JP2013008760A - 回路用導電フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材フィルム上にめっき下地層を設け、めっき下地層上に無電解めっき法により金属めっき膜を設け、金属めっき膜をフォトエッチング処理して基材上にパターン状の金属めっき膜を設けた回路用導電フィルムであって、前記めっき下地層は、複素環を有する化合物、または複素環を有する化合物及び金属塩を含む層であり、前記フォトエッチング処理により金属めっき膜が除去された部分は、基材フィルムの光透過率を100%とした時の値に対して95%以上の光透過率であり、かつ表面粗さRaが50nm以下であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
また、基材フィルム上にめっき下地層を設け、めっき下地層上に無電解めっき法により金属めっき膜を設け、金属めっき膜をフォトエッチング処理して基材上にパターン状の金属めっき膜を設けた回路用導電フィルムの製造方法であって、前記めっき下地層は、
(a)前記基材フィルムを、複素環を有する化合物及び金属塩を含む水溶液に浸漬し、そして引き上げる工程を含む方法、
(b)前記基材フィルムを、複素環を有する化合物を含む水溶液に浸漬し、そして引き上げた基材フィルムを、前記金属塩を含む水溶液に浸漬する工程を含む方法、
(c)前記基材フィルムを、金属塩を含む水溶液に浸漬し、そして引き上げた基材フィルムを、前記複素環を有する化合物を含む蒸気に接触する工程を含む方法、
(d)前記基材フィルムを、複素環を有する化合物と酸化重合剤とドーパントを含む水溶液に浸漬し、そして引き上げた基材フィルムを、脱ドープ処理する工程を含む方法、
上記(a)乃至(d)のいずれか1つの方法により形成されることを特徴とする。
本発明に使用する基材フィルムとしては、光透過性に優れるものであればよく、好ましくは光透過率が85%の樹脂フィルムが用いられ、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、及びポリイミド樹脂からなる光透過率に優れたフィルムが用いられる。
本発明のめっき下地層は、複素環を有する化合物、または複素環を有する化合物および金属塩を含む層である。
(a)前記基材フィルムを、複素環を有する化合物及び金属塩を含む水溶液に浸漬し、そして引き上げる工程を含む方法、
(b)前記基材フィルムを、複素環を有する化合物を含む水溶液に浸漬し、そして引き上げた基材フィルムを、前記金属塩を含む水溶液に浸漬する工程を含む方法、
(c)前記基材フィルムを、金属塩を含む水溶液に浸漬し、そして引き上げた基材フィルムを、前記複素環を有する化合物を含む蒸気に接触する工程を含む方法。
前記各方法は、当業者に既知である手段を利用して行うことができる。
また、基材を、複素環を有する化合物及び金属塩を含む水溶液に浸漬させる工程の処理温度は、10℃〜70℃、好ましくは、25℃〜60℃であり、処理時間は、0.1分〜120分、好ましくは20分〜60分である。
また、基材を、複素環を有する化合物を含む水溶液に浸漬させる工程の処理温度は、20℃〜50℃、好ましくは、25℃〜40℃であり、処理時間は、0.1分〜50分、好ましくは1分〜40分である。
また、基材を、金属塩を含む水溶液に浸漬させる工程における処理温度は、20℃〜50℃、好ましくは、25℃〜40℃であり、処理時間は、0.1分〜50分、好ましくは1分〜40分である。
また、複素環を有する化合物を含む蒸気に接触させる工程における処理温度は、20℃〜50℃、好ましくは、常温であり、処理時間は、0.1分〜40分、好ましくは1分〜30分であり、処理圧力は、常圧若しくは減圧状態であってもよい。
脱ドープ処理としては、還元剤、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素化合物、ジメチルアミンボラン、ジエチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、トリエチルアミンボラン等のアルキルアミンボラン、及び、ヒドラジン等を含む溶液で処理して還元する方法、又は、アルカリ性溶液で処理する方法が挙げられる。
上記(a)乃至(c)の方法でめっき下地層が設けられた基材は、金属を析出させるためのめっき液に浸され、これにより無電解めっき膜が形成される。
めっき液としては、通常、無電解めっきに使用されるめっき液であれば、特に限定されない。すなわち、無電解めっきに使用できる金属としては、例えば、銅、金、銀、ニッケル、及びクロム等、全て適用することができるが、銅が好ましい。無電解めっき浴の具体例としては、具体的には、ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)等が挙げられる。
無電解めっきの処理温度は、20℃〜50℃、好ましくは30℃〜40℃であり、処理時間は10分〜40分、好ましくは15分〜30分である。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、0.1ないし20分、好ましくは、1ないし10分である。
上記の操作により、塗膜中の還元性の高分子微粒子は、結果的に、導電性の高分子微粒子となる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、1ないし30分、好ましくは、5ないし15分である。
得られためっき物は、該塗膜層中の合成樹脂の融点より低い温度において、数時間以上、例えば、2時間以上養生するのが好ましい。
上記方法により得られた金属めっき膜上に感光性レジストをコーティングし、次いで高圧水銀灯を用いてマスク露光、現像を行い、レジストパターンを形成する。続いて、露出した金属めっき膜を塩酸や塩化第二鉄水溶液からなるエッチング液で除去し、更にレジスト層を剥離して、金属めっき膜の線幅が10μm以下の回路パターンを有する回路用導電フィルムを得ることができる。
また、金属めっき膜を除去した部分の透明性が不足している場合、具体的には基材フィルムの光透過率を100%とした時の値に対して95%未満の場合、10%硝酸セリウムアンモニウムと10%硝酸の混合物等のめっき下地層を除去できるエッチング液を使用して、めっき下地層を除去してもよい。
<めっき下地層:(a)基材フィルムを、複素環を有する化合物及び金属塩を含む水溶液に浸漬し、そして引き上げる工程を含む方法>
ピロールモノマー6.5mM、塩化パラジウム水溶液0.25mM、及び塩酸2mMをイオン交換水に加えて、この水溶液を混合した。そして、この混合液へPETフィルム(東洋紡(株)製のコスモシャインA−4100)からなる基材フィルムを30℃で30分間浸漬し、その後、イオン交換水で洗浄し、乾燥させてめっき下地層を形成した。
<無電解めっき>
次に、前記めっき下地層を形成した基材フィルムを、無電解めっき浴:ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)に35℃で20分間浸漬後、イオン交換水で洗浄した。これにより表面に0.3μmの膜厚の銅膜を形成した。
<フォトエッチング>
次に、銅膜上に感光性レジストをコーティングし、次いで高圧水銀灯を用いてマスク露光、現像を行い、レジストパターンを形成した。続いて、露出した銅を塩化第二鉄水溶液からなるエッチング液で除去し、更にレジスト層を剥離して、L/S=5μm/100μmの回路パターンを形成した回路用導電性フィルムを得た。
<めっき下地層:(b)基材フィルムを、複素環を有する化合物を含む水溶液に浸漬し、そして引き上げた基材フィルムを、金属塩を含む水溶液に浸漬する工程を含む方法>
PETフィルム(東洋紡(株)製のコスモシャインA−4100)からなる基材フィルムを、ピロールモノマー0.02Mの水溶液に30℃で10分間浸漬し、イオン交換水で水洗後、乾燥させた。続いて、該基材フィルムを塩化パラジウム水溶液1mM及び塩酸3mMを含む水溶液に30℃で10分間浸漬し、その後、イオン交換水で洗浄し、乾燥させてめっき下地層を形成した。
<無電解めっき>
次に、前記めっき下地層を形成した基材フィルムを、無電解めっき浴 ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)に35℃で20分間浸漬後、イオン交換水で洗浄した。これにより表面に0.3μmの膜厚の銅膜を形成した。
<フォトエッチング>
次に、銅膜上に感光性レジストをコーティングし、次いで高圧水銀灯を用いてマスク露光、現像を行い、レジストパターンを形成した。続いて、露出した銅を塩化第二鉄水溶液からなるエッチング液で除去し、更にレジスト層を剥離して、L/S=5μm/100μmの回路パターンを形成した回路用導電フィルムを得た。
<めっき下地層:(c)基材フィルムを、金属塩を含む水溶液に浸漬し、そして引き上げた基材フィルムを、複素環を有する化合物を含む蒸気に接触する工程を含む方法>
プラズマ処理にて親水化処理を施したPETフィルム(東洋紡(株)製のコスモシャインA−4100)からなる基材フィルムを、塩化パラジウム水溶液1mM及び塩酸3mMを含む水溶液に30℃で30分間浸漬し、その後、イオン交換水で洗浄し、乾燥させた。続いて、ガラスデシケーター内にピロールモノマーのみを入れ、その容器に蓋をして40℃で10分間放置し、容器内でピロールモノマーを気化させた。そして、この容器内に前記基材フィルムを40℃、圧力0.1MPaで5分間放置してポリピロールの気相重合を行った。その後、イオン交換水で洗浄し、乾燥させてめっき下地層を形成した。
<無電解めっき>
次に、前記めっき下地層を形成した基材フィルムを、無電解めっき浴 ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)に35℃で20分間浸漬後、イオン交換水で洗浄した。これにより表面に0.3μmの膜厚の銅膜を形成した。
<フォトエッチング>
次に、銅膜上に感光性レジストをコーティングし、次いで高圧水銀灯を用いてマスク露光、現像を行い、レジストパターンを形成した。続いて、露出した銅を塩化第二鉄水溶液からなるエッチング液で除去し、更にレジスト層を剥離して、L/S=5μm/100μmの回路パターンを形成した回路用導電フィルムを得た。
<めっき下地層:(d)基材フィルムを、複素環を有する化合物と酸化重合剤とドーパントを含む水溶液に浸漬し、そして引き上げた基材フィルムを、脱ドープ処理する工程を含む方法>
ピロールモノマー10mM、過硫酸アンモニウム13mM、p−トルエンスルホン酸ナトリウム6mMをイオン交換水に加えて、この水溶液を混合した。そして、この混合液へPETフィルム(東洋紡(株)製のコスモシャインA−4100)からなる基材フィルムを2℃で30分間浸漬し化学重合させ、その後、イオン交換水で洗浄し、乾燥させて基材フィルム上に導電層を形成した。
続いて、導電層を形成した基材フィルムを脱ドープ処理して還元性にするために、1M水酸化ナトリウム水溶液中に35℃で5分間浸漬し、還元性のめっき下地層を形成した。
<無電解めっき>
次に、前記めっき下地層を形成した基材フィルムを、100ppm塩化パラジウム−0.01M塩酸水溶液中に35℃で10分間浸漬させ、その後、イオン交換水で洗浄した。続いて、無電解めっき浴 ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)に35℃で20分間浸漬し、その後、イオン交換水で洗浄した。これにより表面に0.3μmの膜厚の銅膜を形成した。
<フォトエッチング>
次に、銅膜上に感光性レジストをコーティングし、次いで高圧水銀灯を用いてマスク露光、現像を行い、レジストパターンを形成した。続いて、露出した銅を塩化第二鉄水溶液からなるエッチング液で除去した。
その結果、銅からなる金属めっき膜を除去した部分の光透過率(基材フィルムの光透過率を100%とした時の値に対する数値)が90%であり、透明性が不足していた。そこで、銅を除去し、めっき下地層が露出した部分を10%硝酸セリウムアンモニウムと10%硝酸の混合物からなるエッチング液で除去し、更にレジスト層を剥離して、L/S=5μm/100μmの回路パターンを形成した回路用導電フィルムを得た。
<基材の粗面化>
銅箔の粗化面(Ra=0.59μm)に、PETフィルム(東洋紡(株)製のコスモシャインA−4100)を熱ロールでラミネートを行った。そして、ラミネートした銅箔を塩化第二鉄水溶液で除去し、粗面化したPETフィルムを得た。
<無電解めっき>
粗面化したPETフィルムを、塩化パラジウム0.3g/L、塩化第一錫10g/L、濃硫酸200ml/Lからなる水溶液中に25℃で3分間浸漬し、その後、イオン交換水で洗浄した。続いて、濃硫酸70ml/Lの水溶液中に40℃で3分間浸漬し、その後、イオン交換水で洗浄した。続いて、ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)に35℃で20分間浸漬し、その後、イオン交換水で洗浄した。これにより表面に0.3μmの膜厚の銅膜を形成した。
<フォトエッチング>
次に、銅膜上に感光性レジストをコーティングし、次いで高圧水銀灯を用いてマスク露光、現像を行い、レジストパターンを形成した。続いて、露出した銅を塩化第二鉄水溶液からなるエッチング液で除去し、更にレジスト層を剥離して、L/S=5μm/100μmの回路用導電フィルムを形成した。
<銅張積層板の作製>
ケミットK−1294(東レ(株)製)100重量部、スタフィックス(富士写真フィルム(株)製)20重量部、エピコートEp871(ジャパンエポキシレジン(株)製)50重量部、Ep152(ジャパンエポキシレジン(株)製)50重量部を、モノクロルベンゼンおよびメチルイソブチルケトンの混合溶媒に混合させ、固形分25%の接着剤を作製した。
続いて、作製した接着剤をPETフィルム(東洋紡(株)製のコスモシャインA−4100)へ厚み5μmとなるようにコーティングし、銅箔B−WS(古河電工工業(株)製、Ra=1.2μm)をラミネートし、オーブンにて乾燥させて銅箔積層板を作製した。
<フォトエッチング>
次に、銅膜上に感光性レジストをコーティングし、次いで高圧水銀灯を用いてマスク露光、現像を行い、レジストパターンを形成した。続いて、露出した銅を塩化第二鉄水溶液からなるエッチング液で除去し、更にレジスト層を剥離して、L/S=5μm/100μmの回路用導電フィルムを形成した。
得られた回路用導電フィルムにセロハンテープを貼り付け、剥離することにより金属めっき膜の密着性を評価した。
金属めっき膜の剥離がない :○
金属めっき膜の剥離がある :×
紫外・可視分光分析装置(日本分光(株)製のV−570)を用いて、フォトエッチング処理により金属めっき膜が除去された部分の光透過率を測定した。尚、表1記載の光透過率は、基材フィルムの光透過率を100%とした時の値に対する数値である。
原子間力顕微鏡AFM(セイコーインスツル(株)製のSPA−300)を用いて、フォトエッチング処理により金属めっき膜が除去された部分の表面粗さ:Raを測定した。
Claims (2)
- 基材フィルム上にめっき下地層を設け、めっき下地層上に無電解めっき法により金属めっき膜を設け、金属めっき膜をフォトエッチング処理して基材上にパターン状の金属めっき膜を設けた回路用導電フィルムであって、
前記めっき下地層は、複素環を有する化合物、または複素環を有する化合物及び金属塩を含む層であり、
前記フォトエッチング処理により金属めっき膜が除去された部分は、基材フィルムの光透過率を100%とした時の値に対して95%以上の光透過率であり、かつ表面粗さRaが50nm以下であることを特徴とする回路用導電フィルム。 - 基材フィルム上にめっき下地層を設け、めっき下地層上に無電解めっき法により金属めっき膜を設け、金属めっき膜をフォトエッチング処理して基材上にパターン状の金属めっき膜を設けた回路用導電フィルムの製造方法であって、前記めっき下地層は、
(a)前記基材フィルムを、複素環を有する化合物及び金属塩を含む水溶液に浸漬し、そして引き上げる工程を含む方法、
(b)前記基材フィルムを、複素環を有する化合物を含む水溶液に浸漬し、そして引き上げた基材フィルムを、前記金属塩を含む水溶液に浸漬する工程を含む方法、
(c)前記基材フィルムを、金属塩を含む水溶液に浸漬し、そして引き上げた基材フィルムを、前記複素環を有する化合物を含む蒸気に接触する工程を含む方法、
(d)前記基材フィルムを、複素環を有する化合物と酸化重合剤とドーパントを含む水溶液に浸漬し、そして引き上げた基材フィルムを、脱ドープ処理する工程を含む方法、
上記(a)乃至(d)のいずれか1つの方法により形成されることを特徴とする回路用導電フィルムの製造方法。
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