JP2017139303A - 回路構成体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産コストを抑制しながら、複数の電子部品を集約させる回路構成体及びその製造方法を提供する。【解決手段】放熱部材1と、バスバー2と、第1回路基板3と、第2回路基板5と、少なくとも一つのパワーデバイスを含む複数の電子部品4A〜4Dと、を備える回路構成体であって、放熱部材が、バスバーを介して第1回路基板が搭載される第1領域R1と、第2回路基板を介して複数の電子部品が搭載される第2領域R2と、を備える。第2回路基板が、放熱部材側から順に配置された金属基材層51と、絶縁層52と、金属パターン層53と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、回路構成体およびその製造方法に関し、特に、少なくとも一つのパワーデバイスを含む複数の電子部品を搭載した回路構成体に関する。
パワーデバイス(電力用半導体素子)を備える回路構成体において、パワーデバイスに電力が供給されると、内部抵抗により熱が発生する。電子機器の小型化に伴い、発生した熱への対策は重要な課題である。これに関し、特許文献1は、バスバー(bus bar)を介してパワーデバイスと放熱部材とを熱的に接続し、放熱の効率を高めることを教示している。
特許文献1では、パワーデバイスは、バスバーを介して放熱部材に接着されている。これにより、パワーデバイスで発生した熱は、バスバーに伝達されて拡散しながら、やがて放熱部材へと伝達される。放熱性の観点から、バスバーと放熱部材との接着面積は広い方が望ましい。そのため、このようなバスバーとして、通常、銅板等の金属板が用いられる。金属板は、所望の形状に裁断された後、例えば、接着剤により放熱部材に貼り付けられて、バスバーとして機能する。
ところで、複数の電子部品をバスバーにより接続させる場合、電子部品間の距離が長くなるため、インダクタンス成分が増加する。その結果、損失やノイズが大きくなる。ノイズの発生を抑制するには、複数の電子部品を集約し、電子部品間の距離を短くすればよい。しかし、上記のように、金属板を裁断することにより形成されるバスバーでは、微細な回路を形成することが困難である。よって、バスバーを用いた回路構成体において、複数の電子部品を集約させることは難しい。また、バスバーで微細な回路を形成しようとする場合、金属板の点数が多くなったり、高い加工精度が求められるため、生産工程が煩雑になって、生産コストが増大する。
本発明の一局面は、放熱部材と、バスバーと、第1回路基板と、第2回路基板と、少なくとも一つのパワーデバイスを含む複数の電子部品と、を備える回路構成体であって、前記放熱部材が、前記バスバーを介して前記第1回路基板が搭載される第1領域と、前記第2回路基板を介して前記複数の電子部品が搭載される第2領域と、を備え、前記第2回路基板が、前記放熱部材側から順に配置された金属基材層と、絶縁層と、金属パターン層と、を備える、回路構成体に関する。
本発明の他の一局面は、放熱部材と、バスバーと、第1回路基板と、第2回路基板と、少なくとも一つのパワーデバイスを含む複数の電子部品と、を備え、前記放熱部材が、前記バスバーを介して前記第1回路基板が搭載される第1領域と、前記第2回路基板を介して前記複数の電子部品が搭載される第2領域と、を備える回路構成体の製造方法であって、前記第1領域に、前記バスバーを介して前記第1回路基板を搭載する工程と、前記第2領域に、前記第2回路基板を形成する工程と、前記第2領域に、前記第2回路基板を介して前記複数の電子部品を搭載する工程と、を備え、前記第2回路基板を形成する工程が、金属製の基材に、絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層の表面に金属パターン層を形成して、積層体を得る工程と、前記積層体を切断して、前記第2回路基板を得る工程と、を備える、回路構成体の製造方法に関する。
本発明によれば、生産コストを抑制しながら、少なくとも一つのパワーデバイスを含む複数の電子部品を集約させることができる。
[発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本発明に係る回路構成体は、(1)放熱部材と、バスバーと、第1回路基板と、第2回路基板と少なくとも一つのパワーデバイスを含む複数の電子部品と、を備える回路構成体であって、前記放熱部材が、前記バスバーを介して前記第1回路基板が搭載される第1領域と、前記第2回路基板を介して前記複数の電子部品が搭載される第2領域と、を備え、前記第2回路基板が、前記放熱部材側から順に配置された金属基材層と、絶縁層と、金属パターン層と、を備える。第1領域にバスバーを配置する一方、少なくとも一つのパワーデバイスを含む複数の電子部品(以下、単に複数の電子部品と称する場合がある)が配置される第2領域には金属パターンを形成することにより、生産コストを抑制しながら、複数の電子部品を集約させることができる。
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本発明に係る回路構成体は、(1)放熱部材と、バスバーと、第1回路基板と、第2回路基板と少なくとも一つのパワーデバイスを含む複数の電子部品と、を備える回路構成体であって、前記放熱部材が、前記バスバーを介して前記第1回路基板が搭載される第1領域と、前記第2回路基板を介して前記複数の電子部品が搭載される第2領域と、を備え、前記第2回路基板が、前記放熱部材側から順に配置された金属基材層と、絶縁層と、金属パターン層と、を備える。第1領域にバスバーを配置する一方、少なくとも一つのパワーデバイスを含む複数の電子部品(以下、単に複数の電子部品と称する場合がある)が配置される第2領域には金属パターンを形成することにより、生産コストを抑制しながら、複数の電子部品を集約させることができる。
(2)前記複数の電子部品の少なくとも一つは、リードレス部品であってもよい。金属パターン層が、各電子部品の接続端子として機能するためである。なお、リードレスとは、電子部品自身が、リード端子を備えていないことを言う。
(3)前記絶縁層は、セラミックスを含むことが好ましい。これにより、電子部品からの熱を効率よく放熱することができる。
(4)前記金属基材層と前記金属パターン層とは、同じ金属元素を含むことが好ましい。これにより、金属基材層と金属パターン層との線膨張係数が同程度になるため、金属パターン層の剥離が抑制される。
(5)本発明に係る回路構成体の製造方法は、放熱部材と、バスバーと、第1回路基板と、第2回路基板と、少なくとも一つのパワーデバイスを含む複数の電子部品と、を備え、前記放熱部材が、前記バスバーを介して前記第1回路基板が搭載される第1領域と、前記第2回路基板を介して前記複数の電子部品が搭載される第2領域と、を備える回路構成体の製造方法であって、前記第1領域に、前記バスバーを介して前記第1回路基板を搭載する工程と、前記第2領域に、前記第2回路基板を形成する工程と、前記第2領域に、前記第2回路基板を介して前記複数の電子部品を搭載する工程と、を備え、前記第2回路基板を形成する工程が、金属製の基材に、絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層の表面に金属パターン層を形成して、積層体を得る工程と、前記積層体を切断して、前記第2回路基板を得る工程と、を備える。この方法によれば、生産コストを抑制しながら、複数の電子部品を集約させた回路構成体を得ることができる。
[発明の実施形態の詳細]
本発明の一実施形態を具体的に以下に説明する。なお、本発明は、以下の内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の一実施形態を具体的に以下に説明する。なお、本発明は、以下の内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
従来の回路構成体において、図3(a)および(b)に示されるように、複数の電子部品104A〜104Dは、それぞれ回路基板103とともに、半田112を介してバスバー102に搭載される。バスバー102は、放熱部材101に、接着層107を介して接着されている。すなわち、電子部品104同士は、大きな面積を有するバスバー102を介して接続されるため、電子部品104間の距離が長くなる。よって、配線インダクタンスが増加し、損失やノイズが増加する。さらに、電子部品104を制御する制御部120と電子部品104とは、リード線111により接続されている。電子部品104とリード線111とを接続するためには、電子部品104側にリード端子(この場合、ゲート端子)113が必要となる。リード端子113を備える電子部品104は、コストが高く、サイズが大きくなる傾向にある。さらに、リード端子113とリード線111とを接続する作業は、非常に煩雑である。加えて、このような構成の場合、バスバー102と回路基板103とが一体化されたバスバー付き回路基板を使用することはできない。なお、図3(a)は、従来の回路構成体の構成例を示す上面図であり、図3(b)は、図3(a)のY−Y線における断面図である。
本実施形態に係る回路構成体は、放熱部材と、バスバーと、回路基板と、複数の電子部品と、を備える。放熱部材は、バスバーを介して第1回路基板が搭載される第1領域と、複数の電子部品が搭載される第2領域とに区分けされる。第1領域および第2領域は、放熱部材にそれぞれ複数あってもよい。複数の電子部品は、金属基材層と、絶縁層と、金属パターン層とを含む第2回路基板を介して、第2領域に搭載される。
第1領域に、バスバーを配置することにより、通電および放熱性を確保することができる。一方、第2領域上には、微細な回路が形成された金属パターン層を含む第2回路基板を搭載するため、複数の電子部品を集約させて、第2回路基板に搭載することができる。つまり、必要とする部分にのみ、微細な回路をパターン形成するため、生産効率が向上する。さらに、制御部と電子部品とは、金属パターン層と第1回路基板とを接続するリード線により接続される。つまり、リード端子を備えない(リードレスの)電子部品を用いることができる。よって、製造工程が簡略化され、生産コストが抑制されるとともに、電子部品の占有面積を小さくすることができる。
[放熱部材]
放熱部材は、パワーデバイスによって発生した熱を、回路構成体の外部に放出する役割を果たす。放熱部材の材質は、高い熱伝導率(例えば、20W/m・K以上。以下同じ。)を有するものであれば特に限定されず、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ステンレス鋼等の金属や、後述するセラミックス等が挙げられる。なかでも、成形し易い点で、Alが好ましい。
放熱部材は、パワーデバイスによって発生した熱を、回路構成体の外部に放出する役割を果たす。放熱部材の材質は、高い熱伝導率(例えば、20W/m・K以上。以下同じ。)を有するものであれば特に限定されず、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ステンレス鋼等の金属や、後述するセラミックス等が挙げられる。なかでも、成形し易い点で、Alが好ましい。
放熱部材の形状も特に限定されず、平板状であってもよいし、回路構成体を収容することのできる箱型(筺体)であってもよい。放熱部材が平板状である場合、回路構成体は、箱型のヒートシンクに収容されて、ヒートシンクと熱的に接続されていてもよいし、回路構成体が収容される筺体と熱的に接続されていてもよい。放熱部材の厚み(肉厚)は特に限定されないが、放熱性の観点から、3〜10mmであることが好ましい。
[第1回路基板]
第1回路基板は、基板上に所定の回路が形成された回路部材であって、例えばリード線により、上記電子部品と電気的に接続されている。第1回路基板には、電子部品の動作を制御するための制御部が搭載される。第1回路基板は特に限定されず、リジッド(rigid)基板であってもよいし、フレキシブル(flexible)基板であってもよい。第1回路基板には、さらに、半田等の接合材料を介して、制御部以外の他の電子部品が搭載され得る。
第1回路基板は、基板上に所定の回路が形成された回路部材であって、例えばリード線により、上記電子部品と電気的に接続されている。第1回路基板には、電子部品の動作を制御するための制御部が搭載される。第1回路基板は特に限定されず、リジッド(rigid)基板であってもよいし、フレキシブル(flexible)基板であってもよい。第1回路基板には、さらに、半田等の接合材料を介して、制御部以外の他の電子部品が搭載され得る。
第1回路基板は、バスバーを介して第1領域に搭載されている。第1回路基板とバスバーとは、例えば、接着層(第1接着層)を介して接着される。あるいは、第1領域に、バスバーと第1回路基板とを順次配置した後、これらをねじ止めしてもよい。また、予めバスバーと第1回路基板とが一体化されたバスバー付き回路基板を用いてもよい。第1回路基板が搭載される領域と複数の電子部品が搭載される領域とが区分けされているため、上記のようなバスバー付き回路基板を用いることが可能である。バスバー付き回路基板には、さらに、他の回路基板が積層されていてもよい。
第1接着層を形成する第1接着剤としては、特に限定されない。第1回路基板とバスバーとは、熱的に接続させる必要が小さい。そのため、第1接着剤の熱伝導率は、例えば5W/m・K未満であってもよい。このような第1接着剤としては、セラミックス粒子や金属粒子を含まない熱硬化性樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステルなどが挙げられる。第1接着層の厚みは特に限定されないが、省スペース化の観点から、10〜300μmであることが好ましい。
[バスバー]
バスバーは、例えばリード線により、電子部品と電気的に接続される。バスバーの材質は特に限定されず、例えば、Cu、Al、あるいは、CuまたはAlと、Sn、リン(P)、鉄(Fe)との合金等が挙げられる。バスバーの厚みは特に限定されない。バスバーの表面積が十分に大きい場合、その厚みは小さくてもよい。バスバーの厚みは、例えば、小型化および電気的接続性の観点から、0.2〜2mmであることが好ましい。
バスバーは、例えばリード線により、電子部品と電気的に接続される。バスバーの材質は特に限定されず、例えば、Cu、Al、あるいは、CuまたはAlと、Sn、リン(P)、鉄(Fe)との合金等が挙げられる。バスバーの厚みは特に限定されない。バスバーの表面積が十分に大きい場合、その厚みは小さくてもよい。バスバーの厚みは、例えば、小型化および電気的接続性の観点から、0.2〜2mmであることが好ましい。
バスバーは、第2接着層を介して第1領域に接着される。バスバーによって生じた熱の放熱性、および、第2回路基板によって生じた熱の放熱性の観点から、第2接着層は、高い熱伝導率を備えることが好ましい。このような第2接着層は、例えば、セラミックス粒子を含む熱硬化性樹脂等により形成される。第2接着層の厚みは特に限定されない。なかでも、絶縁性の確保および省スペース化の観点から、第2接着層の厚みは、10〜500μmであることが好ましい。ボイドが抑制できる点で、第2接着層は、2層以上の熱硬化性樹脂層の積層体であることが好ましい。この場合、少なくとも1層がセラミックス粒子を含んでいればよい。各層の熱硬化性樹脂の種類は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
[第2回路基板]
第2回路基板は、金属基材層と絶縁層と金属パターン層とを、第2領域側から順に備える。複数の電子部品は、第2回路基板を介して、第2領域に搭載される。金属パターン層は、スクリーン印刷やエッチング等による微細な回路を備えている。そのため、複数の電子部品を、第2領域内に集約して搭載することが可能となる。さらに、金属基材層によって、放熱性も発揮される。
第2回路基板は、金属基材層と絶縁層と金属パターン層とを、第2領域側から順に備える。複数の電子部品は、第2回路基板を介して、第2領域に搭載される。金属パターン層は、スクリーン印刷やエッチング等による微細な回路を備えている。そのため、複数の電子部品を、第2領域内に集約して搭載することが可能となる。さらに、金属基材層によって、放熱性も発揮される。
金属基材層の材質としては、高い熱伝導率を有するものが好ましく用いられる。このような材質としては、放熱部材の材質として例示したものが挙げられる。なかでも、金属基材層は、金属パターン層に含まれる金属と同じ金属を含むことが好ましい。金属基材層と金属パターン層との線膨張係数が同程度になるため、回路構成体の使用時に、金属パターン層の剥離が抑制され易い。なお、回路構成体は、例えば、−40℃〜160℃の温度域で使用され得る。
金属基材層の厚みも特に限定されない。例えば、バスバーに搭載される第1回路基板および第2回路基板に搭載される電子部品が搭載し易くなる点で、金属基材層の厚みは、第1領域に配置されるバスバーの厚みと同程度であってもよい。金属基材層の厚みは、例えば、200μm〜5mmであっても良く、500μm〜2mmであってもよい。
絶縁層は、電子部品と放熱部材とを、電気的に絶縁させるために配置される。また、絶縁層は、放熱性の観点から、高い熱伝導率を有するものであることが好ましい。絶縁性と高い熱伝導率を備える絶縁層の材質としては、セラミックスやセラミックス粒子を含む熱硬化性樹脂(熱伝導性の熱硬化性樹脂)等が挙げられる。セラミックス粒子を含む熱硬化性樹脂は、例えば、シート状に成形された後、金属基材層に積層されてもよいし、流動性のある状態で、金属基材層に塗布されてもよい。なかでも、生産性の観点から、絶縁層は、シート状に形成されたセラミックス粒子を含む熱硬化性樹脂を、金属基材層に積層することにより形成されることが好ましい。この場合、絶縁層と金属基材層とは、高い熱伝導率を有する接着層(例えば、第2接着層と同様の構成を有する接着層)を介して、積層されてもよい。
セラミックスからなる絶縁層は、セラミックスの粒子を金属基材層の表面に付着させる方法により形成することができる。金属基材層の表面にセラミックスの粒子を付着させる方法としては、蒸着法、物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)、溶射法、コールドスプレー法およびエアロゾルデポジション法(AD法)等が挙げられる。なかでも、常温で、緻密な層を得ることができる点で、AD法が好ましく用いられる。
20W/m・K以上の高い熱伝導率を有するセラミックスとしては、炭化珪素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(SiN)、酸化アルミニウム(Al2O3)等が例示できる。なかでも、熱伝導率および電気絶縁性に特に優れ、高い耐食性を備える点で、酸化アルミニウムが好ましい。
金属パターン層は、金属線により所定のパターンが形成された回路を含む層であり、各電子部品の接続端子として機能する。そのため、第2領域には、リードレスの電子部品を搭載することが可能となり、低コスト化が図れる。電子部品は、金属パターン層を介して、リード線(いわゆる、ジャンパー線)によりバスバーに接続することができる。
金属パターンを形成する金属元素としては特に限定されず、例えば、バスバーの材質として例示した金属が同じく例示できる。金属パターンの形成方法も特に限定されず、スクリーン印刷法であってもよいし、エッチング法であってもよい。なかでも、微細な回路を形成し易い点で、エッチング法が好ましい。
第2回路基板(金属パターン層)と複数の電子部品とは、それぞれ接続層を介して接続されていてもよい。この場合、接続層もまた、高い熱伝導率を備えることが好ましい。このような接続層は、例えば、半田、導電性フィラー(例えば、半田粒子、銀粒子等)を含む熱硬化性樹脂等により形成される。なかでも、放熱性および導電性の観点から、接続層は半田により形成されることが好ましい。接続層の厚みは特に限定されない。なかでも、放熱性の観点から、接続層の厚みは、10〜100μmであることが好ましい。
第2領域と第2回路基板との間には、第2領域と第2回路基板との密着性を高めるための密着層を配置してもよい。この場合、密着層は、高い熱伝導率を備えることが好ましい。これにより、放熱性がさらに向上する。密着層は、第2領域と第2回路基板とを接着する接着層として用いてもよい。この場合、密着層は、例えば、絶縁層として例示した材料により形成される。ボイドが抑制できる点で、密着層は、2層以上の熱硬化性樹脂層の積層体であることが好ましい。この場合、少なくとも1層がセラミックス粒子を含んでいることが好ましい。各層の熱硬化性樹脂の種類は同じであってもよいし、異なっていてもよい。第2回路基板が、第2領域にねじ止めされて固定される場合、密着層として、セラミックス粒子を含むグリスを用いることが好ましい。グリスとしては、耐熱性の観点から、シリコーングリス等が用いられる。
[電子部品]
第2領域には複数の電子部品が搭載される。電子部品は、少なくとも1つのパワーデバイスを含んでおり、さらにパワーデバイスに接続されて使用される電子部品(例えば、各種コンデンサおよび抵抗等)を1つ以上含んでいてもよい。電子部品として、複数のパワーデバイスを含んでいてもよい。パワーデバイスは、電源から供給される電力を制御し、制御された電力を他の電子部品に供給する電力用半導体素子である。パワーデバイスは、第1回路基板に搭載される制御部によって制御されている。電力は、所定の電源から、第2領域に搭載される電子部品およびバスバーを介して、他の電子部品に供給される。
第2領域には複数の電子部品が搭載される。電子部品は、少なくとも1つのパワーデバイスを含んでおり、さらにパワーデバイスに接続されて使用される電子部品(例えば、各種コンデンサおよび抵抗等)を1つ以上含んでいてもよい。電子部品として、複数のパワーデバイスを含んでいてもよい。パワーデバイスは、電源から供給される電力を制御し、制御された電力を他の電子部品に供給する電力用半導体素子である。パワーデバイスは、第1回路基板に搭載される制御部によって制御されている。電力は、所定の電源から、第2領域に搭載される電子部品およびバスバーを介して、他の電子部品に供給される。
パワーデバイスとしては、ダイオード、トランジスタ、さらには、これらを集積した集積回路(IC、LSI等)等が例示できる。なかでも、応用範囲が広い点で、トランジスタが好ましく用いられる。代表的なトランジスタとしては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のバイポーラトランジスタ、MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)等が挙げられる。これらは、取り扱う電力の大きさ等に応じて使い分けられる。
電子部品は、1つの第2領域内に複数配置される。同じ第2領域内に集約された電子部品同士は、金属パターン層により接続される。よって、電子部品間の接続距離が短くなる。そのため、インダクタンス成分の増加が抑制されて、損失およびノイズの増大が抑制される。
以下、図1を参照しながら、本実施形態の回路構成体について説明する。図1(a)は、回路構成体の構成例を示す上面図であり、図1(b)は、図1(a)のX−X線における断面図である。
回路構成体10は、放熱部材1、バスバー2、第1回路基板3、複数の電子部品4(図示例では4A〜4D)および第2回路基板5を備える。放熱部材1は、第1領域R1と第2領域R2とに区分けされており、第1領域R1には、バスバー2およびバスバー2に接着された第1回路基板3が搭載され、第2領域R2には、各電子部品4A〜4Dが集約されて搭載される。なお、電子部品4の数や配置は、これに限定されない。
第1領域R1には、バスバー2が第2接着層7により接着され、かつ、絶縁されている。バスバー2と第1回路基板3とは、第1接着層6により接着されている。第1回路基板3には、電子部品4を制御する制御部20やその他の電子部品が、例えば半田(いずれも図示せず)を介して搭載されている。第1領域R1に搭載される電子部品は、これに限定されない。
電子部品4A〜4Dは、第2領域R2に、第2回路基板5を介して搭載されている。第2回路基板5は、金属基材層51と、絶縁層52と、金属パターン層53とを、第2領域R2側から、この順に含む。各電子部品4A〜4Dは、金属パターン層53に、それぞれ接続層8を介して接合されている。第2領域R2と金属基材層51との間には、密着層9が配置されており、第2領域R2と金属基材層51とは密着している。
電子部品4A〜4Dは、それぞれ、金属パターン層53に形成された回路(図示せず)により接続されている。電子部品4(図示例では、電子部品4C)と制御部20とは、接続層8と第1回路基板3に配置された半田12とを繋ぐリード線11により、接続されている。バスバー2および電子部品4(図示例では、電子部品4D)も、接続層8とバスバー2に配置された半田12とを繋ぐリード線13により、接続されている。つまり、異なる領域に配置された電子部品同士を、リード端子とリード線とを接続する作業を行うことなく、領域を跨いで接続することができる。
このように、放熱部材1を2つの領域(第1領域R1および第2領域R2)に分け、複数の電子部品4が搭載される第2領域R2に、微細な回路を形成し得る金属パターン層53を有する第2回路基板5を配置することにより、生産コストを抑制しながら、複数の電子部品4を集約させることができる。また、金属パターン層53と第2領域R2との間に、金属基材層51を配置することにより、放熱性が発揮される。さらに、複数の電子部品4を、金属パターン層53を介して、バスバー2および第1回路基板3に接続することができるため、リードレスの電子部品4を用いることができる。これにより、製造工程が簡略化され、さらに生産コストが抑制される。
このような回路構成体10は、例えば、第1領域R1に、バスバー2を搭載する工程と、第2回路基板5を形成する工程と、第2領域R2に、第2回路基板5を介して複数の電子部品4を搭載する工程と、を備える方法により製造される。このとき、第2回路基板5を形成する工程は、金属製の基材に、絶縁層52を形成する工程(a)と、絶縁層52の表面に金属パターン層53を形成して、積層体を得る工程(b)と、積層体を切断する工程(c)と、を備える。得られた第2回路基板5を、金属基材層51を第2領域R2に対向させて、第2領域R2に搭載した後、複数の電子部品4を第2回路基板5に搭載する。なお、第1領域R1への第1回路基板3の搭載と、第2領域R2への複数の電子部品4の搭載とは、いずれを先に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
以下、図2を参照しながら、絶縁層52がセラミックスの粒子の連続体を含み、金属パターン層53がエッチング法により形成される場合を例に挙げて、各工程について詳細に説明する。
まず、金属製の基材(金属基材層51)に、セラミックスの粒子の連続体を含む絶縁層52および金属層530を形成する(図2(a))。このような絶縁層52は、第2領域R2の所定の位置に、セラミックスの粒子を付着させることにより形成される。第2領域R2にセラミックスの粒子を付着させる方法としては、上記の方法が挙げられる。このとき、必要に応じて、放熱部材1にマスクを施した後、セラミックス粒子を付着させることにより、第2領域R2の所定の位置に絶縁層52を形成することができる。金属層530は、例えば、金属箔を絶縁層52に積層する方法、金属を絶縁層52に蒸着させる方法等により形成される。
続いて、例えばエッチング法により金属層530の一部を除去して、絶縁層52の表面に、所定の金属パターン層53を形成する(図2(b))。これにより、金属基材層51と、絶縁層52と、金属パターン層53とを備える積層体50が得られる。最後に、積層体50を所定の形状および大きさに切断することにより、第2回路基板5が得られる(図2(c))。
続いて、第2領域R2の所定の位置に、密着層9を形成した後、得られた第2回路基板5を、金属基材層51が第2領域R2に対向するように配置する(図2(d))。
続いて、バスバー2を第1領域R1に配置する。バスバー2は、第2接着層7を介して、第1領域R1に配置される。その後、任意のタイミングで、第1回路基板3を、第1接着層6を介してバスバー2に搭載する。このとき、バスバー2と第1回路基板3とを備えるバスバー付き回路基板を、第1領域R1に搭載してもよい。
第1接着層6は、熱硬化性樹脂を含むペーストを、スクリーン印刷やディスペンサーによりバスバー2に塗布することにより形成してもよいし、熱硬化性樹脂を含むシートをバスバー2に貼着することにより形成してもよい。第2接着層7も、第1接着層6と同様の方法により、第1領域R1の表面に形成される。
第2回路基板5および第1回路基板3を、それぞれ所定の位置に搭載した後、第2回路基板5の表面に接続層8を形成し、各電子部品4を搭載する。接続層8は、例えば、ロジン等の樹脂成分に分散した半田粒子を含む半田ペーストである。半田ペーストは、第2回路基板5の表面にスクリーンプリント等により塗布される。このとき、第1回路基板3の表面にも接続層(図示せず)を形成し、第1回路基板3に、制御部20および他の電子部品(図示せず)を搭載してもよい。その後、リフロー工程を行うことにより、回路構成体10が完成する。なお、第1接着層6および第2接着層7は、リフロー工程の前に加熱処理を行うことにより、硬化させてもよい。
本発明の回路構成体は、生産コストを抑制しながら、複数の電子部品を集約して搭載できるため、様々な電源装置に適用することができる。
1:放熱部材、2:バスバー、3:第1回路基板、4、4A〜4D:電子部品、5:第2回路基板、50:積層体、51:金属基材層、52:絶縁層、53:金属パターン層、530:金属層、6:第1接着層、7:第2接着層、8:接続層、9:密着層、10:回路構成体、11、13:リード線、12:半田、20:制御部、101:放熱部材、102:バスバー、103:回路基板、104、104A〜104D:電子部品、107:接着層、111:リード線、112:半田、113:リード端子、120:制御部
Claims (5)
- 放熱部材と、バスバーと、第1回路基板と、第2回路基板と、少なくとも一つのパワーデバイスを含む複数の電子部品と、を備える回路構成体であって、
前記放熱部材が、前記バスバーを介して前記第1回路基板が搭載される第1領域と、前記第2回路基板を介して前記複数の電子部品が搭載される第2領域と、を備え、
前記第2回路基板が、前記放熱部材側から順に配置された金属基材層と、絶縁層と、金属パターン層と、を備える、回路構成体。 - 前記複数の電子部品の少なくとも一つが、リードレス部品である、請求項1に記載の回路構成体。
- 前記絶縁層が、セラミックスを含む、請求項1または2に記載の回路構成体。
- 前記金属基材層と前記金属パターン層とが、同じ金属元素を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の回路構成体。
- 放熱部材と、バスバーと、第1回路基板と、第2回路基板と、少なくとも一つのパワーデバイスを含む複数の電子部品と、を備え、
前記放熱部材が、前記バスバーを介して前記第1回路基板が搭載される第1領域と、前記第2回路基板を介して前記複数の電子部品が搭載される第2領域と、を備える回路構成体の製造方法であって、
前記第1領域に、前記バスバーを介して前記第1回路基板を搭載する工程と、
前記第2回路基板を形成する工程と、
前記第2領域に、前記第2回路基板を介して前記複数の電子部品を搭載する工程と、を備え、
前記第2回路基板を形成する工程が、
金属製の基材に、絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層の表面に金属パターン層を形成して、積層体を得る工程と、
前記積層体を切断して、前記第2回路基板を得る工程と、を備える、回路構成体の製造方法。
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