JP2017135172A - 厚銅回路基板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
この製造方法は、銅板または厚銅箔の一方にハーフエッチングで厚銅回路の片面を形成し、ハーフエッチング側にプリプレグを接触させ積層し、このプリプレグと反対側の面(未加工側)に、厚銅回路の残りを形成する、という工程からなる。
また、回路の高さが高いほど、エッチングの裾引きの影響で、回路幅精度が悪くなる。ハーフエッチング分の回路高さhに対し、エッチングによる裾引きの目安値が1/2h程度である。この値の裾引きが大きいほどそのばらつきも大きくなる。また、回路厚が薄くても100μm以上はあるため、回路幅100μm以下のような微細回路の形成は、回路幅精度が悪く不可能である。
(1)絶縁性布材と、絶縁性布材の少なくとも一方の面に形成された絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層に形成された溝部内に充填された導体材料から構成された回路部とを備えた積層板と、この積層板の表面に導体層とを備え、前記導体材料が金属ワイヤを含むことを特徴とする厚銅回路基板。
(2)絶縁性布材と、絶縁性布材の少なくとも一方の面に形成された絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層に形成された溝部内に充填された導体材料から構成された回路部と、前記絶縁樹脂層上に貼付された導電性金属箔とを備えた積層板と、この積層板の表面に、導電性金属箔と共に表層を形成した導体層とを備え、前記導体材料が金属ワイヤを含むことを特徴とする厚銅回路基板。
(3)前記積層板の絶縁樹脂層に、回路部と電気的に接続されるビアホールが設けられた(1)または(2)に記載の厚銅回路基板。
(4)前記導体層が回路部の直上に設けられた(1)〜(3)のいずれかに記載の厚銅回路基板。
(5)前記絶縁性布材がガラスクロスである(1)〜(4)のいずれかに記載の厚銅回路基板。
(6)前記回路部を構成する導体材料の金属ワイヤが銅線である(1)〜(5)のいずれかに記載の厚銅回路基板。
(7)前記回路部を構成する導体材料が銅線および銅めっきである(1)〜(6)のいずれかに記載の厚銅回路基板。
(8)前記導電性金属箔が銅箔である(2)〜(7)のいずれかに記載の厚銅回路基板。
(9)絶縁性布材の両面に絶縁樹脂層を形成し絶縁樹脂層上に導電性金属箔を形成した積層板を得る工程と、前記積層板の絶縁樹脂層をレーザ加工して溝部を形成した後、レーザ加工した溝部に金属ワイヤを圧入または配設し、熱硬化性樹脂で金属ワイヤを固定して回路部を形成する工程と、導電性金属箔に、めっき処理をした後、エッチングにて導電回路を形成する工程と、を含むことを特徴とする厚銅回路基板の製造方法。
(10)絶縁性布材の両面に絶縁樹脂層を形成した積層板を得る工程と、前記積層板の絶縁樹脂層をレーザ加工して溝部を形成した後、レーザ加工した溝部に金属ワイヤを圧入または配設し、熱硬化性樹脂で金属ワイヤを固定して回路部を形成する工程と、前記絶縁樹脂層表面に選択的にめっき処理をして導電回路を形成する工程と、を含むことを特徴とする厚銅回路基板の製造方法。
(11)前記導電回路が、サブトラクティブ法、MSAP、セミアディティブ法、またはフルアディティブ法のいずれかの工法で形成される(9)または(10)に記載の厚銅回路基板の製造方法。
(12)前記レーザ加工が、絶縁性布材に接触するまで続けられる(9)〜(11)のいずれかに記載の厚銅回路基板の製造方法。
(13)前記絶縁樹脂層にビアホールを形成するための穴を形成する工程を含む(9)〜(12)のいずれかに記載の厚銅回路基板の製造方法。
(14)前記回路部の金属ワイヤを熱硬化性樹脂で固定しない(9)〜(13)のいずれかに記載の厚銅回路基板の製造方法。
絶縁性布材1の少なくとも一方の面に形成された絶縁樹脂層3と、前記絶縁樹脂層3に形成された溝部2a内に内蔵された導体材料から構成された回路部2とを備えた積層板10と、この積層板10の表面に導体層6とを備える。また、積層板10は、その表裏面を貫通し、導体層6を備えたビアホール7を有している。
回路部2の溝部2aは絶縁性布材1を底面にして、レーザで寸止め加工することにより形成される。このレーザ加工で用いられるレーザ光としては、CO2レーザ、UV−YAGレーザなどが挙げられる。
なお、本実施形態で用いる金属ワイヤ5は、回路部2を後述するビアホール7や他の部品基板と電気的に接続するものであるなら特に限定されない。金属ワイヤ5の素材としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウムなどが挙げられ、特に銅線であるのがよい。また、導体材料として金属ワイヤ5と金属めっきとを併用して用いてもよく、この金属めっきとしては、例えば銅めっきがよい。
このビアホール7は、後述するビアホール下穴7aに導体(導電性樹脂や金属めっき)が充填されたものである。
(i)絶縁性布材の両面に絶縁樹脂層および導電性金属箔を形成して積層板を得て、積層板の絶縁樹脂層にレーザ加工して回路部形成用の溝部を形成し、かつレーザ加工またはドリル加工にてビアホール下穴を形成する工程。
(ii)積層板の回路部形成用の溝部に、導体材料として金属ワイヤを内蔵または圧入し固定し、金属ワイヤの高さを積層板と同じ高さに加工した後、ビアホール下穴にめっき処理をして導体層を形成する工程。
(iii)導体上にドライフィルムを貼付し、露光および現像して回路部および導電回路、ビアホールを形成したい場所以外のドライフィルムを除去する工程。
(iv)ドライフィルムを除去後、積層板表面の導電性金属箔および導体層をエッチングして回路部および導電回路、ビアホールを形成する工程。
まず、図2(a)に示すように、絶縁性布材1と絶縁樹脂層3と導電性金属箔4とを前記したようにプレス処理等して積層板10を得て、これにレーザ加工を施し、回路部2のための溝部2aを形成する。この溝部2aは放熱・大電流が必要な箇所の絶縁樹脂層3に形成される。
また、溝部2aを形成する際、積層板10の絶縁樹脂層3と絶縁性布材1とを貫通し、一方の導電性金属箔4まで達するビアホール下穴7aを形成してもよい。
なお、絶縁性布材1、絶縁樹脂層3、導電性金属箔4は上述の通りであるが、本実施形態では絶縁性布材1としてガラスクロス、導電性金属箔4として銅箔を使用する。また、積層板10は、層数を増やしたビルドアップ層、両面基板や通常の多層基板でも適用できる。
レーザの照射条件によって、開口の調節は可能であり、レーザのマスク径のサイズを何種類か持つことによって色々な径(回路幅)を作る事が可能になる。
また、溝部2aの底部がガラスクロス(絶縁性布材1)であると、レーザ光を止めることができ、いわゆるクロス寸止め加工が行いやすい。
図4(a)は、溝部2aを形成するためのCuダイレクト工法を示す説明図である。
この積層板10は、上述した導電性金属箔4と絶縁樹脂層3とガラスクロス(絶縁性布材1)が積層されてなるものであり、導電性金属箔4には、レーザ光を吸収しやすくさせるため、表面処理を行なっており、例えば、Vボンド処理(メック株式会社製)があげられる。
図4(a)に示すようにガラスクロス(絶縁性布材1)にてレーザLが止まる出力でレーザ加工すると、導電性金属箔4の下の絶縁樹脂層3への影響が減り、絶縁性布材1を底面とする溝部2aが形成される。
ビアホール下穴7aを形成するには、図4(b)に示すように、レーザ加工の出力をあげ、ガラスクロス(絶縁性布材1)を貫通させればよい。
ウインドウ工法は、積層板10の表面の導電性金属箔4に予め溝部2aより幅広の開口部9を設けておき、これにレーザ加工を施すやり方である。図5(a)に示すように、ガラスクロス(絶縁性布材1)が底面になるようにレーザLを照射すると、溝部2aが形成される。
ビアホール下穴7aの形成は、図5(b)に示すように、レーザの出力を上げ、レーザLを照射して行なう。
なお、このとき、回路部2の形成場所である溝部2aの金属ワイヤ5や溝部2aに生じた隙間にも同時に銅めっきが充填されることで、回路部2の直上に設ける導体層6の高さは、導電性金属箔4やビアホール下穴7a上の導体層6の高さと同一(フラット)になる。
このように、回路部2の形成の際には、溝部2aの直上にも回路を形成し、溝部2aを含めた厚銅回路とすることができる。
ビルドアップを行なう際は、図6(h)に示すように、まず厚銅回路基板100の上下面にそれぞれ、絶縁樹脂層31と絶縁性布材11と導電性金属箔41とを積層する。なお、それぞれの部材は、上述した積層板10を構成するものと同じ作用を持ち、且つ同じ工程により形成されるため説明は省略する。
このとき、回路部21は、前述した回路部2と同様に、回路部21形成のための溝部(図示せず)を絶縁樹脂層31に設け、金属ワイヤ5'および熱硬化性樹脂50'を内蔵させることにより形成される。
ソルダーレジスト12を形成する前に、形成面をCZ処理などの銅の粗面化処理に供してもよい。ソルダーレジスト12の開口部に、無電解ニッケルめっきを3μm以上の厚みで形成し、その上に無電解金めっきを0.03μm以上(好ましくは0.05μm以上、ワイヤーボンディング用途の場合は0.3μm以上)の厚みで形成してもよい。さらに、その上にはんだプリコートを施す場合もある。無電解めっきではなく、電解めっきで形成してもよい。めっきではなく、水溶性防錆有機被膜(例えば、四国化成工業(株)製タフエースなど)を形成してもよく、もしくは、無電解銀、無電解スズめっきを形成してもよい。
図7は、本発明に係る厚銅回路基板の他の実施形態を示している。図7に示す厚銅回路基板100’は、絶縁性布材1と、この絶縁性布材1の少なくとも一方の面に形成された回路部2と、回路部2が形成された絶縁性布材1の両面に積層され含浸された絶縁樹脂層3とを備えた積層板10’を有し、この積層板10’の表面に導体層6を備える。また、積層板10’の表裏面を貫通し、導体層6を備えたビアホール7を有していてもよい。
この厚銅回路基板100’は、導電性金属箔を有していないので、上述した厚銅回路基板100よりも板厚を薄くすることが可能である。また、セミアディティブ法、フルアディティブ法などが適用可能となる。
なお、厚銅回路基板100’のうち、上述した厚銅回路基板100を構成するものと同じ作用を持つ部材は、同一符号を付して説明は省略する。
(i)絶縁性布材の両面に絶縁樹脂層を形成して積層板を得て、積層板の絶縁樹脂層にレーザ加工して回路部形成用の溝部を形成し、かつレーザ加工またはドリル加工にてビアホール下穴を形成する工程。
(ii)積層板の溝部に、導体材料として金属ワイヤを内蔵または圧入し固定し、この金属ワイヤの高さを積層板と同じ高さに加工する工程。
(iii)積層板の表面とビアホール下穴の内壁面にシード層を形成する(触媒付与、無電解銅めっき)工程。
(iv)シード層上にドライフィルムを貼付し、露光および現像して、回路部および導電回路、ビアホールを形成したい場所のドライフィルムを除去する工程。
(v)ドライフィルムを除去後、絶縁樹脂層表面に選択的にめっき処理をして回路部および導電回路、ビアホールを形成する工程。
(vi)絶縁樹脂層表面のドライフィルムを除去し、次いで、フラッシュエッチングにて、回路部および導電回路、ビアホール以外の絶縁樹脂層表面のシード層を除去する工程。
まず、図8(a)に示すように、絶縁性布材1と絶縁樹脂層3とをプレス処理等して積層板10’を得て、これにレーザ加工を施し、回路部2のための溝部2aを形成する。このとき、積層板10’の絶縁樹脂層3と絶縁性布材1とを貫通するビアホール下穴7aを形成してもよい。
このとき、ドライフィルム8の厚みで、積層板10’上の導体層6の厚み(銅めっき厚)を調整することができる。すなわち、厚いドライフィルム8が無い場合や、厚いドライフィルム8の露光および現像が困難な場合、通常の厚みのドライフィルム8の貼り付け(ラミネート加工)、露光、現像を複数回繰り返すことで、厚いドライフィルム8を適用した時と同様の効果がある。
ビルドアップを行なう際は、図10(j)に示すように、まず厚銅回路基板100’の上下面にそれぞれ、絶縁樹脂層31と絶縁性布材11とを積層する。これに、回路部21とビアホール71と導体層61とを設ければ、多層厚銅回路基板が作成される。
なお、それぞれの部材は上述した積層板10’を構成するものと同じ作用を持ち、且つ同じ工程により形成されるため説明は省略する。
図11は、本発明に係る厚銅回路基板のさらに他の実施形態である厚銅回路基板101を示している。なお、厚銅回路基板101のうち、上述した厚銅回路基板100および厚銅回路基板100'を構成するものと同じ作用を持つ部材は、同一符号を付して説明は省略する。
また、金属ワイヤ51は、金属ワイヤ5と併用して用いることも可能であり、例えば多層厚銅回路基板において使用してもよい。
また、本発明の厚銅回路基板の製造方法によると任意の部分に厚銅回路を得る事ができる。一般的なサブトラクティブ法で厚銅回路を形成可能であるので製造コストも低い。さらに、MSAP法、セミアディティブ法、フルアディティブ法も適用可能なので、厚銅回路同一層に回路幅35μm以下、回路間隙35μm以下も形成可能となる。
2 回路部
2a 溝部
3 絶縁樹脂層
4 導電性金属箔
5、5'、51 金属ワイヤ
6 導体層
6a 導電回路
6b シード層
7 ビアホール
7a ビアホール下穴
8 ドライフィルム
9 開口部
10、10’ 積層板
11 絶縁性布材
12 ソルダーレジスト
21 回路部
31 絶縁樹脂層
41 導電性金属箔
50、50' 熱硬化性樹脂
61 導体層
71 ビアホール
100、100'、101 厚銅回路基板
200、200’ 厚銅回路基板
Claims (14)
- 絶縁性布材と、絶縁性布材の少なくとも一方の面に形成された絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層に形成された溝部内に充填された導体材料から構成された回路部とを備えた積層板と、この積層板の表面に導体層とを備え、前記導体材料が金属ワイヤを含むことを特徴とする厚銅回路基板。
- 絶縁性布材と、絶縁性布材の少なくとも一方の面に形成された絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層に形成された溝部内に充填された導体材料から構成された回路部と、前記絶縁樹脂層上に貼付された導電性金属箔とを備えた積層板と、この積層板の表面に、導電性金属箔と共に表層を形成した導体層とを備え、前記導体材料が金属ワイヤを含むことを特徴とする厚銅回路基板。
- 前記積層板の絶縁樹脂層に、回路部と電気的に接続されるビアホールが設けられた請求項1または2に記載の厚銅回路基板。
- 前記導体層が回路部の直上に設けられた請求項1〜3のいずれかに記載の厚銅回路基板。
- 前記絶縁性布材がガラスクロスである請求項1〜4のいずれかに記載の厚銅回路基板。
- 前記回路部を構成する導体材料の金属ワイヤが銅線である請求項1〜5のいずれかに記載の厚銅回路基板。
- 前記回路部を構成する導体材料が銅線および銅めっきである請求項1〜6のいずれかに記載の厚銅回路基板。
- 前記導電性金属箔が銅箔である請求項2〜7のいずれかに記載の厚銅回路基板。
- 絶縁性布材の両面に絶縁樹脂層を形成し絶縁樹脂層上に導電性金属箔を形成した積層板を得る工程と、
前記積層板の絶縁樹脂層をレーザ加工して溝部を形成した後、レーザ加工した溝部に金属ワイヤを圧入または配設し、熱硬化性樹脂で金属ワイヤを固定して回路部を形成する工程と、
導電性金属箔に、めっき処理をした後、エッチングにて導電回路を形成する工程と、を含むことを特徴とする厚銅回路基板の製造方法。 - 絶縁性布材の両面に絶縁樹脂層を形成した積層板を得る工程と、
前記積層板の絶縁樹脂層をレーザ加工して溝部を形成した後、レーザ加工した溝部に金属ワイヤを圧入または配設し、熱硬化性樹脂で金属ワイヤを固定して回路部を形成する工程と、
前記絶縁樹脂層表面に選択的にめっき処理をして導電回路を形成する工程と、を含むことを特徴とする厚銅回路基板の製造方法。 - 前記導電回路が、サブトラクティブ法、MSAP、セミアディティブ法、またはフルアディティブ法のいずれかの工法で形成される請求項9または10に記載の厚銅回路基板の製造方法。
- 前記レーザ加工が、絶縁性布材に接触するまで続けられる請求項9〜11のいずれかに記載の厚銅回路基板の製造方法。
- 前記絶縁樹脂層にビアホールを形成するための穴を形成する工程を含む請求項9〜12のいずれかに記載の厚銅回路基板の製造方法。
- 前記回路部の金属ワイヤを熱硬化性樹脂で固定しない請求項9〜13のいずれかに記載の厚銅回路基板の製造方法。
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