本発明の一実施形態を図1から図10によって説明する。本実施形態では、ショーケース用扉として、縦型のショーケース10を構成する扉を例示する。なお、以下の説明では、図1における手前側を前側、奥側を後側もしくは背面側、左側を左側、右側を右側とする。また、各図面においては、前後方向をY軸方向、左右方向をX軸方向、上下方向をZ軸方向として図示してある。図1及び図2に示すように、ショーケース10は、例えば冷蔵用として用いられ、縦長の断熱箱体から構成される貯蔵庫本体11(筐体)と、貯蔵庫本体11の下方に配設される機械室12とを備える。貯蔵庫本体11は、図2に示すように、前方に開口する矩形状の開口部11Aを有しており、その開口部11Aは、貯蔵庫本体11内部に設けられた貯蔵室11Bと連通されている。
貯蔵室11Bの内部には、食品や飲料品を冷蔵陳列するための複数の棚板13が上下に離間して並ぶように配設されている。貯蔵庫本体11には、開口部11Aを塞ぐ形で一対のショーケース用扉20A,20Bが取り付けられている。本実施形態では、一対のショーケース用扉20A,20Bが、それぞれヒンジ(図示せず)を介して貯蔵庫本体11に取り付けられており、観音開き形式にスイング開閉するように装着されている。これにより、一対のショーケース用扉20A,20Bを回動させることで、貯蔵室11Bを開閉することができる。
機械室12には、圧縮機、凝縮器、凝縮器ファン等を備える冷凍装置(図示せず)が収容されている。また、機械室12を構成する前面パネル14には、外気を機械室12内に取り込むための吸気口14Aが設けられている。また、機械室12を構成する背面パネル(図示せず)には上記冷凍装置を冷却した後の排熱を排出するための排気口が設けられている。
また、図2に示すように、貯蔵庫本体11の天井壁部11Dの下面には、ドレンパンを兼ねたエアダクト15が設けられている。これにより、エアダクト15と天井壁部11Dによって囲まれた空間が冷却器室11Eとして構成されている。この冷却器室11Eには、冷却器16が収容されている。また、冷却器室11Eにおける前側には吸込口11Fが設けられ、後側には吹出口11Gが設けられている。これにより、吸込口11F及び吹出口11Gを介して冷却器室11Eと貯蔵室11Bとが連通されている。また、吸込口11Fには、冷気循環ファン17が配されている。冷却器16は、機械室12内の冷凍装置と冷媒配管によって循環接続されており、周知の冷凍回路を構成するものとされる。
ショーケース10の冷却運転は、上記冷凍装置および冷気循環ファン17が駆動されることで行われる。冷気循環ファン17が駆動され、貯蔵室11B内の空気が、吸込口11Fから吸い込まれて冷却器室11E内に導かれると、その空気が冷却器16を流通する間に熱交換され、冷気が生成される。生成された冷気が吹出口11G等から貯蔵室11B内に吹出されることで、貯蔵室11B内が冷却される。
また、冷却器16による冷気の生成と同時に機械室12の凝縮器ファンも駆動される。凝縮器ファンの駆動によって、前面パネル14に設けられた吸気口14Aから外気が吸い込まれて機械室12内に導かれると、その外気は、凝縮器や圧縮機の間を流れることでこれらを冷却する。なお、凝縮器や圧縮機を冷却した結果、温められた空気は、図示しない背面パネルに設けられた排気口から排気され、排熱が行われる構成となっている。
次に、ショーケース用扉の構成について説明する。一対のショーケース用扉20A,20Bは、図1に示すように左右対称な形状をなしているものの、それ以外は同じ構成とされる。このため、以下の説明では、図1の右側に配されるショーケース用扉20Aの構成について説明する。ショーケース用扉20Aは、図3に示すように、矩形板状の板状ガラス21と、板状ガラス21の周縁部を全周に亘って挟持する枠体30と、枠体30に取り付けられる取手22と、枠体30における裏側(貯蔵庫本体11側)に取り付けられるドアガスケット23と、を備えている。これにより、板状ガラス21を通して貯蔵室11B内を前方から視認可能とされている。
枠体30は、板状ガラス21の左右の側端部をそれぞれ挟持する一対の縦枠31A,31Aと、板状ガラス21の上端部及び下端部をそれぞれ挟持する一対の横枠31B,31Bと、を備えている。縦枠31A及び横枠31Bは、それぞれ長手状をなしており、隣り合う縦枠31A及び横枠31Bは、L字状をなすコーナージョイント70によって、直角をなすように連結されている。これにより、一対の縦枠31A,31A及び一対の横枠31B,31Bが4つのコーナージョイント70によって矩形枠状をなす形で連結されている。以下の説明では、図3に示すように、4つのコーナージョイント70の各々に符号70A〜70Dを付けて区別するものとする。
また、図3の右側の縦枠31Aに取り付けられたコーナージョイント70A,70Bには孔部82が形成されている。孔部82には、貯蔵庫本体11に設けられたヒンジ(図示しない)が取り付けられる。これにより、ショーケース用扉20Aが貯蔵庫本体11に対して回動可能に取り付けられる構成となっている。また、コーナージョイント70Bの孔部82には、ヒンジカラー24が挿通されており、そのヒンジカラー24を介してヒンジが取り付けられる。なお、コーナージョイント70の詳しい構成については後述する。ドアガスケット23は、枠体30の形状に倣う矩形枠状をなしており、ショーケース用扉20Aを閉じた状態では、貯蔵庫本体11における開口部11Aの開口端部に密着し、枠体30と貯蔵庫本体11の間の隙間を塞ぐ構成となっている。
本実施形態の縦枠31A及び横枠31Bは、材質の異なる2つの枠材(樹脂枠材及び金属枠材)を組み合わせることで構成されている。この構成について、縦枠31Aを例示して説明する。図5は、ショーケース用扉20Aを構成する一対の縦枠31A,31Aのうち、右側に配される縦枠31Aを示す断面図である。なお、図5における下側が前側(庫外側)であり、上側が後側(庫内側)である。また、図5における右側が枠体30の外周側であり、左側が内周側(板状ガラス21側)である。なお、縦枠31A及び横枠31Bは、長さが異なる点以外は基本的には同じ構成である。このため、図6に示す横枠31Bの構成部材についても、縦枠31Aと同じ部材については、同じ符号を付すものとする。
図5に示すように、縦枠31Aは、枠体30の内周部分(板状ガラス21に対して相対的に近い側)を構成すると共に板状ガラス21の周端部を保持する樹脂枠材40と、枠体30の外周部分(板状ガラス21に対して相対的に遠い側)を構成すると共に樹脂枠材40に対して取り付けられる金属枠材50と、を備えている。また、金属枠材50は、縦枠31Aにおける前側(庫外側)の面を主に構成するものとされ、樹脂枠材40は、縦枠31Aにおける後側(庫内側)の面を主に構成するものとされる。樹脂枠材40及び金属枠材50の各々は、図5の紙面貫通方向(縦枠31Aの長手方向)に長い長手状をなし、ほぼ全長に亘って図5の断面形状をなしている。
樹脂枠材40は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂製とされるが、これ以外の合成樹脂によって構成されていてもよい。また、金属枠材50は、例えばアルミ等の金属製とされるが、これ以外の金属材料によって構成されていてもよい。なお、金属枠材50及び樹脂枠材40の各々は、例えば、それぞれ押出成形によって成形された図5の断面形状を有する母材を所定の長さに切断することで製造することができる。
樹脂枠材40は、板状ガラス21の端面21Aと対向配置される対向壁部41と、対向壁部41に設けられ、板状ガラス21の周端部を挟持する一対の挟持壁部42,43と、挟持壁部43(一方の挟持壁部)と共に第1中空部45Aを構成する第1中空部構成壁部45と、を備えている。なお、ここで言う中空部とは、図5のような断面視において閉じた壁部(環状の壁部)の内部に形成された空間のことである。挟持壁部42は、対向壁部41における前側の端部から板状ガラス21側に向かって延びる延設部42Dと、延設部42Dの先端から後方に突出する突起部42Aを有している。挟持壁部43は、対向壁部41における後側の端部から板状ガラス21側に向かって延びる延設部43Dと、延設部43Dの先端から前方に突出する突起部43Aを有している。対向壁部41及び一対の挟持壁部42,43は、板状ガラス21の周端部が嵌合される嵌合凹部を構成するものとされる。
挟持壁部42の突起部42Aは、板状ガラス21に対して前側から当接されている。また、挟持壁部43の突起部43Aは、板状ガラス21に対して後側から当接されている。なお、板状ガラス21を取り付ける前の自然状態では、一対の突起部42A,43Aの対向間隔が板状ガラス21の板厚よりもわずかに小さくなるように設定されている。板状ガラス21の周端部を一対の挟持壁部42,43間に差し込む際には、板状ガラス21に押圧されることで、主に挟持壁部42が弾性的に撓み変形し、一対の突起部42A,43Aの対向間隔が大きくなることで、板状ガラス21の周端部を差し込むことができる。
そして、一対の挟持壁部42,43間に差し込まれた板状ガラス21の周端部は、樹脂枠材40(主に挟持壁部42)の弾性復帰力に起因して一対の突起部42A,43Aによって挟持される構成となっている。言い換えると、一対の突起部42A,43Aは、板状ガラス21に対して隙間なく当接する構成となっている。このように、一対の挟持壁部42,43は、樹脂枠材40が弾性変形することで互いの対向間隔が大きくなることが可能な構成となっている。なお、板状ガラス21の周端部を一対の挟持壁部42,43間に差し込んだ際に、対向壁部41が弾性的に湾曲することで、一対の挟持壁部42,43の対向間隔が大きくなる構成であってもよい。
第1中空部構成壁部45は、挟持壁部43側に開口された断面視コの字状をなし、その開口が挟持壁部42によって塞がれる構成となっている。これにより、第1中空部構成壁部45及び挟持壁部43に略方形状をなす第1中空部45Aが構成されている。
金属枠材50は、第2中空部51Aを構成する断面視方形環状の第2中空部構成壁部51と、挟持壁部42(他方の挟持壁部)における板状ガラス21と反対側の面42Bに当接する当接壁部52と、第2中空部構成壁部51の角部のうち、外周側且つ庫内側に配される角部から庫内側(図5の上側)に延びる延設壁部53と、を備えている。また、延設壁部53の内側の面には、コードヒータ25を係止する係止片部53Aが形成されている。コードヒータ25を比較的熱伝導性が高い金属枠材50に係止させることで、枠体30の庫外側の面に結露が生じる事態を効果的に抑制することができる。
次に、樹脂枠材40と金属枠材50の係止構造について説明する。本実施形態では、樹脂枠材40が備える一対の被係止部46,47に対して金属枠材50が備える一対の係止部56,57が係止する構成となっている。被係止部46(第2被係止部)は、対向壁部41と挟持壁部42によって構成される角部から外周側に突出する形で設けられ、断面視L字状をなしている。被係止部47(第1被係止部)は、挟持壁部43と第1中空部構成壁部45によって構成される角部から外周側に突出する形で設けられ、断面視L字状をなしている。
被係止部46に係止する係止部56(第2係止部)は、第2中空部構成壁部51における内周側の面から内周側に突出する形で設けられ、断面視L字状をなしている。被係止部47に係止する係止部57(第1係止部)は、第2中空部構成壁部51における内周側(図5の左側)の角部から後方に延びる延設壁部58の先端から内周側に突出する形で設けられ、断面視L字状をなしている。このように本実施形態では、樹脂枠材40と金属枠材50の係止部分が、板状ガラス21の角部付近に配される構成となっている。このため、比較的重量の大きい部材である板状ガラス21を比較的剛性の高い係止部分(樹脂枠材40と金属枠材50の係止箇所)で囲むことができ、板状ガラス21をより確実に挟持することができる。なお、係止部56及び被係止部46は、係止部57及び被係止部47に対して前側(庫外側)に配されている。
また、本実施形態では、対向壁部41と第2中空部構成壁部51とが内外方向(ショーケース用扉20Aの内方及び外方に沿う方向、図5ではX軸方向)に隙間を空けて対向配置されている。これにより、対向壁部41、係止部56,57、第2中空部構成壁部51によって第3中空部59Aが構成されている。また、対向壁部41には、係止部57を前側から覆う突出部41Aが形成されている。なお、被係止部47は合成樹脂製であるから、これを弾性変形させることで、突出部41Aと被係止部47の間に、係止部57を差し入れることができる。
また、枠体30においては、樹脂枠材40の第1中空部構成壁部45と、金属枠材50の延設壁部53と、が左右方向に距離を空けて対向配置されている。また、第1中空部構成壁部45における角部には、ドアガスケット23を取り付けるためのガスケット用被係止部45Bが形成され、延設壁部53における後端部には、ガスケット用被係止部53Bが形成されている。
ドアガスケット23は、例えば、軟質樹脂(ウレタンフォーム等)を押出成形することで構成されている。ドアガスケット23は、貯蔵庫本体11と枠体30の間に介在されるガスケット本体部23Aと、ガスケット本体部23Aから前方に突出する挿入部23Bと、を備えている。挿入部23Bは、断面視矢印形状をなし、後方からガスケット用被係止部45B,53Bの間に挿入されている。挿入部23Bにおける内外方向の一端部がガスケット用被係止部45Bに対して前方から係止すると共に、他端部がガスケット用被係止部53Bに対して前方から係止する構成となっている。これにより、ドアガスケット23が縦枠31Aに対して抜け止めされている。また、本実施形態では、ドアガスケット23、延設壁部53、第1中空部構成壁部45の外周側壁部45D、第2中空部構成壁部51の後壁部51Bによって、第4中空部59Bが構成されている。つまり、縦枠31Aは、略方形状をなす4つの中空部45A,51A,59A,59Bを有している。
次に、コーナージョイント70の構成について説明する。図3に示すように、枠体30を構成する縦枠31A,31A及び横枠31B,31B(4本の枠体構成部材)は、板状ガラス21の周囲四辺の各々に沿って、それぞれ延びる長手状をなしている。コーナージョイント70は、隣り合う縦枠31Aと横枠31Bとを直交する形で連結すると共に枠体30の角部を構成するものとされる。本実施形態では、枠体30の4隅の各々に対応して4つのコーナージョイント70が設けられている。4つのコーナージョイント70のうち、左右方向に沿って配列される2つのコーナージョイント70(例えば、コーナージョイント70A,70D)は互いに左右対称の形状をなしており、上下方向に沿って配列される2つのコーナージョイント70(例えば、コーナージョイント70A,70B)は互いに上下対称の形状をなしている。このため、以下の説明では、枠体30における右下の角部を構成するコーナージョイント70Aを例示して説明する。
コーナージョイント70Aは、図4及び図7に示すように、板状をなすジョイント本体部71と、ジョイント本体部71から縦枠31A(隣り合う2本の枠体構成部材のうち、一方の枠体構成部材)に向かって突出される第1被嵌合部75と、ジョイント本体部71から横枠31B(他方の枠体構成部材)に向かって突出される第2被嵌合部78と、を備えている。
ジョイント本体部71は、主に縦枠31Aの端面(より具体的には金属枠材50の端面32A)を覆う機能を担っている。なお、縦枠31Aが有する4つの中空部45A,51A,59A,59Bは、縦枠31Aの長手方向の両側にそれぞれ開口されている。つまり、ジョイント本体部71は、4つの中空部45A,51A,59A,59Bの開口を覆う機能を担っている。図8に示すように、縦枠31Aにおいては、樹脂枠材40の長さが金属枠材50の長さがよりも小さい値で設定されており、樹脂枠材40の端面33Aが金属枠材50の端面32Aに対して縦枠31Aの長手方向における中央側に配されている。また、樹脂枠材40の端面33A及び金属枠材50の端面32Aは、それぞれ縦枠31Aの長手方向と直交する方向に沿って延びる面とされる。
また、横枠31Bにおいては、図7に示すように、樹脂枠材40の長さと金属枠材50の長さが同じ値で設定されており、樹脂枠材40の端面33Bと金属枠材50の端面32Bとが面一となっている。そして、樹脂枠材40の端面33B及び金属枠材50の端面32Bは、それぞれ横枠31Bの長手方向と直交する方向に沿って延びる面とされる。
図4に示すように、ジョイント本体部71における縦枠31A側の板面は、縦枠31Aにおける金属枠材50の端面32A(一方の枠体構成部材における他方の枠体構成部材側の端面)に当接する第1当接面71Aとされる。また、ジョイント本体部71における横枠31B側の側面は、横枠31Bにおける金属枠材50の端面32Bに当接する第2当接面71Bとされる。そして、横枠31Bの端面(樹脂枠材40の端面33B及び金属枠材50の端面32B)は、縦枠31Aの側面(樹脂枠材40の側面34A及び金属枠材50の側面35A、図8参照)に当接するものとされる。つまり、縦枠31Aの端面は、ジョイント本体部71の第1当接面71Aによって覆われており、横枠31Bの端面(他方の枠体構成部材における一方の枠体構成部材側の端面)は、縦枠31Aの側面及びジョイント本体部71の第2当接面71Bによって覆われている。
また、図9に示すように、ジョイント本体部71の第1当接面71Aには、円柱状をなす突起部72が設けられている。突起部72は、図4の破線に示すように、縦枠31Aの樹脂枠材40に向かって突出する形状をなし、その突出端が樹脂枠材40の端面33Aに当接する構成となっている。
また、ジョイント本体部71の第1当接面71Aには、図9に示すように、溝部71D及び溝部71Eが形成されている。図10に示すように、溝部71Dには、コードヒータ25の一部が嵌合されている。また、溝部71Eには、ドアガスケット23(図10において2点鎖線で示す)の挿入部23Bの幅方向における一端が嵌合されている。
枠体30においては、縦枠31A,31A及び横枠31B,31Bにおける4つの第4中空部59Bが連通することで枠体30の全周に亘って延びる環状空間が形成される構成となっており、コードヒータ25やリード線(図示せず)は、この環状空間に配されることで、枠体30の全周に亘って配される構成となっている。なお、コードヒータ25の経路を図4において破線で示す。また、上述したように、縦枠31Aにおいては、樹脂枠材40の端面33Aが金属枠材50の端面32Aに対して縦枠31Aの長手方向における中央側に配されている。これにより、縦枠31Aの第4中空部59Bと横枠31Bの第4中空部59Bとの間に樹脂枠材40が配されることがなく、縦枠31Aの第4中空部59Bと横枠31Bの第4中空部59Bとが連通される構成となっている。
また、コードヒータ25は、第4中空部59Bに収容されている。これにより、ドアガスケット23を取り付ける前の段階であれば、ガスケット用被係止部45B,53Bの間を通じてコードヒータ25を第4中空部59Bに容易に入れることができる。
コーナージョイント70Aの第1被嵌合部75は、図5に示すように、縦枠31Aの第2中空部51A(一方の枠体構成部材が有する中空部)に挿入されている。なお、以下の説明では、縦枠31Aの第2中空部51Aを第2中空部51A1と呼び、横枠31Bの第2中空部51Aを第2中空部51A2と呼んで区別する場合がある。第1被嵌合部75は、図5に示すように、縦枠31Aの第2中空部51A1に嵌合する断面視略L字状をなしている。具体的には、第1被嵌合部75は、第2中空部構成壁部51における4つの内面の各々に当接する構成となっている。これにより、第1被嵌合部75(ひいてはコーナージョイント70A)は、水平方向(図5のXY方向)において、縦枠31Aに対して位置決めされている。
また、第1被嵌合部75及び縦枠31Aの第2中空部構成壁部51には、それぞれ取付孔75D,51Dが形成されている。取付孔75D及び取付孔51Dの双方にビス81Dが挿通されることで、第2中空部51A1を構成する第2中空部構成壁部51に対して第1被嵌合部75が固定されている。この結果、第2中空部51A1に対して第1被嵌合部75が抜け止めされている。また、第1被嵌合部75の突出端部には、図9に示すように、第1被嵌合部75の突出方向に対して傾斜する傾斜面75Aが形成されている。この結果、第1被嵌合部75は、全体として先細りする形状をなしており、第2中空部51A1に容易に挿入することが可能となっている。
コーナージョイント70Aの第2被嵌合部78は、図6に示すように、横枠31Bの第2中空部51A2(他方の枠体構成部材が有する中空部)に挿入されている。第2被嵌合部78は、図9に示すように、第1被嵌合部75の延設方向と直交する方向(図9のX軸方向)に延びる長手状の延設部78Aと、延設部78Aに設けられた2つの突部78Bと、を備えている。延設部78A及び突部78Bは、横枠31Bの第2中空部51A2に嵌合する構成となっている。具体的には、延設部78Aは、第2中空部51A2を構成する第2中空部構成壁部51の内面の一部(図6では下部)に当接する構成となっており、突部78Bは、第2中空部構成壁部51の内面の他部(図6では上部)に当接する構成となっている。つまり、第2被嵌合部78は、第2中空部構成壁部51の4つの内面の各々に当接する構成となっている。これにより、第2被嵌合部78(ひいてはコーナージョイント70A)は、垂直方向及び前後方向において、横枠31Bに対して位置決めされている。また、延設部78A及び横枠31Bの第2中空部構成壁部51には、それぞれ取付孔78E,51Eが形成されている。取付孔78E及び取付孔51Eの双方にビス81Eが挿通されることで、第2中空部51A2に対して第2被嵌合部78が抜け止めされている。
次に本実施形態の効果について説明する。本実施形態によれば、縦枠31Aの端面が、縦枠31Aの長手方向に直交する方向に沿って延びる面とされ、横枠31Bの端面が、横枠31Bの長手方向に直交する方向に沿って延びる面とされる。これにより、例えば、押出成形によって成形した長手状の部材(母材)を切断して縦枠31A及び横枠31Bを製造する際に、端材が生じ難く好適である。なお、仮に、縦枠の端面が、縦枠の長手方向に対して斜め45度をなす傾斜面である場合には、縦枠は台形状となる。このような台形状の縦枠を、長手状の母材を切断することで、成形した場合には、略三角形状の端材が生じることが考えられる。これに対して、本実施形態では、長手状の母材を長手方向と直交する方向に切断することで、縦枠31A(又は横枠31B)の端面を成形することができるから、端材が生じる事態を抑制することができる。
また、縦枠31Aの端面(金属枠材の端面32A)は、コーナージョイント70Aの第1当接面71Aが当接する構成となっており、横枠31Bの端面は、縦枠31Aの側面(側面34A及び側面35A)に当接する構成となっている。この結果、縦枠31Aと横枠31Bと、をそれぞれ位置決めすることができ、縦枠31Aと横枠31Bの境界部分に段差や隙間が生じる事態を抑制することができる。また、縦枠31A及び横枠31Bの端面が露出する事態を抑制することができ、意匠性をより高くすることができる。
また、コーナージョイント70Aにおける第1被嵌合部75及び第2被嵌合部78は、それぞれ金属枠材50の第2中空部51Aに嵌合されている。第2中空部51Aを構成する第2中空部構成壁部51は、金属枠材50のみによって構成されており、枠体30における他の中空部(例えば、樹脂枠材40の第1中空部45A)を構成する壁部に比べて剛性が高い。このため、コーナージョイント70Aをより確実に位置決めすることができる。
また、本実施形態によれば、枠体30の外周部分を金属枠材50で構成することで剛性を確保することができ、枠体30の内周部分を樹脂枠材40で構成することで断熱性をより高くすることができる。また、コーナージョイント70Aは、金属枠材50の端面に当接する第1当接面71Aと、樹脂枠材40の端面33Aに当接する突起部72を備えている。コーナージョイント70Aを金属枠材50と樹脂枠材40の双方に当接させることで、縦枠31Aを構成する金属枠材50と樹脂枠材40とが長手方向において互いに位置ずれする事態を抑制することができる。
なお、本実施形態では、上述したように、枠体30の内部にコードヒータ25(又はリード線)が配される環状空間が形成されている。金属枠材50に対して樹脂枠材40が長手方向に位置ずれすると、この環状空間を塞いでしまうことが懸念される。本実施形態では、金属枠材50と樹脂枠材40とが長手方向において位置決めされることで、このような事態を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、金属枠材50と樹脂枠材40のそれぞれに中空部(第1中空部45A及び第2中空部51A)が設けられている。中空部を設けることで断熱性をより高くすることができる。また、樹脂枠材40と金属枠材50の各々が中空部を構成する中空部構成壁部(第1中空部構成壁部45及び第2中空部構成壁部51)を備えることで剛性をより高くすることができる。
また、板状ガラス21を挟持する一対の挟持壁部42,43は、合成樹脂製であるから容易に弾性変形させることでき、板状ガラス21の組み付けを容易に行うことができると共に、一対の挟持壁部42,43の弾性力によって板状ガラスをより確実に挟持することができる。ここで、挟持壁部43は、第1中空部構成壁部45と共に第1中空部45Aを構成するものとされ、第1中空部構成壁部45には、金属枠材50の係止部57が係止する被係止部47が設けられている。また、挟持壁部42には、金属枠材50の当接壁部52が当接する構成となっている。このため、金属枠材50を備えていない構成と比べて、一対の挟持壁部42,43が変形し難く、板状ガラス21をより確実に挟持することができる。
また、第3中空部59Aを備えることで、断熱性をより一層高くすることができる。また、第3中空部を構成する部材には、係止部57及び係止部56が含まれている。このような係止部は、対応する被係止部に係止することで剛性がより高いものとなる。この結果、第3中空部59Aを構成する壁部の剛性をより高くすることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、貯蔵庫として、冷蔵用のショーケースを例示したが、これに限定されない。貯蔵庫としては、例えば、冷凍用や保温用のショーケース等に適用することができる。
(2)ショーケース用扉の形状や大きさは上記実施形態で例示したものに限定されず適宜変更可能である。例えば、ショーケース用扉として横長な形状や正方形状をなしていてもよい。つまり、ショーケース用扉を構成する板状ガラスや枠体の形状も横長な形状や正方形状をなしていてもよい。また、ショーケースが備えるショーケース用扉の枚数も上記実施形態で例示した枚数に限定されず、適宜変更可能である。
(3)上記実施形態では、枠体30における4つの角部の各々にコーナージョイント70が配されている構成を例示したが、これに限定されない。枠体30において少なくとも1つの角部にコーナージョイント70が配されていればよい。
(4)上記実施形態では、縦枠31A(又は横枠31B)が樹脂枠材40と金属枠材50から構成されているものを例示したが、これに限定されない。縦枠31A(又は横枠31B)が一種類の材質から構成されていてもよい。