JP2020112608A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】感光ドラムと現像ローラ間の回転周速比が違う複数の画像形成モードにおいても、回転周速比及び暗部電位を適切に取得する。【解決手段】画像形成装置は、現像剤担持体が像担持体に対して第1の周速比で回転し、かつ、第1の暗部電位で像担持体が帯電される第1モードと、現像剤担持体が像担持体に対して第1の周速比よりも大きい第2の周速比で回転し、かつ、第1の暗部電位よりも大きい絶対値の第2の暗部電位で像担持体が帯電される第2モードと、を有し、潜像ユニットの使用量に応じた情報に基づいて第2の暗部電位を取得し、かつ、潜像ユニットの使用量に応じた情報及び現像ユニットの使用量に応じた情報に基づいて第2の周速比を取得する制御部を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式を用いた画像形成装置に関する。
従来から、レーザビームプリンタ等の画像形成装置として、中間転写体の回転方向に像担持体としての感光体ドラムを複数並べた複数の画像形成ステーションから構成されるインラインカラー方式の画像形成装置が知られている。この画像形成装置は、複数の画像形成ステーションにおいて、それぞれの感光ドラム上に作成した静電潜像を、現像手段によりトナー像(現像剤像)に現像し、中間転写体に1次転写する。この工程を、複数の画像形成ステーションで同様に1次転写を繰り返すことで、中間転写体上にフルカラー現像剤像を形成する。続けて、そのフルカラー現像剤像を記録媒体に2次転写し、更に定着手段によりフルカラー現像剤像が記録媒体に定着される。
近年、多岐にわたる市場要望の1つに、より豊かな画像を得ることを目的として、画像濃度の高濃度化や色味の拡大を要望されている。その目的を果たすために、一般的な画像濃度を得るためのモードに加え、感光ドラムと現像ローラの周速比を変化させて高濃度や色味の増大を行うモードを持ち、感光ドラムへの現像剤供給量を増加させ、記録媒体上の現像剤量を増加する技術がある。
特許文献1の画像形成装置は、一般的な画像濃度を得るためのモード(以下、通常モードとする。)と、高濃度や色味の拡大を実現するための感光ドラムと現像ローラの周速比を大きくするモード(以下、LGTモードとする。)を持っている。LGTモードにおいて、現像ローラから感光ドラムに現像した際、現像ローラ上に現像剤を残留させる方法が提案されている。
感光体ドラム上の明部電位(以下、Vlとする。)と、現像ローラに印加される現像バイアス(以下、Vdcとする)で形成される電位コントラスト(以下、現像コントラスト:Vcontとする。)を大きく取ることで、記録媒体上の現像剤量を増加させる。これにより、効果的に高濃度や色味の拡大が実現される。使用履歴、使用環境等を鑑みて、上記各電位を適宜制御することで、良好な画像を得られるが、記録媒体上の現像剤量を増やす場合、感光ドラムや中間転写体、記録媒体に現像剤を転写する際に散りと呼ばれる現像剤飛散が悪化する場合がある。これは、現像する現像剤量を増やすと顕著になってくる現象で、現像部の現像剤が非現像部に崩れてきてしまうために起こる。散りに対しては、一般的に非現像部の暗部電位Vdを下げ、現像部のVdc電位との差(以下、Vbackとする。)を大きくすることで、現像部に現像剤が留まるような電界を強化して良化させることができる。
特開2017−181964号公報
しかしながら、散りを抑制しつつ、記録媒体上の現像剤量を増やして画像濃度の高濃度化や色味の拡大を達成しようとする場合、VbackとVcontを大きくする必要がある。そうすると、Vdをなるべく低くし、VdとVlの間を大きくしなければならない。この時、Vdと感光ドラムの膜厚の関係によっては、感光ドラムのリークや帯電ローラの異常放電が発生してしまう場合があった。このため、あるVdと感光ドラムの膜厚において、Vdを十分低く設定できない場合があり、その結果、記録媒体上の現像剤量を十分確
保できなくなり濃度が低下してしまう、感光体ドラムの残量起因の濃度薄が発生する場合があった。これは、感光ドラムの膜厚が厚い新品のときに特に顕著となる。
また、例えば現像剤の残量により現像ローラ上にコートされた現像剤のトリボ(電荷保持量)とM/S(単位面積当たりのトナー量)が変化するため、記録媒体上の現像剤量が増減してしまうことがあった。記録媒体上の現像剤量が減ると、画像濃度が低下してしまう。これは、例えば現像剤が新しく、トリボが高い、且つ現像剤担持体上のコート量が少ないときに顕著となる。逆に、記録媒体上の現像剤量が増える場合においても、他の画像形成ステーションに対して特定の画像形成ステーションの現像剤量が増えてしまうと、主に2次色の色味が変動してしまい、現像剤の残量起因の濃度薄及び色味変動が発生する場合があった。これは、例えば現像剤が劣化して、トリボが低く現像ローラのコート量が多いときに顕著となる。
上記のような、感光ドラムの残量に依存して発生する濃度薄や現像剤の残量に依存して発生する濃度薄や色味変動は、画像形成装置に対して着脱可能なプロセスカートリッジの形態により、より顕著に発生してしまう。画像形成装置に対して着脱可能なプロセスカートリッジの形態として、感光ドラム及び現像ローラが一体的に画像形成装置に対して着脱可能な一体化構成と、プロセスユニットと現像ユニットとが個別に画像形成装置に対して着脱可能な二体化構成とがある。例えば、一体化構成のプロセスカートリッジよりも、二体化構成のプロセスカートリッジの方が、感光ドラムの残量と現像剤の残量の組み合わせで、濃度薄や色味変動の度合いが特に顕著に悪化してしまう場合があった。
本発明の目的は、このような課題を解決するためである。すなわち、本発明の画像形成装置は、感光ドラムと現像ローラ間の回転周速比が違う複数の画像形成モードを持つ画像形成装置において、回転周速比及び暗部電位を適切に取得可能な技術を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
静電潜像が形成される回転可能な像担持体と、前記像担持体を帯電させる帯電手段と、を有する、画像形成装置の装置本体に着脱可能な潜像ユニットと、
現像剤担持体に担持された現像剤を前記像担持体に供給して前記静電潜像を現像剤像として現像する、前記画像形成装置の装置本体に対して着脱可能な現像ユニットと、
を備え、
前記現像剤担持体が前記像担持体に対して第1の周速比で回転し、かつ、第1の暗部電位で前記像担持体が帯電される第1モードと、前記現像剤担持体が前記像担持体に対して第1の周速比よりも大きい第2の周速比で回転し、かつ、前記第1の暗部電位よりも大きい絶対値の第2の暗部電位で前記像担持体が帯電される第2モードと、を有する画像形成装置であって、
前記潜像ユニットの使用量に応じた情報に基づいて前記第2の暗部電位を取得し、かつ、前記潜像ユニットの使用量に応じた情報及び前記現像ユニットの使用量に応じた情報に基づいて前記第2の周速比を取得する制御部を備えることを特徴とする。
本発明によれば感光ドラムと現像ローラ間の回転周速比が違う複数の画像形成モードを持つ画像形成装置においても、回転周速比及び暗部電位を適切に取得することができる。
実施例1に係る画像形成動作のシーケンス図 実施例1に係る画像形成装置の概略図 実施例1に係るプロセスカートリッジの概略図 記録媒体上のトナー量と濃度との関係図 現像コントラストVcontと濃度との関係図 画像弊害が発生しない暗部電位Vdの最大値とCT膜厚との関係図 暗部電位Vd、明部電位VL及び現像電位Vdcの関係図 CT膜厚と現像電位Vdc/CT膜厚との関係図 CT膜厚と濃度との関係図 現像ユニットの使用量Rdが異なる場合のCT膜厚と濃度との関係図 LGTモード時の残量Ro、使用量Rd及び回転周速比の関係図 実施例1に係る画像形成装置の制御ブロック図 実施例1に係るLGTモード時の耐久濃度の推移を示す図 比較例1に係るLGTモード時の耐久濃度の推移を示す図 比較例2に係るLGTモード時の耐久濃度の推移を示す図 使用環境毎のM/Sの推移を示す図 使用環境毎のQ/Sの推移を示す図 使用環境毎の現像ユニットの使用量Rdと回転周速比の増減量との関係図 実施例2に係る画像形成装置の制御ブロック図 実施例2に係る画像形成動作のシーケンス図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例1>
本実施例の画像形成装置は、2つの画像形成モードを持つ。2つの画像形成モードの1つ目は、通常の画像濃度を得る画像形成モード(以下、通常モードとする。)である。2つの画像形成モードの2つ目は、像担持体上の暗部電位を下げつつ、像担持体としての感光ドラムと現像剤担持体としての現像ローラとの回転周速比を増加し、高濃度や色味の選択範囲の増大を得るための画像形成モード(以下、LGTモードとする。)である。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。尚、本実施例は、負帯電特性を持つトナーを用いて説明する。
<実施例1における画像形成装置及びプロセスカートリッジの構成>
以下、本発明に係るプロセスカートリッジ及び画像形成装置について、電子写真方式を例にとって説明する。図2は、本実施例に係る画像形成装置200の概略断面図である。画像形成装置200は、インライン方式、中間転写方式を採用したフルカラーレーザープリンタである。画像形成装置200は、画像情報に従って、記録媒体(例えば、記録用紙、プラスチックシートなど)にフルカラー画像を形成することができる。画像情報は、画像形成装置200に接続された画像読み取り装置、或いは画像形成装置200に通信可能に接続されたパーンナルコンピュータ等のホスト機器から、画像形成装置200内のエンジンコントローラ214に備えられたCPU215に入力される。
画像形成装置200は、複数の作像部(画像形成部)として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための第1〜第4の画像形成ステーションSY、SM、SC、SKを有する。ここで、画像形成ステーションは、プロセスカートリッジ208と、中間転写ベルト205を介して対向側に配置されている1次転写ローラ212から構成される。本実施例では、画像形成ステーションSY、SM、SC、SKは、鉛直方向と交差する方向に一列に配置されている。尚、本実
施例では、画像形成ステーションSY、SM、SC、SKの構成及び動作は、形成する画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために符号に与えた添え字Y、M、C、Kは省略して、総括的に説明する。
画像形成装置200は、複数の像担持体として、鉛直方向と交差する方向に並設された4個のドラム型の電子写真感光体、即ち、感光ドラム201を有する。感光ドラム201は、図示矢印A方向(時計方向)に図示しない駆動手段(駆動源)により回転駆動される。感光ドラム201の周囲には、感光ドラム201の表面を均―に帯電する帯電手段としての帯電ローラ202が配置されている。感光ドラム201の周囲には、画像情報に基づきレーザー光を照射して感光ドラム201上に静電像(静電潜像)を形成する露光手段としてのスキャナユニット(露光装置)203が配置されている。スキャナユニット203は、各感光ドラム201に対応した数のレーザー217を備える。感光ドラム201の周囲には、静電像をトナー像として現像する現像手段としての現像ユニット(現像装置)204が配置されている。更に、感光ドラム201の周囲には、転写後の感光ドラム201の表面に残ったトナー(転写残トナー)を除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレード206、感光ドラム201上の電位を除電する前露光LED216が配置されている。また、4個の感光ドラム201に対向して、感光ドラム201上のトナー像を記録媒体207に転写するための中間転写体としての中間転写ベルト205が配置されている。
中間転写体としての無端状のベルトで形成された中間転写ベルト205は、全ての感光ドラム201に当接し、図示矢印B方向(反時計方向)に回転する。中間転写ベルト205は、複数の支持部材として、駆動ローラ209、2次転写対向ローラ210、従動ローラ211に掛け渡されている。中間転写ベルト205の内周面側には、各感光ドラム201に対向するように、1次転写手段としての、4個の1次転写ローラ212が並設されている。そして、1次転写ローラ212に、図示しない1次転写バイアス電源から、トナーの正規の帯電極性(前述の通り本実施例では負極性)とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、感光ドラム201上のトナー像が中間転写ベルト205上に転写される。また、中間転写ベルト205の外周面側において2次転写対向ローラ210に対向する位置には、2次転写手段としての2次転写ローラ213が配置されている。そして、2次転写ローラ213に、図示しない2次転写バイアス電源から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、中間転写ベルト205上のトナー像が記録媒体207に転写される。
次に、本実施例の画像形成装置200に装着されるプロセスカートリッジ208の全体構成及び駆動構成を図3に示す。図3は、感光ドラム201の長手方向(回転軸線方向)から見た本実施例のプロセスカートリッジ208の概略断面図である。なお、本実施例では、収容している現像剤の種類(色)を除いて、各色用のプロセスカートリッジ208の構成及び動作は同一である。プロセスカートリッジ208は、画像形成装置200にそれぞれ別体で着脱可能に配置された潜像ユニットとしての感光ドラムユニット301及び現像ユニット204を有する。感光ドラムユニット301は、感光ドラム201と、帯電ローラ202と、クリーニングブレード206と、感光ドラムユニット301内の各種要素を支持する枠体としてのクリーニング枠体303とを備える。クリーニング枠体303には、後述する第1メモリが配置されている。現像ユニット204は、現像ローラ302と、現像ブレード308と、トナー供給ローラ(以下、供給ローラという)304と、トナー収容室306とを備える。トナー収容室306には、後述する第2メモリが配置されている。
感光ドラム201は、図示しない軸受を介してクリーニング枠体303に回転可能に取
り付けられている。感光ドラム201は、図示しない駆動手段(駆動源)としての駆動モータの駆動力が感光ドラムユニット301に伝達されることで、画像形成動作に応じて図示矢印A方向(時計方向)に200mm/secの速度で回転駆動される。感光ドラム201は、Φ30mmのアルミニウム製シリンダの外周面に機能性膜である下引き層、高抵抗層、キャリア発生層、キャリア移送層を順にコーティングした有機感光体を用いている。キャリア移送層は、画像形成動作により削れて消耗していくため、感光ドラムユニット301の寿命に応じた膜厚を形成しなければならない。近年の市場要望を受け、長寿命化を達成するため、本実施例においては、キャリア移送層の膜厚を25μmとする。また、感光ドラムユニット301には、感光ドラム201の周面上に接触するように、クリーニングブレード206及び帯電ローラ202が配置されている。クリーニングブレード206によって感光ドラム201の表面から除去された転写残トナーは、クリーニング枠体303内に落下、収容される。
帯電手段である帯電ローラ202は、芯金と導電性ゴムのローラ部から成り、感光ドラム201に加圧接触することで従動回転する。導電性ゴムはΦ14mmであり、長手幅は330mmである。帯電ローラ202は、クリーニング枠体303に回転可能に支持され、バネにより500gfで感光ドラム201に押し当てられている。異常放電画像抑制及び感光ドラム201のリーク抑制の観点から、導電性ゴムの抵抗値は上限値と下限値を設けている。抵抗の上限値が高すぎると、相対的に放電電流量が低くなり、放電ムラに起因する異常放電画像が出やすくなる。抵抗の下限値が低すぎると、感光ドラム201と帯電ローラ202との接触部で感光ドラム201に強い電界がかかり、アルミシリンダーの微小なささくれや下引き層及び高抵抗層の微小な塗工ムラによりリークが発生する。
本実施例においては、23℃、60%RH環境下で、帯電ローラ202をアルミシリンダーに500gfで当接させる。そして、アルミシリンダーを10rpmで回転させながら帯電ローラ202に−200V印加した際に、1000〜20000μAの電流が流れるような抵抗値を上下限として設定している。
また、さらなる異常放電対策として、導電性ゴム表層に凹凸を形成している。これは、凸部で電界集中部を形成し放電し易くしつつ、仮に異常放電が起こった場合でも、周りにある凹部の電界集中が少なく放電能を相対的に低くすることで、異常放電を抑制するためである。本実施例においては、Rzが10〜20μm、Raが1〜2μmである。尚、上記抵抗や表面粗さは、例えば感光ドラム201の回転速度や電荷移送層の膜厚、前露光LED216の光量、周囲の環境などで画像弊害の発生レベルが変わるため、適宜設定すればよい。帯電ローラ202の芯金には、帯電工程として、感光ドラム201に対して帯電ローラバイアス印加手段としての帯電電圧印加部(高圧電源)401から帯電バイアスとして所定の直流電圧が印加される。これにより感光ドラム201の表面には、一様な暗部電位(Vd)が形成される。前述のスキャナユニット203は、画像データに対応して発光されるレーザー光Lにより、感光ドラム201を露光する。露光された感光ドラム201は、キャリア発生層からのキャリアにより表面の電荷が消失し、電位が低下する。この結果、露光部位は所定の明部電位(Vl)、未露光部位は所定の暗部電位(Vd)となる静電潜像が、感光ドラム201上に形成される。
クリーニングブレード206は、支持板金とゴムチップからなり、支持板金がクリーニング枠体303に固定されている。ゴムチップは、ウォーレス硬度が71度程度であり、感光ドラム201に対して、70g/cmの線圧で圧接されている。
現像ユニット204は、現像剤担持体としての現像ローラ302(回転方向は矢印D方向)、現像ブレード308、供給ローラ304(回転方向は矢印E方向)、トナー305、及びトナー305を格納するトナー収容室306、攪拌部材307を備える。トナー収容室306は、現像室18aと現像剤収容室18bとを有する。現像剤収容室18bは現
像室18aの下方に配置され、現像剤収容室18bの上方に設けられた連通口を介して現像室18aと連通している。トナー305は、モータ駆動部406により駆動される現像剤搬送部材としての攪拌部材307の動き(回転方向は矢印G)によってトナー収納容器内を動く。なお、本実施例では、上述のように、トナー10として正規帯電極性が負極性のものを用いており、以下の説明は、負帯電性トナーを用いた場合を前提としている。ただし、本発明で用いることができるトナーは負帯電性トナーに限定されるものではなく、装置構成によっては正規帯電極性が正極性のトナーを用いてもよい。
現像室18aには、像担持体としての感光ドラム201と接触し、駆動手段としてのモータ駆動部511から駆動力を受けることによって図示矢印D方向に回転する現像ローラ302が設けられている。本実施例では、現像ローラ302と感光ドラム201とは、現像ローラ302が担持するトナー305が感光ドラム201へ供給される部位である対向部(接触部C1)において互いの表面が同方向に移動するようにそれぞれ回転する。また、現像ローラ302には、現像バイアス印加手段としての現像電圧印加部(高圧電源)402から、感光ドラム201上の静電潜像をトナー像(現像剤像)として現像、可視化するのに十分な所定のDCバイアス(現像バイアス)が印加される。
本実施例においては、現像ローラ302には所定のDCバイアスを印加し、現像ローラ302と感光ドラム201とが当接する当接部(接触部)C1にて、その電位差から、明部電位部にのみトナー305を転移させることで静電潜像を顕像化する。すなわち、静電潜像は、トナーを付着させるための第1電位部としての明部電位部と、トナーを付着させないための第2電位部としての暗部電位部とで構成された像である。本実施例では単位面積当たりのトナー量(以下M/Sという)を3.0×10−3[kg/m]、単位面積当たりのトナーの帯電電荷量(以下Q/Sという)を−0.15×10−3[C/m]、トナーコートの長手幅を320mmとする。現像ローラ302上に担持されているトナー305のトリボ(帯電電荷量)は、Q/Sで一定というわけではなく、ある分布を持って存在する。よって、Q/Sは、現像ローラ302に担持された全トナーの持つ平均値的な電荷量という概念である。ここで、供給ローラ304の回転方向は、図3の矢印Eと逆方向でも課題に対して得られる改善効果は変わらない。その為、供給ローラ304の回転方向は、図3の矢印Eと同方向であってもよいし、図3の矢印Eと逆方向であってもよい。
現像室18aにはさらに、供給ローラ304と、トナー量規制部材である現像ブレード308が配置されている。現像剤供給部材としての供給ローラ304は、現像剤収容室18bから搬送されたトナー305を現像ローラ302に供給するためのローラである。供給ローラ304は、導電性芯金の外周に発泡体層を形成した弾性スポンジローラであり、現像ローラ302との対向部において、現像ローラ302の周面上に所定の当接部(接触部)C2を形成して配設されている。そして、モータ駆動部511の駆動力を受けることによって、供給ローラ304は、図示矢印Eの方向に回転する。現像ブレード308は、供給ローラ304によって供給された現像ローラ302上のトナーのコート量規制及び電荷付与を行う。供給ローラ304には、供給バイアス印加手段としての不図示の高圧電源からバイアス(供給バイアス)が印加される。
ここで、現像電圧印加部402、帯電電圧印加部401、供給ローラバイアス電源によって印加されるバイアスは、印刷モード情報取得部70で得られた情報に基づいて制御部101によって制御される。印刷モード情報取得部70は、画像形成装置200の不図示の操作パネルやプリンタドライバ、あるいはホストPCから入力される情報などを取得する。
供給ローラ304によって現像ローラ302に供給されたトナーは、現像ローラ302
の矢印D方向への回転によって、現像ブレード308と現像ローラ302との接触部へ進入する。そして、現像ローラ302に担持されたトナーは、現像ローラ302の表面と規制ブレード8との摺擦により摩擦帯電され、電荷を付与されると同時にその層厚が規制される。規制された現像ローラ302上のトナーは、現像ローラ302の回転により、感光ドラム201との対向部に搬送され、感光ドラム201上の静電潜像をトナー像として現像、可視化する。なお、供給ローラ304と現像ローラ302の回転方向が同方向、すなわち、当接部C2における相対的な移動方向(回転方向)が逆方向となる構成でもよい。
現像ローラ302上の現像領域で現像に使用されずに残留するトナー(現像残トナー)は、現像ローラ302の矢印D方向の回転によって供給ローラ304との当接部C2へ進入する。現像残トナーの一部は、現像ローラ302と供給ローラ304との機械的摺擦及び現像ローラ302と供給ローラ304との間の電位差によって供給ローラ304に回収され、供給ローラ304内のトナー及び周囲のトナーと混合される。一方、現像残トナーのうち供給ローラ304に回収されず現像ローラ302上に残留したトナーは、供給ローラ304との摺擦によって電荷を付与されると同時に、供給ローラ304から新たに供給されたトナーと混合される。
第1メモリは、感光ドラムユニット301に設置された不揮発性メモリm1(以下、Oメモリm1とする。)である。Oメモリm1には、感光ドラム201の回転数などの動作量に係る感光ドラムユニット301の使用量に応じた情報が記憶されている。また製造番号やモデルなど感光ドラムユニット301の種類を特定できる情報が記憶されている。そして、制御部101は、Oメモリm1が持つ情報を元に感光ドラムユニット301がどれだけ使用されたか、どれだけ動作したかの使用に係る量を把握することができる。
感光ドラムユニット301の使用量に応じた情報は、感光ドラム201の累積回転数などの動作量に係る情報や感光ドラム201の累積回転時間に係る情報を含んでもよい。感光ドラムユニット301の使用量に応じた情報は、感光ドラム201の累積回転数又は累積回転時間を感光ドラム201に関する所定値で割った値であってもよい。感光ドラム201に関する所定値は、感光ドラム201の回転数又は回転時間であって、感光ドラム201の寿命に基づいて設定された値である。感光ドラムユニット301の使用量に応じた情報は、感光ドラム201に関する所定値から感光ドラム201の累積回転数又は累積回転時間を減算した値であってもよい。尚、Oメモリm1は、画像形成装置200の制御部101と非接触、または電気接点を介した接触によって通信(情報の書き込み、読取り)可能に構成されている。一旦取り外した感光ドラムユニット301を画像形成装置200の装置本体(以下、画像形成装置本体という。)に再び取り付けた場合であっても、制御部101は、感光ドラムユニット301の使用量に応じた情報を取得することができる。
具体的には、Oメモリm1は、後述の表3に示す暗部電位制御テーブルTcを格納している。
第2メモリは、現像ユニット204に設置された不揮発性メモリm2(以下、DTメモリm2とする。)である。DTメモリm2には、現像ローラ302の回転数やトナーの残量などの現像ユニット204の使用量に応じた情報が記憶されており、制御部101は、DTメモリm2が持つ情報を元に現像ユニット204の使用量Rdを把握することができる。現像ユニット204の使用量に応じた情報は、現像ローラ302の累積回転数、現像ローラ302の累積回転時間、トナー使用量、トナー残量などの情報を含んでもよい。トナー使用量は、現像ユニット204内に収容されたトナーのうち使用されたトナーの量である。トナー残量は、現像ユニット204内に収容されたトナーのうち残っているトナーの量である。使用開始前の現像ユニット204内のトナー量からトナー残量を減算することにより、トナー使用量を求めてもよい。使用開始前の現像ユニット204内のトナー量からトナー使用量を減算することにより、トナー残量を求めてもよい。現像ユニット204の使用量に応じた情報は、現像ローラ302の累積回転数又は累積回転時間を現像ロー
ラ302に関する第1所定値で割った値であってもよい。現像ローラ302に関する第1所定値は、現像ローラ302の回転数又は回転時間であって、現像ローラ302の寿命に基づいて設定された値である。現像ユニット204の使用量に応じた情報は、トナー使用量を使用開始前の現像ユニット204内のトナー量で割った値であってもよい。現像ユニット204の使用量に応じた情報は、トナー残量を使用開始前の現像ユニット204内のトナー量で割った値であってもよい。制御部101は、DTメモリm2に保持された情報をもとに現像ユニット204の使用量に応じた情報を取得することができる。
具体的には、後述の表4に示す回転周速比制御テーブルTdを格納している。尚、DTメモリm2は、制御部101と非接触、又は電気接点を介した接触によって通信(情報の書き込み、読み取り)可能に構成されている。制御部101が現像ユニット204の使用量に応じた情報をDTメモリm2に書き込んでもよいし、画像形成装置本体に設けられた専用プロセッサ等が現像ユニット204の使用量に応じた情報をDTメモリm2に書き込んでもよい。一旦取り外した現像ユニット204を画像形成装置本体に再び取り付けた場合であっても、制御部101は、現像ユニット204の使用量に応じた情報を取得することができる。尚、以下では、現像ユニット204の使用量に応じた情報の一例である現像ユニット204の使用量Rdを用いて説明するが、これに限定されない。
<実施例1における画像形成モード>
本実施例における通常モード及びLGTモードの具体的な制御方法を表1に示す。

[本実施例における通常モードとLGTモードの電位設定と回転周速比]
暗部電位Vdは、帯電ローラ202で感光ドラム201の表面を帯電した後の電位である。表1に示すように、LGTモードは、通常モードにおける暗部電位(第1の暗部電位)よりも大きい絶対値の暗部電位(第2の暗部電位)で感光ドラム201が帯電される。明部電位Vlは、スキャナユニット203で感光ドラム201を露光した後の電位である。現像電位Vdcは、現像ローラ302に印加される電位である。現像コントラストVcontは、明部電位Vlと現像電位Vdcとの差である。潜像コントラストVbackは、暗部電位Vdと現像電位Vdcとの差である。回転周速比は、感光ドラム201の回転周速を1としたときの、現像ローラ302の回転周速比である。具体的には、通常モードにおいて、感光ドラム201の回転周速は200mm/sec、現像ローラ302の回転周速は280mm/secとする。また、LGTモードにおいて、感光ドラム201の回転周速は100mm/sec、現像ローラ302の回転周速は210mm/secとする。LGTモードで感光ドラム201の回転周速を遅くした理由は、記録媒体上のトナー量を増やした場合であっても、良好な定着性を確保するためである。回転周速を変えずに定着性を維持するためには、定着温度を上げれば良いが、必要電力が上がるため、本実施例においては感光ドラム201の回転周速を遅くしている。
次に、LGTモードの利点を説明する。表1に示すように、LGTモードを設定すると、後述する理由により濃度が上がり、色域も増大する。濃度と色域の良化メカニズムは同じなため、今回は濃度の観点で説明する。
LGTモードの濃度が上がるのは、記録媒体上のトナー量が通常モードよりも増えるためである。図4は、記録媒体上のトナー量と濃度との関係である。図4の横軸は、記録媒体上のトナー量であり、図4の縦軸は、定着後の濃度である。トナー量が8.0E−03辺りから、トナー量の上昇が緩やかになるが、トナー量が増えると濃度は増加していく。濃度の増加の傾きが変わる理由は、二つある。理由の一つ目は、感光ドラム201上に形成されるVcontの電界は、トナーが現像されていくに従い弱くなっていくため、現像ローラ302上のトナーを引き寄せる力は低下する。理由の二つ目は、現像ローラ302上のトナーのうち高いトリボを有するトナーから現像され、最後は比較的低いトリボを有するトナーが現像ローラ302上に多く残り、感光ドラム201で形成される引き寄せ電界に関する感度が低下していくためである。上記は、回転周速比が一定の場合に起こる傾向にある。尚、図4における電荷移送層の膜厚は20μm、回転周速比は1.4である。
感光ドラム201の静電容量Cと感光ドラム201上に形成される現像コントラストVcontとからQ=CVの関係で得られる電荷量Qeと、供給されるトナーが持つ電荷量Qtとが釣り合うまで、記録媒体上のトナー量を増やすことができる。感光ドラム201の静電容量Cは、C=ε×S/Dで得られる。ここで、Sは、感光ドラム201と帯電ローラ202との現像当接ニップにおける感光ドラム201の面積であり、Dは感光ドラム201の電荷移送層の膜厚である。
図5は、本実施例における現像コントラストVcontと濃度との関係である。図5の横軸は、現像コントラストVcontであり、図5の縦軸は、濃度である。実線は、回転周速比が1.4である場合の現像コントラストVcontと濃度との関係を示しており、点線は、回転周速比が2.5である場合の現像コントラストVcontと濃度との関係を示している。また、感光ドラム201の電荷移送層の膜厚は、20μmである。通常モードに対して、LGTモードでは現像コントラストVcontが大きいため、記録媒体上のトナー量を増やすことができ、濃度を上げることができる。ただし、回転周速比が1.4である場合、現像コントラストVcontがΔ200Vを超えた時点で濃度が増えなくなる。これは、現像ローラ302上のトナーが全て現像されてしまったため、電荷量が釣り合ってなくても記録媒体上のトナー量が増えていかないためである。そこで、LGTモードでは、回転周速比を2.5に上げている。これにより、図5の点線で示すように、現像コントラストVcontがΔ200Vを超えた場合でも現像コントラストVcontを更に大きくすることで、濃度が1.3から1.7程度まで上昇していく。これは、回転周速比を1.4から2.5に上げたことで、感光ドラム201に供給できるトナー量が増えたためである。
以上のように、LGTモードでは、通常モードよりも、現像コントラストVcontと回転周速比とを上げることで、記録媒体上のトナー量を増やすことができる。その結果、LGTモードでは、濃度を1.3から1.7まで上げることができた。
<実施例1における暗部電位Vdを含む電位の制御>
現像コントラストVcontを上げるためには、一般的に暗部電位Vdを上げて、スキャナユニット203の露光量を増やし、現像電位Vdcを上げることで達成できる。ただし、暗部電位Vdを上げ過ぎると画像弊害が発生してしまうことが分かった。図6は、画像弊害が発生しない暗部電位Vdの最大値と感光ドラム201の電荷移送層の膜厚(以下、CT膜厚とする。)との関係を示している。図6の横軸は、CT膜厚[μm]であり、図6の縦軸は、暗部電位Vd[V]である。図6の実線で区切られた領域(1)〜(3)において、下記の理由により印加可能な暗部電位が異なっている。
領域(1)では、暗部電位Vdを上げると、記録媒体の一面に細かい白粒画像が発生する場合があった。この領域(1)では、感光ドラム201の駆動量が少なく、CT膜厚があまり削られていない状態である。CT膜厚が厚いと、感光ドラム201の電荷容量Cが
大きくなるため、所望の暗部電位Vdを得る際の帯電ローラ202からの放電電流量は、Q=CVの関係から小さくなる。放電電流量が小さくなると、帯電ローラ202の回転方向下流側において異常放電が発生する場合があることが分かった。異常放電は、凹部の電界が集中し無いところでは放電せず、凸部の電界が高い部分で放電が起こり、放電できる領域が相対的に減るにも関わらず放電電流量は変わらないため、凸部で局所的に大電流が流れ暗部電位Vdが上がる。一方、凹部は放電しないので、暗部電位Vdは低いままとなる。その結果、記録媒体の一面に細かい白粒画像が発生すると考えられる。表2は、本実施例におけるCT膜厚毎の異常放電発生の状況を示している。表2において、○は異常放電が発生していないことを示し、×は異常放電が発生していることを示している。CT膜厚が23μm以上である場合、LGTモードの暗部電位Vdを表1のように設定すると、異常放電が発生する。

[本実施例におけるCT膜厚毎の異常放電発生状況]
領域(2)では、暗部電位Vdを−750Vまで上げても画像弊害が出なかった。
領域(3)では、暗部電位Vdを上げると、リークが発生する場合があった。この領域(3)は、感光ドラム201の駆動量が多く、CT膜厚が削れて薄くなっている状態である。CT膜厚が薄いと、高電界に対する耐圧が下がり、感光ドラム201と帯電ローラ202との接触部において、リークが発生してしまう場合がある。電荷移送層(CT層)の削れムラや、アルミシリンダーの微小なささくれ、下引き層や絶縁層の微小な塗工ムラ等により、耐圧が相対的に低い部分でリークが発生してしまう。本実施例においては、−40V/μm以上の電界を印加すると、上記のリークが発生してしまう場合があるため、領域(3)の暗部電位Vdは、図6のようにCT膜厚が薄くなるに従い高く設定する必要がある。
上記のように暗部電位VdをCT膜厚毎に制御するため、本実施例においては、表3に示す暗部電位制御テーブルTcをOメモリm1に格納し、後述の動作シーケンス中に制御部101が適宜読み取れるようにしている。表3には、感光ドラムユニット301の残量(残寿命)Roと、CT膜厚と、通常モード及びLGTモードにおける暗部電位Vdとの関係が示されている。表3に示すように、CT膜厚が厚い場合、感光ドラムユニット301の残量が多く、CT膜厚が薄い場合、感光ドラムユニット301の残量が少ない。尚、以下では、感光ドラムユニット301の使用量の一例である感光ドラムユニット301の残量Roを用いて説明するが、これに限定されない。

[暗部電位制御テーブルTc]
LGTモードの電位設定は、かぶりや細線等の画像品質を考慮しつつ散り抑制のためにVbackを大きくしている。本実施例における暗部電位Vd、明部電位Vl及び現像電位Vdcは、各CT膜厚で図7のように設定している。図7の縦軸は電位[V]であり、図7の横軸はCT膜厚[μm]である。図7において、丸が暗部電位Vdであり、三角が明部電位Vlであり、四角が現像電位Vdcであり、白抜きの各マークが通常モード、黒塗りの各マークがLGTモードの時の電位である。ここで、現像可能なトナー量の目安となる感光ドラム201上の電荷量Qeに注目することが好ましいが、変動量がCT膜厚だけなので、便宜上、単位CT膜厚当たりの現像コントラスト(Vdc/CT膜厚)で簡易的に表現する。
図8は、図7の電位設定としたときのCT膜厚[μm]と現像電位Vdc/CT膜厚[V/μm]との関係図である。図8の横軸は、CT膜厚、図8の縦軸は、現像電位Vdc/CT膜厚である。図8において、白抜きのマークは、通常モードの時の電位であり、黒塗りのマークは、LGTモードの時の電位である。なお、この時の回転周速比についは、通常モードが1.4であり、LGTモードが2.5である。通常モードに対して、LGTモードでは、Vdc/CTの値が高めに推移している。このため、図9に示すCT膜厚と濃度との関係から、通常モードの濃度は1.5程度で良好に推移しており、LGTモードの濃度は1.7程度で推移しており、概ね高濃度化が達成できていることが分かる。
<実施例1における回転周速比の制御方法>
図9に示すように、ほぼ高濃度化が達成できているが、以下の2点の課題がある。課題の一つ目は、感光ドラムユニット301の残量Roが87%以上のところだけ、濃度が低くなることである。課題の二つ目は、感光ドラムユニット301の残量Roが7%未満のところだけ、濃度が高くなることである。発明者の検討により、これはそれぞれ二つの理由であることが分かった。
理由(1)について説明する。相対的に高い暗部電位の箇所、即ち表3における87%≦Ro≦100%の領域において、前述の通り感光ドラム201上の電界が若干低下し、現像ローラ302上の低トリボトナーを引き寄せることができなくなる。これにより、記録媒体上のトナー量が減って、濃度が低下する。後述の現像ユニット204の使用量Rdによって、現像ローラ302上のトナーのM/S及びQ/Sが変化してしまう。このように、理由(1)は、感光ドラムユニット301の残量Roに起因する要因1と、現像ユニット204の使用量Rdに起因する要因2との複合要因からなっている。
理由(2)について説明する。後述の現像ユニット204の使用量Rdによって、現像ローラ302上のトナーのM/S及びQ/Sが変化してしまう。理由(2)は、現像ユニット204の使用量Rdに起因する。
図10は、現像ユニット204の使用量Rdが異なる場合の現像コントラストVcontと濃度との関係図である。図10の横軸は、現像コントラストVcont、図10の縦軸は、濃度である。図10において、実線は、通常モード、破線は、LGTモード、細線は、現像ユニット204の使用量Rdが5%≦Rd<95%、中太線は、現像ユニット204の使用量Rdが0≦Rd<5%、太線は、現像ユニット204の使用量Rdが95%≦Rdである。また、図10において、感光ドラムユニット301の残量Roは33%である。通常モードにおいて、現像ユニット204の使用量Rdが0≦Rd<5%の場合、現像ローラ302上のトナーのM/Sが少なく、Q/Sが高い。このため、同じ現像コントラストVcontでも少ないトナー量で感光ドラム201上の電荷量が均衡してしまう。さらに、現像ローラ302上のコート量自体も少ないので、濃度の感度がなくなる100%現像領域(図10中のΔ200V近傍)の濃度も低いVcontで飽和し、且つ濃度は低くなってしまう。これはLGTモードにおいても同じであるため、初期の濃度は低くなる。
一方、95%≦Rdの場合、現像ローラ302上のトナーのM/Sが多く、Q/Sが低い。これは、選択現像により耐久後半のトナー粒径が大きくなることや、現像ブレード308との摺擦でトナーが劣化して帯電性が落ちたこと、トナー劣化に伴いトナーの流動性が低下し現像ブレード308で規制し辛くなりM/Sが増加したことなどが原因である。M/Sが増加するため、トナーに対するトリボ付与(摩擦帯電)も難しくなり、Q/Sも低下してしまう。このため、図10の太線は細線に対し、同じ現像コントラストVcontにおいても多くのトナーが現像され、飽和後の濃度も高くなる。結果、他のRdの現像ユニット204に対して濃度が高くなりすぎる。95%≦Rdの現像ユニット204とそれ以外の現像ユニット204が混在する場合、高濃度化は達成できるが、記録媒体上のトナー量が異なるため色味が変わってしまう。
上記検討結果から、本実施例では、現像ユニット204の使用量Rdが5%未満であると判断した場合、回転周速比を上げ、Rdが95%以上であると判断した場合、回転周速比を下げる。
以上から、回転周速比は、RoとRdのそれぞれを考慮して決定する必要がある。図11は、LGTモード時における感光ドラムユニット301の残量Roと、現像ユニット204の使用量Rdと、回転周速比との関係図である。図11の縦軸は、回転周速比であり、図11の横軸は、現像ユニット204の使用量Rdである。図11において白色の丸は、Ro<87%であり、黒色の丸は、Ro≦87%である。これは、本実施例において前
述の二つの理由(1)及び(2)を考慮して設定している。これにより、Vdc/CTが低い場合、現像ローラ302上のM/Sが低くQ/Sが高い場合や、M/Sが高くQ/Sが低い場合においても、色味が変動することなく高濃度化が達成できる。
本実施例においては、表4に示す回転周速比制御テーブルTdをDTメモリm2に格納し、後述の動作シーケンス中において、制御部101が適宜読み取れるようにしている。ここで、通常モードの回転周速比は、一律1.4である。

[回転周速比制御テーブルTd]
<実施例1における制御ブロック図>
次に、図12を用いて、画像形成装置200の制御ブロック図について説明する。
制御部101は、不図示のCPU、ROM,RAMなどの回路からなり、画像形成装置200内の各装置を制御するプログラムを実行する。制御部101内のブロックは制御部101が実行する機能を意味する。
制御部101は、帯電バイアス電源などを含む電源部510、感光ドラム201や現像ローラ302を駆動するモータを駆動するモータ駆動部511、スキャナユニット203の駆動及びレーザー制御を行う露光制御部512と接続されている。制御部101は、電源部510、モータ駆動部511及び露光制御部512に指示を出し、画像形成を行う。制御部101は環境センサ102と接続され、環境センサ102の出力電圧から雰囲気温度をモニターする。また、制御部101はドラムメモリ通信部520を通じて感光ドラムユニット301に装着されたOメモリm1と通信を行い、Oメモリm1との間でデータの読み書きを行うこと可能である。制御部101は、現像メモリ通信部530を通じて現像ユニット204に装着されたDTメモリm2と通信を行い、DTメモリm2との間でデータの読み書きを行うことが可能である。
感光ドラムユニット残量決定手段521は、Oメモリm1に格納された感光ドラムユニット残量を読み出し、また、感光ドラム201の回転に伴い、感光ドラムユニット残量を更新し、Oメモリm1への書き込みを行う。現像ユニット残量決定手段531は、DTメモリm2に格納された現像ユニット残量を読み出し、また、現像ローラ302の回転及びトナーの消費に伴い、現像ユニット204の使用量Rdを更新し、DTメモリm2への書き込みを行う。本実施例において、感光ドラムユニット残量決定手段521は、現像ローラ302の駆動量に係る寿命情報及びトナーの残量に係る情報の少なくとも一方に基づいて、現像ユニット204の使用量Rdを取得及び更新する。環境決定手段540は、環境センサ102の出力電圧を雰囲気環境温度へ変換する。暗部電位決定手段550は、暗部電位制御テーブルTcの情報を参照し、画像形成モード及び感光ドラムユニット301の残量Roに基づいて、感光ドラム201上に形成する暗部電位を取得(算出)する。そして、暗部電位決定手段550は、決定した暗部電位に応じた電位を帯電ローラ202に印
加するために、電源部510に指示を出す。回転周速比決定手段560は、回転周速比制御テーブルTdの情報を参照し、画像形成モード、感光ドラムユニット301の残量Ro及び現像ユニット204の使用量Rdに基づいて、感光ドラム201と現像ローラ302との回転周速比を決定する。そして、回転周速比決定手段560は、決定した回転周速比に応じた回転速度で感光ドラム201及び現像ローラ302を駆動させるために、モータ駆動部511に指示を出す。
<暗部電位及び回転周速比の決定動作シーケンス>
次に、実施例1に係る画像形成装置200において、LGTモードの画像形成動作を行った場合のシーケンスについて図1を参照して説明する。
例えば、画像形成装置200に接続された不図示のホスト機器から画像情報に基づくプリントデータが入力されると、制御部101が、メモリに格納されたプリントジョブのシーケンスを読み出してプリント動作を開始する(S1)。その際、制御部101は、プリントデータに含まれる設定情報に例えば「0」が設定されていれば通常モードを、設定情報に「1」が設定されていればLGTモードを選択し、以後の処理を実行する(S2)。画像形成モードとしてLGTモードが選択された場合、制御部101は、Oメモリm1から感光ドラムユニット301の残量情報を読み取り(S3)、感光ドラムユニット301の残量Roを取得(算出)する(S4)。また、制御部101は、DTメモリm2から現像ユニット204の使用量情報を読み取り(S5)、現像ユニット204の使用量Rdを取得する(S6)。制御部101は、環境センサ102から画像形成装置本体の使用環境を読み取る(S7)。制御部101は、感光ドラムユニット301の残量Roと画像形成装置本体の使用環境とから、暗部電位を取得する(S8)。尚、画像形成装置本体の使用環境については後述する。また、画像形成装置本体の使用環境を用いない場合、S7の処理をスキップし、S8の処理において、制御部101は、感光ドラムユニット301の残量Roから暗部電位を取得する。制御部101は、感光ドラムユニット301の残量Roと現像ユニット204の使用量Rdとから、回転周速比を取得する(S9)。制御部101は、決定した暗部電位と回転周速比とにより、画像形成動作を開始する(S10)。一方、画像形成モードとして通常モードが選択された場合、制御部101は、表3に示す暗部電位を印加しつつ、回転周速比1.4にて、画像形成動作を開始する(S11)。
上記説明した制御を行うことにより、異常放電画像やリーク画像の発生を抑制しつつ、良好な高濃度画像を得ることができる。
<比較例1>
[比較例1における画像形成装置及びプロセスカートリッジの構成]
比較例1において、特に記載のない場合は、実施例1の構成に従う。
比較例1のLGTモードにおける暗部電位は、感光ドラムユニット301の残量Roに関わらず、−750Vとした。また、LGTモードにおける回転周速比は、現像ユニット204の使用量Rdに関わらず、2.5とした。
<比較例2>
[比較例2における画像形成装置及びプロセスカートリッジの構成]
比較例2において、特に記載のない場合は、実施例1の構成に従う。
比較例2のLGTモードにおける回転周速比は、現像ユニット204の使用量Rdに関わらず、2.5とした。
<実施例1と比較例1及び比較例2とのLGTモード時の濃度比較>
図13Aに実施例1、図13Bに比較例1、図13Cに比較例2のそれぞれのLGTモード時の耐久濃度推移を示す。図13A〜図13Cにおいて、縦軸は濃度であり、横軸はRo[%]である。また、図13A〜図13Cにおいて、黒色の丸は現像ユニット204の使用量Rdが5%未満を示し、斜線付きの丸は5%≦Rd<95%を示し、白色の丸は
Rd≦95%を示している。本実施例では、特に顕著なRoとRdの組み合わせについて、濃度の値を示している。
比較例1では、Rdに関わらず、80%<Roと、Ro<60%において、他の画像弊害が発生する場合があった。80%<Roにおいて、異常放電画像が発生する場合がある。これは、CT膜厚が厚い領域で、暗部電位を−750Vに設定したため、画像弊害が発生した。そのため、濃度の測定ができず、図13Bではブランクとなっている。また、Ro<60%においては、リーク画像が発生する場合がある。これは、CT膜厚が薄い領域で、暗部電位を−750Vに設定したため、画像弊害が発生した。60%≦Ro≦80%においては、画像弊害は発生しないものの、Rdによって濃度のバラつきがある。95%≦Rdにおいては、感光ドラム201上に形成された潜像に対し、トナーの供給が足りずに濃度が低下してしまったためである。5%≦Rd<95%の場合は、60%≦Ro≦80%までの間は、濃度が1.6以上となっており、色味変動も抑制しながら高濃度化が達成できている。これは、以下の2つの理由によりトナーを適切に供給できた結果である。一つ目の理由は、暗部電位とCT膜厚との関係が適切に設定され、現像コントラストVcontが大きく電界的に十分に記録媒体上にトナーが載ったことである。二つ目の理由は、現像ユニット204の使用量Rdと回転周速比との関係も適切に設定されたことである。Rd≦5%においては、濃度がさらに上昇している。例えば一つのステーションだけがRd≦5%となった場合に、色味が変動した。これは、現像寿命に関わらず回転周速比が2.5のままであり、現像ユニット204の使用に伴い、現像ローラ302上のトナーのM/Sが上昇し、Q/Sが下がり、過度に感光ドラム201上にトナーを現像してしまったためである。
比較例2では、異常放電画像の発生が抑制されていた。これは、Roに応じて暗部電位を表3の暗部電位制御テーブルTcに対応するように制御した結果、帯電ローラ202における異常放電を抑制できたためである。95%≦Rdの場合は、Roに関わらず濃度が低下してしまった。これは、現像寿命に関わらず回転周速比が2.5のままであり、感光ドラム201上に形成された潜像に対し、トナーの供給が足りずに濃度が低下してしまったためである。5%≦Rd<95%の場合は、高濃度化が達成できている。これは、現像ユニット204の使用量Rdと回転周速比との関係が適切に設定され、潜像に対して、トナー量が十分に供給できたためである。Rd≦5%においては、濃度がさらに上昇している。この時、例えば一つのステーションだけがRd≦5%となった場合に、色味が変動した。これは、現像寿命に関わらず回転周速比が2.5のままであり、現像ユニット204の使用に伴い、現像ローラ302上のトナーのM/Sが上昇し、Q/Sが下がり、過度に感光ドラム201上にトナーを現像してしまったためである。
実施例1では、表3の暗部電位制御テーブルTcを用いて、感光ドラムユニット301の残量Roに応じた暗部電位Vdを設定し、且つ、表4の回転周速比制御テーブルTdを用いて、現像ユニット204の使用量Rdに応じた回転周速比を設定している。そのため、実施例1では、高い現像コントラストVcontが形成され、適切な量のトナーを供給することが可能である。この結果、実施例1では、現像ユニット204の使用量Rd及びCT膜厚に関わらず、画像弊害が発生せず、高濃度化が達成できている。
以上の結果を、表5に示す。表5における比較例1の高濃度化と色味変動の結果は、異常放電画像及びリーク画像が発生していない状態での評価結果である。表5に示すように、実施例1の構成によって、画像弊害が発生せずに高濃度化が達成できている。

[実施例1と比較例1及び比較例2とのLGTモード時の効果及び弊害一覧]
<さらなる高濃度化達成手段>
本実施例においては、現像ローラ302上のトナーのM/S及びQ/Sに応じて、回転周速比を設定している。トナーのM/S及びQ/Sは、上述の耐久変動以外に使用環境によっても変化する。例えば、本実施例の現像ユニット204を使用した場合、低温低湿環境、常温常湿環境、高温高湿環境におけるM/S及びQ/Sは、現像ユニット204の使用量Rdにより、図14A及び14Bのように変動する。図14Aの縦軸はM/S、横軸はRdであり、図14Bの縦軸はQ/S、横軸はRdである。図14A、14Bにおいて、白色の丸は低温低湿環境を示し、白色の三角は常温常湿環境を示し、白色の四角は高温高湿環境を示している。実施例1は、常温常湿環境における制御を示したが、図14A、14Bに示すように、使用環境次第でM/S及びQ/Sは変化する。低温低湿環境では、湿度が低い為、トリボが高くなる。トリボが高いと、トナー同士が凝集し易くなり、現像ブレード308で規制し難くなり、M/Sも上昇する。また、Rdが少なくなってトナーが劣化してくると、更にトナーの凝集度が上がり、トナーを規制できなくなり、M/Sが更に上昇する。高温高湿環境では、逆にトリボが低い為、現像ブレード308で規制し易く、M/Sが常温常湿環境と同様に低くなる。更に、Rdが低くなってくると、トナーが劣化し、トリボが低くなってくる。このため、回転周速比を制御しない場合、潜像に対して多くのトナーが乗るようになってしまう。
上記の状況に鑑みて、例えば回転周速比制御テーブルTdを図15に示すように使用環境に応じて増減することにより、使用環境に影響されずに、異常画像や色味変動を抑制し、良好な高濃度画像を得ることができる。図15の縦軸は、各環境における回転周速比の増減量であり、図15の横軸は、Rdである。図15において、白色の丸は低温低湿を示し、白色の四角は高温高湿を示している。図15において、低温低湿環境の温度、湿度がそれぞれ15℃、10%Rhであり、高温高湿環境の温度、湿度がそれぞれ30℃、80%Rhである。尚、常温常湿環境の温度、湿度がそれぞれ23℃、50%Rhである。また、本実施例では、各環境の回転周速比の補正量をRdに対してテーブルで設定している。これに限定されず、現像ユニット204の特性次第では、例えば、各環境、Rdに応じた倍率を設定し、計算により回転周速比を求めることで、データ容量を抑制しつつ適正な補正を行うことができる。
〈実施例1の効果〉
通常モードの他に、暗部電位を低くしつつ感光ドラム201と現像ローラ302との回転周速比を大きくしたLGTモードを実施する際、Oメモリm1に格納されている感光ドラムユニット301の使用量に応じた暗部電位を形成する。これにより、帯電部材の異常放電や感光ドラムのリークを抑制することができる。暗部電位が相対的に高くなる場合は、明部電位と現像電位で形成される現像コントラストが小さくなり、現像ローラ302上のトナーを感光ドラム201の表面に引き付ける電界が弱くなる。そのため、記録媒体上
のトナー量が若干低下して、高濃度にできない場合がある。この場合、感光ドラム201と現像ローラ302の回転周速比を大きくすることで、あるトリボ分布を持って現像ローラ302に担持されているトナーの内、電界に対する感度の高い高トリボトナーを十分送ることができる。結果、記録媒体上のトナー量を暗部電位が相対的に低い場合と同等程度に十分確保でき、高濃度及び色域の広がった良好な画像を得ることができる。さらに、Oメモリm1に格納されている感光ドラムユニット301の使用量に応じた情報及びDTメモリm2に格納されている現像ユニット204の使用量に応じた情報に基づいて回転周速比を選択する。これにより、任意の感光ドラム201及び任意の現像ユニット204が組み合わさった2体化構成においても、異常放電やリーク画像を抑制しつつ、トナーのトリボに応じて記録媒体上のトナー量を最適化できる。その結果、高濃度及び色域の広がった良好な画像を得ることができる。
<実施例2>
実施例2について説明する。以下では、実施例1と実施例2との相違点について説明し、実施例2における実施例1と同一の構成要素については、実施例1と同一の符号を付し、その説明を省略する。
<実施例2における画像形成装置及びプロセスカートリッジの構成>
実施例2では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成ステーションSY、SM、SC、SKのうち、SY、SM、SCの現像ユニット204を駆動する駆動モータを共通としている。これにより、フルカラー印字とモノカラー印字をスムーズに行いつつ、小型化、コストダウンが達成できる。Y、M、C、Kの各色用のプロセスカートリッジ208のそれぞれは、Oメモリm1Y、DTメモリm2Y、Oメモリm1M、DTメモリm2Y、Oメモリm1C、DTメモリm2C、Oメモリm1K、DTメモリm2Kを有する。以下では、Oメモリm1Y、Oメモリm1M、Oメモリm1C及びOメモリm1Kの全てを示す場合、Oメモリm1YMCKと呼び、Oメモリm1YMCKのそれぞれを示す場合、各Oメモリm1YMCKと呼ぶ。また、DTメモリm2Y、DTメモリm2Y、DTメモリm2C及びDTメモリm2Kの全てを示す場合、DTメモリm2YMCKと呼び、DTメモリm2YMCKのそれぞれを示す場合、各DTメモリm2YMCKと呼ぶ。このように、実施例2において、Oメモリm1及びDTメモリm2の符号にY、M、C、Kを添え字として付加しているが、他の各構成要素の符号にY、M、C、Kを添え字として付加した場合も同様である。
<実施例2における回転周速比の制御方法>
実施例2では、表4の回転周速比制御テーブルTdを用いて、現像ユニット204の使用量Rd及び感光ドラムユニットの残量Roから、各色の回転周速比が取得される。この場合、画像形成ステーションSY、SM、SCの現像ユニット204を駆動する駆動モータが共通のため、選択できる回転周速比は一つである。基本的に、回転周速比を上げていくと通常モードに対してより高濃度化が図れるが、Rdによっては、画像弊害である色味変動が発生してしまう。本実施例においては、画像弊害が出ない範囲で高濃度化が達成できるように、取得した回転周速比のうち、一番低い値を採用するようにする。
<実施例2における制御ブロック図>
次に、図16を用いて、画像形成装置200の制御ブロック図について、実施例1との違いを説明する。各現像ユニット204YMCに配置された各DTメモリm2YMCに、各現像ユニット204YMCの使用量Rdが格納されている。また、各感光ドラムユニット301YMCに配置された各Oメモリm1YMCに、感光ドラムユニット301YMCの残量Roが格納されている。
暗部電位決定手段550は、暗部電位制御テーブルTcの情報を参照し、画像形成モー
ド及び各残量RoYMCに基づいて、感光ドラム201上に形成する各暗部電位を決定する。各残量RoYMCは、各感光ドラムユニット301YMCの残量Roを意味する。そして、暗部電位決定手段550は、決定した各暗部電位に応じた電位を帯電ローラ202Y、202M、202Cに印加するために、電源部510に指示を出す。回転周速比決定手段560は、回転周速比制御テーブルTdの情報を参照し、画像形成モード、各残量RoYMC及び各使用量RdYMCに基づいて、感光ドラム201と現像ローラ302との各回転周速比を決定する。各使用量RdYMCは、各現像ユニット204YMCの使用量Rdを意味する。そして、回転周速比決定手段560は、各回転周速比のうち一番小さい回転周速比に応じた回転速度で感光ドラム201及び現像ローラ302を駆動させるために、モータ駆動部511に指示を出す。
<暗部電位及び回転周速比決定動作シーケンス>
次に、実施例2に係る画像形成装置200において、LGTモードの画像形成動作を行った場合のシーケンスについて図17を参照して説明する。図17のS21及びS22の処理については、図1で説明したS1及びS2の処理と同様であるので詳しい説明を省略する。画像形成モードとしてLGTモードが選択された場合、制御部101は、各Oメモリm1YMCKから各感光ドラムユニット301YMCKの残量情報を読み取り(S23)、各残量RoYMCKを取得する(S24)。各残量RoYMCKは、各感光ドラムユニット301YMCKの残量Roを意味する。また、制御部101は、各DTメモリm2YMCKから現像ユニット204の使用量情報を読み取り(S25)、各使用量RdYMCKを取得する(S26)。各使用量RdYMCKは、各現像ユニット204YMCKの使用量Rdを意味する。制御部101は、環境センサ102から画像形成装置本体の使用環境を読み取る(S27)。制御部101は、各残量RoYMCKと画像形成装置本体の使用環境とから、各暗部電位(Y、M、C、K)を取得する(S28)。また、画像形成装置本体の使用環境を用いない場合、S27の処理をスキップし、S28の処理において、制御部101は、各残量RoYMCKから各暗部電位(Y、M、C、K)を取得する。制御部101は、各残量RoYMCと各使用量RdYMCとから、プロセスカートリッジ208YMCにおける各回転周速比(Y、M、C)を取得し、各回転周速比のうち最小の回転転周速比(最小値)を決定する(S29)。S29において、制御部101は、最小の回転転周速比(最小値)をプロセスカートリッジ208YMCにおける各回転周速比に決定する。また、S29において、制御部101は、感光ドラムユニット301Kの残量Roと現像ユニット204Kの使用量Rdとから、プロセスカートリッジ208Kにおける回転周速比を取得する。制御部101は、決定した暗部電位と回転周速比とにより、画像形成動作を開始する(S30)。一方、画像形成モードとして通常モードが選択された場合、制御部101は、表3に示す暗部電位を印加しつつ、回転周速比1.4にて、画像形成動作を開始する(S31)。
以上説明した制御を行うことにより、プロセスカートリッジ208YMCの駆動モータを共通化し、小型化した簡易な構成であっても、異常放電画像やリーク画像の発生を抑制しつつ、良好な高濃度画像を得ることができる。
<実施例2と比較例1及び比較例2とのLGTモード時の濃度比較>
画像形成ステーションに、Ro<87%の感光ドラムユニット301及び、Rd<5%の現像ユニット204を配置し、実施例中一番低い回転周速比となる2.0で効果と弊害の確認を行った。確認の結果を表6に示す。表6に示すように、実施例2においても、画像弊害を出すことなく、通常モードと比較して良好な高濃度画像を得ることができる。

[実施例2と比較例1及び比較例2とのLGTモード時の効果及び弊害一覧]
101…制御部、200…画像形成装置、201…感光ドラム、204…現像ユニット、302…現像ローラ、301…感光ドラムユニット、m1…Oメモリ、m2…DTメモリ

Claims (6)

  1. 静電潜像が形成される回転可能な像担持体と、前記像担持体を帯電させる帯電手段と、を有する、画像形成装置の装置本体に着脱可能な潜像ユニットと、
    現像剤担持体に担持された現像剤を前記像担持体に供給して前記静電潜像を現像剤像として現像する、前記画像形成装置の装置本体に対して着脱可能な現像ユニットと、
    を備え、
    前記現像剤担持体が前記像担持体に対して第1の周速比で回転し、かつ、第1の暗部電位で前記像担持体が帯電される第1モードと、前記現像剤担持体が前記像担持体に対して第1の周速比よりも大きい第2の周速比で回転し、かつ、前記第1の暗部電位よりも大きい絶対値の第2の暗部電位で前記像担持体が帯電される第2モードと、を有する画像形成装置であって、
    前記潜像ユニットの使用量に応じた情報に基づいて前記第2の暗部電位を取得し、かつ、前記潜像ユニットの使用量に応じた情報及び前記現像ユニットの使用量に応じた情報に基づいて前記第2の周速比を取得する制御部を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記潜像ユニットは、前記潜像ユニットの使用量に応じた情報が記憶された第1メモリを有し、
    前記現像ユニットは、前記現像ユニットの使用量に応じた情報が記憶された第2メモリを有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記潜像ユニットの使用量に応じた情報及び前記画像形成装置の使用環境に関する情報に基づいて前記第2の暗部電位を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記潜像ユニットの使用量に応じた情報は、前記像担持体の残寿命を含み、
    前記像担持体の残寿命が少ないほど、前記第2の周速比が大きくなることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記現像ユニットの使用量に応じた情報は、前記現像ユニットの使用量を含み、
    前記現像ユニットの使用量が大きいほど、前記第2の周速比が大きくなることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記潜像ユニット及び前記現像ユニットを有する複数の作像部を備え、
    前記制御部は、前記複数の作像部のそれぞれが有する前記潜像ユニットの使用量に応じた情報に基づいて複数の第2の暗部電位を取得し、かつ、前記複数の作像部のそれぞれが有する前記潜像ユニットの使用量に応じた情報及び前記現像ユニットの使用量に応じた情報に基づいて、複数の周速比を取得し、前記複数の周速比のうち最小値を前記第2の周速比に決定することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の画像形成装置。
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