JP2017128766A - パターン状めっき物 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば透明導電膜の用途では、一般的にITO膜がよく使用されているが、抵抗値がより低い膜として、銅などの金属膜をメッシュ状にパターニングするメタルメッシュ法が検討されている。このメタルメッシュ法は、金属が細線になるほど視認性が高くなり、昨今のタッチパネル用の透明導電膜用途としては、10μm以下の細線が要求されている。
具体的には、例えば、特許文献1に記載されるように、銅箔上にフォトレジスト(感光性樹脂)を設け、マスクを用いて露光し、現像、エッチング、レジスト剥離という方法を経て、回路パターンを形成する方法が知られている。
そこで、基材とめっき下地層間の密着性や屈曲性を確保するために、めっき下地層におけるバインダーの量を増加させると、めっき析出性が不十分となる問題が発生した。
基材上に、線幅が10μm以下のパターン状樹脂層を設け、該樹脂層上に高分子微粒子を含むめっき下地層を設け、該めっき下地層上に無電解めっき法により金属めっき膜を設けたパターン状めっき物であって、
該樹脂層の厚みが50nm〜10μmであり、
該めっき下地層の厚みが50nm〜5μmであることを特徴とするパターン状めっき物に関する。
本発明のめっき物は、基材上に、線幅が10μm以下のパターン状樹脂層を設け、該樹脂層上に高分子微粒子を含むめっき下地層を設け、該めっき下地層上に無電解めっき法により金属めっき膜を設けたパターン状めっき物であって、該樹脂層の厚みが50nm〜10μmであり、該めっき下地層の厚みが50nm〜5μmであることを特徴とする。
本発明の基材としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ガラス、金属等が挙げられる。
また、基材の形状は、特に限定されないが、例えば、板状、フィルム状が挙げられる。他にも、基材として、例えば、射出成形などにより樹脂を成形した樹脂成形品が挙げられる。
とりわけ、例えばポリイミド樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂からなるフィルム上に、線幅が10μm以下のパターン状金属めっき膜を設けることにより、例えば、透明導電膜やプリント配線板として好適に使用できる。
本発明の樹脂層は、線幅が10μm以下のパターン状であると共に、該樹脂層の厚みが50nm〜10μmである。
その結果、線幅が10μm以下のパターン状であっても、基材と樹脂層間および樹脂層とめっき下地層間のそれぞれの密着性を充分に確保することができ、屈曲性にも優れるものである。
また、該樹脂層の厚みは10μm以下であり、好ましくは5μm以下、更には好ましくは3μm以下である。そして、該樹脂層の厚みが10μmを超えると屈曲性に劣り、該樹脂層の厚みが50nm未満であると基材が露出し、密着性を充分確保することができない。
なお、樹脂層は、線幅が10μm以下のパターン状の層であるが、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは3μm以下であり、最終的なパターン状金属めっき膜の線幅が細くなれば視認性が向上し、例えば透明導電膜として好適に使用できる。
また、前記感光性樹脂としては、ネガ型のフォトレジスト、ポジ型のフォトレジストの何れを用いることもでき、溶剤現像型、アルカリ現像型、また、あらゆる露光波長用のフォトレジストを用いることができる。いずれも、市販のフォトレジストを使用することができ、とくに溶剤型のフォトレジストが好ましい。
前記樹脂を混合させた塗布液の有機溶媒としては、例えば、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、トルエン等の芳香族溶媒、メチルエチルケトン等のケトン類、シクロヘキサン等の環状飽和炭化水素類、n−オクタン等の鎖状飽和炭化水素類、メタノール、エタノール、n−オクタノール等の鎖状飽和アルコール類、安息香酸メチル等の芳香族エステル類、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類及びこれらの混合物等が挙げられる。
無機フィラーとしては、カーボン粒子が挙げられ、カーボン粒子としては、例えば、カーボンブラック等が挙げられる。カーボン粒子としては、平均1次粒子径が1ないし100nmの範囲となるものが好ましい。
本発明のめっき下地層は、前記樹脂層上に設けた高分子微粒子を含む層であると共に、めっき下地層の厚さは50nm〜5μmの範囲とする。めっき下地層の厚さが50nm未満になると、金属めっき膜の析出性が低下する。めっき下地層の厚さが5μmを超えると、金属めっき膜との密着性が悪くなる。
また、めっき下地層における高分子微粒子は、高分子微粒子上に触媒金属が吸着され、結果的に、導電性の高分子微粒子となる。したがって、めっき下地層を形成する際は、該樹脂層上に、例えば導電性高分子微粒子とバインダーを含む塗料、或いは、還元性高分子微粒子とバインダーを含む塗料のいずれかを塗布し、適宜後述する脱ドープ処理を行って、触媒金属を吸着させ、結果的に、導電性の高分子微粒子となる。
上記の導電性高分子微粒子とバインダーを含む塗料における導電性高分子微粒子とは、導電性を有する粒子であって、具体的には、0.01S/cm以上の導電率を有する粒子である。
また、導電性高分子微粒子としては、球形の微粒子であるものが挙げられ、その平均粒径(レーザー回析/散乱法により求められる値)は、10〜100nmとするのが好ましい。
導電性高分子微粒子としては、導電性を有するπ−共役二重結合を有する高分子であれば特に限定されないが、例えば、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン及びそれらの各種誘導体が挙げられ、好ましくは、ポリピロールが挙げられる。
導電性高分子微粒子は、π−共役二重結合を有するモノマーから合成して使用する事ができるが、市販で入手できる導電性高分子微粒子を使用することもできる。
上記の還元性高分子微粒子とバインダーを含む塗料における還元性高分子微粒子としては、0.01S/cm未満の導電率を有するπ−共役二重結合を有する高分子であれば特に限定されないが、例えば、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン及びそれらの各種誘導体が挙げられ、好ましくは、黒色で光線反射率が低いポリピロールが挙げられる。
また、還元性高分子微粒子としては、0.005S/cm以下の導電率を有する高分子微粒子が好ましい。
還元性高分子微粒子は、π−共役二重結合を有するモノマーから合成して使用する事ができるが、市販で入手できる還元性高分子微粒子を使用することもできる。
また、還元性高分子微粒子としては、球形の微粒子であるものが挙げられ、その平均粒径(レーザー回析/散乱法により求められる値)は、10〜100nmとするのが好ましい。
そして、高分子微粒子を分散する有機溶媒としては、例えば、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、トルエン等の芳香族溶媒、メチルエチルケトン等のケトン類、シクロヘキサン等の環状飽和炭化水素類、n−オクタン等の鎖状飽和炭化水素類、メタノール、エタノール、n−オクタノール等の鎖状飽和アルコール類、安息香酸メチル等の芳香族エステル類、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類及びこれらの混合物等が挙げられる。
本発明のめっき下地層は、高分子微粒子と共にバインダー含んだ層であってもよい。
バインダーとしては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリ(N−ビニルカルバゾール)系樹脂、炭化水素系樹脂、ケトン系樹脂、フェノキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチルセルロース系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ABS系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、感光性樹脂等が挙げられる。なお、感光性樹脂を用いる場合、例えばフォトリソグラフィー法を用いてパターン状樹脂層、およびめっき下地層を形成する際の露光(紫外線)を遮断しないように光線透過率が50%以上とすることが必要である。
高分子微粒子とバインダー樹脂の固形分比(質量比)は、5:1ないし1:10の範囲となる。上記固形分比において、5:1よりもバインダー樹脂の固形分比が小さくなると金属めっき膜の密着性が低下して剥離が生じ易くなり、1:10よりもバインダー樹脂の固形分比が大きくなると、めっき析出性が低下してめっきが析出し難くなるため、好ましくない。
無機フィラーとしては、カーボン粒子が挙げられ、カーボン粒子としては、例えば、カーボンブラック等が挙げられる。カーボン粒子としては、平均1次粒子径が1ないし100nmの範囲となるものが好ましい。
溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、トルエン等の芳香族溶媒、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、シクロヘキサン等の環状飽和炭化水素類、n−オクタン等の鎖状飽和炭化水素類、メタノール、エタノール、n−オクタノール等の鎖状飽和アルコール類、安息香酸メチル等の芳香族エステル類、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類及びこれらの混合物等が挙げられる。また、メチルセルソルブ等の多価アルコール誘導体溶媒、ミネラルスピリット等の炭化水素溶媒、ジヒドロターピネオール、D−リモネン等のテルペン類に分類される溶媒を用いることもできる。なお、バインダーを若干溶解する成分を含んだ溶媒を用いて、めっき下地層を形成するのがよい。
本発明における基材上に、線幅が10μm以下の細線パターンを有する金属めっき膜が設けられたパターン状めっき物の製造方法は、例えば以下の方法(図1参照)が挙げられる。
1)基材上1に、樹脂を含む塗料を塗布して樹脂層2を形成する工程(a)、
2)樹脂層2上に、高分子微粒子(導電性高分子微粒子又は還元性高分子微粒子)と、バインダーとを含む塗料を塗布してめっき下地層3を形成する工程(b)、
3)前記めっき下地層3をパターン状のマスク4を介して露光する工程(c)、
4)前記露光後、現像によりパターンに従って樹脂層2およびめっき下地層3の一部分を除去する工程(d)、
5)前記現像により露出しためっき下地層3の上に、無電解めっき処理により金属めっき膜5を設ける工程(e)からなり、
前記樹脂層2は、その厚みが50nm〜10μmであり、該めっき下地層3は、その厚みが50nm〜5μmである製造方法である。
工程(a)は、基材1上に、樹脂を含む塗料を塗布して樹脂層2を形成する工程である。
なお、樹脂を含む塗料を、基材全面に印刷する方法としては、例えば、スクリーン印刷法、スクリーンオフセット法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、インプリント印刷法、反転印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられ、また、印刷方法は、各印刷機を用いる通常の印刷法によって行うことができる。
また、上述したように、形成される樹脂層2は、その厚みが50nm〜10μmである。
工程(b)は、樹脂層2上に、高分子微粒子(導電性高分子微粒子又は還元性高分子微粒子)と、バインダーとを含む塗料を塗布してめっき下地層3を形成する工程である。
なお、導電性高分子微粒子又は還元性高分子微粒子と、バインダーとを含む塗料を、樹脂層全面に印刷する方法としては、例えば、スクリーン印刷法、スクリーンオフセット法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、インプリント印刷法、反転印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられ、また、印刷方法は、各印刷機を用いる通常の印刷法によって行うことができる。
また、上述したように、形成されるめっき下地層3は、その厚みが、50nm〜5μmであある。
工程(c)は、工程(b)で形成しためっき下地層3をパターン状のマスク4を介して露光する工程である。
具体的には、マスクパターンを介して前記めっき下地層3に紫外線等の光を照射することにより達成され得る。
ここで、マスクパターンは、例えば線幅10μm以下の細線パターンとなる。
マスクパターンは、ネガ型、ポジ型の何れでも適用できる。
照射する紫外線の光源としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、殺菌灯等の一般的に用いられる光源を用いることが出来る。
工程(d)は、工程(c)における露光後、現像によりパターンに従ってめっき下地層3および樹脂層2の一部を除去する工程である。
具体的には、現像液に工程cで露光されたものを浸漬し、パターン部以外のめっき下地層3および樹脂層2を除去することにより達成される。
即ち、工程(a)や工程(b)でネガ型のフォトレジストを用いた場合は、露光されなかった部分のめっき下地層3および樹脂層2を除去して、パターンを形成し、ポジ型のフォトレジストを用いた場合は、露光された部分のフォトレジスト層を除去して、パターン状のめっき下地層3および樹脂層2を形成するものである。
これにより、基材1上に、線幅10μm以下という非常に細い細線パターンを有する樹脂層2およびめっき下地層3が形成されたものが得られる。
工程(e)は、工程(d)で得られた細線パターンを有するめっき下地層3上に無電解めっき処理により金属めっき膜5を設ける工程である。
該工程において、導電性高分子微粒子を用いて形成されためっき下地層3は、脱ドープ処理を行った後に、無電解めっき処理により金属めっき膜5が設けられ、また、還元性高分子微粒子を用いて形成されためっき下地層3は、脱ドープ処理を行うことなく無電解めっき処理により金属めっき膜5が設けられる。
特に、導電性高分子微粒子を含むめっき下地層は非常に薄いものであるため、緩和な条件下で短時間のアルカリ処理により脱ドープを達成することが可能である。
例えば、1M 水酸化ナトリウム水溶液中で、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃の温度で、1ないし30分間、好ましくは3ないし10分間処理される。
上記脱ドープ処理により、めっき下地層中に存在する導電性高分子微粒子は、還元性高分子微粒子となる。
即ち、導電性高分子微粒子を用いて形成されためっき下地層については、工程dの後に脱ドープ処理を行った後に、また、還元性高分子微粒子を用いて形成されためっき下地層は工程dの後に脱ドープ処理を行うことなく、パターン状のめっき下地層が形成された基材を、塩化パラジウム等の触媒金属を付着させるための触媒液に浸漬した後、水洗等を行い、無電解めっき浴に浸漬することにより金属めっき膜を設けることができる。
触媒液は、無電解めっきに対する触媒活性を有する貴金属(触媒金属)を含む溶液であり、触媒金属としては、パラジウム、金、白金、ロジウム等が挙げられ、これら金属は単体でも化合物でもよく、触媒金属を含む安定性の点からパラジウム化合物が好ましく、その中でも塩化パラジウムが特に好ましい。
好ましい、具体的な触媒液としては、0.05%塩化パラジウム−0.005%塩酸水溶液(pH3)が挙げられる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、0.1ないし20分、好ましくは、1ないし10分である。
上記の操作により、めっき下地層中の還元性高分子微粒子は、該微粒子上に触媒金属が吸着され、結果的に、導電性の高分子微粒子となる。
めっき液としては、通常、無電解めっきに使用されるめっき液であれば、特に限定されない。
即ち、無電解めっきに使用できる金属、銅、金、銀、ニッケル等、全て適用することができるが、銅が好ましい。
無電解銅めっき浴の具体例としては、例えば、ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)社製)等が挙げられる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、1ないし30分、好ましくは、5ないし15分である。
得られためっき品は、使用した基材のTgより低い温度範囲において、数時間以上、例えば、2時間以上養生するのが好ましい。
形成されるパターン状の金属めっき膜の厚さは、0.1ないし5μmの範囲とするのが好ましく、0.2ないし3μmの範囲とするのがより好ましい。
なお、基材の両面にパターン状の金属めっき膜を形成する場合は、上記工程a〜工程eの操作を繰り返すことにより達成され得る。
製造例1:めっき下地層用塗料の調製
アニオン性界面活性剤ペレックスOT−P(花王(株)製)1.5mmol、トルエン10mL、イオン交換水100mLを加えて20℃に保持しつつ乳化するまで撹拌した。
得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、1時間撹拌し、次いで過硫酸アンモニウム6mmolを加えて2時間重合反応を行った。
反応終了後、有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄して、トルエンに分散した導電性ポリピロール微粒子を得た。ここで得られたトルエン分散液中の導電性ポリピロール微粒子の固形分は、約5.0%であった。尚、導電性ポリピロール微粒子の粒径は、動的光散乱式ナノトラック粒度分布計 UPA−EX250(日機装(株)製))で測定した結果、最大粒径が100nmであった。
ここに、バインダーとしてスーパーベッカミンJ−820(DIC(株)製)を加え、固形分比で導電性ポリピロール微粒子:バインダー樹脂=1:3、かつ固形分が約5.0%となるようにめっき下地層用塗料を調製した。
[工程a]
PETフィルム コスモシャインA4100(東洋紡(株)製)上に、ネガ型感光性レジスト OMR−83(東京応化工業(株)製)をバーコーターにて塗工し、85℃で30分間乾燥して、厚みが3μmの樹脂層を形成した。
ここで、工程aで形成された樹脂層の厚みについて、走査型電子顕微鏡 JSM−6700F(日本電子(株)製)にて樹脂層断面を観察し、任意の10箇所の膜厚を測定し、その膜厚の平均値を「樹脂層の厚み」とし、結果、厚みが3μmであった。なお、実施例2〜6、および比較例1〜6の各「樹脂層の厚み」についても、同様の方法にて測定し、平均値を算出した結果である。
続いて、工程aにて形成された樹脂層上に、製造例1で調製しためっき下地層用塗料をバーコーターにて塗工し、120℃で5分間乾燥して、厚みが100nmのめっき下地層を形成した。
ここで、工程bで形成されためっき下地層の厚みについて、走査型電子顕微鏡 JSM−6700F(日本電子(株)製)にてめっき下地層断面を観察し、任意の10箇所の膜厚を測定し、その膜厚の平均値を「めっき下地層の厚み」とし、結果、厚みが100nmであった。なお、実施例2〜6、および比較例1〜6の各「めっき下地層の厚み」についても、同様の方法にて測定し、平均値を算出した結果である。
続いて、L/S=3μm/300μmの格子パターンを持つフォトマスクを介して、高圧水銀灯にて露光した。
続いて、現像液 OMR(東京応化工業(株)製)に1分間浸漬して現像を行い、パターン状のめっき下地層および樹脂層を形成した。
ここで、工程dで形成されたパターン状のめっき下地層および樹脂層の線幅について、マイクロスコープ SHP200PC3S((株)松電舎製)にて拡大観察して測長した結果、線幅は3.0μmであった。なお、実施例2〜6、および比較例1〜6の各「めっき下地層」および「樹脂層」における線幅についても、同マイクロスコープにて側長した結果である。
続いて、工程dで形成されたパターン状のめっき下地層および樹脂層が形成された基材フィルムを、1M水酸化ナトリウム溶液に35℃で5分間浸漬して表面処理(脱ドープ処理)を行った。
続いて、0.02%塩化パラジウム−0.01%塩酸水溶液に35℃で5分間浸漬後、イオン交換水で水洗した。
続いて、無電解めっき浴ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)に浸漬して、35℃で10分間浸漬し、線幅が3.0μmの銅めっき膜を得た。
ここで、工程eで形成されたパターン状の銅めっき膜(金属めっき膜)の線幅について、マイクロスコープ SHP200PC3S((株)松電舎製)にて拡大観察して測長した結果、線幅は3.0μmであった。なお、実施例2〜6、および比較例1〜6の各「銅めっき膜(金属めっき膜)」における線幅についても、同マイクロスコープにて側長した結果である。
[工程a]において形成する樹脂層の厚みを10μmとし、かつ[工程c]においてL/S=10μm/300μmの格子パターンを持つフォトマスクを介して、高圧水銀灯にて露光した以外は、実施例1と同様の方法にて線幅が10.0μmの銅めっき膜を得た。
[工程a]において形成する樹脂層の厚みを50nmとした以外は、実施例1と同様の方法にて線幅が3.0μmの銅めっき膜を得た。
[工程b]において形成するめっき下地層の厚みを5μmとし、かつ[工程c]においてL/S=10μm/300μmの格子パターンを持つフォトマスクを介して、高圧水銀灯にて露光した以外は、実施例1と同様の方法にて線幅が10.0μmの銅めっき膜を得た。
[工程b]において形成するめっき下地層の厚みを50nmとした以外は、実施例1と同様の方法にて線幅が3.0μmの銅めっき膜を得た。
[工程a’]
PETフィルム コスモシャインA4100(東洋紡(株)製)上に、スーパーベッカミンJ−820(DIC(株)製)をグラビアオフセット印刷機にて、L/S=3μm/300μmの格子パターンで塗工し、120℃で5分間乾燥して、線幅が3μmで厚みが3μmの樹脂層を形成した。
続いて、工程a’にて形成された樹脂層上に、製造例1で調製しためっき下地層用塗料をグラビアオフセット印刷機にて塗工し、120℃で5分間乾燥して、厚みが100nmのめっき下地層を形成した。
続いて、上記工程b’で作成したパターン状のめっき下地層および樹脂層が形成された基材フィルムを、1M水酸化ナトリウム溶液に35℃で5分間浸漬して表面処理(脱ドープ処理)を行った。
続いて、0.02%塩化パラジウム−0.01%塩酸水溶液に35℃で5分間浸漬後、イオン交換水で水洗した。
続いて、フィルムを無電解めっき浴ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)に浸漬して、35℃で10分間浸漬し、線幅が3.0μmの銅めっき膜(金属めっき膜)を得た。
[工程a]において形成する樹脂層の厚みを15μmとし、かつ[工程c]においてL/S=15μm/300μmの格子パターンを持つフォトマスクを介して、高圧水銀灯にて露光した以外は、実施例1と同様の方法にて線幅が15.0μmの銅めっき膜を得た。
[工程a]において形成する樹脂層の厚みを30nmとした以外は、実施例1と同様の方法にて線幅が3.0μmの銅めっき膜を得た。
[工程b]において形成するめっき下地層の厚みを6μmとし、かつ[工程c]においてL/S=10μm/300μmの格子パターンを持つフォトマスクを介して、高圧水銀灯にて露光した以外は、実施例1と同様の方法にて線幅が10.0μmの銅めっき膜を得た。
[工程b]において形成するめっき下地層の厚みを30nmとした以外は、実施例1と同様の方法にて線幅が3.0μmの銅めっき膜を得た。
[工程c]においてL/S=15μm/300μmの格子パターンを持つフォトマスクを介して、高圧水銀灯にて露光した以外は、実施例1と同様の方法にて線幅が15.0μmの銅めっき膜を得た。
[工程a’’]
PETフィルム コスモシャインA4100(東洋紡(株)製)上に、製造例1で調製しためっき下地層用塗料をグラビアオフセット印刷機にて、L/S=3μm/300μmの格子パターンで塗工し、120℃で5分間乾燥して、線幅が3μmで厚みが1μmのめっき下地層を形成した。
続いて、工程a’’にて形成されためっき下地層を、1M水酸化ナトリウム溶液に35℃で5分間浸漬して表面処理(脱ドープ処理)を行った。
続いて、0.02%塩化パラジウム−0.01%塩酸水溶液に35℃で5分間浸漬後、イオン交換水で水洗した。
続いて、フィルムを無電解めっき浴ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)に浸漬して、35℃で10分間浸漬し、線幅が3.0μmの銅めっき膜を得た。
実施例1〜6及び比較例1〜6で得られたパターン状めっき物について、めっき析出性、視認性、密着性、屈曲性の各評価を行い、その結果を表1に示した。なお、評価方法および評価基準は以下の通りとした。
[評価方法]
得られたパターン状めっき物を、10cm×10cm角に切断して試験試料を得た。次に、得られた試験試料の両端にテスターを当てて導通テストを実施した。
[評価基準]
○:めっき時間5分以内で、導通が確認された。
△:めっき時間5分を超えて導通が確認された。
×:めっき後に、導通が確認されなかった。
[評価方法]
自記分光光度計 V−570(日本分光(株)製)にて、300〜800nmにおける平均光線透過率を測定した。
[評価基準]
○:光線透過率が85%を超えた。
△:光線透過率が80〜85%であった。
×:光線透過率が80%未満であった。
[評価方法]
JIS H8504に準じてテープ試験により引き剥がし試験を実施した。
[評価基準]
○:テープ試験で剥離なし。
△:テープ試験で10%未満の剥離あり。
×:テープ試験で10%以上の剥離あり。
[評価方法]
得られたパターン状めっき物を、20cm×10cm角に切断して試験試料を得た。次に、軸径が1cmφで長さが30cmのステンレス製円筒物を準備し、この円筒物外周に得られた試験試料の金属めっき膜が外側となるように巻き付け、続いて、金属めっき膜が内側(円筒物外周側)となるように巻き付け、この操作を1セットとし、この操作を10セット繰り返した。そして、この操作前と、操作後(10セット後)とで試験試料の両端にテスターを当てて導通テストを実施した。
[評価基準]
○:操作前と、操作後の抵抗値変化が10%以内であった。
△:操作前と、操作後の抵抗値変化が10%を超えて25%以内であった。
×:操作前と、操作後の抵抗値変化が25%を超えた。
2:樹脂層
3:めっき下地層
4:マスク
5:金属めっき膜
Claims (1)
- 基材上に、線幅が10μm以下のパターン状樹脂層を設け、該樹脂層上に高分子微粒子を含むめっき下地層を設け、該めっき下地層上に無電解めっき法により金属めっき膜を設けたパターン状めっき物であって、
該樹脂層の厚みが50nm〜10μmであり、
該めっき下地層の厚みが50nm〜5μmであることを特徴とするパターン状めっき物。
Priority Applications (1)
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