JP2017135071A - コネクタ - Google Patents
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Abstract
Description
ハウジングと、
複数本の電線の前端部に個別に固着された複数の端子金具と、
前記ハウジング内に形成され、後方から前記複数の端子金具が個別に挿入される複数の端子収容室と、
前記電線の前端部に外嵌され、前記電線の外周と前記端子収容室の内周との隙間をシールする複数のゴム栓と、
前記ゴム栓の後端部に形成された制振リングとを備え、
隣り合う複数の前記制振リング同士が弾性的に当接しているところに特徴を有する。
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜図21を参照して説明する。尚、以下の説明において、前後の方向については、図7,9〜12,15,19における左方、図1〜4,21における斜め左下方、及び図8,16,17における斜め右上方を前方と定義する。上下の方向については、図1〜6,8〜10,13〜18,20,21にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。本実施例のコネクタは、互いに嵌合・離脱が可能な雄コネクタMと雌コネクタFとを備えて構成されている。
雄コネクタMは、図9,10に示すように、雄ハウジング80に3本の雄端子金具84を左右に並べて取り付けて構成されている。雄ハウジング80は、合成樹脂からなり、端子保持部81と、端子保持部81から雌コネクタFへの嵌合方向と同方向(図9,10における右方)へ突出したフード部82とを備えている。フード部82を構成する上壁部の上面(外面)には、ロック突起83が形成されている。雄端子金具84は、後述する雌端子金具72との接続手段として、端子保持部81からフード部82内へ突出した形態のタブ85を有している。
雌コネクタFは、3本の導電路70の前端部と、雌ハウジング10とによって構成されている。各導電路70は、電線71の前端部に圧着により接続された雌端子金具72と、電線71の前端部に外嵌されて雌端子金具72の後端部に圧着されたゴム栓61とを備えて構成されている。端子金具とゴム栓61は、後方から雌ハウジング10内に挿入されている。雌ハウジング10は、合成樹脂製のインナハウジング11と、ゴム製のシールリング27と、合成樹脂製のアウタハウジング37と、ゴム製の左右一対の弾性位置決め部材55とを備えて構成されている。
インナハウジング11は、合成樹脂からなる左右対称な形状のハウジング本体12と、合成樹脂からなる左右対称な形状のフロントリテーナ30とを組み付けて構成されている。図9に示すように、ハウジング本体12内には、後方から雌端子金具72が挿入される3室の端子収容室13が左右に並んで形成されている。ハウジング本体12内には、端子収容室13の下面に沿って前方へ片持ち状に延出した形態のランス14と、ランス14が端子収容室13から遠ざかる方向(下方)へ弾性変形することを許容するための撓み空間15とが形成されている。端子収容室13の内周後端部は、ゴム栓61を密着させるためのシール面16となっている。
アウタハウジング37は、図4,18に示すように、上下一対の半割部材38によって構成されている。一対の半割部材38は、同一の部品であり、前後方向の軸線(図示省略)に関して点対称となる位置関係で合体することで、アウタハウジング37を構成する。尚、以下の半割部材38に関する説明での方向については、便宜上、上側の半割部材38を基準とする。
図1,12,14に示すように、上記のインナハウジング11とアウタハウジング37は、左右対称な一対の弾性位置決め部材55を介して取り付けられている。一対の弾性位置決め部材55は、インナハウジング11とアウタハウジング37との間に配置され、インナハウジング11とアウタハウジング37を非接触の状態で、且つ三次元方向(上下方向、左右方向及び前後方向)において相対変位し得るように位置決めする。
導電路70を構成するゴム栓61は、図9,10,21に示すように、円筒形のシール部62と、シール部62の後端に同心状に連なる円筒形の肉薄部63と、肉薄部63の後端に同心状に連なる円筒形の制振リング64とを一体化した円筒状の単一部品である。シール部62の外周には、周方向に沿ってリブ状に突出した形態の複数の第1リップ部65が、一定のピッチで前後に並んで形成されている。シール部62の内周には、周方向に沿ってリブ状に突出した形態の複数の内周側シールリップ(図示省略)が、一定のピッチで前後に並んで形成されている。
雄コネクタMと雌コネクタFを嵌合する際には、インナハウジング11の前端部をフード部82インダクタに嵌入させる。両コネクタM,Fの嵌合過程では、図10に示すように、ロック部19がロック突起83と干渉することによりロックアーム17がロック解除方向へ弾性変位する。このとき、ロック部19が上方へ変位してアウタハウジング37の外壁部39に接近するが、外壁部39には干渉回避孔41が形成されているので、ロック部19がアウタハウジング37と干渉することはない。
雌コネクタFは、雌ハウジング10と、電線71の前端部に固着され、後方から雌ハウジング10内に挿入された雌端子金具72と、雌ハウジング10に形成され、雌ハウジング10の後方へ導出された電線71を弛んだ状態に保持する弛み保持部43とを備えて構成されている。雌ハウジング10の後方で電線71が振動すると、雌ハウジング10の近傍では、弛み保持部43によって弛んだ状態で保持されている電線71が、その曲率を変化させるように弾性変形する。このように電線71自体が弾性変形することにより、電線71の振動エネルギーが減衰されるので、本実施例の雌コネクタFは、電線71から雌端子金具72への振動伝達を抑制する機能に優れている。また、電線71は弛み保持部43に対してループ状に巻き付けられているので、電線71が弛み保持部43から外れる虞がない。
雌コネクタFは、雌ハウジング10と、3本の電線71の前端部に個別に固着された3つの雌端子金具72とを備えて構成されており、雌ハウジング10内には、後方から3つの端子金具が個別に挿入される3室の端子収容室13が形成されている。雌端子金具72の後方近傍においては、3本の電線71に、夫々、電線71の外周と端子収容室13の内周(インナハウジング11)との隙間をシールする3つのゴム栓61が個別に外嵌されている。ゴム栓61の後端部には制振リング64が形成され、隣り合う2つの制振リング64同士が弾性的に当接している。
雌コネクタFは、インナハウジング11と、電線71の前端部に固着され、後方からインナハウジング11内に挿入された雌端子金具72と、雌端子金具72とは非接触であり、且つインナハウジング11に対して相対変位可能に取り付けられたアウタハウジング37とを備えて構成されている。さらに、インナハウジング11とアウタハウジング37とを位置決めし、且つ周方向に間隔を空けて配された一対の弾性位置決め部材55とを備えている。つまり、雌コネクタFを構成するインナハウジング11とアウタハウジング37は、弾性位置決め部材55を介して位置決めされた状態で取り付けられている。
雌コネクタFは、雌端子金具72が収容されるインナハウジング11と、インナハウジング11とは別体であって、インナハウジング11を包囲するアウタハウジング37とを備えて構成されている。インナハウジング11の外面には、雄ハウジング80(相手側ハウジング)に係止することでインナハウジング11と雄ハウジング80を嵌合状態にロックするロックアーム17が形成されている。一方、アウタハウジング37には、ロックアーム17のロック解除操作部22の近傍に配されるように後縁保護部45と側縁保護部46が形成されている。
雌側コネクタを構成するインナハウジング11は、雄端子金具84(相手側端子)を有する雄ハウジング80(相手側ハウジング)に対して嵌合可能である。そして、インナハウジング11には、雄ハウジング80に係止することで雄ハウジング80との嵌合状態を保つロックアーム17が形成されている。この構成によれば、雌端子金具72が収容されているインナハウジング11と雄ハウジング80とをロックアーム17によって嵌合状態にロックできるので、雌端子金具72と雄端子金具84との間の前後方向の微摺動摩耗を抑制することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、制振リングの前後両面にテーパ面を形成したが、制振リングはテーパ面が形成されない形態であってもよい。
(2)上記実施例では、制振リングがアウタハウジングに弾性接触しているが、制振リングは、アウタハウジングと非接触であってもよい。
(3)上記実施例では、制振リングの外径をシール部よりも大きくしたが、制振リングの外径はシール部と同じ寸法であってもよい。
(4)上記実施例では、インナハウジングと相手側ハウジングを相対変位規制状態に嵌合するが、インナハウジングと相手側ハウジングとが嵌合状態で僅かに相対変位可能であってもよい。
(5)上記実施例では、インナハウジングがハウジング本体にフロントリテーナを取り付けて構成されているが、インナハウジングは、単一部品であってもよい。
(6)上記実施例では、フロントリテーナの前壁部によって端子金具の前方への移動を規制したが、前壁部は、端子金具の前方への移動を規制しない形態であってもよい。
(7)上記実施例では、相手側ハウジングとの嵌合状態を保つ手段であるロックアームを、インナハウジングに形成したが、ロックアームはアウタハウジングに形成してもよい。
(8)上記実施例では、インナハウジングとアウタハウジングを一対の弾性位置決め部材を介して取り付けたが、弾性位置決め部材はリング状の単一部品であってもよい。
(9)上記実施例では、一対の弾性位置決め部材が左右対称であるが、一対の弾性位置決め部材は左右非対称であってもよい。
(10)上記実施例では、弾性位置決め部材が基板部から内向きリブと外向きリブを突出させた形態であるが、弾性位置決め部材は、基板部から内向きリブのみ又は外向きリブのみを突出させ、これらのリブがインナハウジングとアウタハウジングとの間で上下方向及び前後方向に挟まれる形態としてもよい。
(11)上記実施例では、内向きリブと外向きリブが、基板部の外周の4辺のうち互いに異なる辺から突出しているが、内向きリブと外向きリブが同じ辺から突出していてもよい。
(12)上記実施例では、内向きリブが一対形成されているが、内向きリブの数は、1つだけでもよく、3つ以上でもよい。
(13)上記実施例では、外向きリブが一対形成されているが、外向きリブの数は、1つだけでもよく、3つ以上でもよい。
(14)上記実施例では、電線が弛み保持部ループ状に巻き付けられているが、電線は、弛み保持部に巻き付けられずに、弛み保持部に載せて引っ掛けた状態であってもよい。
(15)上記実施例では、ハウジングがインナハウジングとアウタハウジングとを備えて構成されているが、ハウジングは、単一部品であってもよい。
(16)上記実施例では、インナハウジングに3つの雌端子金具を収容したが、雌端子金具(ゴム栓)の数は2つでもよく、4つ以上でもよい。
10…雌ハウジング(ハウジング)
11…インナハウジング
13…端子収容室
37…アウタハウジング
55…弾性位置決め部材
61…ゴム栓
62…シール部
64…制振リング
68…前側テーパ面(テーパ面)
69…後側テーパ面(テーパ面)
71…電線
72…雌端子金具(端子金具)
Claims (5)
- ハウジングと、
複数本の電線の前端部に個別に固着された複数の端子金具と、
前記ハウジング内に形成され、後方から前記複数の端子金具が個別に挿入される複数の端子収容室と、
前記電線の前端部に外嵌され、前記電線の外周と前記端子収容室の内周との隙間をシールする複数のゴム栓と、
前記ゴム栓の後端部に形成された制振リングとを備え、
隣り合う複数の前記制振リング同士が弾性的に当接していることを特徴とするコネクタ。 - 前記制振リングの外周縁部における前後両面には、隣り合う前記ゴム栓同士の並び方向に対して傾斜したテーパ面が形成され、
隣り合う前記ゴム栓は、前面側の前記テーパ面と後面側のテーパ面とを当接させていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。 - 前記ハウジングが、前記端子収容室が形成されたインナハウジングと、前記端子金具と非接触であって前記インナハウジングに対して相対変位可能なアウタハウジングとを備えて構成され、
前記制振リングが、前記インナハウジングと非接触であり、前記アウタハウジングに対して弾性的に当接されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコネクタ。 - 前記ゴム栓が前記インナハウジングの内周に液密状に密着するシール部を有しており、
前記制振リングが前記シール部よりも外径寸法が大きいことを特徴とする請求項3記載のコネクタ。 - 前記インナハウジングと前記アウタハウジングが弾性位置決め部材を介して取り付けられていることを特徴とする請求項3又は請求項4記載のコネクタ。
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