JP2017126050A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
複写機1は、記録媒体の一例としての用紙にトナー像を定着させることにより画像を形成する。図1に示すように、複写機1は、制御部10、画像読取部11、作像部12、給紙部13、転写部14、定着部15、排紙部16、及び表示・操作部17等を有している。
ムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、FD、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
なお、以下の説明ではC色トナー、M色トナー、Y色トナー、K色トナーのいずれか一以上のトナーを有色トナーという。それぞれの有色トナーは、顔料や染料等の色材を含有した帯電性をもった樹脂粒子である。
図3は、1次転写部の概略構成を説明する図である。
図3に示すように、例えば、1次転写ローラ144が軸方向両側で支持する構造を有する場合、支持部144aでは、転写ニップでの感光体ドラム122の周面と1次転写ローラ144の周面との間の空隙Gが軸方向中央部144bに比べて小さい。このため、感光体ドラム122と1次転写ローラ144との空隙Gに挟まれる転写材としての中間転写体に対する転写ニップ圧は、1次転写ローラ144の支持部144aが軸方向中央部144bよりも大きい。これにより、1次転写ローラ144の軸方向支持部144aでの1次転写ローラ144と中間転写体との接触面積が広くなって接触抵抗が低くなり、1次転写ローラ144の支持部144aのニップ部分での転写電流値が中央部144bよりも大きい。
図3に示す中間転写ベルトの支持部144aでは、1次転写ローラと中間転写ベルトとの接触面積が中央部144bよりも広くて接触抵抗が中央部144bよりも低い。そのため、1次転写ローラの支持部144aのニップ部分に流れる1次転写電流値は、中央部144bのニップ部分に流れる1次転写電流値よりも高い。このため、トナー付着量に応じて1次転写電流値を制御する転写性プロファイルは、1次転写ローラの支持部144aと中央部144bとで異なる。画像濃度ムラを抑制するために転写電流値を最適化するところ、画像の品質は、通常、中央部分の品質が重視されるので、1次転写ローラの中央部144bにおける転写性プロファイルに基づき最適な1次転写電流値を設定する。
以下、本実施形態の複写機におけるトナー劣化度の検知について詳細に説明する。
次に、上記実施形態の一実施例(以下、本実施例を「実施例1」という。)について説明する。実施例1は、重畳バイアスによる現像におけるパラメータとしてDutyを調整する例である。
図12(a)に示すように、トナー帯電量(q/m)が比較的大きい場合、Dutyを15[%]と大きくしたとき、戻しバイアスが強くなるため、Dutyを10[%]としたものに比べて現像開始電圧が大きくなる。この結果、最大現像ポテンシャルに達したときの使用可能な現像ポテンシャルが小さくなり、かつ現像γは同じであるので、目標トナー付着量を確保できなくなる。一方、図12(b)に示すように、トナー帯電量(q/m)が比較的小さい場合、現像ポテンシャルに対するトナー付着量の変化の傾きである現像γが大きくなる制御を行うので、Dutyを15[%]としたとき、Dutyを10[%]としたものに比べて現像開始電圧が大きくなったとしても、使用可能な現像ポテンシャルは必要な現像ポテンシャルを確保できる。その結果、目標トナー付着量を十分確保できている。よって、トナー劣化によるトナー帯電量(q/m)が比較的小さい場合にそれに応じて重畳バイアスによる現像の現像条件のDutyを大きくしても、トナー付着量は目標値が得られるので画像濃度の低下は抑制できており、上記副作用は起き難くなる。ここで、使用可能な現像ポテンシャルとは、現像ポテンシャル上限値から現像開始電圧を差し引いた電圧値であり、使用可能な現像ポテンシャルにて最低限の目標トナー付着量を確保することが前提条件となる。
次に、上記実施形態の他の実施例(以下、本実施例を「実施例2」という。)について説明する。実施例2は、重畳バイアスによる現像におけるパラメータとして周波数及びDutyを調整する例である。
図13は、実施例2の現像条件の各パラメータを大きくした場合、色むら、Halo、副作用として現像γ、使用可能現像ポテンシャルの挙動を説明する図である。図13に示すように、周波数を上げると、キャリアからトナーが離れやすく、現像ポテンシャルに対するトナー付着量の変化の傾きである現像γが大きくなる。使用可能な現像ポテンシャルは、現像ポテンシャル上限値から現像開始電圧を減算した値で決まる。周波数を上げると現像能力が増大するため、現像開始電圧が比較的小さくなり、使用可能な現像ポテンシャルは増大する。このとき、Dutyを比較的大きくすると、上述したように現像開始電圧が大きくなるため、使用可能現像ポテンシャルは小さくなる。
図14は、本実施形態のトナー劣化度検知処理及び現像条件決定処理を説明するフローチャートである。
図14において、中間転写ベルト上でベタの高画像面積率の第1トナー劣化度検出用トナーパターンと低画像面積率の第2トナー劣化度検出用トナーパターンを作像する(ステップS101)。図11のトナー付着量検出センサ201により、各トナー劣化度検出用トナーパターンの主走査方向(中間転写ベルトの移動方向に対し直交する方向)の複数箇所のトナー付着量をそれぞれ検知する(ステップS102)。第1トナー劣化度検出用トナーパターンと第2トナー劣化度検出用トナーパターンの主走査方向におけるトナー付着量偏差Δの差分を算出する(ステップS103)。算出したトナー付着量偏差Δの差分からトナー帯電量(トナー劣化度)を算出する(ステップS104)。そのトナー帯電量に基づき、重畳バイアスによる現像条件としての、周波数、Duty、Vpp(重畳バイアス電圧の最大値と最小値の差)を決定する(ステップS105)。決定された現像条件に基づいて現像を行うことで、色むらやHaloを良化することができる。
次に、上記実施形態のさらに他の実施例(以下、本実施例を「実施例3」という。)について説明する。実施例3は、算出したトナー劣化度に基づき、転写条件としての1次転写電流の設定値を調整する例である。
図15(a)はトナー帯電量(q/m)が比較的大きい場合1次転写部材の両端部と中央部における1次転写電流の設定値に対するトナー付着量の変化を示すグラフである。図15(b)はトナー帯電量(q/m)が比較的小さい場合1次転写部材の両端部と中央部における1次転写電流の設定値に対するトナー付着量の変化を示すグラフである。
図16に示すように、中間転写ベルト上でベタの高画像面積率の第1トナー劣化度検出用トナーパターンと低画像面積率の第2トナー劣化度検出用トナーパターンを作像する(ステップS201)。そして、図11のトナー付着量検出センサ201により、各トナー劣化度検出用トナーパターンの主走査方向の複数箇所のトナー付着量をそれぞれ検知する(ステップS202)。第1トナー劣化度検出用トナーパターンと第2トナー劣化度検出用トナーパターンの主走査方向におけるトナー付着量偏差Δの差分を算出する(ステップS203)。算出したトナー付着量偏差Δの差分からトナー帯電量(トナー劣化度)を算出する(ステップS204)。そのトナー帯電量(q/m)に基づき、1次転写ローラの転写条件としての1次転写電流の設定値を決定し、決定した1次転写電流の設置値の転写電流を1次転写ローラの転写ニップに供給する(ステップS205)。具体的には、算出したトナー帯電量(q/m)が比較的大きい場合には、1次転写ローラの転写ニップに流す1次転写電流の設定値を高めに設定することで、1次転写電流値に高い相関をもつ1次転写ローラの転写ニップの転写率を高めることできる。一方、算出したトナー帯電量(q/m)が比較的小さい場合には、1次転写ローラの転写ニップに流す1次転写電流の設定値を低めに設定することで、過転写を軽減して主走査方向の画像濃度ムラを小さくすることができる。
次に、上記実施形態のさらに他の実施例(以下、本実施例を「実施例4」という。)について説明する。実施例4は、算出したトナー劣化度に基づき、地肌ポテンシャルを調整する処理を実施する例である。
図17(a)は、トナー帯電量(q/m)が相対的に大きい場合地肌ポテンシャルの設定値に対しかぶり(地汚れ)の変化と中間調画像での白斑点の変化とを示すグラフである。図17(b)は、トナー帯電量(q/m)が相対的に小さい場合地肌ポテンシャルの設定値に対しかぶりの変化と中間調画像での白斑点の変化とを示すグラフである。
なお、像担持体の一様帯電電位(帯電バイアス)の変更によって地肌ポテンシャルを調整する例について説明したが、現像バイアスの変更によって地肌ポテンシャルを調整してもよい。現像バイアスを下げることで地肌ポテンシャルを上げたり、現像バイアスを上げることで地肌ポテンシャルを下げたりすることができる。
図18に示すように、中間転写ベルト上でベタの高画像面積率の第1トナー劣化度検出用トナーパターンと低画像面積率の第2トナー劣化度検出用トナーパターンを作像する(ステップS301)。そして、図11のトナー付着量検出センサ201により、各トナー劣化度検出用トナーパターンの主走査方向の複数箇所のトナー付着量をそれぞれ検知する(ステップS302)。第1トナー劣化度検出用トナーパターンと第2トナー劣化度検出用トナーパターンの主走査方向におけるトナー付着量偏差Δの差分を算出する(ステップS303)。算出したトナー付着量偏差Δの差分からトナー帯電量(トナー劣化度)を算出する(ステップS304)。そのトナー帯電量(q/m)に基づき、帯電バイアスや現像バイアスを変更することで地肌ポテンシャルを調整する(ステップS305)。具体的には、トナー劣化度が相対的に小さくてトナー帯電量(q/m)が相対的に大きい場合には、かぶりの余裕度が高い分、帯電バイアスを比較的低くして地肌ポテンシャルを比較的低くすることで、中間調画像での白斑点の余裕度を確保することができる。一方、トナー劣化度が相対的に大きくてトナー帯電量(q/m)が相対的に小さい場合には、中間調画像での白斑点の余裕度が高い分、帯電バイアスを比較的高くして地肌ポテンシャルを比較的高くすることで、かぶりの余裕度を確保することができる。
(態様A)
感光体ドラム122等の像担持体と、該像担持体上にトナー像を形成する画像形成ユニット120等のトナー像形成手段と、像担持体上のトナー像を中間転写ベルト143等のトナー付着部材上に転写する1次転写ローラ144等の転写手段とを有する複写機1等の画像形成装置において、トナー付着部材上に転写され付着したトナー像のトナー付着量を検出するトナー付着量検出センサ201等のトナー付着量検出手段と、トナー付着量検出手段により検出されたトナー像のトナー付着量に基づきトナー劣化度を算出するよう処理するトナー劣化度算出処理手段とを有し、トナー劣化度算出処理手段は、トナー付着部材の移動方向で異なる箇所に、画像面積率が互いに異なるトナー劣化度検出用トナーパターンのトナー像が転写されるよう、トナー像形成手段を用いてトナー劣化度検出用トナーパターンのトナー像を像担持体上に形成させ、トナー付着量検出手段を用いてトナー劣化度検出用トナーパターンについてトナー付着部材の移動方向に対し直交する方向で異なる箇所のトナー付着量をそれぞれ検出させ、検出したトナー劣化度検出用トナーパターンの複数のトナー付着量からトナー劣化度検出用トナーパターンのトナー付着量の偏差を算出し、算出した複数のトナー劣化検出用トナーパターンのトナー付着量の偏差を比較した結果に基づきトナー劣化度を算出する。
一般に、中間転写体や記録材搬送部材などのトナー付着部材上に像担持体上のトナー像を転写する構成では、トナー付着部材の移動方向(以下、副走査方向という。)に対し直交する方向(以下主走査方向という)で転写ニップ圧ムラが生じることが多い。例えば、転写手段が軸方向両側で支持する転写ローラを有する場合、転写ローラの支持部でのトナー付着部材に対する転写ニップ圧は、中央部よりも高いものとなる。この場合、転写ニップ圧が高い支持部のニップ部分では、像担持体とトナー付着部材との密着性が相対的に高く、接触面積も相対的に広いので、電気抵抗値が中央部のニップ部分よりも相対的に低い。そのため、転写ニップを流れる転写電流は支持部のニップ部分を多く通ることになり、転写ニップ圧が高い支持部のニップ部分において最高の転写率が得られる最適な転写電流値(転写ニップに流す転写電流値)は、転写ニップ圧が低い中央部のニップ部分において最高の転写率が得られる最適な転写電流値よりも低いものとなる。
通常、転写ニップに流す転写電流値は、画像の主走査方向の中央部分を重視して、中央部のニップ部分について最高の転写率が得られる最適な転写電流値の付近に設定する。このとき、転写ニップ圧が高い支持部のニップ部分にとっては、その部分の最適な転写電流値よりも高い転写電流値に設定されることになるので、過転写になる。この過転写とは、転写電流が最適な転写電流値よりも多く流れることでトナーの極性が反転し転写率が低下する状態である。転写ニップに流す転写電流値を、中央部での最適な転写電流値よりも僅かに低く設定して、支持部での最適な転写電流値に近付づけることにより、支持部での過転写の度合いは小さくできる。よって、支持部での転写率は中央部での転写率よりも僅かながら低い程度で済み、主走査方向における画像濃度ムラは抑制される。
ところが、トナー劣化が進みトナー帯電量が低下すると、中央部でも支持部でもその最適な転写電流値が下がる方へそれぞれシフトしていく。この場合でも、当初(トナーが劣化する前)の転写電流の設定値は、中央部での最適な転写電流値よりも僅かに低い値なので、トナー劣化が進んで中央部での最適な転写電流値が徐々に下がっても、当該最適な転写電流値に対してわずかに高い程度の範囲内に収まる。すなわち、トナー劣化が進んでも、転写ニップに流す転写電流の設定値は、中央部では最適な転写電流値の近傍に位置する。よって、中央部において大きな転写率の低下を引き起こすことはない。これに対し、支持部においては、当初の転写電流の設定値がもともと最適な転写電流値よりも僅かに高い値だったので、トナー劣化が進んで当該最適な転写電流値が徐々に下がるほど、当初の転写電流の設定値は、当該最適な転写電流値に対して更に高い値となっていく。そのため、トナー劣化が進むと、支持部においては過転写の度合いが高まり、大きな転写率の低下を引き起こすことになる。この結果、トナー劣化が進むと、支持部と中央部の間での転写率の差が大きくなり、主走査方向の画像濃度ムラ(主走査方向のトナー付着量の偏差)が発生する。
このように、トナー劣化度と主走査方向の画像濃度ムラとの間には相関があるので、主走査方向のトナー付着量の偏差を検知することによりトナー劣化度を求めることが可能である。しかし、主走査方向のトナー付着量の偏差は、トナー劣化度だけではなく、主走査方向の帯電ムラや露光ムラ等によっても起こる可能性がある。そのため、1つのトナー劣化度検出用トナーパターンを形成してそのトナーパターンの主走査方向の複数箇所のトナー付着量を検出して主走査方向のトナー付着量の偏差に基づきトナー劣化度を算出すると、トナー劣化が生じていない場合でも、トナー劣化以外の原因(主走査方向の帯電ムラや露光ムラ等)で主走査方向のトナー付着量の偏差が生じたときにトナー劣化度を誤って算出してしまうおそれがある。
そこで、本態様では、トナー付着部材の副走査方向の異なる箇所に、画像面積率が互いに異なるトナー劣化度検出用トナーパターンのトナー像を付着させ、トナー劣化度検出用トナーパターン(以下、単にトナーパターンという。)の主走査方向で異なる箇所のトナー付着量をそれぞれ検出し、検出した複数のトナー付着量からトナーパターンの偏差を算出する。算出した複数のトナーパターンの偏差を比較する。これは次の理由による。
すなわち、トナーパターンをトナー付着部材に付着させると、転写ニップにおける電気抵抗値はトナーパターンの電気抵抗値分だけ大きくなる。転写バイアスについて定電流制御しており、転写ニップに流れる転写電流値は常に一定であり、転写電圧値は大きくなる。このとき、転写ニップに流れる転写電流は、中央部のニップ部分における電気抵抗値と支持部のニップ部分における電気抵抗値との比率に応じ、中央部のニップ部分と支持部のニップ部分とに分散して流れる。支持部のニップ部分における電気抵抗値は中央部のニップ部分における電気抵抗値よりも低いので、支持部のニップ部分には、中央部のニップ部分を流れる転写電流値よりも大きい転写電流値が流れる。ここで、画像面積率が相対的に大きいトナーパターンをトナー付着部材に付着させた場合、トナー付着量は相対的に多くなり、像担持体とトナー付着部材との間に介在するトナーが多くなる結果、当該トナーによって像担持体から離れる方向へトナー付着部材を押圧する力が大きくなる。このとき、支持部では、この押圧力に抗してトナー付着部材が支持されていることから、支持部の転写ニップ圧は大きく上昇する。これに対し、中央部では、このような支持部によって支持されていないことから、当該押圧力によってトナー付着部材が撓み、これにより転写ニップ圧が逃がされるため、中央部の転写ニップ圧はあまり上昇しない。この結果、支持部の転写ニップ圧は中央部よりも大幅に大きくなるので、支持部のニップ部分における電気抵抗値は、中央部のニップ部分よりも大幅に低くなり、支持部のニップ部分における電気抵抗値と中央部のニップ部分における電気抵抗値との比率が大きくなる。そのため、画像面積率が相対的に大きいトナーパターンにおいては、転写ニップを流れる電流値は一定であっても、支持部のニップ部分は中央部のニップ部分よりも転写電流が流れ易くなる。これにより、支持部のニップ部分では、転写電流値が中央部のニップ部分よりも高くなって過転写が促進され、支持部の転写率が中央部よりも大幅に落ちる。これに対し、画像面積率が相対的に小さいトナーパターンは、これとは逆に、像担持体とトナー付着部材との間に介在するトナーが少ないので、支持部の転写ニップ圧はあまり上昇しない。そのため、支持部の転写ニップ圧と中央部の転写ニップ圧との差は小さいので、支持部のニップ部分における電気抵抗値と中央部のニップ部分における電気抵抗値との比率は、画像面積率が相対的に大きいトナーパターンの場合よりも小さいものとなる。そのため、画像面積率が相対的に大きいトナーパターンの場合よりも、支持部のニップ部分における過転写が促進されることはなく、支持部の転写率が中央部よりも大幅に落ちるようなことはない。以上のように、転写ニップにおける電気抵抗値はトナーパターンの電気抵抗値分だけ大きくなる。これにより、画像面積率が相対的に大きい場合、転写ニップにおける電気抵抗値も相対的に大きくなる。このとき、転写ニップに流れる転写電流値は一定であるので、転写電圧値は相対的に大きくなる。この結果、転写電圧値が大きいと過転写になる。そして、支持部のニップ部分では中央部のニップ部分に比べて、もともと転写率が高く、過転写になり易い。このため、画像面積率が相対的に大きい場合、過転写が促進されて、中央部と支持部のトナー付着量の差が大きくなる。一方、画像面積率が相対的に小さい場合では、転写電圧値が小さいため、支持部のニップ部分での過転写が抑制されるので、中央部と支持部のトナー付着量の差が小さくなる。よって、トナー劣化が進んでトナー帯電量が低下したときに現れる主走査方向のトナー付着量の偏差は、画像面積率が互いに異なるトナーパターンについて主走査方向のトナー付着量の偏差に違いがあらわれる。したがって、画像面積率が互いに異なるトナーパターンについて主走査方向のトナー付着量の偏差を比較することで、トナー劣化以外の原因で主走査方向のトナー付着量の偏差が生じる場合と区別して、トナー劣化によって生じる場合を特定でき、トナー劣化度の誤算出を抑制できる。
(態様A)において、直流電圧に交流電圧を重畳した現像方式の現像手段を有する。
トナー帯電量が相対的に小さい場合、重畳バイアスによる現像の戻しバイアスの効果が小さくなる。このため、白抜けや色むらの防止効果が減る。そこで、本態様によれば、正確に検知したトナー劣化度に応じて戻しバイアスを増大するためDutyを比較的大きくすることで、トナーの戻しバイアス電圧印加時間を長くしてトナーの均し効果を高められる。これにより、画質の悪化を回避しつつ、白抜けや色むらの防止効果を高めることができる。
(態様A)又は(態様B)において、転写手段は、点支持で構成されている。本態様によれば、転写手段の支持部と非支持部にて転写率の差によるトナー付着量偏差が大きく、トナー劣化度を正確に検知することができる。
(態様A)〜(態様C)において、転写手段の転写制御は、定電流制御である。本態様によれば、画像面積率が互いに異なるトナー劣化度検出用トナーパターンに応じてトナー付着量偏差の違いがあらわれ易くなるので、トナー劣化度を正確に検知することができる。
(態様A)〜(態様D)において、トナー像形成手段は、少なくとも、トナー付着部材の移動方向における相対的に同一である位置に、トナー劣化度検出用トナーパターンのトナー像がそれぞれ転写されるようトナー劣化度検出用トナーパターンのトナー像を像担持体上に形成する。本態様によれば、画像面積率が互いに異なるトナー劣化度検出用トナーパターンのトナー付着量偏差を比較することで、各トナー劣化度検出用トナーパターンに応じてトナー付着量偏差の精度を高め、トナー劣化度を正確に検知することができる。
(態様A)〜(態様E)において、転写手段は、軸方向の両側を支持する転写ローラを備え、トナー像形成手段は、少なくとも、トナー付着部材の移動方向に対し直交する方向において転写ローラの中央部と支持部にそれぞれ対応するトナー付着部材の中央部と支持部を含む2箇所以上に、トナー劣化度検出用トナーパターンのトナー像が転写されるようトナー劣化度検出用トナーパターンのトナー像を像担持体上に形成する。本態様によれば、トナー付着部材の中央部と支持部でのトナー付着量偏差が最も大きいことから、トナー付着量差分の検知感度を最大にすることができる。これにより、画像面積率が互いに異なるトナー劣化度検出用トナーパターンに応じてトナー付着量偏差の精度を高められ、トナー劣化度を正確に検知することができる。
(態様A)〜(態様F)において、トナー像形成手段は、トナー劣化度検出用トナーパターンのトナー像をベタ画像で像担持体上に形成する。ベタ画像とハーフトーン画像ではトナー付着量偏差の分布が異なり、画像面積率が互いに異なるトナー劣化度検出用トナーパターンをベタ画像かあるいはハーフトーン画像かに揃える必要がある。ベタ画像は転写電圧が大きくトナー付着量偏差の感度が大きく、トナー付着量偏差の差分の検知感度を最大にすることができる。これにより、画像面積率が互いに異なるトナー劣化度検出用トナーパターンに応じてトナー付着量偏差の精度を高められ、トナー劣化度を正確に検知することができる。
(態様A)〜(態様G)において、トナー劣化度検出手段によって検知されたトナー劣化度に基づき、直流電圧に交流電圧を重畳した現像方式の現像条件を決定する現像条件決定手段を有する。本態様では、現像条件決定手段によってトナー劣化度に基づき現像条件を決定することで、白抜けや色むらの防止効果を安定化することができる。
(態様H)において、直流電圧に交流電圧を重畳した現像方式の現像条件は、重畳バイアスの周波数、重畳バイアス電圧の最大値と最小値の差及びDutyの要素から構成される。本態様では、トナー劣化度に応じて、重畳バイアスの周波数、重畳バイアス電圧の最大値と最小値の差及びDutyの少なくとも1つを調整する。このように重畳バイアスによる現像条件調整の自由度が大きくなる。
(態様A)〜(態様I)において、前記トナー劣化度検出手段によって検知されたトナー劣化度に基づき、前記転写手段の転写条件を決定する転写条件決定手段を有する。
本態様によれば、トナー劣化度算出処理手段によって算出されたトナー劣化度が例えば小さい場合は、転写効率を考慮して転写条件として例えば転写電流の設定値を高めることで、転写電流値に高い相関をもつ転写手段の転写ニップの転写率を高めることできる。逆に、トナー劣化度が例えば大きい場合は、転写電流の設定値を小さくすることで、転写手段の支持部での過転写を軽減して主走査方向の画像濃度ムラ(主走査方向のトナー付着量の偏差)を小さくすることができる。
(態様J)において、前記転写条件決定手段は、前記トナー劣化度算出処理手段によって算出されたトナー劣化度が相対的に小さい場合には前記転写手段の転写電流の設定値を大きくし、トナー劣化度が相対的に大きい場合には前記転写電流の設定値を小さくする。
本態様によれば、トナー劣化度算出処理手段によって算出されたトナー劣化度が相対的に小さくてトナー帯電量が相対的に大きい場合には、転写電流の設定値を大きくしても、転写手段の支持部での過転写の影響は小さい。よって、トナー劣化度が相対的に小さい場合には、転写手段の転写電流の設定値を大きくすることで、転写電流値に高い相関をもつ転写手段の転写ニップの転写率を高めることできる。一方、トナー劣化度が相対的に大きくてトナー帯電量が相対的に小さい場合には、転写手段の転写ニップを流れる転写電流値が小さくなるため、支持部のニップ部分を流れる転写電流値が大きくなり過転写が促進されて主走査方向の画像濃度ムラが大きくなる。よって、トナー劣化度が相対的に大きい場合には、転写手段の転写電流の設定値を小さくすることで、転写手段の支持部での過転写を軽減して主走査方向の画像濃度ムラを小さくすることができる。
(態様A)〜(態様K)において、前記トナー劣化度検出手段によって検知されたトナー劣化度に基づき、前記像担持体の表面の帯電電位と前記現像手段に印加される現像バイアスとの電位差である地肌ポテンシャルを調整する調整処理を実施する制御部10等の制御手段を有し、該制御手段は、前記トナー劣化度検出手段によって検知されたトナー劣化度が相対的に小さい場合には地肌ポテンシャルを比較的小さく調整する調整処理を実行し、当該トナー劣化度が相対的に大きい場合には地肌ポテンシャルを比較的大きく調整する調整処理を実行することを特徴とするものである。
画像形成装置では、地肌ポテンシャルが大きくなるにつれて、かぶり(地汚れ)が発生し難くなる。その一方で、中間調画像でのキャリア付着による白斑点が発生し易くなる。また、トナー劣化度算出処理手段によって算出されたトナー劣化度が相対的に小さくてトナー帯電量が相対的に大きい場合、かぶりの余裕度は大きく、その一方で中間調画像での白斑点の余裕度は小さくなる。中間調画像の現像時に、中間調画像のエッジ効果を付与したことに伴い、エッジ部の電界がエッジ部に対し内側のライン部よりも大きくなる。このとき、トナー劣化度が相対的に小さくてトナー帯電量が相対的に大きいと、キャリアのエッジ部付着が顕著化して中間調画像での白斑点の発生が多くみられる。逆に、トナー劣化度算出処理手段によって算出されたトナー劣化度が相対的に大きくてトナー劣化度が相対的に小さい場合、中間調画像での白斑点の余裕度は大きく、その一方でトナーが地肌部に現像されやすくなってかぶりが多くなり、そのかぶりの余裕度が小さくなる。本態様では、トナー劣化度検出手段によって検知されたトナー劣化度が相対的に小さくてトナー帯電量が相対的に大きい場合には、例えば像担持体の一様帯電電位を比較的低くすることで、地肌ポテンシャルを比較的小さくする。それにより、かぶりの余裕度が大きい分、中間調画像でのエッジ効果に伴うキャリアのエッジ部付着を抑えて中間調画像での白斑点の発生を抑えられ、中間調画像での白斑点の余裕度を確保することができる。逆に、トナー劣化度が相対的に大きくてトナー帯電量が相対的に小さい場合には、例えば像担持体の一様帯電電位を比較的高くすることで、地肌ポテンシャルを比較的大きくする。それにより、中間調画像での白斑点の余裕度が大きい分、かぶりの発生を抑えられ、かぶりの余裕度を確保することができる。
10 制御部
11 画像読取部
12 作像部
13 給紙部
14 転写部
15 定着部
16 排紙部
17 表示・操作部
111 コンタクトガラス
112 読取センサ
120 画像形成ユニット
121 トナー供給部
122 感光体ドラム
123 帯電部
124 露光部
125 現像部
126 除電部
127 清掃部
131 用紙収容部
132 給紙ローラ
133 給紙ベルト
134 レジストローラ
141 駆動ローラ
142 従動ローラ
143 中間転写ベルト
144 1次転写ローラ
145 2次転写ローラ
146 2次対向ローラ
151 搬送ベルト
152 定着ベルト
153 定着ローラ
154 定着ベルト搬送ローラ
155 定着対向ローラ
156 発熱部
161 排紙ベルト
162 排紙ローラ
163 排紙口
164 用紙収容部
171 パネル表示部
172 操作部
201 トナー付着量検出センサ
Claims (12)
- 像担持体と、該像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記像担持体上のトナー像をトナー付着部材に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、
前記トナー付着部材上に転写され付着した前記トナー像のトナー付着量を検出するトナー付着量検出手段と、
該トナー付着量検出手段により検出された前記トナー像のトナー付着量に基づきトナー劣化度を算出するよう処理するトナー劣化度算出処理手段とを有し、
該トナー劣化度算出処理手段は、前記トナー付着部材の移動方向で異なる箇所に、画像面積率が互いに異なるトナー劣化度検出用トナーパターンのトナー像が転写されるよう、前記トナー像形成手段を用いて前記トナー劣化度検出用トナーパターンのトナー像を前記像担持体上に形成させ、前記トナー付着量検出手段を用いて前記トナー劣化度検出用トナーパターンについて前記トナー付着部材の移動方向に対し直交する方向で異なる箇所のトナー付着量をそれぞれ検出させ、検出した前記トナー劣化度検出用トナーパターンの複数のトナー付着量から前記トナー劣化度検出用トナーパターンのトナー付着量の偏差を算出し、算出した複数の前記トナー劣化検出用トナーパターンのトナー付着量の偏差を比較した結果に基づき前記トナー劣化度を算出することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
直流電圧に交流電圧を重畳した現像方式の現像手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記転写手段は、点支持で構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記転写手段の転写制御は、定電流制御であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記トナー像形成手段は、少なくとも、前記トナー付着部材の移動方向における相対的に同一である位置に、前記トナー劣化度検出用トナーパターンのトナー像がそれぞれ転写されるよう前記トナー劣化度検出用トナーパターンのトナー像を前記像担持体上に形成することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記転写手段は、軸方向の両側を支持する転写ローラを備え、
前記トナー像形成手段は、少なくとも、前記トナー付着部材の移動方向に対し直交する方向において前記転写ローラの中央部と支持部にそれぞれ対応する前記トナー付着部材の中央部と支持部を含む2箇所以上に、前記トナー劣化度検出用トナーパターンのトナー像が転写されるよう前記トナー劣化度検出用トナーパターンのトナー像を前記像担持体上に形成することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記トナー像形成手段は、前記トナー劣化度検出用トナーパターンのトナー像をベタ画像で前記像担持体上に形成することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記トナー劣化度検出手段によって検知されたトナー劣化度に基づき、直流電圧に交流電圧を重畳した現像方式の現像条件を決定する現像条件決定手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8記載の画像形成装置において、
直流電圧に交流電圧を重畳した現像方式の現像条件は、重畳バイアスの周波数、重畳バイアス電圧の最大値と最小値の差及びDutyの要素から構成されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記トナー劣化度検出手段によって検知されたトナー劣化度に基づき、前記転写手段の転写条件を決定する転写条件決定手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項10記載の画像形成装置において、
前記転写条件決定手段は、前記トナー劣化度算出処理手段によって算出されたトナー劣化度が相対的に小さい場合には前記転写手段の転写電流の設定値を大きくし、トナー劣化度が相対的に大きい場合には前記転写電流の設定値を小さくすることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記トナー劣化度検出手段によって検知されたトナー劣化度に基づき、前記像担持体の表面の帯電電位と前記現像手段に印加される現像バイアスとの電位差である地肌ポテンシャルを調整する調整処理を実施する制御手段を有し、該制御手段は、前記トナー劣化度検出手段によって検知されたトナー劣化度が相対的に大きい場合には地肌ポテンシャルを比較的小さく調整する調整処理を実施し、当該トナー劣化度が相対的に小さい場合には地肌ポテンシャルを比較的大きく調整する調整処理を実施することを特徴とする画像形成装置。
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