JP2017208372A - 導電パターンの形成方法および電子デバイスの製造方法 - Google Patents

導電パターンの形成方法および電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バルク金属と同等の導電性を有する導電パターンを、フォトリソ法を用いる場合よりも容易かつ低コストで形成することを可能とする、導電パターンの形成方法および電子デバイスの製造方法を提供する。【解決手段】本発明の導電パターンの形成方法は、基材10の表面10aに、印刷法を用いて、厚さ方向に貫通する凹部11aを有する形状にパターニングされたバンクパターン層11を形成する工程と、凹部11aに、メッキ法を用いて導電膜13を形成する工程と、を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、微細で高品質な導電パターンの形成方法、および、それを利用した電子デバイスの製造方法に関する。
従来、各種電子デバイスの導電回路形成には、レジストパターンニングを利用したフォトエッチング法が用いられている。近年、これまでのフォトエッチング技術を印刷法で置き換える、いわゆるプリンテッドエレクトロニクス(PE)技術が、盛んに検討されている。PEは単純な導電回路形成だけでなく、TFT、RFIDのロジック等のデバイス製造の領域まで拡大しつつある。PEは、フィルム基板などへの回路形成における旧来のフォトエッチング法とくらべ、製造プロセスステップ数が格段に少ないことから、大幅な製造コスト削減を実現でき、また材料の無駄が少ない環境負荷低減技術である。さらに、フレキシブル基板適用により、堅牢性に優れ、薄い、軽い、曲がるといった、これまでの電子デバイスに無い、新たな機能を有する電子デバイスの製造技術として注目されている。
各種印刷技術を用いる、PEによる導電回路製造は、銀や銅の導電インクで用途に応じた導電パターンを形成できるが、これら導電インクの導電性は、バルクの金属と比べ数分の一から一桁近く劣るものであり適用される用途が限定されていた。これらの解決策として、導電パターンまたはメッキシード層パターンを印刷により形成し、これにメッキを成長させて導電回路を形成する方法が提案されている。
例えば、特許文献1、2では、金属の印刷パターン上にメッキ核剤(触媒、メッキシード)のパターンを形成し、これにメッキ法により導電膜を成長させる技術が開示されている。
特許第5652687号公報 特許第5060250号公報 特許第5648232号公報
特許文献1、2に開示されているように、金属の印刷パターンを印刷法で形成し、印刷パターン上にメッキ処理を行う場合、基本的にメッキは縦方向だけでなく横方向にも等方的に広がって成長するため、微細線の形成および導電パターンのラインアンドスペース(L/S)に大きな制限があった。
また、特許文献1、2に開示されている方法では、導電メッキのシード層となる、触媒および印刷された銀インクと基材との密着性が、必ずしも、要求される性能を満たしていなかった。例えば、基板にポリイミドフィルム等のインク密着性に劣る基材を適用する場合、印刷金属パターン上または触媒上へのメッキ成長に伴う応力の発生により、導電パターンが基板から容易に剥がれてしまう問題があった。
また、導電パターンの印刷形成後にメッキ層を形成する先行技術では、所望の導電性を得るために、導電パターンの印刷形成後の加熱工程が必要であり、耐熱性に劣る基材の適用は困難であり、適用できる基材に制限があった。PENフィルム、PCフィルム等の比較的耐熱性が優れた基板への適用においても、インク熱改質によるこれらフィルム基板の変形を完全に抑制することは困難であり、例えば、印刷TFTの製造や基板の裏表に微細導電ラインを形成する一部のタッチパネル用の導電パターン等の正確な導電パターン積層位置精度が要求される電子デバイス形成への適用は困難であった。
さらに、各種印刷、塗布形成に適用される導電インクによって形成される導電パターンの導電性は、インク特性向上を目的として添加されている各種添加物の悪影響により、導電インクに使用されている銀や銅のバルクの導電性と比べ、大幅に劣るものであった。一方、メッキ法による導電性膜は、バルク金属に匹敵する導電性を容易に得ることができる。
また、現行の製造技術であるフォトエッチング法やパターンメッキ法による導電回路の製造においては、レジスト膜形成、露光・現像によるパターン形成、メッキ層形成、エッチングプロセス等多くのプロセス工数が必要であり、これに伴うプロセスコストをいかに低減するかが課題であった。従来のフォトプロセスでは、導電回路が複雑化、微細化、厚膜化するにつれて発生する製造コストアップの低減が困難であった。
配線回路形成に一般的に適用されているフォトエッチング法は、比較的大きな電流に対応した厚膜導電回路形成において、エッチングされる導電パターン形状のレジストパターンへの追従性が悪くなる。また、エッチングが基本的に等方性であることから、銅箔が厚いほどエッチング幅が広がり、結果として厚膜の銅箔のパターンで形成できるL/S(ラインアンドスペース)の最小値に制限があった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、バルク金属と同等の導電性を有する高精細な導電パターンを、薄膜から厚膜まで容易かつ低コストで形成することを可能とする導電パターンの形成方法、および、それを利用した電子デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
[1]基材の表面に、印刷法を用いて、厚さ方向に貫通する凹部を有する形状にパターニングされたバンクパターン層を形成する工程と、前記凹部に、メッキ法を用いて導電膜を形成する工程と、を有することを特徴とする導電パターンの形成方法。
[2]前記導電膜を形成する工程は、前記凹部において露出する前記基材の表面に、メッキ膜形成のためのシード層を形成する工程と、前記シード層上に前記導電膜を成長させる工程と、を順に含んでいることを特徴とする[1]に記載の導電パターンの形成方法。
[3]前記バンクパターン層を形成する工程の前に、前記基材の表面にシード層を形成する工程を有することを特徴とする[1]に記載の導電パターンの形成方法。
[4]前記バンクパターン層の膜表面が撥液性を有していることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一つに記載の導電パターンの形成方法。
[5]前記基材として、表面が親液化されたものを用いることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一つに記載の導電パターンの形成方法。
[6]前記バンクパターン層を、バンクパターン凹部の位置が一致するように、複数回重ねて印刷形成することを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一つに記載の導電パターンの形成方法。
[7]前記印刷法を、反転オフセット印刷法とすることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか一つに記載の導電パターンの形成方法。
[8]前記印刷法を、グラビアオフセット印刷法、スクリーンオフセット印刷法とすることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか一つに記載の導電パターンの形成方法。
[9][1]〜[8]のいずれか一つに記載の導電パターンの形成方法を用いることを特徴とする電子デバイスの製造方法。
本発明の導電パターンの形成方法では、メッキ法によって導電パターンを形成するため、形成された導電パターンは、バルク金属と同等の導電性を有する微細な導電回路を形成することができる。
また、この方法によれば、導電膜が印刷形成されたバンクパターン層の凹部内に形成されることから、メッキ成長に伴う横方向(基材の表面と平行な方向)への広がりを抑制することができる。その結果として、メッキ導電膜を基本的に等方成長させる従来のメッキ法では困難であった、微細な線幅で任意のアスペクト比を有するメッキ導電膜の形成が可能となる。
また、この方法によれば、印刷法によって基板上に形成するバンクパターン層の厚さを変えることにより、サブミクロンの薄膜から数百ミクロンの膜厚の導電メッキ層を容易に形成することができ、用途に応じた線幅と導電性を有する導電膜のパターンを容易に形成することができる。
本発明によれば、導電メッキは、印刷法で形成されたバンク層で囲まれた領域(凹部)に形成される。必要に応じてバンク層の凹部のみに密着層を形成することができ、導電膜の一部または全てが、バンク層の凹部に埋め込まれた形で形成された導電膜との密着性を、容易に高めることができる。メッキ形成基板の折り曲げ等の変形に対しても、メッキのハガレやパターン損傷を抑えることができ、特にフレキシブル導電基板として優れた特性を発揮することができる。
本発明は、バンクパターン層を印刷により形成し、これを利用してメッキ法で導電パターン、さらには導電回路を形成するものであって、それらに要するプロセスは、従来のレジスト膜形成、露光・現像による、いわゆるフォトリソグラフィーでパターン層を形成してメッキ層を形成するパターンメッキ法や、銅箔上にフォトレジストによるパターンニング層を形成して銅箔エッチングで導電回路を形成する、いわゆるフォトエッチング法に比べて、極めて簡便なものとなる。
従って、本発明によれば、導電パターンや導電回路の製造を、従来技術に比べて容易に、かつ低コストで行うことができる。
本発明の電子デバイスの製造方法によれば、種々の電子デバイスの製造や新たな配線接続技術を創造することができる。例えば、反転オフセット印刷によって薄膜(膜厚0.1μm〜数μm)を形成し、且つ微細(バンクパターン層の凹部の線幅:数μm〜数十μm)なバンクパターン層凹部へ導電メッキを形成する技術は、各種プリント配線基板の配線や印刷TFTのゲート、ソース/ドレイン電極および配線の形成やFC−BGA(Flip Chip−Ball Grid Array)、FO−WLP(Fan−out Wafer Level Package)等に代表される半導体パッケージ基板の配線形成や半田メッキによるバンプ形成技術へ適用することができる。また、同技術は、印刷透明帯電防止膜、メタルメッシュ方式の透明導電膜形成にも応用することができる。これらのメタルメッシュは、モバイル携帯機器や各種ディスプレイのタッチパネル形成に、有効に適用することができる。
本発明の電子デバイスの製造方法を用いれば、数μm〜数百μmの厚膜の導電パターンを、任意のL/Sで製造することができる。本発明の電子デバイスの製造方法は、印刷によって直接バンクパターンを形成することを特徴としており、厚膜が要求される場合には、例えば複数回重ね印刷を行うことにより、開口部が実質的に広がることなく所望の凹部深さを得ることができる。従って、印刷形成された凹部へのメッキ層形成により任意の膜厚、アスペクト比、L/Sで厚膜導電パターンを形成することができる。本発明の電子デバイスの製造方法は、従来のフォトエッチング法のように厚膜化につれてエッチング幅が広がり、形成される導電パターンのL/Sの最小値が制限されることがなく、任意のアスペクト比、L/Sで厚膜の導電回路を形成できることから、数アンペアの大きな電流を流すことが要求される信号伝送用基板や、一部電力を送る電力伝送基板用フレキシブルプリント配線基板製造技術として適用することができる。
第一実施形態に係る導電パターンの製造工程を説明する図である。 第二実施形態に係る導電パターンの製造工程を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同じ機能を有する構成には同じ符号を付け、その説明を省略する場合がある。また、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態に係る、導電パターンの形成方法について説明する。図1(a)〜(c)は、導電パターンの形成方法の各工程における、被処理体の断面図である。
(バンクパターン層の形成工程)
まず、図1(a)に示すように、基材10の表面10aに、印刷法を用いて、厚さ方向に貫通する凹部(溝部、開口部)11aを有するバンクパターン層11を形成する。バンクパターン層凹部の形状は、ライン状、ドット状など、いずれの形状であってもよい。図1では、基材の片側の面10aのみにバンクパターン層11aを形成する例を示しているが、バンクパターン層は、基材の両側の面にそれぞれ形成することもできるし、また、必要に応じて基材を貫通させたビアホールで、バンクパターン層凹部の一部を連結できる構造とし、凹部へのメッキ形成に伴い、基板裏表の導電パターンが一部で連結した構造も形成することができる。
基材10の素材、形状、形態についての制限は無く、例えば、ガラス、ガラスエポキシ等のリジッド基板、薄膜ガラス、ステンレス等のる金属フォイル、PEN、PET、PI、PCフィルム、平滑紙等のフレキシブル基板を用いることができる。基材10は、これらの部材のうち一つからなる単層構造であってもよいし、複数の部材を重ねた積層構造であってもよい。基材10は、導電パターンの用途に応じたものを使用することができる。
バンクパターン層形成に使用するインクは、適用する印刷方式に適したインクを適宜選択することができる。また、バンクパターン層形成後のメッキ形成工程で必要となるメッキ液への耐性、および形成された導電回路基板の耐熱性の観点から、インクは架橋硬化型であることが好ましい。インク架橋硬化により形成されたバンクパターン層は、必要に応じて導電メッキ形成後に、オゾンやプラズマ処理により灰化除去するドライプロセスや各種レジスト除去剤による除去等の一般的な方法で除去することができるし、用途によっては残存させてもよい。機能層としてバンクパターン層を残存させる場合には、バンクパターン層に適用する用途に応じた機能を付与することができる。例えば、種電子デバイスの適用においては、電気絶縁性、適切な誘電損失特性、熱伝導特性等の特性を付与することができる。
本発明のバンクパターン層を形成する印刷法として例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、パッド印刷、スクリーン印刷、スクリーンオフセット印刷、グラビアオフセットおよび反転オフセット印刷等の有版印刷方式に加え、インクジェット印刷、ディスペンサー方式等の無版印刷方式も適用することができる。適用する印刷方式については、形成する電子デバイスの種類・用途これに要求されるパターン線幅、膜厚、導電ラインの画線品質及びパターン位置精度等に応じて、好適なものを選択することができる。
例えば、タッチパネル用の透明導電グリッドやTFTの電極及び配線の形成やFO−WLP等の精密実装回路に適用する微細な線幅や正確な印刷積層精度が要求される導電パターンの形成においては、フォトリソ法に匹敵する微細なパターンを形成できる反転オフセット印刷法を好適に適用することが出来る。
また、数百〜1A程度の比較的大きな電流が必要とされ、最小のラインアンドスペース(L/S)として、30μm/30μm程度の微細な導電パターン形成が要求される用途においては、数μm以上の厚膜形成が可能で、且つ優れた印刷位置精度を有するグラビアオフセット印刷好適を適用することができる。
さらに、大きな電流が要求される導電回路形成には厚膜でシャープなラインエッジパターンが形成できるスクリーンオフセット印刷が好適に適用できる。また、厚膜のメッキパターンの形成を可能とする場合には、バンクパターン層の同じ位置に複数回の積層印刷を行うことにより、バンクパターン層の厚さを調整することができる。
本実施形態において、バンクパターン層の膜表面は、撥液性表面を有することが好ましい。また、バンクパターン層の凹部底部の露出したメッキ形成面となる基板面は、親液性であることが好ましい。撥液性表面は、水の接触角が95°以上であることが好ましく、100°以上であればより好ましく、水の接触角が105°以上で且つN−ヘキサデカンの接触角が55°以上であればさらに好ましい。
バンクパターン層膜表面撥液性とし且つバンクパターン凹部底部基板面親液性等の表面特性を有することにより、後述するメッキシード層をバンクパターン凹部内部に形成する際に、メッキシード材料がバンクパターン層凹部底部のみに形成され、バンクパターン層膜上に形成されるのを防ぐことができる。また、バンクパターン層表面が撥液表面を形成することにより、メッキシード材料が親液部分に自動的に形成されるいわゆる自己パターン形成性を付与することができる。これにより、スピンコート法、ディップコート法、スリットダイコート法等の一般的な液体塗工方法により凹部内のみにメッキシード層を形成することができる。また、必要に応じて適用するメッキ密着層形成時においても、バンクパターン層凹部のみに容易に形成することができる。
また、バンクパターン層が撥液性表面であることにより、印刷形成凹部の高さを超えてメッキ層が成長する場合においても、バンクパターン層撥液性表面へメッキの広がりが抑制され、横方向には成長せずに高さ方向に特異的にメッキ層を成長させることができる。バンクパターン層表面の撥液性は、バンクパターン層形成後にフッ素プラズマ処理等の一般的な撥液処理によって得ることもできるが、加熱やUV等のエネルギー線によるインクの硬化とともに表面撥液化するいわゆる撥液性インクを用いて形成する方法がより好ましい。
(導電膜の形成工程)
バンク層形成後に、図1(b)に示すように、基材の表面10aのうち、凹部11aにおいて露出する部分に、メッキシード層12を形成する。ここで、本発明のメッキシード層とは、金属メッキの発現、成長を促す機能層であり、例えば、無電解メッキを成長させる場合にはいわゆる触媒層であり、電解メッキを成長させる場合には、金属メッキを形成するための電流を流すことのできる導電性層を意味する。この導電層は例えば、ナノ銀インクを用い、凹部に導電銀薄膜を形成することにより形成することができる。
大きな電流に対応できる厚膜導電パターンを形成する場合には、メッキシード層が形成された被処理体に対し、無電解メッキを行った上で、さらに電解メッキを行い導電層を厚膜化することもできる。
無電解メッキのシード層の材料(触媒)としては、銅、金、銀、白金、パラジウム、ニッケル、コバルト等の活性金属微粒子等の種々の貴金属やポリアニリンやPEDT−PSSのような導電性樹脂を用いることができる。中でもパラジウム系触媒が最も広く用いられている。被メッキ物に対して適用するこのような金属触媒層の形成方法としては、主に以下の2つの方法が用いられている。
(1)被メッキ物をセンシタイザー溶液(塩化パラジウムの塩酸溶液)に浸漬した後、被
メッキ物上でパラジウム塩を還元してパラジウムコロイド付着体を得る方法(センシター
ザー−アクチベーター法)。
(2)スズ−パラジウム混合コロイド溶液に浸漬して、被メッキ物にコロイドを付着させ
た後、硫酸などの酸性溶液からなるアクセレーター溶液に浸漬して、過剰のスズイオンを
溶解させ、触媒活性を発現させる方法(キャタリスト−アクセラレーター法)。
これら方法は、始めに触媒金属化合物を被メッキ物表面に付着させ、続いて触媒効果を発現する還元金属微粒子へと転換する二段階(付与と活性化)の方法である。
また、これら方法の他、還元操作を必要としない、予め調製した金属ナノ粒子(又は金属コロイド(パラジウムコロイドの他、銀コロイドや銀ナノ粒子、銅ナノ粒子、その他)を被メッキ物に付与してメッキ触媒として使用する方法も適用できる。
また本発明において、特許文献3(特許第5648232号公報)に記載のアニオン性化合物で保護された金属ナノ粒子を、無電解メッキ用触媒として使用することも出来る。
なお、メッキシード層12を形成する前に、基材の表面10aを親液化しておくことが好ましい。基材親液化処理は凹部パターン膜形成前でも形成後でも良く、適用するプロセスに好適なタイミングで実施できる。表面親液性は液体の接触角を測定することにより容易に評価できる、本発明の一実施形態としては、基材の表面の水接触角が30°以下であることが好ましく、20°以下であればさらに好ましい。基材表面が親液性であることによりバンクパターン層凹部において露出する基材の表面10aにメッキシード層12の材料が付着しやすくなる。基材の親液化の方法に制限はなく、例えば、UVオゾン処理、UVオゾンプラズマ処理、水素プラズマ処理、紫外UV処理等の表面親液化処理を施すことができる。
導電メッキ材料としては、例えば、銅、ニッケル、ニッケル−リン、ニッケル−ボロン、金、銀、亜鉛、カドミウム、クロム、スズ、アルミニウム、鉄、コバルト、パラジウム、白金等の一種類以上の各種導電金属を用いることができる。プリント配線基板や半導体パッケージ基板の製造には、安価で比抵抗の小さい銅系金属を用いることが好ましい。
なお、パターニング膜11については、導電パターン形成後に必要に応じて除去してもよい。
以上説明したように、本発明の導電パターンの形成方法では、メッキ法によって導電パターンを形成するため、形成された導電パターンは、バルク金属と同等の導電性を有するものとなる。
本発明によれば、導電膜は印刷形成されたバンク層凹部内に形成されることから、メッキ成長に伴う横方向(基材の表面と平行な方向)への広がりを抑制することができる。その結果として、メッキ導電膜を基本的に等方成長させる従来のメッキ法では困難であった、数μmの微細な線幅で任意のアスペクト比を有するメッキ導電パターンも容易に形成することができる。
また、本発明によれば、メッキ層が、基材の表面においてバンクパターン層凹部に形成される。メッキパターンの基材密着性向上を目的として、メッキ形成前のバンクパターン層凹部の基材表面に密着層を形成することができる。密着層としては、例えば、特許文献1(特許第5652687号公報)に記載されている受容層材料を使用することができる。形成されたメッキ層は密着層の効果よって、メッキ形成基板の折り曲げ等の変形に対して、ハガレやパターン損傷を抑えることができ、特にフレキシブル導電基板として優れた特性を発揮することができる。
また、本発明の方法によれば、基板上に形成するバンク層の膜厚さを変えることにより、サブミクロンの薄膜から数百ミクロンの膜厚の導電メッキ層を容易に形成することができることから用途に応じた線幅と導電性を有する導電膜のパターンを容易に形成することができる。
本発明は、バンクパターン層を印刷により形成し、これを利用して、メッキ法で導電回路を形成することを特徴とする。従来のレジスト膜形成、露光・現像によるパターン形成、銅箔エッチング等の多くのプロセス工数を必要とするパターンメッキ法やフォトエッチング法に比べて、極めて簡便なプロセスで導電回路を形成することができることから、導電回路を容易かつ低コストで形成することができる。
本発明の電子デバイスの製造方法によれば、種々の電子デバイスの製造技術や新たな配線接続技術を創造することができる。例えば、反転オフセット印刷によって薄膜(膜厚0.1μm〜数μm)を形成し、且つ微細線幅(バンク凹部の線幅:数μm〜数十μm)の微細なバンクパターン層凹部への微細なメッキパターンを形成する技術は、各種プリント配線基板の配線や印刷TFTのゲート、ソース/ドレインおよび配線導電パターンの形成やFC−BGA(Flip Chip−Ball Grid Array)、FO−WLP(Fan−out Wafer Level Package)等に代表される半導体パッケージ基板の配線形成や半田メッキによるバンプ形成技術への適用が可能となる。また、同技術は、印刷透明帯電防止膜、メタルメッシュ方式の透明導電膜形成にも応用することができる。これらのメタルメッシュは、モバイル携帯機器や各種ディスプレイのタッチパネル形成に、有効に適用することができる。
また、本発明は、数アンペア(A)の大きな電流を流すことが要求される、信号伝送用および一部電力伝送基板用フレキシブルプリント配線基板製造技術として適用することができる。従来、比較的大きな電流に対応したフレキシブルプリント配線板は、規格化された厚さの銅箔を基材に張り合わせ、不要な部分をエッチングして製造する、いわゆるフォトエッチング法で製造されている。フォトエッチング法は、レジスト膜形成、露光・現像によるレジストパターン形成、エッチングプロセス等の多くのプロセス工数が必要でありまた、エッチングによるパターン形成は、厚膜になるにつれ、レジストパターンの追従性が悪くなり、均一な導電パターン形状の担保が困難となる。また、エッチングが基本的に等方的であることから、銅箔が厚いほどエッチング幅が広がり、結果として厚膜の銅箔のエッチングで形成できるL/S(ラインアンドスペース)の最小値に制限があった。
一方、本発明の電子デバイスの製造方法を用いれば、L/Sの設計値を正確に反映した数μm〜数百μmの厚膜の導電パターンを(導電膜)形成することができる。本発明の電子デバイスの製造方法は、印刷によりバンクパターン層を形成することを特徴としており、厚膜メッキ層が要求される場合には複数回のバンク層重ね印刷を行い、バンク層凹部開口部が実質的に広がることなく所望の凹部深さを有するバンク層を形成できる。バンク層凹部へのメッキ層形成により厚膜導電パターンを形成することができることから、従来のエッチング法のように厚膜化につれて、エッチング幅が広がり、結果として形成される導電パターンのL/Sの最小値が制限されることなく、自在の厚膜導電パターンを形成することができる。
さらに、上述したように、本発明の電子デバイスの製造方法は、従来のフォトエッチング法を用いる場合に比べて、単純なプロセスで製造でき、プロセスコストの大幅な低減を実現できる。このように、本発明の電子デバイスの製造方法は、厚膜の導電膜形成を必要とする比較的大きな電流対応回路基板を製造する場合に、プロセス管理上、製造コスト上の観点から、従来の方法よりも有効な方法である。
<第二実施形態>
本発明の第二実施形態に係る、導電パターンの形成方法について説明する。図2(a)〜(d)は、導電パターンの形成方法の各工程における、被処理体の断面図である。
(パターニング膜の形成工程)
まず、図2(a)に示すように、基材20の表面20aに、メッキシード膜22を形成する。メッキシード膜22の材料および形成方法としては、第一実施形態で挙げた材料および形成方法と同様のものを用いることができる。
次に、印刷法を用いて、図2(b)に示すように、メッキシード膜22上に、厚さ方向に貫通する凹部(溝部、開口部)21aを有する形状を有するバンクパターン層21を形成する。印刷法としては、第一実施形態と同様に、製造する導電回路の用途に応じ、適した印刷法を選択すればよい。
続いて、第一実施形態で挙げた方法と同様にして、図2(c)に示すように、バンク層凹部21a内において露出するメッキシード膜22上に、導電膜23を形成する。
なお、バンクパターン層21については、必要に応じてメッキ導電配線形成後に除去してもよい。バンクパターン層21の除去は、オゾンやプラズマ処理により灰化除去するドライプロセスや各種レジスト除去剤による除去等の一般的な方法で除去することができる。
<第三実施形態>
本発明の第三実施形態に係る、導電パターンの形成方法について説明する。本実施形態の導電パターンの形成方法では、第一または第二実施形態と同様に基材の表面にメッキシード膜を形成するが、バンクパターン層の形成を複数回にわたって行い、バンク層を多層構造とする。各層の凹部の位置が一致するように、同じ形状のパターニング膜を重ねて形成する。この場合、少なくとも、最上層のパターニング膜の表面が撥液化されていることが好ましい。これによりメッキシード膜が凹部外に形成されるのを防ぐことができるし、凹部へのメッキシード層の形成を簡便にできる。
以下、実施例により、本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で、適宜変更して実施することができる。
(実施例1)
(メッキ浴の作成)
蒸留水1Lに、酸化銅(II)10g、エチレンジアミン四酢酸74g、パラホルムアルデヒド5g、2,2’−ピリジン10mg、ポリエチレングリコール(PEG−1000)100mgを溶解させ、水酸化カリウムを用い、浴のPHを12.5に調整した。
(無電界メッキ触媒の調整)
特許文献3に記載の合成例1に則り、下記のように調製した。
<リン酸基を有する化合物と銀ナノ粒子との複合体の合成>
〔リン酸基を有する化合物の合成〕
窒素雰囲気下、反応容器にエタノール210gと2−ブタノン174gを入れ、攪拌しながら75℃に加熱した。ここに、ライトエステルP−1M(共栄社化学株式会社製)600gを、エタノール90gと2−ブタノン90gとの混合溶媒に溶解させた混合溶液を、3.5時間かけて滴下し、重合開始剤「V−59」3g、連鎖移動剤(3−メルカプトプロピオン酸メチル)18gを2−ブタノン30gに溶解させたものを、4.5時間かけて同時に滴下した。反応開始から21時間後に加熱を停止し、室温まで空冷の後、蒸留水300gを添加した。ロータリーエバポレータで溶剤を減圧留去し、蒸留水100gを足して再び減圧留去を行い、残液をポリプロピレンメッシュで濾過して、アニオン性官能基としてリン酸基を有する化合物(X−1)の水溶液を得た(1030g、不揮発分58.8%、酸価488)。当該樹脂(化合物(X−1))のゲルパーミエーション・クロマトグラフィーにより測定された質量平均分子量は5000程度であった。
〔化合物(X−1)と銀ナノ粒子との複合体の水性分散体の合成〕
反応容器に、前記合成で得られたリン酸基を有する化合物(X−1)の水溶液14.6gを、2−ジメチルアミノエタノール31g(0.35mol)、65%硝酸34g(0.35mol)、蒸留水39gの混合物に溶解させたものを入れ、更に150gの硝酸銀を150gの蒸留水に溶解させたものを添加し、最後に2−ジメチルアミノエタノール34.5g(0.39mol)を添加した。反応容器を油浴に浸け、内温50℃で4時間加熱し、茶黒色の分散体を得た。
上記で得られた反応終了後の分散体を、中空糸型UF膜モジュール(ダイセン・メンブレン・システムズ株式会社製、膜面積0.13m)を使用して限外濾過精製を行った。濾液の電気伝導度は最初20mS/cm以上であり、これが10μS/cm以下になったところで限外濾過を終了した。次に、この残渣成分から粗大粒子を除去するために孔径0.45μmのメンブレンフィルタで吸引濾過を行い、銀ナノ粒子との複合体の水性分散体を濾液として得た(1050g、不揮発分8.9%、収率89%)。このときの濾物(粗大粒子)は9.0g(原料の銀換算で8.5%)であった。得られた銀ナノ粒子との複合体の水性分散体濾液を蒸留水で希釈し、不揮発分2%に調整し、無電界メッキ触媒の水分散体を得た。
反転オフセット印刷法、無電解メッキ法を用いて、次のように導電膜の形成を実施した。まず、メッキの基材としてPENフィルム(帝人株式会社製テオネックスQ83、厚さ125μm)を選択し、その表面を、酸素プラズマ処理を行って親液化した。親液化された表面の水接触角は、約12°であった。接触角は協和界面科学(株)製接触角計ドロップマスターDM−501を用いて測定した。
次に、DIC株式会社製のUV硬化型の反転オフセット印刷用撥液インクを用いて、親液化したPENフィルムの上に反転オフセット印刷により、基材表面がバンクパターン層に開口する凹パターン部を除く膜表面の占有率が約90%で、バンクパターン層凹部の幅約5μm、深さ1.5μmのグリッド状のバンクパターン層を形成した。次いで、高圧水銀ランプを用い約1000mJ/cm照射することにより、基材上に転写されたバンク層を架橋硬化させた。得られた硬化膜表面の水接触角は106°でn-ヘキサデカンの接触角は62°であった。
次いで、以下に記載の方法でバンクパターン層凹部にメッキ密着層を形成した。まず、特許文献1(特許第5652号公報)に記載されている合成例1のウレタン系樹脂の水溶液をイソプロピルアルコールにより希釈し樹脂成分が約0.1重量%の溶液を調製した。次いで、先に形成したグリッドパターンが形成されたバンクパターン層上にスピンコートでこの希釈液を塗布し、熱風乾燥機中で乾燥させた。ここで、メッキ密着層となるウレタン系樹脂層は、バンクパターン層凹部底部のPENフィルム上にのみに形成され、撥液表面への膜形成は認められなかった。また、段差計(小坂研究所製ET4000LK)による測定によりバンク層凹部PENフィルム上に形成された該密着層の厚さは約0.1μmであった。
次に、特許文献3(特許第5652687号公報)に記載の方法に則り、先に調製した無電界メッキ触媒となる水分散液をスピンコート法によりバンクパターン層が形成されたPENフィルム上に塗布し、50℃で約10分間の加熱乾燥を行った。顕微鏡観察(OLYMPUS MX61L)により該触媒層はバンク層凹パターンの開口部のみに形成されており、バンクパターン層の撥液膜表面上には形成は認められなかった。
次に、バンクパターン層凹部にメッキシード層が形成されたPEN基板を、先に調製した無電界メッキ浴(60℃)に約15分間浸漬した。
形成された銅メッキ層は、線幅約5μmで深さ約1.5μmのバンクパターン層凹部に、総高さ約1.6μmで形成されており、バンクパターン層の撥液表面への銅メッキの形成は認められなかった。
(実施例2)
グラビアオフセット印刷法、無電解メッキ法を用いて、次のように導電膜の形成を実施した。
メッキの基材として、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製Kapton200H)を選択し、酸素プラズマ処理を行って表面を親液化した。親液化された表面の水接触角は、約8°であった。
次いで実施例1と同様に、スピンコート法によりポリイミド(PI)フィルム上に、実施例1と同じウレタン系樹脂分散液を用いる厚さ約0.1μmの受理層を、均一に形成した。
次に、実施例1で使用したメッキ触媒層を、先に形成したPENフィルム上の受理層上にスピンコート法を用い均一に形成後、乾燥(50℃で約10分間乾燥)した。次に、絶縁インキ(GOINT:DIC株式会社製)を用いて、グラビアオフセット印刷によりこの触媒層を形成したPIフィルム上に、ライン長約5cm、凹部線幅約30μmで深(膜厚)約5μmの短冊状のバンクパターン層を形成し、140℃、30分で架橋硬化させた。
次に、バンクパターン層が形成されたこのPIフィルムを、実施例1と同じメッキ浴(60°に調整)に約70分間浸漬した。
銅メッキはバンクパターン層凹部にのみに形成されて、めっき層の総厚さは約4μmのであった。尚、銅メッキパターンの観察は光学顕微鏡(OLYMPUS MX61L)により行い、また、メッキの厚さは触針式段差計(小坂研究所 ET4000LK)により測定した。
(実施例3)
スクリーンオフセット印刷法、反転オフセット印刷法、無電解メッキ法、および電解メッキ法を用いて、次のように導電膜の形成を実施した。
まず、実施例1で用いたPENフィルムの表面を、酸素プラズマ処理を行って親液化した。親液化された表面の水接触角は、約10°であった。
次に、DIC株式会社製の熱硬化性絶縁インク(SCINT)を用い、スクリーンオフセット印刷による3回の重ね刷りを行い、バンクパターン層凹部底部でPEN基板が露出した、長さ約5cmの短冊状の積層バンクパターン層を印刷形成し、130℃で約30分間の熱処理により架橋硬化させた。
次いで、実施例1と同じDIC株式会社製のUV硬化型反転オフセット印刷用撥液インクを用いて、反転オフセット印刷法により、先に形成したバンクパターン層上に同じパターンの積層印刷を実施し、次いで高圧水銀ランプを約1000mJ/cm照射して架橋硬化させ、バンクパターン層凹部においてPENフィルム基板を露出し、表面が撥液性の積層バンク層を形成した。硬化後のバンク層表面の水接触角は108°で、n−ヘキサデカンの接触角は62°であった。また、印刷形成したバンクパターン層の総膜厚は約35μmであり、PEN基板面が開口する凹パターン幅は約90μmであった。尚、バンク層膜厚および凹パターン幅は、小坂研究所製ET4000LKの触針式段差計により測定した。
次いで、実施例1と同じ方法でバンクパターン層凹部のPENフィルム基板上にウレタン樹脂系密着層を形成した。密着層はバンクパターン層に開口するPENフィルム基板上にのみ形成され、バンクパターン層撥液表面への膜形成は認められなかった。
次に、実施例1と同じ無電解メッキ用触媒を用い、バンクパターン層凹部のPENフィルム表面に、スピンコート法によりメッキ用触媒層を形成した。メッキ用触媒層は、バンクパターン層凹部のみに形成され、撥液性のバンク層表面への形成は認められなかった。
次に、メッキシード層が形成されたPEN基板を、実施例1と同組成の無電界メッキ浴(60°に調整)に約25分間浸漬し、線幅約90μmのバンク層凹部に銅メッキ層(導電膜)を成長させた。銅メッキはバンクパターン層凹部のみに形成されていた。
(電解メッキ)
次に凹部に無電解銅メッキ層が形成されたPEN基板を、清川メッキ工業株式会社製の電解銅メッキ液を用い、当該銅メッキラインに電流を流すことにより、電解銅メッキ層を形成した。形成した銅メッキ層は、バンクパターン層厚より5μm程度高く盛りあがり、総膜厚が約40μmの銅メッキの形成が認められた。形成されたメッキ層は実質凹部パターン上の高さ方向のみに成長し、バンクパターン層撥液性表面への広がりは認められなかった。尚該メッキパターンの観察は実施例1と同様に光学顕微鏡と段差計により実施した。
(比較例1)
反転オフセット印刷法、無電解メッキ法を用いて、次のように導電膜の形成を試みた。
まず、メッキの基材として、PENフィルムを選択し、その表面を、酸素プラズマ処理を行って親液化した。親液化された表面の水接触角は、約12°であった。
次に、反転印刷オフセット印刷用ナノAgインク(RAGT18:DIC(株)製)を用いて、親液化したPENフィルムの表面に対して、反転オフセット印刷を行い、線幅約5μm、厚さ約0.2μmのグリッドパターンを印刷形成し、次いで約150℃、40分間焼成し導電グリッドパターンを形成した。
次に、パターニング膜が形成されたPENフィルムを、メッキキャタリスト浴(奥野製薬工業株式会社製OPC−80)に浸漬し、次いで純水を用いてリンスした。
次に、25℃に調整したアクセレレータ浴(奥野製薬工業株式会社製OPC−555)に、当該PENフィルムを浸漬し、Agの導電グリッドパターン上にメッキシード膜を吸着させた。
次に、当該PENフィルムを、約30℃に調整した無電解銅メッキ浴(奥野製薬工業株式会社製ATSアドカッパー)に浸漬し、メッキシード膜を活性化することにより、導電グリッドパターン上に導電膜を成長させた。
導電膜は、縦方向だけでなく横方向にも等方手に広がって成長し、得られた導電ラインは幅太りしていることが確認された。また、メッキ層の厚膜化が進行するにつれ、PENフィルムからの剥がれが顕著に発生し、2μm以上の厚さの導電膜を得ることができなかった。
本発明は、メタルグリッド透明電極、車載用導電配線、各種ディスプレイ用TFTバックプレーン電極など、あらゆる電子デバイスの製造に広く活用することができる。
10、20・・・基材、10a、20a・・・基材の表面、
11、21・・・バンクパターン層、11a、21a・・・バンクパターン層凹部、
12、22・・・メッキシード膜、13、23・・・導電膜。

Claims (9)

  1. 基材の表面に、印刷法を用いて、厚さ方向に貫通する凹部を有する形状にパターニングされたバンクパターン層を形成する工程と、前記凹部に、メッキ法を用いて導電膜を形成する工程と、を有することを特徴とする導電パターンの形成方法。
  2. 前記導電膜を形成する工程は、前記凹部において露出する前記基材の表面に、メッキ膜形成のためのシード層を形成する工程と、前記シード層上に前記導電膜を成長させる工程と、を順に含んでいることを特徴とする請求項1に記載の導電パターンの形成方法。
  3. 前記バンクパターン層を形成する工程の前に、前記基材の表面にシード層を形成する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の導電パターンの形成方法。
  4. 前記バンクパターン層の膜表面が撥液性を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電パターンの形成方法。
  5. 前記基材として、表面が親液化されたものを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電パターンの形成方法。
  6. 前記バンクパターン層を、バンクパターン凹部の位置が一致するように、複数回重ねて印刷形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電パターンの形成方法。
  7. 前記印刷法を、反転オフセット印刷法とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電パターンの形成方法。
  8. 前記印刷法を、グラビアオフセット印刷法、スクリーンオフセット印刷法とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電パターンの形成方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の導電パターンの形成方法を用いることを特徴とする電子デバイスの製造方法。
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