分である不要部分2aと、シート2の有用部分2bの境界部が、図5(c)に示すように、ローラ13aの真下にきた時点で、ローラ13aを基材1から引き離す(上方に移動させる)。
なお、剥離機構3(ローラ13a)を基材1から引き離す速度は、例えば、40mm/sとする。
なお、剥離機構3(ローラ13a)を基材1から引き離す速度は、例えば、40mm/sとする。
そして、このとき、シート2の剥離機構3(粘着フィルム13b)に保持された部分2aと基材1に保持された部分の間の所定箇所Xに対して、基材1のシート保持面1aに対する角度が、3°以上110°以下の引張り力が作用し、シート2が所定箇所Xで切り離される態様で、剥離機構3を基材1から引き離す。
これにより、剥離きっかけ形成に寄与するがシートとしては用いられない部分である不要部分2aが粘着フィルム13bに保持されるとともに、基材1に保持されている側のシート2(有用部分2bの端部)には剥離きっかけYが形成される。
このように、基材1から剥離した領域(剥離きっかけ)Yを、シート2の所定位置Xの近傍に確実に形成することで、後工程でシート2を基材1から容易に剥離させることが可能になる。
また、粘着フィルム13bのうち、シート2の不要部分2aを保持した部分が、図5(c)の状態から、さらにローラ13aにより搬送されて、ローラ13aを通り過ぎることにより、図5(a)に示すように、ローラ13a上の粘着フィルム13bの、シート2を保持していない部分がシート2と正対することになり、次の剥離きっかけ形成の準備が完了する。
また、粘着フィルム13bのうち、シート2の不要部分2aを保持した部分が、図5(c)の状態から、さらにローラ13aにより搬送されて、ローラ13aを通り過ぎることにより、図5(a)に示すように、ローラ13a上の粘着フィルム13bの、シート2を保持していない部分がシート2と正対することになり、次の剥離きっかけ形成の準備が完了する。
[実施形態3]
図6(a),(b),(c)は、本発明の他の実施形態にかかるシートの剥離きっかけ形成装置A3およびそれを用いた剥離きっかけ形成方法の一例を示す図である。
図6(a),(b),(c)は、本発明の他の実施形態にかかるシートの剥離きっかけ形成装置A3およびそれを用いた剥離きっかけ形成方法の一例を示す図である。
この実施形態3の、剥離きっかけを形成するための剥離きっかけ形成装置A3も、上記実施形態1および2の剥離きっかけ形成装置A1,A2と同様に、基材1上に保持されたシート2に対して、基材1上からの剥離を容易にするためのきっかけを形成するための装置である。
そして、剥離機構3として、外周面が、シートを吸着する機能を備えたローラ23が用いられている。すなわち、ローラ23の外周面がシート保持部として機能するように構成されている。
また、ローラ23(剥離機構3)は、特に図示しない駆動機構により、基材(この実施形態3では金属板)1に保持されたシート2に向かう方向と、基材1から離れる方向に移動させることができるように構成されている。
なお、この実施形態3では、基材1として金属板が用いられており、金属板が基材として用いられる樹脂フィルムなどと比べて剛性が高く、シート2を平坦に保持する機能は優れている。なお、金属板を基材1として用いる場合、基材1は通常ステージ上に保持される。
ただし、この実施形態3の場合にも、実施形態2の場合のように、基材1としてポリエチレンテレフタレートなどの樹脂からなるもの(樹脂フィルム)を用いることも可能である。
ただし、この実施形態3の場合にも、実施形態2の場合のように、基材1としてポリエチレンテレフタレートなどの樹脂からなるもの(樹脂フィルム)を用いることも可能である。
なお、シート2を外周面に吸着する機能を備えたローラ23としては、真空吸引の方法によりシート2を吸着するように構成されたものが例示される。また、剥離機構23としては、静電気や磁力によりシートを保持(広義の吸着)するように構成されたローラを用いることも可能である。
吸着機能を利用したローラ23は、粘着式のものと比べて、シート2の保持のON、OFFを容易に切り換えることが可能で、シート2の有用部分2bを保持するのに適している。すなわち、ローラ23の吸着を適宜ON、OFFすることで、シート2の有用部分2bを後工程で用いる保持手段(例えば他のローラ)に移載して積層工程に供したり、弱粘着フィルムに剥離可能に保持させて、後工程の使用に備えたりすることができる。
吸着機能を利用したローラ23は、粘着式のものと比べて、シート2の保持のON、OFFを容易に切り換えることが可能で、シート2の有用部分2bを保持するのに適している。すなわち、ローラ23の吸着を適宜ON、OFFすることで、シート2の有用部分2bを後工程で用いる保持手段(例えば他のローラ)に移載して積層工程に供したり、弱粘着フィルムに剥離可能に保持させて、後工程の使用に備えたりすることができる。
また、実施形態3の剥離きっかけ形成装置A3においては、シート2が金属板からなる基材1とともに矢印Dで示す方向に搬送されるように構成されている。
その他の構成は、上述の実施形態2の剥離きっかけ形成装置A2と同様であり、詳しい説明は省略する。
その他の構成は、上述の実施形態2の剥離きっかけ形成装置A2と同様であり、詳しい説明は省略する。
次に、この実施形態3の剥離きっかけ形成装置A3を用いて、シート2を剥離し、さらに次のシート2に剥離きっかけを形成する場合について説明する。
この実施形態3の剥離きっかけ形成装置A3を用いて、剥離きっかけを形成する場合、まず、図6(a)に示すように、剥離機構3(ローラ23)を、シート2の所定の位置と対向するように位置させる。
そして、図6(b)に示すように、基材1上のシート2の所定の位置に、ローラ23を押し付け、基材1を矢印Dの方向に移動させるとともに、ローラ23を矢印Cの方向に回転させて、所定量だけシート2を巻き取る。
なお、シート2の矢印D方向への搬送速度(移動速度)は、例えば、2.5mm/minとする。
なお、シート2の矢印D方向への搬送速度(移動速度)は、例えば、2.5mm/minとする。
そして、シート2の、剥離きっかけ形成に寄与するがシートとしては用いられない部分である不要部分2aと、シート2の有用部分2bの境界部が、ローラ23の真下にきた時点で、図6(c)に示すように、ローラ23を基材1から引き離す(上方に移動させる)。
そして、このとき、シート2の剥離機構3(ローラ23)に保持された部分(不要部分)2aと、基材1に保持された部分(有用部分2b)の間の所定箇所Xに対して、基材1のシート保持面1aに対する角度が、3°以上110°以下の引張り力が作用し、シート2が所定箇所Xで切り離される態様で、剥離機構3(ローラ23)を基材1から引き離す。
なお、剥離機構3(ローラ23)を基材1から引き離す速度は、例えば、40mm/sとする。
なお、剥離機構3(ローラ23)を基材1から引き離す速度は、例えば、40mm/sとする。
これにより、上述の実施形態1および2の場合と同様に、剥離きっかけ形成に寄与するがシートとしては用いられない部分である不要部分2aがローラ23に保持されるとともに、基材1に保持されている側のシート2(有用部分2bの端部)には剥離きっかけYが形成される。
なお、実施形態3では、ローラ23として、外周面がシートを吸着する機能を備えたローラを用いているが、外周面が粘着性を有するローラを用いるように構成することも可能である。
なお、外周面が粘着性を有するローラ23としては、例えば、直径が10〜300mmのローラを用いることが望ましい。
なお、外周面が粘着性を有するローラ23としては、例えば、直径が10〜300mmのローラを用いることが望ましい。
なお、上述の実施形態1,2および3のシートの剥離きっかけ形成装置Aは、例えば、
(a)連続するシートの先端において、剥離きっかけ形成用部分(不要部分)を剥離、除去して、先頭の剥離きっかけを形成する場合や、
(b)連続するシートの途中部分において、不要部分を剥離、除去して、シートを途中部分で分断したり、シートの途中部分に剥離きっかけを形成したりする場合に適用することができるとともに、
(c)連続するシートの終端の不要部を除去する場合にも適用することができる。
また、例えば、セラミックスラリーをキャリアフィルム上に塗布してセラミックグリーンシートを形成する際の、塗布開始部分や塗布終了部分は、膜厚が安定しないなどの理由で、電子部品には使えないことが多いが、本発明の方法により、そのような不要部分を効率よく分離することができる。
(a)連続するシートの先端において、剥離きっかけ形成用部分(不要部分)を剥離、除去して、先頭の剥離きっかけを形成する場合や、
(b)連続するシートの途中部分において、不要部分を剥離、除去して、シートを途中部分で分断したり、シートの途中部分に剥離きっかけを形成したりする場合に適用することができるとともに、
(c)連続するシートの終端の不要部を除去する場合にも適用することができる。
また、例えば、セラミックスラリーをキャリアフィルム上に塗布してセラミックグリーンシートを形成する際の、塗布開始部分や塗布終了部分は、膜厚が安定しないなどの理由で、電子部品には使えないことが多いが、本発明の方法により、そのような不要部分を効率よく分離することができる。
[実施形態4]
この実施形態4では、上述の実施形態1〜3の方法で示したシートの剥離きっかけ形成方法を利用して、例えば、積層セラミックコンデンサや、積層コイルなどの積層セラミック電子部品を製造する方法について説明する。
この実施形態4では、上述の実施形態1〜3の方法で示したシートの剥離きっかけ形成方法を利用して、例えば、積層セラミックコンデンサや、積層コイルなどの積層セラミック電子部品を製造する方法について説明する。
<成膜(シート形成)工程>
(a)セラミック粉末(粒子)に樹脂成分を添加し、有機溶媒(水系溶媒でもよい)で溶解分散したスラリー(セラミックスラリー)を、例えばダイコータ、ドクターブレード、ロールコータ、インクジェット型コータなどの成膜装置を用いて、基材上に塗布して乾燥することにより、基材上にセラミックグリーンシートを形成する。
(a)セラミック粉末(粒子)に樹脂成分を添加し、有機溶媒(水系溶媒でもよい)で溶解分散したスラリー(セラミックスラリー)を、例えばダイコータ、ドクターブレード、ロールコータ、インクジェット型コータなどの成膜装置を用いて、基材上に塗布して乾燥することにより、基材上にセラミックグリーンシートを形成する。
シートを乾燥する方法としては、熱風により乾燥する方法、基材の外周面を加熱する方法、真空乾燥法などが採用されるが、溶媒の性質に応じてスラリーを乾燥させる手段であれば、任意に選択可能である。
基材としては、長尺の樹脂フィルム、短冊状の樹脂フィルム、金属ロールもしくはドラム、金属ベルト、金属板などが用いられる。
<電極形成工程>
上述のようにして形成したセラミックグリーンシートの内の所定のセラミックグリーンシートに、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、スタンプ印刷法、インクジェット印刷法、およびそれらで形成されたパターンを用いたオフセット印刷法などの方法で、電極材料を印刷し、必要に応じて乾燥することにより電極(電極パターン)を形成する。なお、電極の形成には、めっき法や、種々の薄膜形成法を用いることができる場合もある。
上述のようにして形成したセラミックグリーンシートの内の所定のセラミックグリーンシートに、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、スタンプ印刷法、インクジェット印刷法、およびそれらで形成されたパターンを用いたオフセット印刷法などの方法で、電極材料を印刷し、必要に応じて乾燥することにより電極(電極パターン)を形成する。なお、電極の形成には、めっき法や、種々の薄膜形成法を用いることができる場合もある。
電極材料の乾燥は、セラミックグリーンシートを乾燥させる場合と同様の方法で実施することができる。
<セラミックグリーンシートの剥離、積み重ね工程>
上述のような方法で基材上に形成したセラミックグリーンシートに、上記実施形態1〜3で説明したような方法で、剥離きっかけを形成する。
上述のような方法で基材上に形成したセラミックグリーンシートに、上記実施形態1〜3で説明したような方法で、剥離きっかけを形成する。
それから、剥離きっかけの形成された複数のセラミックグリーンシートを、順次、積層用テーブル(支持体)上に積層・圧着し、セラミック積層体を形成する。このとき、公知の種々の積層装置を用いることが可能である。
また、積層の工程で用いる積層用テーブル(支持体)の構成についても特別の制約はなく、種々の構成のものを用いることができる。
また、積層の工程で用いる積層用テーブル(支持体)の構成についても特別の制約はなく、種々の構成のものを用いることができる。
また、セラミックグリーンシートの積層・圧着は、基材からの剥離後に実施してもよく、また、基材からの剥離前に実施してもよい。具体的には、基材から剥離しておいた、所定枚数のセラミックグリーンシートを順次積層してもよく、また、基材上に形成されたセラミックグリーンシートを基材ごと積層し、1枚積層するごとに基材のみ剥離するようにしてもよい。
剥離工程においては、事前に形成された剥離きっかけから剥離が進展するため、セラミックグリーンシートが剥離されないような不良の発生を抑制することが可能になる。
剥離きっかけが形成されたセラミックグリーンシートを剥離するにあたっては、セラミックグリーンシートをほぼ全面ごと一挙に剥離する面剥離方式を採用して、剥離きっかけが形成された部分から剥離してもよく、セラミックグリーンシートを剥離きっかけが形成された部分から順次剥離する線剥離方式を採用してもよい。
なお、電極を形成するにあたっては、基材上に成膜されたセラミックグリーンシート上に電極を形成し、その後、電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを積み重ねてセラミック積層体を形成してもよいが、積層用テーブル(支持体)上に積み重ねられたセラミックグリーンシートの表面に電極パターンを形成し、さらにその上に別のセラミックグリーンシートを積み重ねることを繰り返してセラミック積層体を形成してもよい。
<その後の工程>
積層用テーブル(支持体)上に積層されたセラミック積層体を、例えば、剛体プレスや、静水圧プレスなどの方法で圧着した後、所定の大きさにカットして、個々の積層体(電子部品素子)に分割する。
積層用テーブル(支持体)上に積層されたセラミック積層体を、例えば、剛体プレスや、静水圧プレスなどの方法で圧着した後、所定の大きさにカットして、個々の積層体(電子部品素子)に分割する。
その後、個々の積層体を焼成し、外部電極の形成、外部電極表面へのめっき膜の形成などの工程を実施する。
これらの工程を経て、積層セラミックコンデンサや、積層コイルなどの積層セラミック電子部品が効率よく製造される。
これらの工程を経て、積層セラミックコンデンサや、積層コイルなどの積層セラミック電子部品が効率よく製造される。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
A1,A2,A3 シートの剥離きっかけ形成装置
1 基材
1a シート保持面
2 シート
2a シートの不要部分
2b シートの有用部分
2c シートの剥離領域
2c1 基材から剥離した領域の先端
2c2 基材から剥離した領域の基端
3 剥離機構
3a 剥離機構本体
3b シート保持部
4 ステージ
5 駆動機構
13a 剥離機構を構成するローラ
13b 粘着フィルム
14 支持ローラ
23 外周面がシートを吸着する機能を備えたローラ
D シートの搬送方向
C 回転方向
T 剥離きっかけ量
X シートの剥離領域の所定箇所
Y 基材から剥離した領域(剥離きっかけ)
θ Xにかかる力の、基材のシート保持面に対する角度
1 基材
1a シート保持面
2 シート
2a シートの不要部分
2b シートの有用部分
2c シートの剥離領域
2c1 基材から剥離した領域の先端
2c2 基材から剥離した領域の基端
3 剥離機構
3a 剥離機構本体
3b シート保持部
4 ステージ
5 駆動機構
13a 剥離機構を構成するローラ
13b 粘着フィルム
14 支持ローラ
23 外周面がシートを吸着する機能を備えたローラ
D シートの搬送方向
C 回転方向
T 剥離きっかけ量
X シートの剥離領域の所定箇所
Y 基材から剥離した領域(剥離きっかけ)
θ Xにかかる力の、基材のシート保持面に対する角度
Claims (5)
- 基材上に保持された粒子と樹脂成分を含むシートを、前記基材上から剥離するきっかけを形成するための方法であって、
前記基材に保持された前記シートに、前記シートを保持する保持力が、前記基材の、前記シートを保持するシート保持面よりも大きい剥離機構を当接させ、
前記シートを保持した前記剥離機構が前記基材から引き離されるように前記剥離機構と前記基材とを相対移動させて、前記シートを前記剥離機構に保持された部分と前記基材に保持された部分の間の所定箇所で切り離すとともに、
前記シートを前記所定箇所で切り離す際に、前記所定箇所に対して、前記基材の前記シート保持面に対する角度θが、3°以上110°以下の引張り力が作用するように、前記シートを保持した前記剥離機構と前記基材とを引き離して前記シートを切り離し、前記基材に保持されて残った前記シートの、前記切り離された箇所の近傍に、剥離きっかけとなる、前記基材から剥離した領域を形成すること
を特徴とするシートの剥離きっかけ形成方法。 - 前記角度θが、3°以上90°以下であることを特徴とする請求項1記載のシートの剥離きっかけ形成方法。
- 基材上に保持された粒子と樹脂成分を含むシートを、前記基材上から剥離するきっかけを形成するための装置であって、
前記シートを保持する保持力が、前記基材の、前記シートを保持するシート保持面よりも大きい剥離機構と、
前記剥離機構と前記基材とを、両者が互いに接近する方向と、離れる方向とに相対移動させる駆動機構とを備え、
前記駆動機構が、前記シートの一部を保持した状態の前記剥離機構と前記基材とを相対移動させることにより、前記シートの前記剥離機構に保持された部分と前記基材に保持された部分の間の所定箇所に対して、前記基材の前記シート保持面に対する角度θが、3°以上110°以下の引張り力が作用し、前記シートが前記所定箇所で切り離される態様で、前記剥離機構と前記基材とを引き離すことができるように構成されていること
を特徴とするシートの剥離きっかけ形成装置。 - 前記角度θが、3°以上90°以下であることを特徴とする請求項3記載のシートの剥離きっかけ形成装置。
- (a)基材上にセラミックスラリーを塗布して乾燥することにより、前記基材上にセラミックグリーンシートを形成する工程と、
(b)請求項1または2記載のシートの剥離きっかけ形成方法により、前記セラミックグリーンシートに剥離きっかけを形成する工程と、
(c)前記剥離きっかけが形成されたセラミックグリーンシートを前記基材から剥離し、所定枚数積層して積層体を形成するか、または、任意のセラミックグリーンシート上に、前記基材に保持され、前記剥離きっかけが形成されたセラミックグリーンシートを積層した後、前記基材を剥離し、さらに前記積層後に前記基材が剥離されたセラミックグリーンシート上に、再び、前記基材に保持され、前記剥離きっかけが形成されたセラミックグリーンシートを積層した後、前記基材を剥離することを繰り返して積層体を形成する工程と
を具備することを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016023400A JP2017143176A (ja) | 2016-02-10 | 2016-02-10 | シートの剥離きっかけ形成方法、剥離きっかけ形成装置、および積層セラミック電子部品の製造方法 |
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JP2016023400A JP2017143176A (ja) | 2016-02-10 | 2016-02-10 | シートの剥離きっかけ形成方法、剥離きっかけ形成装置、および積層セラミック電子部品の製造方法 |
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ID=59628694
Family Applications (1)
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JP2016023400A Pending JP2017143176A (ja) | 2016-02-10 | 2016-02-10 | シートの剥離きっかけ形成方法、剥離きっかけ形成装置、および積層セラミック電子部品の製造方法 |
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-
2016
- 2016-02-10 JP JP2016023400A patent/JP2017143176A/ja active Pending
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