JP2017137046A - 格納式荷受台昇降装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メンテナンスの負担を軽減すると同時に荷受台の移動を円滑化できる格納式荷受台昇降装置を提供する。
【解決手段】荷受台5を車枠の下側の格納位置に引き込んで格納する格納式荷受台昇降装置4において、車枠の下部に取り付けたガイドレール8と、ガイドレール8に沿って移動するスライダ9と、スライダ9と荷受台5とを連結するアーム18,19とを備え、スライダ9は、ガイドレール8の上面を転動する上走行ローラ9b、及び前記ガイドレールの下面を転動する下走行ローラ9cを備え、上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cをそれぞれガイドレール8の上面及び下面に転動させて走行する構成である。
【選択図】 図5

Description

本発明は、車両の荷台に対する荷物等の積み下ろし作業を支援する格納式荷受台昇降装置に関する。
荷受台昇降装置とは、車両の荷台床面高さと地面高さとの間で荷受台を昇降させ、車両の荷台に対する荷物等の積み下ろし作業を支援するものである。荷受台昇降装置の中には、車枠の下側に引き込んで荷受台を格納する格納式のものがある(特許文献1等参照)。
特許第5546393号公報
格納式荷受台昇降装置の荷受台は、車枠に取り付けたガイドレールにガイドされるスライダと共に移動する。近年では、装置の軽量化のためにアルミ製のガイドレールを用いる構成が主流である。ガイドレールをアルミ製にした荷受台昇降装置では、特許文献1等に記載されているように、一般にガイドレールとスライダとの間にパッドを介在させて接触面圧を下げ、ガイドレールにパッドを滑らせてスライダを移動させる。
しかし、パッドを用いる場合、パッドを円滑に摺動させるためにガイドレールにグリスを塗布する必要がある。塗布後のグリスは外気に触れると時間経過に伴って変質し、パッドの滑りが悪くなって装置の動作が緩慢になる場合がある。パッドの良好な摺動性能を維持するために、環境によってはグリス塗布作業を頻繁に行わなければならない場合もある。加えて、グリスが塗布されたガイドレールのパッド摺動面にはゴミ等が付着し易く、これを取り除く作業も煩わしい。
本発明は、メンテナンスの負担を軽減すると同時に荷受台の移動を円滑化できる格納式荷受台昇降装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、荷受台を車枠の下側の格納位置に引き込んで格納する格納式荷受台昇降装置において、前記車枠の下部に取り付けたガイドレールと、前記ガイドレールに沿って移動するスライダと、前記スライダと前記荷受台とを連結するアームとを備え、前記スライダは、前記ガイドレールの上面を転動するように設けた上走行ローラ、及び前記ガイドレールの下面を転動するように設けた下走行ローラを備え、前記上走行ローラ及び前記下走行ローラをそれぞれ前記ガイドレールの上面及び下面に転動させて走行する構成であることを特徴とする。
本発明によれば、メンテナンスの負担を軽減すると同時に荷受台の移動を円滑化できる。
本発明の一実施形態に係る格納式荷受台昇降装置を搭載した車両の全体構造を表す側面図である。 本発明の一実施形態に係る格納式荷受台昇降装置の詳細構造を表す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る格納式荷受台昇降装置の詳細構造を表す左側面図である。 本発明の一実施形態に係る格納式荷受台昇降装置の図3中のIV−IV線による左端近傍部の矢視断面図である。 本発明の一実施形態に係る格納式荷受台昇降装置の図4中のV−V線による矢視断面図である。 本発明の一実施形態に係る格納式荷受台昇降装置のスライダの左側面図である。 図6中のVII−VII線による矢視断面図である。 本発明の一実施形態に係る格納式荷受台昇降装置の荷受台昇降装置の荷受台を引き出した状態の断面図である。 本発明の一実施形態に係る格納式荷受台昇降装置に備えられた落下防止部材の平面図である。 本発明の一実施形態に係る格納式荷受台昇降装置に備えられた落下防止部材の背面図である。 本発明の一実施形態に係る格納式荷受台昇降装置に備えられたパワーユニットの一構成例を表す回路図である。 本発明の一実施形態に係る格納式荷受台昇降装置に備えられた制御装置の一構成例を周辺機器と併せて表す機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る格納式荷受台昇降装置に備えられた制御装置による荷受台の展開動作の制御手順を表したフローチャートである。 展開動作中の格納式荷受台昇降装置の状態と入出力信号の入り切りとの関係について表形式でまとめた模式図である。 本発明の一実施形態に係る格納式荷受台昇降装置に備えられた制御装置による荷受台の格納動作の制御手順を表したフローチャートである。 格納動作中の格納式荷受台昇降装置の状態と入出力信号の入り切りとの関係について表形式でまとめた模式図である。
以下に図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
1.格納式荷受台昇降装置
図1は本発明の一実施形態に係る格納式荷受台昇降装置を搭載した車両の全体構造を表す側面図である。本願明細書においては、図1の左右を車両の前後とする。
図1に示した車両は、車枠1と、車枠1の前方に設けた運転室2と、車枠1上に搭載した荷台3と、車枠1の下側後部に設けた格納式荷受台昇降装置(以下、荷受台昇降装置)4とを備えている。この荷受台昇降装置4は、例えば走行運転時には荷受台5を折り畳んで車枠1の下側の格納位置(後述)に格納する。一方で荷役作業(荷台3に対する荷物の積み下ろし作業)時には、荷受台5を車枠1の外側(本実施形態では後方)に引き出して展開し、荷台3の床面高さと地面高さとの間で昇降させて荷役作業を支援する。
図2は荷受台昇降装置の詳細構造を表す斜視図、図3は左側面図、図4は図3中のIV−IV線による左端近傍部の矢視断面図、図5は図4中のV−V線による矢視断面図である。図6はスライダ(後述)の左側面図、図7は図6中のVII−VII線による矢視断面図、図8は図5に示した荷受台昇降装置の荷受台を引き出した状態の図である。図3においてはパワーユニット26及び操作装置27を取り外した状態を表している。
図2−図8に示したように、荷受台昇降装置4は、荷物を積載する上記の荷受台(プラットフォーム)5と、荷受台5等を前後方向に移動させるスライド駆動部6と、荷受台5を昇降させる昇降駆動部7とを備えている。なお、後述するが展開及び格納の際に荷受台5は昇降駆動部7と共に前後にスライド移動する。本願明細書では、この荷受台5及び昇降駆動部7のスライド範囲の前端を「前端位置」、後端を「後端位置」、前端位置及び後端位置の間の設定位置を「中間位置」と定義する。前端位置は格納時の位置、後端位置は荷役作業時の位置である。また、荷受台5の高さ位置として、ガイドレール8(後述)に接触する高さを「格納高さ」、地面に接触する高さを「接地高さ」、格納高さと接地高さの間の設定高さを「中間高さ」と定義する。更に、前端位置で荷受台5が格納高さにある場合、荷受台5が「格納位置」にあると記載し、後端位置で荷受台5が接地高さにある場合、荷受台5が「接地位置」にあると記載する。
1−1.スライド駆動部
スライド駆動部6は、左右一対のガイドレール8、左右のスライダ9、連結部材10、左右のブラケット部11、支持ローラ12、支持フレーム13(図3参照)、及びスライドシリンダ14を備えている。
ガイドレール8は前後方向に延在し左右に平行に並べて2本設けられており、取り付け部8aを介して車枠1の下側後部に取り付けてある。左右のガイドレール8は左右に延びるステー8bによって前端部で連結されている。また、ガイドレール8は図7等に示したように、上下に対面する水平な天板部8l及び底板部8mを鉛直な中板部8nで連結したI型の断面形状をしている。断面で見るとガイドレール8には上向きの面も下向きの面も複数存在するが、ガイドレール8の上面と記載した場合には、ガイドレール8単体で見て上側に対向する他の部位がない面(本例ではガイドレール8の最も上側の面つまり天板部8lの上面)を指す。同様に、ガイドレール8の下面と記載した場合には、ガイドレール8単体で見て下側に対向する他の部位がない面(本実施形態ではガイドレール8の最も下側の面つまり底板部8mの下面)を指すこととする。
左右のスライダ9はそれぞれ、2枚のブラケット9a、上走行ローラ9b、下走行ローラ9c及びスクレーパ9d,9eを備えている。なお、図5及び図8では、スライダ9の内部構造を図示するために手前側のブラケット9aを図示省略してある。
2枚のブラケット9aはスライダ9の本体をなす部材であり、ガイドレール8、上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cを挟んで左右に対向している。ガイドレール8とこれを挟む2枚のブラケット9aとの間には、僅かな間隙が介在している。
上走行ローラ9bはガイドレール8の上面に外周面を接触させ、スライダ9の移動に伴ってガイドレール8の上面を転動するように設けられている。下走行ローラ9cはガイドレール8の下面に外周面を接触させ、スライダ9の移動に伴ってガイドレール8の下面を転動するように設けられている。つまり、ガイドレール8を上下から挟んだ上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cによってスライダ9がガイドレール8に沿って走行する構成である。荷受台5等が前端位置にある場合を除き、スライダ9及びこれに支持された部材の重量は、上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cを介してガイドレール8で支持されている。このとき、スライダ9は荷受台昇降装置4の重心よりも前方に位置するため、上走行ローラ9bを下走行ローラ9cよりも後方に配置してモーメントを支持している。ガイドレール8は上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cからの面圧を受けるのに十分な強度を有するように本実施形態では鉄製としてある。
上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cの軸(ピン)9fは、ガイドレール8を挟む2枚のブラケット9aに両端が支持された両持ち梁構造をしていて、軸9fによって2枚のブラケット9aが連結されている。また、軸9fの内部には外周部に一部が開口したグリス供給通路9g(図7参照)が設けられており、プラグ(不図示)を外して注入口9hからグリスガン等でグリスを注入することにより、上走行ローラ9bや下走行ローラ9cに給脂できるようになっている。
スクレーパ9d,9eは、ガイドレール8の表面に接触するように、ガイドレール8を挟む2枚のブラケット9aの間に設けられている。具体的には、スクレーパ9dはブラケット9aに固定したブラケット9iにボルトで固定されていて、先端部(下端部)をガイドレール8の上面に接触させている。スクレーパ9eはブラケット9aに固定したブラケット9jにボルトで固定されていて、先端部(上端部)をガイドレール8の下面に接触させている。よって、ガイドレール8に沿ってスライダ9が移動する際に、スクレーパ9d,9eはガイドレール8の表面に摺接する。スクレーパ9d,9eは、それぞれ上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cに対して荷受台5を引き出す方向(この例では後側)に位置していて、引き出し動作時に上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cに先行するようになっている。スクレーパ9d,9eは例えばゴムや樹脂等で形成されており、ガイドレール8の表面に対して起立した姿勢で保持されている。本実施形態では、スクレーパ9d,9eはガイドレール8に直交する面に沿って垂直に起立した姿勢としてある。但し、ガイドレール8の表面に対して、例えばガイドレール8に向かって走行ローラから離れる方向(本実施形態では後方)に傾斜させる等、スクレーパ9d,9eは移動方向に適宜傾斜させても良い。
連結部材10は左右のスライダ9を連結する部材であり、両端部はブラケット9aを貫通してスライダ9から外側(機体幅方向の外側)に突出している。ブラケット部11は連結部材10の左端に設けられている。支持フレーム13は、連結部材10から後方に延び、左右のスライダ9の間の中央付近に位置している。支持ローラ12は格納及び展開の際に荷受台5が転接するものであり、回転軸を左右に延ばした姿勢で支持フレーム13の先端(後端)に回転自在に設けられている。スライドシリンダ14は、一端がブラケットを介してステー8bに、他端が支持フレーム13に対して固定されている。スライドシリンダ14の伸縮動作に伴って上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cがガイドレール8を転がって左右のスライダ9が走行し、昇降駆動部7が荷受台5と一体となって前後に移動する。
また、ガイドレール8の上面及び下面にそれぞれ段差8c,8d(図6等参照)が設けられている。本実施形態では、ガイドレール8の上面における段差8cよりも前側の部分が段差8cよりも後側の部分より相対的に低くなっている。同様に、ガイドレール8の下面における段差8dよりも前側の部分が段差8dよりも後側の部分より相対的に高くなっている。つまり、ガイドレール8の天板部8l及び底板部8mは、段差8c,8dよりも前側の部分が後側の部分よりも薄くなっている。但し、天板部8l及び底板部8mの厚みを変える態様に限らず、例えばガイドレール8の上面及び下面に突起物を設け、これら突起物を段差8c,8dとしても良い。また、段差8c,8dは、荷受台5が前端位置から引き出される際に上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cが乗り越えなければならない位置に設けてある。具体的には、段差8c,8dはスライダ9が前端位置にあるときにそれぞれ上走行ローラ9b、下走行ローラ9cの後側に来る位置に設けてある。ここで言う「上走行ローラ9b、下走行ローラ9cの後側」とは、上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cのガイドレール8に最も近い(走行時にガイドレールに接触する)部分の後側、つまり上走行ローラ9bの下縁部、下走行ローラ9cの上縁部のことである。走行ローラの後縁よりも後側の意味に限定されない。段差8c,8dは、荷受台5が前端位置にあるときに、それぞれ上走行ローラ9b、下走行ローラ9cの外周面に接するか僅かな間隙を介して近接する位置に設けることが望ましい。本実施形態では、前端位置にある上走行ローラ9b、下走行ローラ9cのガイドレール8の後縁よりも前側に段差8c,8dが位置している。
左右のガイドレール8の下部には、それぞれ押し付けローラ8e(図5等参照)が設けられている。押し付けローラ8eは、軸を左右に延ばした姿勢でブラケット8fを介してガイドローラ8の下面に回転自在に支持されている。押し付けローラ8eは、格納動作時に上昇してくる荷受台5に接触するようにガイドレール8の後部に配置してある。また、スライダ9のブラケット9aには、ガイドレール8を挟んだ上下の位置に押え板9l,9m(図5等参照)が設けられている。ガイドレール8の上面及びステー8bには、荷受台5が格納位置にあるときに押え板9l,9mに対応する位置にパッド8g,8hがそれぞれ設けられている。パッド8g,8hは、格納位置でスライダ9及びこれに取り付けられた要素の重量を受けるものである。荷受台5が格納位置に引き込まれ(スライダ9が前端位置に引き込まれ)、上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cが段差8c,8dを越えると、押え板9l,9mがパッド8g,8hに接触する。このように前端位置では、押え板9l,9mでパッド8g,8hを上下から挟んで押え込むことでスライダ9が遊びなく上下から拘束されるようになっている。このとき、前述したように段差8c,8dよりも前側の部分では後側の部分よりもガイドレール8の上面と下面との間の距離が短くなっている。そのため、スライダ9が前端位置にあってパッド8g,8hで支持されているとき、ガイドレール8の上面及び下面から上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cが離れるようになっている。なお、スクレーパ9dのブラケット9i及び押え板9lには、上走行ローラ9bの上側を覆うローラカバー9k(図2等)がボルト等で固定されている(図4及び図6はローラカバー9kを取り外した状態を図示している)。
このとき、ガイドレール8には、後端センサ15と中間センサ16(図12参照)が設けられている。例えば後端センサ15はガイドレール8の後部に天板部8l及び底板部8mの間に位置するように設けられている。スライダ9には、ブラケット9aの内壁面にストライカ9n(図8等参照)が設けられている。スライダ9が後進しガイドレール8の後端部近傍に設けたストッパ8iにストライカ9nが当たると、ストライカ9nが後端センサ15で検出されてスライダ9が後端位置にあることが検出される。中間センサ16は、スライダ9が上記中間位置にあることを検出するセンサである。一例として、ストライカ9nを中間センサ16で検出することで、スライダ9が中間位置にあることを検出する構成とすることができる。後端センサ15及び中間センサ16には、例えば近接センサやリミットスイッチを用いることができる。
1−2.昇降駆動部
昇降駆動部7は、第1アーム(チルトアーム)17、第2アーム(リフトアーム)18、第3アーム(コンプレッションアーム)19及びリフトシリンダ20をそれぞれ左右一組ずつ備えている。第1アーム17は、連結部材10に設けたブラケット10a(図4参照)に上端部が回動可能に連結されている。第2アーム18は、基端部(前端部)が第1アーム17に、先端部(後端部)が荷受台5にそれぞれ回動可能に連結してある。第3アーム19は、上記ブラケット10aに基端部(前端部)が、荷受台5に先端部(後端部)がそれぞれ回動可能に連結されている。リフトシリンダ20は、ロッド側が第1アーム17の下端部に、ボトム側が第2アーム18にそれぞれ回動可能に連結されている。第2アーム18及び第3アーム19はスライダ9に対して荷受台5を昇降可能に連結する平行リンクを形成し、この平行リンクがリフトシリンダ20の伸縮駆動に伴って上下に回動駆動することで荷受台5が水平姿勢を保って昇降する。
1−3.荷受台
荷受台5は、上記昇降駆動部7に支持された荷受台基部21と、荷受台基部21にヒンジ22を介し回動可能に連結された荷受台本体部23とを備えている。ヒンジ22は、両端が荷受台基部21及び荷受台本体部23にそれぞれピン(不図示)を介し回動可能に連結されており、荷受台基部21に対する荷受台本体部23の回動機構が、ヒンジ22を介する二重関節構造となっている。荷受台本体部23は、格納時には各図に示したように荷受台基部21の上部に折り重ねられる。第2アーム18と荷受台基部21との連結部(又はヒンジ22)には、荷受台5が中間高さにあるか否かの判断の基礎となる値として格納動作中の荷受台5の姿勢(折り畳み状態)を検出するゲートセンサ56(図12参照)が設けられている。このゲートセンサ56には、第2アーム18(又は荷受台基部21)に対する荷受台基部21(又はヒンジ22)の角度を検出する角度センサを用いることができる。
1−4.落下防止部材
ガイドレール8及び荷受台5には、格納位置にある荷受台5の下方への移動を規制し荷受台5の不測の落下を抑制する落下防止部材75(図5等参照)が備えられている。落下防止部材75は、ガイドレール8の後端部の下面に取り付けた第1部材76(図8参照)、及び荷受台本体部23の裏面(格納時に上を向く面)に取り付けた第2部材77(図8参照)を備えている。落下防止部材75の平面図を図9に、背面図を図10に示す。
図9及び図10に示すように、第1部材76は本実施形態では左右に延びる鉛直断面がI型に形成された部材であり、取り付け部76a、支持部76b及び被拘束部76cを備えている。取り付け部76aは、ガイドレール8の下面にボルト等で固定する水平な板状の部位である。被拘束部76cは支持部76bを介して取り付け部76aに連結された水平な板状の部材であり、取り付け部76aを挟んでガイドレール8の下面に間隙を介して上下に対面している。支持部76bも板状に形成されていて、前後に延びる鉛直面に沿っている。被拘束部76cは支持部76bの左右の少なくとも一方に延びていて、本実施形態では支持部76b及び被拘束部76cをT字型に連結している。第1部材76をガイドレール8に溶接等で取り付ける場合、取り付け部76aは不要である。
第2部材77は荷受台5が格納位置にあるときに第1部材76と位置が対応するように荷受台本体部23の裏面に取り付けられており、取り付け部77a、支持部77b及び拘束部77cを備えている。取り付け部77aは拘束部77cよりも左右及び前方に広く面積を確保した水平な板状の部材であり、左右両側のそれぞれ前後位置で貫通孔(この例では長穴)77dに通したボルト等で荷受台本体部23に固定されている。第2部材77を荷受台5に溶接等で取り付ける場合、取り付け部77aは不要である。本実施形態では、荷受台5が格納位置に移動する際、取り付け部77aにおける拘束部77cの前側に広がる部分に前述した押し付けローラ8eが乗り上げるようになっている(図5参照)。
取り付け部77aの後部は鉛直に折り曲げられて端壁77eを形成している。拘束部77cは左右の支持部77bを介して取り付け部77aに連結された水平な板状の部材であり、支持部77b及び端壁77eと共に前側が開口した箱型を形成している。拘束部77cは取り付け部77aを挟んで荷受台本体部23の裏面に間隙を介して上下に対面すると共にスリット77fを有している。スリット77fはガイドレール8と同じく前後方向に延び、入り口部分(開口側つまり前端部)にテーパ77gが設けられていて、スリット77fの入り口部分が広がっている。
荷受台5が格納位置にあるとき、第1部材76の支持部76bがスリット77fに収まると同時に、第2部材77の拘束部77cと荷受台本体部23の裏面との対向面間に第1部材76の被拘束部76cが収まる。以降、この状態を落下防止部材75の「機能状態」、第2部材77から第1部材76が外れた状態を落下防止部材75の「非機能状態」という。
1−5.パワーユニット
図2等に示すように、スライド駆動部6の左側のブラケット部11には、パワーユニット26及び操作装置27が取り付けられている。パワーユニット26はスライドシリンダ14及びリフトシリンダ20を駆動するための動力装置である。荷受台昇降装置4は操作装置27によって操作することができる。
図11はパワーユニット26の一構成例を表す回路図である。同図に示したパワーユニット26は、電動モータ28、油圧ポンプ29、オイルタンク30、圧油供給通路31、上昇動作用制御弁32、圧油戻し通路33、下降動作用制御弁34、流量制御弁35、メインリリーフ弁36及びコンダクタリレー37を備えている。油圧ポンプ29は、電動モータ28によって駆動され、オイルタンク30から吸い込んだ作動油を吐出管路29aに吐出する。油圧ポンプ29から吐出された作動油は圧油供給通路31を介してリフトシリンダ20に供給される。圧油供給通路31には上昇動作用制御弁32が設けられており、上昇動作用制御弁32によって圧油供給通路31が連通又は遮断される。圧油戻し通路33は圧油供給通路31における上昇動作用制御弁32の下流側から分岐し、オイルタンク30に接続している。圧油戻し通路33には下降動作用制御弁34が設けられており、下降動作用制御弁34によって圧油戻し通路33が連通又は遮断される。圧油戻し通路33における下降動作用制御弁34の下流側には、流量制御弁35が設けられている。また、吐出管路29aにはメインリリーフ弁36が設けられており、メインリリーフ弁36によって吐出管路29aの圧力の最大値が規定されている。電動モータ28とバッテリ(不図示)との間には、コンダクタリレー37が備えられている。上昇動作用制御弁32と下降動作用制御弁34が、油圧ポンプ29からリフトシリンダ20への圧油の流れを制御するリフトシリンダ用制御弁を構成する。
例えば、荷役動作又は格納動作における荷受台5の上昇動作時には、操作装置46(後述)等からの操作信号に応じて制御装置45から出力される指令信号に従って、コンダクタリレー37のコイル37aに通電される。コイル37aが励磁されると通常開き状態の接点37bが閉じ、接点37bを介してバッテリから電動モータ28に給電されて油圧ポンプ29が駆動される。同時に、操作信号に応じて制御装置45から出力される指令信号に従って上昇動作用制御弁32のソレノイド部32aに駆動指令信号が入力され、上昇動作用制御弁32が図11中左側の連通位置に切り換わる。このとき、下降動作用制御弁34は消磁されて図11中下側の遮断位置となり、油圧ポンプ29からの圧油が圧油供給通路31を介しリフトシリンダ20のボトム側に供給され、リフトシリンダ20が伸長し、荷受台5が上昇する。
一方、荷役動作又は展開動作における荷受台5の下降動作時には、操作装置46等からの操作信号に応じて制御装置45から出力される指令信号に従って、コイル37aへの通電が停止される。コイル37aが消磁されると接点37bが開き、電動モータ28及び油圧ポンプ29が停止すると共に、上昇動作用制御弁32が消磁されて図11中右側の遮断位置になる。同時に、操作信号に応じて制御装置45から出力される指令信号に従って下降動作用制御弁34のソレノイド部34aに駆動指令信号が入力され、下降動作用制御弁34が図11中上側の連通位置に切り換わる。これにより、リフトシリンダ20のボトム側が圧油戻し通路33を介しオイルタンク30に連通し、荷受台5が自重で下降する。
また、パワーユニット26は、圧油供給通路38、絞り弁39、逆止弁40、圧油供給通路41、後進動作用制御弁42、圧油戻し通路43及び前進動作用制御弁44を備えている。圧油供給通路38は、油圧ポンプ29の吐出管路29aから分岐してスライドシリンダ14のロッド側に接続している。圧油供給通路38には絞り弁39及び逆止弁40が設けられている。圧油供給通路41は、圧油供給通路38から分岐してスライドシリンダ14のボトム側に接続している。圧油供給通路41には後進動作用制御弁42が設けられており、後進動作用制御弁42によって圧油供給通路41が連通又は遮断される。圧油戻し通路43は後進動作用制御弁42の下流側で圧油供給通路41から分岐してオイルタンク30に接続している。圧油戻し通路43には前進動作用制御弁44が設けられており、前進動作用制御弁44によって圧油戻し通路43が連通又は遮断される。
例えば、展開動作における荷受台5のスライド動作時には、操作装置46等からの操作信号に応じて制御装置45から出力される指令信号に従って、コンダクタリレー37のコイル37aに通電される。コイル37aが励磁されると接点37bが閉じ、電動モータ28及び油圧ポンプ29が駆動される。同時に、操作信号に応じて制御装置45から出力される指令信号に従って後進動作用制御弁42のソレノイド部42aに駆動指令信号が入力され、後進動作用制御弁42が図11中上側の連通位置に切り換わる。このとき、前進動作用制御弁44は消磁されて図11中下側の遮断位置となり、油圧ポンプ29からの圧油が圧油供給通路41を介しスライドシリンダ14のボトム側に供給される。これによりロッド側との受圧面積差によってスライドシリンダ14が伸長し、荷受台5等が後方にスライドする。
一方、格納動作における荷受台5のスライド動作時には、後述する操作装置46等からの操作信号に応じて制御装置45から出力される指令信号に従って、コンダクタリレー37のコイル37aへの通電が停止される。コイル37aが消磁されると接点37bが閉じ、電動モータ28及び油圧ポンプ29が駆動される。同時に、操作信号に応じて制御装置45から出力される指令信号に従って前進動作用制御弁44のソレノイド部44aに駆動指令信号が入力され、前進動作用制御弁44が図11中上側の連通位置に切り換わる。このとき、後進動作用制御弁42は消磁されて図11中下側の遮断位置となり、油圧ポンプ29からの圧油が圧油供給通路38を介しスライドシリンダ14のロッド側に供給される。これによりスライドシリンダ14のボトム側からの圧油が圧油戻し通路43を介してオイルタンク30に流出し、スライドシリンダ14が収縮して荷受台5等が前方にスライドする。
なお、スライダ9が確実に後端位置にある状態で荷受台5を昇降させるため、リフトシリンダ20を伸長させる間、後進動作用制御弁42を連通位置に切り換えて既述したストッパ8i及びストライカ9nが押し合うように構成することもできる。荷受台5の下降時も油圧ポンプ29を駆動し、後進動作用制御弁42のボトム側に圧油を供給して、スライダ9を後端位置に付勢するように構成することもできる。また、スライダ9の後進時に瞬間的に前進動作用制御弁44を連通位置に切り換え、スライドシリンダ14を圧抜きするように構成することもできる。
本実施形態においては、メインリリーフ弁36よりも下流側で後進動作用制御弁42及び前進動作用制御弁44よりも上流側の位置において、バイパス通路71が吐出管路29aから分岐して圧油戻し通路43に接続している。このバイパス通路71には、サブリリーフ弁73と切換弁72とが設けられている。切換弁72は、そのソレノイド駆動部72aへの駆動信号によって切り換えポジションが連通位置(図中上側の位置)又は遮断位置(図中下側の位置)に切り換わる。切換弁72の切り換えポジションによってサブリリーフ弁73への圧油の流れが連通又は遮断される。切換弁72はサブリリーフ弁73の上流側に設けられているが、下流側に設けても良い。サブリリーフ弁73のリリーフ圧(例えば6MPa程度)は、メインリリーフ弁36のリリーフ圧(例えば20MPa程度)よりも低く設定してある。切換弁72が連通位置に切り換わって吐出管路29aに接続した際には、吐出管路29aの圧油の最大値がメインリリーフ弁36のリリーフ圧よりも低い値に規定される。
また、油圧ポンプ29の吐出管路29aには、押し付けローラ8eを介してガイドレール8に荷受台5が押し付けられたことを検出する押圧センサとして圧力センサ74が設けられている。ガイドレール8に荷受台5が押し付けられると吐出管路29aの圧力が上昇することから、圧力センサ74の検出値が閾値(設定値)を超えたらガイドレール8に荷受台5が接触したと判定できる。
1−6.制御装置
図12は荷受台昇降装置4に備えられた制御装置の一構成例を周辺機器と併せて表す機能ブロック図である。図12に示した制御装置45は、車両側(又はパワーユニット26内)に設けられている。この制御装置45は、荷受台昇降装置4の電源(バッテリ)57に電源スイッチ58を介して接続しており、電源スイッチ58によって電源の入り切りが切り換えられる。電源スイッチ58は、例えば車両の運転室2内やパワーユニット26等に設置することができる。制御装置45に入力される操作信号には、操作装置27が出力する有線信号の他、リモコン等の無線式の操作装置46が出力する無線信号が含まれる。
操作装置27は、例えば、押しボタン式の上げ動作スイッチ47A及び下げ動作スイッチ47Bを備えたペンダント操作方式のものである。この操作装置27は、上げ動作スイッチ47A又は下げ動作スイッチ47Bの操作に応じた操作信号を制御装置45にケーブル等を介して出力する。
操作装置46は、上げ動作スイッチ48A、下げ動作スイッチ48B及び電源スイッチ48C、並びに送信部49を備えている。上げ動作スイッチ48A、下げ動作スイッチ48B及び電源スイッチ48Cは押しボタン式のスイッチである。送信部49は、上げ動作スイッチ48A又は下げ動作スイッチ48BのON・OFF状態等のシリアルデータを生成し、このシリアルデータを無線信号として送信する。操作装置46はオペレータが携帯することもできるが、運転室2や荷台3の中等に保管される場合もある。
制御装置45は、入力部50,51、記憶部(メモリ)52、演算部(CPU)53及び出力部54を備えている。入力部50は、後端センサ15、中間センサ16、ゲートセンサ56及び圧力センサ74からの検出信号、操作装置27からの操作信号を入力する機能部である。入力部51は、操作装置46からの無線操作信号を受信する機能部である。記憶部52は、制御プログラム(例えばシーケンス制御やタイマ制御等に基づいたプログラム)や制御閾値を記憶する機能部である。演算部53は、記憶部52に記憶された制御プログラムに従って演算処理を実行しシリンダ14,20の動作を指示する指令信号等を生成する機能部である。出力部54は、演算部53で生成した指令信号を各制御弁32,34,42,44,72のソレノイド部32a,34a,42a,44a,72aやコンダクタリレー37に適宜出力する機能部である。
2.動作
続いて荷受台昇降装置4の動作を説明する。
2−1.展開動作
図13は制御装置45による荷受台5の展開動作の制御手順を表したフローチャート、図14は展開動作中の荷受台昇降装置4の状態と入出力信号の入り切りとの関係について表形式でまとめた模式図である。これらの図に示したように、荷受台昇降装置4の展開動作では、第1の引き出し動作、第1の下降動作、第2の引き出し動作及び第2の下降動作の手順が順次実行される。制御装置45はこれら一連の手順を経て、格納位置から接地位置までステップ状に荷受台5が移動するようにリフトシリンダ20及びスライドシリンダ14の動作を指示する。すなわち、図1に矢印で示した格納動作と反対の動作を指令する。第1の引き出し動作は、格納位置から中間位置まで荷受台5を引き出し、機能状態にある落下防止部材75を非機能状態にする動作である。第1の下降動作は、中間位置まで引き出した荷受台5を中間高さまで下降させる動作である。第2の引き出し動作は、中間高さで荷受台5を後端位置まで引き出す動作である。第2の下降動作は、後端位置で荷受台5を中間高さから接地高さまで下降させる動作である。詳しくは以下の通りである。
(1)第1の引き出し動作
図13のステップ101−103の手順と図14の最上段の「第1の引出」の図示を併せて参照して第1の引き出し動作を説明する。制御装置45は、操作装置27又は47の下げ操作スイッチ47B又は48Bの操作信号が入力されたかどうかを判断する(ステップ101)。操作信号が入力された場合には、コンダクタリレー37(図11参照)に通電して油圧ポンプ29を駆動すると共に、後進動作用制御弁42を開いてスライダ9を前端位置から後進させる(ステップ102)。操作信号の入力がない間はステップ101を繰り返して操作信号の入力を待つ。このとき、後進動作用制御弁42を開くと同時に、下降動作用制御弁34及び前進動作用制御弁44を極短時間(例えばそれぞれ80ms,500ms)だけ開くようにすることが好ましい。これにより荷受台5とガイドレール8との摩擦が抑制されると共に、スライドシリンダ14の圧抜きができる。スライダ9の後進中には、スライダ9が中間位置に達したかどうかを中間センサ16の信号を基に判定する(ステップ103)。中間センサ16の信号がOFFでスライダ9が中間位置に達するまでは、ステップ101−103の手順を繰り返し、下げ動作スイッチ47B又は48Bが操作されている間だけスライダ9を後進させ、操作が解除された場合には停止させる。
(2)第1の下降動作
ここでは、図13のステップ103−106の手順と図14の2段目の「第1の下降」の図示を併せて参照して第1の下降動作を説明する。スライダ9が後進するうちに中間センサ16からの検出信号が入力され、ステップ103においてスライダ9が中間位置に達したことを認識したら、制御装置45は、後進動作用制御弁42を閉じてスライダ9の後進動作を停止させる。そして、下げ操作スイッチ47B又は48Bの操作信号が入力されたかどうかを判断し(ステップ104)、操作信号が入力された場合には、油圧ポンプ29を停止させると共に下降動作用制御弁34を開けて荷受台5を下降させる(ステップ105)。操作信号の入力がない場合にはステップ104を繰り返して操作信号の入力を待つ。荷受台5の下降中には、荷受台5が中間高さまで下降したかどうかをゲートセンサ56の信号を基に判定する(ステップ106)。ゲートセンサ56の信号がOFFで荷受台5が中間高さまで下降していない間は、ステップ104−106の手順を繰り返し、下げ動作スイッチ47B又は48Bが操作されている間だけ荷受台5を下降させ、操作が解除された場合には停止させる。
(3)第2の引き出し動作
ここでは、図13のステップ106−109の手順と図14の3段目の「第2の引出」の図示を併せて参照して第2の引き出し動作を説明する。荷受台5が下降するうちにゲートセンサ56からの検出信号が入力され、ステップ106において荷受台5が中間高さまで下降したことを認識したら、制御装置45は、下降動作用制御弁34を閉じて荷受台5の下降動作を停止させる。そして、下げ操作スイッチ47B又は48Bの操作信号が入力されたかどうかを判断し(ステップ107)、操作信号が入力された場合には、油圧ポンプ29を駆動すると共に後進動作用制御弁42を開けて再びスライダ9を後進させる(ステップ108)。操作信号の入力がない場合にはステップ107を繰り返して操作信号の入力を待つ。スライダ9の後進中には、スライダ9が後端位置に達したかどうかを後端センサ15の信号を基に判定する(ステップ109)。後端センサ15の信号がOFFでスライダ9が後端位置に達するまでは、ステップ107−109の手順を繰り返し、下げ動作スイッチ47B又は48Bが操作されている間だけスライダ9を後進させ、操作が解除された場合には停止させる。
(4)第2の下降動作
ここでは、図13のステップ109−114の手順と図14の下2段の「第2の下降」及び「接地」の図示を併せて参照して第2の下降動作を説明する。スライダ9が後進するうちに後端センサ15からの検出信号が入力され、ステップ109においてスライダ9が後端位置に達したことを認識したら、制御装置45は、後進動作用制御弁42を閉じてスライダ9の後進動作を停止させる。そして、下げ操作スイッチ47B又は48Bの操作信号が入力されたかどうかを判断し(ステップ110)、操作信号が入力された場合には、油圧ポンプ29を停止させると共に下降動作用制御弁34を開けて荷受台5を再び下降させる(ステップ111)。この下降動作は、下げ操作スイッチ47B又は48Bから操作信号が入力されている間継続され(ステップ112)、荷受台5が接地して操作者が下降操作を止めたら荷受台5を停止させる(ステップ113)。荷受台5が接地したら、操作者は荷受台本体部23を引いて水平に展開し、荷役作業ができる状態にする(ステップ114)。これにより荷受台5の展開作業は完了し、その後、操作装置27又は46を操作することで荷受台5を昇降させて荷役作業を行うことができる。
2−2.格納動作
図15は制御装置45による荷受台5の格納動作の制御手順を表したフローチャート、図16は格納動作中の荷受台昇降装置4の状態と入出力信号の入り切りとの関係について表形式でまとめた模式図である。これらの図に示したように、荷受台昇降装置4の格納動作では、第1の上昇動作、第1の引き込み動作、第2の上昇動作及び第2の引き込み動作の手順が順次実行される。制御装置45はこれら一連の手順を経て、接地位置から格納位置までステップ状に荷受台5が移動するようにリフトシリンダ20及びスライドシリンダ14の動作を指示する。第1の上昇動作は、スライダ9を後端位置に止めて荷受台5を接地高さから中間高さまで上昇させて地面から浮上させる動作である。第1の引き込み動作は、荷受台5を中間高さで保持したままスライダ9を中間位置まで前進させて荷受台5を車枠1の下側に引き込む動作である。第2の上昇動作は、スライダ9を中間位置に止めて荷受台5を格納高さまで上昇させてガイドレール8に押し付ける動作である。第2の引き込み動作は強制的に実行される手順であり、荷受台5を格納高さで保持したままスライダ9を前端位置まで前進させて荷受台5を格納位置に引き込み、落下防止部材75を機能状態に移行させる動作である。最後の第2の引き込み動作は、スライドシリンダ14の動作を指示する信号(上げ動作スイッチ47A又は48Aの操作信号)の有無に関係なく、荷受台5がガイドレール8に接触したことが認識されたら、制御装置45によって実行される。第2の引き込み動作を経て、格納位置まで強制的に荷受台5が引き込まれ、第2部材77が第1部材76に対向する。詳しくは以下の通りである。
(1)第1の上昇動作
ここでは、図15のステップ201−204の手順と図16の上2段の「接地」及び「第1の上昇」の図示を併せて参照して第1の上昇動作を説明する。荷受台5を格納する場合、接地位置において荷受台本体部23を支持ローラ12に立て掛け(ステップ201)、操作装置27又は46の上げ動作スイッチ47A又は48Aを押す。制御装置45は、上げ操作スイッチ47A又は48Aの操作信号が入力されたかどうかを判断する(ステップ202)。操作信号が入力された場合には、コンダクタリレー37(図11参照)に通電して油圧ポンプ29を駆動すると共に、上昇動作用制御弁32を開いて荷受台5を上昇させる(ステップ203)。このとき、上昇動作用制御弁32と共に後進動作用制御弁42が開かれており、スライダ9が後端位置にある状態のまま荷受台5が接地位置から上昇する。操作信号の入力がない場合にはステップ202を繰り返して操作信号の入力を待つ。荷受台5の上昇中には、荷受台5が中間高さに達したかどうかをゲートセンサ56の信号を基に判定する(ステップ204)。荷受台5が中間高さに達するまでは、ステップ202−204の手順を繰り返し、上げ動作スイッチ47A又は48Aが操作されている間だけ荷受台5を上昇させ、操作が解除された場合には停止させる。
(2)第1の引き込み動作
ここでは、図15のステップ204−207の手順と図16の3段目の「第1の引込」の図示を併せて参照して第1の引き込み動作を説明する。荷受台5が上昇するうちにゲートセンサ56からの検出信号が入力され、ステップ204において荷受台5が中間高さに達して格納動作に入ったことが認識されたら、制御装置45は、上昇動作用制御弁32を閉じて荷受台5の上昇動作を停止させる。そして、上げ操作スイッチ47A又は48Aの操作信号が入力されたかどうかを判断し(ステップ205)、操作信号が入力された場合には、前進動作用制御弁44を開いて、荷受台5を中間高さで保持したままスライダ9を前進させる(ステップ206)。このとき、前進動作用制御弁44を開くと同時に後進動作用制御弁42、下降動作用制御弁34及び切換弁72を僅かな時間(例えば500ms)だけ開いてスライドシリンダ14及びリフトシリンダ20の圧抜きを実行すると良い。操作信号の入力がない場合にはステップ205を繰り返して操作信号の入力を待つ。スライダ9の前進中には、スライダ9が中間位置に達したかどうかを中間センサ16の信号を基に判定する(ステップ207)。中間センサ16の信号がOFFでスライダ9が中間位置に達するまでは、ステップ205−207の手順を繰り返し、上げ動作スイッチ47A又は48Aが操作されている間だけスライダ9を前進させ、操作が解除された場合には停止させる。
(3)第2の上昇動作
ここでは、図15のステップ207−211の手順と図16の4段目の「第2の上昇」の図示を併せて参照して第2の上昇動作を説明する。制御装置45は、スライダ9が前進するうちに中間位置に到達して中間センサ16からの検出信号が入力されたか否かを判定する(ステップ207)。スライダ9が中間位置に達したことを認識したら、制御装置45は、前進動作用制御弁44を閉じてスライダ9の前進動作を停止させると共に、切換弁72を連通位置に切り換えて油圧回路のリリーフ圧を下げる(ステップ208)。その後、上げ操作スイッチ47A又は48Aの操作信号が入力されたかどうかを判断する(ステップ209)。制御装置45は、操作信号が入力された場合には上昇動作用制御弁32を開けて、スライダ9が中間位置にある状態のまま荷受台5を再び上昇させ(ステップ210)、操作信号の入力がない場合にはステップ209を繰り返して操作信号の入力を待つ。この荷受台5の再上昇を開始する際、上昇再開時点でリリーフ圧がサブリリーフ弁73によるリリーフ圧まで厳密に低下していることは問われず、回路的にサブリリーフ弁73が作動し得る状態に切り換わっていれば良い。タイミングの誤差で荷受台5の再上昇がリリーフ弁の切り換えから遅れる場合もあり得るが、荷受台5が格納高さに到達するまでにサブリリーフ弁73が作動し得る状態になっていれば良い。
荷受台5の上昇中には、荷受台5が格納高さに達したかどうかを圧力センサ74の信号を基に判定する(ステップ211)。圧力センサ74の信号がOFFで荷受台5が格納高さに達するまでは、ステップ209−211の手順を繰り返し、上げ動作スイッチ47A又は48Aが操作されている間だけ荷受台5を上昇させ、操作が解除された場合には停止させる。
(4)第2の引き込み動作
ここでは、図15のステップ211−215の手順と図16の最下段の「第2の引込」の図示を併せて参照して第2の引き込み動作を説明する。荷受台5が上昇するうちに圧力センサ74で検出される荷受台5とガイドレール8との接触圧力が所定圧力(例えば40MPa)以上になった場合、制御装置45は、ステップ211において荷受台5が格納高さに達したことを認識する。荷受台5がガイドレール8に接触したことをトリガとして、制御装置45は、上昇動作用制御弁32を閉じて荷受台5の上昇動作を停止させ、荷受台5を格納高さで保持したままスライダ9を前進させる(ステップ212)。
このスライダ9の再前進動作は、格納動作時にガイドレール8に荷受台5が接触したことを認識した場合に制御装置45によって自動的に指令される動作である。制御装置45は、操作装置27又は46の操作の有無に関係なく前進動作用制御弁44を開いてスライダ9を前進させる(ステップ212)。このとき、前進動作用制御弁44を開いた時点から僅かに(例えば500ms)遅れて切換弁72を閉じ、油圧回路のリリーフ圧をメインリリーフ弁36によるリリーフ圧に復帰させる(ステップ213)。再前進動作の開始時点にガイドレール8に対する荷受台5の接触圧力を弱めておくためである。制御装置45は、設定時間だけスライダ9を前進させたら、前進動作用制御弁44を閉じてスライダ9の前進動作を停止させる(ステップ214)。この前進動作をする設定時間とは、作動油の粘度の変動を考慮しても中間位置から前端位置までスライダ9が移動するのに十分な時間である。こうして格納位置に荷受台5が引き込まれるのに伴って、第1部材76の支持部76bがテーパ77gを介して第2部材77のスリット77fに進入する。その後荷受台5が格納位置に到達すると、第1部材76の支持部76bがスリット77fに収まると同時に、第2部材77の拘束部77cと荷受台本体部23の裏面との対向面間に第1部材76の被拘束部76cが収まる。これにより、落下防止部材75が非機能状態から機能状態に移行する。荷受台5が格納位置に到達した後、制御装置45は油圧ポンプ29を停止させ、電源が切られたかどうかを判定し(ステップ215)、電源OFFを確認して図15の手順を終了する。
3.効果
(1)走行ローラ
本実施形態によれば、荷受台5の引き出し及び引き込みの際、上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cをガイドレール8の上面及び下面に転動させてスライダ9を前後に移動させる。パッドをガイドレールに滑らせてスライダを移動させる構成のような摩擦抵抗がないので、スライダ9の移動を円滑化することができ、荷受台5の引き込み及び引き出しの動作速度を向上さることができる。また、パッドを摺動させる構成と異なり、ガイドレール8のローラ走行面にグリスを頻繁に塗布する必要がなく、ガイドレールにゴミが付着し難くなるメリットもある。
また、単にガイドレールに対して走行ローラでスライダが走行する構成としては他にも、ガイドレールを中空の部材で形成し、ガイドレールの内部を走行ローラが転動する構成も考えられる。しかし、この構成の場合は走行ローラの軸を両持ち構造とすることが難しく、走行ローラの支持構造の強度に課題がある。ガイドレールに軸を通すスリットを設ければ軸を両持ち構造にすることはできるが、スリットは走行方向への軸の移動を許容するためにスライダの移動距離をカバーするように設けなければならず、ガイドレールの強度を低下させてしまう。また、走行ローラがガイドレールの内側に配置されるので、ガイドレールのローラ走行面の清掃や走行ローラのメンテナンスも容易ではない。
それに対し、本実施形態では上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cがガイドレール8の上面及び下面を転動する構成であるため、ガイドレール8を挟んで対向する2枚のブラケット9aによって軸9fを両持ち支持することができる。また、ガイドレール8に軸9fを通すスリット等を加工する必要がなく、ガイドレール8の強度低下の心配もない。また、ローラ走行面はガイドレール8の上面及び下面であるため清掃も容易である。
(2)段差
本実施形態ではガイドレール8に段差8c,8dを設けたことにより、上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cが段差8c,8dを乗り越えなければ格納位置から荷受台5が引き出されない。これにより、車両の急発進時等に荷受台5やスライダ9等の慣性によって意図せず荷受台5が引き出されることを抑制することができる。
(3)押し付けローラ
格納動作時にガイドレール8に押し付けた状態で荷受台5を引き込む場合、パッドを介してガイドレール8及び荷受台5を接触させる構成とすると、パッドの摩擦力が荷受台5の引き込み動作の抵抗になる。それに対し、本実施形態では荷受台5が押し付けローラ8eを介してガイドレール8に荷受台5が押し付けられるので、引き込み動作の際は荷受台5に押し付けローラ8eが転動する。これにより荷受台5の引き込み動作(この例では第2の引き込み動作)を円滑化し、引き込み速度を向上させることができる。第1の引き出し動作時にも同様のことが言える。
また、押し付けローラ8eを荷受台本体部23の裏面に設けて引き込み時に押し付けローラ8eがガイドレール8に転動する構成とすることもできる。但しこの場合、荷受台5とガイドレール8との相対位置が左右方向にずれると押し付けローラ8eとガイドレール8との接触状態が変化し、著しい場合には脱輪し得る。それに対し、本実施形態ではガイドレール8側に押し付けローラ8eを設け、これに対して面積の広い荷受台本体部23の裏面が接触する構成であるため、押し付けローラ8eと荷受台本体部23の裏面とを常時安定的に接触させることができる。
(4)スクレーパ
本実施形態ではスライダ9にスクレーパ9d,9eを設けたことにより、スライダ9の移動に伴ってスクレーパ9d,9eがガイドレール8のローラ走行面を摺動する。これによりガイドレール8のローラ走行面にゴミ等が付着しても、そのゴミ等をスクレーパ9d,9eによって掻き落とし、ローラ走行面を清掃することができる。従って、スライダ9の移動の円滑性を確保するに当たって、ガイドレール8の洗浄作業やメンテナンスの負担を軽減することができる。
また、スクレーパ9d,9eは板状の部材をローラ走行面に対して起立させたものであるため、ゴミ等の掻き取り性能が良い。またスクレーパ9d,9eとローラ走行面との接触面積は小さいので、ローラ走行面との間に作用する摩擦力は小さく、スライダ9の移動に対する抵抗も小さく抑えることができる。スクレーパ9d,9e自体は板状部材に過ぎないため、ローラ走行面との接触部はローラ走行面の形状に応じて如何様にも形成することができ、ローラ走行面の形状に柔軟に対応することができる。
また、スクレーパ9d,9eはそれぞれ上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cの後側にあるので、荷受台5の引き出し時に対応する走行ローラに先行してローラ走行面を清掃する。そのため荷受台5の引き出し時には、常に清掃直後のローラ走行面を上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cが転動する。一般に荷受台5は荷役作業に使用される時間よりも格納されている時間の方が長いため、例えば車両走行時のような格納時の方がガイドレール8にゴミ等が付着し易い。従って上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cの後側にスクレーパ9d,9eを設けたことにより、荷受台5の格納時にガイドレール8に付着したゴミ等を走行ローラに先行して清掃できるので、スクレーパ9d,9eを効果的に機能させることができる。但し、本実施形態では上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cの後側にスクレーパ9d,9eを設けた場合を例に挙げて説明したが、上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cの前側、又は前後両側にスクレーパを設ける構成とすることもできる。
(5)落下防止部材
落下防止部材75が機能状態にあるとき、荷受台5が格納位置にあり、第2部材77のスリット77fに第1部材76の支持部76bが、第2部材77の拘束部77cと荷受台本体部23の裏面との対向面間に第1部材76の被拘束部76cが収まる。従って、第2部材77によって被拘束部76cの上下左右の移動が制限され、車両走行中等に荷受台5に対して上下方向は勿論のこと左右いずれの方向に強い揺れが加わっても、格納位置における荷受台5の上下左右の揺れを制限することができる。
本実施形態の場合、第1部材76を断面T字型、第2部材77を箱型である。このように第1部材76及び第2部材77はいずれも板材で簡単に構成することができる。
また、スリット77fの入口にテーパ77gを設けたことにより、第1部材76の支持部76bのスリット77fへの進入、ひいては非機能状態から機能状態への移行を円滑化することができる。荷受台5がガイドレール8に押し付けられるので第2の引き込み動作時の荷受台5の高さは一定であるため、第1部材76と第2部材77の高さ方向の位置合わせの精度は確保されている。また、格納位置では押し付けローラ8eが第2部材77の取り付け部77aに乗り上げるので、この点も第1部材76と第2部材77の高さ方向の位置合わせの精度の確保に寄与している。
なお、荷受台を引き込む際にガイドレールに荷受台を押し付けない場合、引き込み動作時の荷受台の高さには作動油の粘度等でバラつきが生じ得る。この場合に第1部材76と第2部材77の高さ方向の位置ずれを許容するためには、落下防止部材に何らかの可動機構を付加することも考えられる。しかし、この場合には、長期使用に伴って錆や磨耗が生じると可動機構の動作品質が劣化し、動作の円滑性が損なわれる恐れがある。それに対し、本実施形態の場合、格納動作の特殊性も手伝って、落下防止部材75は簡素な固定式の構造とすることができる。従って、経年変化によって落下防止部材75の動作、例えば機能状態又は非機能状態への移行動作の円滑性が損なわれることを抑制できる。
また、落下防止部材75はガイドレール8の後端近傍に配置されているので、落下防止部材75の第2部材77は荷受台本体部23の前後に延びるステーの厚くなった場所(荷受台基部21の対向部近傍)に位置する。従って余裕をもって第2部材77をステーの高さ以内に収めることができる。また、格納時に第2アーム18及び第3アーム19の基部から落下防止部材75までの距離を長くとることができる。これにより、落下防止部材75をより前方に配置した場合に比べて、機能状態の時の第1部材76と第2部材77との遊び量が同じでも上下のガタツキを小さく抑えることができる。
(6)制御装置
上記のように、荷受台5を格納位置に移行させる際に第2の上昇動作を経ることによって荷受台5をガイドレール8に押し当てるので、最終的に落下防止部材75を機能状態に移行させる段階では荷受台5とガイドレール8との間にはガタツキがない。従って、圧油の粘度によるシリンダ14,20の動作速度の変動に影響されず、格納動作にあたって第2の引き込み動作時の荷受台5の高さ位置のばらつきを抑えることができる。精度良く格納高さで荷受台5を前進させることによって落下防止部材75をスムーズに機能状態に移行させることができる。更に、落下防止部材75を機能状態に移行させる際の荷受台5の高さ位置のばらつきを抑えられるので、落下防止部材75のフランジ78,79の間の間隙を小さく設定することができる。これによりリフトシリンダ20の圧油のリークが生じた場合に許容される荷受台5の下降幅を極僅かな距離に抑えることができる。
このとき、格納動作における第2の引き込み動作は、最終的に落下防止部材75を機能状態に移行させるための工程であるため、その引き込み距離は僅かで足りる。具体的には、第1部材76及び第2部材77のフランジ78,79の互いの対向面の前後方向の長さ、例えば5−10cm程度で足りる。第1の引き込み動作、第1の上昇動作、第2の上昇動作、第2の引き込み動作を経て荷受台を格納位置に移動させる製品は近年まで存在せず、一般には格納高さまで荷受台を上昇させてから格納位置まで引き込むという2段階の格納動作に操作者は慣れている。そのため、本実施形態のようなステップ状の格納動作を採用し、第2の引き込み動作を操作者の操作に任せる構成とすると、操作者が第2の引き込み動作を操作し忘れる恐れがある。第2の引き込み動作のストロークによっては第2の上昇動作を終えた時点で格納動作が完了したかのように見えかねないからである。第2の引き込み動作を操作し忘れてしまうと、落下防止の姿勢に円滑に移行させられるという前述した効果を損ない得る。
本実施形態は、このような潜在的な課題にまで配慮されている。すなわち、ステップ状に荷受台5を格納するに当たって、ガイドレール8に荷受台5が接触して最終的に荷受台5を格納位置に移動させる段階になったら、格納動作をマニュアル運転から自動運転に切り換えて強制的に格納動作を完了させるようにしてある。これにより、落下防止の姿勢に円滑に移行させられる前述した効果を確実に享受することができる。
(7)パワーユニット
第2の上昇動作中に油圧回路のリリーフ圧を下げることにより、荷受台5とガイドレール8との間に作用する押圧力が過大になることはなく、第2の引き込み動作時にガイドレール8と荷受台5とが押し付け合う力を抑えることができる。これによりガイドレール8や荷受台5に作用する応力を十分に抑えることができ、普段の運用において荷受台5の格納動作を繰り返し行っても装置の構成部品への負荷は少なく、装置の短命化を抑制することもできる。
(8)パッド
前述したようにガイドレール8は鉄製であるため、例えば格納位置で上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cとガイドレール8とが接触する構成に設計変更しても、上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cの接触圧力に十分に耐えられる。ただ、走行中の車両の揺れを受けて瞬間的に上走行ローラ9b又は下走行ローラ9cとガイドレール8との間の接触圧力が大きく上昇することも考えられる。著しい場合には上走行ローラ9b又は下走行ローラ9cとの接触圧力を受けてガイドレール8に凹みが生じる可能性もある。
そこで、本実施形態では、格納位置でスライダ9の重量を受けるパッド8g,8hを設け、荷受台5が格納位置にあってスライダ9がパッド8g,8hで支持された状態では、ガイドレール8から上走行ローラ9b又は下走行ローラ9cが離れるように構成した。そのため車両の走行中に上走行ローラ9b又は下走行ローラ9cとガイドレール8との間の接触圧力が作用せず、上走行ローラ9b又は下走行ローラ9cとの接触圧力によるガイドレール8の凹みの発生を抑制することができる。これによりスライダ9の走行性を良好に保つことができる。
4.その他
上記実施形態ではパッド8g,8hでスライダ9が支持されるとガイドレール8から上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cが離れる構成を例示したが、本質的効果は上走行ローラ9b及び下走行ローラとガイドレール8との接触圧力の過大な上昇の抑制にある。この効果は、スライダ9とガイドレール8との間にパッド8g,8hが介在し、パッド8g,8hによってスライダ9等の重量を支持することで達成される。従って、パッド8g,8hでスライダ9が支持される間も上走行ローラ9b及び下走行ローラ9cの少なくとも一方がガイドレール8に接触する構成としても良い。
また、I型断面のガイドレール8を用いた荷受台昇降装置4に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、ガイドレール8はI型断面のものに限定されず、例えば矩形や六角形等の多角形型、或いは中空の断面形状のガイドレールを用いることもできる。
また、落下防止部材75の第1部材76及び第2部材77をそれぞれガイドレール8及び荷受台5に取り付けた。ガイドレール8を第1対象部材、荷受台5を第2対象部材とすると、第1部材76を第1対象部材に、第2部材77を第2対象部材に取り付けた構成であるが、第1部材76を第2対象部材に、第2部材77を第1対象部材に取り付けた構成としても良い。
第1の上昇動作から第1の引き込み動作に動作を切り換える荷受台5の「中間高さ」、及び第1の引き込み動作から第2の上昇動作に動作を切り換えるスライダ9の「中間位置」について精度は要求されない。従って、シリンダ14,20の動作速度の変動によってこれら動作切り換えの高さ方向又は前後方向の位置にばらつきが生じても問題はない。最終的に第2の引き込み動作の際にガイドレール8に荷受台5が接触していれば良いので、例えばセンサ15,16,56,74を用いずに既定のシーケンスで接地位置から格納位置まで荷受台5を移動させる構成とすることもできる。この場合、第2の上昇動作を経て確実にガイドレール8に荷受台5が接触するように、シリンダ14,20の動作速度のばらつきを考慮して第1及び第2の上昇動作の上昇幅を大きめに設定することが好ましい。上昇幅が大きくても、油圧回路のリリーフ圧をサブリリーフ弁73によるリリーフ圧に切り換えることによってガイドレール8と荷受台5との接触圧力が必要以上に上昇することはない。これにより、センサ類の削減によりハード構成の簡素化に加え、製作コストも抑えられる。
また、本実施形態においては、第1の上昇動作、第1の引き込み動作、第2の上昇動作、第2の引き込み動作という手順で荷受台5を格納する場合を例に挙げて説明した。しかしこの動作の目的は最終的にガイドレール8に押し付けた状態で荷受台5を格納位置に引き込むことであり、荷受台5がガイドレール8に接触するまでの手順(荷受台5の動作経路)については特に限定されない。例としては、まず接地状態のまま荷受台5を前方に引き込み、その後荷受台5を上昇させてガイドレール8に接触させ、更に格納位置まで引き込むという、引き込み、上昇、引き込みの格納動作を採用することもできる。この場合、荷受台5が接地した状態での引き込み動作を容易化する上では、必要に応じて荷受台5の接地部にローラを設けることもできる。また、接地位置から荷受台5を微小距離引き込んで中間高さまで上昇させ、中間位置まで引き込んでから上昇させてガイドレール8に接触させた後、最終的に格納位置まで引き込む格納動作を採用することもできる。引き込み、上昇、引き込み、上昇、引き込みという手順である。更には、引き出し動作や下降動作を途中に組み入れた格納動作とすることも必要であれば可能である。
また、本実施形態では、荷受台を車枠の下側に格納する格納式荷受台昇降装置を適用対象とした場合を例に挙げて説明した。しかし、この種の格納式荷受台昇降装置には、車枠の下側に格納する格納姿勢の他、荷受台を荷台の後部に起立させた格納姿勢を選択することができるものも存在する。本実施形態は、このような複数の格納姿勢を採用する種の格納式荷受台昇降装置であっても、荷受台を車枠の下側に格納する際に適用することができ、同様の効果を得ることができる。
また、荷受台5を車両の後側に引き出して荷役作業をする格納式荷受台昇降装置に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、荷受台を車両の左側又は右側に引き出して荷役作業を行う格納式荷受台昇降装置に本発明を適用しても同様の効果が得られる。
更に、上記では第2の上昇動作から第2の引き込み動作に移行したら自動的に荷受台5が格納位置に移動する場合を説明したが、この自動動作(第2の引き込み動作)を途中で停止させられるようにすることもできる。この場合、例えば操作装置27又は46に第2の引き込み動作の停止を指示する停止スイッチ47D又は48D(図12参照)を設けることが好ましい。停止スイッチ47D又は48Dの操作信号に応じて、スライドシリンダ14の停止を指令する信号が制御装置45から前進動作用制御弁44に出力され、前進動作用制御弁44が閉じる構成とすることができる。また、第2の引き込み動作の自動化を省略し、第1の上昇動作や第1の引き込み動作等の他の動作と同じく操作時のみ実行されるようにしても良い。
1 車枠
4 格納式荷受台昇降装置
5 荷受台
8 ガイドレール
9 スライダ
9b 上走行ローラ
9c 下走行ローラ
17 第1アーム(アーム)
18 第2アーム(アーム)
19 第3アーム(アーム)
9a ブラケット
9f 軸
8c,d 段差
8g,8h パッド

Claims (5)

  1. 荷受台を車枠の下側の格納位置に引き込んで格納する格納式荷受台昇降装置において、
    前記車枠の下部に取り付けたガイドレールと、
    前記ガイドレールに沿って移動するスライダと、
    前記スライダと前記荷受台とを連結するアームとを備え、
    前記スライダは、前記ガイドレールの上面を転動するように設けた上走行ローラ、及び前記ガイドレールの下面を転動するように設けた下走行ローラを備え、前記上走行ローラ及び前記下走行ローラをそれぞれ前記ガイドレールの上面及び下面に転動させて走行する構成であることを特徴とする格納式荷受台昇降装置。
  2. 請求項1の格納式荷受台昇降装置において、
    前記スライダは、前記ガイドレール、前記上走行ローラ及び前記下走行ローラを挟んで対向する2枚のブラケットを備え、
    前記上走行ローラ及び前記下走行ローラの軸は、前記2枚のブラケットに両端が支持された両持ち構造であることを特徴とする格納式荷受台昇降装置。
  3. 請求項1又は2の格納式荷受台昇降装置において、前記ガイドレールの前記上面及び前記下面の少なくとも一方には、前記荷受台が前記格納位置から引き出される際に前記ローラが乗り越える段差が設けられていることを特徴とする格納式荷受台昇降装置。
  4. 請求項1−3のいずれか1項の格納式荷受台昇降装置において、前記ガイドレールの断面がI型であることを特徴とする格納式荷受台昇降装置。
  5. 請求項1−4のいずれか1項の格納式荷受台昇降装置において、
    前記格納位置で前記スライダの重量を受けるパッドを備えており、
    前記荷受台が前記格納位置にあるとき前記スライダが前記パッドで支持されるように構成されていることを特徴とする格納式荷受台昇降装置。
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