JP2017139298A - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】寿命特性が向上した半導体発光素子を実現する。【解決手段】半導体発光素子は、基板3と、半導体層5と、第一電極15と、第二電極13とを有する。半導体層は、n型又はp側の第一半導体層11と、活性層9と、第一半導体層とは導電型の異なる第二半導体層7と、第三半導体層28とを有する。第一電極は、半導体層の面のうち、基板に対して遠い側の面に接触して形成され、第二電極は、半導体層の面のうち、基板に対して近い側の面に接触して形成されている。第三半導体層は、第一半導体層よりも不純物濃度が低く、第一電極と接触する箇所を含む領域に形成されており、基板の面に直交する方向から見て、第一電極よりも外側の位置において凹凸部28aを有する。【選択図】図1B
Description
本発明は、半導体発光素子の製造方法、及び半導体発光素子に関する。
従来、GaN等の窒化物半導体層からなる半導体発光素子が知られている。このような半導体発光素子では、半導体層とこれを封止する媒体との屈折率差が大きいと素子内で全反射が発生しやすくなり、光取り出し効率が低下する。そのため、光取り出し効率を高めるべく、光取り出し面となる半導体層の表面に複数の凹凸形状を構成した半導体発光素子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、このように半導体層の表面に凹凸形状を有する半導体発光素子の寿命特性を向上させることを目的とする。
本発明に係る半導体発光素子は、
基板と、
前記基板の上層に形成された、n型又はp側の第一半導体層と、活性層と、前記第一半導体層とは導電型の異なる第二半導体層と、第三半導体層とを含む半導体層と、
前記半導体層の面のうち、前記基板に対して遠い側の面に接触して形成された第一電極と、
前記半導体層の面のうち、前記基板に対して近い側の面に接触して形成された第二電極とを有し、
前記第三半導体層は、前記第一電極と接触する箇所を含む領域に形成されており、前記基板の面に直交する方向から見たときに前記第一電極よりも外側の位置に凹凸部を有し、前記第一半導体層よりも不純物濃度が低いことを特徴とする。
基板と、
前記基板の上層に形成された、n型又はp側の第一半導体層と、活性層と、前記第一半導体層とは導電型の異なる第二半導体層と、第三半導体層とを含む半導体層と、
前記半導体層の面のうち、前記基板に対して遠い側の面に接触して形成された第一電極と、
前記半導体層の面のうち、前記基板に対して近い側の面に接触して形成された第二電極とを有し、
前記第三半導体層は、前記第一電極と接触する箇所を含む領域に形成されており、前記基板の面に直交する方向から見たときに前記第一電極よりも外側の位置に凹凸部を有し、前記第一半導体層よりも不純物濃度が低いことを特徴とする。
半導体層の表面に凹凸部を有する構成においては、この凹凸部の近傍に電流が流れると、当該領域に電界が集中しやすくなる。よって、長時間にわたって連続して電流を流し続けると、電界集中に伴って当該領域の温度が上昇する。
上記の構成によれば、第一電極と接触する領域に形成された第三半導体層は、第一半導体層よりも不純物濃度が低い。このため、第一電極と第二電極との間を流れる電流の経路は、第三半導体層内においては、基板の面に直交する方向の成分が優位となる。この結果、凹凸部が形成されている領域の近傍には電流が流れにくくなるため、特定の箇所に電界が集中するのが緩和され、寿命特性が向上する。
前記第三半導体層は、前記半導体層の最上層に形成されているものとしても構わない。なお、この前記第三半導体層は、単層で構成されていても構わないし、多層で構成されていても構わない。
前記第三半導体層は、前記第一電極と接触する箇所において平坦部を有し、前記凹凸部が前記平坦部の外側に形成されているものとしても構わない。
前記第一電極は、前記基板の面に直交する方向から見て、所定の方向に延伸して形成されており、
前記基板の面に直交する方向から見たときに、前記第一電極の外側に位置する前記平坦部の幅は、前記第一電極の幅の1/2以下であるものとしても構わない。
前記基板の面に直交する方向から見たときに、前記第一電極の外側に位置する前記平坦部の幅は、前記第一電極の幅の1/2以下であるものとしても構わない。
上記の構成によれば、凹凸部の形成領域を広く確保できるため、光取り出し効率を高めながらも、寿命特性の向上を図ることができる。
前記第三半導体層の厚みが、前記第一電極の端部と前記凹凸部の端部との間の距離よりも短いものとしても構わない。
上記の構成によれば、第一電極と接触して形成される第三半導体層は、第一半導体層よりも不純物濃度が低いものの、その厚みが極めて薄い。このため、動作電圧をほとんど上昇させることなく、寿命特性を向上させることができる。
一例として、
前記第一半導体層の不純物濃度が、1×1018/cm3以上であり、
前記第三半導体層の不純物濃度が、1×1017/cm3以下であるものとしても構わない。
前記第一半導体層の不純物濃度が、1×1018/cm3以上であり、
前記第三半導体層の不純物濃度が、1×1017/cm3以下であるものとしても構わない。
前記第三半導体層は、アンドープ層とすることができる。
前記半導体層は、窒化物半導体からなり、前記第三半導体層は、Alを含む窒化物半導体からなるものとしても構わない。このとき、前記活性層から放射される光の主たる発光波長が410nm以下であるものとしても構わない。
前記半導体発光素子は、前記基板の面に直交する方向に関して、前記第一電極と対向する位置において、前記第二電極に接触して形成された電流遮断層を有するものとしても構わない。
この電流遮断層は、第二電極よりも比抵抗の大きい材料で構成されることができる。また、別の例として、電流遮断層は、第二半導体層との間の接触抵抗が、第二電極よりも大きい材料で構成されることができる。
本発明に係る半導体発光素子の製造方法は、
成長基板を準備する工程(a)と、
前記成長基板の上層に、第三半導体層と、前記第三半導体層よりも不純物濃度の高い第一半導体層と、活性層と、前記第一半導体層とは導電型の異なる第二半導体層とを含む半導体層を成長する工程(b)と、
前記第二半導体層の上層に第二電極を形成する工程(c)と、
前記第二電極の上層に、前記成長基板とは別の基板を貼り合わせる工程(d)と、
前記成長基板を剥離する工程(e)と、
前記第三半導体層を露出し、当該露出された前記第三半導体層の表面の所定領域に凹凸部を形成する工程(f)と、
前記第三半導体層の表面のうち、前記凹凸部が形成されていない平坦部の上面に第一電極を形成する工程(g)とを有することを特徴とする。
成長基板を準備する工程(a)と、
前記成長基板の上層に、第三半導体層と、前記第三半導体層よりも不純物濃度の高い第一半導体層と、活性層と、前記第一半導体層とは導電型の異なる第二半導体層とを含む半導体層を成長する工程(b)と、
前記第二半導体層の上層に第二電極を形成する工程(c)と、
前記第二電極の上層に、前記成長基板とは別の基板を貼り合わせる工程(d)と、
前記成長基板を剥離する工程(e)と、
前記第三半導体層を露出し、当該露出された前記第三半導体層の表面の所定領域に凹凸部を形成する工程(f)と、
前記第三半導体層の表面のうち、前記凹凸部が形成されていない平坦部の上面に第一電極を形成する工程(g)とを有することを特徴とする。
この構成によれば、凹凸部を有する従来の素子と比較して、寿命特性の向上した半導体発光素子が製造される。
前記工程(g)の終了後において、前記第一電極の外側に位置する前記平坦部の幅は、前記第一電極の幅の1/2以下であるものとしても構わない。
前記工程(g)の終了後において、前記第三半導体層の厚みが、前記第一電極の端部と前記凹凸部の端部との間の距離よりも短いものとしても構わない。
一例として、
前記第一半導体層の不純物濃度が、1×1018/cm3以上であり、
前記第三半導体層の不純物濃度が、1×1017/cm3以下であるものとしても構わない。
前記第一半導体層の不純物濃度が、1×1018/cm3以上であり、
前記第三半導体層の不純物濃度が、1×1017/cm3以下であるものとしても構わない。
前記第三半導体層はアンドープ層としても構わない。
前記半導体層は、窒化物半導体からなり、
前記第三半導体層は、Alを含む窒化物半導体からなるものとしても構わない。
前記第三半導体層は、Alを含む窒化物半導体からなるものとしても構わない。
上記製造方法は、前記工程(b)と前記工程(d)の間に、電流遮断層を形成する工程(h)を有し、
前記工程(g)は、前記基板の面に直交する方向に関し、前記電流遮断層に対向する位置に前記第一電極を形成する工程であるものとしても構わない。
前記工程(g)は、前記基板の面に直交する方向に関し、前記電流遮断層に対向する位置に前記第一電極を形成する工程であるものとしても構わない。
本発明によれば、寿命特性が向上した半導体発光素子が実現される。
本発明の半導体発光素子及びその製造方法につき、図面を参照して説明する。各図において図面の寸法比と実際の寸法比は必ずしも一致しない。以下で説明する製造条件や膜厚等の寸法はあくまで一例であって、これらの数値に限定されるものではない。
また、以下において、「AlGaN」という記述は、AlmGa1-mN(0<m<1)という記述と同義であり、AlとGaの組成比の記述を単に省略して記載したものであって、AlとGaの組成比が1:1である場合に限定する趣旨ではない。「InGaN」等の記述についても同様である。
[構造]
図1A〜図1Bは、本発明の半導体発光素子の一実施形態の構成を模式的に示す図面である。図1Aは光取り出し方向から見たときの平面図に対応する。図1Bは、図1A内におけるX1−X1線で切断したときの断面図に対応する。以下では、光取り出し面をX−Y平面とし、このX−Y平面に直交する方向をZ方向と規定する。
図1A〜図1Bは、本発明の半導体発光素子の一実施形態の構成を模式的に示す図面である。図1Aは光取り出し方向から見たときの平面図に対応する。図1Bは、図1A内におけるX1−X1線で切断したときの断面図に対応する。以下では、光取り出し面をX−Y平面とし、このX−Y平面に直交する方向をZ方向と規定する。
本実施形態の半導体発光素子1は、図1Bに示すように、基板3、基板3の上層に形成された半導体層5と、第一電極15と、第二電極13と、電流遮断層24とを備える。以下では、半導体発光素子1を単に「発光素子1」と適宜略記することがある。
(基板3)
基板3は、例えばCuW、W、Moなどの導電性基板、又はSiなどの半導体基板で構成される。
基板3は、例えばCuW、W、Moなどの導電性基板、又はSiなどの半導体基板で構成される。
(半導体層5)
本実施形態では、半導体層5は、基板3に近い側からp型半導体層11、活性層9、n型半導体層7、及び第三半導体層28が順に積層されて形成されている。本実施形態では、n型半導体層7が「第一半導体層」に対応し、p型半導体層11が「第二半導体層」に対応する。
本実施形態では、半導体層5は、基板3に近い側からp型半導体層11、活性層9、n型半導体層7、及び第三半導体層28が順に積層されて形成されている。本実施形態では、n型半導体層7が「第一半導体層」に対応し、p型半導体層11が「第二半導体層」に対応する。
p型半導体層11は、例えばMg、Be、Zn、又はCなどのp型不純物がドープされた窒化物半導体層で構成される。窒化物半導体層としては、例えばGaN、AlGaN、AlInGaN等を利用することができる。
活性層9は、例えばInGaNで構成される発光層及びn型AlGaNで構成される障壁層が周期的に繰り返されてなる半導体層で構成される。これらの層はアンドープでもp型又はn型にドープされていても構わない。活性層9は、少なくともエネルギーバンドギャップの異なる2種類の材料からなる層が積層されて構成されていればよい。活性層9の構成材料は、生成したい光の波長に応じて適宜選択される。本実施形態の発光素子1は、活性層9における主たる発光波長を410nm以下とすることができる。例えば、主たる発光波長が365nmの場合、活性層9は、In0.05Ga0.95NとAl0.09Ga0.91Nとが繰り返し積層されて構成される。
n型半導体層7は、例えばSi、Ge、S、Se、Sn、又はTeなどのn型不純物がドープされた窒化物半導体層で構成される。この窒化物半導体層としては、例えばGaN、AlGaN、AlInGaN等を利用することができる。なお、n型半導体層7のn型不純物濃度は、例えば3×1019/cm3程度に設定される。n型半導体層7のn型不純物濃度は、1×1018/cm3以上であるのが好ましく、1×1019/cm3以上であるのがより好ましく、3×1019/cm3以上であるのが更により好ましい。
なお、n型半導体層7は、p型半導体層11と異なる組成の材料で構成されているものとしても構わない。
本実施形態では、第三半導体層28は、アンドープの窒化物半導体層で構成される。この窒化物半導体層としては、GaN、AlGaN、AlInGaN、AlN等を利用することができる。なお、第三半導体層28は、不純物濃度がn型半導体層7よりも低ければよく、n型半導体層7の不純物濃度よりも1桁以上低いのがより好ましく、アンドープ層で構成されるのが更により好ましい。なお、本明細書において、「アンドープ」とは、完全に不純物がドープされていないものはもちろんのこと、微量に不純物がドープされている状態を含む。すなわち、本明細書において、「アンドープの層」とは、不純物濃度が検出限界以下を示す半導体層、又は、不純物濃度が検出限界以上であり1×1017/cm3以下を示す半導体層を指す。
この第三半導体層28は、上記の材料で構成された単一層からなるものとしても構わないし、上記の材料で構成された複数層が積層されてなるものとしても構わない。
図1Bに示すように、第三半導体層28は、表面に凹凸加工が施された凹凸部28aと、平坦な表面で構成された平坦部28bとを有する。
(第一電極15)
第一電極15は、半導体層5の面のうち、基板3に対して遠い側の面に接触して形成されている。より詳細には、第一電極15は、第三半導体層28の面に接触して形成されており、特に、第三半導体層28のうちの、平坦部28bを構成する領域に形成されている。
第一電極15は、半導体層5の面のうち、基板3に対して遠い側の面に接触して形成されている。より詳細には、第一電極15は、第三半導体層28の面に接触して形成されており、特に、第三半導体層28のうちの、平坦部28bを構成する領域に形成されている。
本実施形態では、第一電極15はn側の電極を構成する。第一電極15は、例えば、Ni/Al/Ni/Ti/Auの多層構造の他、Cr/Au、Ti/Pt/Au、Ti/Pt/Cr/Au/Cr/Pt/Au等で構成することができる。
図1Aに示すように、第一電極15は、Z方向(基板3の面に直交する方向)に見たときに枠形状を示す。より詳細には、第一電極15の外縁部は、半導体層5の外縁部に沿って枠形状を有して構成されている。なお、図1Aに示す発光素子1は、枠形状を示す第一電極15の外縁部の内側の2箇所で、外縁部からX方向に離間した位置に、Y方向に延伸した2本の第一電極15を有している。しかし、枠形状を示す領域の内側において、第一電極15の延伸する本数は2本に限られるものではなく、1本でもよいし、3本以上であっても構わない。図1Aに示した第一電極15の形状はあくまで一例であり、設計に応じて任意に変更可能である。
図1Bに示すように、第一電極15は、第三半導体層28の平坦部28bの上面に形成されている。上述したように、本実施形態では、第一電極15は所定の方向に延伸して形成されている。第三半導体層28の平坦部28bも、同方向に延伸して形成されている。
図1Cは、図1Bの一部拡大図である。本実施形態では、図1Cに示すように、第三半導体層28が備える凹凸部28aは、平坦部28bの外側に位置している。第三半導体層28は、Z方向(基板3の面に直交する方向)から見たときに、第一電極15の外側に平坦部28bの一部分が位置するように構成されている。一例として、第一電極15の幅をD、第一電極15の外側に位置する平坦部28bの幅をdとすると、d≦D/2とすることができる。このとき、第一電極15の端部の近傍に位置する領域にまで、第三半導体層28の凹凸部28aが形成される。つまり、凹凸部28aの形成領域が拡げられるため、高い光取り出し効率が確保される。なお、このように第一電極15の端部近傍にまで凹凸部28aを形成しても、凹凸部28aにおける電界集中が緩和できる点については、後述される。
なお、第三半導体層28の厚みcが、上述した第一電極15の外側に位置する平坦部28bの幅dよりも短くなるように、第三半導体層28を構成するものとしても構わない。第三半導体層28は、n型半導体層7と比較して不純物濃度が低いため、第三半導体層28の厚みをあまりに厚くし過ぎると、必要以上に動作電圧の上昇を招いてしまう。第三半導体層28の厚みをある程度薄くすることで、動作電圧の上昇を実質的に招くことなく、寿命特性の向上が図られる。なお、第三半導体層28の膜厚としては、50nm以上、1000nm以下とするのが好ましく、100nm以上、700nm以下とするのがより好ましく、100nm以上、500nm以下とするのが更により好ましい。
なお、ここで「第一電極15の幅」とあるのは、図1Aを参照して説明したように、基板3に平行な平面(XY平面)上において、第一電極15の延伸方向(ここではY方向)に直交する方向(ここではX方向)に係る長さを指す。「平坦部28bの幅」についても同様である。
第一電極15は、一部の箇所において、電流供給線14が連結される電流供給部15aを含んで構成される。電流供給部15aは、第一電極15の他の領域と比較して幅広の領域を示す。電流供給線14は、例えばAu、Cuなどで構成されている。電流供給線14は、電流供給部15aが連結されている端部とは反対側の端部は、例えばパッケージ基板の給電パターンなどに接続されている。
(第二電極13)
第二電極13は、p型半導体層11に接触して形成されており、p型半導体層11との間でオーミック接触が形成されている。本実施形態では、第二電極13はp側電極を構成する。
第二電極13は、p型半導体層11に接触して形成されており、p型半導体層11との間でオーミック接触が形成されている。本実施形態では、第二電極13はp側電極を構成する。
第一電極15と第二電極13との間に電圧が印加されることで、活性層9内を電流が流れ、活性層9が発光する。
第二電極13は、活性層9から放射される光に対して高い反射率(例えば80%以上であり、より好ましくは90%以上)を示す導電性の材料で構成されるのが好ましい。より具体的には、第二電極13は、例えばAg、Al、又はRhを含む材料で構成される。上述したように、図1Aに示す発光素子1は、活性層9から放射された光を第三半導体層28側に取り出すことが想定されている。第二電極13が高い反射率を示す材料で構成されることで、活性層9から基板3側に向けて放射された光が第三半導体層28側に向けて反射されるため、光取り出し効率が高められる。
(導電層20)
導電層20は、基板3の上層に形成されている。本実施形態では、導電層20は、保護層23、接合層21、接合層19、及び保護層17の多層構造で構成されている。
導電層20は、基板3の上層に形成されている。本実施形態では、導電層20は、保護層23、接合層21、接合層19、及び保護層17の多層構造で構成されている。
接合層19及び接合層21は、例えばAu−Sn、Au−In、Au−Cu−Sn、Cu−Sn、Pd−Sn、Snなどで構成される。後述するように、これらの接合層19と接合層21は、基板3上に形成された接合層21と、別の基板(後述する成長基板25)上に形成された接合層19を対向させた後に、両者を貼り合わせることで形成されたものである。これらの接合層19及び接合層21は、単一の層として一体化されているものとしても構わない。
保護層17は、例えばNi/Ti/Pt、TiW/Pt等の多層構造で構成されており、接合層(19,21)を構成する材料が第二電極13側に拡散して、第二電極13の反射率が低下することを抑制する目的で設けられている。ただし、発光素子1が保護層17を備えるか否かは任意である。
保護層23は、例えば保護層17と同一の材料で構成され、接合層(19,21)を構成する材料が基板3側に拡散するのを抑制する目的で設けられている。ただし、発光素子1が保護層23を備えるか否かは任意である。
(電流遮断層24)
本実施形態の発光素子1は、Z方向に関して第一電極15と対向する位置であって、第二電極13に接触するように形成された、電流遮断層24を備える。電流遮断層24は、例えばSiO2、SiN、Zr2O3、AlN、Al2O3などで構成される。電流遮断層24は、活性層9を流れる電流を、XY平面に平行な方向に拡げる役割を果たしている。
本実施形態の発光素子1は、Z方向に関して第一電極15と対向する位置であって、第二電極13に接触するように形成された、電流遮断層24を備える。電流遮断層24は、例えばSiO2、SiN、Zr2O3、AlN、Al2O3などで構成される。電流遮断層24は、活性層9を流れる電流を、XY平面に平行な方向に拡げる役割を果たしている。
[製造方法]
以下、半導体発光素子1の製造方法につき、図2A〜図2Iを参照して説明する。
以下、半導体発光素子1の製造方法につき、図2A〜図2Iを参照して説明する。
(ステップS1)
まず、図2Aに示すように、成長基板25を準備する。成長基板25としては、一例としてC面を有するサファイア基板を用いることができる。
まず、図2Aに示すように、成長基板25を準備する。成長基板25としては、一例としてC面を有するサファイア基板を用いることができる。
準備工程として、成長基板25のクリーニングを行う。このクリーニングは、より具体的な一例としては、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相蒸着)装置の処理炉内に成長基板25を配置し、処理炉内に所定の流量の水素ガスを流しながら、炉内温度を例えば1150℃に昇温することにより行われる。
ステップS1が工程(a)に対応する。
(ステップS2)
図2Bに示すように、成長基板25の上層に、下地層27、第三半導体層28、n型半導体層7、活性層9、及びp型半導体層11を順に形成する。このステップS2は、例えば以下の手順で行われる。
図2Bに示すように、成長基板25の上層に、下地層27、第三半導体層28、n型半導体層7、活性層9、及びp型半導体層11を順に形成する。このステップS2は、例えば以下の手順で行われる。
まず、МОCVD装置の炉内圧力を100kPa、炉内温度を480℃とする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量がそれぞれ5slmの窒素ガス及び水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が50μmol/minのトリメチルガリウム(TMG)及び流量が250000μmol/minのアンモニアを処理炉内に68秒間供給する。これにより、成長基板25の表面に、厚みが20nmのGaNよりなる低温バッファ層を形成する。
次に、MOCVD装置の炉内温度を1150℃に昇温する。そして、処理炉内に、キャリアガスとして、流量が20slmの窒素ガス及び流量が15slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が100μmol/minのTMG及び流量が250000μmol/minのアンモニアを処理炉内に30分間供給する。これにより、低温バッファ層の表面に、厚みが1.7μmのGaNよりなるバッファ層を形成する。これらのバッファ層により下地層27が形成される。
次に、下地層27の上層に第三半導体層28を形成する。第三半導体層28の具体的な形成方法は、例えば以下の通りである。
炉内温度を1150℃とした状態で、MOCVD装置の炉内圧力を30kPaとする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が20slmの窒素ガス及び流量が15slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が94μmol/minのTMG、流量が6μmol/minのトリメチルアルミニウム(TMA)、流量が250000μmol/minのアンモニアを処理炉内に15分間供給する。これにより、例えばAl0.06Ga0.94Nの組成を有し、厚みが500nm、n型不純物濃度が3×1016/cm3の第三半導体層28が下地層27の上層に形成される。
次に、第三半導体層28の上層にn型半導体層7を形成する。n型半導体層7の具体的な形成方法は、例えば以下の通りである。
引き続き炉内温度を1150℃とした状態で、MOCVD装置の炉内圧力を30kPaとする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が20slmの窒素ガス及び流量が15slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が94μmol/minのTMG、流量が6μmol/minのトリメチルアルミニウム(TMA)、流量が250000μmol/minのアンモニア及び流量が0.013μmol/minのテトラエチルシランを処理炉内に60分間供給する。これにより、例えばAl0.06Ga0.94Nの組成を有し、厚みが2μm、n型不純物濃度が3×1019/cm3のn型半導体層7が第三半導体層28の上層に形成される。なお、n型半導体層7をGaN又はAlGaNで構成する場合、Alの組成比は、0%以上15%以下であるのが好ましく、2%以上11%以下であるのがより好ましく、5%以上9%以下であるのが更により好ましい。
なお、この後、TMAの供給を停止すると共に、それ以外の原料ガスを6秒間供給することにより、n型AlGaN層の上層に、厚みが5nm程度のn型GaNよりなる保護層を有してなるn型半導体層7を実現してもよい。
上記の説明では、n型半導体層7に含まれるn型不純物をSiとする場合について説明したが、n型不純物としては、Si以外にGe、S、Se、Sn又はTe等を用いることができる。
次に、n型半導体層7の上層に活性層9を形成する。活性層9の具体的な形成方法は、例えば以下の通りである。
まずMOCVD装置の炉内圧力を100kPa、炉内温度を830℃とする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が15slmの窒素ガス及び流量が1slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が10μmol/minのTMG、流量が12μmol/minのトリメチルインジウム(TMI)及び流量が300000μmol/minのアンモニアを処理炉内に48秒間供給するステップを行う。その後、流量が10μmol/minのTMG、流量が1.6μmol/minのTMA、0.002μmol/minのテトラエチルシラン及び流量が300000μmol/minのアンモニアを処理炉内に120秒間供給するステップを行う。以下、これらの2つのステップを繰り返すことにより、厚みが2nmのInGaNよりなる発光層、及び厚みが7nmのn型AlGaNよりなる障壁層が15周期積層されてなる活性層9が、n型半導体層7の上層に形成される。
なお、活性層9から放射される光の波長を410nm以下とする場合には、発光層を構成するInGaNのIn組成比を10%以下とするのが好ましい。この場合、障壁層を構成するGaN又はAlGaNのAl組成比を、0%以上15%以下とするのが好ましく、2%以上13%以下とするのがより好ましく、5%以上10%以下とするのが更により好ましい。
次に、活性層9の上層にp型半導体層11を形成する。p型半導体層11の具体的な形成方法は、例えば以下の通りである。
具体的には、MOCVD装置の炉内圧力を100kPaに維持し、処理炉内にキャリアガスとして流量が15slmの窒素ガス及び流量が25slmの水素ガスを流しながら、炉内温度を1025℃に昇温する。その後、原料ガスとして、流量が35μmol/minのTMG、流量が20μmol/minのTMA、流量が250000μmol/minのアンモニア及びp型不純物をドープするための流量が0.1μmol/minのビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)を処理炉内に60秒間供給する。これにより、活性層33の表面に、厚みが20nmのAl0.3Ga0.7Nの組成を有する正孔供給層を形成する。その後、TMAの流量を4μmol/minに変更して原料ガスを360秒間供給することにより、厚みが120nmのAl0.13Ga0.87Nの組成を有する正孔供給層を形成する。これらの正孔供給層によりp型半導体層11が形成される。なお、これらの正孔供給層のp型不純物濃度は、例えば3×1019/cm3程度に設定される。
なお、この工程の後、TMAの供給を停止すると共に、CP2Mgの流量を0.2μmol/minに変更して原料ガスを20秒間供給することにより、厚みが5nm程度で、p型不純物濃度が1×1020/cm3程度のp型GaN層を有してなるp型半導体層11を実現してもよい。
上記の説明では、p型半導体層11に含まれるp型不純物をMgとする場合について説明したが、p型不純物としては、Mg以外に、Be、Zn、又はC等を用いることもできる。
ステップS2が工程(b)に対応する。
(ステップS3)
ステップS2で得られたウェハに対して活性化処理を行う。具体的な一例としては、RTA(Rapid Thermal Anneal:急速加熱)装置を用いて、窒素雰囲気下中650℃で15分間の活性化処理を行う。
ステップS2で得られたウェハに対して活性化処理を行う。具体的な一例としては、RTA(Rapid Thermal Anneal:急速加熱)装置を用いて、窒素雰囲気下中650℃で15分間の活性化処理を行う。
(ステップS4)
図2Cに示すように、p型半導体層11の所定の領域の上面に電流遮断層24を形成する。電流遮断層24は、例えば、SiO2、SiN、Zr2O3、AlN、又はAl2O3等をスパッタリング法等によって成膜することで形成される。なお、本ステップS4において、電流遮断層24は、後のステップS13で第一電極15を形成する予定の領域に対して、Z方向に対向する位置に形成される。
図2Cに示すように、p型半導体層11の所定の領域の上面に電流遮断層24を形成する。電流遮断層24は、例えば、SiO2、SiN、Zr2O3、AlN、又はAl2O3等をスパッタリング法等によって成膜することで形成される。なお、本ステップS4において、電流遮断層24は、後のステップS13で第一電極15を形成する予定の領域に対して、Z方向に対向する位置に形成される。
本ステップS4が工程(h)に対応する。
(ステップS5)
図2Cに示すように、p型半導体層11の所定の領域の上面に第二電極13を形成する。ここでは、第二電極13を電流遮断層24の上面にも形成しているが、第二電極13の形状は任意に選択される。第二電極13は、例えば、スパッタリング装置にてNi/Agを成膜した後、RTA装置を用いてドライエア雰囲気中でコンタクトアニールを行うことで形成される。ここでは、一例として、第二電極13の材料としてNiとAgの合金を挙げたが、Al、Rh、AgとPdとCuの合金等を用いることもできる。上述したように、第二電極13の材料としては、活性層9から放射される光に対する反射率の高い材料を用いるのが好ましい。
図2Cに示すように、p型半導体層11の所定の領域の上面に第二電極13を形成する。ここでは、第二電極13を電流遮断層24の上面にも形成しているが、第二電極13の形状は任意に選択される。第二電極13は、例えば、スパッタリング装置にてNi/Agを成膜した後、RTA装置を用いてドライエア雰囲気中でコンタクトアニールを行うことで形成される。ここでは、一例として、第二電極13の材料としてNiとAgの合金を挙げたが、Al、Rh、AgとPdとCuの合金等を用いることもできる。上述したように、第二電極13の材料としては、活性層9から放射される光に対する反射率の高い材料を用いるのが好ましい。
本ステップS5が工程(c)に対応する。
(ステップS6)
次に、図2Cに示すように、第二電極13の上面に保護層17を形成し、保護層17の上面に接合層19を形成する。
次に、図2Cに示すように、第二電極13の上面に保護層17を形成し、保護層17の上面に接合層19を形成する。
保護層17は、例えば、電子線蒸着装置(EB装置)を用いて、膜厚80nmのNi、膜厚100nmのTi、及び膜厚200nmのPtを成膜することで形成される。なお、保護層17の材料としては、Ni/Ti/Pt以外にも、TiW/Pt等を用いることができる。
その後、保護層17の上面に、膜厚10nmのTiを蒸着させた後、Au80%Sn20%で構成されるAu−Snハンダを膜厚3μm蒸着させることで、接合層19が形成される。なお、接合層19としては、Au−Snハンダの他、Au−In、Au−Cu−Sn、Cu−Sn、Pd−Sn、Sn等を利用することができる。
(ステップS7)
図2Dに示すように、成長基板25とは別に準備された基板3の上面に、保護層23及び接合層21を形成する。基板3としては、上述したようにCuW、W、Mo等の導電性基板、又はSi等の半導体基板を利用することができる。保護層23は、保護層17と同様に形成することができ、接合層21は、接合層19と同様に形成することができる。保護層23を設けるか否かは任意である。
図2Dに示すように、成長基板25とは別に準備された基板3の上面に、保護層23及び接合層21を形成する。基板3としては、上述したようにCuW、W、Mo等の導電性基板、又はSi等の半導体基板を利用することができる。保護層23は、保護層17と同様に形成することができ、接合層21は、接合層19と同様に形成することができる。保護層23を設けるか否かは任意である。
(ステップS8)
図2Eに示すように、成長基板25の上層に形成された接合層19と、基板3の上層に形成された接合層21を貼り合わせることで、成長基板25と基板3の貼り合わせを行う。具体的な一例としては、280℃の温度、0.2MPaの圧力下で、貼り合わせ処理が行われる。
図2Eに示すように、成長基板25の上層に形成された接合層19と、基板3の上層に形成された接合層21を貼り合わせることで、成長基板25と基板3の貼り合わせを行う。具体的な一例としては、280℃の温度、0.2MPaの圧力下で、貼り合わせ処理が行われる。
この工程により、接合層19及び接合層21が溶融して接合されることで、基板3と成長基板25が表裏面に貼り合わされた構造が形成される。つまり、接合層19と接合層21は、本ステップ以後においては一体化されているものとして構わない。そして、本ステップS8の実行前の段階で保護層23及び保護層17が形成されていることで、接合層(19,21)の構成材料の拡散が抑制されている。
本ステップS8が、工程(d)に対応する。
(ステップS9)
図2Fに示すように、成長基板25を剥離する。より具体的には、成長基板25側からレーザ光を照射する。ここで、照射するレーザ光を、成長基板25の構成材料(本実施形態ではサファイア)を透過し、下地層27の構成材料(本実施形態ではGaN)によって吸収されるような波長の光とする。これにより、下地層27でレーザ光が吸収されるため、成長基板25と下地層27の界面が高温化してGaNが分解され、成長基板25が剥離される。
図2Fに示すように、成長基板25を剥離する。より具体的には、成長基板25側からレーザ光を照射する。ここで、照射するレーザ光を、成長基板25の構成材料(本実施形態ではサファイア)を透過し、下地層27の構成材料(本実施形態ではGaN)によって吸収されるような波長の光とする。これにより、下地層27でレーザ光が吸収されるため、成長基板25と下地層27の界面が高温化してGaNが分解され、成長基板25が剥離される。
本ステップS9が、工程(e)に対応する。
(ステップS10)
ウェハ上に残存している金属Gaを塩酸等を用いて除去した後、GaN(下地層27)をICP装置を用いたドライエッチングによって除去し、第三半導体層28を露出させる(図2G参照)。
ウェハ上に残存している金属Gaを塩酸等を用いて除去した後、GaN(下地層27)をICP装置を用いたドライエッチングによって除去し、第三半導体層28を露出させる(図2G参照)。
なお、第三半導体層28をGaNで構成する場合には、下地層27の一部を第三半導体層28としても構わない。すなわち、本ステップにおいて、GaNをドライエッチングする際に、一部のGaN層を残存させたままとし、この残存GaN層を第三半導体層28としても構わない。
(ステップS11)
図2Hに示すように、隣接する素子同士を分離する。具体的には、隣接素子との境界領域に対し、ICP装置を用いて、素子分離領域に形成された電流遮断層24の上面が露出するまで半導体層5をエッチングする。このとき、電流遮断層24がエッチングストッパー層として機能する。なお、図2Hでは、半導体層5の側面が鉛直方向に対して傾斜を有するように図示しているが、これは一例であって、このような形状に限定する趣旨ではない。
図2Hに示すように、隣接する素子同士を分離する。具体的には、隣接素子との境界領域に対し、ICP装置を用いて、素子分離領域に形成された電流遮断層24の上面が露出するまで半導体層5をエッチングする。このとき、電流遮断層24がエッチングストッパー層として機能する。なお、図2Hでは、半導体層5の側面が鉛直方向に対して傾斜を有するように図示しているが、これは一例であって、このような形状に限定する趣旨ではない。
(ステップS12)
図2Iに示すように、第三半導体層28の所定の領域に凹凸部28aを形成する。具体的な方法の一例としては、平坦部28bを形成したい領域をマスクした状態で、第三半導体層28をKOH等の所定のアルカリ溶液に浸漬させる。これにより、マスクされていない領域内の第三半導体層28がウェットエッチングされ、凹凸部28aが形成される。
図2Iに示すように、第三半導体層28の所定の領域に凹凸部28aを形成する。具体的な方法の一例としては、平坦部28bを形成したい領域をマスクした状態で、第三半導体層28をKOH等の所定のアルカリ溶液に浸漬させる。これにより、マスクされていない領域内の第三半導体層28がウェットエッチングされ、凹凸部28aが形成される。
本ステップS10及びS12が工程(f)に対応する。なお、ステップS12をステップS11より前に実行しても構わない。
(ステップS13)
図1Bに示すように、第三半導体層28の上面のうち、平坦部28bの上面に第一電極15を形成する。例えば、電子線蒸着装置によって例えばNi/Al/Ni/Ti/Auからなる導電性材料を、例えば膜厚3μm程度蒸着させる。
図1Bに示すように、第三半導体層28の上面のうち、平坦部28bの上面に第一電極15を形成する。例えば、電子線蒸着装置によって例えばNi/Al/Ni/Ti/Auからなる導電性材料を、例えば膜厚3μm程度蒸着させる。
本ステップS13を経て形成される第一電極15は、図1Aを参照して上述したように、外縁部が枠形状を示す。また、本実施形態では、特に、第一電極15は、Z方向(基板3の面に直交する方向)に関し、電流遮断層24と対向する位置に配置される。
本ステップS13が工程(g)に対応する。
(後の工程)
ウェハをチップ単位に分割する。具体的な一例としては、各素子同士を例えばレーザダイシング装置によって分離する。
ウェハをチップ単位に分割する。具体的な一例としては、各素子同士を例えばレーザダイシング装置によって分離する。
その後、基板3の裏面を例えばAgペーストにてパッケージと接合し、電流供給部15aに対して電流供給線14を連結させる。例えば、50gの荷重で、Φ100μmの電流供給部15aにAuからなる電流供給線14を連結させることで、ワイヤボンディングを行う。これにより、発光素子1が形成される。
[検証]
以下、実施例及び参考例を参照して説明する。
以下、実施例及び参考例を参照して説明する。
(実施例)
上述したステップS1〜S13を経て製造された発光素子1を実施例の素子とした。
上述したステップS1〜S13を経て製造された発光素子1を実施例の素子とした。
(参考例)
図3に示す発光素子50を参考例の素子とした。図1Bに示す実施例の素子と比較して、第三半導体層28を備えない点が異なっている。すなわち、参考例の発光素子50は、第一半導体層7の上面に凹凸部7aと平坦部7bとを有し、この平坦部7bの上面に第一電極15が形成されている。
図3に示す発光素子50を参考例の素子とした。図1Bに示す実施例の素子と比較して、第三半導体層28を備えない点が異なっている。すなわち、参考例の発光素子50は、第一半導体層7の上面に凹凸部7aと平坦部7bとを有し、この平坦部7bの上面に第一電極15が形成されている。
図4Aは、実施例の発光素子1と参考例の発光素子50のそれぞれの電流−光出力特性を示すグラフであり、横軸は注入電流量を示し、縦軸は光出力を示している。また、図4Bは、実施例の発光素子1と参考例の発光素子50のそれぞれの電流−電圧特性を示すグラフであり、横軸は電流量を示し、縦軸は印加電圧を示している。
図4A及び図4Bの両グラフより、実施例の発光素子1と参考例の発光素子50との間で、光取り出し効率にほとんど差がないことが示される。特に、実施例の発光素子1では、第一電極15と接触して形成される第三半導体層28は、第一半導体層7よりも不純物濃度を低くして構成されているが、比較例の発光素子50と同程度の動作電圧が実現されている。これは、図1Aに模式的に示したように、第一電極15の形成領域が、発光素子1の全体の領域に比べて極めて微小であるため、第一電極15と半導体層5との接触抵抗が上昇しても、ほとんど動作電圧の上昇に寄与しないことがその理由として考えられる。
図4Cは、実施例の発光素子1と参考例の発光素子50のそれぞれに対して、アルミ基板上にパッケージを実装し、25℃〜35℃のアルミ板に密着させた状態で連続点灯試験を行ったときの結果である。
実施例の発光素子1においては、1000時間連続点灯後に不点灯になった割合(故障率)は0.1%に留まった。これに対し、参考例1の発光素子50の故障率は0.2%であり、実施例と比べて高い故障率を示している。連続点灯時間を5000時間、10000時間と伸ばした場合には、実施例の発光素子の故障率が、参考例の発光素子の故障率よりも著しく低いことが示されている。
なお、不点灯になった発光素子の断面を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)で観察し、エネルギー分散型X線分析(Energy dispersive X-ray spectrometry:EDS)の手法を用いて分析を行うと、素子の多くにおいて、第一電極15の近傍箇所に、第二電極13の構成材料であるAg成分が検出された。更に、不点灯になった発光素子のうちの一部は、第二電極13の外縁部(端部)と第一電極15の外縁部(端部)との間で、半導体層5にクラックが発現していることが確認された
本発明者は、上記の現象の原因として、第一電極15の外縁部の近傍と、第二電極13の外縁部の近傍とに電界が集中したことで、これらの領域が局所的に加熱されたことによるものであると推察した。これらの領域が局所的に加熱されて温度が上昇した結果、第二電極13の構成材料が第一電極15側へと拡散する現象(マイグレーション)を引き起こしたことが、参考例の発光素子の故障率が実施例の発光素子の故障率よりも高くなっている原因の一つであると推察される。マイグレーションは温度が高いほど進展しやすいため、加熱によって温度が上昇したことで、第二電極13の構成材料が拡散しやすい環境下になっていたものと考えられる。
図5Aは、参考例の発光素子50に流れる電流経路I1を模式的に示した図面である。また、図5Bは、実施例の発光素子1に流れる電流経路I2を模式的に示した図面である。
参考例の発光素子50では、Z方向に関して、第一電極15に対向して電流遮断層24が設けられているため、第一電極15から供給される電流は、Z方向よりも基板3の面(XY平面)に平行な方向に流れやすくなる。このため、第一電極15の近傍に配置されているn型半導体層7の凹凸部7aの形成領域29の近傍を電流が流れる。凹凸部7aは、尖った部分を有しているため、かかる領域の近傍を流れる電流経路I1が形成されると、電界が局所的に集中しやすい。この結果、当該領域の温度が局所的に上昇する。
実施例の発光素子1の場合、第一電極15に接触して、第三半導体層28が形成されている。この第三半導体層28は、n型半導体層7よりも不純物濃度が低い半導体層で構成されており、n型半導体層7よりもシート抵抗が高い。この結果、第一電極15から注入された電流は、比抵抗の小さいn型半導体層7に対して最短距離で向かうように流れる。つまり、実施例の発光素子1では、第一電極15からn型半導体層7までの間は、ほぼZ方向に沿った電流経路I2が形成される。そして、n型半導体層7内においては、参考例の発光素子50と同様に、XY平面に沿った方向に電流が流れる。
つまり、実施例の発光素子1によれば、第一電極15に対してZ方向に離間した位置において、電流経路I2はXY平面に沿った方向の成分が優位になる。つまり、Z方向に関して、電流経路I2と凹凸部28aとの離間を確保することができる。この結果、参考例の発光素子50と比べて、電界が局所的に集中するのを緩和させることができ、寿命特性が向上する。
[別実施形態]
以下、別実施形態につき説明する。
以下、別実施形態につき説明する。
〈1〉図6Aに示す発光素子1のように、第二電極13の面のうち、p型半導体層11とは反対側の面に接触して電流遮断層24が形成されていても構わない。この場合においても、電流遮断層24と第一電極15とがZ方向に対向する位置関係にあるため、活性層9内を流れる電流を基板3の面に平行な方向に拡げる効果が発揮される。
また、図6Bに示す発光素子1のように、絶縁層からなる電流遮断層24とは別に、金属材料からなる電流遮断層24aを備える構成としても構わない。この電流遮断層24aは、Z方向に関して第一電極15に対向する位置に形成されている。電流遮断層24aは、例えば、第二電極13と同一の材料で構成され、p型半導体層11との間でショットキー接触が形成されているものとすることができる。この場合においても、電流遮断層24aとp型半導体層11との接触抵抗は、第二電極13とp型半導体層11との接触抵抗よりも高いため、活性層9内を流れる電流を基板3の面に平行な方向に拡げる効果が発揮される。
図6Bに示す発光素子1を製造するに際しては、ステップS5とステップS6の間に、電流遮断層24aを形成する工程を実行すればよい。
〈2〉 上記の実施形態では、発光素子1が保護層17を備えているものとして説明したが、保護層17を必ずしも備えなければならないものではない。ただし、保護層17を備えることで、第一電極13の反射率が低下されるのを抑制することができるため、高い光取り出し効率を持続的に実現させるためには保護層17を備えるのが好ましい。
〈3〉 上記の実施形態では、発光素子1が電流遮断層24(又は24a)を備えているものとして説明したが、電流遮断層24(又は24a)を必ずしも備えなければならないものではない。ただし、活性層9を流れる電流をXY平面に平行な方向に拡げて発光効率を高める観点からは、電流遮断層24(又は24a)を備えるのが好ましい。
〈4〉 上記の実施形態では、半導体層5を構成する層のうち、基板3に近い側をp型半導体層11とし、基板3から遠い側をn型半導体層7として説明したが、これらの導電型を反転させても構わない。
1 : 半導体発光素子
3 : 基板
5 : 半導体層
7 : n型半導体層
7a : n型半導体層の凹凸部
7b : n型半導体層の平坦部
9 : 活性層
11 : p型半導体層
13 : 第二電極
14 : 電流供給線
15 : 第一電極
15a : 電流供給部
17 : 保護層
19 : 接合層
20 : 導電層
21 : 接合層
23 : 保護層
24 : 電流遮断層
25 : 成長基板
27 : 下地層
28 : 第三半導体層
28a : 第三半導体層の凹凸部
28b : 第三半導体層の平坦部
50 : 参考例の発光素子
3 : 基板
5 : 半導体層
7 : n型半導体層
7a : n型半導体層の凹凸部
7b : n型半導体層の平坦部
9 : 活性層
11 : p型半導体層
13 : 第二電極
14 : 電流供給線
15 : 第一電極
15a : 電流供給部
17 : 保護層
19 : 接合層
20 : 導電層
21 : 接合層
23 : 保護層
24 : 電流遮断層
25 : 成長基板
27 : 下地層
28 : 第三半導体層
28a : 第三半導体層の凹凸部
28b : 第三半導体層の平坦部
50 : 参考例の発光素子
Claims (17)
- 基板と、
前記基板の上層に形成された、n型又はp側の第一半導体層と、活性層と、前記第一半導体層とは導電型の異なる第二半導体層と、第三半導体層とを含む半導体層と、
前記半導体層の面のうち、前記基板に対して遠い側の面に接触して形成された第一電極と、
前記半導体層の面のうち、前記基板に対して近い側の面に接触して形成された第二電極とを有し、
前記第三半導体層は、前記第一電極と接触する箇所を含む領域に形成されており、前記基板の面に直交する方向から見たときに前記第一電極よりも外側の位置に凹凸部を有し、前記第一半導体層よりも不純物濃度が低いことを特徴とする半導体発光素子。 - 前記第三半導体層は、前記半導体層の最上層に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
- 前記第三半導体層は、前記第一電極と接触する箇所において平坦部を有し、前記凹凸部が前記平坦部の外側に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光素子。
- 前記第一電極は、前記基板の面に直交する方向から見て、所定の方向に延伸して形成されており、
前記基板の面に直交する方向から見たときに、前記第一電極の外側に位置する前記平坦部の幅は、前記第一電極の幅の1/2以下であることを特徴とする請求項3に記載の半導体発光素子。 - 前記第三半導体層の厚みが、前記第一電極の端部と前記凹凸部の端部との間の距離よりも短いことを特徴とする請求項3又は4に記載の半導体発光素子。
- 前記第一半導体層の不純物濃度が、1×1018/cm3以上であり、
前記第三半導体層の不純物濃度が、1×1017/cm3以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体発光素子。 - 前記第三半導体層は、アンドープ層であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
- 前記半導体層は、窒化物半導体からなり、
前記第三半導体層は、Alを含む窒化物半導体からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体発光素子。 - 前記活性層から放射される光の主たる発光波長が410nm以下であることを特徴とする請求項8に記載の半導体発光素子。
- 前記基板の面に直交する方向に関して、前記第一電極と対向する位置において、前記第二電極に接触して形成された電流遮断層を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
- 成長基板を準備する工程(a)と、
前記成長基板の上層に、第三半導体層と、前記第三半導体層よりも不純物濃度の高い第一半導体層と、活性層と、前記第一半導体層とは導電型の異なる第二半導体層とを含む半導体層を成長する工程(b)と、
前記第二半導体層の上層に第二電極を形成する工程(c)と、
前記第二電極の上層に、前記成長基板とは別の基板を貼り合わせる工程(d)と、
前記成長基板を剥離する工程(e)と、
前記第三半導体層を露出し、当該露出された前記第三半導体層の表面の所定領域に凹凸部を形成する工程(f)と、
前記第三半導体層の表面のうち、前記凹凸部が形成されていない平坦部の上面に第一電極を形成する工程(g)とを有することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。 - 前記工程(g)の終了後において、前記第一電極の外側に位置する前記平坦部の幅は、前記第一電極の幅の1/2以下であることを特徴とする請求項11に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記工程(g)の終了後において、前記第三半導体層の厚みが、前記第一電極の端部と前記凹凸部の端部との間の距離よりも短いことを特徴とする請求項11又は12に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記第一半導体層の不純物濃度が、1×1018/cm3以上であり、
前記第三半導体層の不純物濃度が、1×1017/cm3以下であることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。 - 前記第三半導体層はアンドープ層であることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記半導体層は、窒化物半導体からなり、
前記第三半導体層は、Alを含む窒化物半導体からなることを特徴とする請求項11〜15のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。 - 前記工程(b)と前記工程(d)の間に、電流遮断層を形成する工程(h)を有し、
前記工程(g)は、前記基板の面に直交する方向に関し、前記電流遮断層に対向する位置に前記第一電極を形成する工程であることを特徴とする請求項11〜16のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
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CN108281529A (zh) * | 2018-04-04 | 2018-07-13 | 佛山市国星半导体技术有限公司 | 一种具有抗打击电极的led芯片及其制作方法 |
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