JP6502106B2 - 印刷配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
次に、複数の配線板の間にプリプレグ(半硬化樹脂)を介在させ、両側から加熱圧着で積層することにより、複数の配線板を互いに貼り合わせ、多層板を形成する。この多層板の所定のスルーホール位置にドリルで貫通孔を形成する。そして、貫通孔を含む全面に無電解めっき層処理および銅めっき処理を施し、スルーホールを形成する。
次に、スルーホールにエッチングレジストを充填する。このレジストをマスクにして、エッチャントによって最外層の銅めっき層をエッチングし、この銅めっき層のみを選択的に除去する。この際、下地のめっき層はスズなので、上記エッチャントにより銅めっき層が除去されて露出した時点で不働態(SnO2)化し、エッチングはそれ以上進行せず、めっき層はエッチャントに侵されず、変化しないでそのまま残る。
最後に、最外層めっき層および銅箔をパターニングして配線パターンを形成し、レジストを除去することにより、多層印刷配線板を得る。
また、最外層の銅めっき層をエッチングする際、スルーホール内の銅めっき層をレジストで保護するために、スルーホール内にレジストを充填しているが、この充填が完璧でない場合、スルーホール内の銅めっきもエッチングされ、スルーホールの断線に至る問題がある。
さらに、レジストを除去する際、スルーホール内にレジスト残渣が残る可能性がある。その場合、表面処理などに使用する各種処理液がレジスト残渣近傍に残り、スルーホール断線に至る問題がある。さらに、レジスト残渣によって、多層印刷配線板を使用中にスルーホールの銅めっきに不要な応力が加わって、スルーホールクラックを発生させる危険がある。
(1)絶縁板の両面に配線パターンを形成し、配線パターンが形成された絶縁板の両面に絶縁樹脂層を積層し、絶縁樹脂層上に導電性金属箔を形成した積層板を得る工程と、
積層板を貫通したスルーホールを作製する工程と、前記積層板の導電性金属箔の表面およびスルーホールの内壁面に同一導体材料にて導体層を形成する工程と、導体層上に感光性レジストを設け、露光および現像してスルーホール上の感光性レジストに開口孔を設ける工程と、スルーホール内壁面の導体層の表面をスズめっき層で被覆する工程と、
感光性レジストを除去後、積層板表面の導体層に対してエッチング、研磨の片方または両方を行う工程と、
スルーホール内壁面の導体層表面に形成したスズめっき層を除去する工程と、
積層板表面の導電性金属箔および導体層をエッチングして導電回路を形成する工程と、を含むことを特徴とする印刷配線板の製造方法。
(2)前記スルーホール上の感光性レジストの開口孔は、スルーホールの孔径より100〜150μm小さい(1)に記載の印刷配線板の製造方法。
(3)前記絶縁樹脂層には、ビアホールを形成するための孔が形成されている(1)または(2)に記載の印刷配線板の製造方法。
(4)前記導体層が銅めっきで形成され、かつエッチングが、アルカリエッチングである(1)〜(3)のいずれかに記載の印刷配線板の製造方法。
また、印刷配線板の表層の導体厚を制御する際、スルーホール内壁面の導体層の表面をスズめっき層で被覆しているので、エッチング加工によってスルーホール内でめっき層の薄化が起きるのを防止することができる。さらに、スルーホールの開口部近傍にバリが発生するのを防止することができる。そのため、印刷配線板を効率よく製造することができ、かつスルーホール導通信頼性が向上する。
特に、積層板の板厚が2.0mm以上、スルーホールのアスペクト比が10以上の印刷配線板における効果が特に顕著である。
積層板5上には導体層7が形成され、貫通孔のスルーホール10が形成されている。非貫通孔のビアホール6があっても良い。
この導体層7は、ビアホール6およびスルーホール10を、他の部品や基板と電気的に接続すれば特に制限はなく、例えば、導電性樹脂層や金属めっき層等が挙げられるが、エッチング等の加工のしやすさから銅めっき層であるのが特に好ましい。
スルーホール10は、印刷配線板100を貫通し、内壁面に導体層7’を有する。導体層7、7’は同一導体材料を用いて金属めっき、好ましくは銅めっき等により形成される。
(i)絶縁板の少なくとも一方の表面に配線パターンを形成し、配線パターンの表面に絶縁樹脂層と薄銅箔を積層して積層板を得る工程。
(ii)前記積層板をレーザ加工またはドリル加工して、積層板を貫通したスルーホールを作製する工程。
(iii)積層板の導電性金属箔の表面およびスルーホールの内壁面に同一導体材料にて導体層を形成する工程。
(iv)導体上にドライフィルムを貼付し、露光および現像してスルーホール上のドライフィルムに開口孔を設ける工程。
(v)スルーホール内壁面の導体層の表面をスズめっき層で被覆する工程。
(vi)ドライフィルムを剥離後、積層板表面の導体層をエッチングまたは研磨する工程。
(vii)スルーホール内壁面の導体層表面に形成したスズめっき層を除去する工程。
(viii)積層板表面の導電性金属箔および導体層をエッチングして導電回路を形成する工程。
まず、図2(a)に示すように、絶縁板1と配線パターン2と絶縁樹脂層3と薄銅箔4とを前記したようにプレス処理等して得られる積層板5にレーザ加工またはドリル加工を施し、積層板5を貫通するスルーホール下孔10aと、積層板5内の配線パターン2に達するビアホール下穴6aを形成する。絶縁板1、配線パターン2、絶縁樹脂層3、薄銅箔4は上述の通りである。なお、積層板5は、層数を増やしたビルドアップ層、両面基板や通常の多層基板でも適用できる。
このように、スルーホール10およびビアホール6の孔(穴)内に十分な銅めっきを行った積層板5の表面は25〜100μm程度の銅めっきで覆われている。
上記した2つの条件を合わせ変形すると、ドリル径Xから開口径Yを引いた値は100〜150μmの範囲に含まれる(100μm≦X−Y≦150μm)。この範囲によれば、スルーホール10の孔内にスズめっきの未着がなく、かつ基板51の表層に、スズめっきと銅めっき層7によるバリ(凹凸)が発生する心配のないスズめっきが可能になる。
図6(a)に示すように、スルーホール10の開口部近傍の少なくとも一方側に、ドライフィルム8との間に、ドライフィルム8の下地の導体層7がむき出しになった箇所が生じる。
これに、後述するように、スズめっきを施し、スルーホール10内にスズめっき層9を形成すると、図6(b)に示すように、ドライフィルム8とスルーホール10の開口部との間の導体層7上にもスズめっき層9が形成されてしまう。
さらに、ドライフィルム8を剥離すると、図6(c)に示すように、基板51の表面に銅めっき層7とスズめっき層9とのバリ(凹凸)91が発生する。このバリ91は、図6(d)に示すように、ドライフィルム8を剥離した後、導体層7をハーフエッチングする際にバリ91の下部の導体層7がエッチングされずに残ってしまい、導体層7の回路形成でドライフィルムをラミネート、露光・現像する際に阻害する。
また、スルーホール10のドリル径Xと開口11の開口径Yとの差が150μmより大きい(X−Y>150μm)場合、後述するスズめっき液がスルーホール10の孔内に十分に入らず、孔内にスズめっきの未着が起こってしまうおそれがある。
このように、エッチングの際、導体層7の厚みが低くなっているため、より微細な回路形成が可能になる。
2 配線パターン
3 絶縁樹脂層
4 薄銅箔
5 積層板
6 ビアホール
6a ビアホール下穴
7、7’ 導体層
8、8’ ドライフィルム
9 スズめっき層
91 バリ
10 スルーホール
10a スルーホール下孔
11 開口
12 ソルダーレジスト
51 基板
61 開口部
100 印刷配線板
Claims (4)
- 絶縁板の両面に配線パターンを形成し、配線パターンが形成された絶縁板の両面に絶縁樹脂層を積層し、絶縁樹脂層上に導電性金属箔を形成した積層板を得る工程と、
積層板を貫通したスルーホールを作製する工程と、
前記積層板の導電性金属箔の表面およびスルーホールの内壁面に同一導体材料にて導体層を形成する工程と、
導体層上に感光性レジストを設け、露光および現像してスルーホール上の感光性レジストに開口孔を設ける工程と、
スルーホール内壁面の導体層の表面をスズめっき層で被覆する工程と、
感光性レジストを除去後、積層板表面の導体層に対してエッチング、研磨の片方または両方を行う工程と、
スルーホール内壁面の導体層表面に形成したスズめっき層を除去する工程と、
積層板表面の導電性金属箔および導体層をエッチングして導電回路を形成する工程と、を含むことを特徴とする印刷配線板の製造方法。 - 前記スルーホール上の感光性レジストの開口孔は、スルーホールの孔径より100〜150μm小さい請求項1に記載の印刷配線板の製造方法。
- 前記絶縁樹脂層には、ビアホールを形成するための孔が形成されている請求項1または2に記載の印刷配線板の製造方法。
- 前記導体層が銅めっきで形成され、かつエッチングが、アルカリエッチングである請求項1〜3のいずれかに記載の印刷配線板の製造方法。
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